JPH0778519A - 絶縁電線 - Google Patents

絶縁電線

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JPH0778519A
JPH0778519A JP5223234A JP22323493A JPH0778519A JP H0778519 A JPH0778519 A JP H0778519A JP 5223234 A JP5223234 A JP 5223234A JP 22323493 A JP22323493 A JP 22323493A JP H0778519 A JPH0778519 A JP H0778519A
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JP
Japan
Prior art keywords
weight
resin
parts
electric wire
insulating layer
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Pending
Application number
JP5223234A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Asano
健次 浅野
Kazunori Suzuki
和則 鈴木
Yoshiyuki Tetsu
芳之 鉄
Akio Mitsuoka
昭雄 光岡
Hideki Yagyu
秀樹 柳生
Kiyoshi Watanabe
清 渡辺
Seiji Kamimura
誠二 神村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は密着性、可撓性等の電線特性
に優れ、かつ450℃以上の耐熱性を備えた新規な絶縁
電線を提供することにある。 【構成】 本発明は分子量が3000以下のポリカルボ
シラン樹脂と、シラザン樹脂およびシリコーン樹脂から
選ばれる少なくとも一種と、無機フィラーとを含有する
耐熱塗料を導体1上に塗布焼付けて絶縁層2を形成した
ことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は特に耐熱性に優れた絶縁
層を有する絶縁電線に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、原子力、高温モーター、電装品コ
イル、特種半田ゴテ等の高い発熱を伴う部材には、耐熱
性に優れた絶縁電線を適用すべき検討されており、絶縁
体も耐熱性に優れた無機材料が必要となってくる。しか
しながら、無機質材料は単独では硬く、脆いため、絶縁
電線の絶縁材料として用いた場合、巻線のように巻いて
コイルとするような線材には実用化が難しい。そのた
め、従来では有機バインダーに無機フィラーを分散さ
せ、導体上に半乾燥で塗布後、コイル成形し、その後、
400℃以上の温度で焼成し、無機質化することが行わ
れている(特公昭61−3052号)。また、場合によ
り、巻線性向上のため、半乾燥で塗布した無機質層の直
上に有機保護層を形成した電線を用い、コイル成形後に
同様に高温で有機保護層を分解し、同時に下層を焼成し
無機質化する方法も行われている。この有機保護層とし
ては機械強度のある材料であれば適用され、一般的にエ
ナメル線材料に用いられる油性エナメル、ホルマール、
ポリウレタン、エポキシ、ポリエステル、ポリエステル
イミド、ポリイミド、ナイロン等が使用されている。と
りわけポリイミドは有機材料の中で最も耐熱性が高く、
これを保護層に用いた場合焼成しなくとも機器運転中の
熱履歴により、下層セラミックが徐々に焼成し、上層ポ
リイミドの分解時、無機化するという点から主に用いら
れる傾向にある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、無機質塗料
の有機バインダーとしてはシリコーン樹脂が一般的に用
いられているが、耐熱性は400℃付近が限界であり、
450℃以上では適用が難しい。そのため、より耐熱性
の優れたポリカルボシラン樹脂をベースとして耐熱性の
向上が検討されている(特開昭63−250012
号)。しかしながら、このポリカルボシラン樹脂単独で
はその分子量が大きいと、絶縁層にピンホールが多発し
たり、導体との密着性や可撓性が大きく低下して、絶縁
性を悪化させてしまう問題がある。
【0004】そこで、本発明は上記の問題点を有効に解
決するために案出されたものであり、その目的は密着
性、可撓性等の電線特性に優れ、かつ450℃以上の耐
熱性を備えた新規な絶縁電線を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に第一の発明は分子量が3000以下のポリカルボシラ
ン樹脂100重量部と、シラザン樹脂およびシリコーン
樹脂から選ばれる少なくとも一種5〜300重量部と、
無機フィラー50〜600重量部とを含有する耐熱塗料
を導体上に塗布焼付けて絶縁層を形成したものであり、
第二の発明は上記耐熱塗料を導体上に塗布焼付して絶縁
層を形成し、さらにこの絶縁層の上に有機保護層を形成
したものである。また、第三の発明は、この有機保護層
はエナメル塗料を塗布焼付して形成したものである。
【0006】本発明に用いるポリカルボシラン樹脂は図
1(A)に示すような化学構造をしており、とりわけR
=CH3 、R′=Hの構造のものが特性面から本発明に
適している。また、このポリカルボシラン樹脂の分子量
を3000以下に規定したのは、これ以上では形成され
た絶縁層にピンホールが多発し、密着性や可撓性が大き
く低下するからである。従って、分子量が3000以
下、好ましくは2000以下であればピンホールも少な
く、密着性、可撓性も向上することになる。
【0007】また、本発明においてシラザン樹脂および
シリコーン樹脂の少なくとも一方を用いる理由として
は、ポリカルボシラン樹脂と共にこれを併用することに
より、ピンホール発生が激減し、密着性や可撓性が格段
に向上するからである。シラザン樹脂としては図1
(B)に示すような化学構造を有するヘキサメチルシク
ロトリジラザン(略称HMCTS:信越化学製)、ヘキ
サメチルジシラザン(Me3 SiNHSiMe3 :東芝
シリコーン製)、サイクリックシラザン混合物[(Me
2 SiNH)n ,n=3〜4:東芝シリコーン製]、
N,N′−ビス(トリメチルシリル)ウレア(Me3
iNHCONHSiMe3 :東芝シリコーン製)、N−
トリメチルシリルアセトアミド(CH3 CONHSiM
3 :東芝シリコーン製)等が適しており、これらのう
ち、焼付性の点からもHMCTSが最も適している。ま
た、シリコーン樹脂としては耐熱性と可撓性の良いフェ
ニルメチルシリコーン、例えばTSR−116、TSR
−117(東芝シリコーン製)、KR271,KR−2
80(信越化学製)等が適している。本発明において、
シラザン樹脂、シリコーン樹脂の配合量を5〜300重
量部の範囲に限定したのは5重量部以下では上記特性の
改良効果が小さく、反対に300重量部以上では耐熱性
が低下するからである。
【0008】また、本発明に用いる無機フィラーとして
は酸化アルミニウム(Al2 3 )、酸化マグネシウム
(MgO)、酸化ジルコニウム(ZrO2 )、酸化ケイ
素(SiO2 )等の金属酸化物や、マイカ、タルク、ク
レー等の電気絶縁性のある無機質材料が適しており、そ
の粒子径としては分散性、電気絶縁性の点から5μm以
下が好ましく、さらに良好な効果を得るためには1μm
以下が望ましい。無機フィラーの配合量を50〜600
重量部に限定したのは、50重量部以下では耐熱性が低
くなり、反対に600重量部以上では脆く、空隙が多く
なって絶縁性が低下するためである。
【0009】尚、これら各成分からなる耐熱塗料は、有
機溶剤、例えばキシレン、トルエン等に有機バインダー
を溶解させ、無機フィラーを適当な分散安定剤と共にボ
ールミル等により混練することによって容易に得られ
る。
【0010】また、導体材料としては400℃付近まで
はNiメッキ銅線(Niは酸化防止層)450℃付近で
はNiクラッド銅線、600℃付近ではSUSクラッド
銅線等が適している。
【0011】本発明においては上記耐熱塗料からなる絶
縁層の上にエナメル塗料等を塗布焼付して有機保護層を
形成することにより絶縁電線の機械特性を向上できる。
エナメル塗料としては油性エナメル、ホルマール、ポリ
ウレタン、エポキシ、ポリエステル、ポリエステルイミ
ド、ポリイミド、ポリアミド等が挙げられる。
【0012】
【作用】本発明の絶縁電線は上述したように、分子量が
3000以下のポリカルボシラン樹脂に、シラザン樹脂
あるいはシリコーン樹脂を配合することにより、絶縁層
にピンホールが発生せず、良好な密着性及び可撓性を示
すことになる。また、さらに、無機フィラーを配合する
ことにより、450℃以上の優れた耐熱性を示すことに
なる。また、第二の発明の絶縁電線はさらにこの絶縁層
の上に有機保護層を備えたダブルコートの絶縁電線であ
るため、巻線性向上と共にさらに優れた電線特性及び耐
熱性を示すことになる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例及び比較例を説明す
る。
【0014】[セラミックシングルコート線] (実施例1)表1に示すように、分子量800のポリカ
ルボシラン樹脂100重量部、シラザンHMCTS10
0重量部、Al2 3 400重量部を、キシレン200
重量部と共にボールミルに封入した後、常温3日間攪拌
した耐熱塗料を形成し、この耐熱塗料を、炉長3mの横
型炉を用いて図2に示すように、導体1となる0.20
mm径のNiクラッド銅線上に塗布焼付けして膜厚23
μmの絶縁層2を形成してシングルコートの絶縁電線3
を得た。その後、このシングルコート絶縁電線3のピン
ホールの有無、密着性、耐軟化温度及び絶縁抵抗を測定
した。
【0015】(実施例2〜8、17,18,21,2
2)表1に示すようにポリカルボシラン樹脂の分子量、
シラザン樹脂の種類、無機フィラーの種類を変化させ、
実施例1と同様な評価を行った。
【0016】(実施例9)表1に示すようにシラザン樹
脂の代わりにシリコーン樹脂を用い、実施例1と同様な
評価を行った。
【0017】(実施例10〜16、19,20,23,
24)表1に示すようにポリカルボシラン樹脂の分子
量、シリコーン樹脂の種類、無機フィラーの種類を変え
て、実施例1と同様な評価を行った。
【0018】
【表1】
【0019】(比較例1〜4)表2に示すように、シラ
ザン樹脂及びシリコン樹脂を全く配合せずに、実施例1
と同様な評価を行った。
【0020】(比較例5,6)表2に示すように、シラ
ザン樹脂あるいはシリコン樹脂を多量に配合し、実施例
1と同様な評価を行った。
【0021】(比較例7〜10)表2に示すように、無
機フィラーの配合量を多量にあるいは極端に少なくして
実施例1と同様な評価を行った。
【0022】
【表2】
【0023】この結果、表1に示すように、実施例1〜
16ではいずれも良好な電線特性を示した。また、シラ
ザン樹脂またはシリコーン樹脂或いは無機フィラーの配
合量が本発明の規定値外の実施例17〜24の場合で
は、実施例1〜16に比較して絶縁抵抗がやや劣るもの
の実用上ほとんど問題がない。
【0024】これに対し、表2に示すように、シラザン
樹脂あるいはシリコン樹脂を全く配合しない比較例1〜
4ではピンホールが発生してしまい、絶縁抵抗も悪かっ
た。特に分子量が3000以上のポリカルボシラン樹脂
を用いた比較例3,4では大量のピンホールが発生して
しまい、いずれの特性も悪かった。また、シラザン樹脂
またはシリコーン樹脂或いは無機フィラーの配合量が極
端な比較例5〜8の場合でもいずれかの電線特性が悪
く、実用化は不可能である。
【0025】[ポリイミドオーバーコート線] (実施例25)表3および図3に示すように、実施例1
の塗料を、φ0.20mmの導体1上に14μm焼付け
して絶縁層2を形成し、さらにその上にポリイミド塗料
トレニース#3000(東レ製)を保護層4として9μ
mオーバーコートしてダブルコートの絶縁電線5を形成
し、これを実施例1と同様な評価を行った。
【0026】(実施例26)表3に示すように、実施例
9の塗料を用い、実施例25と同様な評価を行った。
【0027】(比較例11)表3に示すように、比較例
4の塗料を用い、実施例25と同様な評価を行った。
【0028】
【表3】
【0029】この結果、表3に示すように、実施例2
5、26、比較例11のいずれもピンホール、密着性、
可撓性はポリイミドオーバーコートによって補われるい
るが、比較例11の場合は加熱劣化後にポリイミドが消
失し、絶縁抵抗が低下した。
【0030】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、450℃
以上の耐熱性を発揮すると共に密着性、可撓性等に優
れ、かつピンホールが発生しない優れた特性の絶縁電線
を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)ポリカルボシラン樹脂を示す化学構造式
である。 (B) シラザン樹脂を示す化学構造式である。
【図2】シングルコートの絶縁電線を示す断面図であ
る。
【図3】ダブルコートの絶縁電線を示す断面図である。
【符号の説明】
1 導体 2 絶縁層 3 シングルコート絶縁電線 4 有機保護層 5 ダブルコート絶縁電線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 光岡 昭雄 茨城県日立市川尻町4丁目10番1号 日立 電線株式会社豊浦工場内 (72)発明者 柳生 秀樹 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社パワーシステム研究所内 (72)発明者 渡辺 清 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社パワーシステム研究所内 (72)発明者 神村 誠二 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社パワーシステム研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子量が3000以下のポリカルボシラ
    ン樹脂100重量部と、シラザン樹脂およびシリコーン
    樹脂から選ばれる少なくとも一種5〜300重量部と、
    無機フィラー50〜600重量部とを含有する耐熱塗料
    を導体上に塗布焼付けて絶縁層を形成したことを特徴と
    する絶縁電線。
  2. 【請求項2】 分子量が3000以下のポリカルボシラ
    ン樹脂100重量部と、シラザン樹脂およびシリコーン
    樹脂から選ばれる少なくとも一種5〜300重量部と、
    無機フィラー50〜600重量部とを含有する耐熱塗料
    を導体上に塗布焼付けて絶縁層を形成し、この絶縁層の
    上に有機保護層を形成したことを特徴とする絶縁電線。
  3. 【請求項3】 上記有機保護層はエナメル塗料を塗布焼
    付して形成したことを特徴とする請求項2記載の絶縁電
    線。
JP5223234A 1993-09-08 1993-09-08 絶縁電線 Pending JPH0778519A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104871639A (zh) * 2012-12-25 2015-08-26 株式会社克拉比 绳状加热器和片状加热器

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104871639A (zh) * 2012-12-25 2015-08-26 株式会社克拉比 绳状加热器和片状加热器
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