JPH0778323A - 磁気ヘッド及び磁気ディスク装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コアスライダから引き出したリード線をコア
スライダの側面に固定した磁気ヘッド及び磁気ディスク
装置に関し、リード線の断線防止及び磁気ヘッドの浮上
特性の低下防止ができる磁気ヘッド及び磁気ディスク装
置を提供する。 【構成】 磁気ディスク４及び磁気ディスク４の面に対
向する磁気ヘッド９を先端で弾性的に保持したスプリン
グアーム７の後端が取り付けられたキャリッジ５を有
し、磁気ディスク４の回転で磁気ヘッド９を浮上させ、
キャリッジ５の回動で磁気ヘッド９をシークさせ、磁気
ディスク４に情報の記録／再生を行う磁気ディスク装置
において、磁気ヘッド９は、少なくとも一部が磁性材で
成るコアスライダ10と、コアスライダ10に設けたコイル
11と、コイル11から引き出してサイドフォーミングされ
るリード線12とで構成され、リード線12の一端をコアス
ライダ10の側面に固定して他端をスプリングアーム７面
に沿って配線した構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、磁気ディスク装置に使
用される磁気ヘッド及び磁気ディスク装置に係り、特に
コアスライダ捲線部からチューブ入口やフレキシブル・
プリンテッド・サーキットの端子部等までのリード線を
サイドフォーミングした磁気ヘッド及び磁気ディスク装
置に関するものである。

【０００２】近来、磁気ディスクに磁気ヘッドによって
情報の書込み／読取りを行う磁気ディスク装置がコンピ
ュータの周辺機として広く使用されている。このような
装置は、磁気ディスクの静止時に磁気ヘッドが磁気ディ
スク面に接触し、磁気ディスクが回転すると磁気ヘッド
は浮上して僅かの間隙を形成して、情報の書込み／読取
りが行われる。従って磁気ヘッドは稼働時には絶えず振
動しており、磁気ヘッドに接続されているリード線も振
動して断線し易いので、断線を防止できる方法が望まれ
ている。

【０００３】

【従来の技術】図３は磁気ディスク装置の斜視図を示
す。なお筺体１は本来は図示していない蓋で密閉されて
いるが、図では内部が分かるように蓋を外して示してい
る。

【０００４】図に示すように、筺体１内にディスク組立
部２及びアクチュエータ部３が収容されている。ディス
ク組立部２は、複数の磁気ディスク4a,4b,─がスピンド
ル20に等ピッチで取り付けられ、磁気ディスク4a,4b,─
はスピンドル20に連結された図示していないモータM1の
駆動によって水平に矢印方向に回転する。

【０００５】アクチュエータ部３は、キャリッジ5aとボ
イス・コイル・モータ（ＶＣＭ：以下揺動モータとい
う)M2 から成り、キャリッジ5aは、ピボット軸30で支持
され、取付けアーム6a,6b,─にスプリングアーム7a,7b,
─がスペーサ70を介して取付け孔60でカシメ (或いはネ
ジ止め) で取り付けられ、スプリングアーム7a,7b,─の
先端にはジンバルバネ8a,8b,─を介して磁気ヘッド9a,9
b,─が取り付けられている。そして各磁気ディスク4a,4
b,─の面に対向して、磁気ヘッド9a,9b,─が配設されて
いる。

【０００６】ＶＣＭM2は、ピボット軸30に対して取付け
アーム6a,6b,─の反対側に設けられ、コイルＣ、ヨーク
Ｙ及び図示していないマグネットMGで構成され、コイル
Ｃに流す電流の正逆方向制御により駆動し、キャリッジ
5aをピボット軸30を中心として往復回動させる。

【０００７】従って磁気ディスク4a,4b,─が回転する
と、スプリングアーム7a,7b,─の先端の磁気ヘッド9a,9
b,─が磁気ディスク4a,4b,─の面から僅か浮上し、キャ
リッジ5aの往復回動することによって、磁気ヘッド9a,9
b,─が回転する磁気ディスク4a,4b,─の半径方向に矢印
で示すように往復駆動して、目的のトラックにシークさ
れる。

【０００８】ここにおいて、磁気ヘッド9a,9b,─につい
て詳述すると、図４(a) 及び(b) の側面図及び平面図に
示すように、磁気ヘッド9a(9b,─) は、コアスライダ10
ａと、コアスライダ10ａの先端面にパターン形成された
コイル11ａと、コイル11ａから引き出されたリード線12
a,12bとで構成され、リード線12a,12bは、弛みなく且つ
他の部材と接触しないように垂直フォーミングされて、
スプリングアーム7a,7b,─の一辺に沿って爪13で取り付
けられたチューブ14を通って、更に取付けアーム6a,6b,
─に沿って導かれて、図５に示すように、リードパター
ンが形成されたフレキシブル・プリンテッド・サーキッ
ト (以下ＦＰＣという)15 の端子部16a,16b,─にボンデ
ィイグにより接続されて図示省略した制御部へ連結され
ている。

【０００９】このようなキャリッジ5aは、磁気ディスク
装置の小型化、高速化、及び部品点数削減によるコスト
改善の要請から、図４で説明したジンバルバネ8a(8b,
─) を省略して、図６に示すように、スプリングアーム
7a(7b,─) とジンバルバネ8a (8b, ─) を一体としたス
プリングアーム7A(7B,─) を設けたものが主流になって
きた。

【００１０】コアスライダ10ａは、スプリングアーム7A
(7B,─) の先端付近に設けられた孔部70の中心部に紫外
線硬化型（以下ＵＶ硬化型という）の接着剤で固定さ
れ、スプリングアーム7A(7B,─) の両サイドの所定範囲
に曲げ部ａを形成して取付けアーム6a(6b,─) に近い位
置ｂで撓むようになっている。

【００１１】孔部70は、図７に示すように、外側の孔と
内側の孔が夫々直角方向で切れた形状をしている。また
ハッチングで示す部分は板厚（例えば76μm)をエッチン
グで落として（例えば約30μだけ）薄くしている。従っ
て使用時にコアスライダ10ａの上面が磁気ディスク4a,4
b,─の面に追従して微少な前後傾斜及び左右傾斜の動き
ができる。

【００１２】コアスライダ10ａのコイル11ａから引き出
されたリード線12A,12B は、コアスライダ10ａの角やス
プリングアーム7A(7B,─) の先端側部の縁に触れたり、
コアスライダ10ａの上面及びスブリングアーム7A(7B,
─) の下面から出ないようにサイドフォーミングされ、
スプリングアーム7A(7B,─) の一辺に沿って爪13ａによ
って取り付けられたチューブ14ａを通り、更に取付けア
ーム6a(6b,─) に沿って導かれ、図５と同様にＦＰＣ15
の端子部16にボンディングにより接続される。

【００１３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来方法によれ
ば、図４で説明した磁気ヘッド9a,9b,─を使用した場合
には、振動で接触するほどフォーミング部のリード線12
a,12b が長くなかったため、使用時に振動して断線した
りしないので問題はなかった。

【００１４】しかしながら、図６で説明した磁気ヘッド
を使用した場合、即ち、ジンバルバネを使用しない一体
型のスプリングアーム7A,7B,─が使用されたキャリッジ
5aでは、スプリングアーム7A,7B,─に打抜き孔部70が設
けられているため、スプリングアーム7A,7B,─の先端及
び両側部分がコアスライダ10ａの外側に出る形状になっ
ている。

【００１５】従って、コアスライダ10ａのコイル11ａか
ら引き出されたリード線12A,12B をスプリングアーム7
A,7B,─の縁に沿って配置されるチューブ14ａの先端ま
でサイドフォーミングせざるを得ず、引き出される位置
からチューブ14ａの先端入口までの距離が長くなってし
まい、コアスライダ10ａの磁気ディスク4a,4b,─との対
向面からスプリングアーム7A,7B,─間の高さ内でフォー
ミングしなければならない。磁気ディスク装置の小型化
の進展でコアスライダ10ａが小型になっているので、こ
の高さも厳しい条件となっている。

【００１６】従って狭い空間で、且つ長いリード線12A,
12B が配線されると、装置の駆動による振動の振幅が大
きくなり、スプリングアーム7A,7B,─、或いは磁気ディ
スク4a,4b,─に接触して、断線障害が発生することがあ
る。

【００１７】また組み立て時に、チューブ14ａから出た
リード線12A,12B をＦＰＣ14に接続する時に、スプリン
グアーム7A,7B,─の爪13でチューブ14ａを介してリード
線12A,12B を保持する保持力が弱いと、ボンディング作
業者による作業中のリード線12A,12B の引っ張りで、フ
ォーミングが崩れてスプリングアーム7a,7b,─に当たっ
て断線が発生したり、ボンディング作業でコアスライダ
10ａに力が加わると、使用時の浮上特性に悪影響を及ぼ
すことがある。という問題点がある。

【００１８】本発明は、磁気ヘッドの組み立て時のボン
ディング作業におけるリード線の移動を防止して、断線
や性能の低下を防止し、且つ使用時にリード線の振動を
抑えて断線を防止し、また磁気ヘッドの浮上特性を向上
させて、信頼性を高めることができる磁気ヘッド及び磁
気ディスク装置を提供することを目的としている。

【００１９】

【課題を解決するための手段】図１は本発明の請求項１
及び請求項２の原理図である。 １）請求項１に対応する手段 図において、４は磁気ディスク、７はスプリングアー
ム、９はコアスライダ10、コイル11、及びリード線12で
構成され、スプリングアーム７の先端に弾性的に保持さ
れ、磁気ディスク４の面に情報の記録或いは再生を行う
磁気ヘッド、10は磁気ヘッド９に設けられ、少なくとも
一部が磁性材で成るコアスライダ、11はコアスライダ10
に設けられたコイル、12はコイル11から引き出されてサ
イドフォーミングされるリード線である。

【００２０】リード線12の一端をコアスライダ10の側面
に固定し、他端をスプリングアーム７の面に沿って配線
するように構成されている。 ２）請求項２に対応する手段 図において、４は回転駆動される少なくとも１枚の磁気
ディスク、７はキャリッジ５に設けられ、磁気ヘッド９
を先端で弾性的に保持したスプリングアーム、５はスプ
リングアーム７の後端が取り付けられたキャリッジ、９
はコアスライダ10、コイル11、及びリード線12から成る
磁気ヘッド、10は少なくとも一部が磁性材で成るコアス
ライダ、11はコアスライダ10に設けられたコイル、12は
コイル11から引き出されてサイドフォーミングされるリ
ード線である。

【００２１】磁気ディスク４の回転により磁気ディスク
４の面より磁気ヘッド９を浮上させ、キャリッジ５の回
動によりスプリングアーム７を揺動させて磁気ヘッド９
を磁気ディスク４の半径方向の所望の位置に移動させ
て、磁気ヘッド９によって磁気ディスク４の面に情報の
記録或いは再生を行うように構成されている。

【００２２】

【作用】

１）請求項１に対応する作用 磁気ヘッド９のコイル11から引き出されたリード線12を
コアスライダ10の側面に固定してスプリングアーム７に
沿って配線したことにより、リード線12をボンディング
する時に引っ張っても移動しないので、フォーミングが
維持できて断線が防止でき、しかも作業性が向上する。
また稼働時にスプリングアーム７の回動で磁気ヘッド９
が移動してもリード線12の振動が抑えられて断線を防止
することができ、また磁気ヘッド９の浮上特性が安定す
る。

【００２３】２）請求項２に対応する作用 磁気ヘッド９のコイル11から引き出されたリード線12を
コアスライダ10の側面に固定してスプリングアーム７に
沿って配線したことにより、リード線12をボンディング
する時に引っ張っても移動しないので、フォーミングが
維持できて断線が防止でき、しかも作業性が向上する。
また稼働時にスプリングアーム７の回動で磁気ヘッド９
が移動してもリード線12の振動が抑えられて断線を防止
することができ、また磁気ヘッド９の浮上特性が安定し
て、記録／再生の信頼性を高めることができる。

【００２４】

【実施例】従来例の図３で説明した磁気ディスク装置に
本発明を適用した一実施例を図２により説明する。

【００２５】図２の取付けアーム6a(6b,─) 及びスプリ
ングアーム7A(7B,─) は、図１のスプリングアーム７に
対応している。図２(a) 及び(b) に示すように、磁気ヘ
ッド9a(9b,─) のコアスライダ10ａの先端面にパターン
形成されたコイル11ａから引き出されたリード線12A,12
B が、コアスライダ10ａの１側面の所定位置（図中ハッ
チングで示す位置)cに接着剤、例えばＵＶ硬化型の接着
剤17で固定されている。

【００２６】ＵＶ硬化型の接着剤17を使用する理由は、 コアスライダ10ａをスプリングアーム7A,7B,─に取り
付ける時に、ＵＶ硬化型の接着剤を使用しているため、
一度の紫外線照射で固定できる。

【００２７】装置の稼働時の温度上昇によりガスが発
生しない。温度上昇でガスが発生する接着剤では、ガス
の粒子によって数ミクロン程度の磁気ヘッドの浮上特性
に影響を与え、ヘッドクラッシュ等を引き起こす恐れが
ある。ためである。

【００２８】更にリード線12A,12B は、コイル11ａから
引き出された位置から接着剤17で固定された位置、及び
固定された位置からチューブ14ａの入口近傍までの範囲
が、コアスライダ10ａの図において上面及びスブリング
アーム7A(7B,─) の下面から出ないようにサイドフォー
ミングされて、スプリングアーム7A,7B,─の面に沿った
チューブ14ａ内を通って取付けアーム6a(6b,─) の側方
まで配線されている。

【００２９】このような構成を有するので、後工程にお
いて、リード線12A,12B の終端をＦＰＣ15にボンディン
グする時に、コイル11ａから引き出されたリード線12A,
12Bがコアスライダ9aに固定されていて、リード線12A,1
2A を引っ張っても移動しない。

【００３０】従って、フォーミングが崩れることがなく
断線を防止することができる。またボンディング作業で
コアスライダ10A に力が加わることがないので、使用時
の浮上性に悪影響を及ぼすことがなく、磁気ヘッド9a,9
b,─の浮上特性が安定して、記録／再生の信頼性を高め
ることができる。

【００３１】また、磁気ディスク装置の稼働時に、キャ
リッジ5aが揺動してスプリングアーム7A,7B,─の先端の
磁気ヘッド9a,9b,─が磁気ディスク4a,4b,─に対向して
移動しても、リード線12A,12B がコアスライダ10ａに固
定されいて振動せず、コアスライダ10ａの磁気ディスク
4a,4b,─に対向する面、及びスプリングアーム7A,7B,─
の下面の範囲からはみ出ることがない。

【００３２】従って磁気ディスク4a,4b,─や他のスプリ
ングアーム7A,7B,─に接触することがなく、リード線12
A,12B の断線障害を防止することができる。上記例で
は、リード線12A,12B をコアスライダ10ａの側面にＵＶ
硬化型の接着剤で固定する方法の場合を説明したが、他
の固定方法、例えばアクリル系の粘着テープ等のテープ
で固定する方法としても良い。

【００３３】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、磁
気ヘッドのコイルから引き出した複数のリード線をコア
スライダの側面に固定してスプリングアームの面に沿っ
て配線することにより、請求項１では、 リード線の終端をＦＰＣにボンディングする時に、リ
ード線が引っ張られても移動することがないので、フォ
ーミングの崩れがなく断線を防止することができ、ボン
ディング作業でコアスライダに力が加わることがなく、
使用時の浮上特性に悪影響を及ぼすことがない。従っ
て、浮上特性が安定し、記録／再生が良好になる。

【００３４】稼働時に磁気ヘッドが磁気ディスクに対
向して移動してもリード線が振動せず、コアスライダの
磁気ディスクに対向する浮上面からスプリングアームの
下面までの範囲から外に振れて出ることがないので、磁
気ディスクや他のスプリングアームに接触することがな
く、リード線の断線障害を防止することができる。

【００３５】高度な技術を必要とせずに簡単に磁気ヘ
ッドの組み立てを行うことができる。 請求項２では、請求項１における効果の他に、更に、磁
気ヘッドの使用中の断線障害が減少するので、磁気ヘッ
ドの交換の手間が省け、また磁気ディスク装置の稼働率
の低下を防止することができる。という効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の原理図

【図２】 本発明の実施例を示す構成図

【図３】 磁気ディスク装置を示す斜視図

【図４】 従来例を示す構成図

【図５】 従来例の説明図

【図６】 異なる従来例を示す構成図

【図７】 図６のスプリングアーム先端部の拡大図

【符号の説明】 ４,4a,4bは磁気ディスク、５,5a はキャリッジ、 6
a,6b は取付けアーム、７,7a,7b,7A,7Bはスプリングア
ーム、 8a,8b はジンバルバネ、９,9a,9b
は磁気ヘッド、 10,10aはコアスライダ、 11,11aはコ
イル、12,12a,12b,12A,12Bはリード線

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 スプリングアーム(7) の先端に弾性的に
   保持され、磁気ディスク(4) の面に情報の記録或いは再
   生を行う磁気ヘッド(9) であって、 少なくとも一部が磁性材で成るコアスライダ(10)と、 該コアスライダ(10)に設けられたコイル(11)と、 該コイル(11)から引き出されてサイドフォーミングされ
   るリード線(12)とで構成され、 該リード線(12)の一端を該コアスライダ(10)の側面に固
   定し、他端を前記スプリングアーム(7) の面に沿って配
   線したことを特徴とする磁気ヘッド。
2. 【請求項２】 回転駆動される少なくとも１枚の磁気デ
   ィスク(4) と、 該磁気ディスク(4) の面に対向する磁気ヘッド(9) を先
   端で弾性的に保持したスプリングアーム(7) の後端が取
   り付けられたキャリッジ(5) とを有し、 前記磁気ヘッド(9) は、 少なくとも一部が磁性材で成るコアスライダ(10)と、 該コアスライダ(10)に設けられたコイル(11)と、 該コイル(11)から引き出されてサイドフォーミングされ
   るリード線(12)とで構成され、 該リード線(12)の一端を該コアスライダ(10)の側面に固
   定し、他端を前記スプリングアーム(7) の面に沿って配
   線したものであって、 該磁気ディスク(4) の回転により該磁気ディスク(4) の
   面より該磁気ヘッド(9) を浮上させ、該キャリッジ(5)
   の回動により該スプリングアーム(7) を揺動させて該磁
   気ヘッド(9) を該磁気ディスク(4) の半径方向の所望の
   位置に移動させて、該磁気ヘッド(9) によって該磁気デ
   ィスク(4) の面に情報の記録或いは再生を行うことを特
   徴とする磁気ディスク装置。