JPH0777758B2 - ライニング工法 - Google Patents

ライニング工法

Info

Publication number
JPH0777758B2
JPH0777758B2 JP18273290A JP18273290A JPH0777758B2 JP H0777758 B2 JPH0777758 B2 JP H0777758B2 JP 18273290 A JP18273290 A JP 18273290A JP 18273290 A JP18273290 A JP 18273290A JP H0777758 B2 JPH0777758 B2 JP H0777758B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pipe
lining material
resin
existing
existing pipe
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP18273290A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0471823A (ja
Inventor
隆男 山村
新太郎 池田
Original Assignee
日本鋼管工事株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 日本鋼管工事株式会社 filed Critical 日本鋼管工事株式会社
Priority to JP18273290A priority Critical patent/JPH0777758B2/ja
Publication of JPH0471823A publication Critical patent/JPH0471823A/ja
Publication of JPH0777758B2 publication Critical patent/JPH0777758B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Protection Of Pipes Against Damage, Friction, And Corrosion (AREA)
  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、下水道,上水道,送油管その他あらゆる既
設配管に適応できるライニング工法、特に既設配管に対
する合成樹脂管の密着性の向上に関するものである。
[従来の技術] 近年、下水道や上水道等の既設管の強度補強や防食対
策,漏水・浸水対策あるいは流量改善などを目的とし
て、既設管内面に合成樹脂をライニングしたり、既設管
内面に合成樹脂を形成する反転ライニング工法が脚光を
浴びている。
例えば、特公昭55-43890号公報,特開昭64-85738号公報
に開示された工法は、ニードルフェルト層にエポキシ,
ポリエステル等の液状熱硬化性樹脂を含浸した内張り材
を既設管内で流体圧力により反転,進行させ、反転した
内張り材を流体圧力によって既設管内面に圧着し、熱硬
化性樹脂を硬化させて既設管内面に合成樹脂をライニン
グする方法である。
また、特開昭64-16633号公報,特開昭64-16634号公報あ
るいは特開昭63-285395号公報に開示された工法は、小
口径の熱可塑性プラスチック管を既設管内に挿入した
後、熱可塑性プラスチック管を内部より加熱加圧して膨
張させ、既設管内面に密着させる方法である。
さらに、ヨーロッパ特許EPO184366A1に開示された工法
は螺線状に巻いた薄合成樹脂板を巻取機(製管機)でス
パイラル状に製管しながら既設管内に挿入し、その後ラ
イニング材と既設管の空間にグラウト材を充填してい
る。
また、特開平2-78527号公報に開示された工法は、硬質
又は半硬質プラスチック管を内面からスチーム加熱して
軟化させながら既設管内に挿入する方法である。
[発明が解決しようとする課題] 特公昭55-43890公報に代表される従来の反転工法に使用
する内張り材は、ニードルフエルト層に含浸した液状熱
硬化性樹脂は既設管内で反転するときに反転面の円方向
の不均一な押圧力によってフエルト層内を移動する。こ
のためフェルト層の断面方向の樹脂含浸量に差が生じ、
厚みのバラツキに加え、強度のバラツキを生じるという
短所があった。
また、特に長尺の内張り材を使用する場合には、液状樹
脂を含浸した柔軟な内張り材を保管するために含浸過程
後巻き取ったり折り重ねる必要がある。このとき内張り
材の各部分に自重ないし押圧力の差によって厚みのバラ
ツキが生じ、液状樹脂に環境圧力差が加えられる。この
ような状態の内張り材で合成樹脂管を形成するとやはり
厚みのバラツキ,強度のバラツキが生じる。
また、液状樹脂を柔軟バック全長に亙って均一に含浸す
るのは非常に困難であり、通常±15%のバラツキが生
じ、均一な合成樹脂管を形成することができなかった。
また、既設管の技官や継手部のずれ,はずれ,クラック
等の空隙がある場合、反転後の既設管の押圧力によっ
て、これらの空隙周囲の液状樹脂が空隙内に浸み出して
空隙周囲の強度が低下するほか、液状樹脂が加熱による
ゲル化まえの粘度低下により地下浸入水と共に流出して
いまい、ポーラスな含浸層となって強度が著しく低下す
るという短所もあった。
また、熱硬化性樹脂を含浸した内張り材は反転後、加熱
硬化して成形するが、加熱硬化のときの加熱時間及び冷
却時間の合計時間は、例えば径が300mm,厚さ6mmの内張
り材にポリエステル樹脂を使用した場合で約15時間を要
する。また、エポキシ樹脂の速乾タイプでも約6〜8時
間かかり、作業時間が長くなるという短所がある。これ
は長い加熱保持期間の間に既設管や周囲土壌に蓄熱さ
れ、冷却速度がゆるやかになることにも起因する。
また、特開昭64-16633号公報,特開昭64-16634号公報あ
るいは特開昭63-285395号公報に開示された工法のよう
に、既設管径より小断面形状に加工した熱可塑性樹脂管
を加熱・軟化・拡管するには、樹脂温度差による同一圧
力下の伸び率差が大きく、また加熱すると不定形状態と
なり、自己膨張力が小さく、形状記憶回復力も弱いの
で、外圧で強制的に伸長・拡管せねばならない。このた
め既設管内と樹脂管内の円周方向、長手方向のいずれの
部分でも同一圧力下で均一に加熱する必要がある。しか
し、実際は加熱温度にバラツキがあり、樹脂管にシワが
発生したり、管厚にバラツキを生ずるほか、既設管との
間の空隙を生じるという短所があった。
また、特開昭63-285395号公報に示すように、曲管内面
外側で軟化したパイプを小口径からピグで強制的、伸ば
し圧着すると、外側の管厚が他の部分に比べて薄くなる
という短所があった。
さらに、ヨーロッパ特許EPO184366A1に開示されたよう
に、製管しながら既設管に挿入する工法は、著しい蛇行
等がある既設管には挿入不能か、あるいは製管口径を小
さくしなければならず、既設管径に対する断面積減少が
大きいという短所があった。
また、特開平2-78527号公報に示す工法は、剛性のある
熱可塑性プラスチック管を既設管内に挿入するときに、
スチーム加熱等により軟化させながら挿入しているが、
この場合、例えばプラスチック管の口径が大きかった
り、プラスチック管の比重が1.4と大きい塩化ビニルを
使用したりして自重が重くなるほど、引き込みのとき
に、軟化したプラスチック管に加えられる張力が大きく
なり不規則に伸長したり、既設管継手部のずれ,はず
れ,内部固形残留物又は溶接継手の裏ビードの突起に接
触して損傷を受けるという短所があった。
また、複雑な配管系では曲り部に大きな張力が加わり、
既設管内に挿入できない場合もあった。
特に長距離の既設管の場合にはプラスチック管の自重が
増加し著しく伸長してしまうため、上記短所が顕著に生
じる。
この発明はかかる短所を解決するためになされたもので
あり、接着剤等を使用せずに合成樹脂管を確実に既設管
内面に密着することができるライニング工法を提供する
ことを目的とするものである。
[課題を解決するための手段] この発明に係るライニング工法は、熱可塑性樹脂からな
り、既設管内径とほぼ同じ外径に形状記憶されたパイプ
を、断面積が小さくなるように形状を変えて形成した樹
脂パイプと、外周長を既設管の内周長と同じかやや長く
形成され、上記樹脂パイプを覆う耐熱フイルムチューブ
とからなる内張り材を使用し、上記内張り材の樹脂パイ
プと耐熱フイルムチューブの間に加熱流体を供給して内
張り材の温度を樹脂パイプの軟化状態の温度範囲に保持
しながら内張り材を既設管内に引込み、既設管内に配置
した内張り材の一方の端部に弾力性を有する拡張治具を
挿入し、該拡張治具から内張り材内部に加熱流体を供給
しながら拡張治具を圧送して樹脂パイプと耐熱フイルム
チューブを拡張することを特徴とする。
[作用] この発明においては、内張り材として熱可塑性樹脂から
なり、既設管内径とほぼ同じ外径に形状記憶されたパイ
プを、断面積が小さくなるように形状を変えて形成した
樹脂パイプと、外周長を既設管の内周長と同じかやや長
く形成され、上記樹脂パイプを覆った耐熱フイルムチュ
ーブとからなる内張り材を使用し、この内張り材を樹脂
パイプの軟化温度に保持しながら、抗張力のあるフイル
ムチューブを牽引して既設管内に引き込むことにより、
軟化状態の樹脂パイプを既設管内に挿入する。
このように、充分に軟化状態にある樹脂パイプをフイル
ムチューブで支持しながら既設管内に挿入するから、内
張り材は屈曲部も容易に通過するとができる。
この内張り材内に加熱流体を供給しながら拡張治具を圧
送して既設管と内張り材との間に存在する空気や滞留水
を順次送り出しながら樹脂パイプの形状を回復させる。
[実施例] 第1図はこの発明の一実施例を示す断面図である。図に
おいて、1は既設管、2は内張り材である。
内張り材2は熱可塑性樹脂からなり、既設管1の内径と
ほぼ同じ外径に形状記憶したパイプを、断面積が小さく
なるように形状を変えて形成した樹脂パイプ3と、既設
管1の内周長と同じか、やや長い外周長を有し、樹脂パ
イプ3を覆う耐熱フイルムチューブ4とからなる。
この内張り材2は第2図の加工工程図に示すように、例
えば塩化ビニル,ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリ
ブデン等の熱可塑性合成樹脂を、既設管1の内径に対し
て90〜105%の外径になるよう押し出し形状記憶させな
がら成形して、既設管路長以上の長さの樹脂パイプ3を
形成する。次に、樹脂パイプ3を軟化状態の温度、例え
ば塩化ビニルなら80〜140℃の熱加工温度を有する加熱
雰囲気内で軟化させながら、成型ローラや押出しスリッ
ト等の機械的方法により、断面積が既設管1の断面積よ
り小さくなるように扁平にし、あるいは折り曲げる。そ
して第2図(b),(c)に示すような扁平にして折り
曲げた樹脂パイプ3を形成する。この断面積を小さくし
た樹脂パイプ3を形成後、軟化状態を保持したまま直ち
に荷重熱変形温度が熱可塑性樹脂の軟化温度より高い、
例えば荷重熱変形温度が160℃(4.6Kgf/cm2)のナイロ
ン、あるいは135℃(4.6Kgf/cm2)のポリエステル等の
フィルムや、これに補強繊維を入れたフィルムで形成さ
れたフィルムチューブ4で覆い、第2図(d)に示すよ
うな内張り材2を形成する。
この軟化状態の樹脂パイプ3をフィルムチューブ4で覆
う方法は、例えば第3図に示すように、既設管内周長よ
り約50mm長いフイルムシート4aを成形ローラ30,31によ
り樹脂パイプ3を包み込むように導き、樹脂パイプ3か
らはずれて側端部32を強圧ローラ33で位置調整しなが
ら、接合手段34で接合してチューブ状にする。この接合
手段34はフイルムシート4aをミシンによる2条以上の縫
製、もしくはヒートシール,インパルスシール,高周波
接合等による熱接合又は両者の併用により接合し、フイ
ルムチューブ4を形成する。なお、既設管1が50m以下
の場合には、あらかじめ加工したフイルムチューブ4で
直接樹脂パイプ3を覆っても良い。
このようにして形成された内張り材2を加熱流体供給口
を有するドラムに巻き取る。なお、内張り材2をドラム
に巻き取るときは、内張り材2の巻き取り始端をスイベ
ル機構を持った中空ドラム軸に連結された加熱流体供給
口と接続して巻き取る。
次に、上記のように形成された内張り材2を使用して既
設管1の内面に合成樹脂管を形成するときの動作を説明
する。
まず、ドラムの巻き取られた内張り材2の樹脂パイプ3
とフイルムチューブ4の先端部を、第4図の斜視図,第
5図の側面断面図に示すように、固定治具40を使用して
締め付け固定する。この固定治具40で固定するときは、
樹脂パイプ3が例えば塩化ビニルで形成されているとき
には、80℃〜90℃の軟化状態のうち比較的硬い低温の状
態で内側固定治具40aを内張り材2に当て、内側固定治
具40aのボルト穴に合せて熱又はドリルで内張り材2に
複数の穴をあける。次に、外側固定治具40bを内張り材
2にかぶせ、ボルト穴にボルトを通して締め付け固定す
る。このとき樹脂パイプ3の扁平にした端部は固定治具
40に当たらないようにして、扁平加工により形成された
空隙42を保持する。なお、ドラムに巻き取られた内張り
材2のフイルムチューブ4は、断面積が小さくなるよう
に加工された樹脂チューブ3とは大きさが相違するため
空隙43が生じている。
ドラム5に巻き取られ、先端部が固定治具40で固定され
た内張り材2を、第1図に示すように密閉容器6に収納
して現地に搬入し、例えば既設管1が下水道管の場合に
はマンホール7の近傍に設置する。このように内張り材
2を巻き取ったドラム5を密閉容器6に収納して搬入す
ることにより、内張り材2の搬入と次工程の作業を容易
に行なうことができる。
内張り材2を現地に搬入した後、ドラム5のスイベル機
構を有する中空ドラム軸5aに連結された加熱流体供給口
5bをボイラ等の加熱流体発生手段(不図示)に接続す
る。次に、内張り材2の先端を密閉容器6から引き出
し、先端の固定治具40と既設管1の他端にあるマンホー
ルから挿入したベルトやロープ等の紐7とを自在継手8
を介して連結する。
この状態で加熱流体、例えば樹脂パイプ3が塩化ビニル
であるときには、塩化ビニルが比較的柔らかい状態にな
る90℃〜105℃の加熱流体を、加熱流体発生手段から加
熱流体供給口5b,中空ドラム軸5aを介して内張り材2の
樹脂パイプ3とフイルムチューブ4との間に供給する。
供給された加熱流体は樹脂パイプ3とフイルムチューブ
4との間の空隙43を流れ、フイルムチューブ4の先端か
ら排出される。なお、加熱流体の温度をあまり高くしす
ぎると、樹脂パイプ3が軟化しすぎ、第4図に示す両端
の空隙42が密着して伸長し、強度低下になったり、拡径
して形状を回復したときに割れが生じるおそれがあるか
ら、例えば塩化ビニルの場合には加熱流体の温度を105
℃に抑えることが必要である。
このように、内張り材2に加熱流体を連続供給しなが
ら、既設管1の他端にあるマンホールから挿入した紐7
を牽引して、第6図に示すように内張り材2を既設管1
内に挿入する。この内張り材2を既設管1内に挿入する
ときに、内張り材2の樹脂パイプ3が加熱流体により軟
化しているから、内張り材2を抵抗なしで既設管1内に
引き込むことができるとともに、既設管1に蛇行やエル
ボがあったりしても内張り材2を容易に通過させること
ができる。
また、内張り材2の樹脂パイプ3は耐熱性と抗張力を有
するフイルムチューブ4により覆われているから、内張
り材2を牽引・挿入するときの牽引張力を全てフイルム
チューブ4が受け持ち、樹脂パイプ3には張力が加えら
れないから、樹脂パイプ3を柔軟化領域の高い温度、例
えば塩化ビニルの場合には90℃〜105℃の温度で軟化し
ても、伸長・変形することを防ぐことができる。
さらに、フイルムチューブ4は引裂強度も比較的高いの
で、既設管1の継手部にずれ,はずれがあったり、ある
いは残留物や裏波溶接部の突部に接触しても裂けること
はなく、軟化している樹脂パイプ2に損傷を与えること
なしに内張り材2を既設管1内に引き込むことができ
る。
上記のようにして内張り材2を引き込み、既設管1の全
長にわたり挿入した後、内張り材2の両端を切断してか
らライニング工程に入る。
まず、既設管1の管入口1aにある内張り材2の端部をバ
ーナ等の加熱工具を使用し加熱して樹脂パイプ3の端部
を軟化させる。この状態で第7図に示すように、樹脂パ
イプ3内に拡張治具10を挿入する。この拡張治具10は、
例えばポリウレタン等の柔軟性を有する砲弾型のピグ11
と、ピグ11の先端に耐熱性のゴムからなる連結ホース12
で連結され、耐熱性のシリコンゴムや弗素ゴムで先端が
半球状に形成された拡管膜13及びピグ11の後端に連結さ
れた加熱流体圧送ホース14とで構成されている。また、
連結ホース12の中間には分岐管15が設けられている。
この拡張治具10の加熱流体圧送ホース14をボイラ等の熱
源発生手段(不図示)に接続し、樹脂パイプ3が、塩化
ビニルで形成されている場合には、95℃〜105℃の加熱
加圧流体を熱源発生手段から加熱流体圧送ホース14に圧
送する。
加熱流体圧送ホース14に圧送された加熱加圧流体は、ピ
グ11の中軸穴11aを通り連結ホース12に送られる。この
加熱加圧流体の流量のうち半分以上は分岐管15を通っ
て、拡張治具10と樹脂パイプ3内面で形成された加熱加
圧空間16に送られ、ピグ11の還流穴11bから熱源発生手
段に戻り循環使用される。この加熱加圧空間16に送られ
た加熱加圧流体で樹脂パイプ3を加熱して軟化させなが
ら、拡管膜13を押圧して樹脂パイプ3を拡管し形状を円
筒状に回復させる。
一方、連結ホース12に送られた加熱加圧流体の一部は拡
管膜13の排水穴13aを通り樹脂パイプ3の空隙42に送ら
れ、樹脂パイプ3の先端から排出される。この加熱加圧
流体が樹脂パイプ3の空隙42を通るときに、拡管膜13の
前方にある樹脂パイプ3を加熱して軟化させる。したが
って、拡管膜13は加熱加圧空間16に送られた加熱加圧流
体の背面圧により、樹脂パイプ3を拡管しながら前方へ
進行する。この拡管膜13の進行にともない、後段のピグ
11がフイルムチューブ4と樹脂パイプ3を既設管1の内
面に押圧しながら進行し、既設管1と内張り材2間に存
在する空気や滞留水を送り出しながら樹脂パイプ3の形
状を回復する。
このように、拡張治具10で内張り材2の樹脂パイプ3を
拡管しながら、既設管1内を進行させるときに、拡張治
具10の拡管膜13が柔軟性を有するから、扁平状態から複
雑に変形して拡管する樹脂パイプ3の形状変化に良く追
従することができるとともに、既設管1に蛇行があって
も確実に進行することができる。また、既設管1に第8
図に示すようにエルボ1bがあると、エルボ1bの内壁と内
張り材2との間に空隙81,82を生じ易いが、拡管膜13と
ピグ11の押圧力により空隙81,82が生じる傾向を抑制す
ることができ、かつ内張り材2に発生するしわ83を小さ
くすることができる。
そして、このように拡径され形状を回復した樹脂パイプ
3の元の外径は既設管1の内径の90〜105%に形成され
ているから、内張り材2を接着剤なしで既設管1の内面
に、完全に密着させることができる。
このようにして、既設管1の内面全体に樹脂パイプ3を
密着させた後、拡張治具10を取り外して、形成した合成
樹脂管の両端切断等の後処理を行ないライニング工法を
終了する。
なお、上記実施例においては内張り材2を既設管1内に
挿入するときに、既設管1に直接添わせて牽引する場合
について説明したが、自重が増加する中・大口径の樹脂
パイプ3を使用したり、比重が大きい塩化ビニルを使用
したりする場合には浮力を利用することにより、より容
易に内張り材2を既設管1内に挿入することができる。
第9図は浮力を利用して内張り材2を既設管1に挿入す
る場合の例を示す。図に示すように、例えば下水道管の
ように自然流下配管や水平配管の場合には、既設管1の
両端に堰91,92を設けて水を張る。この既設管1内に、
加熱流体を供給している内張り材2を紐7で牽引する
と、内張り材2のフイルムチューブ4に浮力が作用し、
抵抗なしに内張り材2を引き込むことができる。
また、上記実施例は内張り材2をライニングするとき
に、拡張治具10を使用して樹脂パイプ3を拡管した場合
について説明したが、既設管1に挿入した内張り材2の
樹脂パイプ3とフイルムチューブ4の両端部を一緒に密
封固定し、一方の端部から樹脂パイプ3内に加熱加圧流
体を供給し、他方の端部から徐々に排出して樹脂パイプ
3を拡管しても良い。
[発明の効果] この発明は以上説明したように、内張り材として熱可塑
性樹脂からなり、既設管内径とほぼ同じ外径に形状記憶
されたパイプを、断面積が小さくなるように形状を変え
て形成した樹脂パイプと、外周長を既設管の内周長と同
じかやや長く形成され、上記樹脂パイプを覆った耐熱フ
イルムチューブとからなる内張り材を使用し、この内張
り材を樹脂パイプの軟化温度に保持しながら、抗張力の
あるフイルムチューブを牽引して既設管内に引き込むこ
とにより、軟化状態の樹脂パイプを既設管内に挿入する
ようにしたから、小さな抵抗で内張り材を牽引・挿入す
ることができるとともに、既設管に蛇行やエルボがあっ
たりしても内張り材を容易に通過させることができる。
また、内張り材の樹脂パイプは耐熱性と抗張力を有する
フイルムチューブにより覆われているから、内張り材を
牽引・挿入するときの牽引張力を全てフイルムチューブ
が受け持ち、樹脂パイプには張力が加えられないから、
樹脂パイプを柔軟化領域の高い温度で軟化しても、牽引
時の伸長・変形を防止することができ、十分に強度があ
る合成樹脂管を既設管内に形成することができる。
また、樹脂パイプを覆うフイルムチューブは引裂強度も
比較的高いので、既設管の継手部にずれ,はずれがあっ
たり、あるいは残留物や裏波溶接部の突部に接触しても
裂けることはなく、軟化している樹脂パイプに損傷を与
えることなしに内張り材を既設管内に引き込むことがで
きる。
さらに、内張り材を既設管に挿入するときに、断面積が
小さくされた樹脂パイプよりフイルムチューブの外周が
十分に大きいから、多量の加熱流体を供給することがで
き、樹脂パイプを十分に軟化させることができる。
また、既設管内に配設した内張り材内に加熱流体を供給
しながら拡張治具を圧送して内張り材の樹脂パイプを拡
径するから、既設管と内張り材との間に存在する空気や
滞留水を順次送り出しながら既設管内面に合成樹脂管を
形成することができる。
また、樹脂パイプを拡径する拡張治具は柔軟性を有する
から、扁平状態から複雑に変形して拡管する樹脂パイプ
3の形状変化に良く追従することができるとともに、既
設管に蛇行やエルボ等の急激な曲りがあっても確実に追
従し進行することができる。
また、拡径され形状を回復した樹脂パイプの元の外径は
既設管の内径とほぼ同じに形成されているから、内張り
材を接着剤なしで既設管の内面に密着させることができ
る。
また、樹脂パイプを正確な管厚に成形後、扁平加工等を
行ない固体状態で保管・運搬するので、保管時の厚みや
強度のバラツキがなくなり、形成された合成樹脂管は均
一管厚、均一強度になり品質面で著しい向上が図れる。
また、接着剤等なしで合成樹脂管を既設管内に形成する
ことができ、接着剤等の硬化時間を必要としないから、
土壌に対する蓄熱もなく冷却時間も極めて短く、かつ既
設管は簡単な下地処理で済むから、施工時間を大幅に短
縮することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の実施例を示す断面図、第2図は樹脂
パイプの加工工程を示す斜視図、第3図は内張り材の加
工状態を示す斜視図、第4図,第5図は各々固定治具を
取り付けた内張り材の先端部を示し、第4図は斜視図、
第5図は側面断面図、第6図は内張り材の牽引・挿入工
程を示す断面図、第7図は内張り材のライニング工法を
示す断面図、第8図は既設管のエルボの部分を示す部分
断面図、第9図は他の実施例を示す断面図である。 1……既設管、2……内張り材、3……樹脂パイプ、4
……フイルムチューブ、10……拡張治具。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂からなり、既設管内径とほぼ
    同じ外径に形状記憶されたパイプを、断面積が小さくな
    るように形状を変えて形成した樹脂パイプと、外周長を
    既設管の内周長と同じかやや長く形成され、上記樹脂パ
    イプを覆う耐熱フイルムチューブとからなる内張り材を
    使用し、 上記内張り材の樹脂パイプと耐熱フイルムチューブの間
    に加熱流体を供給して内張り材の温度を樹脂パイプの軟
    化状態の温度範囲に保持しながら内張り材を既設管内に
    引込み、 既設管内に配置した内張り材の一方の端部に弾力性を有
    する拡張治具を挿入し、該拡張治具から内張り材内部に
    加熱流体を供給しながら拡張治具を圧送して樹脂パイプ
    と耐熱フイルムチューブを拡張することを特徴とするラ
    イニング工法。
JP18273290A 1990-07-12 1990-07-12 ライニング工法 Expired - Lifetime JPH0777758B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18273290A JPH0777758B2 (ja) 1990-07-12 1990-07-12 ライニング工法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18273290A JPH0777758B2 (ja) 1990-07-12 1990-07-12 ライニング工法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0471823A JPH0471823A (ja) 1992-03-06
JPH0777758B2 true JPH0777758B2 (ja) 1995-08-23

Family

ID=16123473

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18273290A Expired - Lifetime JPH0777758B2 (ja) 1990-07-12 1990-07-12 ライニング工法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0777758B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0471823A (ja) 1992-03-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR0178151B1 (ko) 관 라이닝 공법
US5964249A (en) Apparatus and method for repairing a pipeline
US6619886B1 (en) System and method for installing formed-in-situ localized repair of pipes and conduits
KR101126814B1 (ko) 일체의 내부 불침투성 층을 구비하는 현장 경화형 라이너및 연속 제조 방법
US4956041A (en) Method of lining branch pipe portion of underground main pipe with rigid plastics tube
US5490964A (en) Method and device for repairing a tubular conduit
JPH04355115A (ja) 枝管ライニング材及びその製造方法
PL63996Y1 (pl) Urządzenie do owijania nieprzepuszczalną warstwą wyłożenia do wykładania przewodów rurowych
PL64136Y1 (pl) Urządzenie do instalacji wyłożenia utwardzonego na miejscu mającego wewnętrzną nieprzepuszczalną warstwę
KR0178146B1 (ko) 관 라이닝재의 반전방법
JPH0777758B2 (ja) ライニング工法
JPH074855B2 (ja) ライニング工法
JP5725788B2 (ja) 地中埋設管に対する緩衝用繊維層の形成方法
JPH0661843B2 (ja) 反転ライニング用内張り材
JPH07277Y2 (ja) 拡張治具
JPH0661844B2 (ja) 反転ライニング用内張り材
JP2712050B2 (ja) 反転ライニング工法
JP3400556B2 (ja) 管路の内張り方法
JPH04355116A (ja) 枝管ライニング工法
JPH0692119B2 (ja) ライニング工法
JP3238021B2 (ja) 枝管用ライニング材とその施工方法及びライニング装置
JP3375515B2 (ja) 分岐管路の内張り方法
JP4560370B2 (ja) 枝管ライニング材及び枝管ライニング工法
JP3375513B2 (ja) 分岐管路の内張り装置及び方法
JP3375514B2 (ja) 分岐管路の内張り材及びその製造方法