JPH0776926A - コンクリート成形用型枠 - Google Patents
コンクリート成形用型枠Info
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- JPH0776926A JPH0776926A JP22346593A JP22346593A JPH0776926A JP H0776926 A JPH0776926 A JP H0776926A JP 22346593 A JP22346593 A JP 22346593A JP 22346593 A JP22346593 A JP 22346593A JP H0776926 A JPH0776926 A JP H0776926A
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- Japan
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- film
- concrete
- plate
- coating film
- coating
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Abstract
(57)【要約】
【目的】使用の都度剥離剤を塗布することなく繰り返し
て使用でき、型枠の大きさにかかわらず剥離剤の形成加
工が容易で、かつ簡易な補修により良好な剥離面を得る
こと。 【構成】複数枚のせき板を組み合わせてなるコンクリー
ト成形用型枠であって、せき板4、6、8、10のコン
クリート成形面(4C,6C,8C,10C)に金属膜
16、金属酸化物セラミックス膜17、エポキシ樹脂と
フッ素樹脂とからなる塗膜18の順に積層されてなる皮
膜Dを有すること。
て使用でき、型枠の大きさにかかわらず剥離剤の形成加
工が容易で、かつ簡易な補修により良好な剥離面を得る
こと。 【構成】複数枚のせき板を組み合わせてなるコンクリー
ト成形用型枠であって、せき板4、6、8、10のコン
クリート成形面(4C,6C,8C,10C)に金属膜
16、金属酸化物セラミックス膜17、エポキシ樹脂と
フッ素樹脂とからなる塗膜18の順に積層されてなる皮
膜Dを有すること。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、コンクリートあるい
はコンクリート2次製品を成形するために用いるコンク
リート成形用型枠に関する。
はコンクリート2次製品を成形するために用いるコンク
リート成形用型枠に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、コンクリート成形用の型枠に
あっては、コンクリートの養生期間を終わって脱型する
際に、型枠がコンクリートから剥離しやすいように、成
形面にフッ素樹脂の剥離剤が塗布・焼き付けされている
ものがある(特開平5−106337号公報)。この塗
布・焼き付け加工によれば、使用の都度剥離剤を塗布す
る必要がないため、現場での作業を効率よく行うことが
できる。また、現場での剥離剤の噴霧塗装による作業環
境の汚染の問題もない。
あっては、コンクリートの養生期間を終わって脱型する
際に、型枠がコンクリートから剥離しやすいように、成
形面にフッ素樹脂の剥離剤が塗布・焼き付けされている
ものがある(特開平5−106337号公報)。この塗
布・焼き付け加工によれば、使用の都度剥離剤を塗布す
る必要がないため、現場での作業を効率よく行うことが
できる。また、現場での剥離剤の噴霧塗装による作業環
境の汚染の問題もない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
フッ素樹脂の焼き付けは、フッ素樹脂をせき板に塗布後
約400℃という高温で加熱して行う必要があり、また
大型の型枠の加工には焼き付け炉の大きさが足りないた
めに適用できない場合が多いという不都合があった。ま
た、繰り返して型枠を使用している間に部分的にフッ素
樹脂が剥離した場合の補修には、その剥離部分のみなら
ずその剥離部分のあるせき板全体のフッ素樹脂を除去
し、再度その全面にフッ素樹脂を塗布・焼き付けを行わ
ねばならない不都合があった。したがって、手間及びコ
スト的に全面の補修は困難であり、現実には、部分的な
剥離や傷に対しては従来とおりの剥離剤の噴霧塗装によ
る補修が行われていた。そこで、本発明は、かかる従来
の不都合を排除して、使用の都度剥離剤を塗布すること
なく繰り返して使用でき、型枠の大きさにかかわらず剥
離剤の形成加工が容易で、かつ簡易な補修により良好な
剥離面を得る加工が可能なコンクリート成形用型枠を提
供することを目的とする。
フッ素樹脂の焼き付けは、フッ素樹脂をせき板に塗布後
約400℃という高温で加熱して行う必要があり、また
大型の型枠の加工には焼き付け炉の大きさが足りないた
めに適用できない場合が多いという不都合があった。ま
た、繰り返して型枠を使用している間に部分的にフッ素
樹脂が剥離した場合の補修には、その剥離部分のみなら
ずその剥離部分のあるせき板全体のフッ素樹脂を除去
し、再度その全面にフッ素樹脂を塗布・焼き付けを行わ
ねばならない不都合があった。したがって、手間及びコ
スト的に全面の補修は困難であり、現実には、部分的な
剥離や傷に対しては従来とおりの剥離剤の噴霧塗装によ
る補修が行われていた。そこで、本発明は、かかる従来
の不都合を排除して、使用の都度剥離剤を塗布すること
なく繰り返して使用でき、型枠の大きさにかかわらず剥
離剤の形成加工が容易で、かつ簡易な補修により良好な
剥離面を得る加工が可能なコンクリート成形用型枠を提
供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ための技術的手段は、複数枚のせき板を組み合わせてな
るコンクリート成形用型枠であって、せき板のコンクリ
ート成形面に金属膜、金属酸化物セラミックス膜(以
下、単にセラミックス膜という)、エポキシ樹脂とフッ
素樹脂とからなる塗膜の順に積層されてなる皮膜を有す
ることを特徴とする。
ための技術的手段は、複数枚のせき板を組み合わせてな
るコンクリート成形用型枠であって、せき板のコンクリ
ート成形面に金属膜、金属酸化物セラミックス膜(以
下、単にセラミックス膜という)、エポキシ樹脂とフッ
素樹脂とからなる塗膜の順に積層されてなる皮膜を有す
ることを特徴とする。
【0005】前記型枠を構成するせき板は主として鋼板
により形成される。前記フッ素樹脂は、四フッ化エチレ
ン樹脂(PTFE、以下、テフロン樹脂という)、三フ
ッ化塩化エチレン樹脂(PCTFE)、フッ化エチレン
・プロピレン樹脂(FEP)などのフッ素系の樹脂が用
いられる。前記エポキシ樹脂は、主としてエピクロルヒ
ドリン・ビスフェノールA型エポキシ樹脂(以下、単に
エピ−ビス樹脂という)が用いられる。なお、硬化剤と
して、常温で上記フッ素樹脂及びエポキシ樹脂からなる
塗材を硬化させることができる脂肪族ジアミン・アミド
ポリアミン・ポリアミド等のアミン系硬化剤が用いられ
る。また、エポキシ樹脂のアミンダクト体、ポリアミド
樹脂が用いられる。前記セラミックス膜は、酸化アルミ
ニウム、酸化チタン、酸化シリコン等の金属酸化物を1
種あるいは2種以上を混ぜたものを焼結して得たセラミ
ックス粉末を所定の厚さに付着形成したものである。膜
の付着形成方法としては、例えばプラズマ溶射法等の通
常の膜形成法を用いうる。前記金属膜は、鋼板表面の錆
びの発生を防止するとともに前記セラミックス膜を付着
させるために形成される膜であり、錆びのでないニッケ
ル、アルミニウム等の金属粉末を一種あるいは2種以上
混合したものや合金粉末を所定の厚さに付着形成したも
のである。この金属膜の付着形成方法としては、例えば
プラズマ溶射法等の通常の膜成形法を用いうる。
により形成される。前記フッ素樹脂は、四フッ化エチレ
ン樹脂(PTFE、以下、テフロン樹脂という)、三フ
ッ化塩化エチレン樹脂(PCTFE)、フッ化エチレン
・プロピレン樹脂(FEP)などのフッ素系の樹脂が用
いられる。前記エポキシ樹脂は、主としてエピクロルヒ
ドリン・ビスフェノールA型エポキシ樹脂(以下、単に
エピ−ビス樹脂という)が用いられる。なお、硬化剤と
して、常温で上記フッ素樹脂及びエポキシ樹脂からなる
塗材を硬化させることができる脂肪族ジアミン・アミド
ポリアミン・ポリアミド等のアミン系硬化剤が用いられ
る。また、エポキシ樹脂のアミンダクト体、ポリアミド
樹脂が用いられる。前記セラミックス膜は、酸化アルミ
ニウム、酸化チタン、酸化シリコン等の金属酸化物を1
種あるいは2種以上を混ぜたものを焼結して得たセラミ
ックス粉末を所定の厚さに付着形成したものである。膜
の付着形成方法としては、例えばプラズマ溶射法等の通
常の膜形成法を用いうる。前記金属膜は、鋼板表面の錆
びの発生を防止するとともに前記セラミックス膜を付着
させるために形成される膜であり、錆びのでないニッケ
ル、アルミニウム等の金属粉末を一種あるいは2種以上
混合したものや合金粉末を所定の厚さに付着形成したも
のである。この金属膜の付着形成方法としては、例えば
プラズマ溶射法等の通常の膜成形法を用いうる。
【0006】
【作用】エポキシ樹脂とフッ素樹脂とからなる塗材は、
金属酸化物セラミックス膜表面に強固に付着し、常温下
で硬化し、塗膜を形成する。形成された塗膜は、密着性
がよく、耐剥離性、耐磨耗性に優れる。セラミックス膜
は、金属膜に強固に付着するとともに、塗材をよく付着
する表面を有するので、塗膜が剥離した場合でもセラミ
ックス膜に塗材を塗布することにより、塗膜が形成され
る。塗膜は、コンクリート成形品に対して剥離しやす
い。
金属酸化物セラミックス膜表面に強固に付着し、常温下
で硬化し、塗膜を形成する。形成された塗膜は、密着性
がよく、耐剥離性、耐磨耗性に優れる。セラミックス膜
は、金属膜に強固に付着するとともに、塗材をよく付着
する表面を有するので、塗膜が剥離した場合でもセラミ
ックス膜に塗材を塗布することにより、塗膜が形成され
る。塗膜は、コンクリート成形品に対して剥離しやす
い。
【0007】
【実施例】以下に本発明を具現化した一実施例について
図1ないし図5に基づいて説明する。なお、本発明は、
以下の実施例に限るものではない。図2は、例えばコン
クリートのU字溝を構成するU字溝ブロックを得るため
の型枠2である。型枠2は鋼板を加工してなる複数枚の
せき板を組み合わせて形成され、型枠2は、底板4、側
板6、妻板8及びU字溝を形成するU字板10とから構
成されている。
図1ないし図5に基づいて説明する。なお、本発明は、
以下の実施例に限るものではない。図2は、例えばコン
クリートのU字溝を構成するU字溝ブロックを得るため
の型枠2である。型枠2は鋼板を加工してなる複数枚の
せき板を組み合わせて形成され、型枠2は、底板4、側
板6、妻板8及びU字溝を形成するU字板10とから構
成されている。
【0008】底板4、側板6及び妻板8とにより型枠2
の外形が形成されている。底板4は長方形状で、その長
辺がU字溝ブロックの長さに対応し、短辺がU字溝ブロ
ックの幅に対応しており、短辺側と長辺側にはそれぞれ
妻板8と側板6が立設されている。なお、妻板8及び側
板6は底板4の長辺及び短辺とにヒンジ部12を介して
取り付けられることにより、レバーLの操作により組付
けた立設位置よりも外側へ開放可能に形成されている。
そして底板4の所定の位置には、断面略U字状のU字板
10が開口部10Aを底板2に向けて伏せるようにして
載置固定されている(図1(a)参照)。
の外形が形成されている。底板4は長方形状で、その長
辺がU字溝ブロックの長さに対応し、短辺がU字溝ブロ
ックの幅に対応しており、短辺側と長辺側にはそれぞれ
妻板8と側板6が立設されている。なお、妻板8及び側
板6は底板4の長辺及び短辺とにヒンジ部12を介して
取り付けられることにより、レバーLの操作により組付
けた立設位置よりも外側へ開放可能に形成されている。
そして底板4の所定の位置には、断面略U字状のU字板
10が開口部10Aを底板2に向けて伏せるようにして
載置固定されている(図1(a)参照)。
【0009】このようにして、図3に示すように底板
2、妻板8及び側板6とU字板10とにより断面略U字
のU字溝ブロック20を成形するための成形凹部14が
形成されている。
2、妻板8及び側板6とU字板10とにより断面略U字
のU字溝ブロック20を成形するための成形凹部14が
形成されている。
【0010】この成形凹部14を構成する底板4、側板
6、妻板8及びU字板10の各成形面4C,6C,8
C、10Cには、成形したコンクリートの脱型を容易に
するための剥離剤の皮膜Dが形成されている。図1
(b)に示すように、皮膜Dは、各板の成形面から金属
膜16、セラミックス膜17、塗膜18の順で3層構造
をなして付着されている。かかる皮膜Dは、各板成形面
4C,6C,8C、10Cの油脂を除去し、さらに、シ
ョットブラストやサンドブラスト等によりその他の表面
汚染物質を除去するとともに、鋼板表面に適当な凹凸1
8を形成して表面粗さを付与された後に形成される。
6、妻板8及びU字板10の各成形面4C,6C,8
C、10Cには、成形したコンクリートの脱型を容易に
するための剥離剤の皮膜Dが形成されている。図1
(b)に示すように、皮膜Dは、各板の成形面から金属
膜16、セラミックス膜17、塗膜18の順で3層構造
をなして付着されている。かかる皮膜Dは、各板成形面
4C,6C,8C、10Cの油脂を除去し、さらに、シ
ョットブラストやサンドブラスト等によりその他の表面
汚染物質を除去するとともに、鋼板表面に適当な凹凸1
8を形成して表面粗さを付与された後に形成される。
【0011】金属膜16は、ブラスト処理された各板成
形面4C,6C,8C、10Cに金属粉末を溶射して形
成される。この金属膜16は、ブラスト処理した鋼板表
面を覆って錆びの発生を防止するとともに、後述する塗
膜18の密着性を増すために必要なセラミックス膜17
を各成形面4C,6C,8C、10C上に形成するのに
必要な膜である。したがって、金属膜16のない状態の
鋼板表面には、密着性のあるセラミックス膜17を形成
することができない。溶射される金属粉末は、ニッケル
とアルミニウムの合金(組成:ニッケル95.5%、ア
ルミニウム4.5%)の粉末で、平均粒径は35〜36
μmである。溶射はプラズマ溶射機によって行った。な
お、溶射法は、皮膜の形成速度が速いという特徴があ
り、鋼板表面の酸化を防止する必要のある本例において
都合がよい。金属粉末の溶射の条件は、以下に示すとお
りである。
形面4C,6C,8C、10Cに金属粉末を溶射して形
成される。この金属膜16は、ブラスト処理した鋼板表
面を覆って錆びの発生を防止するとともに、後述する塗
膜18の密着性を増すために必要なセラミックス膜17
を各成形面4C,6C,8C、10C上に形成するのに
必要な膜である。したがって、金属膜16のない状態の
鋼板表面には、密着性のあるセラミックス膜17を形成
することができない。溶射される金属粉末は、ニッケル
とアルミニウムの合金(組成:ニッケル95.5%、ア
ルミニウム4.5%)の粉末で、平均粒径は35〜36
μmである。溶射はプラズマ溶射機によって行った。な
お、溶射法は、皮膜の形成速度が速いという特徴があ
り、鋼板表面の酸化を防止する必要のある本例において
都合がよい。金属粉末の溶射の条件は、以下に示すとお
りである。
【0012】
【0013】セラミックス膜17は、上記条件によって
形成された金属膜16表面に、セラミックスの粉末を溶
射して形成される。溶射されるセラミックス粉末は、以
下の組成の粉末で、平均粒径は約23.3μmである。
セラミックス膜17は、ブラスト処理によって形成され
る凹凸よりも微細な凹凸形状の表面を有する金属膜16
によく付着して均一な膜厚となっている。なお、セラミ
ックス膜17を形成する金属膜16表面には特に処理を
必要としない。
形成された金属膜16表面に、セラミックスの粉末を溶
射して形成される。溶射されるセラミックス粉末は、以
下の組成の粉末で、平均粒径は約23.3μmである。
セラミックス膜17は、ブラスト処理によって形成され
る凹凸よりも微細な凹凸形状の表面を有する金属膜16
によく付着して均一な膜厚となっている。なお、セラミ
ックス膜17を形成する金属膜16表面には特に処理を
必要としない。
【0014】
【0015】また、セラミックス粉末の溶射の条件は以
下に示すとおりである。
下に示すとおりである。
【0016】塗膜18は、セラミックス膜17表面に塗
材をハケ塗り又はスプレー塗装によって形成される。塗
材は、PTFEとエピ−ビス樹脂、シンナー及び硬化剤
を含んでいる。PTFEとエピ−ビス樹脂の調合比は、
重量比で1:1を基準として、3:7から7:3の範囲
で使用できる。本例にあっては、PTFEとエピ−ビス
樹脂とを重量比で1:1として使用している。硬化剤
は、塗材を常温で硬化させうるようなアミン系の硬化剤
を用い、その添加量は塗材中のエポキシ樹脂量を基準と
して設定される。塗膜18の養生は、常温で1週間から
10日間程度行われる。なお、180℃程度の高温であ
ればさらに短期間で足りる。
材をハケ塗り又はスプレー塗装によって形成される。塗
材は、PTFEとエピ−ビス樹脂、シンナー及び硬化剤
を含んでいる。PTFEとエピ−ビス樹脂の調合比は、
重量比で1:1を基準として、3:7から7:3の範囲
で使用できる。本例にあっては、PTFEとエピ−ビス
樹脂とを重量比で1:1として使用している。硬化剤
は、塗材を常温で硬化させうるようなアミン系の硬化剤
を用い、その添加量は塗材中のエポキシ樹脂量を基準と
して設定される。塗膜18の養生は、常温で1週間から
10日間程度行われる。なお、180℃程度の高温であ
ればさらに短期間で足りる。
【0017】塗膜18は、約50μmの厚みにセラミッ
クス膜17表面に形成され、微細な凹凸を有するセラミ
ックス膜17表面によく付着して、密着性の高い塗膜1
8となっている。したがって、良好な耐剥離性と耐磨耗
性を有するものとなっている。なお、塗膜18を形成す
るセラミックス膜17表面には特に処理の必要がない。
このようにしてブラスト処理した各板の成形面4C,6
C,8C,10Cには、3層からなる皮膜Dが形成され
ている。
クス膜17表面に形成され、微細な凹凸を有するセラミ
ックス膜17表面によく付着して、密着性の高い塗膜1
8となっている。したがって、良好な耐剥離性と耐磨耗
性を有するものとなっている。なお、塗膜18を形成す
るセラミックス膜17表面には特に処理の必要がない。
このようにしてブラスト処理した各板の成形面4C,6
C,8C,10Cには、3層からなる皮膜Dが形成され
ている。
【0018】次に、このような皮膜Dを成形面4C,6
C、8C,10Cに有する型枠2を用いてU字溝ブロッ
ク20を成形し脱型する場合の作用について説明する。
図3に示すように、型枠1の成形凹部14には、必要に
応じて鋼線等の鉄筋材22が配設された後、所定の配合
のセメントコンクリートが注入され、所定時間養生され
る(図4参照)。そして、図5に示すように、側板6及
び妻板8が外側に開放され、硬化したコンクリート製
品、すなわち、U字溝ブロック20が取り出される。こ
の際、成形面4C,6C,8C,10Cに剥離性のある
皮膜Dが形成されているため、U字溝ブロック20がス
ムーズにかつ表面のテクスチュアも良好に脱型される。
C、8C,10Cに有する型枠2を用いてU字溝ブロッ
ク20を成形し脱型する場合の作用について説明する。
図3に示すように、型枠1の成形凹部14には、必要に
応じて鋼線等の鉄筋材22が配設された後、所定の配合
のセメントコンクリートが注入され、所定時間養生され
る(図4参照)。そして、図5に示すように、側板6及
び妻板8が外側に開放され、硬化したコンクリート製
品、すなわち、U字溝ブロック20が取り出される。こ
の際、成形面4C,6C,8C,10Cに剥離性のある
皮膜Dが形成されているため、U字溝ブロック20がス
ムーズにかつ表面のテクスチュアも良好に脱型される。
【0019】また、コンクリートに対して剥離性を有す
る塗膜18は、セラミックス膜17及び金属膜16を介
して強く鋼板表面に密着されているため、剥離しにくい
とともに、磨耗しにくいものとなっている。したがっ
て、この皮膜Dは長期にわたって複数回の使用に耐えて
良好な脱型性とコンクリート表面の成形精度を維持する
ことができるものであり、成形の都度剥離剤を塗布する
必要がないものとなっている。さらに、塗膜18が部分
的に傷ついたり、剥離したり、さらには磨耗により塗膜
が薄くなった場合には、その部分にのみ、前記塗材を塗
布して、常温で養生するだけの簡易な補修により、再び
塗膜18を形成して、皮膜Dを再生することができる。
すなわち、セラミックス膜17が金属膜16上に強固に
密着して塗材を付着する膜として残存するため、常温硬
化する前記塗材を塗布して塗膜18を形成しうるのであ
る。したがって、従来のように、剥離部分等に成形の都
度剥離剤を噴霧加工する必要もなく、また全面を焼き付
けにより再剥離加工する必要もないため、作業性や作業
環境が改善され、剥離剤のコストも低減される。
る塗膜18は、セラミックス膜17及び金属膜16を介
して強く鋼板表面に密着されているため、剥離しにくい
とともに、磨耗しにくいものとなっている。したがっ
て、この皮膜Dは長期にわたって複数回の使用に耐えて
良好な脱型性とコンクリート表面の成形精度を維持する
ことができるものであり、成形の都度剥離剤を塗布する
必要がないものとなっている。さらに、塗膜18が部分
的に傷ついたり、剥離したり、さらには磨耗により塗膜
が薄くなった場合には、その部分にのみ、前記塗材を塗
布して、常温で養生するだけの簡易な補修により、再び
塗膜18を形成して、皮膜Dを再生することができる。
すなわち、セラミックス膜17が金属膜16上に強固に
密着して塗材を付着する膜として残存するため、常温硬
化する前記塗材を塗布して塗膜18を形成しうるのであ
る。したがって、従来のように、剥離部分等に成形の都
度剥離剤を噴霧加工する必要もなく、また全面を焼き付
けにより再剥離加工する必要もないため、作業性や作業
環境が改善され、剥離剤のコストも低減される。
【0020】また、かかる型枠2においては、常温で塗
膜18が形成されるため、常温で放置できるスペースが
あれば、焼き付け炉の有無にかかわらず大型の型枠2に
ついても剥離剤の形成加工を容易に行うことができる。
膜18が形成されるため、常温で放置できるスペースが
あれば、焼き付け炉の有無にかかわらず大型の型枠2に
ついても剥離剤の形成加工を容易に行うことができる。
【0021】なお、本実施例では、U字溝ブロック20
の成形型枠を例示して説明したが、本発明の型枠2はコ
ンクリート2次製品のものに限るものではない。すなわ
ち、本発明の型枠は、柱や壁などのコンクリート構造体
や他の全てのコンクリート製品について現場加工あるい
は工場加工を問わず適用することができる。
の成形型枠を例示して説明したが、本発明の型枠2はコ
ンクリート2次製品のものに限るものではない。すなわ
ち、本発明の型枠は、柱や壁などのコンクリート構造体
や他の全てのコンクリート製品について現場加工あるい
は工場加工を問わず適用することができる。
【0022】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の型枠によれ
ば、型枠を構成するせき板の成形面に金属膜、セラミッ
クス膜、常温で硬化する塗膜からなる3層の皮膜を形成
し、塗膜の密着性を向上させることにより、塗膜の良好
な耐剥離性や耐磨耗性を長期間維持可能とするととも
に、型枠の剥離剤処理にあたり焼き付け工程を排除し
て、大型の型枠についても剥離剤の形成加工を容易に行
うことができる。また、塗膜の密着のためにセラミック
ス膜を形成したことにより、塗膜が剥離等した場合に、
塗材を塗布して常温にて硬化させることにより容易に剥
離部分の塗膜を形成することができる。したがって、補
修の作業性が改善されるとともに、補修時のコストの低
減することができる。
ば、型枠を構成するせき板の成形面に金属膜、セラミッ
クス膜、常温で硬化する塗膜からなる3層の皮膜を形成
し、塗膜の密着性を向上させることにより、塗膜の良好
な耐剥離性や耐磨耗性を長期間維持可能とするととも
に、型枠の剥離剤処理にあたり焼き付け工程を排除し
て、大型の型枠についても剥離剤の形成加工を容易に行
うことができる。また、塗膜の密着のためにセラミック
ス膜を形成したことにより、塗膜が剥離等した場合に、
塗材を塗布して常温にて硬化させることにより容易に剥
離部分の塗膜を形成することができる。したがって、補
修の作業性が改善されるとともに、補修時のコストの低
減することができる。
【図1】本実施例の型枠の一部を示す断面図と型枠の成
形面に形成した皮膜の拡大断面図である。
形面に形成した皮膜の拡大断面図である。
【図2】型枠の側板及び妻板の開放状態の図である。
【図3】型枠により成形凹部が形成された状態の図であ
る。
る。
【図4】成形凹部にコンクリートが注入された状態の図
である。
である。
【図5】型枠を開放してコンクリート成形品を脱型した
図である。
図である。
2…コンクリート成形用型枠 4…底板 6…側板 8…妻板 10…U字板 16…金属膜 17…セラミックス膜 18…塗膜 D…皮膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鳥井 日出男 三重県津市一身田中野230番地 柘植コン クリート工業株式会社内 (72)発明者 沖田 和正 三重県名張市蔵持町芝出1109番地の7 オ キツモ株式会社内
Claims (1)
- 【請求項1】複数枚のせき板を組み合わせてなるコンク
リート成形用型枠であって、 せき板のコンクリート成形面に金属膜、金属酸化物セラ
ミックス膜、エポキシ樹脂とフッ素樹脂とからなる塗膜
の順に積層されてなる皮膜を有することを特徴とするコ
ンクリート成形用型枠。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22346593A JPH0776926A (ja) | 1993-09-08 | 1993-09-08 | コンクリート成形用型枠 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22346593A JPH0776926A (ja) | 1993-09-08 | 1993-09-08 | コンクリート成形用型枠 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0776926A true JPH0776926A (ja) | 1995-03-20 |
Family
ID=16798579
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22346593A Pending JPH0776926A (ja) | 1993-09-08 | 1993-09-08 | コンクリート成形用型枠 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0776926A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101496639B1 (ko) * | 2013-07-15 | 2015-03-02 | 영남대학교 산학협력단 | 테프론 코팅층을 갖는 콘크리트 성형물 몰드장치 및 이를 이용한 콘크리트 성형물 제작방법 |
CN106166788A (zh) * | 2016-07-29 | 2016-11-30 | 淮海工学院 | 用于生产陶粒发泡混凝土预制件的模具及工艺 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61196064A (ja) * | 1985-02-25 | 1986-08-30 | 清水建設株式会社 | 型枠の製造方法 |
JPH05133096A (ja) * | 1991-11-11 | 1993-05-28 | Nissho Jitsugyo Kk | コンクリート打設用型枠 |
-
1993
- 1993-09-08 JP JP22346593A patent/JPH0776926A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN106166788B (zh) * | 2016-07-29 | 2018-04-17 | 淮海工学院 | 用于生产陶粒发泡混凝土预制件的模具及工艺 |
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