JPH0776685A - 分散型エレクトロルミネッセンス素子用バインダー組成物 - Google Patents

分散型エレクトロルミネッセンス素子用バインダー組成物

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JPH0776685A
JPH0776685A JP5223643A JP22364393A JPH0776685A JP H0776685 A JPH0776685 A JP H0776685A JP 5223643 A JP5223643 A JP 5223643A JP 22364393 A JP22364393 A JP 22364393A JP H0776685 A JPH0776685 A JP H0776685A
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JP
Japan
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film
cyanoethyl
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binder
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JP5223643A
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English (en)
Inventor
Yukio Fujishima
征雄 藤島
Shinji Tsukamoto
真治 塚本
Makoto Okuda
眞 奥田
Soshiro Nomachi
宗士郎 野町
Yasuyo Shigematsu
泰代 重松
Yoshinori Matsushita
美紀 松下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyu Resin KK
Daiwabo Create Co Ltd
Osaka Prefecture
Original Assignee
Sanyu Resin KK
Daiwabo Create Co Ltd
Osaka Prefecture
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は、高輝度かつ長寿命の分散型E
L素子用のバインダーとして有効に使用し得るバインダ
ー組成物を提供することである。 【構成】本発明は、下記の分散型エレクトロルミネッセ
ンス素子用バインダー組成物を提供する: (i) シアノエチルシュクロース及びシアノエチルラフ
ィノースから選ばれた水酸基価75〜170、水分量6
00ppm以下のシアノエチル化多糖類ポリオール、(i
i) ポリイソシアネート化合物、(iii) 硬化触媒、及び
(iv) 沸点100〜220℃、分子量70〜150及び
蒸気密度3〜5で、上記シアノエチル化多糖類ポリオー
ル及びポリイソシアネート化合物を溶解できる有機溶剤
を含有するウレタン組成物からなることを特徴とする分
散型エレクトロルミネッセンス素子用バインダー組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、分散型エレクトロルミ
ネッセンス素子用バインダー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】分散型エレクトロルミネッ
センス素子(分散型EL素子)は、薄膜型EL素子に比
べて、製法が容易で安価であることから注目されている
が、薄膜型に比べて、輝度、寿命等が劣るという欠点が
ある。このため、かかる欠点を改良することにより、分
散型EL素子の特徴を生かした大型で軽量な面発光素子
としての用途が広がるものと考えられる。
【0003】分散型EL素子の高輝度化のためには、バ
インダー材として、透明な高誘電率材料を用いることが
必要であり、このような透明な高誘電率材料としては、
シアノエチルシュクロース、シアノエチルセルロース、
シアノエチルプルラン等の少糖類乃至多糖類のシアノエ
チル化物が知られている。しかしながら、これらのシア
ノエチル化物は、一般に、吸湿性が高く、吸収した水分
により蛍光体物質が劣化し、EL素子の発光寿命が低下
するという問題点がある。更に、それぞれのシアノエチ
ル化物については、例えば、シアノエチルシュクロース
は、常温で高粘度であるために使用し難く、しかも耐
熱、耐酸性が悪いために、加熱して粘度を低下させるこ
とができず、加熱して十分に乾燥させることもできない
という欠点があり、シアノエチルセルロースは、熱可塑
性であるために接着性が悪いという欠点がある。
【0004】このため、これらの欠点を克服するための
種々の試みがなされている。例えば、蛍光体粒子をフッ
素樹脂で被覆し、これをシアノエチルシュクロース等か
らなるバインダーに分散させて蛍光体を湿気から保護す
ること(特開昭63−216291号)、シアノエチル
シュクロース等の接着性に優れたバインダーとシアノエ
チルセルロース等の耐熱性に優れたバインダーを混合す
ること(特開平2−112197号)、シアノエチルシ
ュクロースとシアノエチルプルランを混合した組成物を
発光体層に用い、誘電率が高く加工性のよいバインダー
とすること(特開平2−121295号)、シアノエチ
ルシュクロース、シアノエチルセルロース等の樹脂に酸
化防止剤を含有させて、熱、酸素等による強度劣化や着
色を抑制すること(特開平2−152195号)、水酸
基及びシアノエチル基を有する各種シアノエチル化物の
水酸基の水素原子をN−メチレンアクリルアミド基で置
換したシアノエチル化物誘導体を用いること(特開平2
−298502号)、アルカリ金属及びアルカリ土類金
属の含有量が5ppm以下である糖類、糖アルコール
類、多価アルコール類等のシアノエチル化物を用いるこ
と(特開平3−101649号)等が報告されている。
しかしながらこれらのいずれの方法によっても、バイン
ダー自体の吸湿性を抑制し、高誘電率を維持する上での
欠点を完全に克服したものは得られていない。
【0005】また、特開平2−152196号には、高
誘電率化合物をポリウレタンの分子中に導入するか、ポ
リウレタンと混合したものをバインダーの一部として用
いた分散型EL素子が記載されているが、この様なバイ
ンダーは、十分な硬化性を有するものではなく、しかも
硬化の直前に発泡するという欠点があり、更に吸湿性の
改善の点でも満足のいくものではない。
【0006】このため、従来は、分散型EL素子を熱圧
着のフィルムで覆うことによる防湿処理が広く行なわれ
ており、更に、防湿処理前にバインダー内に吸収された
水分が残存していることも考慮して防湿フィルムと分散
型EL素子バインダー間に、吸水性フィルムを配置する
などの防湿処理も施されている。このため、分散型EL
素子の製造工程が増え、材料費が高くなるなどの問題点
がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記したよ
うな課題を解決すべく鋭意研究を重ねてきた。その結
果、水酸基価及び水分量について特定の条件を満足する
シアノエチルシュクロース又はシアノエチルラフィノー
スをポリオール化合物として用い、これをポリイソシア
ネート化合物と組み合わせ、更に硬化触媒及び所定の条
件を満足する溶剤を配合してなるウレタン組成物によれ
ば、形成されるポリウレタン中には水酸基がほとんど残
存しないために吸湿性が少なく、防湿絶縁性に優れた皮
膜を形成でき、また得られるポリウレタンは誘電率が高
く、透明性が良好で発泡などの弊害もなく、しかも印刷
性等の加工性も良好であり、分散型EL素子用のバイン
ダーとして優れたものであることを見出し、ここに本発
明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は、下記の分散型EL素子用
バインダー組成物を提供するものである。
【0009】(i) シアノエチルシュクロース及びシア
ノエチルラフィノースから選ばれた水酸基価75〜17
0、水分量600ppm以下のシアノエチル化多糖類ポ
リオール、(ii) ポリイソシアネート化合物、(iii) 硬
化触媒、及び(iv) 沸点100〜220℃、分子量70
〜150及び蒸気密度3〜5で、上記シアノエチル化多
糖類ポリオール及びポリイソシアネート化合物を溶解で
きる有機溶剤を含有するウレタン組成物からなることを
特徴とする分散型エレクトロルミネッセンス素子用バイ
ンダー組成物。
【0010】本発明では、ポリオールとして、シアノエ
チル化した多糖類ポリオールであるシアノエチルシュク
ロース又はシアノエチルラフィノースを用いる。これら
のシアノエチル化多糖類ポリオールは、分子中の水酸基
がシアノエチル基で置換されていることにより、高い誘
電率を示すものである。これらのシアノエチル化多糖類
ポリオールは、イソシアネート化合物と反応してウレタ
ン結合を形成するために、シアノエチル化されていない
水酸基を有することが必要であり、水酸基価は75〜1
70の範囲とする。水酸基価が75未満の場合には、ポ
リウレタンを形成する際に、イソシアネート化合物との
反応が不十分で、硬化が十分に進行せず、一方、水酸基
価が170を上回るとシアノエチル基の置換量が不足し
て、誘電率が十分に高くならないので好ましくない。
【0011】また、該シアノエチル化多糖類ポリオール
は、水分量を600ppm以下とする。この様な低い水
分量とすることによって、水分の存在による誘電率の低
下、蛍光体の劣化の問題が生じることがなく、EL素子
の寿命を長くすることができる。
【0012】本発明で用いるシアノエチルシュクロース
及びシアノエチルラフィノースは、例えば、原料として
シュクロース又はラフィノースを用い、アルカリ触媒の
存在下に、アクリロニトリルと反応させることによって
得ることができる。この様なシアノエチル化反応は、ミ
カエル反応の典型的な例であり、反応は次の様に表わさ
れる。
【0013】
【化1】
【0014】ここで、R−OHは、シュクロース又はラ
フィノースの水酸基部分を示す。
【0015】この反応は、可逆反応であるので、反応系
中のアクリロニトリル濃度が減少すれば、逆反応が顕著
になって、シアノエチル化反応が進まなくなり、アクリ
ロニトリル濃度が高くなるとシアノエチル化反応が進み
過ぎて水酸基価が小さくなる。通常、水酸基1モルに対
して、1〜2モルのアクリロニトリルを反応させること
により、水酸基価75〜170のシアノエチル化物を得
ることができる。シアノエチル化反応の反応温度は20
〜40℃程度とし、反応時間は2〜7時間程度とするこ
とが好ましい。反応温度が20℃未満の場合には、シア
ノエチル化反応が進みにくく反応時間が長くなり過ぎる
ので効率的ではなく、40℃を超えるとシアノエチル化
反応の進み過ぎやアクリロニトリルの重合等の副反応が
起こることがあるので好ましくない。
【0016】シアノエチル化反応の触媒としては、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸
カリウム等のアルカリ触媒を用いることができる。これ
らの触媒の添加量が多すぎると水のシアノエチル化や局
所的なアクリロニトリルとの重合などの副反応が起こる
ので触媒の種類によってその添加量に注意を払わなけれ
ばならない。例えば、水酸化カリウムを用いる場合には
0.5〜5%の水酸化カリウム水溶液をシアノエチル化
する多糖類の重量に対して1〜4倍量加えるとよい。
【0017】得られたシアノエチル化物は、蒸留水で洗
浄し、脱塩を行なった後、アスピレーターや高真空ポン
プで吸引しながら、60〜80℃程度で5時間程度加熱
して乾燥し、乾燥後の水分量が600ppm以下となる
ようにすればよい。
【0018】本発明では、上記ポリオール化合物と反応
させてポリウレタンを形成するためのポリイソシアネー
ト化合物として、上記シアノエチル化多糖類ポリオール
と相溶性のよいポリイソシアネート化合物を用いる。こ
の様なポリイソシアネート化合物は、通常のウレタン樹
脂組成物で用いるポリイソシアネート化合物のうちか
ら、使用するシアノエチル化多糖類ポリオールに応じて
相溶性のよいものを選べばよく、具体的には、芳香族系
ポイソシアネート、脂肪族系ポリイソシアネート等から
選択することができる。本発明で用いるポリイソシアネ
ート化合物の好ましい具体例として、2−イソシアナト
エチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート(LT
I)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)等
を例示できる。
【0019】上記ポリオール化合物とポリイソシアネー
ト化合物の配合割合は、NCO/OH比で0.7〜1.
3程度となるようにすることが好ましく、特に、0.9
〜1.1程度となるようにすることが好ましい。この様
な配合割合でポリオール化合物とポリイソシアネート化
合物を用いることにより、形成されるポリウレタンに水
酸基がほとんど残存しなくなり、吸湿性が少なくなる。
【0020】本発明では、更に、硬化触媒を配合するこ
とが必要である。硬化触媒としては、通常、ウレタン樹
脂用の硬化触媒として用いられているものから選択する
ことができ、例えば、ジブチルスズジラウレート、ジブ
チルスズジアセテート等の金属錯体系触媒、トリエチレ
ンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ペンタメ
チルジエチレントリアミン等のアミン系触媒等を用いる
ことができる。触媒の配合量は、上記ポリオール化合物
100重量部に対して、0.1〜5.0重量部程度とす
る。触媒の配合量がこの範囲を上回ると硬化が速くなり
過ぎて作業が困難となり、この範囲を下回ると十分な硬
化促進効果が得られないので好ましくない。
【0021】本発明では、更に、沸点100〜220
℃、分子量70〜150及び蒸気密度3〜5で、上記ポ
リオール化合物及びポリイソシアネート化合物を溶解で
きる有機溶剤を用いることが必要である。この様な条件
をすべて満足する溶剤を配合することにより、透明性が
良好で発泡のない均一性に優れた硬化皮膜を形成するこ
とができ、また印刷性などの作業性も良好となる。上記
した条件を満足する溶剤の具体例としては、シクロヘキ
サノン、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテ
ート、イソホロン,N,N−ジメチルホルムアミド等を
例示でき、毒性や匂いの少ない点で、シクロヘキサノ
ン、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート
等が好ましい。
【0022】溶剤の配合量は、上記ポリオール化合物1
00重量部に対して、20〜60重量部程度とする。溶
剤の配合量がこの範囲を上回ると硬化皮膜が薄くなり過
ぎ、この範囲を下回ると粘度が高く印刷性が悪くなるの
で好ましくない。
【0023】本発明の組成物は、分散型EL素子の発光
層のバインダーとして用いられるものである。発光層に
用いる発光性材料としては、通常の分散型EL素子に用
いるものと同様のものを用いることができ、例えば、硫
化亜鉛、硫化セレン、硫化亜鉛−硫化セレン混晶体等の
母材に、必要に応じて、銅、銀等の活性材を加えたもの
を使用でき、具体例としては、シルバニア社製の#72
3,#523(商標)等を挙げることができる。発光性
材料の使用量は、発光性材料:本発明組成物 (重量比)=3:2〜4:1程度とすればよい。
【0024】本発明の組成物を用いて分散型EL素子を
得るには、本発明組成物をバインダーとして用いて発光
層を形成すればよく、その他のEL素子の構成は通常の
分散型EL素子と同様とすればよい。この様な発光層を
形成するには、例えば、本発明組成物と発光性材料を十
分に混合し、背面電極又は正面電極に塗布し、次いでそ
の上から正面電極又は背面電極を積層すればよい。発光
層の厚さは、通常30〜80μm程度とすればよい。本
発明組成物の硬化条件は、特に限定的ではないが、通
常、室温で1〜2時間程度放置した後、60〜90℃程
度の温度で2〜16時間程度加熱すればよい。
【0025】
【発明の効果】本発明の分散型EL素子用バインダー組
成物によれば、硬化の際に発泡することがなく、透明性
が良好でしかも誘電率が高いポリウレタン皮膜を形成で
きる。また、形成されるポリウレタン中には水酸基がほ
とんど残存しないために吸湿性が少なく、外部からの水
分の侵入を排除することができ、しかも印刷性等の加工
性も良好であり、分散型EL素子用のバインダーとして
優れたものである。
【0026】よって、本発明組成物をバインダーとして
用いて、分散型EL素子を形成することによって、高輝
度かつ長寿命のEL素子を得ることができる。
【0027】
【実施例】以下、実施例を示して本発明を更に詳細に説
明する。
【0028】製造例1 撹拌機、滴下ロート及び冷却管のついたセパラブルフラ
スコにシュクロース(和光純薬工業(株)製、試薬一
級)400g、2%水酸化カリウム水溶液1600gを
入れ、これを撹拌してシュクロースを溶解させた。その
まま撹拌を行ないながら、ウオーターバスで40℃に加
温し、992mlのアクリロニトリル(比重0.8、和
光純薬工業(株)製、試薬一級)を滴下ロートより約3
0分間かけて滴下した後、撹拌しながら40℃にて4時
間反応させた。反応後、塩酸を用いて中和することによ
り反応を停止させた。中和後このセパラブルフラスコを
約40℃に加温しながら撹拌し、アスピレーター(到達
真空度17.5torr,以下同じ)で吸引することに
よって、未反応のアクリロニトリルを留去し、生成物で
あるシアノエチルシュクロースを析出させた。この析出
物を蒸留水で電気伝導度1×10-4S以下になるまで繰
り返し洗浄した。洗浄後、この生成物を撹拌機及び冷却
器のついたセパラブルフラスコに移し、ウォーターバス
で60℃に加温し、撹拌しながらアスピレーターで5時
間吸引を行なった後、80℃に加温し、撹拌しながら到
達真空度5×10-4torrの高真空ポンプ(増田製作
所(株)製、油回転高真空ポンプRP−D50V)で5
時間吸引を行なって乾燥させた。
【0029】得られたシアノエチルシュクロースの水分
率及び置換度を表1に示す。
【0030】製造例2〜4 表1に示す条件に従って、製造例1と同様の方法で、シ
アノエチルシュクロースを得た。
【0031】製造例5 シュクロースに代えてラフィノース(日本甜菜製糖
(株)製)を用い、表1に示す条件に従って製造例1と
同様の方法でシアノエチルラフィノースを得た。
【0032】製造例6 ビーカーにシュクロース300g、2%水酸化カリウム
水溶液1200mlを入れ、マグネチックスターラー撹
拌してシュクロースを溶解させた後、アクリロニトリル
1104mlを一度に加えた。これをウォーターバスで
40℃に加温し、撹拌しながら2.5時間反応させた
後、塩酸を用いて中和し、反応を停止させた。中和終了
後、ロータリーエバポレーターを用い、アスピレーター
で吸引することによって未反応のアクリロニトリルを留
去し、生成物であるシアノエチルシュクロースを析出さ
せた。この析出物を蒸留水で洗浄した後、ロータリーエ
バポレーターに移し、90℃に加温してアスピレーター
で5時間吸引を行なって乾燥させた。
【0033】得られたシアノエチルシュクロースの水分
率及び置換度を表1に示す。
【0034】製造例7 表1に示す条件に従って、製造例6と同様の方法で、シ
アノエチルシュクロースを得た。
【0035】
【表1】
【0036】実施例1 製造例1で得たシアノエチルシュクロース(OH価16
1、水分率320ppm)100gにシクロヘキサノン
40gを添加した後、混合して低粘度化した。次いで、
ポリイソシアネート(協和発酵製、LTI、NCO含量
47%)を26g添加し、最後にジブチルスズジラウレ
ートを0.1g添加した後、混合した。このウレタン組
成物をガラス板に塗布し、23℃で1時間、60℃で1
6時間及び90℃で2時間加熱して硬化させ、膜厚30
0μmの皮膜を形成した。この皮膜は、発泡のない均一
なものであり、誘電率は1kHzで23であった。
【0037】実施例2 製造例2で得たシアノエチルシュクロース(OH価16
6、水分率251ppm)100gにシクロヘキサノン
40gを添加した後、混合して低粘度化した。次いで、
ポリイソシアネート(協和発酵製、LTI、NCO含量
47%)を27g添加し、最後にジブチルスズジラウレ
ートを0.1g添加した後、混合した。このウレタン組
成物をガラス板に塗布し、23℃で1時間、60℃で1
6時間及び90℃で2時間加熱して硬化させ、膜厚31
0μmの皮膜を形成した。この皮膜は、発泡のない均一
なものであり、誘電率は1kHzで23であった。
【0038】実施例3 製造例3で得たシアノエチルシュクロース(OH価11
6、水分率187ppm)100gにシクロヘキサノン
40gを添加した後、混合して低粘度化した。次いで、
ポリイソシアネート(協和発酵製、LTI、NCO含量
47%)を18g添加し、最後にジブチルスズジラウレ
ートを0.1g添加した後、混合した。このウレタン組
成物をガラス板に塗布し、23℃で1時間、60℃で1
6時間及び90℃で2時間加熱して硬化させ、膜厚30
0μmの皮膜を形成した。この皮膜は、発泡のない均一
なものであり、誘電率は1kHzで24であった。
【0039】実施例4 製造例4で得たシアノエチルシュクロース(OH価11
5、水分率150ppm)100gにシクロヘキサノン
40gを添加した後、混合して低粘度化した。次いで、
ポリイソシアネート(協和発酵製、LTI、NCO含量
47%)を18g添加し、最後にジブチルスズジラウレ
ートを0.1g添加した後、混合した。このウレタン組
成物をガラス板に塗布し、23℃で1時間、60℃で1
6時間及び90℃で2時間加熱して硬化させ、膜厚31
0μmの皮膜を形成した。この皮膜は、発泡のない均一
なものであり、誘電率は1kHzで24であった。
【0040】実施例5 製造例5で得たシアノエチルラフィノース(OH価7
5、水分率234ppm)100gにシクロヘキサノン
40gを添加した後、混合して低粘度化した。次いで、
ポリイソシアネート(協和発酵製、LTI、NCO含量
47%)を12g添加し、最後にジブチルスズジラウレ
ートを0.1g添加した後、混合した。このウレタン組
成物をガラス板に塗布し、23℃で1時間、60℃で1
6時間及び90℃で2時間加熱して硬化させ、膜厚30
0μmの皮膜を形成した。この皮膜は、発泡のない均一
なものであり、誘電率は1kHzで21であった。
【0041】比較例1 製造例6で得たシアノエチルシュクロース(OH価67
2、水分率10000ppm)100gにシクロヘキサ
ノン40gを添加した後、混合して低粘度化した。次い
で、ポリイソシアネート(協和発酵製、LTI、NCO
含量47%)を108g添加し、最後にジブチルスズジ
ラウレートを0.1g添加した後、混合した。このウレ
タン組成物をガラス板に塗布し、23℃で1時間、60
℃で16時間及び90℃で2時間加熱して硬化させ、膜
厚300μmの皮膜を形成した。この皮膜は、泡だらけ
のため誘電率は測定不能であった。
【0042】比較例2 製造例7で得たシアノエチルシュクロース(OH価34
1、水分率12000ppm)100gにシクロヘキサ
ノン40gを添加した後、混合して低粘度化した。次い
で、ポリイソシアネート(協和発酵製、LTI、NCO
含量47%)を55g添加し、最後にジブチルスズジラ
ウレートを0.1g添加した後、混合した。このウレタ
ン組成物をガラス板に塗布し、23℃で1時間、60℃
で16時間及び90℃で2時間加熱して硬化させ、膜厚
300μmの皮膜を形成した。この皮膜は、泡だらけの
ため誘電率は測定不能であった。
【0043】比較例3 ポリカプロラクトン系ポリオール(ダイセル化学製、P
−308、OH価104)100gにシクロヘキサノン
40gを添加した後、混合して低粘度化した。次いで、
ポリイソシアネート(協和発酵製、LTI、NCO含量
47%)を17g添加し、最後にジブチルスズジラウレ
ートを0.1g添加した後、混合した。このウレタン組
成物をガラス板に塗布し、23℃で1時間、60℃で1
6時間及び90℃で2時間加熱して硬化させ、膜厚30
0μmの皮膜を形成した。この皮膜の誘電率は1kHz
で11であり、低誘電率であった。
【0044】比較例4 ポリカプロラクトン系ポリオール(ダイセル化学製、P
−308、OH価104)100gにシクロヘキサノン
40gを添加した後、混合して低粘度化した。次いで、
ポリイソシアネート(協和発酵製、HMDI、NCO含
量23%)を17g添加し、最後にジブチルスズジラウ
レートを0.1g添加した後混合した。このウレタン組
成物をガラス板に塗布し、23℃で1時間、60℃で1
6時間及び90℃で2時間加熱して硬化させ、膜厚30
0μmの皮膜を形成した。この皮膜の誘電率は1kHz
で10であり、低誘電率であった。
【0045】実施例6 下記配合の原料を混合してウレタン組成物を調製した。
【0046】 製造例1のシアノエチルシュクロース (OH価161、水分率320ppm) 100g シクロヘキサノン 40g ポリイソシアネート(LTI) 27g ジブチルスズジラウレート 0.1g 青色発光性材料 (ZnS(Cu・Cl)、シルバニア社製#723) 668g このウレタン組成物を用いて、図1に示すELセルを作
製した。図1に示したELセルは、ガラス基板(1)に
下部電極としてAl蒸着膜電極(2)を形成し、この上
に、スペーサ用PETフィルム(3)の内側に上記組成
物を用いて発光層(4)を形成し、その上に、透明電極
(5)を形成したITOガラス(6)を積層したもので
ある。
【0047】発光層は、上記組成物をAl蒸着膜電極上
に塗布し、23℃で1時間、60℃で16時間及び90
℃で2時間加熱して硬化させたものであり、膜厚は50
μmであった。
【0048】この皮膜の誘電率は1kHzで30であ
り、初期の輝度は1kHz、300Vで120cd/m
2 であった。電圧300V、周波数2kHzの矩形波の
電源を用いたELセルの長期連続発光寿命試験では、初
期輝度の半減期で表示される平均発光寿命が4000時
間であり、従来品の平均発光寿命が2000時間以下で
あったのと比べて大幅に改善された良好な特性が得られ
た。また、該ウレタン組成物は、印刷性についても良好
であった。
【0049】実施例7 下記配合の原料を混合してウレタン組成物を調製した。
【0050】 製造例3のシアノエチルシュクロース (OH価116、水分率187ppm) 100g シクロヘキサノン 40g ポリイソシアネート(LTI) 18g ジブチルスズジラウレート 0.1g 青色発光性材料(シルバニア社製#723) 632g このウレタン組成物を用いて、実施例6と同様にしてE
Lセルを作製した。発光層の膜厚は、60μmであっ
た。
【0051】この皮膜の誘電率は1kHzで30であ
り、初期の輝度は1kHz、300Vで120cd/m
2 であった。電圧300V、周波数2kHzの矩形波の
電源を用いたELセルの長期連続発光寿命試験では、初
期輝度の半減期で表示される平均発光寿命が4000時
間であり、従来品の平均発光寿命が2000時間以下で
あったのと比べて大幅に改善された良好な特性が得られ
た。また、該ウレタン組成物は、印刷性についても良好
であった。
【0052】実施例8 下記配合の原料を混合してウレタン組成物を調製した。
【0053】 製造例3のシアノエチルシュクロース (OH価116、水分率187ppm) 100g シクロヘキサノン 40g ポリイソシアネート(LTI) 18g ジブチルスズジラウレート 0.1g オレンジ色発光性材料 (ZnS(Mn)、シルバニア社製#523) 632g このウレタン組成物を用いて、実施例6と同様にしてE
Lセルを作製した。発光層の膜厚は、70μmであっ
た。
【0054】この皮膜の誘電率は1kHzで25であ
り、初期の輝度は1kHz、300Vで50cd/m2
であった。電圧300V、周波数2kHzの矩形波の電
源を用いたELセルの長期連続発光寿命試験では、初期
輝度の半減期で表示される平均発光寿命が4000時間
であり、従来品の平均発光寿命が2000時間以下であ
ったのと比べて大幅に改善された良好な特性が得られ
た。また、該ウレタン組成物は、印刷性についても良好
であった。
【0055】比較例5 下記配合の原料を混合してウレタン組成物を調製した。
【0056】 製造例1のシアノエチルシュクロース (OH価161、水分率320ppm) 100g ポリイソシアネート(LTI) 27g ジブチルスズジラウレート 0.1g 青色発色性材料(シルバニア社製#723) 508g このウレタン組成物を用いて、実施例6と同様にして発
光層を形成したが、発泡して均一な皮膜を得ることはで
きなかった。
【0057】比較例6 下記配合の原料を混合してウレタン組成物を調製した。
【0058】 製造例3のシアノエチルシュクロース (OH価116、水分率187ppm) 100g ポリイソシアネート(LTI) 18g ジブチルスズジラウレート 0.1g 青色発色性材料(シルバニア社製#723) 472g このウレタン組成物を用いて、実施例6と同様にして発
光層を形成したが、発泡して均一な皮膜を得ることはで
きなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例6で作製したELセルの断面図である。
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 Al蒸着膜電極 3 スペーサ用PETフィルム 4 発光層 5 透明電極 6 ITOガラス 7 励起電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塚本 真治 大阪府三島郡島本町山崎3丁目2番4− 505号 (72)発明者 奥田 眞 大阪府高槻市北昭和台町11−16 (72)発明者 野町 宗士郎 兵庫県加古郡播磨町古宮877番地 ダイワ ボウ・クリエイト株式会社播磨研究所内 (72)発明者 重松 泰代 兵庫県加古郡播磨町古宮877番地 ダイワ ボウ・クリエイト株式会社播磨研究所内 (72)発明者 松下 美紀 兵庫県加古郡播磨町古宮877番地 ダイワ ボウ・クリエイト株式会社播磨研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(i) シアノエチルシュクロース及びシア
    ノエチルラフィノースから選ばれた水酸基価75〜17
    0、水分量600ppm以下のシアノエチル化多糖類ポ
    リオール、(ii) ポリイソシアネート化合物、(iii) 硬
    化触媒、及び(iv) 沸点100〜220℃、分子量70
    〜150及び蒸気密度3〜5で、上記シアノエチル化多
    糖類ポリオール及びポリイソシアネート化合物を溶解で
    きる有機溶剤を含有するウレタン組成物からなることを
    特徴とする分散型エレクトロルミネッセンス素子用バイ
    ンダー組成物。
JP5223643A 1993-09-08 1993-09-08 分散型エレクトロルミネッセンス素子用バインダー組成物 Pending JPH0776685A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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GB2336718A (en) * 1998-04-20 1999-10-27 Gunze Kk Electroluminescent device fabrication
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WO2023054114A1 (ja) * 2021-09-28 2023-04-06 リンテック株式会社 高周波誘電加熱用接着剤

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