JPH0776536A - ハロゲン化ビニル誘導体およびこれを原料とする液晶化合物の製造方法 - Google Patents

ハロゲン化ビニル誘導体およびこれを原料とする液晶化合物の製造方法

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JPH0776536A
JPH0776536A JP5221400A JP22140093A JPH0776536A JP H0776536 A JPH0776536 A JP H0776536A JP 5221400 A JP5221400 A JP 5221400A JP 22140093 A JP22140093 A JP 22140093A JP H0776536 A JPH0776536 A JP H0776536A
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JP5221400A
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Atsuko Fujita
敦子 藤田
Kazutoshi Miyazawa
和利 宮沢
Yasuyuki Goto
泰行 後藤
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JNC Corp
Original Assignee
Chisso Corp
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】新規な液晶材料として有用な化合物、その製法
および該化合物を用いた液晶材料を提供する。 【構成】式(II) 〔例えば、4−プロピルフェニルアセチレン〕で示され
るエチニレン誘導体と、式(III) 〔例えば、2−(4−プロピルシクロヘキシル)ビニル
フロミド〕で示されるハロゲン化ビニルを溶媒中、遷移
金属カップリング剤を用いて反応させ、式(IV) 〔この場合は、1−(トランス−4−プロピルシクロヘ
キシル)−4−(プロピルフェニル)−1E−ブテン−
3−イン〕で示される化合物を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化ビニル誘導体
およびこれを原料とする液晶化合物の製造方法に関す
る。さらに詳しくはハロゲン化ビニル基を分子末端に含
有する液晶性化合物および原料の1つとしてこの化合物
を用い、簡便な操作で分子内部に共役エンイン結合を有
する液晶性化合物を合成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶を利用した表示素子は時計、電卓等
に広く利用されている。これらの液晶表示素子は液晶物
質の光学異方性および誘電異方性を利用している。液晶
相にはネマチック液晶相、スメクチック液晶相、コレス
テリック液晶相があり、そのうちネマチック液晶相を利
用した液晶表示素子が最も広く実用化されている。さら
に液晶表示に応用されている表示方式としては電気光学
効果に対して、TN(ねじれネマチック)型、DS(動
的散乱)型、ゲスト・ホスト型、DAP型等がある。現
在までに研究段階のものを含め多くの液晶性化合物が世
に知られているが、現在のところ単一の液晶物質として
表示素子に封入され使用されている物質は存在しない。
なぜならば表示素子材料用の液晶物質は室温を中心とす
るなるべく広い温度範囲で液晶相を示すものが望まし
く、また使用される環境因子に対して十分安定であり、
また表示素子を駆動させるに十分な物理的性質を持つも
のでなくてはならないが、単体としてこれらの条件を満
たすものが見いだされていないからである。そこで現在
では数種の液晶物質またはさらに非液晶物質を混合して
目的とする性質を持つ組成物を調整し実用に供してい
る。これらの液晶組成物は使用環境下に通常に存在する
水分、光、熱、空気等に対しても安定であることを要求
される。また電場および電磁放射に対する安定性、さら
には混合する液晶化合物が互いに使用環境内で化学的に
安定であることも必要とされる。また液晶組成物はその
光学異方性値、誘電異方性値および電導度等の諸物性値
が表示方式および素子の形状に依存して適切な値を取る
ことが必要とされる。特に最近では薄膜トランジスタ
(TFT)方式およびスーパーツイストネマチック(S
TN)方式の液晶表示素子が注目されており、これらの
用途に対応するために優れた物理的性質を有する新規な
材料の開発が嘱望されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】STN方式の表示材料
に要求される重要な物性の一つに表示応答時間の短縮が
あるが、これについては粘度の低い組成物を用いること
が効果的である。そこで、添加することによって組成物
の粘度を低下させることのできる、いわゆる減粘剤とし
ての液晶性化合物が、いくつか開発されてきた。例えば
特開平2−184642号公報にはフッ化ビニル基を有
する化合物が、また特公表平1−502823号公報に
はシクロヘキセニルアセチレン構造を分子内部に有する
下記の化合物が開示されている。しかしながら前者の化
合物は低粘性を示すが、澄明点が低いので成分として添
加した場合に組成物の澄明点を下げるという問題があ
る。また後者の化合物はその物理的特性が具体的に示さ
れていないため、減粘剤としての位置付けは明らかでな
い。
【0004】
【化5】
【0005】本発明者らは、先に分子内部に共役エンイ
ン基を有する液晶化合物について出願し、その製造例に
ついても述べた(特願平5−44008号公報、未公開
出願)。しかし、該製造例は工程が比較的煩雑な上、得
られる化合物の収率が低い。また、優れた液晶特性は化
合物中央部のエンイン構造における2重結合部分が、E
体である立体異性体の場合に得られるが、この製造法に
おいては液晶特性を示さないZ体も1:1の割合で同時
に副生するという欠点があった。
【0006】さらに、この製造法は末端にシアノ基など
の金属アセチリドに対し活性な置換基をもつ化合物の合
成には不適であった。
【0007】本発明の目的は、液晶材料として有用かつ
優れた特性を有し、かつ他の液晶化合物の合成原料とし
て重要な新規化合物、および該化合物を用いた有用な液
晶材料を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願で特許請求される発
明は以下のとおりである。 (1)一般式(I)
【0009】
【化6】
【0010】(式中、環Cおよび環Dは1個または2個
のハロゲン原子で置換されていてもよい1,4−フェニ
レン基、1,4−シクロヘキシレン基、1,3−ジオキ
サン−2,5−ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基
または1,3−ピリミジン−2,5−ジイル基を表わ
し、G1 はヨウ素、臭素または塩素原子を表わし、Mは
共有結合、1,2−エチレン基、オキシカルボニル基、
カルボニルオキシ基、1,2−エテニレン基、1,2−
エチニレン基、オキシメチレン基、メチレンオキシ基、
1,4−ブチレンまたは1,4−ブテニレン基を表わ
し、mおよびlは0、1または2を表わし、oは0また
は2を表わし、Rはハロゲン原子、シアノ基、少なくと
も1つ以上の水素原子をハロゲン原子で置き換えたアル
キル基、少なくとも1つ以上の水素原子をハロゲン原子
で置き換えたアルコキシ基、アルキル基、アルコキシ
基、アルコキシアルキル基またはアルケニル基を表わ
す)で示されるハロゲン化ビニル誘導体。 (2)G1 は臭素または塩素原子を表わし、Mは共有結
合、1,2−エチレン基、オキシカルボニル基、カルボ
ニルオキシ基、1,2−エテニレン基、オキシメチレン
基またはメチレンオキシ基を表わし、mおよびlは1ま
たは2を表わす上記(1)に記載の誘導体。 (3)環Cおよび環Dは1個または2個のハロゲン原子
で置換されていてもよい1,4−フェニレン基、1,4
−シクロヘキシレン基または1,3−ピリミジン−2,
5−ジイル基を表わし、G1 は臭素または塩素原子を表
わし、Mは共有結合、1,2−エチレン基、オキシカル
ボニル基、カルボニルオキシ基、1,2−エテニレン
基、オキシメチレン基またはメチレンオキシ基を表わ
し、mおよびlは1または2を表わし、Rはハロゲン原
子、シアノ基、少なくとも1つ以上の水素原子をハロゲ
ン原子で置き換えたアルキル基、少なくとも1つ以上の
水素原子をハロゲン原子で置き換えたアルコキシ基、ア
ルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基または
アルケニル基を表わす上記(1)に記載の誘導体。 (4)環Cおよび環Dは1個または2個のフッ素原子で
置換されていてもよい1,4−フェニレン基、1,4−
シクロヘキシレン基または1,3−ピリミジン−2,5
−ジイル基を表わし、G1 は臭素または塩素原子を表わ
し、Mは共有結合、1,2−エチレン基、オキシカルボ
ニル基、カルボニルオキシ基、1,2−エテニレン基、
オキシメチレン基またはメチレンオキシ基を表わし、m
およびlは1または2を表わし、Rは少なくとも1つ以
上の水素原子をハロゲン原子で置き換えたアルキル基、
少なくとも1つ以上の水素原子をハロゲン原子で置き換
えたアルコキシ基、アルキル基、アルコキシ基、アルコ
キシアルキル基またはアルケニル基を表わす上記(1)
に記載の誘導体。 (5)一般式
【0011】
【化7】
【0012】(式中、環Aは1,4−フェニレン基また
は1,4−シクロヘキシレン基を表わし、環Bは1,4
−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、1,3
−ジオキサン−2,5−ジイル基、ピリジン−2,5−
ジイル基または1,3−ピリミジン−2,5−ジイル基
を表わし、Lは共有結合、1,2−エチレン基、オキシ
カルボニル基、カルボニルオキシ基、1,2−エテニレ
ン基、1,2−エチニレン基、オキシメチレン基、メチ
レンオキシ基、1,4−ブチレン基または1,4−ブテ
ニレン基を表わし、nは0または1を表わし、Yはアル
キル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、少な
くとも1つ以上の水素原子をハロゲン原子で置き換えた
アルキル基、少なくとも1つ以上の水素原子をハロゲン
原子で置き換えたアルコキシ基を表わし、XおよびZは
互いに独立して水素原子またはフッ素原子を表わし、環
Bが1,4−フェニレンのときWはフッ素または水素原
子を表わし、環Bが1,4−フェニレンでないときWは
水素原子を表わす。ただしnが0のときはLは共有結合
を表わす)で示されるアセチレン誘導体と一般式
【0013】
【化8】
【0014】(式中、環Cおよび環Dは1または2個の
ハロゲン原子で置換されていてもよい1,4−フェニレ
ン基、1,4−シクロヘキシレン基、1,3−ジオキサ
ン−2,5−ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基ま
たは1,3−ピリミジン−2,5−ジイル基を表わし、
2 はハロゲン原子を表わし、Mは共有結合、1,2−
エチレン基、オキシカルボニル基、カルボニルオキシ
基、1,2−エテニレン基、1,2−エチニレン基、オ
キシメチレン基、メチレンオキシ基、1,4−ブチレン
基または1,4−ブテニレンを表わし、mおよびlは0
または1を表わし、Rは少なくとも1つ以上の水素原子
をハロゲン原子で置き換えたアルキル基、少なくとも1
つ以上の水素原子をハロゲン原子で置き換えたアルコキ
シ基、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル
基またはアルケニル基を表わし、mが0のときMは共有
結合を表わし、mおよびlが同時に0であることはな
い)で示されるハロゲン化ビニル誘導体を反応させるこ
とを特徴とする一般式(IV)
【0015】
【化9】
【0016】(式中、環A、環B、環C、環D、L、
M、n、m、l、X、Z、R、YおよびWは前記と同じ
意味を表わす)で示される液晶化合物の製造方法。 (6)前記反応を塩基性の溶媒中、金属触媒の存在下に
行なう上記(5)に記載の製造方法。 (7)金属触媒が0価または2価のパラジウム錯体であ
る上記(6)に記載の製造方法。 (8)上記(1)に記載のハロゲン化ビニル誘導体を少
なくとも1種類以上含有する液晶組成物。
【0017】本発明者らは上述した問題を解決すべく鋭
意検討した結果、一般式(I)で示される新規な化合物
を見いだした。この化合物は Tetrahedron Letters, 50
4467p (1975) に記載の方法を応用した場合、一般式
(IV)で示される化合物の簡便で選択的な製造方法にお
ける原料として有用であることも見い出した。すなわ
ち、一般式(II)で示されるアセチレン誘導体を一般式
(III)で示されるハロゲン化ビニルと遷移金属カップリ
ング剤の存在下に反応させることによって、ほぼ定量的
に目的とする一般式(IV)で示される化合物へと誘導で
きる。
【0018】ここで一般式(III)で示される化合物は一
般式(I)に包含される化合物である。上記反応で使用
される遷移金属カップリング剤としては触媒量の銅塩ー
パラジウム錯体混合剤がしばしば好ましい結果を示す。
銅塩としてはハロゲン化銅が好ましく、そのうちでも特
にヨウ化銅が好ましい。パラジウム錯体としては塩化パ
ラジウム、酢酸パラジウム、ジクロロビストリフェニル
ホスフィンパラジウム、テトラキストリフェニルホスフ
ィンパラジウム、ヨードフェニルビストリフェニルホス
フィンパラジウム、ビスアセチルオキシビストリフェニ
ルホスフィンパラジウム、カラシュ錯体などが挙げられ
るが、取り扱いが容易で安価なことから2価のパラジウ
ム錯体が好ましい。また反応が良好に進行することから
テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム、ヨード
フェニルビストリフェニルホスフィンパラジウム、ビス
アセチルオキシビストリフェニルホスフィンパラジウ
ム、ジクロロビストリフェニルホスフィンパラジウムが
好ましいが、それらの中でも特に取り扱いと反応の進行
の両方の条件を満足するジクロロビストリフェニルホス
フィンパラジウムがより好ましい。本反応は反応中間体
として活性な0価のパラジウム錯体を経由する。そのた
め反応は不活性ガス中で行なうことが好ましい。本反応
に使用できる溶媒としては脱離するハロゲン化水素を捕
獲するために塩基性を持つことが望ましい。さらに触媒
および原料化合物が容易に溶解して反応系を均一に保つ
ことができる点でアミン系有機溶媒が好ましい。この条
件を満たす溶媒として例えばジエチルアミン、トリエチ
ルアミン、ピリジン、モルホリン、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアミノピリジン、ルチジン、N−メチルピ
ロリドン、ブチルアミンなどが挙げられる。これら塩基
性溶媒は単独あるいは通常の有機溶媒との混合物として
使用される。また相間移動触媒を用いた場合には無機塩
基水溶液中でも反応は良好に進行する。用いる無機塩基
としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リ
チウム、水酸化カルシウムなどが挙げられ、これらの
0.1〜5規定溶液は反応が速やかに進行し、かつ副反
応が起こらないことから溶媒として好ましい。この際に
使用される相間移動触媒としては4級アンモニウム塩、
ホスホニウム塩などが挙げられ、さらに入手が容易なこ
とからベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、トリ
ブチルアンモニウムブロミド、トリオクチルメチルアン
モニウムクロリド、トリトン−B、テトラブチルホスホ
ニウムクロリド、テトラフェニルホスホニウムブロミ
ド、トリエチルヘキサデシルホスホニウムブロミドなど
が良好である。また本反応の反応温度としては−50℃
から溶媒の沸点に至る領域より選択することができる
が、反応が速やかに進行し、副反応も少ないことから0
℃から50℃の領域から選択することが好ましい。本反
応終了後、通常の後処理を行なうことによって一般式
(IV)で示される新規液晶化合物を得ることができる
が、一般に行なわれる精製操作を単独あるいは複数組み
合わせて実施することでより純度の高い目的物を得るこ
とができる。
【0019】本製造方法ではシアノ基、ハロゲン原子等
の官能基を有する。一般式(II)または(III)の化合物
を原料とした場合にもこれらの官能基を損なうことなく
一般式(IV)の化合物が良好な収率で得られる。さて、
一般式(III)で示される化合物を含み、適当な置換基お
よび立体配置を有する一般式(I)の化合物は低い粘度
と広い液晶レンジを有する。すなわち6員環構造を分子
内に2個以上含有することによって、一般式(I)の化
合物は表示材料として好適なネマチックレンジを幅広く
示す。また一般式(I)の化合物は、他の広い液晶レン
ジを有する化合物と比較して非常に低い粘度と良好な相
溶性を示すので、前述したSTN方式の新規な液晶材料
として有望である。
【0020】次に一般式(I)の化合物において、液晶
材料として好適である化合物を例示する。まず、誘電的
な特徴を決定する要素である末端構造Tをa〜qに例示
する。環Dが1または2個のハロゲンで置換されていて
もよい1,4−フェニレンであるときの末端構造の例を
a〜mに示し、1,4−シクロヘキシレンであるときの
例をn〜qに示す。
【0021】
【化10】
【0022】次に配向秩序、液晶レンジなどを決定する
要素である骨格構造を1〜36に例示する。
【0023】
【化11】
【0024】一般式(I)の化合物は、a〜qのいずれ
かの末端構造Tと1〜36のいずれかの骨格構造との組
み合わせで表わされる。一般式(I)の化合物のうち、
末端構造としてa、b、c、d、f、g、hまたはjを
有するものが広い液晶レンジを有し好ましい。またc、
d、e、f、g、h、i、j、k、lまたはmで示され
る末端構造を有する化合物は正の誘電異方性の値を持ち
好ましい。特にj、k、lまたはmの末端構造を有する
化合物は大きな正の誘電異方性値を持ち、液晶表示素子
として好ましい特性を組成物に与える。さらに末端構造
mを有する化合物は低電圧駆動用の材料として特異であ
る。環Dが1,4−シクロヘキシレンであり、nからq
に示される末端構造を有する一般式(I)の化合物はい
ずれも著しく低粘性である。分子内にシクロヘキサン環
のみを有する一般式(I)の化合物は、他のシクロヘキ
サン環を有する液晶性化合物に比較して一般にスメクチ
ック相を示しにくく、また他の液晶性材料との相溶性に
優れている。また骨格構造として1、2、3、19、2
0または21の構造を有する化合物は特に低粘性であり
好ましい。また10、11、12、28、29または3
0のような構造を有する化合物は2環性でありながら広
い液晶相、高い澄明点および大きな光学的異方性を有し
好ましい。特に28〜30は安定である点で好ましい。
3環性化合物である4〜9、13〜18、22〜27、
30〜36はいずれも他の3環性化合物に比較して広い
液晶相を有しかつ低い粘度であり好適な化合物である。
特に7、8または9の構造を有する化合物はスメクチッ
ク相の発現を押さえ、相溶性がよく特に好ましい。
【0025】さらに細かく説明すると、一般式(I)の
化合物のうち、a〜qの末端構造と1〜36の骨格構造
から好適なものを組み合わせたn〜q−1〜3、n〜q
−19〜21、a〜m−1〜3、a〜m−19〜21は
いずれも優れた性質を示すものであるが、特に誘電異方
性の値が大きく液晶相を広く持つものとしてc−1、c
−2、c−19、c−20、c−4、c−5、c−6、
c−22、c−23、c−24、e−1、e−2、e−
19、e−20、e−4、e−5、e−6、e−22、
e−23、e−24、f−1、f−2、f−19、f−
20、f−26、f−5、f−6、f−22、f−2
3、f−24、j−1、j−2、j−19、j−20、
j−4、j−5、j−6、j−26、j−23、j−2
4、また低い粘度と良好な相溶性を示し、かつ広い液晶
相を示すものとしてc−1、c−2、c−19、c−2
0、c−4、c−5、c−6、c−22、c−23、c
−24、d−1、d−2、d−19、d−20、d−
4、d−5、d−6、d−22、d−23、d−24、
e−1、e−2、e−19、e−20、e−4、e−
5、e−6、e−22、e−23、e−24、h−1、
h−2、h−19、h−20、h−4、h−5、h−
6、h−22、h−23、h−24、i−1、i−2、
i−19、i−20、i−4、i−5、i−6、i−2
2、i−23、i−24を挙げることができる。また低
電圧駆動用の材料として好適なものとしてm−1、m−
2、m−19、m−20、m−4、m−5、m−6、m
−22、m−23、m−24を挙げることができる。そ
のほかSTN方式の組成物の粘度を下げる目的でn−
1、n−2、n−3、n−19、n−20、n−21、
q−1、q−2、q−3、q−19、q−20、q−2
1を添加することが好ましい。
【0026】本発明により提供される液晶組成物は、一
般式(I)で示される化合物を少なくとも1つ含む成分
(A)と、Δε>5である高誘電異方性の化合物を1つ
以上含む成分(B)、|Δε|≦5である低誘電異方性
の化合物を1つ以上含む成分(C)、および80℃を超
える澄明点を有する化合物を一つ以上含む成分(D)か
ら選ばれた少なくとも一つの成分と、さらに必要に応じ
てその他の成分(E)とを含む液晶誘電体である。
【0027】成分Bとして好ましい化合物を以下に示
す。
【0028】
【化12】
【0029】成分Cとして特に好ましい化合物を以下に
示す。
【0030】
【化13】
【0031】
【化14】
【0032】成分Dとして特に好ましい化合物を以下に
示す。
【0033】
【化15】
【0034】
【化16】
【0035】
【化17】
【0036】
【化18】
【0037】
【化19】
【0038】成分Eとして特に好ましい化合物を以下に
示す。
【0039】
【化20】
【0040】ここで、RおよびR′は炭素数1〜10の
アルキル基またはアルケニル基を表わし、該基の1つま
たは隣あわない2つの炭素原子は酸素原子によって置き
換えられていてもよい。本発明による液晶組成物は、式
(IV)で示される化合物の一種または二種以上を0.1
〜40重量%の割合で含有することが液晶特性の優良で
ある点で好ましい。〔化合物の製法〕一般式(I)で示
される本発明化合物は以下の方法によって容易に得られ
る。すなわち、本発明化合物(I)は、一般式(V)
【0041】
【化21】
【0042】(式中、環C、環D、M、m、l、o、R
はそれぞれ(I)式の場合と同じである)で示されるア
ルデヒド誘導体と、一般式(VI) G3 CH2 PPh3 ・G4 (VI) (式中、G3 およびG4 は互いに独立してハロゲン原子
を表わす)で示されるホスホニウム塩を塩基で処理する
ことによって系内で発生するホスフィンイリドとを反応
させることによって良好な収率で合成される。本反応は
Organic Reactions Vol. 14, 270 (1965)に記載の方法
に従って行なうことができる。すなわち、一般式(VI)
の化合物の適当な溶液に塩基を添加することによって対
応するホスフィンイリドを発生させ、さらに反応系に一
般式(V)で示されるアルデヒド誘導体を加えて目的と
する一般式(I)の化合物を得る。本反応で使用される
溶媒は反応を阻害しないものであればよく、例えば炭化
水素系溶媒としてヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トル
エン、キシレン、エーテル系溶媒としてジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコ
ールジメチルエーテル、t−ブチルメチルエーテルなど
が挙げられる。これらは単独または混合溶媒として使用
できる。本反応で使用される塩基としてはブチルリチウ
ム、フェニルリチウム、メチルリチウム、LDA、エチ
ルマグネシウムブロミド、カリウム−t−ブトキシド、
ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリ
ウムアミド、水素化ナトリウム、水素化カルシウム、水
酸化ナトリウム、水酸化リチウムなどが好ましい。反応
が速やかに進行し、また収率も良いことからカリウム−
t−ブトキシド、ナトリウムメトキシド、ブチルリチウ
ムなどがより好ましい。
【0043】本反応の反応温度は−50℃から使用する
溶媒の沸点の間より選択することができるが、反応が速
やかに進行し、かつ副反応も少ないことから−10℃か
ら50℃の領域から選択することが望ましい。反応終了
後析出した副生物であるトリフェニルホスフィンオキシ
ドを濾過によって除去し、得られた溶液をそのまま濃縮
することによって高純度の一般式(I)で示される化合
物が得られるが、必要に応じて精留、抽出などの精製操
作をおこなってもよい。本反応の反応生成物は反応条件
に依存するが、おおむねシクロヘキサン環上の異性体比
がトランス:シス=8:2、二重結合上の異性体比が
E:Z≧95:5の混合物で得られる。目的とする化合
物は蒸留または適当な溶媒中から再結晶を行なうこと等
の精製操作を単独あるいはいくつか組み合わせることに
よって、液晶材料として使用可能な純度にすることがで
きる。
【0044】また一般式(I)の化合物のうち反応原料
として用いる一般式(III)で示される化合物は一般式
(V′)
【0045】
【化22】
【0046】(式中、環C、環D、M、m、l、Rはそ
れぞれ(III)式の場合と同じである)を出発原料として
上述と同様の方法によって製造することができる。この
ようにして得られた一般式(III)の化合物は異性体混合
物のまま次反応に使用して差し支えない。これは、好ま
しくない立体配置を有する一般式(III)の化合物は上述
したカップリング反応に関与しないし、反応後、系に残
存した一般式(III)の好ましくない立体の化合物は蒸留
または再結晶などの精製操作によって目的物である一般
式(IV)の化合物と容易に分離できるからである。
【0047】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明をさらに詳しく
説明するが本発明はこれに限定されるものではない。 実施例1 1−(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)−4−
(4−プロピルフェニル)−1E−ブテン−3−インの
合成 アルゴン気流下、ジクロロビストリフェニルホスフィン
パラジウム(10.0g)とヨウ化銅(1.3g)のジ
エチルアミン(1.5l)溶液に2−(4−プロピルシ
クロヘキシル)ビニルブロミド(183.7g)を加え
室温下に30分攪拌した。反応液に4−プロピルフェニ
ルアセチレン(115.4g)のジエチルアミン(50
0ml)溶液を4時間かけて滴下した。滴下終了後反応液
を4時間攪拌し、希塩酸を加えてトルエンで抽出した。
有機相を水洗した後無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減
圧下に濃縮した。得られた黄色油状物をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーで精製した後エタノールから結晶
化した。得られた粗生成物を減圧蒸留し、エタノールか
ら再結晶して純粋な表題化合物(114g)を得た。C
−N51.6〜53.0℃、N−I93.8〜94.0
℃ 同様の方法を用いて以下の化合物を合成した。
【0048】1−(トランス−4−エチルシクロヘキシ
ル)−4−(4−ペンチルフェニル)−1E−ブテン−
3−イン C−N28.9〜29.6℃、N−I55.0〜56.
1℃ 1−(トランス−4−エチルシクロヘキシル)−4−
(4−エチルフェニル)−1E−ブテン−3−イン C−N19.7〜20.6℃、N−I42.5〜42.
7℃ 1−(トランス−4−エチルシクロヘキシル)−4−
(4−ブチルフェニル)−1E−ブテン−3−イン C−N19.7〜20.7℃、N−I45.5〜46.
7℃ 1−(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)−4−
(4−ブチルフェニル)−1E−ブテン−3−イン C−N33.6〜34.5℃、N−I84.5℃ 1−(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)−4−
(4−エチルフェニル)−1E−ブテン−3−イン C−N31.3〜31.9℃、N−I80.3〜81.
1℃ 1−(トランス−4−エチルシクロヘキシル)−4−
(4−プロピルフェニル)−1E−ブテン−3−イン C−N27.8〜28.5℃、N−I56.2〜59.
4℃ 1−(トランス−4−ブチルシクロヘキシル)−4−
(4−プロピルフェニル)−1E−ブテン−3−イン 1−(トランス−4−エチルシクロヘキシル)−4−
(4−メチルフェニル)−1E−ブテン−3−イン 1−(トランス−4−ブチルシクロヘキシル)−4−
(4−エチルフェニル)−1E−ブテン−3−イン 1−(トランス−4−ブチルシクロヘキシル)−4−
(4−メチルフェニル)−1E−ブテン−3−イン 1−(トランス−4−ペンチルシクロヘキシル)−4−
(4−プロポキシフェニル)−1E−ブテン−3−イン C−N57.9〜58.8℃、N−I118.9〜12
0.2℃ 1−(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)−4−
(4−ブトキシフェニル)−1E−ブテン−3−イン C−N63.9〜65.3℃、N−I126.1〜12
6.8℃ 1−(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)−4−
(4−プロポキシフェニル)−1E−ブテン−3−イン C−N72.1〜73.4℃、N−I127.2〜12
8.2℃ 1−(トランス−4−ペンチルシクロヘキシル)−4−
(4−ブトキシフェニル)−1E−ブテン−3−イン C−N60.4〜61.7℃、N−I126.8〜12
7.1℃ 1−(トランス−4−(トランス−4−ペンチルシクロ
ヘキシル)シクロヘキシル)−4−(4−エチルフェニ
ル)−1E−ブテン−3−イン SB −SA 117.5〜117.8℃、SA −N 1
13.1〜134.5℃、N−I 238.1〜24
4.9℃ 1−(トランス−4−ペンチルシクロヘキシル)−4−
(4−フルオロフェニル)−1E−ブテン−3−イン C−N 49.2〜50.6℃、N−I 78.0〜7
8.3℃ 1−(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)−4−
(4−トリフルオロメチルフェニル)−1E−ブテン−
3−イン b.p.203℃/2mmHg C−N 63.3〜63.
9℃ 1−(トランス−4−ペンチルシクロヘキシル)−4−
(3,4−ジフルオロフェニル)−1E−ブテン−3−
イン b.p.198℃/2mmHg C−N 34.5〜35.
9℃、N−I 44.4〜44.6℃ 1−(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)−4−
(4−クロロフェニル)−1E−ブテン−3−イン C−I 106.5〜106.9℃、(N−I 88.
1〜89.4℃) 1−(トランス−4−ペンチルシクロヘキシル)−4−
(4−ペンチルシクロヘキシル)−1E−ブテン−3−
イン N−I 69.3〜71.8℃ 1−(トランス−4−ペンチルシクロヘキシル)−4−
(4−(4−プロピルシクロヘキシル)フェニル)−1
E−ブテン−3−イン C−N 110.1〜113.6℃、N−I 229.
8〜233.0℃ 1−(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)−4−
(4−シアノフェニル)−1E−ブテン−3−イン C−N 95.6〜96.5℃、N−I 145.8〜
146.6℃
【0049】実施例2 2−(4−エチルシクロヘキシル)−E−ビニルブロミ
ドの合成 ブロモメチルトリフェニルホスホニウムブロミド(80
0g)のヘプタン(1.5l)懸濁液にカリウムt −ブ
トキシド(207g)を加え、室温で30分攪拌した。
反応液に4−(エチルシクロヘキシル)カルボアルデヒ
ド(200g)のヘプタン(II)溶液を反応温度が10
℃を超えない速度で滴下した。滴下終了後反応液を室温
で2時間攪拌した後不溶物を濾過した。濾液を濃縮した
後減圧下に蒸留して表題化合物(純度81%、270
g)を得た。沸点(b.p.)121〜129℃/22
mmHg 同様にして以下の化合物を合成した。
【0050】2−(4−プロピルシクロヘキシル)−E
−ビニルブロミド b.p.121〜125℃/12mmHg 2−(4−ブチルシクロヘキシル)−E−ビニルブロミ
ド b.p.113〜123℃/6mmHg 2−(4−ペンチルシクロヘキシル)−E−ビニルブロ
ミド b.p.120〜129℃/2mmHg 2−(トランス−4−(トランス−4−ペンチルシクロ
ヘキシル)シクロヘキシル)−E−ビニルブロミド C−N 48.4〜49.8℃、N−I 104.1〜
105.8℃ 2−(2−(トランス−4−(4−エチルフェニル)シ
クロヘキシル)−E−ビニルブロミド 2−(2−(トランス−4−(4−プロピルフェニル)
シクロヘキシル)−E−ビニルブロミド 2−(2−(トランス−4−(2−(4−エチルフェニ
ル)エチル)シクロヘキシル)−E−ビニルブロミド 2−(2−(トランス−4−(2−(4−プロピルフェ
ニル)エチル)シクロヘキシル)−E−ビニルブロミド 2−(2−(トランス−4−(2−(4−ペンチルフェ
ニル)エチル)シクロヘキシル)−E−ビニルブロミド 2−(2−(トランス−4−(2−(トランス−4−エ
チルシクロヘキシル)エチル)シクロヘキシル)−E−
ビニルブロミド 2−(2−(トランス−4−(2−(トランス−4−プ
ロピルシクロヘキシル)エチル)シクロヘキシル)−E
−ビニルブロミド 2−(2−(トランス−4−(2−(トランス−4−ペ
ンチルシクロヘキシル)エチル)シクロヘキシル)−E
−ビニルブロミド 2−(2−(トランス−4−(トランス−4−(4−エ
チルフェニル)シクロヘキシル)シクロヘキシル)−E
−ビニルブロミド 2−(2−(トランス−4−(トランス−4−(4−プ
ロピルフェニル)シクロヘキシル)シクロヘキシル)−
E−ビニルブロミド 2−(2−(トランス−4−(トランス−4−(4−ペ
ンチルフェニル)シクロヘキシル)シクロヘキシル)−
E−ビニルブロミド 4−(2−(トランス−4−(4−エチルフェニル)シ
クロヘキシル)−1E−ブテニルブロミド 4−(2−(トランス−4−(4−プロピルフェニル)
シクロヘキシル)−1E−ブテニルブロミド 4−(2−(トランス−4−(2−(4−エチルフェニ
ル)エチル)シクロヘキシル)−1E−ブテニルブロミ
ド 4−(2−(トランス−4−(2−(4−プロピルフェ
ニル)エチル)シクロヘキシル)−1E−ブテニルブロ
ミド 4−(2−(トランス−4−(2−(4−ペンチルフェ
ニル)エチル)シクロヘキシル)−1E−ブテニルブロ
ミド 4−(2−(トランス−4−(2−(トランス−4−エ
チルシクロヘキシル)エチル)シクロヘキシル)−1E
−ブテニルブロミド 4−(2−(トランス−4−(2−(トランス−4−プ
ロピルシクロヘキシル)エチル)シクロヘキシル)−1
E−ブテニルブロミド 4−(2−(トランス−4−(2−(トランス−4−ペ
ンチルシクロヘキシル)エチル)シクロヘキシル)−1
E−ブテニルブロミド 4−(2−(トランス−4−(トランス−4−(4−エ
チルフェニル)シクロヘキシル)シクロヘキシル)−1
E−ブテニルブロミド 4−(2−(トランス−4−(トランス−4−(4−プ
ロピルフェニル)シクロヘキシル)シクロヘキシル)−
1E−ブテニルブロミド 4−(2−(トランス−4−(トランス−4−(4−ペ
ンチルフェニル)シクロヘキシル)シクロヘキシル)−
1E−ブテニルブロミド 実施例3(組成例1) メルク社製液晶組成物ZLI1083(4−(トランス
−4−プロピルシクロヘキシル)ベンゾニトリル 30
重量%、4−(トランス−4−ペンチルシクロヘキシ
ル)ベンゾニトリル 40重量%、および4−(トラン
ス−4−ヘプチルシクロヘキシル)ベンゾニトリル 3
0重量%の組成からなる混合物)に実施例2で得た2−
(トランス−4−(トランス−4−ペンチルシクロヘキ
シル)シクロヘキシル)−E−ビニルブロミドを15%
添加し、その物性値を測定した。その結果、NI=5
8.1℃、Δε=9.7、Δn=0.117、η20=2
1.9、V10=1.61Vであった。またこの組成物を
−20℃のフリーザーに20日間放置したが結晶の析出
は認められなかった。
【0051】
【発明の効果】本発明のハロゲン化ビニル誘導体(I)
はその置換基および骨格を適宜選択することによって特
に粘度を低く設定できる新しい液晶材料であり、また本
発明化合物を原料として用いる一般式(IV)の化合物の
合成方法は従来の方法に比較して格段に化学的、立体的
選択性が高い。本方法を用いることによって簡便かつ高
収率で優れた特性を有する一般式(IV)の液晶材料を提
供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 41/24 43/192 7419−4H 43/225 C 7419−4H 67/293 67/343 69/75 A 9279−4H C 9279−4H 69/753 D 9279−4H 69/76 A 9279−4H 69/773 69/86 69/92 69/94 9279−4H 253/30 255/50 255/54 255/55 255/57 C07D 213/24 239/32 319/06 C09K 19/10 9279−4H 19/16 9279−4H 19/18 9279−4H 19/20 9279−4H 19/30 9279−4H 19/34 9279−4H // C07B 61/00 300

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、環Cおよび環Dは1個または2個のハロゲン原
    子で置換されていてもよい1,4−フェニレン基、1,
    4−シクロヘキシレン基、1,3−ジオキサン−2,5
    −ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基または1,3
    −ピリミジン−2,5−ジイル基を表わし、G1 はヨウ
    素、臭素または塩素原子を表わし、Mは共有結合、1,
    2−エチレン基、オキシカルボニル基、カルボニルオキ
    シ基、1,2−エテニレン基、1,2−エチニレン基、
    オキシメチレン基、メチレンオキシ基、1,4−ブチレ
    ンまたは1,4−ブテニレン基を表わし、mおよびlは
    0、1または2を表わし、oは0または2を表わし、R
    はハロゲン原子、シアノ基、少なくとも1つ以上の水素
    原子をハロゲン原子で置き換えたアルキル基、少なくと
    も1つ以上の水素原子をハロゲン原子で置き換えたアル
    コキシ基、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシアル
    キル基またはアルケニル基を表わす)で示されるハロゲ
    ン化ビニル誘導体。
  2. 【請求項2】 G1 は臭素または塩素原子を表わし、M
    は共有結合、1,2−エチレン基、オキシカルボニル
    基、カルボニルオキシ基、1,2−エテニレン基、オキ
    シメチレン基またはメチレンオキシ基を表わし、mおよ
    びlは1または2を表わす請求項1に記載の誘導体。
  3. 【請求項3】 環Cおよび環Dは1個または2個のハロ
    ゲン原子で置換されていてもよい1,4−フェニレン
    基、1,4−シクロヘキシレン基または1,3−ピリミ
    ジン−2,5−ジイル基を表わし、G1 は臭素または塩
    素原子を表わし、Mは共有結合、1,2−エチレン基、
    オキシカルボニル基、カルボニルオキシ基、1,2−エ
    テニレン基、オキシメチレン基またはメチレンオキシ基
    を表わし、mおよびlは1または2を表わし、Rはハロ
    ゲン原子、シアノ基、少なくとも1つ以上の水素原子を
    ハロゲン原子で置き換えたアルキル基、少なくとも1つ
    以上の水素原子をハロゲン原子で置き換えたアルコキシ
    基、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基
    またはアルケニル基を表わす請求項1に記載の誘導体。
  4. 【請求項4】 環Cおよび環Dは1個または2個のフッ
    素原子で置換されていてもよい1,4−フェニレン基、
    1,4−シクロヘキシレン基または1,3−ピリミジン
    −2,5−ジイル基を表わし、G1 は臭素または塩素原
    子を表わし、Mは共有結合、1,2−エチレン基、オキ
    シカルボニル基、カルボニルオキシ基、1,2−エテニ
    レン基、オキシメチレン基またはメチレンオキシ基を表
    わし、mおよびlは1または2を表わし、Rは少なくと
    も1つ以上の水素原子をハロゲン原子で置き換えたアル
    キル基、少なくとも1つ以上の水素原子をハロゲン原子
    で置き換えたアルコキシ基、アルキル基、アルコキシ
    基、アルコキシアルキル基またはアルケニル基を表わす
    請求項1に記載の誘導体。
  5. 【請求項5】 一般式 【化2】 (式中、環Aは1,4−フェニレン基または1,4−シ
    クロヘキシレン基を表わし、環Bは1,4−フェニレン
    基、1,4−シクロヘキシレン基、1,3−ジオキサン
    −2,5−ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基また
    は1,3−ピリミジン−2,5−ジイル基を表わし、L
    は共有結合、1,2−エチレン基、オキシカルボニル
    基、カルボニルオキシ基、1,2−エテニレン基、1,
    2−エチニレン基、オキシメチレン基、メチレンオキシ
    基、1,4−ブチレン基または1,4−ブテニレン基を
    表わし、nは0または1を表わし、Yはアルキル基、ア
    ルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、少なくとも1つ
    以上の水素原子をハロゲン原子で置き換えたアルキル
    基、少なくとも1つ以上の水素原子をハロゲン原子で置
    き換えたアルコキシ基を表わし、XおよびZは互いに独
    立して水素原子またはフッ素原子を表わし、環Bが1,
    4−フェニレンのときWはフッ素または水素原子を表わ
    し、環Bが1,4−フェニレンでないときWは水素原子
    を表わす。ただしnが0のときはLは共有結合を表わ
    す)で示されるアセチレン誘導体と一般式 【化3】 (式中、環Cおよび環Dは1または2個のハロゲン原子
    で置換されていてもよい1,4−フェニレン基、1,4
    −シクロヘキシレン基、1,3−ジオキサン−2,5−
    ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基または1,3−
    ピリミジン−2,5−ジイル基を表わし、G2 はハロゲ
    ン原子を表わし、Mは共有結合、1,2−エチレン基、
    オキシカルボニル基、カルボニルオキシ基、1,2−エ
    テニレン基、1,2−エチニレン基、オキシメチレン
    基、メチレンオキシ基、1,4−ブチレン基または1,
    4−ブテニレンを表わし、mおよびlは0または1を表
    わし、Rは少なくとも1つ以上の水素原子をハロゲン原
    子で置き換えたアルキル基、少なくとも1つ以上の水素
    原子をハロゲン原子で置き換えたアルコキシ基、アルキ
    ル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基またはアル
    ケニル基を表わし、mが0のときMは共有結合を表わ
    し、mおよびlが同時に0であることはない)で示され
    るハロゲン化ビニル誘導体を反応させることを特徴とす
    る一般式(IV) 【化4】 (式中、環A、環B、環C、環D、L、M、n、m、
    l、X、Z、R、YおよびWは前記と同じ意味を表わ
    す)で示される液晶化合物の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記反応を塩基性の溶媒中、金属触媒の
    存在下に行なう請求項5に記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 金属触媒が0価または2価のパラジウム
    錯体である請求項6に記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載のハロゲン化ビニル誘導
    体を少なくとも1種類以上含有する液晶組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998020006A1 (fr) * 1996-11-07 1998-05-14 Chisso Corporation Derives de dioxane fluoroalkyle, compositions de cristaux liquides et elements d'ecran a cristaux liquides
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