JPH0776053A - 複合メルトブローシートおよびその製造方法およびフィルターユニット - Google Patents

複合メルトブローシートおよびその製造方法およびフィルターユニット

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JPH0776053A
JPH0776053A JP22347893A JP22347893A JPH0776053A JP H0776053 A JPH0776053 A JP H0776053A JP 22347893 A JP22347893 A JP 22347893A JP 22347893 A JP22347893 A JP 22347893A JP H0776053 A JPH0776053 A JP H0776053A
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melt
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栄一 西浦
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】腰の強い粗密構造を有する、高捕集性能を有す
る濾材として好適な複合メルトブローシートならびにそ
の製造。 【構成】複合メルトブローシートは、繊維層Aと、5μ
以上の平均繊維径を有するメルトブロー繊維層Bからな
る積層シートであって、該シートの45度カンチレバー
法による剛軟度が15cm以上であり、また、該メルトブ
ロー繊維層Bを形成する溶融高分子重合体を口金細孔よ
り押出す際に、噴射する熱風の口金先端での気流を乱す
条件でメルトブローし、また、さらに、メルトブロー繊
維からなる繊維層Bを積層、捕集し、繊維層Aと一体化
した複合メルトブローシートを製造するに際して、繊維
層Bを形成するポリマとして、互いに相溶性の乏しいポ
リマのブレンドポリマをメルトブローするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、腰が強くて粗密構造を
有するフィルター分野に適した濾材である複合メルトブ
ローシートおよびその製造方法およびフィルターユニッ
トに関するものである。
【0002】
【従来の技術】メルトブロー不織布は、一般に熱可塑性
樹脂を熱風噴射することにより繊維状に細化し、ウェブ
として形成せしめたもので、数10μから数μ以下の細
い繊維を得ることができ、濾材として好適な基材として
用いられる。とくに、エレクトレット加工したものは、
高捕集性能が得られ、広くフィルター分野に用いられて
いる。しかしながら、メルトブロー不織布は、その製造
方法から、一般的に構成繊維は未延伸糸であり、かつ極
細繊維であるため、製品強力は一般不織布に比べて弱
く、腰のない柔らかい不織布であり、したがって、濾材
としては、単体では非常に使用しにくいものであった。
そこで、ステープル、パルプ、長短不織布、織り編み物
または網状体などと組合せた複合体として使用されるこ
とが多かった。 メルトブロー不織布を積層捕集して複
合メルトブロー不織布を製造する技術に関しては、特開
昭53−105573号公報のようにメルトブロー繊維
の捕集面に他部材を供給し、複合一体化する方法、ある
いは、特開昭62−289661号公報のようにメルト
ブロー不織布同士の複合化する方法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの従来
技術による複合メルトブローシートは、シート強力が弱
く、複合界面で剥離し易い致命的欠点を有するものであ
った。
【0004】本発明は、かかる従来技術の欠点に鑑み、
腰の強い粗密構造を有するシートで、しかもシート強力
も強く、界面剥離しにくい複合メルトブローシートを提
供せんとするものであり、しかも、かかるシートを安定
して製造せんとするものである。また、本発明の複合メ
ルトブローシートの製造方法によれば、高い電荷を有す
るエレクトレットシートを、その電荷を維持した状態で
複合させることができ、その結果、低圧損で、高捕集性
能を有する高性能フィルターを提供することができる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、本発明は次のような構成を採用する。す
なわち、本発明の複合メルトブローシートは、繊維層A
と、5μ以上の平均繊維径を有するメルトブロー繊維層
Bからなる積層シートであって、該シートの45度カン
チレバー法による剛軟度が15cm以上であることを特
徴とするものであり、また、本発明の複合メルトブロー
シートの製造方法は、繊維層Aの上に、メルトブロー繊
維からなる繊維層Bを積層、捕集し、一体化して複合メ
ルトブローシートを製造する方法において、該メルトブ
ロー繊維層Bを形成する条件として、溶融高分子重合体
を口金細孔より押出す際に、噴射する熱風の口金先端で
の気流を乱す条件でメルトブローすることを特徴とする
ものであり、また、さらに、メルトブロー繊維からなる
繊維層Bを積層、捕集し、一体化して複合メルトブロー
シートを製造するに際して、繊維層Bを形成する樹脂と
して、互いに相溶性の乏しい樹脂のブレンド樹脂をメル
トブローすることを特徴とするするものである。また、
本発明のフィルターユニットは、フィルター部分を上記
複合メルトブローシートで構成したことを特徴とするも
のである。
【0006】
【作用】本発明は、複合メルトブローシートにおいて、
繊維層Bを特定な剛性を有する繊維層で構成すると著し
く賦型性を改善することができることを究明し、さら
に、、また、かかるシートは、メルトブロー法の特徴的
に発生するポリマ吐出現象に着目し、この現象を巧みに
利用することによって、極めて簡単、容易に得られるこ
とを究明したものである。
【0007】すなわち、本発明は、メルトブローによる
製布方法において、条件によって発生するショット(ポ
リマ粒)を利用したものである。本発明では、このショ
ットを積極的に発生させて、これを接着剤として利用す
ることによって、初めて上記優れた効果を達成したもの
である。
【0008】繊維層にメルトブロー繊維を吹き付けて複
合基材を得ようとする場合、特開昭53−10557
3、特開平2−289161に記載されているようにメ
ルトブロー繊維が固化しないうちに、繊維層にメルトブ
ロー繊維を供給し、メルトブロー繊維と他基材を一体化
するのが一般的である。この場合、単に積層すればよい
のではなく、積層体の圧損が低いこと、フィルターとし
てダストホールディング性、フィルターにする場合のひ
だ折り加工、折り加工後の賦型性がよいことが重要視さ
れる。
【0009】かかる性能を有する複合メルトブローシー
トを提供するには、繊維層Aに、好ましくは5μ以上、
さらに好ましくは10μ以上の平均繊維径を有するメル
トブロー繊維からなる繊維層Bを積層、捕集し、一体化
させることによって、ひだ折り加工、折り加工後の賦型
性にも優れたものを提供することができる。繊維層Bの
平均繊維径が5μ以下の場合、繊維自体の腰が弱く、ま
た自己融着力が少なく繊維の交点でなす梁の効果がうす
れる可能性もでてくる。
【0010】ひだ折り加工、折り加工後の賦型性をよく
するには、積層シートの45度カンチレバー法による剛
軟度が15cm以上、望ましくは20cm以上であるものが
よい。この剛軟度が15cm以下の場合には、柔らかすぎ
て、形態保持性が悪く、工程通過性に劣り、また、フィ
ルターとして使用中、通過風の抵抗で変形してしまう傾
向があり好ましくない。
【0011】メルトブロー繊維からなる繊維層Bの剛軟
度を15cm以上とするには、メルトブロー繊維からなる
繊維層Bの目付を、好ましくは40 g/ m2 以上、さら
に好ましくは60 g/ m2 以上とするのがよい。該繊維
層Bの目付が40 g/ m2 以下である場合には、繊維の
交点でなす梁の効果がうすれ、柔らかい繊維層となり好
ましくない。
【0012】メルトブロー繊維からなる繊維層Bは、2
層以上積層されていてもよく、さらに該繊維層Aをサン
ドイッチ状に積層した構成にするのも好ましい方法であ
る。フィルター用の複合メルトブローシートは、基材に
5μ未満の繊維径を有するエレクトレット加工したメル
トブローシートを用い、これに5μ以上の繊維径のメル
トブロー繊維を積層捕集させ、しかも、基材との剥離強
度を5g/3cm以上とし、さらに45度カンチレバー法
による剛軟度を15cm以上とすることによって、フィル
ターユニット成型におけるひだ折り加工が容易な複合メ
ルトブローシートを提供することができる。
【0013】メルトブローシートを製造する方法は、イ
ンダストリアル・アンド・エンジニアリング・ケミスト
リー48巻、第8号、1956年に基本的な装置および
方法が開示されているが、繊維形成能を有する高分子重
合体を溶融し、口金細孔より押出し、高温の熱風などと
共に噴射し、これを捕集することにより得られる。
【0014】上述の5μ以上の平均繊維径を有するメル
トブロー繊維からなる繊維層Bを製布するには、該メル
トブロー製布条件として、好ましくは樹脂粘度300ps
以上、エアー圧0.5Kg/cm2 以下の少なくとも1つの
条件を満足させることがよい。かかる条件を外した場
合、すなわち、樹脂粘度300ps以下、エアー圧0.5
Kg/cm2 以上の場合、5μ以上の平均繊維径にメルトブ
ロー繊維を製布することが困難となる。経済的には、エ
アー圧を0.5Kg/cm2 以下とするのが好ましいが、
0.05Kg/cm2 以下とすると、外気流の乱れに左右さ
れ、均一なメルトブローシートを提供しにくくなる。
【0015】本発明では、積極的にショットを発生させ
て、これを含むメルトブローシートを得るものである
が、かかるショットを発生させる方法としては、繊維形
成能を有する高分子重合体を溶融し、口金細孔より押出
し、高温の熱風などと共に噴射する際の熱風のバランス
を崩し、口金先端の気流を乱す方法、あるいは、繊維形
成能を有する素材で相溶性の乏しい樹脂をブレンドする
か、または、同種の樹脂でも溶融粘度の異なるものをブ
レンドするか、あるいは、これらを組み合わせた方法を
採用することで、繊維層Bをショット含有メルトブロー
シートとすることができる。
【0016】口金先端の気流を乱す方法としては、たと
えば、メルトブロー繊維を製造する基本的な装置および
方法において、口金先端がエアースリット孔から出てい
るスティックアウト口金構造の場合は、その先端の突出
を0.2〜0.7mm程度とする方法を採用することがで
きる。
【0017】上述の相溶性の乏しい樹脂とは、樹脂の溶
解パラメーターで差異のあるもの、たとえばポリプロピ
レンに対してならば、ポリエステル、ポリアミド、ある
いはこれらの変性物や共重合物などをわずかにブレンド
してもよいし、同種の樹脂、たとえばポリプロピレンに
対してならば、メルトインデックスが10倍程度以上相
違するものなどをブレンドしたものをいう。
【0018】かかるショットは、繊維層Aとの一体化
性、積層品の賦型性改善の上から、好ましくは100cm
2 当たり3〜30個、さらに好ましくは5〜10個の範
囲にする。しかしながら、かかるショットが、100cm
2 当たり50個以上となると剥離強度は向上するが、フ
ィルター用途では、圧損の上昇、ダストホールド性の低
下を伴うので好ましくない。かかるショットは、好まし
くは約1〜3mm、特に好ましくは1±0.5mm程度のポ
リマ粒がよく、これより大きいショットは圧損の上昇な
どの問題が生ずる。
【0019】本発明の複合メルトブローシートに高性能
のフィルター機能を付与したい場合は、繊維層Aにエレ
クトレット加工がなされたものを使用するが、この場
合、メルトブロー繊維からなる繊維層Bを積層する際の
繊維層Aの表面温度を、繊維層Aの融点より50℃以下
に保持することが好ましい。すなわち、エレクトレット
繊維層Aの電荷のトラップ状態にもよるが、繊維層Aの
融点より50℃低い温度辺りから温度上昇するにつれ
て、電荷が離脱しやすいことが判明した。たとえば、融
点165℃のポリプロピレン素材よりなるエレクトレッ
ト加工品の場合では、115℃を越える高い温度になる
と電荷の離脱が激しくなるので、該素材からなる繊維層
Aの場合は、その表面温度を115℃以下に保持する。
【0020】エレクトレット加工繊維層Aの表面温度を
コントロールする方法としては、メルトブロー繊維製造
条件、すなわち、溶融樹脂の粘度、温度、吐出量、噴射
熱風の温度、流量、捕集などによって、噴射繊維径と共
にコントロールするのが好ましい。
【0021】かかる繊維層Aの表面温度を雰囲気温度で
調整する際には、あまり低温の雰囲気条件にしないのが
好ましい。従来、メルトブローシートを製布する場合、
雰囲気温度を低くすると、シート表面の美麗な柔軟なシ
ートが得られるとされているが、本発明の場合、低くし
すぎると、たとえば40℃以下という雰囲気条件では、
ショットも太い(5μ以上)メルトブロー繊維でも冷却
されすぎて繊維層Aとの接着性を消失する傾向がでてく
るので注意を要する。
【0022】一般に複合シートにエレクトレット加工を
施しても、それほどフィルター機能を高めることはでき
ない。これは、複合シートの目付が大きすぎるため惹起
する現象である。すなわち、該複合シートにエレクトレ
ット加工しても、該シート内部まで電荷注入することが
できないのである。そこで、本発明においては、まず複
合前の目付の少ない単体シートの状態で電荷注入し、こ
れを繊維層Aとして使用する。かかる繊維層Aを用いて
複合メルトブローシートを形成した後、繊維層B側に電
荷注入することにより、エレクトレット効果の大きい高
性能のフィルター機能を有する素材を提供することがで
きたものである。かかるエレクトレット加工の方法とし
ては、シート状でコロナ放電加工する方法、繊維の紡糸
捕集の工程でコロナ放電加工するなど通常の加工方法が
用いられる。
【0023】繊維層Aとしては、如何なるシートでも使
用することができる。たとえば、メルトブロー不織布、
スパンボンド不織布、短繊維不織布などのシートおよび
これらのシートのエレクトレット加工品などを使用する
ことができる。これらのシートの中でもエレクトレット
加工性などの点から、ポリオレフィンあるいはその共重
合体が好ましく使用される。
【0024】繊維層Bは、たとえばポリアミド、ポリエ
ステル、ポリオレフィンおよびこれらの共重合体などの
繊維形成能を有する素材から構成されるが、エレクトレ
ット加工されたシートの融点より低融点の素材か、同じ
融点の素材が好ましく使用される。
【0025】
【実施例】以下、本発明の内容を実施例により具体的に
説明するが、本発明を当該実施例及び処理に限定するも
のではない。
【0026】以下の説明で、繊度の測定は電子顕微鏡で
繊維層の表面を500倍に拡大し、150本の繊維の直
径を測定した中位値で示す。
【0027】又、ショットの数については、繊維層Bの
メルトブロー繊維を単層で捕集し、そのシートに透過光
で写しでる粒状のショットで、長径方向が1mm以上のシ
ート融着部分を10cm2 当たりの個数を測定する。
【0028】実施例1 繊維層Aとしてポリプロピレンスパンボンド不織布のニ
ードルパンチ品で平均繊維径約30μ、目付重量100
g/ m2 をメルトブロー不織布製造装置に供給し、該繊
維層A上にメルトブロー繊維を積層捕集する。すなわ
ち、メルトインデックス100のポリプロピレン樹脂を
310℃で溶融し、孔ピッチ1.0mm、孔径0.3mm、
孔数1300の一列に孔配列された口金より1Kg/分の
吐出量で押出し、310℃、圧力0.2Kg/cm2 の熱風
と共に噴射し、平均繊維径23μのメルトブロー繊維を
噴射させる。口金下方20cmの位置に吸引装置を設けた
50メッシュの金網面より構成される回転ドラム捕集装
置を設置し、該エレクトレット加工基材をドラム面に供
給し、噴射メルトブロー繊維の目付重量が100 g/m
2 になるように捕集速度を調節した。該メルトブロー繊
維層Bの表面温度は赤外線温度計で95℃であった。
【0029】得られたエレクトレット基材のフィルター
性能は風速3.0 m/分、粒子径0.3μの平均捕集効
率で27%であった。
【0030】繊維層Aとメルトブロー繊維層Bの剥離強
度は幅3cmの試料片で定速伸長型引張試験機で測定した
結果、10 g/3cm、45度カンチレバー法による剛軟
度は30cmであった。
【0031】該複合メルトブロー不織布を印加電極とア
ース極の間隔を7cmとし、印加電圧40KVのコロナ放電
領域を30 m/分の速度で通過させエレクトレット加工
した。得られたエレクトレット基材のフィルター性能は
風速3.0 m/分、粒子径0.3μの平均捕集効率で6
5%であった。
【0032】フィルターユニットに加工したが、ひだ折
り加工性、使用時の風速による変形や層間剥離もなく前
者はプレフィルターとして、後者は中性能フィルターと
して、又ダストホールディング性も良好であった。
【0033】実施例2 一般的なメルトブロー法で得られた平均繊維径約3μ、
目付重量20 g/ m2のポリプロピレンを素材とするメ
ルトブロー不織布を印加電極とアース極の間隔を7cmと
し、印加電圧40KVのコロナ放電領域を30 m/分の速
度で通過させエレクトレット加工した。得られたエレク
トレットシートのフィルター性能は風速1.5 m/分、
粒子径0.3μの平均捕集効率で85%であった。
【0034】次に、該エレクトレット加工されたシート
をメルトブロー不織布製造装置に供給し、該基材上にメ
ルトブロー繊維を積層捕集する。すなわち、メルトイン
デックス100のポリプロピレン樹脂を310℃で溶融
し、孔ピッチ1.0mm、孔径0.3mm、孔数1300の
一列に孔配列された口金より1Kg/分の吐出量で押出
し、310℃、圧力0.3Kg/cm2 の熱風と共に噴射
し、平均繊維径15μのメルトブロー繊維を噴射させ
る。口金下方20cmの位置に吸引装置を設けた50メッ
シュの金網面より構成される回転ドラム捕集装置を設置
し、該エレクトレット加工シートをドラム面に供給し、
噴射メルトブロー繊維の目付重量が100 g/m2 にな
るように捕集速度を調節した。該エレクトレット加工シ
ートの表面温度は赤外線温度計で91℃であった。
【0035】得られた複合メルトブロー不織布のエレク
トレット加工シートとメルトブロー繊維不織布の剥離強
度は幅3cmの試料片で定速伸長型引張試験機で測定した
結果、8 g/3cm、45度カンチレバー法による剛軟度
は25cmであった。得られた複合メルトブロー不織布単
板でのフィルター性能は前記測定条件で平均捕集効率8
4%とエレクトレット効果の減少はなかった。また、フ
ィルターユニットに加工したが、ひだ折り加工性、使用
時の風速による変形や層間剥離もなく良好であった。
【0036】実施例3 一般的なメルトブロー法で得られた平均繊維径約1.5
μ、目付重量15 g/m2 のポリプロピレンを素材とす
るメルトブロー不織布を印加電極とアース極の間隔を7
cmとし、印加電圧40KVのコロナ放電領域を30 m/分
の速度で通過させエレクトレット加工した。得られたエ
レクトレットシートのフィルター性能は風速1.5 m/
分、粒子径0.3μの平均捕集効率で92%であった。
【0037】次に、該エレクトレット加工されたシート
をメルトブロー不織布製造装置に供給し、該シート上に
メルトブロー繊維を積層捕集する。すなわち、メルトイ
ンデックス100のポリプロピレン樹脂にメルトインデ
ックス7のポリプロピレン樹脂5重量%ブレンドして3
10℃で溶融し、孔ピッチ1.0mm、孔径0.3mm、孔
数1300の一列に孔配列された口金より1Kg/分の吐
出量で押出し、310℃、圧力0.3Kg/cm2 の熱風と
共に噴射し、平均繊維径15μのメルトブロー繊維を噴
射させる。口金下方35cmの位置に吸引装置を設けた5
0メッシュの金網面より構成される回転ドラム捕集装置
を設置し、該エレクトレット加工シートをドラム面に供
給し、噴射メルトブロー繊維の目付重量が80 g/ m2
になるように捕集速度を調節した。該エレクトレット加
工シートの表面温度は赤外線温度計で70℃であった。
【0038】上記平均繊維径15μのメルトブロー繊維
を単層で捕集した場合、ショットが100cm2 当たり5
個有しており積層に供給した平均繊維径約1.5μ、目
付重量15 g/ m2 のポリプロピレンを素材とするメル
トブロー不織布とショット部分で接着が強固で、得られ
た複合メルトブロー不織布のエレクトレット加工シート
とメルトブロー繊維不織布の剥離強度は幅3cmの試料片
で定速伸長型引張試験機で測定した結果、7 g/3cm、
45度カンチレバー法による剛軟度は22cmであった。
得られた複合メルトブロー不織布単板でのフィルター性
能は前記測定条件で平均捕集効率90%とエレクトレッ
ト効果の減少はなかった。また、フィルターユニットに
加工したが、ひだ折り加工性、使用時の風速による変形
や層間剥離もなく良好であった。
【0039】実施例4、比較例1 一般的なメルトブロー法で得られた平均繊維径約1.5
μ、目付重量15 g/m2 のポリプロピレンを素材とす
るメルトブロー不織布を印加電極とアース極の間隔を7
cmとし、印加電圧40KVのコロナ放電領域を30 m/分
の速度で通過させエレクトレット加工した。得られたエ
レクトレットシートのフィルター性能は風速1.5 m/
分、粒子径0.3μの平均捕集効率で92%であった。
【0040】次に、該エレクトレット加工されたシート
をメルトブロー不織布製造装置に供給し、該シート上に
メルトブロー繊維を積層捕集する。すなわち、メルトイ
ンデックス100のポリプロピレン樹脂にメルトインデ
ックス7のポリプロピレン樹脂5重量%ブレンドして3
10℃で溶融し、孔ピッチ1.0mm、孔径0.3mm、孔
数1300の一列に孔配列された口金で、該口金構造の
口金先端が0.4mmエアースリット孔から出ているステ
ィクアウト口金より1kg/分の吐出量で押出し、31
0℃、圧力0.3kg/cm2 の熱風と共に噴射し、平均
繊維径13μのメルトブロー繊維を噴射させる。このと
き該熱風は両方のエアスリット孔から出てくる熱風は直
接口金側面に衝突するものと直接ポリマーに作用するも
のとにより、乱れた気流を生じた。なお、口金下方35
cmの位置に吸引装置を設けた50メッシュの金網面より
構成される回転ドラム捕集装置を設置し、該エレクトレ
ット加工シートをドラム面に供給し、噴射メルトブロー
繊維の目付重量が80 g/m2 になるように捕集速度を
調節した。該エレクトレット加工シートの表面温度は赤
外線温度計で70℃であった。
【0041】上記平均繊維径13μのメルトブロー繊維
を単層で捕集した場合、ショットが100cm2 当たり1
1個有しており積層に供給した平均繊維径約1.5μ、
目付重量15 g/ m2 のポリプロピレンを素材とするメ
ルトブロー不織布とショット部分で接着が強固で、得ら
れた複合メルトブロー不織布のエレクトレット加工シー
トとメルトブロー繊維不織布の剥離強度は幅3cmの試料
片で定速伸長型引張試験機で測定した結果、9 g/3c
m、45度カンチレバー法による剛軟度は23cmであっ
た。得られた複合メルトブロー不織布単板でのフィルタ
ー性能は前記測定条件で平均捕集効率91%とエレクト
レット効果の減少はなかった。また、フィルターユニッ
トに加工したが、ひだ折り加工性、使用時の風速による
変形や層間剥離もなく良好であった。
【0042】なお比較例1として、上記口金構造の口金
先端を0.1mmエアースリット孔から出ているスティク
アウト口金とした場合、ショットが多発し硬いシートが
得られたが著しい圧損上昇がおこり、フィルターユニッ
ト材料として好ましいものではなかった。
【0043】比較例2、3 一般的なメルトブロー法で得られた平均繊維径約1.5
μ、目付重量20 g/m2 のポリプロピレンを素材とす
るメルトブロー不織布を印加電極とアース極の間隔を7
cmとし、印加電圧40KVのコロナ放電領域を30 m/分
の速度で通過させエレクトレット加工した。得られたエ
レクトレットシートのフィルター性能は風速1.5 m/
分、粒子径0.3μの平均捕集効率で97%で圧力損失
が1.3mmAqであった。この該メルトブロー不織布をメ
ルトブロー不織布製造装置に供給し、該シート上に平均
繊維径3μ、目付重量80 g/ m2 のポリプロピレンを
素材とするメルトブロー繊維を噴射させメルトブロー繊
維を口金下方35cm(比較例2)、10cm(比較例3)
の位置で積層捕集した。
【0044】この結果比較例2では、剥離強度は幅3cm
の試料片で定速伸長型引張試験機で測定した結果、2 g
/3cm、45度カンチレバー法による剛軟度は8cmであ
った。接着力が弱く、腰の弱い積層シートであった。ス
リット加工、折加工等のフィルターユニット制作加工工
程で層間剥離を生じ、評価できない物となった。
【0045】一方比較例3の場合、2層間で融着が起こ
り、接着力は十分であったが、シートの圧力損失が10
mmAq以上と著しく高くなり、フィルター瀘材として、不
向きなものとなった。又該エレクトレット加工基材の表
面温度は赤外線温度計で132℃であり、エレクトレッ
トの消失が著しかった。
【0046】
【発明の効果】本発明は以上詳細説明した構成により以
下の優れた効果を発揮する。
【0047】すなわち、メルトブロー不織布はフィルタ
ー素材として広範囲に使用されているが、メルトブロー
不織布単体ではフィルターユニットする場合のひだ折り
加工、折り加工後の賦型性、ダストホールド性向上など
のため、他素材と組合せ複合材として使用することが多
い。
【0048】本発明によればメルトブロー装置とエレク
トレット加工機だけで剛軟度、繊度構成の異なる各種高
性能フィルター素材として使用できる複合メルトブロー
シートが簡単に、低コストで製造できる。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維層Aと、5μ以上の平均繊維径を有す
    るメルトブロー繊維層Bからなる積層シートであって、
    該シートの45度カンチレバー法による剛軟度が15c
    m以上であることを特徴とする複合メルトブローシー
    ト。
  2. 【請求項2】繊維層Bが、ショットを有するメルトブロ
    ーシートからなる請求項1記載の複合メルトブローシー
    ト。
  3. 【請求項3】複合メルトブローシートが、少なくとも片
    面がエレクトレット化されているものである請求項1〜
    2記載の複合メルトブローシート。
  4. 【請求項4】メルトブロー繊維の目付が、40 g/ m2
    以上である請求項1〜3記載の複合メルトブローシー
    ト。
  5. 【請求項5】繊維層Aが、ポリプロピレンである請求項
    1〜4記載の複合メルトブローシート。
  6. 【請求項6】繊維層Aが、メルトブロー繊維である請求
    項1〜5記載の複合メルトブローシート。
  7. 【請求項7】繊維層Aの上に、メルトブロー繊維からな
    る繊維層Bを積層、捕集し、一体化して複合メルトブロ
    ーシートを製造する方法において、該メルトブロー繊維
    層Bを形成する条件が、溶融高分子重合体を口金細孔よ
    り押出す際の噴射熱風の気流を口金先端で乱す条件であ
    ることを特徴とする複合メルトブローシートの製造方
    法。
  8. 【請求項8】繊維層Aの上に、メルトブロー繊維からな
    る繊維層Bを積層、捕集し、一体化して複合メルトブロ
    ーシートを製造するに際して、該繊維層Bを形成する樹
    脂として、互いに相溶性の乏しい樹脂のブレンド樹脂を
    メルトブローすることを特徴とする複合メルトブローシ
    ートの製造方法。
  9. 【請求項9】繊維層Bの製布条件が、固化後の繊維シー
    トでショットを惹起する条件である請求項7または8記
    載の複合メルトブローシートの製造方法。
  10. 【請求項10】繊維層Aが、エレクトレット加工された
    ものであり、かつ、該繊維層Bの積層時の繊維層Aの表
    面温度が、該繊維層Aの融点より50℃以下の温度に保
    持することを特徴とする請求項7または8記載の複合メ
    ルトブローシートの製造方法。
  11. 【請求項11】複合メルトブローシートの少なくとも片
    面を、エレクトレット加工することを特徴とする請求項
    7または8記載の複合メルトブローシートの製造方法。
  12. 【請求項12】フィルターユニットのフィルター部分
    が、請求項1〜6項記載の複合メルトブローシートで構
    成されていることを特徴とするフィルターユニット。
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