JPH0775946A - Hdd用アルミニウム基盤の研磨方法 - Google Patents

Hdd用アルミニウム基盤の研磨方法

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JPH0775946A
JPH0775946A JP24886393A JP24886393A JPH0775946A JP H0775946 A JPH0775946 A JP H0775946A JP 24886393 A JP24886393 A JP 24886393A JP 24886393 A JP24886393 A JP 24886393A JP H0775946 A JPH0775946 A JP H0775946A
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Yutaka Nagakura
豊 永倉
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 スクラッチを防止することができ、更にはメ
ッキ研磨代を低減し得るDDH用アルミニウム基盤の研
磨方法を提供する。 【構成】 HDD用アルミニウム基盤の研磨に際し、研
磨前に、先ず温度10〜40℃、濃度10〜30%の硝
酸に浸漬し、その後、温度40〜80℃、濃度1〜10
%で苛性洗浄を施し、表面の酸化層等を除去すると、ス
クラットを防止でき、研磨速度も向上する。この前処理
後に#6000番以上の細かい番手の研磨砥石により加
工すると、15nm以下の粗度が得られるのでメッキ膜研
磨代を低減しても十分なメッキ面精度が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はディスク用アルミニウム
合金に関し、更に詳細には、HDD用アルミニウム基盤
の研磨方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、コンピュータ等の記録媒体とし
て使用される磁気ディスク等の基盤材としては軽量、
非磁性、剛性を有すること、精密加工、研磨によ
り良好な表面精度が簡単に得られること、安価である
こと、等の理由により、アルミニウム合金が使用されて
きた。特に5086合金等の5000系アルミニウム合
金は、上記の特性が良好なため、塗布型メディア・薄膜
メディアを通じてHDD用アルミニウム合金基盤材とし
て使用されてきた。
【0003】通常、このアルミニウム合金ディスクの製
造方法は、以下の手順により行われる。まず、アルミニ
ウム合金鋳塊を造塊し、その後、均熱・熱間圧延を施
し、更に冷間圧延等により所定の板厚とする。その後、
ディスク形状に打ち抜きを行い所謂ブランクとする。そ
の後、サブストレート加工を行う。このサブストレート
加工とは、アルミニウム合金基盤を#3000番程度の
砥石で研磨加工する工程であり、以下の目的のために行
う加工である。
【0004】すなわち、一つは、所定の寸法に仕上げる
ためであり、二つ目としては、後工程で行うメッキ・研
磨工程のために、ブランク表面の酸化皮膜層を除去し、
またメッキ前のアルミニウム合金表面の粗度を低減させ
るためである。
【0005】このサブストレート加工により、アルミニ
ウム合金の表面粗度は30nm程度となる。その後、この
サブストレートに20μm以下の厚さでNi−Pメッキを
施し、ディスクに強度及び硬度を与え、ディスクが傷つ
いてデータエラーが発生することを防止する。更に、こ
のNi−Pメッキには、所謂メッキ欠陥が生じているた
め、このような欠陥を除去し、またNi−Pメッキ膜が
平滑となるようにメッキ膜の研磨を行う。この工程によ
り、磁気ヘッドの低浮上化が可能となり、高記録密度が
得られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】近年では、コンピュー
タの低価格化と共にアルミニウム合金基盤にも低コスト
化が求められている。そこで、サブストレート加工でも
コストダウンが求められるようになってきた。
【0007】もう一方で、後工程で行われるNi−Pメ
ッキ膜の研磨工程でもコストダウンが図られている。こ
のメッキ膜の研磨は、上記の如くNi−Pメッキ欠陥除
去及びメッキ面を平坦化する目的で行われる。この工程
では、あまり多くメッキ研磨を行うと、コストアップと
なるばかりか、所謂端面だれが大きくなり、またフラッ
トネスも悪くなってしまうため、できるだけ研磨量が少
ないことが望まれている。
【0008】そこで、Ni−Pメッキ研磨代の低減のた
めには、メッキ欠陥を低減すること及びアルミニウムサ
ブストレートの表面がより平滑であれば良いことが推定
される。そのために、砥石の番手を下げ、サブストレー
ト粗度の低減(但し、メッキ研磨代の低減)を図ること
が指向されている。
【0009】しかしながら、本発明者らが更に調査を進
めた結果、単純に砥石の番手を下げても、粗度は低減す
るが、鋭く深いグラインド痕、所謂スクラッチが生じて
しまい、このスクラッチを皆無化するためには多量のN
i−P研磨が必要であることから、Ni−Pメッキ膜の研
磨代の低減は不可能であった。
【0010】また、一方で、Ni−Pメッキ研磨代を減
らすためには、所謂ノジュール(メッキ面の突起)・ピッ
ト(メッキ面の凹み)等のメッキ欠陥を減らすことが必要
である。これらのメッキ欠陥が生じた場合には、メッキ
欠陥を削り落とすために、2μm以上という多量のNi−
Pメッキ研磨が必要となる。すなわち、単純にアルミニ
ウムサブストレートの粗度を低減させれば良い訳ではな
いことが判明した。
【0011】以上のように、従来は、スクラッチ若し
くは平均的な粗度、メッキ欠陥等の問題により、メッ
キ代の低減が可能となるようなサブストレートの製造は
不可能であった。
【0012】本発明は、上記従来技術の問題点を解決し
て、スクラッチを防止することができ、更にはメッキ研
磨代を低減し得るDDH用アルミニウム基盤の研磨方法
を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記従来技術の実情に鑑
みて、本発明者らは、先ずメッキ欠陥につき検討した。
その結果、メッキ欠陥の生じる原因の一つとして、アル
ミニウム基盤素材が大きな影響を与えることが判明し
た。すなわち、アルミニウム素材中には、Al−Fe系・
Mg−Si系等の晶出物が存在するが、これらの晶出物は
アルミニウム素材と電位的に差異があり、メッキ前処理
時に溶解し、ピットを形成する。これらのアルミニウム
基盤上のピットにより、メッキ面に凹凸が生じ、メッキ
欠陥となることを究明した。これらの知見に基づき先に
特開平1−193157号“Al合金ディスク基盤の研
削方法”を提案した。
【0014】また、このアルミニウム素材に起因するメ
ッキ欠陥は、ピット、若しくは直径10μm以下のノジ
ュールとなる。そこで、10μm以上のノジュールに関
しては、アルミニウム素材以外に原因があることが推定
された。ここで、このような大きなサイズのノジュール
を削り落とすためには、大量のNi−Pメッキ研磨が当
然必要となる。そこで、この10μm以上のノジュール
の皆無化が、Ni−Pメッキ研磨代の低減には必須とな
る。
【0015】このような知見に基づき、本発明者らが更
に調査を進めた結果、直径10μm以上の粗大なノジュ
ールは、アルミニウムサブストレート表面に存在するコ
ンタミネーションによって形成されることを究明した。
更に本発明者がこのコンタミネーションの浸入経路につ
き調査を進めた結果、サブストレート加工時に生じたス
クラッチ中にコンタミネーションが入り込むと、アルミ
ニウムサブストレートの洗浄工程で、このコンタミネー
ションを取り除くことができず、粗大ノジュールの原因
となることを究明した。そこで、大きいサイズのメッキ
欠陥の低減のためには、スクラッチの防止が効果的であ
ることが判明した。
【0016】上記の如く、スクラッチの防止は、単純に
深い溝をなくすことにより、Ni−Pメッキ研磨代の低
減が図れるのみならず、第2点目の問題であったメッキ
欠陥の低減にも効果的であることを究明した。
【0017】以上の知見に基づき、本発明者らは、スク
ラッチ防止の具体策について検討した。まず、サブスト
レート加工条件について検討を進めた。同工程は、通常
アルミニウムブランクを#2000〜4000番の砥石
で研磨加工することにより行われる。
【0018】まず、研磨圧力の影響を把握するために、
研磨圧力とスクラッチ研磨速度の関係について調査し
た。その結果、研磨圧力の変更のみではスクラッチの皆
無化は不可能であり、またスクラッチ深さを半分程度ま
で減少させる圧力まで下げると、研磨速度が従来の20
分の1程度になってしまうことが判明した。また、研磨
液の濃度・研磨液流量等も検討したが、スクラッチを防
止するためには、研磨液の濃度を非常に高くして、過潤
滑となるようにする必要があり、最適条件としても従来
の約10分の1程度の研磨速度しか得られず、量産への
適用は不可能であることが判明した。
【0019】次いで研磨液について検討した。その結
果、研磨液のpHを8〜9の弱アルカリ性とすることに
より、スクラッチの防止が可能となることが判明した。
しかし、平均粗度が非常に粗く、例えば、中性の研磨液
を使用した場合に比較して2倍以上となってしまうこと
が判明し、当初の目的を達成することができなかった。
【0020】以上の検討結果から、本発明者らは、スク
ラッチの防止及び平均粗度の低減が可能である研磨条件
について鋭意検討した結果、アルミニウム表面に存在し
ている酸化皮膜を研磨前に除去すれば、スクラッチを防
止でき、かつ#6000番等の細かい番手の研磨砥石を
使用しても十分な研磨速度が得られるため、当初の目的
を達成できることを究明し、ここに本発明をなしたもの
である。
【0021】すなわち、本発明は、HDD用アルミニウ
ム基盤の研磨に際し、研磨前に、先ず温度10〜40
℃、濃度10〜30%の硝酸に浸漬し、その後、温度4
0〜80℃、濃度1〜10%で苛性洗浄を施し、表面の
酸化層等を除去することを特徴とするDDH用アルミニ
ウム基盤の研磨方法を要旨としている。
【0022】また、他の本発明は、前記の方法により表
面の酸化層等を除去した後、#6000番以上の細かい
番手の研磨砥石により加工することを特徴としている。
【0023】
【作用】以下に本発明を更に詳述する。まず、前述の如
く、スクラッチの防止及び平均粗度の低減が可能である
研磨条件についての検討結果を示す。
【0024】先ず、スクラッチの生じる原因につき検討
した結果、アルミニウム等の表面を被っている酸化物層
が原因であることを究明した。これらの酸化物は、アル
ミニウムの表面を30〜100Åの厚さで覆っている。
これらの酸化物は非晶質であるために、研磨加工時に粉
々に破断して、研磨砥石の気孔に入り込む。これらの酸
化物の破片は、アルミニウムに比較して非常に硬く、ま
た鋭角な形状となっているために、アルミニウム表面を
引っかき、スクラッチの原因となる。そこで、研磨前に
この酸化物層を取り除くことにより、スクラッチの防止
が可能となることが判明した。
【0025】また、この酸化物はスクラッチの原因とな
るのみならず、研磨速度を非常に低減させることが判明
した。これは、アルミニウム表面を覆っている硬い酸化
皮膜層を削り落とすのに時間がかかるためのみならず、
上記のようにこの酸化皮膜の研磨粉が砥石の気孔に入り
込み、砥石中に突き刺さり、砥石から簡単には落ちない
ことが原因であることを究明した。すなわち、従来の加
工法では研磨工程の内の殆どの時間は、砥石中に酸化物
が突き刺さり、目詰まりを起こしている状態で行われて
おり、例えば10分間で研磨を行う場合には1分程度の
時間しか十分な研磨状態とはなっていないことを究明し
た。
【0026】以上の知見に基づき、本発明者らは、酸化
皮膜の除去法につき、検討を進めた。酸化皮膜の除去法
としては、機械的に削り取る方法及び化学的に溶解して
しまう方法が考えられる。そこで、本発明者らは、まず
機械的な切削加工により酸化物層を除去することを検討
した。ここで、高精度の加工を行うためには、ダイヤモ
ンドバイトを使用した、所謂D.T.加工が必須となる。
そこで、同法を適用してアルミニウムの切削加工を行
い、その後研磨を行った。結果として、同法によりスク
ラッチ防止及び研磨速度の向上が可能となった。
【0027】しかし、アルミニウム基盤が近年非常に薄
肉化しており、板厚が0.8mm等の所謂薄肉材が非常に
多くなりつつあり、この薄肉材には同法は適用できない
ことが判明した。これはディスクの厚みが薄くなると急
激に低下するため、このような機械的な加工法では歪み
が極端に悪化してしまうためである。特に最近ではディ
スクの高密度化により、歪みはできるだけ低いことが要
求されており、通常でも6μm以下が要求されている。
同加工法では約20μm程度の歪みとなってしまい、適
用が非常に困難である。
【0028】そこで、化学的に表面の酸化物層を取り除
くことを検討した。通常アルミニウムの酸化皮膜を除去
する方法として、一般的に苛性ソーダ洗浄が行われてい
る。同法を適用した結果、スクラッチの低減は可能であ
ることが判明した。しかし、前記の機械的な除去法ほど
の効果は得られなかった。この原因につき本発明者らが
鋭意検討した結果、アルカリ性溶液で5000系アルミ
ニウム合金を処理すると、アルミニウム中に含まれるM
g−Oと水溶液中のOH-が反応し、水和物を形成し、こ
の水和物がアルミニウムの酸化物と同じ働きをするため
に、スクラッチが完全には防止できなかったことを究明
した。
【0029】本発明者らが、この水和物形成を防止する
方法について更に検討を進めた結果、苛性ソーダにより
処理を施す前に硝酸に浸漬すれば、Mg−Oが硝酸浴中
で溶解するため、苛性洗浄時に水和物を形成することが
なく、スクラッチの防止が可能となることを究明し、本
発明をなしたものである。
【0030】第2番目の問題は平均粗度である。上記の
方法を適用したサブストレートは、平均粗度が30nm程
度あり、スクラッチを防止できる効果は優れている。し
かし、Ni−Pメッキ膜研磨代は低減できなかった。
【0031】そこで、本発明者らは、更に検討を進めた
結果、平均粗度を15nm以下とすれば、Ni−Pメッキ
膜研磨代を低減しても十分なメッキ面精度が得られるこ
とを究明した。
【0032】この目的のため、本発明者らがサブストレ
ート加工条件につき検討を進めた結果、研磨液、研磨圧
力等では、サブストレート粗度の低減は難しいことを究
明した。これは、上記の前処理を施したアルミニウム基
盤では、砥石が殆ど目詰まりを起こさない状態で加工が
進行するため、砥石面がサブストレートに転写されるた
めである。そこで、砥石の番手を下げることが必要にな
る。また、上記前処理を施したアルミニウム基盤では、
目詰まりが殆ど生じないため、砥石の目が細かくても研
磨速度の低下は殆ど問題にならない程度のものである。
そこで、更に、Ni−Pメッキ研磨代低下のため、サブ
ストレート粗度15nm以下を得るための砥石番手につき
検討した結果、#6000番以上であれば、平均粗度1
5nm以下を達成できることを究明した。
【0033】以上の知見に基づき、本発明を完成したも
のである。以下に本発明による研磨方法の各条件につい
て、更に詳細に説明する。
【0034】硝酸浸漬:研磨前の硝酸浸漬は、アルミニ
ウム基盤表面に存在するMg−Oを除去するために行
う。この工程を行わない場合には、後の苛性洗浄工程で
Mgの水和物が形成され、この水和物が研磨加工を著し
く阻害するためにスクラッチが防止できない。また、研
磨速度の遅延にも繋がる。硝酸処理条件としては、温度
10〜40℃、濃度10〜30%とする。アルミニウム
基盤表面に存在するMg−Oの量は非常に少なく、また
溶解し易いため、上記の如く軽い処理(温度10℃以
上、濃度10%以上)を施せば十分除去できるが、上限
値以上の濃度・温度では、設備が非常に高価になるばか
りか溶液の濃度・温度の管理が非常に困難となり、コス
トアップとなる。なお、処理時間は60秒以内で十分で
ある。
【0035】苛性処理:硝酸浸漬後に苛性処理を行う
が、苛性処理は、アルミニウム基盤の酸化皮膜層の除去
のために行う処理である。処理温度は40〜80℃が好
ましい。処理温度が40℃未満である場合には酸化皮膜
層の除去が難しく、また80℃を超えると、濃度管理が
事実上非常に難しくなり、また均一なエッチングが難し
くなる。濃度としては、1〜10%で十分なエッチング
特性が得られる。10%を超える濃度では均一に酸化皮
膜を除去することが困難となり、研磨後の粗度(うねり)
が悪くなり、また、1%未満では量産時に濃度管理が非
常に難しくなり、十分なエッチング特性を得ることが不
可能となる。なお、処理時間は10分以下が望ましい。
これは、生産性の問題であり、これ以上エッチングして
も時間の浪費であるばかりか、アルミニウム表面にディ
ンプルが形成されてしまうため望ましくない。
【0036】研磨砥石:上記の如く、研磨前に酸化皮膜
を除去してしまえば、研磨速度も早くなり、スクラッチ
も生じないため、品質的にはできるだけ細かい番手が望
ましい。#6000以下では砥石が粗くなり、平均的な
粗度に問題が生じる。そこで、砥石の番手としては、#
6000番以上の細かい番手のものが好ましい。なお、
生産性の問題から、#20000以上の細かい砥石は望
ましくない。
【0037】なお、通常、アルミニウム基盤に上記の苛
性洗浄を施した後は、硝酸により中和を行うことが考え
られるが、中和処理を行うと酸化皮膜が増加してしまう
ため、本発明においては行わないことが最も望ましい。
しかし、中和処理を行わない場合には、苛性によりアル
ミニウムがおかされるため、苛性処理後直ちに研磨する
必要がある。苛性処理後直ちに研磨が行えない場合には
20℃程度の温度で2分以内の硝酸中和処理を行っても
良い。
【0038】なお、アルミニウム合金の材質はこの種の
用途に供し得る成分径及び組成のものであればよいこと
は云うまでもない。
【0039】次に本発明の実施例を示す。
【0040】
【実施例1】表1に示す化学成分を有するアルミニウム
合金を厚さ400mmに造塊し、510℃で均熱処理を行
った後、更に熱間圧延、冷間圧延を行い、1.3mm厚さ
の板とした。次いで、外径95mm、内径35mmに打ち抜
き加工を行い、所謂ブランクディスクを作成した。その
後、表2に示す条件で前処理を行った後、表3に示す条
件で研磨を行い、研磨速度・スクラッチの有無・粗度等
を調査した。その結果を表4に示す。表4より、本発明
によればスクラッチを防止でき、更には15nm以下の粗
度が得られ、サブストレートの製造方法として非常に優
れていることがわかる。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】
【表4】
【0045】
【実施例2】表1に示すアルミニウム合金を厚さ400
mmに造塊し、510℃で均熱処理を行った。更に熱間圧
延、冷間圧延を行い、1.3mm厚さの板とした。次い
で、外径95mm、内径35mmに打ち抜き加工を行い、所
謂ブランクディスクを作成した。その後、30%硝酸で
23℃×30秒の処理を施し、更に4%濃度の苛性溶液
で60℃×3分の処理を施した後、表5に示す条件で研
磨を行った。研磨速度・粗度の調査結果を表6に示す。
表6から、#6000以上の細かい砥石を使用した場合
に、15nm以下の粗度が得られていることがわかる。
【0046】
【表5】
【0047】
【表6】
【0048】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
研磨前に所定の前処理を施すことによって効果的にスク
ラッチを防止することができ、また研磨速度を早くする
ことができる。そして、更に細かい番手の研磨砥石を使
用することによって15nm以下の粗度が得られるのでメ
ッキ膜研磨代を低減しても十分なメッキ面精度が得られ
る。したがって、高品質でメッキ代を低減し得るサブス
トレートを製造できる効果は顕著である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 HDD用アルミニウム基盤の研磨に際
    し、研磨前に、先ず温度10〜40℃、濃度10〜30
    %の硝酸に浸漬し、その後、温度40〜80℃、濃度1
    〜10%で苛性洗浄を施し、表面の酸化層等を除去する
    ことを特徴とするDDH用アルミニウム基盤の研磨方
    法。
  2. 【請求項2】 HDD用アルミニウム基盤の研磨に際
    し、請求項1に記載の方法により表面の酸化層等を除去
    した後、#6000番以上の細かい番手の研磨砥石によ
    り加工することを特徴とするDDH用アルミニウム基盤
    の研磨方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の研磨方法により
    製造されたアルミニウムサブストレート。
JP24886393A 1993-09-08 1993-09-08 Hdd用アルミニウム基盤の研磨方法 Pending JPH0775946A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004167602A (ja) * 2002-11-08 2004-06-17 Nittetsu Drum Kk 亜鉛メッキ鋼板の端末処理方法及び端末処理装置
JP2021505773A (ja) * 2017-12-12 2021-02-18 ハイドロ アルミニウム ロールド プロダクツ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングHydro Aluminium Rolled Products GmbH アルミニウム合金からなる形材、圧延されたストリップおよび薄板のためのピックリング方法

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