JPH0775642B2 - 水溶性有機物を含む水溶液の蒸発濃縮方法 - Google Patents

水溶性有機物を含む水溶液の蒸発濃縮方法

Info

Publication number
JPH0775642B2
JPH0775642B2 JP8008391A JP8008391A JPH0775642B2 JP H0775642 B2 JPH0775642 B2 JP H0775642B2 JP 8008391 A JP8008391 A JP 8008391A JP 8008391 A JP8008391 A JP 8008391A JP H0775642 B2 JPH0775642 B2 JP H0775642B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
concentration
aqueous solution
side evaporator
low
ethylene glycol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP8008391A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04313302A (ja
Inventor
和治 高田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sasakura Engineering Co Ltd
Original Assignee
Sasakura Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sasakura Engineering Co Ltd filed Critical Sasakura Engineering Co Ltd
Priority to JP8008391A priority Critical patent/JPH0775642B2/ja
Publication of JPH04313302A publication Critical patent/JPH04313302A/ja
Publication of JPH0775642B2 publication Critical patent/JPH0775642B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エチレングリコール又
はジエチレングリコールのように沸点が水よりも高い水
溶性有機物を含む水溶液を、当該水溶液中の水を蒸発す
ることによって濃縮するようにした蒸発濃縮方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、エチレングリコールは、融雪剤
として使用され、また、ジエチレングリコールは、イン
ク顔料の製造に際して副原料として使用され、これら
は、いずれも水を含んだ状態で返還され。その水分を除
くことにより、濃度を高くした状態で前記の用途等に再
使用されるものである。
【0003】ところで、前記エチレングリコール水溶液
の濃度を、当該水溶液から水分を除去することによって
高くするには、蒸留塔を使用するのが一般的であるが、
この蒸留塔は、熱効率がきわめて低いので、エチレング
リコール水溶液の濃度を高くすることに要するランニン
グコストが大幅にアップすることになる。そこで、最近
では、前記エチレングリコール水溶液の濃度を高くする
ことに、熱効率が、前記蒸留塔よりも遙かに高い多重効
用型の蒸発濃縮装置を使用することが行なわれている。
【0004】そして、この多重効用型蒸発濃縮装置は、
例えば、丸善株式会社発行、化学工学協会編、「化学工
学便覧」改訂四版の429頁における図4.45に記載
され、且つ、図4に示すように、ボイラーからの蒸気を
熱源とする加熱器1aを備えた第1段蒸発缶1と、該第
1段蒸発缶1で発生した蒸気を熱原とする加熱器2aを
備えた第2段蒸発缶2と、該第2段蒸発缶2で発生した
蒸気に対する真空ポンプ3a付き凝縮器3とから成り、
希薄な(濃度の低い)被濃縮液を、管路4にて前記第1
段蒸発缶1に供給し、この第1段蒸発缶1で蒸発濃縮し
た濃縮液を管路5を介して前記第2段蒸発缶2に移送
し、そして、この第2段蒸発缶2で蒸発濃縮したあとの
濃縮液を管路6を介して取り出す一方(この場合、被濃
縮液を、前記第2段蒸発缶2に供給し、この第2段蒸発
缶2から第1段蒸発缶1に移送し、この第1段蒸発缶1
から濃縮液を取り出すようにしても良い)、前記第2段
蒸発缶2で発生した蒸気を、前記凝縮器3にて凝縮した
のち管路7から排出するように構成したものである。
【0005】なお、符号8,9は、各蒸発缶1,2の加
熱器1a,2aにおける凝縮水を前記凝縮器3に移送す
るための管路である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この多重効用
型蒸発濃縮装置によって、前記エチレングリコール水溶
液を蒸発濃縮した場合には、以下において述べるような
問題がある。すなわち、エチレングリコールと水との水
溶液の気液平衡関係は、横軸をエチレングリコールの濃
度とする一方、縦軸を平衡温度とすると、図5に示すよ
うに、液相の組成Xと、気相の組成Yとを呈するもので
ある。
【0007】そこで、前記多重効用型蒸発濃縮装置にお
いて、エチレングリコール水溶液を、例えばエチレング
リコール濃度で50wt%まで蒸発濃縮するものとする
と、最終の蒸発濃縮を行う最終段蒸発缶におけるエチレ
ングリコール濃度は50wt%であって、この最終段蒸
発缶において発生する蒸気には、前記図5のエチレング
リコール水溶液の気液平衡線において実線a,a′,
a″で示すように、約2wt%のエチレングリコールを
含むことにより、この蒸気の凝縮水は、前記約2wt%
のエチレングリコールを含んだ状態で排出されるから、
エチレングリコールの消失を招来することになる。
【0008】しかも、前記凝縮水におけるエチレングリ
コールの濃度は、前記最終段蒸発缶におけるエチレング
リコール濃度を、例えば、70wt%にすると、前記図
5のエチレングリコール水溶液の気液平衡線において1
点鎖線b,b′,b″で示すように、約4wt%になる
と言うように、エチレングリコール水溶液の濃縮度をア
ップすることに応じて増大することにより、凝縮水と一
緒に消失するエチレングリコール量を少なくするために
は、最終段蒸発缶におけるエチレングリコール濃度を低
く、換言すると、エチレングリコール水溶液の濃縮度を
低くしなければならないから、エチレングリコールの消
失量を少なくした状態のもとで、エチレングリコール水
溶液の濃縮度を高くすることができないと言う問題があ
った。
【0009】本発明は、エチレングリコール又はジエチ
レングリコール等のように沸点が水よりも高い水溶性有
機物を含む水溶液を、蒸発濃縮する場合において、高い
熱効率を維持した状態で、前記の問題を解消するように
した方法を提供することを技術的課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この技術的課題を達成す
るため本発明における「請求項1」は、「沸点が水より
も高い水溶性有機物を含む水溶液を、加熱器を備えた低
濃度側蒸発缶内に供給して蒸発し、次いで、高濃度側蒸
発缶内に供給して蒸発したのちこの高濃度側蒸発缶内か
ら取り出すようにし、前記低濃度側蒸発缶内において水
溶液から蒸発した蒸気の一部を圧縮して前記低濃度側蒸
発缶における加熱器に当該加熱器の熱源として導き、残
余の蒸気を凝縮器に導く一方、前記高濃度側蒸発缶内に
おいて水溶液から蒸発した蒸気を、前記低濃度側蒸発缶
内に導くようにした。」ことを特徴とするものである。
【0011】また、本発明における「請求項2」は、
「沸点が水よりも高い水溶性有機物を含む水溶液を、加
熱器を備えた低濃度側蒸発缶内に供給して蒸発し、次い
で、高濃度側蒸発缶内に供給して蒸発したのちこの高濃
度側蒸発缶内から取り出すようにし、前記低濃度側蒸発
缶内において水溶液から蒸発した蒸気の一部を圧縮して
前記低濃度側蒸発缶における加熱器に当該加熱器の熱源
として導き、残余の蒸気を凝縮器に導く一方、前記高濃
度側蒸発缶内に水溶液から蒸発した蒸気を、前記低濃度
側蒸発缶内に導くようにし、更に、前記低濃度側蒸発缶
からの蒸気を、前記低濃度側蒸発缶の加熱器及び前記凝
縮器に導く前に、プレクーラに導いて、ここで希薄水溶
液に直接接触させる。」ことを特徴とするものである。
【0012】
【作 用】前記「請求項1」において、低濃度側蒸発
缶内に供給された水溶液は、当該低濃度側蒸発缶におけ
る加熱器にて加熱されることにより、この低濃度側蒸発
缶において適宜濃度まで蒸発濃縮される。この低濃度側
蒸発缶内において蒸発濃縮したあとの水溶液は、高濃度
側蒸発缶内に供給され、ここで、所定の濃縮濃度まで蒸
発濃縮されたのち取り出される。
【0013】一方、前記高濃度側蒸発缶内において水溶
液から蒸発した蒸気は、前記低濃度側蒸発缶内に導かれ
たのち、当該低濃度側蒸発缶内において水溶液から蒸発
する蒸気と一緒に、その一部が圧縮されて、前記低濃度
側蒸発缶における加熱器に当該加熱器の熱源として導か
れ、残余の蒸気が凝縮器に導かれ、凝縮水になったのち
排出されるのである。
【0014】この場合において、前記低濃度側蒸発缶内
において水溶液から蒸発した蒸気、及び前記高濃度側蒸
発缶内において水溶液から蒸発したのち前記低濃度側蒸
発缶内に入った蒸気の一部を、圧縮して前記低濃度側蒸
発缶における加熱器に導いて、前記低濃度側蒸発缶内に
おける水溶液の加熱蒸発に利用するもので、いわゆる自
己蒸気圧縮型であるから、高い熱効率を維持することが
できるのである。
【0015】一方、前記高濃度側蒸発缶における水溶液
の濃度は、所定の濃縮濃度であることにより、この高濃
度側蒸発缶内において水溶液から蒸発した蒸気には、当
該所定の濃縮濃度に対応した気液平衡状態の値のエチレ
ングリコール等の水溶性有機物を含むものであるが、前
記高濃度側蒸発缶内において水溶液から蒸発した蒸気
は、そのまま凝縮することなく、前記低濃度側蒸発缶内
に導かれて、当該蒸気中の水溶性有機物の一部が低濃度
側蒸発缶内における水溶液に溶けることにより、この低
濃度側蒸発缶内の水溶液における濃度に応じた気液平衡
状態になり、この状態になったのち、前記加熱器及び凝
縮器に導かれて、凝縮することになるから、凝縮水に含
まれる水溶性有機物の濃度を、前記低濃度側蒸発缶内の
水溶液における濃度に応じた気液平衡状態の値まで下げ
ることができるのである。
【0016】また、前記「請求項2」のように、前記低
濃度側蒸気缶からの蒸気を、前記低濃度側蒸発缶におけ
る加熱器と前記凝縮器とに導く前に、プレクーラ内に導
いて、ここで希薄水溶液に直接接触させるように構成す
ると、前記低濃度側蒸気缶からの蒸気は、当該蒸気中の
水溶性有機物の一部は前記希薄水溶液に溶けることによ
り、前記希薄水溶液における濃度に応じた気液平衡状態
になるから、凝縮水に含まれる水溶性有機物の濃度を、
前記希薄水溶液における濃度に応じた気液平衡状態の値
まで下げることができるのである。
【0017】
【発明の効果】従って、本発明によると、高い熱効率を
維持した状態で、凝縮水に含まれる水溶性有機物の濃度
を大幅に下げることができるから、水溶性有機物を含む
水溶液を蒸発濃縮する場合における濃縮度を、前記水溶
性有機物の消失量の増大を招来することなく、且つ、高
い熱効率のもとで著しくアップすることができる効果を
有する。
【0018】また、「請求項2」によると、凝縮水に含
まれる水溶性有機物の濃度を、前記の場合よりも更に下
げることができるから、前記の効果をより助長すること
ができる効果を有する。
【0019】
【実施例】以下、本発明における実施例を図面について
説明する。図1は、前記「請求項1」に対する実施例を
示し、この図において、符号10は、密閉型の高濃度側
蒸発缶を示し、この高濃度側蒸発缶10内には、左右両
端の一対のヘッダー11a,11bと、その両ヘッダー
11a,11b間を繋ぐ複数本の伝熱管11cとから成
る加熱器11が設けられている。また、符号12は、同
じく密閉型の低濃度側蒸発缶を示し、この低濃度側蒸発
缶12内には、左右両端の一対のヘッダー13a,13
bと、その両ヘッダー13a,13b間を繋ぐ複数本の
伝熱管13cとから成る加熱器13が設けられている。
【0020】更にまた、符号14は、管路15より供給
される冷却水によって冷却するようにした凝縮器を示
し、この凝縮器14には、真空ポンプ16等の真空発生
装置が接続され、且つ、凝縮水の排出ポンプ17が接続
されている。前記低濃度側蒸発缶12内に管路18より
供給されたエチレングリコール水溶液は、循環ポンプ1
9にてくみ出されたのち、循環管路20より低濃度側蒸
発缶12内の上部に設けたノズル21に送られて、この
ノズル21から前記加熱器13における各伝熱管13c
の外側面に散布する循環を行う一方、前記循環ポンプ1
9にてくみ出されたエチレングリコール水溶液の一部
は、管路22より前記高濃度側蒸発缶10内に移送供給
される。
【0021】この高濃度側蒸発缶10内に供給されたエ
チレングリコール水溶液は、循環ポンプ23にてくみ出
したのち、循環管路24より高濃度側蒸発缶10内の上
部に設けたノズル25に送って、このノズル25から前
記加熱器11における各伝熱管11cの外側面に散布す
る循環を行う一方、前記循環ポンプ23にてくみ出され
たエチレングリコール水溶液の一部は、管路26より排
出される。
【0022】また、前記高濃度側蒸発缶10内から蒸気
出口27を蒸気ダクト28を介して、前記低濃度側蒸発
缶12内への蒸気入口29に接続する一方、前記低濃度
側蒸発缶12における蒸気出口30からの蒸気ダクト3
1を、前記凝縮器14に接続する。前記低濃度側蒸発缶
12から前記凝縮器14への蒸気ダクト31内を流れる
蒸気の一部を、ブロワー圧縮機32で圧縮したのち、蒸
気ダクト33を介して前記低濃度側蒸発缶12の加熱器
13における一方のヘッダー13aに供給すると共に、
ボイラー(図示せず)からの蒸気管路34より供給の蒸
気にて駆動される蒸気エゼクター35によって圧縮した
のち、蒸気ダクト36を介して前記高濃度側蒸発缶10
の加熱器11における一方のヘッダー11aに供給す
る。
【0023】また、前記高濃度側蒸発缶10の加熱器1
1における凝縮水を、その他方のヘッダー11b内から
管路37を介して前記低濃度側蒸発缶12の加熱器13
における一方のヘッダー13a内に供給したのち、この
低濃度側蒸発缶12の加熱器13における凝縮水と一緒
にして、その他方のヘッダー13bから管路38を介し
て前記凝縮器14に移送するようにする。
【0024】この構成において、低濃度側蒸発缶12内
に管路18より供給されたエチレングリコール水溶液
は、循環ポンプ19にて循環を繰り返すことにより、当
該低濃度側蒸発缶12における加熱器13にて加熱され
るから、この低濃度側蒸発缶12において適宜濃度まで
蒸発濃縮される。この低濃度側蒸発缶12内において蒸
発濃縮したあとのエチレングリコール水溶液は、管路2
2を介して高濃度側蒸発缶10内に供給され、ここで、
循環ポンプ23にて循環を繰り返すことにより、当該高
濃度側蒸発缶10における加熱器11にて加熱されるか
ら、所定の濃縮濃度まで蒸発濃縮されたのち、管路26
より取り出される。
【0025】一方、前記高濃度側蒸発缶10内において
エチレングリコール水溶液から蒸発した蒸気は、蒸気ダ
クト28を介して前記低濃度側蒸発缶12内に導かれた
のち、当該低濃度側蒸発缶12内においてエチレングリ
コール水溶液から蒸発する蒸気と一緒に、その一部がブ
ロワー圧縮機32及び蒸気エゼクター35にて圧縮され
て、前記低濃度側蒸発缶12における加熱器13及び前
記高濃度側蒸発缶10における加熱器11に、これらに
おける熱源として導かれる一方、残余の蒸気が凝縮器1
4に導かれ、凝縮水になったのち排出ポンプ17にて排
出されるのである。
【0026】前記低濃度側蒸発缶12内においてエチレ
ングリコール水溶液から蒸発した蒸気、及び前記高濃度
側蒸発缶10内においてエチレングリコール水溶液から
蒸発したのち前記低濃度側蒸発缶12内に入った蒸気の
一部を、ブロワー圧縮機32及び蒸気エゼクター35に
て圧縮し、前記低濃度側蒸発缶12における加熱器13
及び前記高濃度側蒸発缶10における加熱器11に、こ
れらの熱源として導いて、前記エチレングリコール水溶
液の加熱蒸発に利用することにより、いわゆる自己蒸気
圧縮型であるから、高い熱効率を維持することができる
のである。
【0027】なお、蒸気エゼクター35を廃止し、前記
高濃度側蒸発缶10における加熱器11に、蒸気管路3
4からの蒸気を供給するように構成しても良い。そし
て、エチレングリコール濃度が10wt%のエチレング
リコール水溶液を、50wt%まで蒸発濃縮する場合に
おいて、前記低濃度側蒸発缶12において30wt%ま
で蒸発濃縮し、前記高濃度側蒸発缶10において最終の
50wt%まで蒸発濃縮するように設定すると、前記高
濃度側蒸発缶10におけるエチレングリコール水溶液の
濃度は、所定(最終)の50wt%であることにより、
この高濃度側蒸発缶10内においてエチレングリコール
水溶液から蒸発した蒸気には、前記図5のエチレングリ
コール水溶液の気液平衡線において実線a,a′,a″
で示すように、約2wt%のエチレングリコールを含む
ことになるが、前記高濃度側蒸発缶10内においてエチ
レングリコール水溶液から蒸発した蒸気は、そのまま凝
縮することなく、前記低濃度側蒸発缶12内に導かれ
て、当該蒸気中のエチレングリコールが低濃度側蒸発缶
12内における30wt%濃度のエチレングリコール水
溶液に溶けることにより、この低濃度側蒸発缶12内の
エチレングリコール水溶液における30wt%濃度に応
じた気液平衡状態になる。
【0028】従って、前記低濃度側蒸発缶12から排出
される蒸気に含まれるエチレングリコール濃度は、前記
図5のエチレングリコール水溶液の気液平衡線において
二点鎖線c,c′,c″で示すように、きわめて低くな
るから、前記排出ポンプ17にて排出される凝縮水と一
緒に消失するエチレングリコールの量を大幅に低減でき
るのである。
【0029】また、図2は、前記「請求項2」に対応す
る実施例を示もので、このものは、前記低濃度側蒸発缶
12からの蒸気ダクト31中に、密閉型のプレクーラ3
9を設けて、前記低濃度側蒸発缶12からの蒸気が、こ
のプレクーラ39内を通過したのち、前記凝縮器14及
びブロワー圧縮機32又は蒸気エゼクター35に流れる
ように構成し、そして、このプレクーラ39内に、前記
凝縮器14に対する冷却水を冷却源とする冷却器40に
て冷却された水を、管路41を経てノズル42から散布
し、この水をポンプ43にて前記冷却器40に供給する
循環を行うように構成したものである。この場合、前記
プレクーラ39内には、複数枚の金網44等のミスト捕
集用部が設けられている。
【0030】このように構成すると、前記低濃度側蒸発
缶12からの蒸気中のエチレングリコールは、その蒸気
圧が水の蒸気圧よりも低いことにより、その殆どが、前
記プレクーラ39内に散布される循環水に溶けることに
なる。そして、この実施例で、エチレングリコール濃度
が10wt%のエチレングリコール水溶液を、90wt
%までの蒸発濃縮する場合において、前記低濃度側蒸発
缶12において40wt%まで蒸発濃縮し、前記高濃度
側蒸発缶10において最終の90wt%まで蒸発濃縮す
るように設定すると、前記低濃度側蒸発缶12からの蒸
気には、前記図5のエチレングリコール水溶液の気液平
衡線において40wt%に対応した濃度のエチレングリ
コールを含むことになるが、この蒸気中における殆どの
エチレングリコールが、プレクーラ39内において、こ
れに供給される水に溶けて、この水におけるエチレング
リコール濃度が10wt%になり、従って、このプレク
ーラ39から出ていく蒸気に含まれるエチレングリコー
ル濃度は、前記図5のエチレングリコール水溶液の気液
平衡線において点線d,d′で示すように、殆ど零にな
るから、前記排出ポンプ17にて排出される凝縮水の一
緒に消失するエチレングリコールの量を、前記図1の実
施例の場合よりも更に低減できる一方、エチレングリコ
ール水溶液を90wt%まで蒸発濃縮することができる
のである。
【0031】この実施例の場合、前記プレクーラ39に
おける循環水は、希薄エチレングリコール水溶液になっ
たのち、管路45より前記低濃度側蒸発缶12に供給さ
れるのであり、このプレクーラ39に対する供給水とし
て、前記低濃度側蒸発缶12に管路18より供給される
エチレングリコール水溶液を使用し、前記管路18から
のエチレングリコール水溶液の全部又は一部を、前記プ
レクーラ39を経て前記低濃度側蒸発缶12に供給する
ように構成しても良く、また、このプレクーラ39の循
環水に対する冷却器40は、図3に示すように、前記プ
レクーラ39の内部に設けるようにしても良いのであ
る。
【0032】なお、前記各実施例は、各蒸発缶10,1
2における加熱器11,13を、各蒸発缶10,12の
内部に設けて、これら各加熱器11,13における伝熱
管11c,13cの外側に、各蒸発缶10,12内のエ
チレングリコール水溶液を散布することによって、当該
エチレングリコール水溶液を加熱する場合を示したが、
本発明は、これに限らず、前記各蒸発缶10,12にお
ける加熱器11,13を、蒸発缶10,12の外部に設
けて、この加熱器11,13により各蒸発缶10,12
内のエチレングリコール水溶液を加熱するように構成す
る場合にも適用できるのであり、また、本発明は、蒸発
缶を三つ以上にした場合にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における第1実施例を示す図である。
【図2】本発明における第2実施例を示す図である。
【図3】本発明における第3実施例を示す図である。
【図4】多重効用型蒸発濃縮装置を示す図である。
【図5】エチレングリコール水溶液の気液平衡状態を示
す図である。
【符号の説明】
10 高濃度側蒸発缶 12 低濃度側蒸発缶 11,13 加熱器 14 凝縮器 18 エチレングリコール水溶液の供給用管路 20,24 循環管路 28,31 蒸気ダクト 32 ブロワー圧縮機 35 蒸気エゼクター 39 プレクーラ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】沸点が水よりも高い水溶性有機物を含む水
    溶液を、加熱器を備えた低濃度側蒸発缶内に供給して
    発し、次いで、高濃度側蒸発缶内に供給して蒸発した
    ちこの高濃度側蒸発缶内から取り出すようにし、前記低
    濃度側蒸発缶内において水溶液から蒸発した蒸気の一部
    を圧縮して前記低濃度側蒸発缶における加熱器に当該加
    熱器の熱源として導き、残余の蒸気を凝縮器に導く一
    方、前記高濃度側蒸発缶内において水溶液から蒸発した
    蒸気を、前記低濃度側蒸発缶内に導くようにしたことを
    特徴とする水溶性有機物を含む水溶液の蒸発濃縮方法。
  2. 【請求項2】沸点が水よりも高い水溶性有機物を含む水
    溶液を、加熱器を備えた低濃度側蒸発缶内に供給して
    発し、次いで、高濃度側蒸発缶内に供給して蒸発した
    ちこの高濃度側蒸発缶内から取り出すようにし、前記低
    濃度側蒸発缶内において水溶液から蒸発した蒸気の一部
    を圧縮して前記低濃度側蒸発缶における加熱器に当該加
    熱器の熱源として導き、残余の蒸気を凝縮器に導く一
    方、前記高濃度側蒸発缶内に水溶液から蒸発した蒸気
    を、前記低濃度側蒸発缶内に導くようにし、更に、前記
    低濃度側蒸発缶からの蒸気を、前記低濃度側蒸発缶の加
    熱器及び前記凝縮器に導く前に、プレクーラに導いて、
    ここで希薄水溶液に直接接触させることを特徴とする水
    溶性有機物を含む水溶液の蒸発濃縮方法。
JP8008391A 1991-04-12 1991-04-12 水溶性有機物を含む水溶液の蒸発濃縮方法 Expired - Fee Related JPH0775642B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8008391A JPH0775642B2 (ja) 1991-04-12 1991-04-12 水溶性有機物を含む水溶液の蒸発濃縮方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8008391A JPH0775642B2 (ja) 1991-04-12 1991-04-12 水溶性有機物を含む水溶液の蒸発濃縮方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04313302A JPH04313302A (ja) 1992-11-05
JPH0775642B2 true JPH0775642B2 (ja) 1995-08-16

Family

ID=13708326

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8008391A Expired - Fee Related JPH0775642B2 (ja) 1991-04-12 1991-04-12 水溶性有機物を含む水溶液の蒸発濃縮方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0775642B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4514693B2 (ja) * 2005-11-21 2010-07-28 株式会社ササクラ 蒸発濃縮処理装置
JP4514705B2 (ja) * 2005-12-27 2010-07-28 株式会社ササクラ 廃液処理装置
JP4827816B2 (ja) * 2007-10-03 2011-11-30 株式会社ササクラ 濃縮装置および濃縮方法
JP4920020B2 (ja) * 2008-09-25 2012-04-18 株式会社ササクラ 水溶液の蒸発濃縮装置および蒸発濃縮方法
US20230002298A1 (en) * 2019-12-02 2023-01-05 Schlumberger Technology Corporation Reducing energy consumption in meg reclamation

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04313302A (ja) 1992-11-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0933331B1 (en) Evaporative concentration apparatus for waste water
JP2018058025A (ja) 低沸点物質の回収装置及び回収方法
JPH0775642B2 (ja) 水溶性有機物を含む水溶液の蒸発濃縮方法
JP3263404B2 (ja) 水溶性有機物を含む水溶液の蒸発濃縮方法
JP3425082B2 (ja) 水溶液の蒸発式濃縮装置
ES2203462T3 (es) Procedimiento para la concentracion de acido diluido.
JP3889326B2 (ja) 高純度純水の蒸発式製造方法及びその装置
JP2019162591A (ja) 蒸発濃縮装置
WO2023103283A1 (zh) 改善精对苯二甲酸装置脱水塔水质的系统及其方法
KR960010363B1 (ko) 수용성 유기물을 함유하는 수용액의 증발 농축방법
TW202322882A (zh) 用於處理凝結水的分離塔及其方法
JP3434474B2 (ja) 純水の蒸発式製造方法及びその装置
TW202120162A (zh) 異種物質之分離裝置及分離方法
JPH0724202A (ja) 蒸気圧縮型真空蒸発式濃縮装置
JPH0263592A (ja) 蒸留装置
JPS61209001A (ja) 機械圧縮式蒸発濃縮装置
JPH0952083A (ja) 海水淡水化装置
JPH0547485B2 (ja)
US3999943A (en) Semi-continuous process for alternately producing a sterilizing vapor and regenerating a dilute process solution in a single apparatus
JPS63104603A (ja) 吸湿性化合物水溶液の濃縮方法
JPS5895501A (ja) 多重効用式蒸発装置における処理液脱気方法及びその装置
JP3202566B2 (ja) 水中の揮発性物質の分離濃縮方法及びその設備
JPH04330901A (ja) 水に対する飽和溶解度が温度に反比例する水溶性溶質を含む水溶液の蒸発方法及びその装置
JPH01256701A (ja) 吹込蒸気供給システム
TW202235138A (zh) 具備蒸餾塔的蒸餾裝置

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees