JPH07747Y2 - 反力式ディスクブレーキ - Google Patents

反力式ディスクブレーキ

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JPH07747Y2
JPH07747Y2 JP1990042185U JP4218590U JPH07747Y2 JP H07747 Y2 JPH07747 Y2 JP H07747Y2 JP 1990042185 U JP1990042185 U JP 1990042185U JP 4218590 U JP4218590 U JP 4218590U JP H07747 Y2 JPH07747 Y2 JP H07747Y2
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brake disc
disc
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秀行 寺島
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Nissin Kogyo Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】 A.考案の目的 (1)産業上の利用分野 本考案は、主として車両に用いられる反力式ディスクブ
レーキ、特にブレーキディスクの両側面に対向させて第
1および第2摩擦パッドを配設し、両摩擦パッドを挟む
第1および第2挟み腕を備えたブレーキキャリパのブレ
ーキディスク周方向両端部を、ブレーキディスクの外周
で固定のブラケットにそれぞれ摺動ピンを介してブレー
キディスクの回転軸線方向に摺動自在に設け、第1摩擦
パッドをブレーキディスクに押圧する押圧部材を第1挟
み腕に設け、第1摩擦パッドの制動トルク支承部をブラ
ケットに、また第2摩擦パッドの制動トルク支承部をブ
レーキキャリパにそれぞれ設けた反力式ディスクブレー
キの改良に関する。
(2)従来の技術 従来、この種ディスクブレーキとして、実開昭53-74583
号公報に記載されたものが知られている。
このディスクブレーキは、ブレーキキャリパに存する一
対の窓内に、ブラケットの両摺動ピン支承部をそれぞれ
配設し、ブレーキキャリパに設けられた一対の摺動ピン
を両摺動ピン支承部のガイド筒にそれぞれ摺動自在に嵌
合したものである。
(3)考案が解決しようとする課題 しかしながら前記ディスクブレーキにおいては、第2摩
擦パッドの制動トルクをブレーキキャリパで支承したと
き、各摺動ピンの両端部には、摺動ピン支承部のガイド
筒との嵌合部を支点とした互に逆方向の押圧力が作用
し、それに伴い摺動ピン支承部にはねじれ力が作用する
ため、摺動ピンの曲がりおよび摺動ピン支承部の破損を
発生するおそれがある。
本考案は前記に鑑み、ブラケットおよび各摺動ピンに剛
性を付与し得るようにした前記ディスクブレーキを提供
することを目的とする。
また本考案は、両摩擦パッドが摩耗初期から摩耗限界に
至るまでブレーキキャリパの摺動を円滑に行わせること
のできる前記ディスクブレーキを提供することを目的と
する。
B.考案の構成 (1)課題を解決するための手段 上記目的を達成するために本考案は、ブレーキディスク
の外周部両側面に対向させて第1および第2摩擦パッド
を配設し、両摩擦パッドを挟む第1および第2挟み腕を
備えたブレーキキャリパのブレーキディスク周方向両端
部を、前記ブレーキディスクの外周で固定のブラケット
にそれぞれ摺動ピンを介して前記ブレーキディスクの回
転軸線方向に摺動自在に設け、前記第1摩擦パッドを前
記ブレーキディスクに押圧する押圧部材を前記第1挟み
腕に設け、前記第1摩擦パッドの制動トルク支承部を前
記ブラケットに、また前記第2摩擦パッドの制動トルク
支承部を前記ブレーキキャリパにそれぞれ設けた反力式
ディスクブレーキにおいて、前記ブラケットを閉断面を
持つ枠形に形成すると共に、そのブラケットの相対向す
る二辺部間に両摺動ピンを、その各摺動ピンが前記ブレ
ーキディスクの一側面側から他側面側に延びるように架
設し、両摩擦パッドの摩耗初期から摩耗限界に至る間
に、前記ブレーキキャリパの両端部に突設した耳部のブ
レーキディスク回転軸線方向における2等分点が、前記
ブレーキディスクの外周部をその厚さ方向に2等分する
平面の一側近傍から該平面を越えてその他側近傍へ移動
するように、前記ブレーキキャリパの各耳部を各摺動ピ
ンに支承させたことを特徴とする。
(2)作用 上記構成によれば、閉断面を持つ剛体枠状のブラケット
に各摺動ピンを両持ち支持した関係で各摺動ピンに対す
る十分な支持剛性が得られるため、第2摩擦パッドの制
動トルクをブレーキキャリパに直接支承させても、各摺
動ピンに曲がりを発生させることなくブレーキキャリパ
を各摺動ピンを介してブラケットに安定よく強固に支持
することができる。
また両摩擦パッドの摩耗初期から摩耗限界に至る間に、
ブレーキキャリパ両端の耳部のブレーキディスク回転軸
線方向における2等分点が常にブレーキディスク外周部
の厚さ方向2等分面の近傍部に留め置かれるため、制動
時にブレーキキャリパにこじれが発生するのを、摩擦パ
ッドの摩耗量の大小に関係なく常に効果的に防止するこ
とができ、従って前述の摺動ピンの剛性向上効果とも相
俟ってブレーキキャリパの摺動が常に円滑に行われる。
(3)実施例 図面は自動車用反力式ディスクブレーキDを示す。第1
〜第4図において、ブレーキディスク1は車輪と共に自
動車の前進中は矢示a方向に、また自動車の後進中は矢
示b方向にそれぞれ回転する。ブレーキディスク1の外
周部両側面に体させて、第1,第2摩擦パッド31,32が配
設され、それら摩擦パッド31,32はブレーキキャリパ4
の第1,第2挟み腕51,52により挟まれている。ブレーキ
キャリパ4のブレーキディスク1周方向両端部は、ブラ
ケット6にブレーキディスク1の外周でその回転軸線c
方向に摺動自在に支承され、そのブラケット6は固定部
材であるナックル7に固定される。
第1〜第3図、第5図に示すように、ブラケット6は閉
断面を持つ枠形に構成され、中間部をブレーキディスク
1の両側面にそれぞれ対向させた第1,第2辺部81,8
2と、ブレーキディスク1の半径方向外方で第1,第2辺
部81,82の両端に存する摺動ピン支承部91,92を相互に連
結する第3,第4辺部83,84とを有する。
第1,第6図に明示するように、相対向する二組の摺動ピ
ン支承部91,92間にそれぞれ摺動ピン11が架設される。
各摺動ピン11基端の雄ねじ部11aは第1辺部81の各摺動
ピン支承部91に形成された雌ねじ孔12に螺着され、また
各先端部は第2辺部82の各摺動ピン支承部92に形成され
たピン孔13に嵌合される。これにより各摺動ピン11はブ
レーキディスク1の一側面側から他側面側に延びるよう
に配設される。
ブレーキキャリパ4はブレーキディスク1周方向両端部
にそれぞれ耳部14を有し、各耳部14が各摺動ピン11に摺
動自在に嵌合される。各摺動ピン11において、各耳部14
からの両露出部分はそれぞれ伸縮性防塵ブーツ151,152
により覆われている。
ブレーキキャリパ4は、第1,第2挟み腕51,52のブレー
キディスク周方向両端部を連結する一対のブリッジ部18
で第1,第2ブロック161,162に分割され、両ブロック1
61,162は両ブリッジ部18で各2本の連結ボルト191,192
により固着される。
前記耳部14は第2ブロック162のブリッジ部構成部分に
設けられ、これにより第2ブロック162が両摺動ピン11
に摺動自在に支承される。
第1,第2挟み腕51,52と両ブリッジ部18により窓21が画
成され、その窓21のブレーキディスク1周方向両内端部
に、前記回転軸線c方向に延びる段付部22が形成され
る。
各摩擦パッド31,32は裏板23と、それに接合されたライ
ニング24とよりなり、第7,第8図に明示するように各裏
板23のブレーキディスク1周方向両端部に存する鉤形部
23aが、リテーナ25を介して両段付部22に前記回転軸線
c方向に摺動自在に懸架される。
第1,第9図に示すように窓21のブレーキディスク1周方
向中央部において、第1,第2挟み腕51,52に、前記回転
軸線c方向に延びるようにピン孔26が形成され、そのピ
ン孔26にハンガピン27が抜差自在に架設される。
両摩擦パッド31,32の裏板23において、ブレーキディス
ク1周方向中央部に突出部23bが設けられ、その突出部2
3bに形成された貫通孔28にハンガピン27が挿通される。
これにより両摩擦パッド31,32がハンガピン27に懸架さ
れる。
ブレーキキャリパ4とハンガピン27との間には、次のよ
うな抜止め構造が設けられている。
第9,第10図に明示するように、ハンガピン27において、
第2挟み腕52側の端部にピン孔26口縁に係合するストッ
パ29が設けられる。一方、第1挟み腕51外側面から突出
する端部外周面に第1環状溝301が形成され、また第1
環状溝301近傍において、ピン孔26内周面に臨む外周面
の一部に第2環状溝302が形成される。
第1挟み腕51外側面に配設される抜止め板31は、ハンガ
ピン27に対して直角方向に延びる係止片32と、その係止
片32に連設されてハンガピン27と平行に延びる固定片33
とより構成される。係止片32にはU字状係止溝34と、そ
の開口端に連なる大径孔35とが穿設される。その大径孔
35はハンガピン27の挿通を許容し、また係止溝34はハン
ガピン27の第1環状溝301に係合して、そのハンガピン2
7の軸方向の動きを阻止する。固定片33はねじ挿通孔36
を有し、そのねじ挿通孔36に挿通され、且つハンガピン
27と直角方向のねじ37を第1挟み腕51の雌ねじ孔38に螺
着することにより、固定片33が第1挟み腕51に固着され
る。また雌ねじ孔38はピン孔26に連通しており、ねじ37
の先端部はハンガピン27の第2環状溝302底面に押当て
られて、そのハンガピン27をピン孔26内周面に押圧して
いる。
第1,第7,第8図に明示するように、ハンガピン27にパッ
ドスプリング39が係止され、そのパッドスプリング39の
各端部は第1,第2摩擦パッド31,32の各鉤形部23aを段付
部22に弾性力を以て押圧し、これにより両摩擦パッド
31,32のがたつきが防止される。
第5図,第7図に明示するようにブラケット6の第1辺
部81において、両摺動ピン支承部91の近傍にそれぞれ制
動トルク支承部40が突設され、両制動トルク支承部40
に、第1摩擦パッド31の裏板23におけるブレーキディス
ク1周方向両端面がそれぞれ当接する。
第8図に示すように第2摩擦パッド32の両制動トルク支
承部41は、第2ブロック162において、ブリッジ部18の
両構成部分基端にそれぞれ突設され、両制動トルク支承
部41に、第2摩擦パッド32の裏板23におけるブレーキデ
ィスク1周方向両端面がそれぞれ当接する。
上記構成において、両摩擦パッド31,32の交換は窓21を
通して行われる。
第2,第4図に明示するように、内側に位置する両連結ボ
ルト192間において第1挟み腕51に、開口部を第1摩擦
パッド31に向けた一対のシリンダ42がブレーキディスク
1周方向に沿って形成され、一方のシリンダ42は圧油導
入孔43を介して公知のマスタシリンダに連通し、また両
シリンダ42内は連通孔44を介して連通する。
各シリンダ42に、第1摩擦パッド31をブレーキディスク
1に押圧する押圧部材としてのピストン45が摺動自在に
嵌合される。第2図に示すように、両ピストン45による
押圧中心O1は、第1摩擦パッド31のブレーキディスク1
周方向中央位置、図示例では両ピストン45の軸線を結ぶ
直線の2等分点に在る。
かくして、ピストン45のブレーキディスク周方向両側に
並ぶ少なくとも一致、図示例では二対の連結ボルト191,
192により両ブロック161,162が固着され、またピストン
45のブレーキディスク周方向両側に並ぶ一対の摺動ピン
11を介してブレーキキャリパ4が固定のブラケット6に
ブレーキディスク1の回転軸線c方向に摺動自在に設け
られる。しかも、各連結ボルト191,192がピストン45に
接近して配設され、一方、各摺動ピン11が、各連結ボル
ト191,192よりもピストン45から離間して配設される。
第2図に明示するように、ブラケット6のナックル7へ
の一対の固定点、図示例では固定ボルト用挿通孔46の中
心O2は、前記押圧中心O1およびブレーキディスク回転中
心O3を通る第1の直線l1とブレーキディスク1の一側方
で交差すると共に押圧中心O1よりもブレーキディスク回
転中心O3側に存する第2の直線l2上で、且つ第1の直線
l1の両側にそれぞれ配設される。
またブラケット6の一対の摺動ピン支承点、図示例では
雌ねじ孔12(およびピン孔13)の中心O4、第2の直線l2
から、その第2の直線l2と平行して押圧中心O1を通る第
3の直線l3までの領域にそれぞれ配設される。
各摺動ピン11に対するブレーキキャリパ4の各耳部14の
位置関係は次のように設定される。
即ち、第1図に明示するように、両耳部14のブレーキデ
ィスク回転軸線c方向における2等分点dが、両摩擦パ
ッド31,32が摩耗初期から摩耗限界に至る間にブレーキ
ディスク1の外周部をその厚さ方向2等分する平面eの
一側近傍f1から該平面eを越えてその他側近傍f2へ移動
するように、各耳部14が各摺動ピン11に支承されてい
る。
第3図に明示するように、第2挟み腕52の外側面に、真
直ぐな一対の補強リブ47が、ブレーキディスク周方向両
端部近傍に延びるように互に平行に形成される。
次にこの実施例の作用について説明する。
自動車の前進中において、ブレーキペダル等の操作によ
り図示しないマスタシリンダから圧油導入孔43を通して
両シリンダ42に圧油を供給すると、その油圧により前進
する両ピストン45が第1摩擦パッド31を押動するので、
その摩擦パッド31はブレーキキャリパ4の段付部22およ
びハンガピン27を摺動してブレーキディスク1の一側面
に押圧される。その押圧に伴う反作用によってブレーキ
キャリパ4が両摺動ピン11上を両ピストン45と反対方向
に摺動して第2挟み腕52により第2摩擦パッド32がブレ
ーキディスク1の他側面に押圧され、これによりブレー
キディスク1に制動がかけられる。
この制動時において、第1摩擦パッド31の制動トルクは
ブラケット6の一方の制動トルク支承部40により支承さ
れ、また第2摩擦パッド32の制動トルクはブレーキキャ
リパ4、したがって第2ブロック162の一方の制動トル
ク支承部41により支承される。
この場合、各摺動ピン11が閉断面を持つ枠形をなすブラ
ケット6に架設されているので、それら摺動ピン11は両
持ち支持による剛性を付与され、これにより第2摩擦パ
ッド32の制動トルクを第2ブロック162に支承させても
各摺動ピン11に曲がりを発生することはなく、また各摺
動ピン11の小径化が可能である。さらにブラケット6は
剛体枠に構成されているので、その重量を減じても十分
な剛性を有し、これにより各摺動ピン11の小径化と相俟
ってディスクブレーキDの軽量化が図られる。
さらにまた、第1および第2ブロック161,162を固着す
る各連結ボルト191,192には制動トルクに起因した力は
全然作用しないので、両ブロック161,162の連結構造の
強度低下を回避することができる。
その上、ブレーキキャリパ4は各連結ボルト191,192
よりユニット化されているので、ブレーキの保守点検に
当り、その取扱い性が良好である。
また前述のように両摩擦パッド31,32の摩耗初期から摩
耗限界に至る間に、ブレーキキャリパ4両端の一対の耳
部14のブレーキディスク回転軸線方向における2等分点
dが、ブレーキディスク1の外周部をその厚さ方向に2
等分する平面eの一側近傍f1から該平面eを越えてその
他側近傍f2へ移動するように、ブレーキキャリパの各耳
部を各摺動ピンに支承させているため、その各耳部14の
2等分点dを両摩擦パッド31,32の摩耗量の大小に関係
なく常にブレーキディスク1外周部の厚さ方向2等分面
eの近傍部に留め置くことができ、これにより、制動時
にブレーキキャリパ4にこじれが発生するのを長期に亘
り効果的に防止することができるから、前述の摺動ピン
11の剛性向上と相俟ってブレーキキャリパ4の摺動が円
滑に行われる。
またブラケット6における摺動ピン支承点O4と固定点O2
の配設関係を前記のように特定すると、それらの間の間
隔が短くなるので、制動トルクに起因して固定点O2回り
に発生する回転モーメントが小さくなり、これによりブ
ラケット6の耐久性を向上させることができる。
さらに両連結ボルト191,192を前記のようにピストン45
に接近させて配設するので、ブレーキキャリパ4におけ
る両ブロック161,162間の連結強度が増し、これにより
ピストン45の作動時において両挟み腕51,52間の開きを
防止することができる。
一方、両摺動ピン11を前記のようにピストン45から離間
させて配設するので、両摺動ピン11間の間隔が広がり、
これによりブレーキキャリパ4をブラケット6に安定性
良く支承させることができる。
その上、ハンガピン27の第1環状溝301、抜止め板31の
係止溝34およびねじ37の協働によってハンガピン27の抜
止めが確実に行われる。
また、ねじ37によりハンガピン27をピン孔26内周面に押
圧し得るので、ハンガピン27の軸方向および半径方向へ
のがたつきが防止される。
第11図はディスクブレーキDと車体Bとの関係を示す。
ブレーキキャリパ4は、窓21を車両前方に向け、また第
2挟み腕52を車輪W側に位置させて配設され、そのブラ
ケット6がナックル7に固定される。ブレーキディスク
1は、車輪Wを取付けるハブ48に固着される。
このようにブレーキキャリパ4を配設すると、走行風が
窓21を通してブレーキキャリパ4内に導入され、また両
補強リブ47が冷却フィンとしても機能するので、両摩擦
パッド31,32およびブレーキキャリパ4を効率良く冷却
することができる。
C.考案の効果 第1摩擦パッドの制動トルク支承部をブラケットに、ま
た第2摩擦パッドの制動トルク支承部をブレーキキャリ
パにそれぞれ設けた反力式ディスクブレーキにおいて、
ブラケットを閉断面を持つ枠形に形成すると共に、その
ブラケットの相対向する二辺部間に両摺動ピンを、その
各摺動ピンがブレーキディスクの一側面側から他側面側
に延びるように架設したので、閉断面を持つ剛体枠状の
ブラケットに各摺動ピンを両持ち支持したことで、各摺
動ピンに対する十分な支持剛性が得られ、これにより、
第2摩擦パッドの制動トルクをブレーキキャリパに直接
支承させても、各摺動ピン曲がりを発生させることなく
ブレーキキャリパを各摺動ピンを介してブラケットに安
定よく強固に支持することができ、併せてブラケット及
び摺動ピン自体の軽量化も図ることができる。
また両摩擦パッドの摩耗初期から摩耗限界に至る間に、
ブレーキキャリパ両端の耳部のブレーキディスク回転軸
線方向における2等分点が、ブレーキディスクの外周部
をその厚さ方向に2等分する平面の一側近傍から該平面
を越えてその他側近傍へ移動するように、ブレーキキャ
リパの各耳部を各摺動ピンに支承させたので、その各耳
部の2等分点を両摩擦パッドの摩耗初期から摩耗限界に
至る間において常にブレーキディスク外周部の厚さ方向
2等分面の近傍部に留め置くことができ、従って、制動
時にブレーキキャリパにこじれが発生するのを、摩擦パ
ッドの摩耗量の大小に関係なく常に効果的に防止するこ
とができるから、前述の摺動ピンの剛性向上効果とも相
俟ってブレーキキャリパの摺動を常に円滑に行わせるこ
とができ、制動効率の向上に大いに寄与することができ
る。
【図面の簡単な説明】
図面は本考案の一実施例を示し、第1図は平面図、第2
図は第1図II矢視図、第3図は第1図III矢視図、第4
図は第1図IV-IV線断面図、第5図はブラケットの斜視
図、第6図は第2図VI-VI線断面図、第7図は第1図VII
-VII線断面図、第8図は第1図VIII-VIII線断面図、第
9図は第1図IX-IX線断面図、第10図はハンガピン、抜
止め板およびねじの関係を示す斜視図、第11図は車体と
ディスクブレーキとの関係を示す斜視図である。 c……回転軸線、d……耳部のブレーキディスク回転軸
線方向2等分点、e……ブレーキディスク外周部をその
厚さ方向に2等分する平面、f1……一側近傍、f2……他
側近傍、1……ブレーキディスク、31,32……第1,第2
摩擦パッド、4……ブレーキキャリパ、51,52……第1,
第2挟み腕、6……ブラケット、11……摺動ピン、14…
…耳部、40,41……制動トルク支承部、45……ピストン
(押圧部材)、

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】ブレーキディスク(1)の外周部両側面に
    対向させて第1および第2摩擦パッド(31,32)を配設
    し、両摩擦パッド(31,32)を挟む第1および第2挟み腕
    (51,52)を備えたブレーキキャリパ(4)のブレーキデ
    ィスク(1)周方向両端部を、前記ブレーキディスク
    (1)の外周で固定のブラケット(6)にそれぞれ摺動
    ピン(11)を介して前記ブレーキディスク(1)の回転
    軸線(c)方向に摺動自在に設け、前記第1摩擦パッド
    (31)を前記ブレーキディスク(1)に押圧する押圧部材
    (45)を前記第1挟み腕(51)に設け、前記第1摩擦パッ
    ド(31)の制動トルク支承部(40)を前記ブラケット
    (6)に、また前記第2摩擦パッド(32)の制動トルク支
    承部(41)を前記ブレーキキャリパ(4)にそれぞれ設
    けた反力式ディスクブレーキにおいて、 前記ブラケット(6)を閉断面を持つ枠形に形成すると
    共に、そのブラケット(6)の相対向する二辺部(81,
    82)間に両摺動ピン(11)を、その各摺動ピン(11)が
    前記ブレーキディスク(1)の一側面側から他側面側に
    延びるように架設し、両摩擦パッド(31,32)の摩耗初期
    から摩耗限界に至る間に、前記ブレーキキャリパ(4)
    の両端部に突設した耳部(14)のブレーキディスク回転
    軸線(c)方向における2等分点(d)が、前記ブレー
    キディスク(1)の外周部をその厚さ方向に2等分する
    平面(e)の一側近傍(f1)から該平面(e)を越えてそ
    の他側近傍(f2)へ移動するように、前記ブレーキキャリ
    パ(4)の各耳部(14)を各摺動ピン(11)に支承させ
    たことを特徴とする、反力式ディスクブレーキ。
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