JPH0774431B2 - 薄膜製造法及び該製造法に用いる離型性ベースフイルム - Google Patents

薄膜製造法及び該製造法に用いる離型性ベースフイルム

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JPH0774431B2
JPH0774431B2 JP2176803A JP17680390A JPH0774431B2 JP H0774431 B2 JPH0774431 B2 JP H0774431B2 JP 2176803 A JP2176803 A JP 2176803A JP 17680390 A JP17680390 A JP 17680390A JP H0774431 B2 JPH0774431 B2 JP H0774431B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、金属製薄膜製造法及び該製造法に用いる離型
性ベースフイルムに関するものであり、極めて薄い金属
製薄膜を再現性良く製造できる新規技術的手段を提供す
るものである。
尚、本発明における「金属製薄膜」とは、Cuの如き単一
金属の薄膜、Ag-Pd如き合金金属の薄膜及びITO(In,Sn
の酸化物)の如き金属酸化物の薄膜を包含する。
〔従来の技術〕
周知の通り、金属製薄膜は様々な分野で使用されている
が、特に電子材料分野では、透明製導電膜であるITO薄
膜に見られるように、より薄く、より欠陥のない、より
純粋な金属製薄膜が要求されている。
ベースフイルム(例えば、ポリエステルフイルム)又は
基板(例えばガラス板)の一面に所要膜厚の金属製薄膜
を蒸着し該金属製薄膜をフイルム面又は基板面から剥離
することによって金属製薄膜を得るという金属製薄膜製
造技術は、古くからよく知られている。
例えば、特公昭51−29502号公報(特開昭48−14536号)
には、ポリエステルフイルム、ポリエチレンフイルム、
耐水性ポリビニルアルコールフイルムなどのベースフイ
ルムの一面に、アクリル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合樹脂、メラミン樹脂などの厚さ0.35〜1μmの
アンダーコート層を設け、その上に真空蒸着法によって
Au、Ag、Alなどの厚さ0.03〜0.1μmの金属蒸着層を設
けることによってアンダーコート層と金属蒸着層との2
層一体構造物からなる金属箔を形成し、当該金属箔を剥
離するという技術的手段並びに前記ベースフイルムの一
面に真空蒸着法によって前記金属蒸着層をを設け、その
上に前記樹脂の厚さ0.35〜1μmのトップコート層を設
けることによって金属蒸着層とトップコート層との2層
一体構造物からなる金属箔を形成し、当該金属箔を剥離
するという技術的手段が開示されており、また、特開昭
48-12233号公報には、当該技術的手段における金属箔を
硫黄で処理し焼箔とし該焼箔とアンダーコート層及び/
又はトップコート層とからなる2〜3層一体構造物を得
るという技術的手段が開示されている。尚、当該両公報
にはアンダーコートに先だってシリコーン樹脂などの剥
離剤をベースフイルムに塗布しておいてもよい旨が記載
されている。
例えば、特開昭60−211065号公報には、ガラスなどの基
板上に、Au、Moなどの金属又は金属化合物を、真空蒸着
法、イオンプレーティング法、スパッタリング法のいず
れかにより厚さ1〜2μmに成膜し、当該成膜を剥離し
て箔を得るに当って、膜と基板の接触力を増加させる為
に行われている基板に対する前処理を少なく施すことに
より、成膜された物質と基板との接着力を低下させて、
成膜後に膜だけを剥離して箔を得るという技術的手段が
開示されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、前記従来技術によって、より薄く、より欠陥
のない、より純粋な金属製薄膜を得ようとすれば、次の
通りの問題点がある。即ち、前出特許公報に「2層また
は3層一体構造物からなる金属箔を連続的に、機械的に
ベースフイルムから剥離しようとするときは、しばしば
金属箔にキレツや破損を生ずる(同公報2欄23〜26
行)」と記述されているように、金属製薄膜と樹脂層
(アンダーコート層、トップコート層)とが一体構造物
となっている場合であっても、当該一体構造物をベース
フイルムから欠陥のない状態で剥離することは難しく、
ましてや、厚さ0.03〜0.1μm(300〜1,000Å)の金属
製薄膜のみをベースフイルムから欠陥のない状態で剥離
することは極めて難しいことなのである。
そして、前出特許公報に開示されている技術的手段は、
ベースフイルムから金属製薄膜と樹脂層との一体構造物
を剥離して得ており、金属製薄膜そのものを得る技術で
はない。
もっとも、前出特開昭16−211065号公報に開示されてい
る技術的手段は、金属製薄膜そのものを得ているが、そ
の厚みは、「比較的厚い膜(1〜2μm)を作り(同公
報2頁左下欄3行)」と記述されているように、1μm
(10,000Å)程度のものであり、厚さ約50Åという極め
て薄い金属製薄膜は得られておらず、事実、本発明者が
行なった実験結果では、基板に対する前処理を少なく施
して置くという技術的手段によって、基板から厚さ1μ
m以下、例えば0.1μm(1.000Å)の金属製薄膜を欠陥
のない状態で剥離することは不可能であった。
現在、ベースフイルムの一面に厚さ約50〜5000Åの金属
製薄膜を蒸着によって形成し該金属製薄膜をフイルム面
から欠陥のない状態で剥離するために試みられている技
術的手段は、ベースフイルムの一面に離型層を設けてお
くという技術的手段であり、当業者は金属製薄膜が可及
的に剥離し易く、剥離した金属製薄膜に離型層残査が可
及的に付着しない離型層を求めて努力している。
しかし、本発明者が知る限りにおいて、いまだ厚さ約50
Åという極めて薄い金属製薄膜を欠陥のない状態で、且
つ離型層残査が付着することなく容易に剥離できる離型
層は出現していない。
本発明は、厚さ約50〜5000Åの金属製薄膜を可及的に欠
陥のない状態で離型層残査が可及的に付着することなく
容易に剥離できる技術的手段の提供を技術的課題とする
ものである。
本発明者は、上記技術的課題を達成するために、ベース
フイルムとの密着性ができるだけ大きく金属製薄膜との
密着性ができるだけ小さい離型層材料を求めて数多くの
試行錯誤的な実験試作を繰返した結果、遂にほぼ理想的
な離型層材料といえるものを見出し、本発明を完成し
た。
〔課題を解決するための手段〕
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって達成でき
る。
即ち、本発明は、耐熱性合成樹脂フイルムの一面にアミ
ノ系共重合体樹脂に銅フタロシアニン系染料を添加して
なる離型層を設けた離型性ベースフイルムを用い、当該
離型層面に金属又は金属酸化物を蒸着して金属製薄膜層
を形成させ、次いで当該金属製薄膜層を前記離型層面か
ら剥離することによって金属製薄膜を得ることからなる
金属製薄膜製造法および該製造法に用いる耐熱性合成樹
脂フイルムの一面にアミノ系共重合体樹脂に銅フタロシ
アニン系染料を添加してなる離型層を設けてなる金属製
薄膜製造用離型性ベースフイルムである。
以下に、本発明の構成をより詳しく説明する。
先ず、本発明に使用する各材料について述べる。本発明
における耐熱性合成樹脂フイルムは、真空蒸着法、イオ
ンプレーティング法、スパッタリング法のいずれかによ
って金属製薄膜を蒸着するに当たって汎用されているポ
リエステルフイルム、ポリエーテルイミドフイルム、ポ
リイミドフイルムなどの周知のものであり、市販品から
容易に入手できる。厚さは、特に限定されるものではな
いが、実用上12〜75μmが好適である。
尚、ポリエチレンフイルム、ポリプロピレンフイルム
は、耐熱性に劣り、離型層を形成するに際しての乾燥硬
化温度に耐え難いので使用しない。
本発明におけるアミノ系共重合体樹脂は、アミノエポキ
シ系樹脂、アミノアルキッド系樹脂、アミノアクリル系
樹脂、尿素メラミン系樹脂などの周知のものであり、よ
り具体的には、アミノエポキシ系樹脂としては、例えば
ブチル化尿素樹脂とエポキシ樹脂との混合樹脂、アミノ
アルキッド系樹脂としては、例えばブチル化尿素メラミ
ン共縮合樹脂とヤシ油変性アルキッド樹脂との混合樹
脂、アミノアクリル系樹脂としては、例えばブチル化メ
ラミン樹脂とヒドロキシ・メタアクリル樹脂との混合樹
脂、尿素メラミン系樹脂としては、例えばブチル化尿素
メラミン共縮合樹脂等が挙げられ、いずれも市販品から
容易に入手できる。
本発明における銅フタロシアニン系染料とは、銅フタロ
シアニン染料及び銅フタロシアニン染料の分子構造中の
銅の一部を他の金属に置換した染料を云う。前者の具体
例には、ネオザポンブルーFLE(商品名:BASF社・西独)
が、後者の具体例には、ネオザポングリーン3G(商品
名:BASF社・西独)が、それぞれ挙げられる。
本発明における金属は、Cuを始め、Al、Ag、Au、Ni、Ti
の如き単一金属やAg−Pdを始めFe-Ni.ステンレンの如き
合金金属であって、真空蒸着法、イオンプレーティング
法、スパッタリング法のいずれかによって蒸着可能なも
のを対象とできる。
本発明における金属酸化物は、ITOの如き金属酸化物や
酸化鉄の如き金属酸化物であって、真空蒸着法、イオン
プレーティング法、スパッタリング法のいずれかによっ
て蒸着可能なものを対象とできる。
次に、本発明に係る金属製薄膜製造用離型性ベースフイ
ルムについて述べる。このベースフイルムは、前記銅フ
タロシアニン系染料を用いること以外は、常法に従って
製造できる。
即ち、前記耐熱性合成樹脂フイルムの一面に、前記アミ
ノ系共重合体樹脂の所要量に周知の有機溶剤(例えば、
トルエン、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコー
ル等)の所要量と必要に応じて用いる周知の有機酸触媒
(例えば、P-トルエンスルフォン酸等)の所要量と前記
銅フタロシアニン系染料の所要量とを加えて塗料化した
ものを、例えば、ロールコーターを用いて所要の塗膜厚
に塗布し、乾燥硬化させて離型層を形成する。
前記銅フタロシアニン系染料の添加量は重要であり、前
記アミノ系共重合体樹脂の使用量に対して重量比で少な
くとも0.01%以上が必要であり、0.01%未満では剥離性
の向上が認められない。好ましくは0.2%以上とすべき
であるが、40%を越えてはならない。約40%を越えると
前記耐熱性合成樹脂フイルムと離型層その密着性が悪く
なる。塗膜厚は、特に限定されないが、乾燥膜厚で約0.
05〜5.00μm、好ましくは、0.10〜3.00μmとするのが
よい。約0.05μm未満では離型層面と金属製薄膜層面と
の剥離性が悪くなるため欠陥のない金属製薄膜が得られ
難く、約5.00μmを越えると塗膜の乾燥硬化に時間がか
かりすぎる。
塗膜の乾燥硬化に要する温度及び時間は、主として前記
アミノ系共重合体樹脂の種類、使用量によって左右され
るが、通常、150〜200℃、20〜50秒の範囲内で選定すれ
ばよい。
尚、前記塗料化に当って、必要ある場合には前記銅フタ
ロシアニン系染料とともに他の溶剤可溶型染料と用いて
着色することも可能であり、この染料としては、例え
ば、オラゾールイエロー3R(商品名:コバルト錯塩染
料:チバガイギー社・スイス)、オラゾールレッドB
(商品名:クロム錯塩染料:チバガイギー社・スイス)
などが挙げられる。これ等の染料を併用する場合、使用
量は、前記銅フタロシアニン系染料の所要量の約半分以
下にとどめるべきであり、約半分を越えると離型層面と
金属製薄膜層面との剥離性が悪くなる。
尚また、前記耐熱性合成樹脂フイルムの他面に、必要に
応じて、常法に従って静電気防止処理を施して置くこと
もできる。
次に、本発明に係る金属製薄膜製造法について述べる。
この製造法は、本発明に係る金属製薄膜製造用離型性ベ
ースフイルムを用いること以外は、常法に従って目的と
する金属製薄膜が得られるものである。
即ち、本発明に係る前記金属製薄膜製造用離型性ベース
フイルムの離型層面に、前記金属又は前記金属酸化物を
所要厚さに蒸着して金属製薄膜層を形成させ、次いで当
該金属製薄膜層を離型層面から剥離すれば、所要厚さの
金属製薄膜を得ることができる。
前記金属又は前記金属酸化物の蒸着は、周知の真空蒸着
法、イオンプレーティング法、スパッタリング法のいず
れかによればよく、その蒸着条件も、後出実施例に示す
ように、通常のものでよい。
もっとも、本発明においては、蒸着する膜厚は、少くと
も50Å以上とする必要があり、50Å未満の場合には、離
型層面から剥離するに際して、得られる金属製薄膜に欠
陥が生じる危険がある。膜厚の上限は、とくに限定され
るものではない。尚、約5,000Åを越える厚さの場合に
は、本発明によらなくとも欠陥のない状態で、且つ離型
層残査が付着していない状態で金属製薄膜を得ることが
可能である。
〔作用〕
前記した通りの構成の本発明によれば、厚さ約50Åとい
う極めて薄い金属製薄膜を、離型層面から欠陥のない状
態で、且つ離型層残査が付着することなく、容易に剥離
することができる。この現象についての理論的解明は残
念ながらいまだ行えていないが、本発明者は数多く行っ
た実験結果から、離型層中に前記銅フタロシアニン系染
料が存在しない場合には剥離不可能か、剥離できても欠
陥が生じてしまう(この場合、ピーリングチェッカーAD
−1:神崎製紙(株)製:により測定した剥離力は約200g
r以上)のに対して、離型層中に前記銅フタロシアニン
系染料が存在している場合には欠陥のない状態で容易に
剥離でき(この場合、前記と同じ手法によって測定した
剥離力は約5〜20gr)であること及び剥離面からは有機
物成分が検出されないとともに蒸着面と剥離面との表面
抵抗値が等しいことを確認しているので、銅フタロシア
ニン系染料の作用によるものと考えている。
〔実施例〕
次に、実施例と比較例とを挙げる。尚、「部」は重量部
を、意味する。また、剥離力は、前出ピーリングチェッ
カーAD−1を用いて24mm幅で測定した値である。
実施例1 厚さ25μmのポリエステルフイルムの一面に、アミノア
クリル系樹脂(ブチル化メラミン樹脂:85部、ヒドロキ
シ・メタアクリル樹脂:15部)10部、トルエン30部、メ
チルエチルケトン30部、イソプロピルアルコール30部、
有機酸触媒0.1部及びネオザポンブルーFLE(前出)0.5
部からなる処方の塗料を、ロールコーターを用いて乾燥
膜厚0.5μmに設定して塗布し、170℃で30秒間乾燥硬化
させて離型層を形成して金属製薄膜製造用離型性ベース
フイルムを得た。この離型層面は薄いブルー色に着色さ
れていた。
次に、真空蒸着機によって、真空度1.5×10-4Torrで上
記ベースフイルムの離型層面にAlを蒸着して厚さ約50Å
のAl薄膜層を形成した。
次に、薄膜層を形成してから7日後に、熱可塑性樹脂接
着剤をつけたガラス板に、ロール転写機を使用して上記
Al薄膜層を転写したところ、ガラス板の接着剤面にはAl
薄膜層が欠陥のない状態で剥離残なく転写できた。この
ときのAl薄膜層の剥離力は18grであった。また、転写し
たAl薄膜の表面から有機物成分は検出されなかった。
比較例1 厚さ25μmのポリエステルフイルムの一面に、厚さ0.5
μmのシリコーン層を形成し、このシリコーン層面に、
真空蒸着機によって、真空度2×10-4TorrでAlを蒸着し
て厚さ約800ÅのAl薄膜層を形成した。
次に、実施例1と同様にして、上記Al薄膜層の転写を試
みたが、Al薄膜をガラス板の接着剤面に転写することは
できなかった。
比較例2 実施例1におけるネオザボンブルーFLE(前出)をザポ
ンファーストイエローR(商品名:アゾ系染料:BASF社
・西独)に変更した外は、実施例1と同様にして、ベー
スフイルムの離型層面にAlを蒸着して厚さ50ÅのAl薄膜
層を形成し該Al薄膜層の転写を試みた。その結果、A1薄
膜層が剥離せず、ガラス板の接着剤面に転写することは
できなかった。
比較例3 実施例1におけるネオザボンブルーFLE(前出)をオラ
ゾールレッドB(商品名:クロム錯塩染料:チバガイギ
ー社・スイス)に変更した外は、実施例1と同様にし
て、ベースフイルムの離型層面にAlを蒸着して厚さ50Å
のAl薄膜層を形成し該Al薄膜層の転写を試みた。その結
果、Alは薄膜層が剥離せず、ガラス板の接着剤面に転写
することはできなかった。
比較例4 ネオザポンブルーFLEを使用しなかった他は実施例1と
同様にして離型層を形成したベースフイルムを得、この
ベースフイルムの離型層面に、真空蒸着機によって、真
空度1.8×10-4TorrでAlを蒸着して厚さ約700ÅのAl薄膜
層を形成した。
次に、実施例1と同様にして、上記Al薄膜層の転写を行
なったところ、ガラス板の接着剤面に部分的にAl薄膜が
転写できただけで、大半のAl薄膜層は離型層面に残って
いた。このときのAl薄膜の剥離力は測定不能であった。
実施例2 厚さ50μmのポリエステルフイルムの一面に、アミノフ
ルキッド系樹脂(ブチル化尿素メラミン共縮合樹脂:80
部、ヤシ油変性アルキッド樹脂:20部)10部、トルエン3
0部、メチルイソブチルケトン30部、イソプロピルアル
コール30部及びネオザポングリーン3G(前出)1部から
なる処方の塗料を、ロールコーターを用いて乾燥膜厚1.
0μmに設定して塗布し、170℃で60秒間乾燥硬化させて
離型層を形成して金属製薄膜製造用離型性ベースフイル
ムを得た。この離型層面は緑色に着色されていた。
次に、スパッタリング装置によって、真空度1×10-3To
rrで上記ベースフイルムの離型層面に厚さ約700ÅのITO
薄膜層を形成した。
次に、実施例1と同様にして、上記ITO薄膜層を転写し
たところ、ガラス板の接着剤面にはITO薄膜層が欠陥の
ない状態で剥離残なく転写できた。このときのITO薄膜
層の剥離力は13grであった。また転写したITO薄膜の表
面から有機物成分は検出されなかった。
比較例5 厚さ50μmのフッ素樹脂フイルムの一面に、スパッタリ
ング法によって、真空度1×10-3Torrで厚さ約700ÅのI
TO薄膜層を形成した。
次に、実施例1と同様にして、上記ITO薄膜層の転写を
行なったところ、ガラス板の接着剤面に部分的にITO薄
膜が転写できただけで、大半のITO薄膜層はフイルム面
に残っていた。このときのITO薄膜の剥離力は300grであ
った。
実施例3 厚さ75μmのポリエステルフイルムの一面に、アミノエ
ポキシ樹脂(ブチル化尿素樹脂:70部、エポキシ樹脂:30
部)10部、実施例1と同じ溶剤90部及びネオザポングリ
ーン3G(前出)0.5部からなる処方の塗料を、ロールコ
ーターを用いて乾燥膜厚0.5μmに設定して塗布し、200
℃で45秒間乾燥硬化させて離型層を形成して金属製薄膜
製造用離型性ベースフイルムを得た。
次に、真空蒸着機によって、真空度1.2×10-4Torrで上
記ベースフイルムの離型層面にCuを蒸着して厚さ約3,50
0ÅのCu薄膜層を形成した。
次に、薄膜層を形成してから一ヶ月後に、実施例1と同
様にして、上記Cu薄膜層を転写したところ、ガラス板の
接着剤面にはCu薄膜層が欠陥のない状態で剥離残なく転
写できた。このときのCu薄膜層の剥離力は2grであっ
た。また転写したCu薄膜の表面から有機物成分は検出さ
れなかった。
実施例4 厚さ38μmのポリエステルフイルムの一面に、ブチル化
尿素メラミン共縮合樹脂10部、実施例1と同じ溶剤90部
及びネオザポンブルーFLE(前出)0.1部からなる処方の
塗料を、ロールコーターを用いて乾燥膜厚0.5μmに設
定して塗布し、170℃で30秒間乾燥硬化させて離型層を
形成して金属製薄膜製造用離型性ベースフイルムを得
た。
次に、スパッタリング装置によって、真空度1×10-3To
rrで上記ベースフイルムの離型層面に厚さ約1,000ÅのI
TO薄膜層を形成した。このITO薄膜層の表面抵抗値を測
定したところ100Ω/cm2であった。
次に、薄膜層を形成してから7日後に、上記ITO薄膜層
面を、市販のセロファンテープで剥離させたところITO
薄膜層が欠陥のない状態でセロファンテープの接着面に
移行した。移行したITO薄膜の表面抵抗値を測定したと
ころ100Ω/cm2であった。
比較例6 ネオザポンブルーFLEを使用しなかった他は実施例4と
同様にして離型層を形成したベースフイルムを得、この
ベースフイルムの離型層面に、実施例4と同様にして厚
さ約1,000ÅのITO薄膜層を形成し、この薄膜層を実施例
4と同様にしてセロファンテープで剥離しようとしたが
全く剥離を起さなかった。
〔発明の効果〕
前記の通りの本発明によれば、厚さ約50Å以上の所要膜
厚の金属製薄膜を欠陥のない状態で容易に得ることがで
き、且つ得られる金属製薄膜には離型層残査が付着して
いないという顕著な効果が得られる。
また、金属製薄膜層形成時から剥離時に到る間の剥離性
の経時変化が殆ど認められないので、金属製薄膜の使用
時まで未剥離の状態で保管できるという効果も得られ
る。
また、本発明に係る金属製薄膜製造用離型性ベースフイ
ルムは、比較的安価な材料を用いて連続的に効率よく製
造できるものである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】耐熱性合成樹脂フィルムの一面にアミノ系
    共重合体樹脂に銅フタロシアニン系染料を添加してなる
    離型層を設けた離型性ベースフイルムを用い、当該離型
    層面に金属又は金属酸化物を蒸着して金属薄膜層又は金
    属酸化物薄膜層を形成させ、次いで当該金属薄膜層又は
    金属酸化物薄膜層を前記離型層面から剥離することによ
    って金属薄膜又は金属酸化物薄膜を得ることを特徴とす
    る金属製薄膜製造法。
  2. 【請求項2】金属薄膜又は金属酸化物薄膜の厚さが50〜
    5000Åである請求項1記載の金属製薄膜製造法。
  3. 【請求項3】耐熱性合成樹脂フイルムの一面にアミノ系
    共重合体樹脂に銅フタロシアニン系染料を添加してなる
    離型層を設けたことを特徴とする金属製薄膜製造用離型
    性ベースフイルム。
  4. 【請求項4】耐熱性合成樹脂フィルムがポリエステルフ
    イルム、ポリエーテルイミドフイルム及びポリイミドフ
    イルムのいずれか一種である請求項3記載の金属製薄膜
    製造用離型性ベースフイルム。
  5. 【請求項5】銅フタロシアニン系染料の添加量がアミノ
    系共重合体樹脂に対し重量比で0.01〜40%である請求項
    3記載の金属製薄膜製造用離型性ベースフイルム。
JP2176803A 1990-07-03 1990-07-03 薄膜製造法及び該製造法に用いる離型性ベースフイルム Expired - Lifetime JPH0774431B2 (ja)

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Cited By (2)

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