JPH0774384B2 - 耐食性、加工成形性のすぐれたステンレス鋼板の製造法 - Google Patents

耐食性、加工成形性のすぐれたステンレス鋼板の製造法

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JPH0774384B2
JPH0774384B2 JP2120652A JP12065290A JPH0774384B2 JP H0774384 B2 JPH0774384 B2 JP H0774384B2 JP 2120652 A JP2120652 A JP 2120652A JP 12065290 A JP12065290 A JP 12065290A JP H0774384 B2 JPH0774384 B2 JP H0774384B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、自動車やオートバイエンジンなどの排気ガス
用マフラーやその前後の排気管系(以下総称してマフラ
ーという)などに使用され、前記排気ガス系で生成する
湿潤ガスや排気系ガス凝縮液中で優れた耐食性と、マフ
ラー用素材に適用する際の複雑な成形にも優れた加工性
を示すステンレス鋼板の製造法に関するものである。
(従来の技術) ステンレス鋼板は、耐食性、耐高温酸化性、高温強度な
どの特性が活用される用途で飛躍的に需要が拡大しつつ
あり、その代表例として自動車、オートバイのマフラー
が挙げられる。エンジンで発生した高温の排気ガスは、
エキゾーストマニホールド、コンバーターなどを通過後
センターパイプ、マフラー、テールパイプを経て排気系
から排出される。エンジン始動時はマフラーの温度が低
いため排ガス中に水分が凝縮した凝縮液がマフラー内壁
面に付着し、またマフラー底部に滞留する。このように
生成した凝縮液中には、燃焼排気ガス中にあるCO3 3-,NH
4 +、SO4 2-,NO3 -,その他Cl-や微量の有機物が含まれ、マ
フラーの耐食性に影響する。その過程は、排気ガス温度
の上昇とともにマフラーの温度も上昇し、生成した凝縮
液中に含まれるアンモニアなどが揮発するため、凝縮液
の液性はアルカリ性から酸性に変化していく。
このような環境に適合したマフラーを作るには、従来
は、アルカリ性から酸性までの環境に対して耐食性を示
すアルミナイズド鋼板が主に採用されてきた。しかし、
アルミナイズド鋼板では到底期待寿命を達成することが
できないことが明らかになるに従い、5〜13%程度のCr
を添加した鋼板の適用、さらに最近では20%近くのCrを
含んだステンレス鋼板の採用もなされている。
一般的にステンレス鋼板は、熱延、熱延酸洗がなされた
のち、ゼンジマーミルで代表される小径ロール(直径約
100mm)でリバース冷延される。ついで軟化焼鈍され
る。焼鈍によるテンパーカラー発生を避ける際には光輝
焼鈍炉が適用される。また、表面にテンパーカラーが発
生し、そのままの状態では外観、溶接作業性、プレス成
型性などの面で実用上問題がある場合は、酸洗、塩浴処
理、中性塩電解処理などで表面仕上げが施されている。
しかし、近年の排気ガス規制強化に伴い、マフラーは使
用条件が厳しくなるとともに、製作条件も形状、構造面
で複雑多様になってきた。このような動向に対して、前
記したような鋼板で製造されたマフラーは十分な耐食性
とパフォーマンス性を得ることができないため、自動車
の安全性、長寿命化、経済性を達成する、より優れた耐
食性材料が望まれていた。こうした要求に対して、すで
に5%から10%Cr含有鋼(特開昭63−143240号公報、63
−143241号公報参照)が提案されたり、従来から市販さ
れている既製のフェライト系ステンレス鋼板が使用され
ていることは前述した通りである。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、こうした状況を踏まえてあらためて実際に使
用されているマフラーの実態を詳細に(腐食形態・環境
分析など)解析し、その結果に基づいて得られた腐食環
境条件下でステンレス鋼板の主要成分であるCr,Mo,Niの
成分の影響、さらにCu,Nb,W,V,Zrのそれぞれ単独、ある
いは共存添加時の耐食性(局部腐食の発生・停止特性;
以下耐食性という)におよぼす影響を検討し、各元素の
効果を明確にすることにより、実際のマフラーへの適用
においても優れた耐食性を示し、当該機器の長寿命化・
安全性・環境汚染防止などを長期にわたって確保するこ
とを可能にすると共にプレス成形性を大幅に向上した自
動車・オートバイなどのエンジン排ガス用ステンレス鋼
の製造法を提供することを目的とするものである。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するために本発明の要旨とするところ
は、重量%で C:0.005%以上0.05%以下、 Si:0.01%以上0.8%以下、 Mn:0.05%以上1.5%以下、 Cr:12%以上18.5%以下、 Mo:0.2%以上3.0%以下、 Al:0.005%以上0.1%以下、 N:0.01%以下を含有して Ti:0.05%以上1.0%以下および Nb:0.05%以上1.0%以下の1種又は2種を含有し、 あるいはさらに、 Ni:0.1%以上1.0%以下、 Cu:0.03%以上1.0%以下、 W:0.05%以上0.5%以下、 V:0.05%以上0.5%以下および Zr:0.05%以上1.0%以下の1種または2種を含有し、 あるいはさらにまた、 Ca:0.001%以上0.03%以下および Ce:0.001%以上0.03%以下の1種または2種を含有して
残部Feおよび不可避的不純物からなるステンレス鋼を、
大径ロールで冷間圧延し、さらに露点±0℃〜−40℃、
H25%以下残部実質的にN2の弱酸化性雰囲気中で、825〜
975℃の温度範囲で軟化焼鈍し、しかる後に酸洗仕上げ
をほどこすステンレス鋼板の製造法である。
このように、本発明は該鋼板の成分と冷延作業以降の製
造条件とを組み合わせることによってその特性を大幅に
向上させうることができた。すなわち、冷延において大
径ロールを採用することにより、プレス成型時に重要な
特性であるランクフォード値が飛躍的に向上すること、
その後の制御雰囲気中での軟化焼鈍と酸洗処理との組み
合わせで耐食性が向上すること、また、その処理によっ
てプレス時の製品表面潤滑性が向上して、すぐれたプレ
ス成型を付与するものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
(作用) 以下、上記した鋼板の成分限定理由について述べる。
C;Cは、ステンレス鋼の耐食性に有害であるが、強度の
観点からは、ある程度の含有量が必要である。0.005%
未満の極低炭素量では製造コストが高くなる。また、0.
05%を越えると耐食性は大幅に劣化するため0.005%以
上0.05%以下とした。
Si;Siは0.01%以上添加されると後述する軟化焼鈍処理
時に表面に生成する酸化膜中に他の元素より優先的に蓄
積し耐食性に有効な元素、たとえばCr,Moが鋼中から表
面へ拡散消費される結果惹起される耐食性劣化を抑制す
る効果をもたらす。このSiの効果は温度、時間、雰囲気
との組み合わせにおいて0.5%を越えるとその効果は飽
和に達し、0.8%を越えると加工性が問題となる。
Cr;Crは、本発明の基本成分である。凝縮液を含む環境
など高い耐食性を要求される環境ではMoさらに必要に応
じてNi,Cuなどと共存の形で12%以上の添加が必要であ
る。多いほど耐食性、耐酸化性は向上するが、18.5%を
越えてもその耐食性は飽和する。又、作り込みが難しく
経済的にも高価となる。
Mn;Mnは、排ガス凝縮液環境での耐食性に特別に影響を
及ぼさないが、通常の成分含有量として、0.05%以上1.
5%以下を規定した。
Mo;Moは、Crさらに必要に応じて、Ni,Cuなどと共存の形
で添加され、加工性を向上し、また凝縮液環境での局部
腐食発生、進展を抑制するために必須の元素である。0.
2%以上3.0%以下の添加でCr、およびその他の特許請求
の範囲記載の各成分(以下その他元素という)との共存
で極めて効果的となる。0.2%未満では、耐食性は、不
十分となるが、3.0%を越えても耐食性の改善にそれほ
ど寄与しないし、且つ、高価となる。
Al;Alは、鋼の結晶粒を微細化して成形後の表面外観劣
化を防止する成分で、0.1%以下の範囲で添加されるが
0.1%を越えると耐食性、熱間加工性を劣化させる。ま
た、0.005%未満では効果がない。
N;Nは、PおよびS成分と同様に不可避的成分で、ステ
ンレス鋼の耐食性を劣化させるので、少ない程良い。0.
01%以下とした。
P;Pは、凝縮液環境における耐食性に影響するので、少
ない程良い。0.025%を越えると耐食性が劣化する。
S;Sも、凝縮液環境における耐食性に影響する元素で低
い程よい。上限を0.010%とした。
Nb;Nbは、CまたはNを固定し、ステンレス鋼の耐食性
の劣化を防ぐ。耐食性を向上するため0.05%から1.0%
の範囲で添加される。1.0%を越えると熱間加工性を劣
化させる。0.05%未満では効果がない。
Ti;Tiは、CまたはNを固定し、ステンレス鋼の耐食性
の劣化を防ぐ。Caと共存してOを固定し、Si,Mnの酸化
物の生成を抑制し、熱間加工性と耐食性を向上させる。
0.05%以上1.0%以下添加される。1.0%を越えると熱間
加工性を劣化させる。
本発明において、上記のような鋼成分組成で製造された
鋼板は耐食性と加工成形性がすぐれている。さらに本発
明はこれらの特性を一層改善するためにNi,Cuなどの鋼
成分を含有させる。
Ni;Niは、本発明ステンレス鋼の選択添加成分である。
凝縮液を含む環境など高い耐食性を要求される環境で
は、Cr,Mo,その他元素と共存して用いられる。局部腐食
進展抑制に効果的であるが、0.1%未満では効果がな
く、1.0%を越えるとその効果は飽和し、また、経済的
にも高価となる。
Cu;Cuは、Cr,Moをベースとした成分系、さらにNi、その
他元素と共存の形で添加され、凝縮液を含む環境での耐
食性を得るための添加元素である。0.03%以上で共存効
果が著しく、また1.0%を越えると耐食性は飽和し、且
つ熱間加工性を劣化させる。
W;Wの共存添加は、ステンレス鋼の耐食性、局部腐食性
を向上させるので、必要に応じて0.5%以下で添加す
る。0.5%を越えるとその効果は飽和する。0.05%未満
では効果はない。
V;Vの共存添加は、ステンレス鋼の耐食性、局部腐食性
を向上させるので、必要に応じて0.5%以下で添加す
る。0.5%を越えるとその効果は飽和する。0.05%未満
では効果はない。
Zr;Zrの共存添加は、ステンレス鋼の耐食性、局部腐食
性を向上させるので、必要に応じて1.0%以下で添加す
る。1.0%を越えるとその効果は飽和する。0.05%未満
では効果はない。
Ca,Ce;Ca,Ceは、低硫黄鋼中でAlと共存してOを固定
し、凝縮液中での局部腐食の発生起点となり得るMnS系
の介在物の生成を抑制し、耐食性を改善する。Ca,Ce
は、それぞれ0.001〜0.03%の範囲で1種または2種が
必要に応じて添加される。
上記のような鋼成分組成の鋼板は、通常の鋼板製造工程
を経て、ステンレス熱延鋼板あるいはさらに焼鈍などの
熱処理を施した後、大径ロール(直径110mm以上)で冷
間圧延し、焼鈍する。大径ロールの冷間圧延は、加工性
すなわちランクフォード値を向上させる。第1図は15%
Cr−0.19%Ti−0.07%Al−0.007%C成分系で、焼鈍温
度を825℃に統一した場合の、ロール直径とランクフォ
ード()値の関係に対するMo量の効果を示す。すなわ
ちランクフォード値は、Mo成分を含有する鋼板を大径ロ
ールで冷間圧延し、焼鈍することによって向上する。
この場合の焼鈍作業は冷延されて硬化したステンレス鋼
板を軟質化させるのが第1目的であるが、本発明におい
ては高温にさらされる結果生成する酸化膜の特性をコン
トロールすることで、焼鈍に引き続いて行われる酸洗作
業で好適な表面状態を確保することも、この焼鈍作業の
大きな目的である。
酸化膜の厚みを左右する重要な因子は、焼鈍板温であ
る。この板温は、焼鈍炉に導入される鋼板の成分、特に
Siの量、および炉内の湿度(露点)の関係で決まる反応
で生ずる酸化膜の厚みによって制御される。本発明の成
分系は、再結晶開始温度は775℃から900℃であり、組
織、軟質度を安定させるためにはそれぞれの温度よりも
高い温度でしかも表面の酸化膜は後述する酸洗による鋼
板の表面調整に適した厚みが生成される温度で焼鈍する
必要がある。種々の実験の結果、本発明の成分系では97
5℃を越えると後述する露点±0℃では酸化膜が厚くな
りすぎ、露点が−40℃より低いと酸化膜が緻密になりす
ぎるため、酸洗後の外観を劣化させたり、生産性を低下
させる問題がある。また、板温が825℃より低いと酸化
膜中へのSiの蓄積が不十分であるから本願の目的が達成
されない。したがって、焼鈍温度は825℃から975℃に限
定した。
酸化膜の厚みは焼鈍雰囲気の中に含まれる気体成分、と
くに酸素の量によっても大きく左右される。酸化膜厚み
が大き過ぎると、のちに行われる酸洗によって表面が過
度に荒らされて外観上商品価値を下げる。また、酸化膜
厚みが薄すぎるとそれが原因となって後述するような有
効成分濃度低下層の排除、表面非金属介在物の除去が果
たせなくなる。種々の試験結果から、本発明成分のステ
ンレス鋼板成分、焼鈍板温度で適正な酸化膜厚みを確保
するためには、焼鈍炉内の酸素濃度を露点で検出して±
0℃〜40℃が適当である。また、焼鈍雰囲気ガスはH2
N2の混合ガスを使用する。H2が多すぎると、還元力が強
くなって十分な酸化膜が生成せず、またH2は高価なため
不経済である。従って、前記焼鈍雰囲気ガスは、組成が
H25%以下で残部実質的にN2のものを使用する。特に、
ガスの組成がH23〜5%で残部実質的にN2であれば、前
記露点とあいまってより適度な弱酸化性雰囲気となっ
て、望ましい。たとえば、板温が850℃で、16%Cr−1.2
%Mo−0.15%Tiを主成分とする鋼板を各種の温度で焼鈍
(雰囲気ガス:H25%残部N2)した場合の酸化膜の生成状
態をグロー放電分光分析計(以下GDSと略記)で調査し
た結果を第2図に示す。すなわち(a)図における露点
が−20℃で操業された酸化膜の厚さTに比べて、露点+
10℃では酸化膜が厚すぎ、−50℃では薄すぎる。このよ
うにして焼鈍されたステンレス鋼板は、続いて酸洗す
る。ステンレス鋼板の酸洗は、たとえば特公昭63−4548
0号公報のように厚い酸化膜が存在すると商品価値を下
げるほかに、絞り加工する時にダイスの寿命が短縮する
弊害を除くことである。しかし、本発明者らの検討によ
ると、本発明の成分系において適正な酸洗を施すことに
より、鋼板の耐食性を大幅に向上する。
さらに説明をすると、本成分系の成分を焼鈍すると表面
に酸化膜が生成する。この場合、酸化膜中には酸素との
親和力がFeより強い元素が優先的に蓄積し、その部分の
直下ではこれら成分の濃度低下現象をきたす。この現象
は、Siの作用で抑制されるが、耐食性向上の目的で添加
されたCr,Mo,Ni,Cuなどに対しては有害である。この有
効成分欠乏現象は酸洗作業で救済される。とりわけ、鋼
板がNO3 -,Cr6-イオンを含む酸洗液中で陰極電解される
場合に素地の溶解で顕著であるから、酸洗作業中、鋼板
が陰極電解状態で1回以上行われる交番電解酸洗作業で
その効果は大きい。
また、ステンレス鋼の場合、表面に存在する非金属介在
物は発銹点、隙間腐食促進作用をもたらすので極力排除
すべきである。本発明における酸洗による表面清浄化
は、表面に存在するこの非金属介在物の除去にも効果的
であり、その結果耐食性が更に向上する。
更に、素地の酸洗により表面は微細な凹凸を呈する。こ
れはプレス成型時の潤滑液保持作用に寄与するので、実
用上有効である。
(実 施 例) 本発明品の諸特性を実施例により説明する。
第1表に示した本発明鋼および比較鋼は、それぞれ一般
的に行われる方法で溶製、加熱、熱延、酸洗されたの
ち、直径が400mmの冷延ロールで冷間圧延されたのち、
表中に記載した条件で軟化焼鈍、酸洗されたのち性能試
験に供した。
第1表の局部腐食発生電位は、前述の電気化学的な局部
腐食発生評価試験によって得られた値で、この値が大き
いほど局部腐食が発生し難いことを示す。
局部腐食評価試験は、第3図に示した局部腐食評価試験
用試験片を用いた。第3図中、1はリード線、2は試験
面以外をシールした部分、3は試験面、4はポリカーボ
ネート製ボルト・ナットを示す。これにより試験面上に
人工的に隙間を生成し、局部腐食の発生を加速できるよ
うにした。この試験片を用いて、模擬凝縮液環境中で第
4図に示すように自然電位(Ecorr)より、電位をアノ
ード方向に20mV/minで掃引したとき、電流密度が100μA
/cm2を越えた点の電位を局部腐食発生電位と規定した。
この電位が大きい値を示すほど、局部腐食は発生し難い
傾向を示す。
また、局部腐食深さの最大値は、凝縮液環境において、
幅(W):50mm、長さ(l):60mm、板厚(t):1.2mmの
形状の試験片を用い、試験片表面を#320研磨後、脱脂
して、浸漬試験を行った。なお、試験環境は、硫酸イオ
ン(5000ppm)、炭酸イオン(3000ppm)、塩化物イオン
(3000ppm)、硝酸イオン(100ppm)、ギ酸(100ppm)
を所定の量添加調整して作製した凝縮液を用いた。試験
方法は、硝子製ビーカー(200cc)を用い、この中に試
験片を立てておき、試験片の半分まで浸漬されるように
凝縮液100ccを入れた。その後、ビーカーを沸騰条件で
2時間加熱し、24時間静止を30日間繰り返した。試験後
試験片上に観察された局部腐食の深さをすべて測定し、
その内の最大深さで評価した。
また、実用状況を想定した腐食試験法としてマフラー内
部腐食模擬試験、改良塩水噴霧試験(MST)、サイクリ
ック腐食試験(CCT)を採用した。
(発明の効果) 本発明鋼は、第1表の局部腐食発生特性、および局部腐
食深さから比較鋼に比べ、いずれの鋼種もすぐれた耐食
性を示していた。このことから本発明鋼は、エンジン排
ガス環境のような腐食性の厳しい凝縮液環境において、
長期にわたってすぐれた耐食性を示し、実用的に極めて
有効であることを示している。
【図面の簡単な説明】
第1図は、冷延ロール径とランクフォード値の関係に対
するMo添加量の効果を示したものである。 第2図(a)は露点−20℃で焼鈍した場合の酸化膜状態
をGDSで調査したチャート、同じく(b)は露点が+10
℃の場合、同じく(c)は露点が−50℃の場合の状態を
同一条件で調査したものである。 第3図(a)は、電気科学的な局部腐食発生評価試験に
用いた試験変形状を示す側面図、同(b)は、その正面
図である。 第4図は、電気科学的な局部腐食発生評価試験法を説明
するための線図である。 1……リード線、2……シール部 3……試験面、4……ボルト・ナット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松橋 亮 神奈川県相模原市淵野辺5―10―1 新日 本製鐵株式会社第二技術研究所内 (72)発明者 鈴木 澄雄 福岡県北九州市八幡東区枝光1―1―1 新日本製鐵株式会社八幡製鐵所内 (72)発明者 富田 稔 福岡県北九州市八幡東区枝光1―1―1 新日本製鐵株式会社八幡製鐵所内 (56)参考文献 特開 昭63−93843(JP,A) 特開 昭59−83725(JP,A) 特開 昭59−38334(JP,A) 特開 昭57−82421(JP,A)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、 C:0.005%以上0.05%以下、 Si:0.01%以上0.8%以下、 Mn:0.05%以上1.5%以下、 Cr:12%以上18.5%以下、 Mo:0.2%以上3.0%以下、 Al:0.005%以上0.1%以下、 N:0.01%以下、 さらに、 Ti:0.05%以上1.0%以下および Nb:0.05%以上1.0%以下の群より選ばれた少なくとも1
    種を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなるステ
    ンレス鋼を、大径ロールで冷間圧延し、さらに露点±0
    ℃〜−40℃、H25%以下残部実質的にN2の弱酸化性雰囲
    気中で、825〜975℃の温度範囲で軟化焼鈍し、しかる後
    に酸洗仕上げをほどこすことを特徴とする耐食性、加工
    成形性のすぐれたステンレス鋼板の製造法。
  2. 【請求項2】重量%で、 C:0.005%以上0.05%以下、 Si:0.01%以上0.8%以下、 Mn:0.05%以上1.5%以下、 Cr:12%以上18.5%以下、 Mo:0.2%以上3.0%以下、 Al:0.005%以上0.1%以下、 N:0.01%以下、 さらに、 Ti:0.05%以上1.0%以下および Nb:0.05%以上1.0%以下の群より選ばれた少なくとも1
    種と、 Ni:0.1%以上1.0%以下、 Cu:0.03%以上1.0%以下、 W:0.05%以上0.5%以下、 V:0.05%以上0.5%以下および Zr:0.05%以上1.0%以下の群より選ばれた少なくとも1
    種を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなるステ
    ンレス鋼を、大径ロールで冷間圧延し、さらに露点±0
    ℃〜−40℃、H25%以下残部実質的にN2の弱酸化性雰囲
    気中で、825〜975℃の温度範囲で軟化焼鈍し、しかる後
    に酸洗仕上げをほどこすことを特徴とする耐食性、加工
    成形性のすぐれたステンレス鋼板の製造法。
  3. 【請求項3】重量%で、 C:0.005%以上0.05%以下、 Si:0.01%以上0.8%以下、 Mn:0.05%以上1.5%以下、 Cr:12%以上18.5%以下、 Mo:0.2%以上3.0%以下、 Al:0.005%以上0.1%以下、 N:0.01%以下、 さらに、 Ti:0.05%以上1.0%以下および Nb:0.05%以上1.0%以下の群より選ばれた少なくとも1
    種と、 Ca:0.001%以上0.03%以下および Ce:0.001%以上0.03%以下の群より選ばれた少なくとも
    1種を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなるス
    テンレス鋼を、大径ロールで冷間圧延し、さらに露点±
    0℃〜−40℃、H25%以下残部実質的にN2の弱酸化性雰
    囲気中で、825〜975℃の温度範囲で軟化焼鈍し、しかる
    後に酸洗仕上げをほどこすことを特徴とする耐食性、加
    工成形性のすぐれたステンレス鋼板の製造法。
  4. 【請求項4】重量%で、 C:0.005%以上0.05%以下、 Si:0.01%以上0.8%以下、 Mn:0.05%以上1.5%以下、 Cr:12%以上18.5%以下、 Mo:0.2%以上3.0%以下、 Al:0.005%以上0.1%以下、 N:0.01%以下、 さらに、 Ti:0.05%以上1.0%以下および Nb:0.05%以上1.0%以下の群より選ばれた少なくとも1
    種と、 Ni:0.1%以上1.0%以下、 Cu:0.03%以上1.0%以下、 W:0.05%以上0.5%以下、 V:0.05%以上0.5%以下および Zr:0.05%以上1.0%以下の群より選ばれた少なくとも1
    種と、 Ca:0.001%以上0.03%以下および Ce:0.001%以上0.03%以下の群より選ばれた少なくとも
    1種を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなるス
    テンレス鋼を、大径ロールで冷間圧延し、さらに露点±
    0℃〜−40℃、H25%以下残部実質的にN2の弱酸化性雰
    囲気中で、825〜975℃の温度範囲で軟化焼鈍し、しかる
    後に酸洗仕上げをほどこすことを特徴とする耐食性、加
    工成形性のすぐれたステンレス鋼板の製造法。
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