JP6566678B2 - バーリング加工部端面の耐食性に優れるフェライト系ステンレス鋼板の製造方法 - Google Patents

バーリング加工部端面の耐食性に優れるフェライト系ステンレス鋼板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、バーリング加工を実施した際に表面に露出する端面の耐食性に優れるフェライト系ステンレス鋼板に関するものであり、特に、せん断加工のままバーリング加工を実施され、端面の処理を行わずに使用される用途に供して好適な発明である。
フェライト系ステンレス鋼は、その優れた耐食性から幅広い用途に使用されている。冷蔵庫の外板などのほとんど加工の必要のないものから、自動車排気用配管などの加工の厳しいものまで、その用途は様々である。このようなフェライト系ステンレス鋼板を用いて加工製品を実施する際には、その利便性からせん断加工による鋼板の切出し、打ち抜きのままに成形加工が行われる。したがって、フェライト系ステンレス鋼板では、端面の耐食性処理を行わずに使用される場合がほとんどである。
フェライト系ステンレス鋼をせん断加工し端面の耐食性処理を行わずに使用した場合、平滑な表面と比較して端面の錆び発生が顕著であるため、流れ錆びやもらい錆びの原因となって、鋼板全体の耐食性を低下させる。この端面錆びの問題は、端面で地鉄の露出するめっき鋼板などと違い、端面であっても不動態化によって耐食性がある程度保たれるフェライト系ステンレス鋼では、あまり重要視されていなかった。しかし、フェライト系ステンレス鋼の市場が拡大するにつれて使用環境も拡大し、平滑な表面と端面との耐食性の差が問題とされるようになった。
端面の腐食は凹凸によるミクロな隙間腐食によって起こるといわれている。隙間腐食に関しては古くから研究されており、最近でも特許文献1や特許文献2などに耐隙間腐食性に優れたフェライト系ステンレス鋼板が開示されている。これらのフェライト系ステンレス鋼板は、隙間腐食などの局部腐食に対して効果があるものの、せん断端面における発銹を抑制するためには、必ずしも十分とはいえず、端面腐食が発生する場合があった。
こういった背景から、端面のバリ性状に着目した特許文献3がせん断端面の耐食性に優れたフェライト系ステンレス鋼板として開示されている。さらに、良好なせん断端面形状を得るための加工方法が特許文献4に開示されている。しかしながら、せん断端面のまま伸びフランジ変形となるバーリング加工を実施すると、端面が拡張変形し新たなき裂や肌荒れが生じるため耐食性の低下を抑制することはできなかった。
特開2005−89828号公報 特開2006−257544号公報 特開2010−138470号公報 特開2010−137344号公報
本発明は、上記の問題を有利に解決するもので、耐食性処理を行わず大気環境中で使用されるフェライト系ステンレス鋼板のバーリング加工端面の耐食性を向上させたフェライト系ステンレス鋼板を提案することを目的とする。
発明者らは、バーリング加工後のせん断端面の耐食性の改善を図るべく種々の検討を実施した。特に、バーリング加工後のせん断端面の錆び発生状態について綿密な観察を行ったところ、錆び起点のほとんどが端面にあり、端面がバーリングによって端面に生じた板厚減少にともなって微細なき裂が生じ、このき裂を起点として錆びが発生していることが明確となった。そこで、製品板の特性を変化させ、せん断加工した試験片を用いてバーリング加工を実施した後、JIS Z 2371に準拠した塩水噴霧試験を48時間行い、錆び発生状況を調査した。その結果、圧延方向に対するr値を一定値以上とし、板厚方向の変形を軽減させることが、腐食の防止につながることを見出した。そこで、上記耐食性の改善に関し、さらに検討を重ねた結果、破断面に存在するAl酸化物を低減することが有効であるとの知見を得た。
本発明は、上記の知見に立脚するものであり、その要旨構成は次のとおりである。
(1)重量%で、C:0.02%以下、Si:0.01〜0.8%、Mn:0.01〜1.0%、P:0.04%以下、Al:0.025〜0.1%、Cr:10〜15%、Cu:0.01〜0.4%、Ni:0.01〜0.2%、N:0.02%以下、O:0.0005〜0.0050%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、さらに圧延方向に対して45°方向のr値が1.1以上で、かつ鋼中に含まれる長径10μm以上のAl酸化物が5mm2当たり10個未満とすることを特徴とするバーリング加工部端面の耐食性に優れるフェライト系ステンレス鋼板。
(2)質量%でSn: 0.005〜0.3%を含有することを特徴とする(1)記載のバーリング加工部端面の耐食性に優れるフェライト系ステンレス鋼板。
(3)質量%でNb: 0.3%以下、Ti: 0.3%以下、およびMo: 0.4%以下のうちから選んだ1または2種以上を含有することを特徴とする(1)または(2)記載のバーリング加工部端面の耐食性に優れるフェライト系ステンレス鋼板。
(4)質量%でGa: 0.2%以下、W: 0.3%以下のうちから選んだ1または2種を含有することを特徴とする(1)から(3)記載のバーリング加工部端面の耐食性に優れるフェライト系ステンレス鋼板。
(5)バーリング加工する部材用途の、(1)から(4)記載のバーリング加工部端面の耐食性に優れるフェライト系ステンレス鋼板。
(6)家電製品、ダクトフード、マフラーカッタあるいは自動車部品の用途の(1)から(4)記載のバーリング加工部端面の耐食性に優れるフェライト系ステンレス鋼板。
(7)(1)から(4)に記載の成分組成からなる板厚3.0mm以上の冷延素材に対し、直径350mm以上の圧延ロールを用いて圧延率60%以下の冷延を実施し、次いで、直径200mm未満の圧延ロールを用いて、冷延工程による総圧延率70%以上として製品厚まで冷延した後、800〜1050℃の温度で最終焼鈍し、酸洗処理もしくは光輝焼鈍により製品とするバーリング加工部端面の耐食性に優れるフェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
本発明によれば、主に大気環境中でバーリング加工端面をそのままの状態で使用する製品において、加工部端面の耐食性の向上を図ることができる。このことで、フェライト系ステンレス鋼板全体の耐食性を向上させることができ、その結果、鋼板の腐食による美観の損失、寿命の低下などを抑制することが可能である。
(a)はバーリング加工後の成形体の側面図であり、(b)は(a)の上面図であり、(c)は加工端面のくびれ部分を拡大した写真である。 バーリング加工後の錆び発生状況、45°方向及びAl酸化物の個数(5mm2当たり)との関係を示したグラフである。
以下、本発明を具体的に説明する。まず、本発明で成分組成を上記の範囲に限定した理由について説明する。なお、鋼の成分を示す%については、特に断らない限り質量%を意味する。
<C:0.02%以下>
Cは、鋼中に不可避的に混入する元素であるが、0.02%を超えると硬くなってプレス加工性が著しく低下するとともに、Cr炭化物を析出し、結晶粒界を鋭敏化して耐食性を低下させる。従って、Cは少ないほうが望ましいが、0.02%までは許容できる。
<Si:0.01〜0.8%>
Siは、脱酸剤として有用な元素である。しかしながら、含有率が0.01%未満では十分な脱酸効果が得られず、酸化物が多量に鋼中に分散し、溶接性、プレス加工性が低下する。一方、0.8%を超えて添加すると鋼の硬質化が始まるとともにAl酸化物の生成を阻害してバーリング加工部の微細割れを誘発する。従って、Siは0.01〜0.8%の範囲に限定する。
<Mn:0.01〜1.0%>
Mnは、脱酸作用がある。加えて本発明では、MnSがせん断端面中の破断面部分に存在する場合、MnSが容易に溶解するため溶解部に新生面が現出し、錆びの起点となる。Mn量が0.01%未満では脱酸効果は得られず、一方、1.0%を超えるとMnSの多量析出および粗大化を促し、耐食性の低下を招く。従って、Mnは0.01〜1.0%の範囲に限定する。
<P:0.04%以下>
Pは、耐食性を低下させる元素である。また、結晶粒界に偏析することで熱間加工性を低下させるため、過剰の添加は製造を困難にする。よって、含有量は低いほうが望ましいが、0.04%以下までは許容できる、望ましくは、P:0.03%以下である。
<Al:0.025〜0.1%>
Alは、脱酸のために有効な成分である。0.025%以下では、他の脱酸元素であるSiやMnの影響が顕著となり始め、製品に存在する非金属介在物がAl酸化物主体では無くなる。一方、0.1%を超えるとAl系の非金属介在物が多量生成し、クラスター状の形態へ変化するため表面疵の増加とともに加工性をも低下させる。従って、Alは0.025〜0.1%とする。
<Cr:10〜15%>
Crは、フェライト系ステンレス鋼の耐食性を決める重要な元素である。Crが10%を超えると大気環境下における素材の耐食性が向上する。一方、15%以上では、硬質化が始まりバーリング加工時の端面形状の変化が顕著となり、微細なき裂が容易に発生し錆び発生の起点が著しく増加する。従って、Crは10〜15%の範囲に限定する。
<Cu:0.01%〜0.4%>
Cuは、腐食発生後のステンレス鋼の表面に被膜を形成し、アノード反応による地鉄の溶解を抑制する効果がある。従って、耐発銹性の向上および耐隙間腐食性の向上にも有用な元素である。
Cu量が0.01%未満ではこの効果は発現されない。一方、0.4%を超えるとCuによる硬化が生じき裂が容易に発生し錆び発生の起点が著しく増加する。従って、Cuの添加量は0.01%〜0.4%の範囲に限定する。
<Ni:0.01〜0.2%>
Niは、酸によるアノード反応を抑制し、より低いpHでも不動態の維持を可能にする元素である。すなわちNiは、耐隙間腐食性に効果が高く、活性溶解状態における腐食の進行を顕著に抑制する。本発明では、不動態状態においてもNiが溶解することで、隙間などの外部との溶液循環が少ない環境におけるpH低下を抑制する効果を発揮する。Ni量が0.01%に満たないと、耐隙間腐食性向上効果が得られない、一方、0.2%を超えると鋼を硬質化させその加工性を低下させき裂が容易に発生し錆び発生の起点が著しく増加する。さらに、製造コストも上昇させる。従って、Niは0.01〜0.2%の範囲に限定する。
<N:0.02%以下>
Nは、鋼中に不可避的に混入する元素である。鋼中に固溶して耐食性を向上させる効果もある。しかし、0.02%を超えて含有されるとプレス加工性が著しく低下する。従って、Nは0.02%以下とする。このましくは、0.012%以下である。
<O: 0.0050%以下>
Oは、本発明において重要な元素である。従来、Oは、ステンレス鋼中でAlと硬質酸化物Al2O3を形成し、加工性低下の要因となるため、低減することが望ましいとされていた。しかしながら、後述するように、発明者らの研究では、Al2O3は、そのサイズを適正範囲内に制御することによって、バーリング加工端面の微細き裂に影響を与えないことが究明された。しかしながら、含有量を0.0005%未満にすることは製造負荷を増大しコストおよび生産性を大きく低下させる。一方、0.0050%を超えるとAl酸化物の凝集合体が認められ、Al2O3による微細き裂への影響を無視できなくなる。従って、Oは0.0005%以上0.0050%以下の範囲が好ましい。より好ましくは0.001%以上、0.003%以下の範囲である。
以上、基本成分について説明したが、本発明ではその他にも耐食性改善のために、以下に述べる元素を適宜含有させることができる。
本発明の一実施形態において、上記元素に加えて、Snを0.3%以下添加しても良い。
Snは、素材の耐食性を向上させる元素である。大気環境中において、錆び発生初期にSnが優先溶解することで、他金属の溶解を抑制する効果を発揮する。この効果は0.005%以上で発揮される。一方、0.3%を超えると硬化により加工性を著しく低下させき裂が容易に発生し錆び発生の起点が著しく増加する。したがって、Snは、0.005〜0.3%の範囲で添加することが好ましい。
また、本発明の一実施形態において、上記元素に加えて、Nbを0.3%以下添加しても良い。
Nbは、C、Nを固定してCr炭窒化物による鋭敏化を防ぎ、耐食性を向上させる元素である。しかしながらNb量が0.001%未満ではその添加効果に乏しく、一方、0.3%を超えると固溶硬化により加工性を低下させるので、Nbは、0.001〜0.3%の範囲で添加することが好ましい。
また、本発明の一実施形態において、上記元素に加えて、Tiを0.3%以下添加しても良い。
Tiは、C、Nを固定してCr炭窒化物による鋭敏化を防ぎ、耐食性を向上させる元素である。しかしながらTi量が0.001%未満ではその添加効果に乏しく、一方、0.3%を超えるとステンレス鋼板の硬質化を招き、加工性を低下させる。さらにTi系析出物により表面粗度の低下を招く。従って、Tiは、0.001〜0.3%の範囲で添加することが好ましい。
また、本発明の一実施形態において、上記元素に加えて、Moを0.4%以下添加しても良い。
Moは、耐食性を向上させる元素である。Moを添加することによってその耐食性はさらに向上し、その効果は0.01%以上で発現する。しかし、Mo量が0.4%を超えると加工性の低下を招くので、Moは、0.01〜0.4%の範囲で添加することが好ましい。
また、本発明の一実施形態において、上記元素に加えて、Gaを0.2%以下添加しても良い。
Gaは、GaSを形成し耐食性を向上させる元素である。MnSの析出を抑制することで、錆びの起点を無くすことができるため、非常に有効な元素である。0.001%未満の添加では効果が認められないことから、0.001%以上の添加とした。一方、Gaの過剰な添加は固溶硬化を招く。したがって、Gaは、0.001%〜0.2%の範囲で添加が好ましい。
また、本発明の一実施形態において、上記元素に加えて、Wを0.3%以下添加しても良い。
Wは、NbやTiと同様にC、Nを固定してCr炭窒化物による鋭敏化を防ぎ、耐食性を向上させる元素である。しかしながらW量が0.001%未満ではその添加効果に乏しく、一方、0.3%を超えるとステンレス鋼板の硬質化を招き、加工性を低下させる。従って、Wは、0.001〜0.3%の範囲で添加することが好ましい。
以上、成分系について説明したが、本発明は、成分組成を上記の範囲とするだけでは不十分で、圧延方向に対して45°方向のr値およびAl酸化物の分布状態を以下の範囲とすることが重要である。
<圧延方向に対して45°方向のr値:1.1以上>
フェライト系ステンレス鋼板のランクフォード値(r値)は、その製造方法によって大きく変化する。そのため、鋼板1にバーリング加工を行うと、図1(b)、(c)に示されるように、せん断端面11には、鋼板1の板厚方向に変形し、圧延方向に対する角度(θ)が45°の方向において、割れを促進する肉厚の薄い部分12、いわゆる「くびれ」が形成される。図1(c)は、図1(b)のくびれ12の拡大図である。
せん断端面11には、バーリング加工の際、せん断面、破断面、バリ等が形成され、バーリング加工を進めるにつれて割れを誘発するために錆びの起点となる因子である。
しかし、これらの錆び要因以上に、r値がバーリング加工後のせん断端面11の錆びに大きな影響を及ぼすことを本発明者らは見出した。すなわち、バーリング加工では板厚が減少しながら変形は進行していく。バーリング加工の際、せん断端面の周囲に大きなひずみが付加されるため、r値が小さいほど、板厚減少の程度は大きくなる。また、せん断端面11を制御して破断面の比率やバリを小さくしても、外力による変形には耐えられず、バーリング加工によってせん断端面11の性状は劣化してしまう。
具体的には、JIS2256に準拠して穴拡げ率40%のバーリング加工を実施し、くびれを観察した結果、圧延方向に対して45°方向のr値が低く、さらにバーリング後の端面性状の観点からr値の下限を見出すことができた。圧延方向に対して45°方向のr値が1.1未満の場合、板厚減少が加工初期から進展し、せん断端面の性状を劣化させるため錆びが早期に発生してしまう。
一方、r値が1.1以上では、バーリング加工時の板厚減少が抑制され、せん断端面性状の劣化が抑制され,錆びの発生が抑制された。従って、圧延方向に対し45°方向のr値は1.1以上とした。
なお、45°方向のr値を上記の範囲に制御するには、冷間圧延工程のロール径および圧延率との組み合わせが重要である。具体的には、直径350mm以上の圧延ロールを用いた冷間圧延の後に直径200mm未満の圧延ロールを用いて、冷延工程による総圧延率を70%以上として製品厚まで冷延することによって、前記r値を上記の範囲に調整できる。
<Al酸化物: 長径10μm以上の粒子が5mm2の範囲に10個未満>
以下、Al酸化物の析出状態を上記の範囲に限定した理由について説明する。
本発明では、せん断ままでバーリング加工を行い、せん断端面の性状が劣化した場合には、錆びの起点となることが確認された。これは、主に、バーリング加工でひずみが導入されるために粗い表面へ変化して、腐食因子が堆積しやすくなることに加えて、微小な割れにともなう隙間形状が、隙間内に侵入した付着溶液の低pH化、高塩分化を促進するため、錆びが起こりやすい環境となっているためと考えられる。従って、せん断端面のひずみ量や微小な割れを低減することで、錆びの起こりにくい端面が形成されると予想される。
そこで本発明者らは、錆びの起こりにくいバーリング加工時端面の形成に関し、種々の実験を行った。その結果、バーリング加工端面のくびれや微小な割れの近傍には硬質なAl酸化物が必ず存在していることを見出した。さらに、錆びが発生した近傍に観察されるAl酸化物のサイズを詳細に観察した結果、長径が全て10μm以上であることが確認された。
尚、本発明において長径とは、前記Al酸化物の投影図の外接円の直径のうち最大になるものをいう。
次に、長径10μm以上のAl酸化物の析出状態について調査したところ、単位面積:5mm2当たりの析出個数が10個未満の場合、バーリング加工面端面における存在確率が小さく、顕著な錆びの発生にはつながっていないことが明らかとなった。
なお、5mm2当たりの長径10μm以上のAl酸化物の個数を上記の範囲に制御するには、鋼中に存在する酸素濃度と冷間圧延による粉砕を組み合わせることが有効である。
鋼中の酸素濃度を低減することにより、Al酸化物の個数を低減し、冷間圧延によりクラスター状に存在しているAl酸化物を分散させることが可能となる。ここで、鋼中に存在するAl酸化物は偏在することなく板厚方向に対して均一に存在しているので、板厚中心部までひずみを導入する必要がある。小径の圧延機で冷間圧延した際には表層にせん断ひずみが集中することから、大径ロールとの組み合わせにより板厚方向に均一なひずみを導入することで、Al酸化物の分散を達成することが可能となる。
従って、Al酸化物の長径および析出個数を上記の範囲に制御するには、精錬工程における脱酸の強化および冷延工程における総圧延率が重要であり、その条件を、O:0.0005〜0.0050%、直径350mm以上の圧延ロールを用いて圧延率60%以下の冷延を実施し、次いで、直径200mm未満の圧延ロールを用いて、冷延工程による総圧延率70%以上とすることが好ましい。
<本発明のフェライト系ステンレス鋼板の製造方法>
本発明では、上述したとおり45°方向のr値およびAl酸化物の析出分散状態が重要であり、そのために上述した工程を上述した条件で実施することが肝要である。また、その他の工程については、特に制限はなく従来公知の方法を適用できる。ちなみに、代表的な製造条件を示すと、以下のとおりである。
フェライト系ステンレス鋼を1150〜1200℃に加熱後、仕上げ温度を600〜750℃として板厚3.0〜6mmに熱間圧延を施す。このとき粗圧延工程の少なくとも1パスを圧下率40%以下とする。仕上げ圧延後に通常の速度で冷却すると結晶粒径が粗大化するため、仕上圧延後は20℃/s以上の冷却速度で500℃以下まで冷却する。その後、500℃以下で巻き取り熱間圧延鋼帯とする。巻き取り後の冷却速度は特に規定しないが、475℃付近でいわゆる475℃脆性による靭性の低下が起こるため425〜525℃の範囲の冷却速度は100℃/h以上が望ましい。こうして作製した熱間圧延鋼帯を850〜1000℃の温度で焼鈍あるいは焼鈍せずに酸洗を行う。次に、直径350mm以上の圧延ロールを用いて圧延率60%以下の冷延を実施し、次いで、直径200mm未満の圧延ロールを用いて、冷延工程による総圧延率70%以上として製品厚まで製造する。
製品厚まで冷延した後、800〜1050℃の温度で最終焼鈍し、酸洗処理もしくは光輝焼鈍を行う。
<バーリング加工方法>
次にバーリング加工端面の性状劣化を抑制するバーリング加工方法について説明する。
発明者らは、上記の目的を達成すべく、加工条件を種々変更して数多くの実験を行ったところ、バーリング加工端面の錆び低減には、バーリング加工時の加工速度がとりわけ重要であることが判明した。バーリング加工時の加工速度は、ひずみの伝播速度と等しいためバーリング加工中のくびれ範囲および微細な割れの発生数に影響する。種々の加工速度を検討した結果、本発明のフェライト系ステンレス鋼の場合、25mm/min以下とすれば、くびれにともなう変形領域が拡大し周辺に発生する微小割れが抑制できるため、耐食性が向上することが明らかとなった。従って、バーリング加工の際の加工速度は25mm/min以下とすることが好ましい。
表1−1に示す組成をそれぞれ有するフェライト系ステンレス鋼種A〜Pを溶製した後、表2−1に示すそれぞれの製造条件にて鋼板No.1〜23を製造した。尚、前記鋼種A〜Pは、本発明の成分組成の条件を満たしたものである。
また、表1−2に示す組成をそれぞれ有するフェライト系ステンレス鋼AA〜ATを溶製した後、表2−2に示すそれぞれの製造条件にて鋼板No.24〜42を製造した。
鋼板No.1〜42のそれぞれに対して、最終板厚まで冷延した後、800〜1050℃の温度で最終焼鈍し、酸洗処理もしくは光輝焼鈍を行った。尚、前記鋼種AA〜ATは、本発明の成分組成の条件を満たすものではない。
かくして得られた鋼板No.1〜42について、それぞれの鋼板に含有される長径10μm以上のAl酸化物個数を、光学顕微鏡を用いて測定した。前述したように、鋼中に存在するAl酸化物は偏在することなく板厚方向に対して均一に存在している。そこで、前記Al酸化物個数の測定方法は、冷延板の表面を約100μm研削した後、#600研磨して鏡面研磨に仕上げた後、5mm×5mmを罫書きその範囲内に存在する10μm以上の非金属介在物をマーキングすることにより行った。総数が10個を超えた場合にのみ、SEM-EDS法により前記非金属介在物の組成を1個当たり3箇所測定して、当該測定箇所のうち2箇所においてAlの濃度が75%以上である前記非金属介在物をAl酸化物と判定した。
また、45°方向のr値は、圧延方向から45°方向にJIS 13号B試験片を切り出し、クロスヘッド速度10mm/minで15%まで引張加工を付与し、引張試験前後の板厚と板幅を測定し求めた。
以上の製造条件で得られたフェライト系ステンレス鋼板を、90×90mmに切出した。切出しの際には、クリアランスを10%として、せん断加工を行った。切出した後、アセトンによる脱脂を行い、JIS2256に準拠して穴拡げ率40%のバーリング加工を実施した。バーリング加工の際、バリの出ている面を上にした。その後試験片をバーリングにて凸面を上にして傾き:60°でサイクル腐食試験機に配置し、JIS Z 2371に準拠した塩水噴霧試験を48時間行った。試験後、バーリング加工部端面において錆びが全く発生していないものを◎、微小な点錆びがわずかに観察されるものを○、点さびが観察されるが著しい腐食ではないものを△、腐食の発生がみられたものを×で評価した。
得られた結果を表−1及び−2に示す。
本発明鋼である鋼板No.1、3〜5、8〜12、15、19〜23の結果より、成分および製造条件が満たされた場合、バーリング加工端面の耐食性が良いことがわかる。特に、Sn含有量が多いNo.1、4、9、11、19〜21では、塩水噴霧試験後の端面に腐食は一切観察されず、非常に良好な特性を示した。
一方、比較例であるNo.2、17では、1回目の圧延において、ロール径若しくは圧延率が本発明条件を満たしていないことから、45°方向のr値が低くなりバーリング端面の性状が劣化し錆びが発生した。
No.6、14は、冷延素材の板厚が3mm未満であり圧延条件は満たしていても、Al酸化物の粉砕が十分されておらず、No.14は、更に45°方向のr値が発明条件を満たしていないため、錆び発生につながっている。
さらに、No.7は、1回目のロール径が小さいため、45°方向のr値が低いためバーリング加工で早期にくびれおよび微小な割れが発生し、錆びの原因となった。
No.13は2回目の圧延を実施していないために45°方向のr値が低くなり、バーリング加工端面に多数の微小な割れが発生し錆びを誘発した。
また、No.16は2回目の圧延ロール径が大きく、No.18は冷延工程による総圧延率が少なく、これらの鋼板ではAl酸化物の粉砕が十分ではなく、バーリング加工端面に多数の微小な割れが発生し錆びを誘発した。
図2は、本発明の成分組成の条件を満たす鋼種A〜Pのいずれかを用いて製造された鋼板No.1〜23のそれぞれについて、Al酸化物個数及び45°方向のr値の測定結果を示すグラフである。図2から分かるように、圧延方向に対して45°方向のr値及び鋼中に含まれる長径10μm以上のAl酸化物の個数が本発明の要件を満たしている鋼板は、錆びの発生の評価が良好であるが、本発明の要件を満たさない鋼板は、錆びの発生の評価が低い。
本発明によれば、バーリング加工後に耐食性処理を行わず大気環境中で使用しても、せん断端面の耐食性に優れるので、家電製品をはじめとして、ダクトフード、マフラーカッタおよび自動車部品のなどの用途に対して好適に使用することができる。
1 鋼板
11 せん断端面
12 くびれ部分

Claims (4)

  1. 質量%で、
    C:0.02%以下、
    Si:0.01〜0.8%、
    Mn:0.01〜1.0%、
    P:0.04%以下、
    Al:0.025〜0.1%、
    Cr:10〜15%、
    Cu:0.01〜0.4%、
    Ni:0.01〜0.2%、
    N:0.02%以下、
    O:0.0005〜0.0050%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる板厚3.0mm以上の冷延素材に対し、直径350mm以上の圧延ロールを用いて圧延率60%以下の冷延を実施し、次いで、直径200mm未満の圧延ロールを用いて冷延工程による総圧延率70%以上として製品厚まで冷延した後、800〜1050℃の温度で最終焼鈍し、酸洗処理もしくは光輝焼鈍により、
    圧延方向に対して45°方向のr値が1.1以上で、かつ鋼中に含まれる長径10μm以上のAl酸化物が5mm2当たり10個未満である製品とするバーリング加工部端面の耐食性に優れるフェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
  2. 前記冷延素材が、質量%で、
    Sn:0.005〜0.3%
    を更に含有することを特徴とする請求項に記載のバーリング加工部端面の耐食性に優れるフェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
  3. 前記冷延素材が、質量%で、
    Nb:0.3%以下、
    Ti: 0.3%以下、
    Mo: 0.4%以下
    のうち少なくとも1種を更に含有することを特徴とする請求項又はに記載のバーリング加工部端面の耐食性に優れるフェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
  4. 前記冷延素材が、質量%で、
    Ga: 0.2%以下、
    W: 0.3%以下のうち少なくとも1種を更に含有することを特徴とする請求項乃至のうちいずれか1項に記載のバーリング加工部端面の耐食性に優れるフェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
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