JPH0774248B2 - α‐オレフィン重合体の製造方法 - Google Patents

α‐オレフィン重合体の製造方法

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JPH0774248B2
JPH0774248B2 JP6190588A JP6190588A JPH0774248B2 JP H0774248 B2 JPH0774248 B2 JP H0774248B2 JP 6190588 A JP6190588 A JP 6190588A JP 6190588 A JP6190588 A JP 6190588A JP H0774248 B2 JPH0774248 B2 JP H0774248B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はα−オレフィン単独重合体又は共重合体の製造
方法の改良に関するものである。さらに詳しくいえば、
本発明は改良されたチーグラー系触媒を用いて、高分子
のα−オレフィン単独重合体又は共重合体、特に高分子
量のアタクチックポリプロピレンを効率よく製造する方
法に関するものである。
[従来の技術] 従来、チーグラー系触媒を用いてα−オレフィン重合体
の製造が行われているが、この際副生するアタクチック
ポリオレフィン、特にアタクチックポリプロピレンは、
その分子量が、数平均分子量(Mn)で1万程度と極めて
低いことから、実用的価値の乏しいものであった。
近年、高分子量アタクチックポリプロピレンの製造方法
として、例えばシクロペンタジエニル基含有チタン化合
物とアルミノキサンとを主成分とする触媒を用いる方法
が提案されている(特開昭60−245604号公報)。しかし
ながら、この方法においては、室内温度では数平均分子
量(Mn)が1万〜3万程度の比較的高分子量のアタクチ
ックポリプロピレンが得られるものの、この分子量では
まだ十分でない上、通常の実用的なプロピレンの重合温
度(50〜90℃)条件では、生成したアタクチックポリプ
ロピレンの分子量は、前記分子量より低くなるという欠
点がある。
一方、数平均分子量(Mn)30万〜100万程度の高分子量
弾性ポリプロピレンの製造法としては、アルミナにジル
コニウム化合物を担持させた触媒を用いる方法が知られ
ているが(特開昭61−179247号公報)、この方法で得ら
れたものは分子量が高すぎてフイルムなどの用途には適
さない。
[発明が解決しようとする課題] 本発明はこのような事情のもとで、高分子量のアタクチ
ックポリオレフィン、特に弾性を有する透明フイルム又
は樹脂改質剤として有用な数平均分子量(Mn)が5万〜
20万程度のアタクチックポリプロピレンを効率よく製造
する方法を提供することを目的としてなされたものであ
る。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは前記目的を達成するために鋭意研究を重ね
た結果、特定の方法で調製した固体触媒成分と有機アル
ミニウム化合物との組合せから成る触媒系を用いること
により、その目的を達成しうることを見い出し、この知
見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(A)炭化水素溶媒中において、
(イ)マグネシウム、4価のチタン、ハロゲン原子及び
電子供与体を必須成分とする固体成分と、(ロ)一般式 (式中、R1は炭素数1〜20のアルキル基、R2は炭素数1
〜10の炭化水素基、mは1〜6の整数、nは6−mの整
数である) で表わされるアルコキシ基含有芳香族化合物とを、
(ハ)有機アルミニウム化合物の存在下又は不在下に反
応させて得られる固体触媒成分、及び(B)有機アルミ
ニウム化合物の組合せから成る触媒系の存在下に、少な
くとも1種のα−オレフィンを重合させることを特徴と
するα−オレフィン重合体の製造方法を提供するもので
ある。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明方法における触媒の(A)成分、すなわち固体触
媒成分の調製に用いられる(イ)固体成分はマグネシウ
ム、4価のチタン、ハロゲン原子及び電子供与体を必須
成分とするものであり、マグネシウム化合物とチタン化
合物と電子供与体とを接触させることにより調製するこ
とができる。
該マグネシウム化合物としては、例えばマグネシウムジ
ハライド、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、ハ
イドロタルサイト、マグネシウムのカルボン酸塩、アル
コキシマグネシウム、アリロキシマグネシウム、アルコ
キシマグネシウムハライド、アリロキシマグネシウムハ
ライド、アルキルマグネシウム、アルキルマグネシウム
ハライド、あるいは有機マグネシウム化合物と電子供与
体、ハロシラン、アルコキシシラン、シラノール及びア
ルミニウム化合物などとの反応物などを挙げることがで
きるが、これらの中でマグネシウムハライド、アルコキ
シマグネシウム、アルキルマグネシウム、アルキルマグ
ネシウムハライドが好適である。また、これらのマグネ
シウム化合物は1種用いてもよいし、2種以上を組み合
わせて用いてもよい。
また、該チタン化合物としては、例えばテトラメトキシ
チタン、テトラエトキシチタン、テトラ−n−プロポキ
シチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−
ブトキシチタン、テトライソブトキシチタン、テトラシ
クロヘキシロキシチタン、テトラフェノキシチタンなど
のエトラアルコキシチタン、TiCl4、TiBr4、TiI4、など
のテトラハロゲン化チタン、(CH3O)TiCl3、(C2H5O)
TiCl3、(C3H7O)TiCl3、(n−C4H9O)TiCl3、(C2H
5O)TiBr3などのトリハロゲン化アルコキシチタン、(C
H3O)2TiCl2、(C2H5O)2TiCl2、(C3H7O)2TiCl2
(n−C4H9O)2TiCl2、(C2H5O)2TiBr2などのジハロゲ
ン化アルコキシチタン、(CH3O)3TiCl、(C2H5O)3TiC
l、(C3H7O)3TiCl、(n−C4H9O)3TiClなどのモノハ
ロゲン化アルコキシチタンなどが挙げられるが、これら
の中で高ハロゲン含有チタン化合物、特に四塩化チタン
が好適である。これらのチタン化合物はそれぞれ単独で
用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
さらに該電子供与体としては、酸素、窒素、リン、イオ
ウなどを含有する有機化合物を使用することができる。
このような電子供与体としては、例えばエステル類、チ
オエステル類、アミン類、ケトン類、ニトリル類、ホス
フィン類、エーテル類、チオエーテル類、酸無水物、酸
ハライド類、酸アミド類、アルデヒド類、有機酸類など
を挙げることができる。
具体的には、ジメチルフタレート、ジエチルフタレー
ト、ジプロピルフタレート、ジイソブチルフタレート、
メチルエチルフタレート、メチルプロピルフタレート、
メチルイソブチルフタレート、エチルプロピルフタレー
ト、エチルイソブチルフタレート、プロピルイソブチル
フタレート、ジメチルテレフタレート、ジエチルテレフ
タレート、ジプロピルテレフタレート、ジイソブチルテ
レフタレート、メチルエチルテレフタレート、メチルプ
ロピルテレフタレート、メチルイソブチルテレフタレー
ト、エチルプロピルテレフタレート、エチルイソブチル
テレフタレート、プロピルイソブチルテレフタレート、
ジメチルイソフタレート、ジエチルイソフタレート、ジ
プロピルイソフタレート、ジイソブチルイソフタレー
ト、メチルエチルイソフタレート、メチルプロピルイソ
フタレート、メチルイソブチルイソフタレート、エチル
プロピルイソフタレート、エチルイソブチルイソフタレ
ート及びプロピルイソブチルイソフタレートなどの芳香
族ジカルボン酸ジエステル、ギ酸メチル、酢酸エチル、
酢酸ビニル、酢酸プロピル、酢酸オクチル、酢酸シクロ
ヘキシル、プロピオン酸エチル、酢酸エチル、吉草酸エ
チル、クロロ酢酸メチル、ジクロロ酢酸エチル、メタク
リル酸メチル、クロトン酸エチル、ピバリン酸エチル、
マレイン酸ジメチル、シクロヘキサンカルボン酸エチ
ル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチ
ル、安息香酸オクチル、安息香酸シクロヘキシル、安息
香酸フェニル、安息香酸ベンジル、トルイル酸エチル、
トルイル酸アミル、アニス酸エチル、エトキシ安息香酸
エチル、p−ブトキシ安息香酸エチル、o−クロロ安息
香酸エチル及びナフトエ酸エチルなどのモノエステル、
r−バレロラクトン、クマリン、フタリド、炭酸エチレ
ンなどの炭素数2〜18のエステル類、安息香酸、p−オ
キシ安息香酸などの有機酸類、無水コハク酸、無水安息
香酸、無水o−トルイル酸などの酸無水物類、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ア
セトフェノン、ベンゾフェノン、ベンゾキノンなどの炭
素数3〜15のケトン類、アセトアルデヒド、オクチルア
ルデヒド、ベンズアルデヒド、トレルアルデヒド、ナフ
チルアルデヒドなどの炭素数2〜15のアルデヒド類、ア
セチルクロリド、ベンジルクロリド、トルイル酸クロリ
ド、アニス酸クロリドなどの炭素数2〜15の酸ハライド
類メチルエーテル、エチルエーテル、イソプロピルエー
テル、n−ブチルエーテル、アミルエーテル、テトラヒ
ドロフラン、アニソール、ジフェニルエーテル、エチレ
ングリコールブチルエーテルなどの炭素数2〜20のエー
テル類、酢酸アミド、安息香酸アミド、トルイル酸アミ
ドなどの酸アミド類、トリブチルアミン、N,N′−ジメ
チルピペラジン、トリベンジルアミン、アニリン、ピリ
ジン、ピコリン、テトラメチルエチレンジアミンなどの
アミン類、アセトニトリル、ベンゾニトリル、トルニト
リルなどのニトリル類などを挙げることができる。
これらの中で、エステル類、エーテル類、ケトン類及び
酸無水物が好ましく、特に、フタル酸ジ−n−ブチル、
フタル酸ジイソブチルなどの芳香族ジカルボン酸ジエス
テル、安息香酸、p−メトキシ安息香酸、p−エトキシ
安息香酸、トルイト酸などの芳香族モノカルボン酸の炭
素数1〜4のアルキルエステルなどが好適である。芳香
族ジカルボン酸ジエステルは、触媒活性及び活性持続性
を向上させると共に、得られる重合体の立体規則性を増
大させるので特に好ましい。
該(イ)固体成分は、公知の方法(特開昭53−43094号
公報、特開昭55−135102号公報、特開昭55−135103号公
報、特開昭56−18606号公報)、例えば(1)マグネシ
ウム化合物又はマグネシウム化合物と電子供与体との錯
化合物を、電子供与体及び所望に応じて用いられる粉砕
助剤などの存在下に粉砕して、チタン化合物と反応させ
る方法、(2)還元能を有しないマグネシウム化合物の
液状物と液状チタン化合物とを、電子供与体の存在下に
おいて反応させて、固体状のチタン複合体を析出させる
方法、(3)前記(1)又は(2)で得られたものにチ
タン化合物を反応させる方法、(4)前記(1)又は
(2)で得られたものに、さらに電子供与体及びチタン
化合物を反応させる方法、(5)マグネシウム化合物又
はマグネシウム化合物と電子供与体との錯化合物を、電
子供与体、チタン化合物及び所望に応じて用いられる粉
砕助剤などの存在下で粉砕したのち、ハロゲン又はハロ
ゲン化合物で処理する方法、(6)前記(1)〜(4)
で得られた化合物をハロゲン又はハロゲン化合物で処理
する方法、などによって調製することができる。
さらに、これら以外の方法(特開昭56−166205号公報、
特開昭57−63309号公報、特開昭57−190004号公報、特
開昭57−300407号公報、特開昭58−47003号公報)によ
っても、該(イ)固体成分を調製することができる。
また、周期表II〜IV族に属する元素の酸化物、例えば、
酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムなど
の酸化物又は周期表II〜IV属に属する元素の酸化物の少
なくとも1種を含む複合酸化物、例えば、シリカアルミ
ナなどに前記マグネシウム化合物を担持させた固形物と
電子供与体とチタン化合物とを、溶媒中で、0〜200
℃、好ましくは10〜150℃の範囲の温度において2分な
いし24時間接触させることにより固体成分を調製するこ
とができる。
また、該固体成分の調製に当り、溶媒としてマグネシウ
ム化合物、電子供与体及びチタン化合物に対して不活性
な有機溶媒、例えば、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族
炭化水素、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素、
あるいは炭素数1〜12の飽和又は不飽和の脂肪族、脂環
式及び芳香族炭化水素のモノ及びポリハロゲン化合物な
どのハロゲン化炭化水素などを使用することができる。
このようにして調製された(イ)固体成分の組成につい
ては、通常マグネシウム/チタン原子比が2〜100、ハ
ロゲン/チタン原子比が5〜200、電子供与体/チタン
モル比が0.1〜10の範囲にある。
本発明においては、(A)成分、すなわち固体触媒成分
は、炭化水素溶媒中において、前記のようにして得られ
た(イ)固体成分と、(ロ)一般式 (式中のR1、R2、m及びnは前記と同じ意味をもつ) で表わされるアルコキシ基含有芳香族化合物とを、
(ハ)有機アルミニウム化合物の存在下又は不在下に反
応させることによって調製することができる。
この(A)固体触媒成分の調製において用いられる炭化
水素溶媒としては、例えばヘキサン、ヘプタンなどの脂
肪族炭化水素、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水
素、あるいは炭素数1〜12の飽和又は不飽和の脂肪族、
脂環式及び芳香族炭化水素のモノ及びポリハロゲン化合
物などのハロゲン化炭化水素などを挙げることができ
る。これらの溶媒は1種用いてもよいし、2種以上を組
み合わせて用いてもよい。
該(ロ)成分のアルコキシ基含有芳香族化合物として
は、例えばm−メトキシトルエン、ビニルアニソール、
p−(1−プロペニル)アニソール、p−アリルアニソ
ール、1,3−ビス(p−メトキシフェニル)2−1−ペ
ンテン、などのモノアルコキシ化合物、o−ジメトキシ
ベンゼン、m−ジメトキシベンゼン、p−ジメトキシベ
ンゼン、3,4−ジメトキシトルエン、1−アリル−3,4−
ジメトキシベンゼンなどのジアルコキシ化合物及び1,3,
5−トリメトキシベンゼン、5−アリル−1,2,3−トリメ
トキシベンゼン、5−アルリ−1,2,4−トリメトキシベ
ンゼン、1,2,3−トリメトキシ−5−(1−プロペニ
ル)ベンゼン、1,2,4−トリメトキシ−5−(1−プロ
ペニル)ベンゼン、1,2,3−トリメトキシベンゼン、1,
2,4−トリメトキシベンゼンなどのトリアルコキシ化合
物などが挙げられるが、これらの中でジアルコキシ化合
物及びトリアルコキシ化合物が好適である。これらのア
ルコキシ基含有芳香族化合物は、それぞれ単独で用いて
もよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、(ハ)成分の有機アルミニウム化合物としては、
一般式 AlR3 pX3-p ……(II) (式中のR3は炭素数1〜10のアルキル基、Xは塩素、臭
素などのハロゲン原子、pは1〜3の数である) で表わされる化合物を用いることができる。このような
アルミニウム化合物としては、例えば、トリメチルアル
ミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピル
アルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリオク
チルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム、ジ
エチルアルミニウムモノクロリド、ジイソプロピルアル
ミニウムモノクロリド、ジイソブチルアルミニウムモノ
クロリド、ジオクチルアルミニウムモノクロリドなどの
ジアルキルアルミニウムモノハライド、エチルアルミニ
ウムセスキクロリドなどのアルキルアルミニウムセスキ
ハライドなどを好適に使用することができる。これらの
アルミニウム化合物は1種用いてもよいし、2種以上を
組み合わせて用いてもよい。
該(A)成分の固体触媒成分の調製は、(イ)成分の固
体成分と(ロ)成分のアルコキシ基含有芳香族化合物と
を、前記炭化水素溶媒中において反応させることによっ
て行われるが、この際、(ハ)成分の有機アルミニウム
化合物の存在下に行ってもよいし、不在下に行ってもよ
い。該アルコキシ基含有芳香族化合物は、固体成分中の
チタンに対するモル比が、通常0.1〜200、好ましくは1
〜50になるような割合で用いられ、また、その濃度は、
通常0.01〜10mmol/、好ましくは0.1〜2mmol/の範囲
で選ばれる。チタンに対するモル比が前記範囲を逸脱す
ると所望の活性を有する触媒が得られにくい。また該濃
度が0.01mmol/未満では容積効率が低くて実用的でな
いし、10mmol/を越えると過反応が起こりやすく、触
媒活性が低下するおそれがある。
また、反応温度は通常0〜150℃、好ましくは10〜50℃
の範囲で選ばれる。この温度が0℃未満では反応が十分
に進行せず、所望の活性のものが得られにくいし、150
℃を超えると副反応が起こり、活性が低下する傾向が生
じる。さらに、反応時間は温度によって左右され、一概
に定めることができないが、通常は1分ないし20時間、
好ましくは10〜60分間である。
(ハ)成分の有機アルミニウム化合物を存在させて反応
を行う場合、該アルミニウム化合物の濃度は、通常0.05
〜100mmol/、好ましくは1〜10mmol/の範囲で選ば
れる。この濃度が0.05mmol/未満では、有機アルミニ
ウム化合物を存在させて反応を行う効果が十分に発揮さ
れないし、100mmol/を超えると(イ)固体成分中のチ
タンの還元が進行し、触媒活性が低下するおそれがあ
る。
このようにして、(A)成分の固体触媒成分が調製され
る。
本発明方法において用いられる触媒には、(B)成分と
して有機アルミニウム化合物が用いられる。この(B)
成分の有機アルミニウム化合物としては、前記(A)成
分の固体触媒成分の調製において、(ハ)成分として、
例示した有機アルミニウム化合物を挙げることができ
る。
本発明における触媒の各成分の使用量については、
(A)成分の固体触媒成分は、チタン原子に換算して、
反応容積1当り、通常0.0005〜1mmol/の範囲になる
ような量が用いられ、(B)成分の有機アルミニウム化
合物は、アルミニウム/チタン原子比が、通常1〜300
0、好ましくは40〜800の範囲になるような量が用いられ
る。この原子比が前記範囲を逸脱すると触媒活性が不十
分となる。
本発明方法においては、(A)成分の固体触媒成分と
(B)成分の有機アルミニウム化合物との組合せから成
る触媒系の存在下に、少なくとも1種のα−オレフィン
を重合させることにより、α−オレフィン単独重合体又
は共重合体を製造する。
該α−オレフィンとしては、例えば一般式 R4−CH=CH2 ……(III) (式中のR4は水素原子、炭素数1〜12のアルキル基又は
シクロアルキル基である) で表わされるものが好ましく用いられる。具体的にはエ
チレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキ
セン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、デセン−1、
などの長鎖状モノオレフィン類、4−メチルペンテン−
1まどの分枝モノオレフィン類、あるいはビニルシクロ
ヘキサンなどが挙げられる。これらのα−オレフィンは
1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いても
よい。
本発明における重合形式については特に制限はなく、溶
液重合法、懸濁重合法、気相重合法など、いずれの方式
も用いることができるし、また、連続重合法、非連続重
法のいずれも可能である。特に、効率及び品質上の点か
ら溶液連続重合法及び懸濁連続重合法が好ましい。
さらに、本発明方法における反応条件については、オレ
フィン圧は通常1〜50kg/cm2G、反応温度は、通常20〜2
00℃、好ましくは60〜100℃の範囲で適宜選ばれる。重
合体の分子量の調節は、公知の手段、例えば重合器中の
水素濃度を調製することにより、行うことができる。反
応時間は原料のオレフィンの種類や反応温度によって左
右され、一概に定めることができないが、通常エチレン
の場合で1分間ないし2時間、プロピレンの場合で10分
間ないし10時間程度である。また、触媒成分について
は、(A)成分と(B)成分とを所定の割合で混合し、
接触させたのち、ただちにオレフィンを導入し、重合を
開始してもよいし、接触後0.2〜3時間程度熟成させた
のち、オレフィンを導入してもよい。さらに、この触媒
成分は不活性溶媒やオレフィンなどに懸濁して供給する
ことができる。
本発明においては、重合後の後処理は常法により行うこ
とができる。すなわち、気相重合法においては、重合
後、重合器から導出されるポリマー粉体に、その中に含
まれるオレフィンなどを除くために、窒素気流などを通
過させてもよい。また、所望に応じて押出機よりペレッ
ト化してもよく、その際、触媒を完全に失活させるため
に、少量の水、アルコールなどを添加することもでき
る。また、バルク重合法においては、重合後、重合器か
ら導出させるポリマーから完全にモノマーを分離したの
ち、ペレット化することができる。
次に、本発明の実施態様の1例を、第1図にフローチャ
ートで示す。
[発明の効果] 本発明方法によると、改良されたチーグラー系触媒を用
いることにより、高分子量のアタクチックα−オレフィ
ン単独重合体や共重合体、特に分子量5万〜20万の適度
の高分子量アタクチックポリプロピレンを効率よく製造
することができる。このものは透明弾性フイルムの基材
やポリマー改質剤などとして好適に用いられる。
[実施例] 次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、
本発明はこれらの例によってなんら限定されるものでは
ない。
実施例1 (1)固体成分(イ)の調製 十分に窒素置換した内容積500mlのガラス製三ッ口フラ
スコに、精製ヘプタン20ml、Mg(OEt)24g及びフタリ酸
ジ−n−ブチル1.2gを加え、系内を90℃に保ち、かきま
ぜながらTiCl45mlを滴下したのち、さらにTiCl4110mlを
追加投入して、110℃に昇温し、2時間反応させ、次い
で、80℃の精製ヘプタンで洗浄した。次に、得ら入れた
固相部にTiCl4115mlを加え、110℃でさらに2時間反応
させた。反応終了後、生成物を精製ヘプタン100mlで数
回洗浄し、固体成分(イ)とした。
(2)固体触媒成分(A)の調製 十分に窒素置換した500mlガラス製シュレンク管に、精
製ヘプタン400ml、1−アリル−3,4−ジメトキシベンゼ
ン(ADMB)0.2mmol及び(1)で得られた固体成分0.5g
を加え、25℃にて15分間攪拌した。反応終了後、上澄み
を除去したのち、精製ヘプタン100mlで数回洗浄して、
固体触媒成分(A)とした。
(3)プロピレンの重合 1のステンレス製オートクレーブに、精製ヘプタン40
0ml、AlEt31mmol及び(2)で得られた固体触媒成分5mg
を加え、全圧8kg/cm2、70℃でプロピレンの重合を2時
間行った。その結果を第1表に示す。
実施例2〜11、比較例1、2 実施例1において、固体触媒成分(A)の調製条件を第
1表に示すように変えた以外は、実施例1と同様に実施
した。その結果を第1表に示す。
比較例1、2では、重合体収量が低く、熱ヘプタン可溶
部の割合が少なく、かつその極限粘度(分子量)も小さ
かった。
実施例12、13、比較例3 実施例1において、重合時に第1表に示すように水素を
用いた以外は、実施例1と全く同様にして実施した。そ
の結果を第1表に示す。
実施例14 (1)固体成分(イ)の調製 窒素置換した300ml内容積のガラス製三ッ口フラスコ
に、精製ヘプタン75ml、チタンテトラブトキシド75ml及
び無水塩化マグネシウム10gを加え、フラスコを90℃に
加熱し、2時間を要して塩化マグネシウムを完全に溶解
させた。次にフラスコを40℃まで冷却し、これにメチル
ハイドロジェンポリシロキサン15mlを添加して、塩化マ
グネシウム・チタンブトキシド錯体を析出させた。これ
を精製ヘプタンで洗浄したのち、これに、四塩化ケイ素
8.7mlとフタル酸ジヘプチル1.8mlを添加して50℃で2時
間保持し、次いで精製ヘプタンで洗浄後、さらに四塩化
チタン25mlを加えて、70℃で2時間保持した。次に、こ
れを精製ヘプタンで洗浄して固体成分(イ)を得た。こ
の固体成分のチタン含量は3.0重量%、フタル酸ジヘプ
チル含量は25重量%であった。
(2)固体触媒成分(A)の調製及び(3)プロピレン
の重合 実施例1と全く同様にして実施した。その結果を第1表
に示す。
実施例15 実施例14において、固体触媒成分(A)の調製時に、第
1表に示す量のAlEt3を加えた以外は、実施例14と全く
同様にして実施した。その結果を第1表に示す。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施態様の1例を示すフローチャート
である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)炭化水素溶媒中において、(イ)マ
    グネシウム、4価のチタン、ハロゲン原子及び電子供与
    体を必須成分とする固体成分と、(ロ)一般式 (式中、R1は炭素数1〜20のアルキル基、R2は炭素数1
    〜10の炭化水素基、mは1〜6の整数、nは6−mの整
    数である) で表わされるアルコキシ基含有芳香族化合物とを、
    (ハ)有機アルミニウム化合物の存在下又は不在下に反
    応させて得られる固体触媒成分、及び(B)有機アルミ
    ニウム化合物の組合せから成る触媒系の存在下に、少な
    くとも1種のα−オレフィンを重合させることを特徴と
    するα−オレフィン重合体の製造方法。
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