JPH0774221B2 - 1,1−ジクロロ−1,2,2,2−テトラメチルジシランの製造法 - Google Patents

1,1−ジクロロ−1,2,2,2−テトラメチルジシランの製造法

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JPH0774221B2
JPH0774221B2 JP4637587A JP4637587A JPH0774221B2 JP H0774221 B2 JPH0774221 B2 JP H0774221B2 JP 4637587 A JP4637587 A JP 4637587A JP 4637587 A JP4637587 A JP 4637587A JP H0774221 B2 JPH0774221 B2 JP H0774221B2
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disilane
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tetramethyldisilane
dichloro
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洋一郎 永井
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Yuki Gosei Kogyo Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、非対称形の官能性ジシランである、式[I] Me3SiSiMeCl2 [I] (式中、Meはメチル基を表わす) で示される1,1−ジクロロ−1,2,2,2−テトラメチルジシ
ラン(以下、ジシラン[I]と称する)の製造法に関す
るものであり、更に詳しくは一般式[II] Cl3-lMelSiSiMenCl3-n [II] (式中、Meはメチル基を表わし、lは0,1,2または3、
nは0または1の整数であり、l=0のときn=0、l
=1のときn=0または1、l=2のときn=0または
1、l=3のときn=0である) で示されるクロロジシラン類(以下、ジシラン[II]と
称する)の1種または2種以上の混合物と、一般式[II
I] MeMgX [III] (式中、Meはメチル基を、Xはハロゲン原子を表わす) で示されるハロゲン化メチルマグネシウム(以下、グリ
ニヤール試剤と称する)を反応させることからジシラン
[I]の製造法に関する。
(従来技術) 従来、ジシラン[I]の製造方法としては、モノシラン
を出発原料とする下記の反応式で示される製造法 Ph2SiCl+MeMgX→MePh2SiCl+MgClX…(1) 〔反応式(1),(2),(3)において、Phはフェニ
ル基を、MeおよびXは前記と同一の意味を表わす〕 が、ジャーナル・オブ・オーガノメタリック・ケミスト
リィ(Journal of Organometallic Chemistry),2,478
(1964)により公知であるが、ジシラン[II]の如きク
ロロジシラン骨格構造へメチル基を導入し、ジシラン
[I]のみを選択的に製造する方法は開示されていな
い。
(発明が解決すべき問題点) モノシランを出発原料とする製造法は、反応式(1)〜
(3)で示されるように3段階反応であり、特に反応式
(2)の1,1−ジフェニル−1,2,2,2−テトラメチルジシ
ランを得る工程は、金属Na/Kを用いるクロスカップリン
グ反応であるため、反応式(4)および(5) (反応式(4),(5)においてPhおよびMeは前記と同
一の意味を表わす) の如き副反応が進行し、収率が低下するとともに分離・
精製を必要とするなどの欠点を有している。
(問題を解決するための手段) 本発明者らは、ジシラン[I]を選択的に、かつ好収率
で得る方法について検討した結果、原料としてジシラン
[II]を用い、ジシラン[II]とグリニヤール試剤とを
反応させることで目的を達することを見い出し、本発明
を完成したものである。
本発明のシジラン[I]の製造工程は下記の反応式
(6)で示される。
〔反応式(6)において、Me,lおよびnは前記と同一の
意味を表わし、mは1,2,3または4の整数であり、l+
n=0のときm=4,l+n=1のときm=3,l+n=2の
ときm=2、l+n=3のときm=1を一応の目安とす
ることができる〕 本発明の原料であるジシラン[II]は、塩化メチルと金
属ケイ素とからジクロロジメチルシランを合成する際に
副生するジシラン留分より得られるもので、1,1,2−ト
リクロロ−1,2,2−トリメチルジシラン、1,1,2,2−テト
ラクロロ−1,2−ジメチルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタ
クロロ−2−メチルジシラン、1,1,1,2,2,2−ヘキサク
ロロジシランなどが例示されるが、このほかこれらの混
合物も原料として用いられる。また、グリニヤール試剤
としては、ヨウ化メチルマグネシウム、臭化メチルマグ
ネシウムや塩化メチルマグネシウムのようなハロゲン化
メチルマグネシウムが用いられる。
本発明はジシラン[II]とグリニヤール試剤とを非プロ
トン性溶媒、たとえばn−ヘキサン、テトラヒドロフラ
ン、エチルエーテル、トルエン、ベンゼンなどの溶媒中
で反応させる。反応温度は0〜50℃が好適であり、通常
は1〜12時間で反応は完結するが、これらの反応条件に
限定されない。グリニヤール試剤の使用量はジシラン
[II]のメチル基の数に応じて決定され、メチル基3個
のジシラン[II]1当量にはグリニヤール試剤0.9〜1.1
当量を、メチル基2個のジシラン[II]1当量にはグリ
ニヤール試剤1.8〜2.2当量を、メチル基1個のジシラン
[II]1当量にはグリニヤール試剤2.7〜3.3当量を、メ
チル基を有しないジシラン[II]1当量にはグリニヤー
ル試剤3.6〜4.4当量をそれぞれ反応させる。このさいグ
リニヤール試剤の使用量が過剰のときはシジラン[I]
にさらにメチル基が導入したペンタメチルジシランやヘ
キサメチルジシランを副生し、不足のときは原料のジシ
ラン[II]が反応系に残存し、いずれも収率低下の原因
となる。なお、ジシラン[II]を混合物で用いるとき
も、存在するメチル基の数に応じてグリニヤール試剤の
使用量を決定すればよい。反応終了後、常法の精製法に
より精製し、ジシラン[II]に対して85%以上の収率で
高純度のジシラン[I]が得られる。
(効果) 本発明はジシラン[II]とグリニヤール試剤とを反応さ
せることにより、電気伝導体、フォトレジスト、光情報
記憶材料等としての機能を有するポリシランの中間体と
して有用な化合物であり、1,1−ジクロロジシラン型で
あるジシラン[I]のみを選択的に、かつ好収率で得る
ものである。また、原料であるジシラン[II]は、塩化
メチルと金属ケイ素とからジクロロジメチルシランを合
成する際に10〜20%程度副生するジシラン留分より得ら
れるが、現在このジシラン留分は未利用のまま貯蔵また
は廃棄されており、本発明はかかる未利用資源の有効利
用をはかるものである。
(実施例) 以下、実施例により本発明を説明する。
実施例1 冷却管、滴下ロート、温度計および撹拌機を備えた1
四つ口フラスコに1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリメチ
ルジシラン103.8g(0.5モル)およびエチルエーテル200
gを仕込み、撹拌しながら臭化メチルマグネシウム59.6g
(0.5モル)のエチルエーテル溶液を、反応温度を25〜3
0℃に保ちながら2時間を要して滴下した。滴下終了
後、25〜30℃で更に2時間撹拌を続け、反応を完結させ
た。反応終了後、副生したマグネシウム塩を別し、蒸
留により精製して1,1−ジクロロ−1,2,2,2−テトラメチ
ルジシラン85.2gを得た。収率91%。
沸点:57℃/60mmHg マススペクトル:186(M+) (生成物の同定) 蒸留により精製した反応生成物の少量を水素化アルミニ
ウムリチウムで還元し、還元生成物の1H−NMRスペクト
ル(CCl4)を測定した結果、下記のようにaの水素は確
認されたが、bの水素は確認されなかった。
a:3.1〜3.95ppm(q) b:検出されず 従って、本反応では1,2−ジクロロ−1,1,2,2−テトラメ
チルジシランは生成せず、1,1−ジクロロ−1,2,2,2−テ
トラメチルジシランのみをすこぶる良好な選択性で生成
する。
実施例2 実施例1と同一の装置を用い、ジシラン留分66.4g(0.3
モル)(1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリメチルジシラ
ンと1,1,2,2−テトラクロロ−1,2−ジメチルジシランの
1:2混合物)およびテトラヒドロフラン200gを仕込み、
撹拌しながら塩化メチルマグネシウム37.4g(0.5モル)
のテトラヒドロフラン溶液を、反応温度を25〜35℃に保
ちながら4時間を要して滴下した。滴下終了後、20〜25
℃で2時間撹拌を続け、反応を完結させた。副生したマ
グネシウム塩を別して得た生成物を、実施例1と同様
にして1H−NMRスペクトル(CCl4)を測定した結果、1,
1−ジクロロ−1,2,2,2−テトラメチルジシランと1,2−
ジクロロ−1,1,2,2−テトラメチルジシランの割合は98:
2であり、すこぶる良好な選択性を示した。
次いで蒸留により精製し、1,1−ジクロロ−1,2,2,2−テ
トラメチルジシラン48.3gを得た。
収率86%。
沸点:57℃/60mmHg マススペクトル:186(M+

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式[II] Cl3-lMelSiSiMenCl3-n [II] (式中、Meはメチル基を表わし、lは0,1,2または3、
    nは0または1の整数であり、l=0のときn=0、l
    =1のときn=0または1、l=2のときn=0または
    1、l=3のときn=0である) で示されるクロロジシラン類の1種または2種以上の混
    合物と、 一般式[III] MeMgX [III] (式中、Meはエチル基を、Xはハロゲン原子を表わす)
    で示されるハロゲン化メチルマグネシウムとを反応さ
    せ、式[I] Me3SiSiMeCl2 [I] (式中、Meはメチル基を表わす) で示される1,1−ジクロロ−1,2,2,2−テトラメチルジシ
    ランを製造する方法であって、前記一般式[II]で示さ
    れるクロロジシラン類1当量に対して使用する前記一般
    式[III]のハロゲン化メチルマグネシウムは 前記一般式[II]中のメチル基3個の時:0.9〜1.1当量 前記一般式[II]中のメチル基2個の時:1.8〜2.2当量 前記一般式[II]中のメチル基1個の時:2.7〜3.3当量 前記一般式[II]中のメチル基0個の時:3.6〜4.4当量 という割合で使用することを特徴とする1,1−ジクロロ
    −1,2,2,2−テトラメチルジシランの製造法。
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