JPH077420Y2 - 人体局部洗浄装置の水回路 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案は、人体局部洗浄装置の水回路に関するものであ
り、特に、その凍結防止手段に関するものである。

（従来の技術） 従来の人体局部洗浄装置の水回路は、実公昭56−3416号
公報に開示されているように、水道源と温水タンクとの
間に、順次、電磁開閉弁および流量調整弁が介設されて
おり、水道源からの水圧が温水タンクに供給されたと
き、温水タンク内に貯えられた温水がノズルから噴出さ
れるようになつている。

（考案が解決しようとする問題点） ところが、電磁開閉弁から温水タンクに至る通路は、便
器後側上面に固定されたケーシング内において、便器後
側上面と略平行に設けられており、しかも、この通路
は、非使用時には、閉じられた状態となる。このような
水回路を備える人体局部洗浄装置を寒冷地において使用
した場合、残留水が電磁開閉弁から温水タンクに至る通
路内にて凍結し、この通路は閉塞されてしまい、使用時
に電磁開閉弁を開いても、水道水圧が温水タンクに供給
されないおそれがある。

それ故に、本考案は、残留水の凍結に伴う電磁開閉弁か
ら温水タンクに至る通路の閉塞が惹起されないようにす
ることを、その技術的課題とするものである。

〔考案の構成〕

（問題点を解決するための手段） 上記した技術的課題を解決するために本考案において講
じた技術的手段は、温水タンクに形成され該温水タンク
外に突出する膨出部を有し、前記温水タンクとは別体で
ある電磁開閉弁および流量調整弁を前記膨出部にて前記
温水タンクに固定すると共に、前記流量調整弁と前記温
水タンクとの間の通路を前記温水タンク内を区画して形
成し且つ前記電磁開閉弁と前記流量調整弁との間の通路
を前記膨出部に形成して、前記電磁開閉弁と前記流量調
整弁との間の通路および前記流量調整弁と前記温水タン
クとの間の通路を前記温水タンクに形成した、ことであ
る。

（作用） 上記した技術的手段は、次のように作用する。即ち、温
水タンク内の水は、常時、所定の温度に保持されている
ので、この温水タンクに添設された電磁開閉弁と流量調
整弁との間の通路および流量調整弁と温水タンクとの間
の通路は、温水タンク内の水温よりも若干低い温度にな
る。しかして、この温度は、摂氏０度よりも高いことは
明らかなので、両通路内の残留水が凍結して、当該凍結
に伴い両通路が閉塞されることはない。かくして、従来
の不具合は、解消される。

加えて、電磁開閉弁および流量調整弁は温水タンクとは
別体であることから、電磁開閉弁や流量調整弁の故障時
には故障した弁を温水タンクから取り外して修理或いは
交換することができ、電磁開閉弁および流量調整弁を温
水タンクと一体構成にした場合に比べて電磁開閉弁およ
び流量調整弁の修理、交換が容易である。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を添付図面をもとに説明する。
第１図および第２図において、人体局部洗浄装置Ｔの温
水タンク10の本体11は、その底部12から下方に突出する
膨出部13を備えており、膨出部13を貫通する円筒状部材
14の内部には通路15が画成される。通路15の右側開口15
aには、電磁開閉弁装置16の出口16aが連結されている。
電磁開閉弁装置16の出口16aは、ダイヤフラム16bおよび
補強板16cに形成された中心孔16dを介して室16eと連通
可能となつている。中心孔16dの一方の側は、室16e内に
位置しており、その外周部は弁座16fを構成する。ま
た、出口16aは、ダイヤフラム16bの作動により、室16j
と連通可能となつている。

弁座16fは、弁体16gと対向している。装置Ｔの不使用時
は、弁体16gがスプリング17の付勢力により弁座16f上に
水密的に着座しており、ソレノイド18の非励磁時にはオ
リフイス16hを通じて室16eと室16jとは略同じ水圧とな
り、ダイヤフラム16bは、弁座16fに押しつけられて水密
を保つ。、使用時、弁体16gの外周に装架されたソレノ
イド18が励磁されると、弁体16gがスプリング17の付勢
力に抗して、右方向に移動する。この弁体16gが右方向
に移動するので、中心孔16dは開き、オリフイス16hによ
り、室16eの水圧は室16jの水圧より低くなり、ダイヤフ
ラム16bが右方向に移動して、室16eと室16jとが連通す
る。かくして、水道源18の水圧が、導管19、コネクタ2
0、導管21、室16i、出口16a、通路15、流量制御弁装置2
2の入口22aおよび出口22bならびに通路23を介して、温
水タンク10の入口11aに供給される。

しかして、通路15の左側開口15bには、流量制御弁装置2
2の入口22aが接合されており、また、流量制御弁装置22
の出口22bに連接された通路23は、温水タンク10に添つ
た形で温水タンク10の入口11aに連結されている。流量
制御弁装置22の入口22aと出口22bの間に位置し且つ外縁
に環状弁座25が形成された中心孔26を通過する水の量
は、弁体27の先端部のテーパー面27aと環状弁座25との
間に形成される環状面積によつて決定される。この面積
の変更は、弁体27と一体のハンドル28を操作することに
より行う。

温水タンク10の入口11aに供給された水は、逆Ｌ型の通
路29、バキユウム・ブレーカー30および垂直通路31を介
して、底部12と孔35が多数穿孔された板36との間に圧送
される。この圧送された水圧により、ヒータ37により、
所定の温度に温められていた温水が、通路39を介して、
ノズルシリンダ40に供給される。この温水の作用によ
り、ノズルシリンダ40の移動ノズル41が突出して、その
先端部の孔42から温水が、周知のように人体の局部に向
けて噴射される。

このような構成を有する水回路においては、通路15は、
円筒状部材14を介してではあるが、所定温度に保持され
た温水に包囲されており、また、流量制御弁装置22の出
口22bに連接された通路23は、温水タンク10の通路29を
挟んで所定温度に保持された温水と熱的接触しているの
で、結局、電磁開閉弁装置16から温水タンク10の入口11
aに通路は、常時温められることになり、この中に残留
した水が凍結するようなことは決してなく、従つて残留
水の凍結に伴う通路の閉塞が惹起されるようなことはな
く、また電磁開閉弁、流量調整弁が温水タンクと別体で
あることから、これら弁の保守も容易である。

〔考案の効果〕

従来技術の不具合を解消するためには、電磁開閉弁と流
量調整弁との間の通路および流量調整弁と温水タンクと
の間の通路を別途ヒータで保温するようにしても良い
が、この方策だと装置の複雑化・消費電力の増大を招来
するが、本考案は、これら通路を単に、温水タンクに添
設けるだけで良いので、上に述べたような方策に伴う諸
々の不具合はない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る水回路が適用される人体局部洗浄
装置の断面図および第２図は第１図II−II線に沿う断面
図である。 10:温水タンク、16:電磁開閉弁、22:流量制御弁。

フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−257547（ＪＰ，Ａ) 実開 昭61−2578（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】水道源と温水タンクとの間に、順次、電磁
   開閉弁及び流量調整弁が介設され、前記水道源からの水
   圧が前記温水タンクに供給されたとき、前記温水タンク
   内に蓄えられた温水がノズルから噴出されるようにした
   人体局部洗浄装置の水回路において、前記温水タンクに
   形成され前記温水タンク外に突出する膨出部を有し、前
   記温水タンクとは別体である前記電磁開閉弁および前記
   流量調整弁を前記膨出部にて前記温水タンクに固定する
   と共に、前記流量調整弁と前記温水タンクとの間の通路
   を前記温水タンク内を区画して形成し且つ前記電磁開閉
   弁と前記流量調整弁との間の通路を前記膨出部に形成し
   て、前記電磁開閉弁と前記流量調整弁との間の通路およ
   び前記流量調整弁と前記温水タンクとの間の通路を前記
   温水タンクに形成してなる人体局部洗浄装置の水回路。