JPH0774052A - 固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサの製造方法

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JPH0774052A
JPH0774052A JP23911693A JP23911693A JPH0774052A JP H0774052 A JPH0774052 A JP H0774052A JP 23911693 A JP23911693 A JP 23911693A JP 23911693 A JP23911693 A JP 23911693A JP H0774052 A JPH0774052 A JP H0774052A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 固体電解コンデンサの陽極端子の接続不良を
防止し、漏れ電流特性等を向上し、小形化でき容量を増
加できるようにする。 【構成】 陽極用リード線2を引出だした、弁作用金属
からなる陽極体1に、陽極酸化皮膜4、固体電解質層5
及び陰極層6を順次形成し、外装で被覆した固体電解コ
ンデンサの製造方法において、固体電解質層5を形成す
る前に二軸延伸フッ素樹脂製の平板3を陽極用リード線
2の根本に装着し、前記固体電解質層5を形成する前ま
たは形成時に前記平板3を収縮することを特徴とする固
体電解コンデンサの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は固体電解コンデンサの製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の固体電解コンデンサは、例えば、
次の通りに製造する。先ず、タンタルの微粉末を成形
し、焼結して陽極体とする。この陽極体には一端を陽極
体に挿入し、他端を陽極体から引き出した陽極用リード
線を設ける。次に、陽極用リード線の根本にはフッ素樹
脂製の薄い円形状の平板を装着する。平板を装着後、陽
極体の表面に陽極酸化皮膜、二酸化マンガン等の固体電
解質層、コロイダルカーボン及び銀ペーストからなる陰
極層を順次形成する。そして陰極層には陰極端子を接続
する。また、陽極用リード線には陽極端子を接続する。
さらに、全体を樹脂製の外装で被覆して、固体電解コン
デンサとする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、平板は陽極
用リード線に容易に装着できるよう、その孔径を陽極用
リード線の径よりも多少大きめにしている。このため、
平板と陽極用リード線との間には通常0.01mm程度の
隙間ができる。また、平板は固体電解質層を形成する際
に用いる溶液中で0.05mm程度浮き上がる。そして平
板の装着作業は、陽極酸化皮膜や固体電解質層を形成す
る前に行っている。従って、固体電解質層を形成する際
に、平板と陽極用リード線との間の隙間を通して、固体
電解質が陽極用リード線の先端の方まで付着することが
ある。この場合、陽極端子を陽極用リード線に溶接する
には固体電解質層を介して行なわなければならず、溶接
し難い欠点がある。
【0004】また、漏れ電流(以下LCという)が陽極
端子から固体電解質層に直接流れて増大する欠点があ
る。なお、陽極端子の溶接箇所が固体電解質層に接触し
ていなくても、固体電解質層の近くにある場合には、湿
気が多い雰囲気中では、この湿気により溶接箇所が固体
電解質層まで導通し、同様にLCが増大する欠点があ
る。
【0005】さらに、陽極用リード線は、平板が浮き上
がっても陽極端子に溶接できるように、浮き上がらなか
った場合に必要とする長さよりも、多少長めになってい
る。従って、その分、コンデンサが大形化する欠点があ
り、また、大きさを一定とすれば容量が小さくなる欠点
がある。
【0006】本発明の目的は、以上の欠点を改良し、陽
極端子の接続不良を防止し、LC等の特性を向上でき、
小形化あるいは容量を増加できる固体電解コンデンサの
製造方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、上記
の目的を達成するために、陽極用リード線を引き出し
た、弁作用金属からなる陽極体に、陽極酸化皮膜、固体
電解質層及び陰極層を順次形成し、外装で被覆した固体
電解コンデンサの製造方法において、固体電解質層を形
成する前に二軸延伸フッ素樹脂製の平板を陽極用リード
線の根本に装着し、前記固体電解質層を形成する前また
は形成時に前記平板を収縮することを特徴とする固体電
解コンデンサの製造方法を提供するものである。
【0008】また、請求項2の発明は、陽極体側の面を
親水性にした平板を有する請求項1記載の固体電解コン
デンサの製造方法を提供するものである。
【0009】平板の装着は、固体電解質層を形成する
前、特に陽極酸化皮膜を形成する前に行なう方が、その
作業が容易になり、より好ましい。
【0010】また、平板を装着後に収縮するには加熱す
る。この加熱処理は、固体電解質層を形成する前に行な
う場合には別の工程として行う方が好ましい。そして固
体電解質層を形成する際に行う場合には、固体電解質層
の形成時の加熱処理を用いればよい。なお、加熱処理
は、固体電解質層を形成する前であればよく陽極酸化皮
膜を形成する前に行ってもよい。しかし、陽極酸化皮膜
を形成した後に加熱処理する方が、平板と陽極体の表面
との間に化成液が入り易く、陽極酸化皮膜処理時間が短
くなりより好ましい。なお、化成液を入り易くするため
に、平板の陽極体側の面を粗面化したり凹凸状にしても
よい。
【0011】そして平板の陽極体側の面を親水性とする
には、例えば、平板に加工する前の二軸延伸フッ素樹脂
製シートを金属ナトリウムの融液面に所定時間置き、そ
の後水洗する。あるいはこのシートを酸素プラズマ中に
曝せばよい。
【0012】また、平板の厚さは、最大150μm程度
が好ましく、これより厚くなると二軸延伸作業が困難に
なり、加熱しても収縮し難くなる。そのため、固体電解
質の這い上がりを防止する効果が低くなり好ましくな
い。
【0013】
【作用】固体電解質層を形成する前あるいは形成時に、
二軸延伸フッ素樹脂製の平板を陽極用リード線の根本に
装着し、収縮に取り付けている。そのため、平板は陽極
用リード線に密着し、陽極用リード線との間に隙間がな
くなる。また、固体電解質層の形成時に、陽極体を溶液
中に浸漬しても、平板は浮き上がらなくなる。従って、
固体電解質は平板に遮られて陽極用リード線に這い上が
らなくなる。
【0014】それ故、陽極用リード線に陽極端子を溶接
する際に、固体電解質層に妨げられることがなくなり、
その作業が容易になる。また、LC特性等も向上でき
る。さらに、陽極用リード線を平板の浮き上がりを考慮
することなくその長さを設定でき、従って短かくできる
ため、コンデンサを小型化したり、同一の大きさであれ
ばその容量を大きくできる。
【0015】また、平板の陽極体側の面を親水性にする
と、固体電解質層を形成する際に陽極体を溶液中に浸漬
した場合、平板が浮き上がり難くなる。そのため、固体
電解質層が陽極用リード線に這い上がるのをより効果的
に防止できる。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する先
ず、タンタルの微粉末を、長さ3.6mm、厚さ2.05
mm、幅3.37mmの角形に成形し、焼結して陽極体1を
形成する。この際、陽極体1には、タンタル製の陽極用
リード線2の一端を挿入し、他端を引き出しておく。次
に、二軸延伸フッ素樹脂製のテープに陽極用リード線2
を挿入するための孔を開け、円形状に打ち抜く。そして
この打ち抜いた円形状の平板3を陽極用リード線2の根
本に装着する。平板3を装着後、陽極体1を化成液中に
浸漬して陽極酸化処理して誘電体皮膜4を形成する。誘
電体皮膜4を形成後、平板3を陽極体1の表面に密着さ
せ、温度150℃で加熱して収縮させる。平板3を収縮
させた後、通常の方法で、二酸化マンガンからなる固体
電解質層5を形成する。固体電解質層5を形成した後、
コロイダルカーボン及び銀ペーストを順次塗布して陰極
層6を形成する。陰極層6を形成後、陽極用リード線2
を陽極端子となるリードフレーム上に溶接するととも
に、陰極層6を陰極端子となるリードフレーム上に半田
付けする。その後、モールド法により樹脂製の外装を形
成し、リードフレームを切断して固体電解コンデンサと
する。
【0017】次に、上記の製造工程において平板3の厚
さを75μmとし、陽極体1側の面を親水性にした実施
例と、比較例1及び2とについて、平板の浮き上がりに
よる不良発生率(以下浮き上がり不良率という)及び固
体電解質這い上がりによる不良発生率(以下這い上がり
不良率という)を求めた。なお、比較例1は実施例にお
いて平板が無延伸のフッ素樹脂製である以外は同一の条
件とする。そして比較例2は実施例において平板が一軸
延伸のフッ素樹脂製である以外は同一の条件とする。ま
た、浮き上がり不良率は固体電解質層を形成後に肉眼で
見て平板が陽極体から浮き上がっている場合とする。そ
して這い上がり不良率は、固体電解質層形成後に、肉眼
で見て固体電解質層が平板の上まで陽極用リード線表面
に形成された場合とする。なお試料数は各々20000
個とする。測定結果は表1に示した。
【0018】
【表1】
【0019】表1から明らかな通り、本発明の実施例に
よれば、浮き上がり不良率及び這い上がり不良率とも、
0.000%であった。これに対して、比較例1は前者
が0.007%、後者が0.013%でありそして比較
例2は前者が0.003%、後者が0.009%であっ
た。
【0020】さらに、平板を厚さ50μmとし、陽極体
側の面を親水性とし反対面を撥水性とした実施例1と、
同じ厚さの平板で両面とも撥水性とした実施例2とにつ
いて、浮き上がり不良率と這い上がり不良率を測定し
た。試料数は各々20000個とする。測定結果は表2
に示した。
【0021】
【表2】
【0022】表2から明らかな通り、実施例1は浮き上
がり不良率及び這い上がり不良率とも0.000%であ
った。しかし、実施例2は前者が0.002%であっ
た。このことから、平板の陽極体側の面を親水性とする
方がより効果的に浮き上がりを防止できることが明らか
である。
【0023】
【発明の効果】以上の通り、請求項1の発明の製造方法
によれば、固体電解質層を形成する前に二軸延伸フッ素
樹脂製の平板を陽極用リード線の根本に装着し、収縮し
て取り付けているため、固体電解質の這い上がりを防止
でき、陽極端子の接続不良を防止し、LC等の特性を向
上でき、小型化、容量の増加ができる固体電解コンデン
サが得られる。
【0024】また、請求項2の発明の製造方法によれ
ば、二軸延伸フッ素樹脂製の平板の陽極体側の面を親水
性にしているため、平板の浮き上がりをより効果的に防
止でき、特性を向上できるとともに小形化や容量の増加
に優れた固体電解コンデンサが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例により陽極体に陰極層まで形成
した状態の断面図を示す。
【符号の説明】
1…陽極体、 2…陽極用リード線、 3…平板、 4
…陽極酸化皮膜、5…固体電解質層、 6…陰極層。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極用リード線を引き出した、弁作用金
    属からなる陽極体に、陽極酸化皮膜、固体電解質層及び
    陰極層を順次形成し、外装で被覆した固体電解コンデン
    サの製造方法において、固体電解質層を形成する前に二
    軸延伸フッ素樹脂製の平板を陽極用リード線の根本に装
    着し、前記固体電解質層を形成する前または形成時に前
    記平板を収縮することを特徴とする固体電解コンデンサ
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 陽極体側の面を親水性にした平板を有す
    る請求項1記載の固体電解コンデンサの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100455940B1 (ko) * 2002-07-24 2004-11-06 삼화전기주식회사 고체전해캐피시터의 제조방법
JP2009038090A (ja) * 2007-07-31 2009-02-19 Nichicon Corp チップ状固体電解コンデンサ

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