JPH077351Y2 - チャック付網状体並びに不織体 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、チャック付袋体等のチャック付製品を成形す
るための網状体並びに不織体に関するものである。

〈従来の技術〉 各種の物品を包装するチャック付袋体は、合成樹脂フィ
ルムよりなる袋体の開口部に雌雄爪型のチャックを設け
たものが周知である。

〈考案が解決しようとする課題〉 上記従来のチャック付袋体は、内容物を気密的に包装
し、開口部のチャックによって再開閉機能を持たせたこ
とが主眼である。

しかしながら、内容物によっては通気を必要とするもの
があり、このような内容物を包装するには袋体に穴を明
けることになるが、穴明き袋体では穴の部位より破断し
強度的に難点がある。従って、通気性を必要とするもの
にあってはネット状の袋体が一般に用いられている。こ
の場合、袋体の開口部はヒモ等によって結縛していて、
チャックのように容易な再開閉はできない。

そこで、ネット状の袋体の開口部にチャックを熱溶着手
段により溶着することも考えられるが、この場合、ネッ
トが熱収縮を起し、チャックがねじれたり歪んだりして
チャックの咬合機能を損い実用的にはならない。

また、ホットメルト等の接着剤をチャックの基部に塗布
してネットに接着すれば、前記熱収縮を防止することが
できるが、接着面積はネットのヤーン一本一本に対する
部分的であり、かつ表面接着であるため接着強度が弱
く、従って、チャック開脱のために引張ったときには接
着が剥離する。逆に接着力を強くした場合には、ネット
のヤーンに引張力が集中して破断する欠点があり、従来
ではネット状の袋体にチャックを備えたものは存在して
いない。

〈課題を解決するための手段〉 本考案は、上記従来の課題に鑑みてなされたもので、そ
の特徴とする構成は、延伸樹脂フィルム或いはシートか
ら加工されたスリットヤーン或いはスリットヤーンによ
って成形した網状体又は不織体の所定個所に２条の無延
伸樹脂フィルムのテープを平行して超音波或いは高周波
等のマイクロ波接着手段により接着し、このテープ層に
雌雄爪型樹脂製のチャック条のそれぞれを熱接着手段に
より溶着したものである。

〈作用〉 本考案は上記の構成により、テープは網状体或いは不織
体を熱収縮することなく接着され、また、このテープ層
にチャック条を熱溶着する溶着熱はテープのフィルム層
で分散放熱して網状体或いは不織体には伝導されない。
さらに、チャック条の開脱の際の引張力もテープによっ
て荷重分散し、網状体或いは不織体に加わる引張荷重を
極度に減少する。

〈実施例〉 以下本考案の実施例を図面に基づいて説明する。第１図
において、１は網状体である。この網状体１は、延伸樹
脂フィルム或いはシートから加工されたスリットヤーン
或いはスプリットヤーンを素材とし、これを縦ヤーン並
びに横ヤーンに組み合わせたものである。２は縦スリッ
トヤーンであり、３は横スリットヤーンである。尚、網
状体１に代えて不織体でもよい。

さらに、網状体１の所定個所（図示は両端）に２条の無
延伸樹脂フィルムのテープ４を平行して超音波或いは高
周波等のマイクロ波接着手段により接着し、一方のテー
プ４層に樹脂製の雄爪チャック条５の基部5aを。また他
方のテープ４層に雌爪チャック条６の基部6aを熱溶着手
段によって溶着したものである。

第２図は網状の袋体を形成する場合を示すもので、第１
図において、雄、雌爪チャック条５、６間の中央部０−
０で網状体１を二つ折りに折り曲げ、雄、雌爪チャック
条５、６が咬合可能とする。

本考案は上記の通りの構造であるから、無延伸樹脂フィ
ルムのテープ４は網状体１（或いは不織体）にマイクロ
波接着手段により接着されるため、網状体１が熱収縮す
ることはない。

また、このテープ４の層上に押出機より押出された溶融
状態の雄雌爪チャック条５、６の基部5a、6aを溶融熱に
て溶着したり、或いは別工程により成形済みの雄雌爪チ
ャック条５、６の基部5a、6aを加熱板などにより熱溶着
しても、その溶着熱はテープ４の層に吸収分散して速や
かに放熱し、網状体１には波及されず網状体１が熱収縮
を起こすことがない。

〈考案の効果〉 以上のように本考案によると、延伸樹脂フィルム或いは
シートから加工されたスリットヤーン或いはスプリット
ヤーンによる網状体又は不織体に予め無延伸樹脂フィル
ムによるテープをマイクロ波接着手段により接着し、こ
のテープ層に雄雌爪チャック条の基部を熱溶着した構成
であるから、網状体又は不織体は熱収縮することがな
く、チャック条のねじれや歪み等による変形が防止され
るため、通気性のある網状体又は不織体によるチャック
付の袋体その他の製品が得られる。

また、チャック条の開脱の際の引張力はテープによって
分散され、網状体又は不織体に直接集中して加わること
がないので、網状体又は不織体の破損が防止される。

さらに、テープを広幅とすることにより、袋体とした場
合には、テープは開口部のつまみ部となり、チャック条
の開脱を円滑に行うことができ、このときの引張力によ
る網状体の伸延を防止することにもなる等の格別な効果
を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の斜視図、第２図は二つ折りした状態の
斜視図である。 １…網状体、２…縦スリットヤーン、３…横スリットヤ
ーン、４…テープ、５…雄爪チャック条、5a…基部、６
…雌爪チャック条、6a…基部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】延伸樹脂フィルム或いはシートから加工さ
   れたスリットヤーン或いはスプリットヤーンによって成
   形した網状体又は不織体の所定個所に２条の無延伸樹脂
   フィルムのテープを平行して超音波或いは高周波等のマ
   イクロ波接着手段により接着し、このテープ層に雌雄爪
   型樹脂製のチャック条のそれぞれを熱接着手段により溶
   着したことを特徴とするチャック付網状体並びに不織
   体。