JPH0773481A - トラッキングサーボ装置 - Google Patents

トラッキングサーボ装置

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JPH0773481A
JPH0773481A JP21675793A JP21675793A JPH0773481A JP H0773481 A JPH0773481 A JP H0773481A JP 21675793 A JP21675793 A JP 21675793A JP 21675793 A JP21675793 A JP 21675793A JP H0773481 A JPH0773481 A JP H0773481A
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JP21675793A
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Shigeaki Wachi
滋明 和智
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 いわゆる1スポットプッシュプル方式で従来
からのROMメディアも安定にトラッキングサーボがか
けることができるトラッキングサーボ装置の提供を目的
とする。 【構成】 上記光記録媒体からの戻り光を対物レンズ1
6を介して2分割光検出素子15で受光させる。この2
分割光検出素子15は、上記対物レンズ16の焦点位置
より後方位置に配して戻り光を検出し、2分割光検出素
子15は、それぞれの検出信号を差動アンプ21に供給
する。差動アンプ21の出力を基にトラッキングサーボ
回路23はアクチュエータをトラッキング制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ディスクや光磁気デ
ィスク等の記録媒体に対してレーザビームの照射光/戻
り光の検出を行うピックアップのトラッキング動作の制
御を行うトラッキングサーボ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光ディスクや光磁気ディスク等の光記録
媒体において、トラッキング用の案内溝の間のランド部
にデータが記録されるランド記録領域を有する光記録媒
体と、データがピットの形態で記録されたピット記録領
域を有する光記録媒体、あるいはこれらの両者を有する
ものが知られている。
【0003】すなわち、図6は、トラッキング用の案内
溝101の間のランド部102にデータが記録されるタ
イプの光記録媒体100を示しており、図中のAは平面
図、Bは断面図をそれぞれ示している。このような光記
録媒体100の具体例としては、例えば光磁気(MO)
ディスク等のいわゆるRAMメディアが挙げられ、デー
タの記録/再生時には、レーザビームLBの中心の矢印
R方向(トラッキング方向)の位置を記録トラックであ
るランド部102の中心(いわゆるトラックセンタ)T
Cに一致させるようなトラッキング制御を施しながら、
レーザビームLBを記録トラック方向(矢印T方向)に
走査している。ディスク(円盤)状記録媒体の場合に
は、上記トラッキング方向Rがディスク径方向(いわゆ
るラジアル方向)に、トラック方向Tがディスク回転接
線方向(いわゆるタンジェンシャル方向)にそれぞれ対
応している。
【0004】また、図7は、データがピット111の形
態で記録されるタイプの光記録媒体110を示してお
り、図中のAは平面図、Bは断面図をそれぞれ示してい
る。このような光記録媒体110の具体例としては、例
えば光ディスク等のいわゆるROMメディアが挙げら
れ、データの再生時には、レーザビームLBの中心の矢
印R方向(トラッキング方向)の位置を記録トラック上
のピット111の中心(いわゆるトラックセンタ)TC
に一致させるようなトラッキング制御(トラッキングサ
ーボ制御)を施しながら、レーザビームLBを記録トラ
ック方向(矢印T方向)に走査している。ディスク状記
録媒体の場合には、上記トラッキング方向Rがディスク
径方向(いわゆるラジアル方向)に、トラック方向Tが
ディスク回転接線方向(いわゆるタンジェンシャル方
向)にそれぞれ対応している。
【0005】上記トラッキングサーボ制御は、記録トラ
ックに対するレーザビームスポットの位置ずれ(いわゆ
るトラッキングエラー)を検出し、このトラッキングエ
ラーが0となるようにレーザビームスポット位置を移動
させることにより行われる。このトラッキングエラー検
出方法の一つとして、いわゆるプッシュプル法が知られ
ている。このプッシュプル法は、一般に、光記録媒体で
反射された戻り光を2分割された光検出素子(フォトデ
ィテクタ)に入射させ、各分割受光部からの信号の差分
をとることにより、上記トラッキングエラーを得るもの
である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、対物レンズ
のみを光軸に対して直交する方向に移動させてトラッキ
ングする場合、例えばいわゆる2軸デバイスを用いる場
合に、上記プッシュプル法を用いてトラッキングエラー
検出を行う際に、図8に示すように、光記録媒体120
に対向して配置される対物レンズ124の移動に応じて
2分割光検出素子(フォトディテクタ)125上でもビ
ームスポットが動いてしまい、トラッキングエラー信号
に直流オフセットが現れることになる。すなわち、図8
において、対物レンズ124がΔxだけ動いたときは、
ビーム中心は光強度が大きいので受光部125Bでは検
出光量が増加し、受光部125Aでは光量が減少する。
これらの受光部125A、125Bからの検出信号が差
動アンプ(減算器)126に送られ、差分がとられるこ
とにより、トラッキングエラー信号に上記光軸ずれによ
る直流オフセットが重畳されることになる。
【0007】このような直流オフセットを除去するため
に、種々の方法が考えられており、その一例として、本
件出願人は、特開昭61−94246号公報において、
光学ヘッドのトラッキング誤差検出方式を提案してい
る。この技術においては、一対のビームを対物レンズを
介して光学式記録媒体に対し、そのトラックピッチの略
々1/2の奇数倍の間隔を以って照射せしめ、上記光学
式記録媒体よりの一対の出射ビームをそれぞれ一対の2
分割光検出素子に入射せしめ、該一対の2分割光検出素
子よりの各両検出出力の各差出力の差からトラッキング
誤差信号を得るようにしている。このように構成するこ
とにより、直流変動(直流オフセット)をほとんど含ま
れないトラッキング誤差信号(トラッキングエラー信
号)を得ることができる。しかしながら、光記録媒体上
に例えば3ビームスポットを照射する必要があり、発光
手段であるレーザダイオード等への負担が大きく、レー
ザダイオード等のハイパワー化が必要になる等の改善す
べき点が残存している。この3ビームスポットを照射す
る方式は、ROMメディアに対するトラッキングサーボ
制御方式として現在、用いられている。このROMメデ
ィアとしては、例えば上述したように、いわゆるROM
タイプのコンパクトディスク(以下、CD−ROMとい
う)が挙げられ、光ビーム波長をλとすると、ピット記
録におけるピットの深さは、例えばλ/6に設定されて
いる。
【0008】ここで、実際、トラッキングサーボを1ス
ポットのプッシュプル法で安定に動作させるための装置
構成としては、例えば対物レンズと2分割光検出素子を
含めた光検出器全体を同時に移動させる一体駆動型の光
学ピックアップがいわゆるROMメディアに対して使用
されていた。ところで、この一体駆動型の光学ピックア
ップは、一体構成をしているため、重量がかなりあって
重い。これにより、この光学ピックアップを高速にシー
クさせることができない。
【0009】また、直流オフセット除去の他の例とし
て、本件発明者は、特開平1−143086号におい
て、光記録媒体に設けられているミラー面からの反射光
を2分割ディテクタで検出することにより対物レンズの
変位量を検出し、この変位量に応じて粗アクチュエータ
であるスレッド送りモータを駆動制御するようにした記
録/再生光ディスクのトラックシーク方式を提案してい
る。
【0010】このトラックシーク方式においては、記録
/再生光ディスク(RAMメディア)に対峙して半径方
向に移動する光学ヘッドを粗アクチュエータに搭載され
ている密アクチュエータによって構成し、目標のトラッ
クをシークする際には前記密アクチュエータに所定数の
トラックをトラバースするジャンプ信号を供給すると共
に、前記密アクチュエータの変位位置を検出した信号を
積分して前記粗アクチュエータに供給し前記密アクチュ
エータに追従して前記密アクチュエータを移動させるよ
うにしている。
【0011】ここで、後者のトラックシーク方式を用い
て、ランド記録が行われる光記録媒体でもピット記録が
行われる光記録媒体でもあるいは両者の記録を有する光
記録媒体のトラッキングサーボを一つの回路構成で行う
ためには、記録媒体のフォーマットとして光ビーム波長
をλ、光記録媒体の基板の屈折率nとすると、ランド記
録における案内溝dg は、 0<dg <λ/4n の範囲内に設定し、ピット記録におけるデータピットの
深さdp は、 λ/4n<dp <λ/2n の範囲内に設定することが好ましいことが知られてい
る。
【0012】しかしながら、前述したように従来のRO
Mメディアの光ディスクでは、データピットの深さdp
がλ/6を最適な設定として作られている。このため、
従来のROMメディアは、このトラックシーク方式に対
するデータピットの深さの値が所定の値の範囲外と異な
ることから適用できない。この異なる設定値を何等考慮
せずに従来からのフォーマットのROMメディアをこの
トラックシーク方式に適用した場合、現象としては、上
記密アクチュエータの変位位置(ポジション)信号がト
ラッキングエラー信号のレベルを越えたときには、上記
ポジション信号とトラッキングエラー信号との位相を管
理しないと、2軸デバイスの対物レンズ等が一方向へは
りつくような不安定な現象が生じることがあり、好まし
くない。これは、溝間のランド部に対してトラッキング
する場合と、ピットに対してトラッキングする場合と
で、上記2分割ディテクタからの各部信号の差分出力の
極性と上記トラッキングずれの向きとの関係が反転す
る、すなわち180゜異なることが原因と考えられる。
【0013】そこで、本発明は、上述したような実情に
鑑みてなされたものであり、いわゆる1スポットプッシ
ュプル方式で従来からのROMメディアも安定にトラッ
キングサーボがかけることができるトラッキングサーボ
装置の提供を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係るトラッキン
グサーボ装置は、データがピットの形態で記録されたピ
ット記録領域が記録される光記録媒体に対するビームス
ポットのトラッキングを制御するトラッキングサーボ装
置において、上記光記録媒体からの戻り光を対物レンズ
を介して受光する2分割光検出素子と、この2分割光検
出素子の各受光部からの検出信号の差をトラッキングエ
ラー信号として取り出す差信号検出手段とを有し、上記
2分割光検出素子は、上記対物レンズが集光する焦点の
後の位置に配置することを特徴としている。
【0015】ここで、上記微アクチュエータは、光学系
の対物レンズを記録媒体のトラック方向に対して直交す
る方向に移動させてビームスポットをトラッキング制御
し、さらに、微アクチュエータとしては、ガルバノミラ
ーを駆動させてビームスポットをトラッキング制御す
る。上記光記録媒体は、フォーマットとしてピットの深
さが、ビームの波長をλ、基板の屈折率をnとすると、
最適な深さとしてλ/6nを中心にλ/8n〜λ/4n
の範囲内の光記録媒体に適用することができる。
【0016】
【作用】本発明に係るトラッキングサーボ装置では、ピ
ットに対してトラッキングする従来からのフォーマット
からなるROMメディアを使用する場合でも、対物レン
ズが集光する焦点の後の位置に2分割光検出素子を配置
することにより、記録トラック中心近傍でのトラッキン
グずれの向きに応じたトラッキングエラー信号の極性
と、光ビームスポットのトラックに直交する方向の移動
位置に応じたトラッキングエラー信号の極性とが一致す
るため、安定したトラッキングサーボが可能となる。
【0017】
【実施例】以下、本発明に係るトラッキングサーボ装置
の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0018】ここで、データがピットの形態で記録され
たピット記録領域が記録される光記録媒体として、例え
ばいわゆるコンパクトディスク(以下、単にCDとい
う)やいわゆるCD−ROMと呼ばれるROMメディア
に対するトラッキングサーボをかけることについて説明
する。本発明に係るトラッキングサーボ装置は、図1に
示すように、光記録媒体としてのROMメディアDから
の戻り光を対物レンズ16を介して受光する2分割光検
出素子15と、この2分割光検出素子15の各受光部
A、Bからの検出信号の差をプッシュプル信号として取
り出す差信号検出手段としての差動アンプ21とを有し
ている。
【0019】レーザダイオード12から出射されたレー
ザビーム13は、ビームスプリッタ14を介して2軸デ
バイス11の有限光学系の対物レンズ16を介して、デ
ィスク状記録媒体Dに照射される。ディスク状記録媒体
Dの記録面からの反射光は、対物レンズ16を介してビ
ームスプリッタ14に入射されて反射され、上記対物レ
ンズ16の焦点Fの後方位置に配された2分割光検出素
子15にて受光される。2分割光検出素子15の各受光
部A、Bからの検出信号は差動アンプ(減算器)21に
送られてこれらの差信号、いわゆるプッシュプル信号が
トラッキングエラー信号として取り出され、例えばジャ
ンプ制御回路22を介してトラッキングサーボ回路23
に送る。このトラッキングサーボ回路23からのサーボ
制御信号は、上記微動アクチュエータである2軸デバイ
ス21の例えばトラッキング制御コイルに送られる。
【0020】スレッド送りサーボ回路25には、トラッ
キングサーボ回路23からのサーボ制御信号が、LPF
(ローパスフィルタ)24により積分されて供給されて
いる。スレッド送りサーボ回路25からの出力信号は、
粗動アクチュエータであるスレッド送りモータ(図示せ
ず)等に送られる。
【0021】ここで、前述したように、対物レンズ16
(図8の124)がトラックジャンプ等により光軸から
外れた位置に移動すると、ディスク状記録媒体Dからの
戻り光の2分割光検出素子出力(プッシュプル信号、ト
ラッキングエラー信号)には、ピットの回折光による記
録トラックに対するトラッキングずれ量としての信号成
分(オフセット成分)とが重畳されていることになる
が、光スポットがディスク状記録媒体Dのミラー部(図
示せず)にあるときには上記トラッキングずれ成分は出
力されず、上記差動アンプ(減算器)21からは対物レ
ンズ16の変位を示すオフセット成分のみが出力され
る。例えば、上記ミラー面を検出した際のミラー検出パ
ルスが出力されたときのタイミングで差動アンプ21か
らの出力信号をサンプリングし、所定の時定数で積分す
ると、この積分値は対物レンズ16の変位量を示すこと
になり、この信号をスレッド送りサーボ回路25に供給
すると、粗動アクチュエータであるスレッド送りモータ
等(図示せず)が光学ヘッド10を対物レンズ16の光
軸のずれを補正する(オフセットキャンセルする)方向
に移動させることができる。
【0022】したがって、ディスク状記録媒体における
ROMメディアのを用いた場合でも、このような1スポ
ット方式のプッシュプル方式からなる回路構成にするこ
とにより、実際に微動(密)アクチュエータを移動させ
てトラックジャンプ等を行わせると、対物レンズが変位
した後、直ちに粗動アクチュエータが追従して移動し、
トラッキングエラー信号に含まれるオフセット成分を除
去するように動作する。このとき、記録トラックの中心
近傍のトラックずれの向きに応じた上記トラッキングエ
ラー信号中のずれ成分の極性と、光ビームスポットのト
ラックに直交する方向の移動の向きに応じた上記トラッ
キングエラー信号中のオフセット成分の極性との関係を
一致させることができ、安定したサーボ動作が可能とな
る。
【0023】つぎに、一般に溝(グルーブ)あるいはピ
ットに対してレーザビームが照射されたときの反射光に
ついて図2を参照しながら説明する。この図2に示す光
記録媒体30において、トラックピッチをα、溝(ある
いはピット)31の幅をβとするとき、照射光スポット
がトラックピッチα程度となるとき、溝(あるいはピッ
ト)31はいわゆる回折格子のように見える。このた
め、0次回折光DF0 と1次(+1次と−1次)の回折
光DF+1、DF-1とが重なる領域では、トラックずれに
よる干渉効果によって反射ビームスポットの強度分布が
変化することになる。この干渉による光強度分布の変化
を対物レンズ34を介して、2分割された光検出素子
(フォトディテクタ)35に導き、各受光部35A、3
5Bからの光検出信号を差動アンプ(減算器)36に送
って差分をとることにより、トラッキングエラー信号を
取り出すことができる。また、各受光部35A、35B
からの光検出信号を加算(加算器)アンプ37に送って
加算することにより、和信号、いわゆるRF出力信号を
得ることができる。
【0024】この図2において、光ビームと光記録媒体
30とが相対的にトラッキング方向である矢印R方向
(トラック延長方向である矢印T方向に対して直交する
方向)に移動するときに、光検出素子35の一方の受光
部35Aからの0次と+1次の光束の検出信号I
0、+1(t)とは、 I0、+1(t)=A0 2+A1 2+2A0 1 cos(φ10+2π
νt) I0、-1(t)=A0 2+A1 2+2A0 1 cos(φ10−2π
νt) のように表される。ここで、A0 は0次光振幅、A1
1次光振幅、φ10は0次−1次間の位相差、2πνtは
媒体と光スポット間の位置ずれによる位相をそれぞれ示
している。また、時刻tは溝(あるいはピット)31間
の中央位置(ランド部の中心)のタイミングをt=0と
している。
【0025】従って、上記差動アンプ(減算器)36か
らの差信号(いわゆるプッシュプル信号)Ippは、 Ipp=I0、+1(t)−I0、-1(t) =2A0 1 (cos(φ10+2πνt)−cos(φ10−2πνt)) =4A0 1 sinφ10 sin2πνt となる。このプッシュプル信号Ippはトラッキングエラ
ー信号でもある。また、上記加算アンプ(加算器)37
からの和信号(いわゆるRF信号)IRFは、 IRF=I0、+1(t)+I0、-1(t) =2A0 2+2A1 2+4A0 1 cosφ10 cos2πνt となる。
【0026】いま、上記トラックピッチαに対する溝
(あるいはピッチ)31の幅βの比率をs(=β/α)
とするとき、上記溝31の深さdに対する上記0次−1
次間位相差φ10の関係は、いわゆるホプキンス理論によ
り、図3のように表される。この図3では、s=1/
3、s=1/2、s=2/3の例を示している。
【0027】この図3から明らかなように、上記プッシ
ュプル信号(トラッキングエラー信号)Ippの極性は、
sin φ10の極性に応じて反転されるため、0〜λ/4n
の範囲と、λ/4n〜λ/2nの範囲とで互いに逆の極
性となる。すなわち、例えばs(=β/α)=1/3の
とき、0〜λ/4nの範囲では、sin φ10が正極性とな
り、λ/4n〜λ/2nの範囲では、sin φ10が負極性
となる。
【0028】ところで、従来からのROMメディアであ
るいわゆるコンパクトディスク(以下、CDという)や
CD−ROMは、前述したように、ピット記録の光記録
媒体である。このピット記録の光記録媒体は、ビームの
波長をλ、基板の屈折率をnとすると、ピットの深さd
p を0〜λ/4nの範囲内に設定し、最適なピット深さ
としてλ/6nに設定している。記録トラック(中心を
TCで示している)上にデータがピットPi(溝31)
の形態で記録形成されている。この範囲内にピット記録
の光記録媒体のピット深さを設定し、光記録媒体からの
戻り光を対物レンズ16の焦点の前位置、例えば図1の
位置DA で受光させると、λ/6nのとき、いずれもト
ラック中心(上記TC)からの対物レンズのずれによる
前記直流オフセットの極性は同じ関係となるが、トラッ
クずれの向きに対する上記プッシュプル信号Ippの極性
(あるいは傾き)と、トラックセンタTC近傍でのトラ
ッキングずれによるエラー成分の極性(あるいは傾き)
との関係は例えば図4に示すように、逆極性の関係にな
る。このように図4は、例えば上記ピット記録媒体から
の戻り光を検出する2分割光検出素子15を対物レンズ
の焦点Fの前方位置DA に配した場合、対物レンズによ
るビームスポットの移動(図4のA)と上記プッシュプ
ル信号(トラッキングエラー信号)Ipp(図4のB)と
の関係を示している。
【0029】具体的に述べると図4に示すように、対物
レンズの移動によるビームスポットの移動位置に応じた
オフセット成分の極性(あるいは傾き)が、正のとき、
プッシュプル信号Ippの極性(あるいは傾き)が負極性
となる。また、オフセット成分の極性(あるいは傾き)
が、負のとき、プッシュプル信号Ippの極性(あるいは
傾き)が正極性となる(図4を参照)。このような対物
レンズの移動によるオフセット成分の向きとトラッキン
グエラーの向きの不一致は、トラッキングサーボ系の動
作を不安定にしてしまう。
【0030】これに対して図5は、例えば上記ピット記
録媒体からの戻り光を検出する2分割光検出素子15を
対物レンズの焦点Fの後方位置DB に配した場合、対物
レンズによるビームスポットの移動(図5のA)と上記
プッシュプル信号(トラッキングエラー信号)Ipp(図
5のB)との関係を示している。すなわち、上記ピット
記録タイプの記録媒体には、記録トラック(中心をTC
で示している)上にデータがピットPi(溝31)の形
態で記録形成されており、このデータピットPi(溝3
1)の深さdp は、上述したように0〜λ/4nの範囲
内、例えばλ/6nに設定している。この場合には、上
記sin φ10が正極性となるため、ピットPi(溝31)
の中心であるトラックセンタTC近傍でのトラッキング
ずれの向きに応じたプッシュプル信号Ippの極性と、ビ
ームスポットの移動方向に応じたプッシュプル信号Ipp
の極性との関係が同じになる。
【0031】すなわち、図5においてトラックセンタT
C近傍のプッシュプル信号Ippは、トラッキングずれの
向きが図中上方のとき正側に、図中下方のとき負側にそ
れぞれ現れている。また、トラックと直交する方向(矢
印R方向)にビームスポットを移動させるための対物レ
ンズの移動によるオフセット成分については、図5のB
の破線の曲線OFに示すように、移動の向きが図5のA
中で上方のとき正側に変化し(傾きが正となり)、移動
の向きが下方のとき負側に変化する(傾きが負とな
る)。従って、この場合も、トラックセンタTC近傍の
トラッキングずれに応じたトラッキングずれ成分の極性
(あるいは傾き)と、ビームスポットの移動位置に応じ
たオフセット成分の極性(あるいは傾き)とが同じにな
っている。
【0032】これは、図4に現れていた従来のROMメ
ディアのフォーマットで生じるプッシュプル信号Ipp
極性とビームスポットの移動位置に応じたオフセット成
分の逆極性を解決して1スポットのビームを用いて前述
した回路構成でのプッシュプル方式を行うため、2分割
光検出素子(フォトディテクタ)15の配設位置を対物
レンズ16が結ぶ焦点Fの位置のさらに後ろの位置に配
設する、すなわち例えば図1の焦点Fの位置を経て光路
を交差させることにより、結像位置の関係が位置DA
の結像と逆の関係になるので、位置DB で受光する回折
像の移動方向は、位置DA での移動方向と逆になる。こ
のことにより、対物レンズの移動によるオフセット成分
の極性は両位置DA 、DB で同じで、かつプッシュプル
信号の極性Ippも向き(あるいは傾き)を同じにするこ
とができ、安定に従来のROMメディアでもトラッキン
グサーボをかけることができる。
【0033】以上のように構成することにより、ピット
に対してトラッキングする従来からのフォーマットから
なるROMメディアを使用する場合でも、記録トラック
中心近傍でのトラッキングずれの向きに応じたトラッキ
ングエラー信号の極性と、光ビームスポットのトラック
に直交する方向の移動位置に応じたトラッキングエラー
信号の極性とを一致させることができるため、1スポッ
トのプッシュプル方式の回路構成でも安定したトラッキ
ングサーボを行うことができる。
【0034】なお、本実施例は2軸アクチュエータの動
作について説明したが、この2軸アクチュエータに限定
されるものでなく、ガルバノミラーを駆動させてビーム
スポットをトラッキング制御させてもよい。この他、本
発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能
であることは勿論である。
【0035】
【発明の効果】本発明に係るトラッキングサーボ装置で
は、ピットに対してトラッキングする従来からのフォー
マットからなるROMメディアを使用する場合でも、記
録トラック中心近傍でのトラッキングずれの向きに応じ
たトラッキングエラー信号の極性と、光ビームスポット
のトラックに直交する方向の移動位置に応じたトラッキ
ングエラー信号の極性とを一致させることができるた
め、1スポットのプッシュプル方式の回路構成でも安定
したトラッキングサーボを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るトラッキングサーボ装置の一実施
例の回路構成を示すブロック回路図である。
【図2】光記録媒体からの反射光によるトラッキングエ
ラー検出原理を説明するための図である。
【図3】光記録媒体の溝(ピット)の深さと0次−1次
回折光関の位相差との関係を示すグラフである。
【図4】ピット記録タイプの光記録媒体からの戻り光を
検出する2分割光素子の配設位置を対物レンズの焦点の
前にした際のトラッキングエラー信号を説明するための
図である。
【図5】ピット記録タイプの光記録媒体からの戻り光を
検出する2分割光素子の配設位置を対物レンズの焦点の
後にした際のトラッキングエラー信号を説明するための
図である。
【図6】ランド記録タイプの光記録媒体を示す図であ
る。
【図7】ピット記録タイプの光記録媒体を示す図であ
る。
【図8】対物レンズの移動によるオフセットを説明する
ための図である。
【符号の説明】
11・・・・・・・・2軸デバイス 12・・・・・・・・レーザダイオード 13・・・・・・・・レーザビーム 14・・・・・・・・ビームスプリッタ 15・・・・・・・・2分割光検出素子 16・・・・・・・・対物レンズ 21・・・・・・・・差動アンプ 23・・・・・・・・トラッキングサーボ回路 24・・・・・・・・LPF 25・・・・・・・・スレッド送りサーボ回路 F・・・・・・・・・焦点

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 データがピットの形態で記録されたピッ
    ト記録領域が記録される光記録媒体に対するビームスポ
    ットのトラッキングを制御するトラッキングサーボ装置
    において、 上記光記録媒体からの戻り光を対物レンズを介して受光
    する2分割光検出素子と、 この2分割光検出素子の各受光部からの検出信号の差を
    トラッキングエラー信号として取り出す差信号検出手段
    とを有し、 上記2分割光検出素子は、上記対物レンズが集光する焦
    点の後の位置に配置することを特徴とするトラッキング
    サーボ装置。
  2. 【請求項2】 上記微アクチュエータは、光学系の対物
    レンズを記録媒体のトラック方向に対して直交する方向
    に移動させてビームスポットをトラッキング制御するこ
    とを特徴とする請求項1記載のトラッキングサーボ装
    置。
  3. 【請求項3】 上記微アクチュエータとしては、ガルバ
    ノミラーを駆動させてビームスポットをトラッキング制
    御することを特徴とする請求項1又は2記載のトラッキ
    ングサーボ装置。
JP21675793A 1993-08-31 1993-08-31 トラッキングサーボ装置 Withdrawn JPH0773481A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08136215A (ja) * 1994-11-10 1996-05-31 Ricoh Co Ltd 変位測定装置および光ピックアップ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08136215A (ja) * 1994-11-10 1996-05-31 Ricoh Co Ltd 変位測定装置および光ピックアップ

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