JPH0721588A - 光記録媒体及び光記録媒体の再生装置 - Google Patents

光記録媒体及び光記録媒体の再生装置

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JPH0721588A
JPH0721588A JP5186701A JP18670193A JPH0721588A JP H0721588 A JPH0721588 A JP H0721588A JP 5186701 A JP5186701 A JP 5186701A JP 18670193 A JP18670193 A JP 18670193A JP H0721588 A JPH0721588 A JP H0721588A
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pits
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JP5186701A
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Shigeaki Wachi
滋明 和智
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 光記録媒体10のデータ部13のピット11
の深さをλ/4n〜λ/2n(ただし、λは再生用レー
ザビームの波長、nは媒体基板の屈折率)の範囲内、ア
ドレス部18のピット16の深さを0〜λ/4nの範囲
内とする。この光記録媒体10からの戻り光を2分割光
検出素子で受光した際に各受光部から得られる検出信号
の差信号、いわゆるプッシュプル信号の極性が、データ
部11とアドレス部18とで互いに逆となる。 【効果】 アドレス部18でのプッシュプル信号を用い
ることにより、オフセットキャンセルを行いながら安定
したトラッキングサーボが行える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ディスクや光磁気デ
ィスク等の光記録媒体及び光記録媒体の再生装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】光ディスクや光磁気ディスク等の光記録
媒体において、トラッキング用の案内溝の間のランド部
にデータが記録されるランド記録領域を有するものと、
データがピットの形態で記録されたピット記録領域を有
するもの、あるいはこれらの両者を有するものが知られ
ている。
【0003】このような光記録媒体にレーザビームを照
射して、記録トラックの中心(いわゆるトラックセン
タ)にビームスポットを位置制御するためのトラッキン
グサーボ制御は、記録トラックに対するレーザビームス
ポットの位置ずれ(いわゆるトラッキングエラー)を検
出し、このトラッキングエラーが0となるようにレーザ
ビームスポット位置を移動させることにより行われる。
このトラッキングエラーの検出方法の1つとして、いわ
ゆるプッシュプル法が知られている。このプッシュプル
法は、光記録媒体で反射された戻り光を2分割された光
検出素子(フォトディテクタ)に入射させ、各分割受光
部からの信号の差分をとることにより、上記トラッキン
グエラーを得るものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、対物レンズ
のみを光軸に対して直交する方向に移動させてトラッキ
ングする場合、例えばいわゆる2軸デバイスを用いる場
合に、上記プッシュプル法を用いてトラッキングエラー
検出を行う際に、図9に示すように、光記録媒体100
に対向して配置される対物レンズ104の移動に応じて
2分割光検出素子(フォトディテクタ)105上でもビ
ームスポットが動いてしまい、トラッキングエラー信号
であるプッシュプル信号に直流オフセットが現れること
になる。すなわち、図9上で、対物レンズ104がΔx
だけ動いたときは、ビーム中心は光強度が大きいので受
光部105Bでは検出光量が増加し、受光部105Aで
は光量が減少する。これらの受光部105A、105B
からの検出信号が差動アンプ(減算器)106に送ら
れ、差分がとられることにより、トラッキングエラー信
号に上記光軸ずれによる直流オフセットが重畳されるこ
とになる。
【0005】このような直流オフセットを除去するため
に、種々の方法が考えられており、その一例として、本
件出願人は、特開昭61−94246号公報において、
光学ヘッドのトラッキング誤差検出方式を提案してい
る。この技術においては、一対のビームを対物レンズを
介して光学式記録媒体に対し、そのトラックピッチの略
1/2の奇数倍の間隔を以て照射せしめ、上記光学式記
録媒体よりの一対の出射ビームを夫々一対の2分割光検
出素子に入射せしめ、該一対の2分割光検出素子よりの
各両検出出力の各差出力の差からトラッキング誤差信号
を得るようにしている。このように構成することによ
り、直流変動(直流オフセット)が殆ど含まれないトラ
ッキング誤差検出信号(トラッキングエラー信号)を得
ることができる。しかしながら、光記録媒体上に例えば
3ビームスポットを照射する必要があり、発光手段であ
るレーザダイオード等への負担が大きく、レーザダイオ
ード等のハイパワー化が必要となる等の改善すべき点が
残存している。
【0006】また、直流オフセット除去の他の例とし
て、光記録媒体にミラー部(鏡面部)を設け、このミラ
ー部からの反射光を2分割光検出素子で検出することに
より対物レンズの変位量に応じた直流オフセットを検出
し、この直流オフセットを2分割光検出素子の各受光部
からの検出信号の差信号であるプッシュプル信号から減
算することにより、トラッキングエラー信号のオフセッ
トキャンセルを行うことが知られている。
【0007】ここで、図10は、データがピット(ある
いは溝、グルーブ)111の形態で記録されるタイプの
光記録媒体110を示している。このような光記録媒体
110の具体例としては、例えばいわゆるROMタイプ
の光ディスク等が挙げられ、データの再生時には、レー
ザビームの矢印R方向(トラッキング制御方向)の位置
を記録トラック上のピット111の中心(いわゆるトラ
ックセンタ)TCに一致させるようなトラッキング制御
を施しながら、レーザビームを記録トラック方向(矢印
T方向)に走査するものである。記録トラックの一部
に、このようなピット(溝、グルーブ)111を設けな
い平坦なミラー部(鏡面部)115を形成し、上述した
ようにこのミラー部115にて直流オフセット分を取り
出すわけである。図10では、インデックス領域116
とデータ領域117との間にミラー部115を設けてい
る。光記録媒体がディスク状(円盤状)の場合には、上
記トラッキング方向Rがディスク径方向(いわゆるラジ
アル方向)に、トラック方向Tがディスク回転接線方向
(いわゆるタンジェンシャル方向)にそれぞれ対応して
いる。
【0008】また、図11は、トラッキング用の案内溝
121の間のランド部122にデータが記録されるタイ
プの光記録媒体120を示している。このような光記録
媒体120の具体例としては、例えば光磁気(MO)デ
ィスク等のいわゆるRAMメディアが挙げられ、データ
の記録/再生時には、レーザビームの中心の矢印R方向
(トラッキング制御方向)の位置を、記録トラックであ
るランド部122の中心(いわゆるトラックセンタ)T
Cに一致させるようなトラッキング制御を施しながら、
レーザビームを記録トラック方向(矢印T方向)に走査
する。この案内溝121の一部を形成しないようにして
平坦なミラー部(鏡面部)125を設けている。このミ
ラー部125を用いて上述したオフセットキャンセルを
行うわけである。図11では、案内溝121の間のラン
ド部122にピット(いわゆるプリピット)123が予
め形成されたインデックス領域126と、データ記録領
域127との間に、ミラー部125を配置している。デ
ィスク状記録媒体の場合には、上記トラッキング方向R
がディスク径方向(いわゆるラジアル方向)に、トラッ
ク方向Tがディスク回転接線方向(いわゆるタンジェン
シャル方向)にそれぞれ対応している。
【0009】このようなミラー部(115や125)を
用いてオフセットキャンセルを行うようなトラッキング
サーボ対応の光記録媒体の場合には、上記インデックス
領域126等のように、グルーブの中心に所定深さ(例
えばλ/4)のピットが存在するため、いわゆるスタン
パ等を用いた媒体(ディスク等)製造時に、いわゆる崖
くずれ等の欠陥部が生じて、ピット形成が困難である。
また、上記ミラー部でのオフセット補正は、加算方式で
あるので、プッシュプル信号と合成する際のゲイン合わ
せが困難である。従って、量産化に適しておらず、媒体
価格が高く、また再生装置や記録再生装置等のドライブ
としても種々の媒体への対応が困難であり、ドライブコ
ストが高くつく欠点がある。
【0010】ところで、直流オフセット除去のさらに他
の例として、本件発明者は、特開平1−143086号
において、光記録媒体に設けられているミラー面からの
反射光を2分割ディテクタで検出することにより対物レ
ンズの変位量を検出し、この変位量に応じて粗アクチュ
エータであるスレッド送りモータを駆動制御するように
した記録/再生光ディスクのトラックシーク方式を提案
している。
【0011】このトラックシーク方式においては、記録
/再生光ディスクに対峙して半径方向に移動する光学ヘ
ッドを粗アクチュエータに搭載されている密アクチュエ
ータによって構成し、目標のトラックをシークする際に
は前記密アクチュエータに所定数のトラックをトラバー
スするジャンプ信号を供給すると共に、前記密アクチュ
エータの変位位置を検出した信号を積分して前記粗アク
チュエータに供給し前記密アクチュエータに追従して前
記密アクチュエータを移動させるようにしている。
【0012】ここで、上記密アクチュエータの変位位置
(ポジション)信号がトラッキングエラー信号のレベル
を越えたときには、上記ポジション信号とトラッキング
エラー信号との位相を管理しないと、2軸デバイスの対
物レンズ等が一方向へはりつくような不安定な現象が生
じることがあり、好ましくない。これは、溝間のランド
部に対してトラッキングする場合と、ピットに対してト
ラッキングする場合とで、上記2分割ディテクタからの
各部信号の差分出力の極性と上記トラッキングずれの向
きとの関係が反転することが原因と考えられる。
【0013】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たものであり、いわゆる1スポットプッシュプル方式で
オフセットキャンセルするようなトラッキング制御方式
を採用する場合に、光記録媒体の低価格化が可能であ
り、また安価な装置で精度が良く安定性の高いトラッキ
ングサーボが行えるような光記録媒体及び光記録媒体の
再生装置の提供を目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係る光記録媒体
は、上述の課題を解決するために、データがピットの形
態で記録されたピット記録領域、あるいはトラッキング
用の案内溝の間のランド部にデータが記録されるランド
記録領域の少なくとも一方を有する光記録媒体におい
て、光記録媒体に照射される光ビームの戻り光を2分割
光検出素子にて受光して差分出力から得られるプッシュ
プル信号のトラッキングずれの向きに応じた極性が互い
に逆となる2種類の深さの上記ピットあるいは溝を設け
て成ることを特徴としている。
【0015】また、本発明に係る光記録媒体の再生装置
は、データがピットの形態で記録されたピット記録領
域、あるいはトラッキング用の案内溝の間のランド部に
データが記録されるランド記録領域の少なくとも一方を
有する光記録媒体を再生する再生装置において、上記光
記録媒体に照射された光ビームの戻り光を2分割された
受光部により受光する2分割光検出素子と、この2分割
光検出素子の各受光部からの検出信号の差をプッシュプ
ル信号として取り出す減算手段とを有し、上記光記録媒
体として、減算手段の出力から得られるプッシュプル信
号のトラッキングずれの向きに応じた極性が互いに逆と
なる2種類の深さの上記ピットあるいは溝を設けて成る
ものを用い、上記2種類の深さのピットあるいは溝に対
する戻り光についての上記減算手段からの出力の一方を
サンプルホールドして、このサンプルホールド出力を上
記減算手段からの出力に帰還することにより、上述の課
題を解決するものである。
【0016】さらに、本発明に係る光記録媒体の再生装
置は、データがピットの形態で記録されたピット記録領
域、あるいはトラッキング用の案内溝の間のランド部に
データが記録されるランド記録領域の少なくとも一方を
有する光記録媒体を再生する再生装置において、上記光
記録媒体に照射された光ビームの戻り光を2分割された
受光部により受光する2分割光検出素子と、この2分割
光検出素子の各受光部からの検出信号の差のプッシュプ
ル信号をトラッキングエラー信号として取り出す減算手
段とを有し、上記光記録媒体として、減算手段の出力か
ら得られるプッシュプル信号のトラッキングずれの向き
に応じた極性が互いに逆となる2種類の深さの上記ピッ
トあるいは溝を設けて成るものを用い、これらの2種類
の深さのピットあるいは溝に対する戻り光についての上
記減算手段からの出力をそれぞれサンプルホールドする
第1、第2のサンプルホールド手段と、これらの第1、
第2のサンプルホールド手段からの出力を加算する加算
手段とを設け、この加算手段からの出力に基づいて上記
減算手段からの出力信号に含まれる直流オフセット成分
を除去することにより、上述の課題を解決するものであ
る。
【0017】ここで、上記光ビーム波長をλ、上記光記
録媒体の基板の屈折率をnとするとき、上記2種類のピ
ットあるいは溝の内、一方の種類のピットあるいは溝の
深さd1 を0<d1 <λ/4nとし、他方の種類のピッ
トあるいは溝の深さd2 をλ/4n<d2 <λ/2nと
することが好ましい。
【0018】
【作用】一方の深さのピット(あるいは溝)が形成され
た第1の領域からの戻り光のプッシュプル信号(トラッ
キングエラー信号)のトラックずれ成分の極性と、他方
の深さのピット(あるいは溝)が形成された第2の領域
からの戻り光のプッシュプル信号のトラックずれ成分の
極性とが互いに逆に現れるから、これらの各プッシュプ
ル信号を加算することにより、トラックずれ成分が相殺
され、いわゆる直流オフセット成分が取り出される。ま
た、トラッキングサーボがかかっている状態では、上記
プッシュプル信号が0となるような制御が行われている
ことより、上記第1、第2の一方の領域から他方の領域
に再生ビームスポットが移動したときにプッシュプル信
号に上記直流オフセット成分が現れる。このようにして
得られた直流オフセット成分を上記プッシュプル信号か
ら減算することにより、オフセットキャンセルを行うこ
とができる。ここで、オフセットキャンセルが行われた
プッシュプル信号から直流オフセット検出を行うような
フィードバック構成を用いることにより、精度が高く安
定したトラッキングサーボが実現できる。
【0019】
【実施例】図1は、本発明の一実施例としての光記録媒
体の概略構成を示している。この図1において、光記録
媒体10の記録トラックの中心を一点鎖線のトラックセ
ンタTCで表しており、この記録トラックに沿って(図
中の矢印T方向に沿って)、データがピット11として
記録形成されている。この光記録媒体10には、データ
ピット11が記録形成されたデータ部13に対して、ピ
ット深さの異なるピット16が形成されたアドレス部1
8が記録トラックの一部に設けられている。なお、光記
録媒体10として、円盤状の光ディスクを用いる場合に
は、スパイラル状(あるいは同心円状)に形成される記
録トラックのトラック方向(矢印T方向、タンジェンシ
ャル方向)に対して直交するトラッキング制御方向(矢
印R方向)がディスク径方向(ラディアル方向)であ
る。
【0020】上記各ピット11、16の各深さdD 、d
A は、後述するように、光記録媒体10に照射される波
長λの光ビーム(レーザビーム)の戻り光を2分割光検
出素子にて受光して各受光部からの光検出信号の差分出
力(いわゆるプッシュプル出力)として得られるトラッ
キングエラー信号のトラッキングずれの向きに応じた極
性が互いに逆となるように設定されており、例えば一方
が0〜λ/4の範囲内に、他方がλ/4〜λ/2の範囲
内にそれぞれ設定されている。また、トラックピッチα
に対するピット幅βの比率(いわゆるグルーブ比)β/
αは、一方を0〜1/2の範囲内(1/2より小)に、
他方を1/2〜1の範囲内(1/2より大)に設定する
のが好ましい。
【0021】上記各ピット11、16の各深さdD 、d
A の範囲の境界値λ/4、λ/2等は、より正確には、
光記録媒体10の基板の屈折率nを用いて、λ/4n、
λ/2n等のように表される。現実には、基板の屈折率
nは1に近いから、実用上は上記λ/4、λ/2等で充
分である。ここで、上記ピット11の深さdD 及びピッ
ト16の深さdA について、それぞれの条件をλ/4<
D <λ/2及び0<dA <λ/4(正確にはλ/4n
<dD <λ/2n及び0<dA <λ/4n)とするのが
好ましい。これらの深さd1 、d2 の具体的な数値の例
としては、dD=3λ/8(3λ/8nでもよい。以下
同様)、dA =λ/8が挙げられる。また他の具体例と
しては、dD =λ/3、dA =λ/6が挙げられる。さ
らに、これらの数値にNλ/n(Nは整数)、あるいは
Nλ/2nを加算しても、同様な結果が得られる。上記
グルーブ比β/αとしては、データ部13(ピット1
1)を2/3、アドレス部18(ピット16)を1/3
とすることが挙げられる。
【0022】このような光ディスク等の光記録媒体10
を再生するために用いられる再生装置の要部(トラッキ
ングサーボ系の近傍)を図2に示す。この図2におい
て、2分割光検出素子(フォトディテクタ)35の各受
光部35A、35Bからの光検出信号が差動アンプ(減
算器)36に送られて、差分がとられることにより、い
わゆるトラッキングエラー信号としてのプッシュプル出
力信号Ippが得られる。
【0023】このトラッキングエラー信号であるプッシ
ュプル信号Ippは加算器(減算器)41に送られ、この
減算器41からの出力信号が、ローパスフィルタ(LP
F)42、サンプルホールド(S/H)回路43、ゲイ
ンアンプ(係数乗算器)45を介して、減算信号として
減算器41に送られる(負帰還される)。サンプルホー
ルド(S/H)回路43には端子44からのサンプリン
グパルスが供給されており、サンプルホールド回路43
は上記図1のアドレス部18でのローパスフィルタ42
からの出力をサンプルして保持する。
【0024】減算器41からの出力信号は、トラッキン
グサーボループの位相補償回路38を介し、駆動アンプ
を介して、トラッキング制御用の微動アクチュエータ3
9に送られている。この微動アクチュエータとしては、
いわゆる2軸デバイスのトラッキング駆動部やガルバノ
ミラー駆動部等が用いられる。またサンプルホールド回
路43からの出力信号は、位相補償回路48を介し、駆
動アンプを介して、粗動アクチュエータ49に送られて
いる。この粗動アクチュエータ49としては、いわゆる
スレッディングモータやリニアトラッキングモータ等が
用いられる。
【0025】この図2の回路の動作については後でも詳
細に説明するが、基本的な動作を説明すると、先ず、ト
ラッキングサーボ制御動作はプッシュプル信号Ippを0
とするように作用し、定常状態ではプッシュプル信号I
ppは略々0になっている。一般の光ディスク等の光記録
媒体10では、データ部13の割合がアドレス部18に
比べて充分に大きいから、トラッキングサーボ制御動作
はデータ部13のトラックに対して行われ、このデータ
部13でのプッシュプル信号Ippが0となるように制御
が行われると考えられる。ただし、前記対物レンズ移動
等に伴うオフセットが生じているときには、プッシュプ
ル信号Ipp自体にオフセットが乗っており、このオフセ
ットが乗ったプッシュプル信号Ippを0とするサーボが
行われることにより、媒体上でのビームスポットは、ト
ラック中心(TC)に対して、上記オフセット分の位置
ずれ(ただし逆向き)が生じていることになる。ここ
で、データ部13及びアドレス部18でのプッシュプル
信号Ippを考慮すると、後述するように、データ部13
でのトラックずれ成分とアドレス部18でのトラックず
れ成分とが互いに逆極性(逆位相)となり、上記対物レ
ンズ移動等に伴うオフセット成分は同極性となるから、
データ部13で0となっていたものがアドレス部18に
ビームスポットが移った時点で上記オフセット分の位置
ずれに相当する直流レベルが現れることになる。これを
サンプルホールド回路43でサンプルして保持し、ゲイ
ンアンプ45で必要な係数Kを乗算して減算器41に送
ることにより、プッシュプル信号Ipp中の上記オフセッ
ト成分をキャンセルするわけである。なお、現実には、
データ部13でも上記プッシュプル信号Ippが0に収束
していない状態もある。
【0026】ここで、一般にピットあるいは溝(グルー
ブ)に対してレーザビームが照射されたときの反射光に
ついて、図3を参照しながら説明する。この図3に示す
光記録媒体30において、トラックピッチをα、ピット
(あるいは溝)31の幅をβとするとき、照射光スポッ
トがトラックピッチα程度となるとき、ピット(あるい
は溝)31はいわゆる回折格子のように見える。このた
め、0次回折光DF0と1次(+1次と−1次)の回折
光DF+1、DF-1とが重なる領域では、トラックずれに
よる干渉効果によって反射ビームスポットの強度分布が
変化することになる。この干渉による光強度分布の変化
を、対物レンズ34を介して、2分割された光検出素子
(フォトディテクタ)35に導き、各受光部35A、3
5Bからの光検出信号を差動アンプ(減算器)36に送
って差分をとることにより、トラッキングエラー信号を
取り出すことができる。また、各受光部35A、35B
からの光検出信号を加算アンプ(加算器)37に送って
加算することにより、和信号、いわゆるRF出力信号を
得ることができる。
【0027】この図3において、光ビームと光記録媒体
30とが相対的にトラッキング方向である矢印R方向
(トラック延長方向である矢印T方向に対して直交する
方向)に移動するときに、光検出素子35の一方の受光
部35Aからの上記0次と+1次の光束の検出信号I
0,+1(t) と、他方の受光部35Bからの上記0次と−1
次の光束の検出信号I0,-1(t) とは、 I0,+1(t) =A0 2 +A1 2 +2A0 1 cos(ψ10+2
πνt) I0,-1(t) =A0 2 +A1 2 +2A0 1 cos(ψ10−2
πνt) のように表される。ここで、A0 は0次光振幅、A1
1次光振幅、ψ10は0次−1次間の位相差、2πνtは
媒体と光スポット間の位置ずれによる位相をそれぞれ示
している。また、時刻tはピット(あるいは溝)31間
の中央位置(ランド部の中心)のタイミングをt=0と
している。
【0028】従って、上記差動アンプ(減算器)36か
らの差信号(いわゆるプッシュプル信号)Ippは、 Ipp=I0,+1(t) −I0,-1(t) =2A0 1 (cos(ψ10+2πνt) −cos(ψ10−2π
νt) ) =−4A0 1 sin ψ10 sin2πνt となる。このプッシュプル信号Ippはトラッキングエラ
ー信号でもある。また、上記加算アンプ(加算器)37
からの和信号(いわゆるRF信号)IRFは、 IRF=I0,+1(t) +I0,-1(t) =2A0 2 +2A1 2 +4A0 1 cos ψ10 cos2πν
t となる。
【0029】いま、上記トラックピッチαに対するピッ
ト(あるいは溝)31の幅βの比率(いわゆるグルーブ
比)をs(=β/α)とするとき、上記溝31の深さd
に対する上記0次−1次間位相差ψ10の関係は、いわゆ
るホプキンス理論により、図4のよう表される。この図
4では、s=1/3、s=1/2、s=2/3の例を示
している。
【0030】この図4から明らかなように、上記プッシ
ュプル信号(トラッキングエラー信号)Ippの極性は、
sin ψ10の極性に応じて反転されるため、0〜λ/4n
の範囲と、λ/4n〜λ/2nの範囲とで互いに逆の極
性となる。すなわち、例えばs(=β/α)=1/3の
とき、0〜λ/4nの範囲では、sin ψ10が正極性とな
り、λ/4n〜λ/2nの範囲では、sin ψ10が負極性
となる。
【0031】従って、データをピットの形態で記録する
ピット記録の場合には、ピットの深さdをλ/4n〜λ
/2nの範囲内に設定することにより、トラック中心
(上記TC)からのトラックずれの向きに対する上記プ
ッシュプル信号Ippの極性と、対物レンズのずれによる
前記直流オフセットの極性との関係が同じになる。なお
案内溝間のランド部にデータを記録するようなランド記
録の場合には、案内溝の深さdを0〜λ/4nの範囲内
に設定することにより、対物レンズのずれによる直流オ
フセットの極性と、トラックセンタTC近傍でのトラッ
キングずれによるエラー成分の極性との関係が同じにな
る。
【0032】すなわち、図5は、上記ピット記録の場合
に、光学ヘッドの例えば対物レンズの移動によりトラッ
クと直交する方向(矢印R方向)にビームスポットを移
動させる際の上記プッシュプル信号Ippの具体例を説明
するための図である。この図5のAは、上記図1に示す
ピット記録タイプの光記録媒体10(図3の30)の要
部を示し、記録トラック(中心をTCで示している。)
上にデータがピット11あるいは16(図3の31)の
形態で記録形成されている。上記図1のデータ部13内
のピット(データピット)11の深さdD は、上述した
ようにλ/4〜λ/2(正確にはλ/4n〜λ/2n)
の範囲内、例えばλ/8やλ/3等に設定している。ま
た、上記アドレス部18内のピット(アドレスピット)
16の深さdA は、上述したように0〜λ/4(正確に
は0〜λ/4n)の範囲内、例えば3λ/8やλ/6等
に設定している。この光記録媒体10(30)上で、光
学ヘッドによりビームスポットを曲線MVに沿って記録
トラックを横切るように移動させるとき、上記プッシュ
プル信号Ippは、図5のBのように現れる。この図5の
Bの実線に示す曲線Sdが上記データピット11を横切
って移動したときを、仮想線(2点鎖線)に示す曲線S
aが上記アドレスピット16を横切って移動したときを
それぞれ示している。
【0033】この図5のBのプッシュプル信号Ippの内
の上記データピット11に対応する信号波形曲線Sdに
おいて、図5のAのトラックセンタTC近傍でのトラッ
キングずれの向きが図中上方のとき正側に、図中下方の
とき負側にそれぞれ現れている。あるいは、トラックセ
ンタTC近傍でのトラッキングずれの変化の方向が上向
きのときには、信号Ippの曲線Sdは右上がり(正の傾
き)となり、変化の方向が下向きのときには、信号Ipp
の曲線Sdは右下がり(負の傾き)となる。ここで、ト
ラックと直交する方向(矢印R方向)にビームスポット
を移動させるための対物レンズの移動によるオフセット
成分については、図5のBの破線の曲線OFに示すよう
に、上記ビームスポットの移動の向きが図5のA中で上
方のとき右上がりに変化し(傾きが正となり)、移動の
向きが下方のとき右下がりに変化する(傾きが負とな
る)。すなわち、深さがλ/4〜λ/2の範囲内のピッ
ト11が形成されたデータ部13内でプッシュプル信号
pp(トラッキングエラー信号)を検出する場合には、
上記sin ψ10が正極性となるため、トラックセンタTC
近傍のトラッキングずれの向き(あるいは変化の方向)
に応じたトラッキングずれ成分の極性(あるいは傾き)
と、対物レンズ移動によるビームスポットの移動位置
(あるいは移動の向き)に応じたオフセット成分の極性
(あるいは傾き)とが同じになる。
【0034】このように、トラッキングずれによる本来
のトラッキングエラー成分の変換の向きと上記オフセッ
ト成分の変化の向きとを一致させることにより、上記微
動アクチュエータのはりつきが生じることなく、安定し
たトラッキングサーボが可能となる。
【0035】これに対して、上記アドレス部18内のピ
ット(アドレスピット)16の深さd2 は、上述したよ
うに0〜λ/4の範囲内に設定されており、上記sin ψ
10が正極性となるため、ピット16の中心であるトラッ
クセンタTC近傍でのトラッキングずれの向きに応じた
プッシュプル信号Ippの仮想線(2点鎖線)に示す曲線
Saの極性と、ビームスポットの移動方向に応じたプッ
シュプル信号Ippの極性との関係が逆向きとなる。この
アドレス部18は、上記データ部13に対して短く形成
されていることから、上記微動アクチュエータのはりつ
き等の悪影響を与えることが少なく、トラッキングサー
ボの安定性の劣化も少ない。
【0036】上記図1に示すような互いに異なる深さd
及び幅(グルーブ比β/α)の2種類のピット11、1
6を形成するには種々の方法が考えられるが、例えば、
ピット11の深さdD =3λ/8、グルーブ比2/3、
またピット16の深さdA =λ/8、グルーブ比1/3
の場合の製造方法の一例について以下説明する。
【0037】先ず、深さ3λ/8のためのフォトレジス
トを媒体基板に塗布し、レジスト露光用のレーザパワー
を2段階にコントロールして、弱いパワーでλ/8のア
ドレス部18のピット16を形成し、強いレーザパワー
で3λ/8のデータ部13のピット11を形成すればよ
い。このとき、必然的にアドレス部18のグルーブ比が
データ部13のグルーブ比より小さくなるので、データ
部13のグルーブ比を2/3程度にし、アドレス部18
のグルーブ比を1/3程度にするのが適当であると考え
られる。
【0038】次に、上記図2の回路構成のトラッキング
サーボ系におけるオフセットキャンセル動作について説
明する。
【0039】上記(図1の)データ部13及びアドレス
部18からの上記プッシュプル信号Ippの位相は180
°反転することから、両方の信号が0Vを中心にしてバ
ランスするようなサーボループを構成して、このループ
の途中からトラッキングエラー信号を取り出せば、オフ
セットキャンセルはフィードバックループにより行われ
る。すなわち、上記データ部13及びアドレス部18に
おけるプッシュプル信号Ippにオフセットが乗れば、全
体にオフセットが乗ることになり、データ部13とアド
レス部18との各信号のバランスがくずれる。これを検
出して、フィードバックループで強制的にバランスさせ
るのが図2の回路の動作原理である。このように、プッ
シュプル信号Ippが上記データ部13とアドレス部18
とでバランスするように制御を行うことにより、オフセ
ットがキャンセルされる。この方式は、ループゲインに
比例してオフセット量が小さくなるので、ループゲイン
を40dB程度得るようにすれば、略々完全にオフセッ
トキャンセルが行えると考えられる。
【0040】アドレス部18は、オフセットキャンセル
領域でもあり、深さが0〜λ/4の範囲内でグルーブ比
(β/α)が1/3程度の溝を形成しておいてもよい。
アドレス部18を用いた場合のアドレスデータ成分は、
原理的には上記プッシュプル信号Ippには殆ど漏れ込ま
ないわけであるが、光学系等での漏れ込みによりプッシ
ュプル信号Ippはかなり汚くなる。しかしながら、この
漏れ込みアドレス成分は正負がキャンセルする信号であ
るので、ローパスフィルタ(LPF)42により除去す
るようにしている。
【0041】従って、図2のような回路を用いてオフセ
ットキャンセルを行えば、アドレス部18の領域全体で
キャンセル信号を得ているため、低帯域サーボ信号でよ
く、また、微動アクチュエータ39に加えられるトラッ
キングエラー信号のオフセットキャンセルは、フィード
バック方式により行っているため、誤差が少なく、いわ
ゆるデトラックが少ない。これを従来のミラー部を用い
たオフセット補正方式に比べると、従来のように加算に
よりオフセットキャンセルをしていないので、媒体のパ
ラメータ変化やオフセット量の偏位に対する非線形性が
問題に成らず、精度が良い。また、狭いミラー部を検出
する必要がないので広帯域アンプを必要とせず、ローコ
ストでローオフセットアンプが使用できる。さらに、微
動アクチュエータ39に加えられるトラッキングエラー
信号を積分回路を介して粗動アクチュエータ49の駆動
系に加えるように構成することにより、粗動アクチュエ
ータ49で微動アクチュエータ39の変位が0になるよ
うに制御を行い、粗動アクチュエータ49の制御範囲外
を微動アクチュエータ39で追うことにより、粗動アク
チュエータ49の帯域を200Hz程度とすることができ
る。
【0042】また、図2のような回路によりオフセット
をキャンセルしながらトラッキングサーボが行い得る上
記図1に示すような光記録媒体10は、いわゆるスタン
ピングに容易に行え、量産化に適しているため、低価格
化が可能である。
【0043】次に、図6は、このような光記録媒体を用
いる光記録媒体の再生装置の要部構成を概略的に示すブ
ロック回路図であり、上記図2の回路のより具体的な構
成を示している。この図6中における上記図2の各部と
対応する部分には同じ指示符号を付している。
【0044】この図6において、上記図2(あるいは図
3)の差動アンプ(減算器)36から得られたプッシュ
プル信号Ipp(トラッキングエラー信号)が、差動アン
プより成る加算器(減算器)41に送られている。減算
器41からの出力信号は、例えば抵抗とコンデンサとか
ら成るローパスフィルタ(LPF)42を介し、バッフ
ァアンプを介して、スイッチ43aとホールド用コンデ
ンサ43bとから成る上記サンプルホールド(S/H)
回路43に送られる。このサンプルホールド回路のホー
ルド用コンデンサ43bからの出力信号は、ゲインアン
プ45を介し、減算器41の差動アンプの反転入力端子
に減算信号として送られる。上記サンプルホールド回路
のスイッチ43aは、端子44からのサンプリングパル
スによりオン/オフ制御される。このサンプリングパル
スは、上記アドレス部18内でスイッチ43aをオン
し、このアドレス部18内でのプッシュプル信号Ipp
レベルをサンプルするものであり、サンプルされたレベ
ルがコンデンサ43bにより保持されてゲインアンプ4
5に送られる。なお、ゲインアンプ45を入れないとサ
ンプル折り返しによりゲインが10dBしか得られな
い。このゲインアンプ45からの出力信号は、上記直流
オフセットであり、減算器41に送られると共に上述し
たスレッディングモータ等の粗動アクチュエータに送ら
れている。
【0045】ここで、上記プッシュプル信号Ippが微分
回路あるいはハイパスフィルタ51に送られて高域成分
が取り出され、比較回路52にて所定レベルで比較され
ることにより、上記アドレス部18(の開始点)の検出
が行われる。このアドレス部検出信号は、2段のいわゆ
るリトリガラブルモノマルチ回路53、54に送られて
おり、これらのモノマルチ回路53、54からは上記ア
ドレス部18を走査している間例えば“H”(ハイレベ
ル)となるようなパルス信号が出力される。モノマルチ
回路54からのパルス信号は、端子44を介して上記サ
ンプルホールド回路のスイッチ43aに送られる。モノ
マルチ回路53からのパルス信号は、切換スイッチ56
の切換制御信号として送られている。すなわち、上記減
算器41からの出力信号は、第1の時定数のLPF(積
分回路)57を介して切換スイッチ56の被選択端子a
に、また第2の時定数のLPF(積分回路)58を介し
て切換スイッチ56の被選択端子に、それぞれ送られて
おり、上記データ部13を走査している間は被選択端子
aに、上記アドレス部18を走査している間は被選択端
子bにそれぞれ切換接続される。この切換スイッチ56
からの出力信号は、バッファアンプ等を介して、上記2
軸デバイスのトラッキング用コイル等の微動アクチュエ
ータに送られる。
【0046】LPF57の時定数は、一般のトラッキン
グサーボ動作が行われる帯域の比較的小さな値に設定さ
れており、LPF58の時定数は、上記アドレス部18
を走査中でも変動が少ないような、すなわちアドレス部
18の直前のデータ部13でのトラッキングエラーレベ
ルを保持する程度の大きな値に設定されている。これに
よって、切換スイッチ56から微動アクチュエータに送
られるトラッキングエラー信号は、データ部13からア
ドレス部18への切り換えによるレベル変動のない、滑
らかな信号となる。
【0047】次に、図7は、案内溝21の間のランド部
22にデータを記録するような、いわゆるランド記録タ
イプの光記録媒体20の実施例を示している。この光記
録媒体20のトラック上の一部領域に、案内溝21とは
異なる深さ及び幅(グルーブ比β/α)を有する溝26
が形成されたオフセットキャンセル領域28を設けてい
る。すなわち、トラックに沿って、データ部23とオフ
セットキャンセル領域28とが順次配置されている。デ
ータ部23の案内溝21は、深さdD として、0<dD
<λ/4n、グルーブ比(β/α)は1/2より小と
し、オフセットキャンセル領域28の溝26は、深さd
OFとして、λ/4n<dOF<λ/2n、グルーブ比は1
/2より大とするのが好ましい。具体例としては、案内
溝21の深さdD をλ/8n、グルーブ比を1/3と
し、溝26の深さdOFを3λ/8n、グルーブ比を2/
3とすることが挙げられる。他の具体例としては、dD
をλ/5n、dOFをλ/3nとすることが挙げられ、さ
らに、これらの各数値にNλ/n(Nは整数)、あるい
はNλ/2nを加算してもよい。
【0048】このようなランド記録タイプの光記録媒体
20の場合にも、上記ピット(あるいはグルーブ)記録
タイプの光記録媒体10の場合と同様に、精度が良く安
定したトラッキングサーボが実現でき、媒体の量産化が
可能でコストダウンが図ることができる。なお、オフセ
ットキャンセル領域28内の溝26をトラック方向に分
離して形成(ピット状に形成)することにより、アドレ
スやインデックス等の情報を担わせるようにしてもよ
い。
【0049】次に、図8は、トラッキングエラー信号の
オフセットキャンセルの他の具体例を示している。この
図8において、上述した2分割光検出素子の各受光部か
らの検出信号の差をとって得られたプッシュプル信号I
ppは、第1のサンプルホールド回路81及び第2のサン
プルホールド回路82にそれぞれ送られている。第1の
サンプルホールド回路81は上記データ部内のアドレス
部(あるいはオフセットキャンセル領域)の直前位置で
プッシュプル信号Ippをサンプルして保持し、第2のサ
ンプルホールド回路82はアドレス部(オフセットキャ
ンセル領域)内でプッシュプル信号Ippをサンプルして
保持する。これらの各部でのプッシュプル信号Ippは、
上記図5と共に説明したように、トラックずれ成分が互
いに逆極性に、オフセット成分が同極性にそれぞれ現れ
るから、各サンプルホールド回路81、82からの出力
を加算器83で加算することにより、トラックずれ成分
が相殺されてオフセット成分のみ(ただしレベルは2
倍)が得られる。この加算器83からの出力をサンプル
ホールド回路84で適宜サンプルホールドして、減衰ア
ンプ(係数乗算器)85で1/2に減衰して、減算器8
6に送り、元の上記プッシュプル信号Ippから減算する
ことで、オフセット成分が除去されたトラッキングエラ
ー信号が取り出さる。このオフセットキャンセルされた
トラッキングエラー信号は、上記微動アクチュエータに
送られる。
【0050】なお、本発明は上記実施例のみに限定され
るものではなく、例えば、1つの光記録媒体上に上記ピ
ット(グルーブ)記録領域と、ランド記録領域とが混在
していてもよい。また、微動アクチュエータとしては、
いわゆる2軸デバイスの他にもガルバノミラー等を用い
ることができる。さらに、光記録媒体としてはディスク
状のものに限定されず、テープ状、カード状等の種々の
形態の媒体に適用可能である。この他、本発明の要旨を
逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは
勿論である。
【0051】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明に係る光記録媒体によれば、2分割光検出素子からの
いわゆるプッシュプル信号として得られたトラッキング
エラー信号のトラッキングずれの向きに応じた極性が互
いに逆となる2種類の深さのピットあるいは溝、すなわ
ち一方の深さが0〜λ/4nで、他方の深さがλ/4n
〜λ/2nとなるような2種類のピットあるいは溝を設
けており、このような光記録媒体を再生する際には、上
記2種類の深さのピットあるいは溝に対する戻り光につ
いての上記プッシュプル出力の一方をサンプルホールド
して、このサンプルホールド出力を上記プッシュプル出
力に帰還しているため、一方の深さのピット(あるいは
溝)が形成された第1の領域からの戻り光のプッシュプ
ル信号(トラッキングエラー信号)のトラックずれ成分
の極性と、他方の深さのピット(あるいは溝)が形成さ
れた第2の領域からの戻り光のプッシュプル信号のトラ
ックずれ成分の極性とが互いに逆に現れるから、これら
の各プッシュプル信号を加算することにより、トラック
ずれ成分が相殺され、いわゆる直流オフセット成分が取
り出される。また、トラッキングサーボがかかっている
状態では、上記プッシュプル信号が0となるような制御
が行われていることより、上記第1、第2の一方の領域
から他方の領域に再生ビームスポットが移動したときに
プッシュプル信号に上記直流オフセット成分が現れる。
このようにして得られた直流オフセット成分を上記プッ
シュプル信号から減算することにより、オフセットキャ
ンセルを行うことができる。ここで、オフセットキャン
セルが行われたプッシュプル信号から直流オフセット検
出を行うようなフィードバック構成を用いることによ
り、精度が高く安定したトラッキングサーボが実現でき
る。
【0052】さらに、上記プッシュプル信号の、記録ト
ラックの中心近傍のトラッキングずれの向きに応じたト
ラッキングずれ成分の極性と、光ビームスポットのトラ
ックに直交する方向の移動の向きに応じたオフセット成
分の極性との関係を一致させるような上記ピットあるい
は溝の深さに設定することにより、微動アクチュエータ
のはりつき等が生じることのない安定なトラッキングサ
ーボが行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光記録媒体の実施例の要部を概略
的に示す平面図である。
【図2】本発明に係る光記録媒体の再生装置の実施例の
要部構成を概略的に示すブロック図である。
【図3】光記録媒体からの反射光によるトラッキングエ
ラー検出原理を説明するための図である。
【図4】光記録媒体の溝(ピット)の深さと0次−1次
回折光間の位相差との関係を示すグラフである。
【図5】本発明の実施例となる光記録媒体とその戻り光
を2分割光検出素子で受光して得られるプッシュプル信
号とを説明するための図である。
【図6】本発明に係る光記録媒体の再生装置の実施例の
要部構成の具体例を示すブロック回路図である。
【図7】本発明の実施例となるランド記録タイプの光記
録媒体の要部を概略的に示す平面図である。
【図8】本発明の他の実施例となる光記録媒体の再生装
置の要部の概略構成を示すブロック図である。
【図9】対物レンズの移動によるオフセットを説明する
ための図である。
【図10】ピット記録タイプの光記録媒体を示す図であ
る。
【図11】ランド記録タイプの光記録媒体を示す図であ
る。
【符号の説明】
10、30・・・・・光記録媒体 11、16・・・・・ピット 13、23・・・・・データ部 18・・・・・アドレス部 31・・・・・ピットまたは溝 34・・・・・対物レンズ 35・・・・・2分割光検出素子 36・・・・・差動アンプ(減算器) 37・・・・・加算アンプ(加算器) 41・・・・・減算器 42・・・・・LPF(ローパスフィルタ) 43・・・・・サンプルホールド回路

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 データがピットの形態で記録されたピッ
    ト記録領域、あるいはトラッキング用の案内溝の間のラ
    ンド部にデータが記録されるランド記録領域の少なくと
    も一方を有する光記録媒体において、 光記録媒体に照射される光ビームの戻り光を2分割光検
    出素子にて受光して差分出力から得られるプッシュプル
    信号のトラッキングずれの向きに応じた極性が互いに逆
    となる2種類の深さの上記ピットあるいは溝を設けて成
    ることを特徴とする光記録媒体。
  2. 【請求項2】 上記光ビームの波長をλ、上記光記録媒
    体の基板の屈折率をnとするとき、上記2種類のピット
    あるいは溝の内、一方の種類の深さd1 を0<d1 <λ
    /4nとし、他方の種類の深さd2 をλ/4n<d2
    λ/2nとすることを特徴とする請求項1記載の光記録
    媒体。
  3. 【請求項3】 データがピットの形態で記録されたピッ
    ト記録領域、あるいはトラッキング用の案内溝の間のラ
    ンド部にデータが記録されるランド記録領域の少なくと
    も一方を有する光記録媒体を再生する再生装置におい
    て、 上記光記録媒体に照射された光ビームの戻り光を2分割
    された受光部により受光する2分割光検出素子と、 この2分割光検出素子の各受光部からの検出信号の差の
    プッシュプル信号をトラッキングエラー信号として取り
    出す減算手段とを有し、 上記光記録媒体として、減算手段の出力から得られるプ
    ッシュプル信号のトラッキングずれの向きに応じた極性
    が互いに逆となる2種類の深さの上記ピットあるいは溝
    を設けて成るものを用い、 上記2種類の深さのピットあるいは溝に対する戻り光に
    ついての上記減算手段からの出力の一方をサンプルホー
    ルドして、このサンプルホールド出力を上記減算手段か
    らの出力に帰還することを特徴とする光記録媒体の再生
    装置。
  4. 【請求項4】 上記光ビームの波長をλ、上記光記録媒
    体の基板の屈折率をnとするとき、上記2種類のピット
    あるいは溝の内、一方の種類の深さd1 を0<d1 <λ
    /4nとし、他方の種類の深さd2 をλ/4n<d2
    λ/2nとすることを特徴とする請求項3記載の光記録
    媒体の再生装置。
  5. 【請求項5】 データがピットの形態で記録されたピッ
    ト記録領域、あるいはトラッキング用の案内溝の間のラ
    ンド部にデータが記録されるランド記録領域の少なくと
    も一方を有する光記録媒体を再生する再生装置におい
    て、 上記光記録媒体に照射された光ビームの戻り光を2分割
    された受光部により受光する2分割光検出素子と、 この2分割光検出素子の各受光部からの検出信号の差の
    プッシュプル信号をトラッキングエラー信号として取り
    出す減算手段とを有し、 上記光記録媒体として、減算手段の出力から得られるプ
    ッシュプル信号のトラッキングずれの向きに応じた極性
    が互いに逆となる2種類の深さの上記ピットあるいは溝
    を設けて成るものを用い、 これらの2種類の深さのピットあるいは溝に対する戻り
    光についての上記減算手段からの出力をそれぞれサンプ
    ルホールドする第1、第2のサンプルホールド手段と、 これらの第1、第2のサンプルホールド手段からの出力
    を加算する加算手段とを設け、 この加算手段からの出力に基づいて上記減算手段からの
    出力信号に含まれる直流オフセット成分を除去すること
    を特徴とする光記録媒体の再生装置。
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