JPH0772760A - 定着装置 - Google Patents

定着装置

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JPH0772760A
JPH0772760A JP14505594A JP14505594A JPH0772760A JP H0772760 A JPH0772760 A JP H0772760A JP 14505594 A JP14505594 A JP 14505594A JP 14505594 A JP14505594 A JP 14505594A JP H0772760 A JPH0772760 A JP H0772760A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】導電性定着フィルムを用いた定着装置において
加熱定着に過不足の無い適正な電力供給を可能にする。 【構成】本発明は、筒型導電性定着フィルム2cを一対
の電極2bが設けられた支持体2aで支持し、フィルム
を一対の電極とで挾持する位置に弾性体ローラー2eを
配置し、弾性体ローラーとフィルムとで未定着トナー画
像が形成された記録媒体2dを挾持して搬送し一対の電
極を通じてフィルム上に発生するジュール熱で記録媒体
上のトナーの加熱定着を行う定着装置であり、一対の電
極又は支持体の少なくとも一部の温度を検知する手段2
fと、測温部の温度とフィルムへの供給電流との関係等
の制御情報を記憶する記憶手段と、制御情報に基づいて
検知した温度から適正な実効電流値を決定する手段と、
その決定結果に基づいてフィルムに供給される実効電流
の大きさを制御する手段を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複写機、ファクシミ
リ、光プリンタ等、電子写真作像プロセスにより画像形
成を行なう画像形成装置の定着部に用いられる定着装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真作像プロセスにより画像
形成を行なう画像形成装置の定着部に用いられる定着装
置としては、所定の温度に維持された加熱ローラと、弾
性層を有して該加熱ローラに圧接する加圧ローラとによ
って、未定着のトナー画像が形成された記録剤を挾持搬
送しつつ加熱する熱ローラー定着方式が多用されてい
た。しかしながら、熱ローラー定着方式においては、加
熱ローラーにトナーが転移するオフセット現象の問題が
あり、これを防止するためには、加熱ローラーを常に最
適な温度に維持する必要があり、加熱ローラーあるいは
加熱体の熱容量を大きくしなければならなかった。しか
し、加熱ローラーの熱容量を大きくすると、加熱ローラ
ーを所定の温度まで昇温するための時間が長くなり、装
置の使用の際に待機時間が長くなり、消費電力も多くな
るという別の問題が生ずる。そこで、上記問題を解消す
る新規な定着方式として、定着フィルムを介した局部加
熱による定着方式(特開昭63−313182号等)
や、導電性の耐熱フィルムからなる定着フィルム(以
下、導電性定着フィルムと記す)を用い、フィルムの自
己発熱により熱定着を行なう定着方式(特開平3−14
4676号)が提案されている。
【0003】ここで導電性定着フィルムを用いた電子写
真プロセス定着部の構成例を図12に示す。図12にお
いてこの定着部は、一対の電極1dが配置された電極支
持体1aと、該電極支持体1aの電極面に接した状態で
搬送される導電性定着フィルム1bと、前記電極支持体
1aに対向して配置され該電極支持体1aと共に導電性
定着フィルム1b及び未定着トナー画像1eが形成され
た記録紙1hを挾持加圧する加圧ローラー1cとから構
成されている。上記導電性定着フィルム1bとその搬送
方式としては、図13に示すように導電性定着フィルム
1bにシームレスベルトを用い駆動ローラー1fとテン
ションローラー1gで回動するエンドレスタイプのもの
や、図示しないが、導電性定着フィルムが巻回された送
り出しロールと巻き取りロールを用いて、導電性定着フ
ィルムを巻き取りロールで巻き取りながら搬送する非エ
ンドレスタイプのものが考えられている。尚、本技術を
用いた定着装置は様々に検討されているが未だ商品化さ
れた例はない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な導電性定着フィルムによる定着プロセスを検討した結
果、以下の不具合が明らかとなった。すなわち、上記の
ような定着プロセスにおいては、発熱体(導電性定着フ
ィルム)が被定着トナーと直接接しているため、予熱時
間の全く不要な定着が可能であるが、その反面、発熱部
(導電性定着フィルム)の温度を直接検出できないため
に、従来全ての定着プロセスで行なわれていたような測
温部の温度を一定にコントロールするように供給電力を
制御する方法では、連続定着動作時にフィルム温度が不
必要に上昇してしまい無駄な電力消費となるばかりでな
く、導電性定着フィルムの耐久性にも影響してしまうと
いう問題が生じる。
【0005】本発明は上記事情に鑑みなされたものであ
って、導電性定着フィルムを用いた定着方式における上
記問題点を解決し、導電性定着フィルムによる定着に過
不足の無い常に適正な電力供給を可能にした定着装置を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明は、筒型導電性定着フィルムと、そ
の導電性定着フィルムの内側に設けられた一対の電極
と、その一対の電極を支持する支持体と、前記導電性定
着フィルムを前記一対の電極とで挾持する位置に設けら
れた弾性体ローラーと、導電性定着フィルムを一対の電
極の回りに所定の線速で回転駆動する駆動手段とを有
し、弾性体ローラーと導電性定着フィルムとに未定着ト
ナー画像が形成された記録媒体が挾持される位置で搬送
され、一対の電極を通じて導電性定着フィルム上に発生
するジュール熱で記録媒体上のトナーの加熱定着が行な
われる定着装置であり、前記一対の電極またはその支持
体の少なくとも一部の温度を検知する手段と、測温部の
温度と導電性定着フィルムへの供給電流との関係等の制
御情報を記憶しておく記憶手段と、前記制御情報に基づ
いて検知した温度から適正な実効電流値を決定する手段
と、その決定結果に基づいて導電性定着フィルムに供給
される実効電流の大きさを制御する手段を有することを
特徴としている。
【0007】請求項2の発明は、筒型導電性定着フィル
ムと、その導電性定着フィルムの内側に設けられた一対
の電極と、その一対の電極を支持する支持体と、前記導
電性定着フィルムを前記一対の電極とで挾持する位置に
設けられた弾性体ローラーと、導電性定着フィルムを一
対の電極の回りに所定の線速で回転駆動する駆動手段と
を有し、弾性体ローラーと導電性定着フィルムとに未定
着トナー画像が形成された記録媒体が挾持される位置で
搬送され、一対の電極を通じて導電性定着フィルム上に
発生するジュール熱で記録媒体上のトナーの加熱定着が
行なわれる定着装置であり、前記一対の電極またはその
支持体の少なくとも一部の温度を検知する手段と、被定
着記録媒体の先端が定着部に到達した時刻を検知する手
段と、その時刻から現在までの経過時間を算出する手段
と、通紙開始時の測温部の温度に対する通紙開始からの
経過時間と供給電力との関係等の制御情報を記憶してお
く記憶手段と、その制御情報に基づいて被定着記録媒体
の先端が定着部に到達した時刻の前記検出温度とそれか
らの経過時間から適正な実効電流値を決定する手段と、
その決定結果に基づいて導電性定着フィルムに供給され
る実効電流の大きさを制御する手段を有することを特徴
としている。
【0008】請求項3の発明は、請求項2の定着装置に
おいて、前記温度検知手段により検知した温度を前記記
憶手段により所定の時間記憶保持し、記憶された温度デ
ータ及び現在の測定温度結果に基づいて前記制御情報を
選択し、その制御情報に基づいて適正な実効電流値を決
定する手段と、その決定結果に基づいて導電性定着フィ
ルムに供給される実効電流の大きさを制御する手段を有
することを特徴としている。
【0009】
【作用】本発明の定着装置においては、弾性体ローラー
と導電性定着フィルムとにより、未定着トナー画像が形
成された記録媒体を挾持搬送し、一対の電極を通じて導
電性定着フィルム上に発生するジュール熱で記録媒体上
のトナーの加熱定着を行なうため、加熱体(フィルム)
の熱容量を小さくでき且つ導電性定着フィルムへの電力
供給は被定着物が通過するときのみでよく、待機時間、
消費電力の少ない定着装置を実現できる。さらに、本発
明の定着装置においては、一対の電極またはその支持体
の少なくとも一部の温度を検知する手段と、測温部の温
度と導電性定着フィルムへの供給電流との関係、あるい
は通紙開始時の測温部の温度に対する通紙開始からの経
過時間と供給電力との関係等の制御情報を記憶しておく
記憶手段を有し、その検知された温度と記憶手段に記憶
された制御情報とに基づいて請求項1〜3の制御手段に
より制御を行なうため、導電性定着フィルムによる定着
に過不足の無い適正な電力供給を行なうことが可能とな
る。
【0010】
【実施例】以下、本発明を図示の実施例に基づいて詳細
に説明する。図1は本発明の一実施例を示す定着装置の
概略的要部断面図であって、符号2aは電極支持体、2
bは一対の電極、2cは導電性定着フィルム、2dは未
定着トナー画像が形成された記録紙、2eは少なくとも
表層部が弾性体(シリコンゴム等)からなる加圧ローラ
ー、2fは温度検出センサー(測温センサー)を示して
おり、以下の各請求項の実施例における構成、動作の説
明においては、図1に示すように電極支持体2a中に温
度検出センサー2f(ここではサーミスタを用いる)を
埋め込むかあるいは電極支持体2aの裏面等にセンサー
を固定し、且つ、図13と同様に、エンドレスタイプの
筒型導電性定着フィルム2cを駆動ローラーとテンショ
ンローラーで回動する構成としている。尚、電極2b及
び電極支持体2aそして図示していない電極支持体の補
強板を含めてヘッドと呼ぶ。また、導電性定着フィルム
2cとしては、カーボン添加のポリイミドベルトで、厚
さ20μm、周長190mm、幅270mm、シート抵
抗値2000Ω/mm2 のものを用いている。また、図
1においてDで示された電極間距離は1mm、主走査方
向(紙面に垂直な方向)の電極長さは257mmであ
る。
【0011】図2は本発明の定着装置を用いた画像形成
装置の要部構成及び記録紙の搬送経路を示す図であっ
て、図中符号2は図1に示した構成の定着装置、10は
感光体ベルト、11は転写チャージャ、12はレジスト
センサー、13は給紙カセット、14は給紙コロ、15
は搬送ローラー、16はレジストローラーを示してい
る。また、図示していないが、上記感光体ベルト10の
周囲には帯電装置、露光装置(例えば、レーザー光を用
いた光書込装置等)、現像装置、上記転写チャージャ1
1、クリーニング装置、除電装置等が配設されている。
そして、画像形成時には、帯電装置により感光体ベルト
10を一様に帯電した後、レーザー光を用いた光書込装
置等により光書込を行って静電潜像を形成し、この潜像
を現像装置のトナーで現像して顕像化し、このトナー像
を、給紙カセット13から給紙コロ14、搬送ローラー
15、レジストローラー16を介して転写部に搬送され
て来た記録紙2dに転写チャージャ11により転写す
る。トナー像が転写された記録紙2dは定着装置2に送
られ、定着装置2の加圧ローラー2eと導電性定着フィ
ルム2cとにより未定着トナー画像が形成された記録紙
が挾持される位置で搬送され、一対の電極2bを通じて
導電性定着フィルム2c上に発生するジュール熱で記録
紙上のトナーの加熱定着が行なわれた後、図示しない排
紙トレイ上に排紙される。一方、転写後の感光体ベルト
10はクリーニング装置でクリーニングされた後、除電
装置で残留電荷が除去される。
【0012】ところで、図2に示す画像形成装置では、
転写部手前に通紙検知のためのレジストセンサー12が
設けられている。このレジストセンサー12は一般的に
は被定着記録紙2dの搬送位置と感光体ベルト10への
レーザー書き込みの同期を取るために設けられたもの
で、レジストセンサー位置へ記録紙先端が到達した時刻
を検出し、その時刻から適正な時間経過後に各頁のレー
ザー書き込みを開始することによって記録紙の所定位置
に転写画像を形成することをならしめるものである。
尚、本実施例では、このレジストセンサー出力を被定着
記録紙の定着部到達時刻の検知手段としても用いてい
る。すなわち、レジストセンサー位置に記録紙先端が到
達した時刻を検知した制御部は、被定着記録紙の線速と
レジストセンサー位置から定着部までの通紙経路の長さ
で決まる所定の時間をカウントし、カウントアップ時点
を被定着記録紙先端の定着部到達時刻とする。勿論、定
着部直前に別途メカニカルセンサーを設けても良いし、
制御部の時間カウントはハードタイマーでもソフトウェ
アタイマーでもかまわない。
【0013】図3は本発明による定着装置の制御部の概
略構成例を示すものであり、定着装置2の一対の電極2
bまたはその支持体2aの少なくとも一部の温度を検知
する温度検出センサー2fの出力はAD変換部21を介
してデジタル信号に変換され制御装置20に送られる。
また、上記レジストセンサー12出力も制御装置20に
入力される。また、定着装置2の導電性定着フィルム2
cへの電力供給は制御装置20からの信号に基づいて位
相制御部22の電力制御回路により行なわれ、50Hz
の100V交流を図5に示すような位相制御により実効
電力をコントロールしている。尚、導電性定着フィルム
への電力供給は被定着記録紙が通過するときのみ行なわ
れる。また、上記制御装置20は、公知のマイクロコン
ピュータやメモリ、カウンタ、各種制御回路等を備えた
構成となっており、定着装置の他、画像形成装置の各部
の制御をも行うものであり、制御装置内のメモリーには
各種制御用のプログラムや各種データテーブル等が記憶
されている。また、制御装置20には別途にメモリ(I
CカードやRAMボード等)23やタイマー24を接続
してもよく、上記メモリー23には、温度検出センサー
2fにより測定された所定時間内の温度情報等や、後述
する各種制御用の制御情報が記憶される。そして、制御
装置20のマイクロコンピュータにより制御情報が選択
され、その制御情報と検知温度等に基づいて定着部の導
電性定着フィルム2cに供給される実効電流値(供給電
力)が後述する各実施例の方式で決定され、その決定結
果に基づいて位相制御部22が制御され、導電性定着フ
ィルム2cへの供給電力が適正に制御される。以下、本
発明の定着装置の制御動作の実施例について述べる。
【0014】[実施例1]図1において、本実施例では
電極支持体2aとして厚さ0.6mmのセラミック基板
を用い、その裏面に温度検出センサーを設けた。また、
被定着記録紙2dの搬送速度は30mm/secであ
り、記録紙上のトナーとしては1成分系トナーを用いて
いる。同一電力を導電性定着フィルム2cに供給した場
合、排紙側電極付近でのフィルムの上昇温度は図9の実
線に示すようなものとなることが熱伝導解析より判っ
た。また同時にヘッド(支持体2a)のフィルムと接触
する表面での排紙側電極近傍での温度とセンサー位置で
の温度について計算,測温を行なったところ各々図9に
示す点線、破線のような結果となった。この場合、ヘッ
ドと導電性定着フィルム2cが接する面の温度とセンサ
ー位置での温度の挙動が比較的一致している。
【0015】ここで、導電性定着フィルム2cの上昇温
度は、ヘッド上のフィルムとの接触面の温度から主とし
て影響を受けるが、図9の結果からヘッド測温部の温度
検出結果から導電性定着フィルムへの供給電力を決定す
ることが可能であることが判った。より詳しく説明する
と、導電性定着フィルムを用いた定着装置では、図1に
示した電極間距離Dでのみフィルムが発熱しているが、
このときのフィルムの温度上昇カーブはある供給電流値
に対しては、フィルムを挾持している記録紙の被定着面
の温度とヘッドとフィルムが接するヘッド表面の温度で
ほぼ決まる。記録紙自体はほぼ室温でニップ部(図1の
D部)に搬送されるし、フィルム自体もその熱容量は記
録紙の数分の1以下しかないために、結果としてニップ
内でのフィルムの温度上昇カーブはヘッドとフィルムが
接するヘッド表面の温度で決定される。このニップ内で
のフィルムの温度上昇カーブによって記録紙被定着面へ
の供給熱量は一律に決まり、定着性が決定するわけであ
る。言い換えれば、フィルムが接するヘッド表面の温度
が毎時正確に検出できれば、対応した適切な電流値設定
を行なうことでフィルムの上昇温度カーブを一定に保つ
ことが可能である。このことは、フィルムの温度が高す
ぎるとフィルムの耐久性に問題が生じやすいこの定着方
式では特に重要なポイントである。
【0016】前述したように、図9では、ヘッドと導電
性定着フィルム2cが接する面の温度とセンサー位置で
の温度の挙動が比較的一致しており、”センサー位置で
の温度”と”ヘッドとフィルムが接する面の温度”とが
通電開始から極めて短い時間でその差が僅少になってい
る。これはヘッド材料として熱伝導性の良いセラミック
を用いたためにヘッド内温度勾配がほとんど発生しない
ことを意味している。この平衡に達する時間は熱計算上
数msec程度であり、ウォームアップ時間として考えても
問題のない時間である。計算上では”センサー位置での
温度”と”ヘッドとフィルムが接する面の温度”との差
は1度以下であるから、温度センサー測定値を”ヘッド
とフィルムが接する面の温度”として見做せるために、
温度センサー測定値と対応した適切な電流値設定を行な
うことでフィルムの上昇温度を一定に保つことが可能で
ある。すなわち、ヘッド測温部の温度検出結果からフィ
ルムへの供給電力を決定することが可能である。
【0017】従って、図4に示すヘッド検知温度(支持
体温度)と、フィルム上昇温度が一定になる供給電流と
の関係をテーブル化して制御情報として図3に示した制
御部のメモリー23に記憶しておけば、制御装置20
は、このテーブルに基づいて温度センサー2fにより検
知した温度から適正な実効電流値を決定し、その決定結
果に基づいて位相制御部22を制御して導電性定着フィ
ルム2cに供給される実効電流の大きさを制御する。そ
して、この制御方式にて連続定着動作を行なったところ
良好な結果を得た。このように、比較的通紙速度が遅く
ヘッド内の温度勾配が小さい場合には、上記制御方式に
より導電性定着フィルムによる加熱定着を過不足のない
供給電力で制御可能となる。尚、図4は、フィルムのニ
ップ間での上昇温度を、供給電流と電極支持体(ヘッ
ド)温度を振って、本実施例の条件で計算した結果か
ら、”各ヘッド温度”に対して、”フィルムの上昇到達
温度が適正な一定の値になるのに必要な供給電流値”を
プロットしたものである。
【0018】[実施例2]次に第2の実施例として、記
録紙2dの搬送速度を60mm/secと実施例1の倍
にし、電極支持体2aとしてポリイミド樹脂成形品(厚
さ2.0mm)を用い、この電極支持体内の導電性定着
フィルム2cとヘッドの接触面から1mmの深さの位置
に温度検出センサー2fを埋設したところ、フィルム温
度、ヘッド表面温度、ヘッド測温部温度の関係が図6の
ようになった。この場合、電極支持体2aが比較的熱伝
導の悪い樹脂成形品からなるため、ヘッド表面温度とヘ
ッド測温部での温度差がセラミックを用いた場合より大
きく、また環境温度(例えばヘッド近傍の周辺部材等の
温度)が変動した場合、ヘッド測温部での温度は環境温
度に従って比較的大きく変動するが、フィルム温度の環
境温度変化による影響は比較的小さいことが判った(フ
ィルム自体が発熱するため)。そのため、実施例1のよ
うなヘッド測温部での温度で一律に供給電力を決めるこ
とができなくなった。しかし、環境温度ごとに図4記載
の関係をテーブルにして制御情報としてメモリ23に記
憶したり、環境温度検知手段を別途設けることにより適
切な制御を行なうことは可能であるが、この方法では、
コストアップにつながる。
【0019】そこで本実施例においては、記録紙の搬送
速度は速いが、定着を通る記録紙間の間隔が比較的長い
場合には、被定着記録紙が定着部に到達した時点では比
較的長い時間発熱が休止していた直後であるためヘッド
内の温度分布が比較的均一であり、その後のフィルム発
熱による温度上昇は初期温度(記録紙先端が定着部に到
達した時点での温度)でほぼ決定されることから(全く
同じ時間間隔で記録紙を通紙した場合でも、周辺部材等
の温度が異なると上記初期温度は変動するという意味で
あり、この後の供給電力と被定着面に与えられるエネル
ギーは上記初期温度で決めてしまっても構わない程度の
差であるということである。これは定着系の定着ニップ
部近傍の蓄熱量が、測温部の温度が同じであれば環境が
異なっても大差無いという意味である)、図7に示すよ
うに、通紙開始からの経過時間と供給電力の関係を、定
着部通紙開始時点でのヘッド測温部の温度(図7の初期
温度T1〜T3)毎に作成してテーブル化し、制御情報
として図3に示す制御部のメモリー23に記憶してお
き、制御装置20により、その制御情報に基づいて被定
着記録紙の先端が定着部に到達した時刻の温度検出セン
サー2fによる検出温度(初期温度)と、通紙が開始さ
れ電力供給が為されてからの経過時間によって所定の供
給電力(導電性定着フィルムに供給される実効電流値)
を定めて制御を行なった。すなわち、メモリー23に記
憶されている制御情報から通紙開始時に検出された初期
温度に対応するテーブルを選択し、そのテーブルを参照
して通紙開始からの経過時間によって所定の供給電力を
決定し、その決定結果に基づいて導電性定着フィルムに
供給される実効電流の大きさを制御するわけであり、こ
の制御方式によって良好な結果を得ることができた。こ
のように、比較的通紙速度が速い場合にも、上記制御方
式を選択することにより導電性定着フィルムによる加熱
定着を過不足のない供給電力で制御可能となる。
【0020】尚、本実施例では、前述したように、レジ
ストセンサー12の出力を被定着記録紙の定着部到達時
刻の検知手段として用いており、レジストセンサー位置
に記録紙先端が到達した時刻を制御装置20で検知し、
被定着記録紙の線速とレジストセンサー位置から定着部
までの通紙経路の長さで決まる所定の時間をタイマー2
4からの信号によりカウントし、カウントアップ時点を
被定着記録紙先端の定着部到達時刻としている。また、
通紙開始からの経過時間もタイマー24からの信号によ
り検出している。
【0021】[実施例3]実施例2の構成・動作と同じ
定着部の構成及び通紙速度で、画像形成装置のデータ処
理系の速度が速く記録紙が連続して定着処理されるよう
な場合においては、被定着記録紙に印字出力する間隔
(すなわち定着部を通る記録紙間の間隔)が短くなるた
め、前の記録紙に対する定着動作が終了し、ヘッド内で
の温度分布が均一になる前に次の被定着記録紙が定着部
に到達する事態が発生した。この場合は、被定着記録紙
毎の定着動作開始時における温度分布状態により、その
後のフィルムの上昇温度の割合が変化するために、実施
例2の方式では、一律に適正な電力供給量を決めること
ができない。すなわち、測温部の初期温度のみで制御テ
ーブルを選択できない。その結果、記録紙の始めの部分
に定着不足が発生した。そこで本実施例では、過去のヘ
ッド測温部での温度測定結果の履歴から現在の測定温度
結果を補正し適正な電力供給量の決定を行なった。すな
わち、図3に示す制御装置20は、温度検出センサー3
fにより所定の周期で検出した温度検出値をバスを介し
てメモリー23に所定の時間記憶保持し、記憶された温
度データに基づいて現在の測定温度結果を補正し、以後
は実施例2と同様にしてその補正された温度から適正な
制御テーブルを選択して実効電流値を決定し、その決定
結果に基づいて導電性定着フィルムに供給される実効電
流の大きさを制御する。尚、メモリー23に所定時間分
の温度検出値を格納した場合、それ以降の検出値は最初
のメモリーアドレスに戻って格納されるため、所定時間
経過後のデータがメモリーを占有することを防止でき
る。以下、本実施例についてより詳しく説明する。
【0022】本実施例では、実効電流値の決定は実施例
2と同様の手段で行なわれる。ただし、被定着記録紙先
端の定着部到達時刻における検出温度に補正を施して適
用する点が異なっている。これを説明する前に、もう一
度実施例2による制御の特徴を述べておく。ここで、図
10は、導電性定着フィルム層3a、電極支持体3c、
及び金属からなる補強板3dの構成に対応して様々な場
合の温度分布を示したものである。フィルム層3aが通
電発熱している場合、その到達温度はほぼ一定になるべ
くコントロールされているから、電力供給中は一定温度
とみなして良い。分布曲線,,,は各々、ヘッ
ド内温度分布がほぼ定常状態に達した場合,電力供給が
始まったばかりの状態,電力供給停止後間のない場合の
状態(フィルムの反対側には図示していない加圧ローラ
ーのシリコンゴム層が有りそちらへも熱が逃げる),長
時間記録が行なわれずヘッド内温度分布がほぼ一定にな
った状態をそれぞれ示しており、実施例2のように定着
部における通紙間隔が比較的長い場合には、ヘッド内温
度分布は→→→→→・・・ と変化するものと
考えられる。
【0023】実施例2では被定着記録紙先端の定着部到
達時点の温度以外は、その記録紙が定着部から排出され
るまで温度センサー検出温度は参照していない(勿論、
場合によっては参照してもよい)。これは何故かと言う
と、図10の及びのように、フィルム3aに接して
いる電極ヘッド(電極支持体)3cの表面と内部とでは
通電中(定着中)は温度勾配ができてしまい、同図3b
のセンサー位置の温度は電極ヘッド表面の温度と大きな
差が生じるからである。図6はその関係を示したもので
ある。これは図9に示した実施例1の場合と異なり、実
施例2では、記録紙が高速に搬送されるために高いフィ
ルム温度が必要で且つ単位時間当り記録紙の奪う熱量が
大きいために、ウェートタイムレスな定着系を得る手段
として、電極ヘッド(電極支持体)3cの材料に熱伝導
性の悪い高耐熱樹脂(ポリイミド系樹脂)を用いている
ことが災いしているわけである。この材料にアルミナな
どのセラミックを用いると、セラミックは樹脂よりも熱
伝導性が良いため図6のような大きな温度差は発生しな
いが、図10の3aの通電フィルムで発熱した熱がセラ
ミックを通じてどんどん逃げてしまうために大きな供給
電力が必要となってしまい、実用的で無くなる。
【0024】この温度差はヘッド自体の温度やそれを支
持する金属支持体(補強板)3dの温度(これらは系自
体の蓄熱や環境温度による)で変動するために、定着動
作中の検出温度は制御参照値として使うには極めて当て
にできないものとなっている。フィルム温度やヘッドと
フィルムが接するヘッド表面近傍の温度は、それらが環
境温度に比べてかなり高いために、センサー位置の温度
とは異なり環境の影響は受けにくいが、ヘッドの蓄熱に
よる温度上昇は値が大きいために無視できない。前述し
たように、ニップ内でのフィルムの温度上昇カーブはヘ
ッドとフィルムが接するヘッド表面の温度で決定され
る。そしてヘッド表面の温度は供給電流が一定であれ
ば、初期温度と通紙開始後の経過時間でほぼ一律にきま
る。そこで熱計算と定着性の確認実験から、通紙開始後
の経過時間に対する最適な供給電流を示すカーブを通電
開始時のヘッド温度(初期温度)毎に図7のように求め
ておき、実際の定着時には測温部の初期温度と定着開始
からの時間経過で実効電流値を制御しているのが実施例
2である。ただし、図7では定着開始時点での初期温度
として3点(例えば、10℃、25℃、40℃等)しか
例示されていないが、これでは不足する場合、外挿や内
挿処理を行なうか開始温度を追加してより多くのテーブ
ルを作成する必要がある。
【0025】このヘッド内温度勾配は、通電を停止して
数秒(この時間は設計に依存するが)のオーダーの時間
経過で、図10のからの温度分布を経てほぼ均一に
なる。しかし、通電停止(つまり前の記録紙が排紙され
た時)からすぐに次の被定着記録紙が定着部に到達する
場合はヘッド内の温度勾配が大きく、その時検出された
温度とその後の電極ヘッド表面(通電フィルムとの接触
面)の温度上昇曲線との対応が、温度勾配の無いとき
(あるいは温度勾配が図10の程度かそれより小さい
時)と異なってしまう。したがって、温度勾配が無い場
合と温度勾配が図10ののように比較的大きい場合と
で同じ制御を行なうと、適正な電力供給から外れる結果
になってしまう。例えば図10に示したような例では、
センサーが電極ヘッドの支持体3cの内部に埋め込まれ
ているが、の状態のように冷却過程にある場合には、
ヘッド内部は表面(フィルム側)や補強板3d側よりも
冷却が送れているために実際のヘッド表面温度よりも高
い温度を示しているので、測温点3bでの検出温度をそ
のまま初期温度として実施例2の方式で制御テーブルを
選択すると、実際に必要な供給電力よりも小さい側のテ
ーブルが選択されてしまい定着不足になってしまう。そ
こで検出温度を補正する、つまり別の温度で置き換えて
この不具合を防止しているのがこの実施例3である。こ
の置き換える温度をここでは仮想温度と呼ぶ。
【0026】以下、定着開始時(記録紙先端が定着ニッ
プ部に到達した時点)の実測温度と、それ以前の実測温
度履歴からヘッド内温度分布を推定して、適正な供給電
力(制御テーブル)を求めるための仮想温度を決定する
方法の一例について説明する。測温部の温度は、通電中
すなわち記録紙が定着部を通過中はほぼ単調に増加す
る。また、通電停止とほぼ同時に測温部の温度は単調に
減少する。すなわち、測温部の温度履歴の時間微分値が
正の時刻では加熱通電が行なわれており、負の時刻では
通電が停止されている。従って、温度履歴において各時
刻での時間微分値から通電停止から現在時刻迄の経過時
間が求められる。尚、この温度測定間隔は制御装置のラ
インシンクと同等であるが、記憶時間間隔はそれでは短
すぎてメモリーを喰いすぎるので、例えば0.5秒間隔
等、適宜の時間間隔(これはラインシンクの整数倍の時
間になる)とする。
【0027】より具体的に述べると、時刻tにおいて被
定着記録紙が定着部に達したとする。ここで、図3に示
す制御部のメモリ23に記憶された図8に示す時刻t−
nから現時点tまでの温度テーブル(測温データ)よ
り、時刻t−n+1から現時点までの温度の時間勾配
(時間微分値)を調べる。ここでnはヘッド内温度勾配
が均一になるまでに要する時間とする。記憶されたデー
タによる温度勾配が全て負であれば通電停止から十分な
時間定着動作の休止があったとみなすことができ、この
場合は、請求項2の実施例に記載の手段で以後の供給電
力制御が可能である。また、t−m(m:現在までの経
過時間)の時刻まで計算された温度勾配が正であれば通
電停止からの休止時間経過が少ないため、この時点でヘ
ッド内の温度勾配が均一でないと判定する。ただし、こ
こでn>mである。この場合、現時点でのヘッド内温度
分布を予想できれば導電性定着フィルムと接するヘッド
表面温度が予想でき供給電力を一律に定めることができ
る。
【0028】ここで、記録紙の通紙間隔(定着部を通る
記録紙間の間隔)が短い場合、時刻tでの温度分布は図
10のの状態とみなせるが、このの状態は、電力供
給停止からの経過時間mと、時刻tの測定温度Tと、熱
容量が大きいため時間mの範囲では変動の少ない補強板
温度(補強板3dは熱伝導性の高い金属でできており、
内部温度はほぼ一定とみなして良い)と、導電性定着フ
ィルムのヘッドと反対側に接している加圧ローラーの温
度できまる。ただし、加圧ローラーの表層部はシリコン
ゴムからできており、その熱伝導率がポリイミド樹脂に
比べて一桁小さいため、ヘッド内フィルム側の熱の落ち
こみのヘッド全体の熱分布への寄与は小さくほぼ無視で
きる。従って、補強板3d側の温度が推測できればヘッ
ド内の温度分布がおおよそ推定可能である。
【0029】ところで、前回の通電停止時(これは前回
の記録紙が定着部から排紙された瞬間のことである)の
ヘッド蓄熱量には限界がある。そして、その時刻におけ
るヘッド内温度分布にも限界があり、ある時間放置する
ことでほぼ均一になることが期待できる。例えば、フィ
ルム側のヘッド表面温度が定着温度と等しく、補強板の
温度が室温の場合が温度分布が最も大きい場合である
が、この場合ですら、一定の時間加熱無しに放置される
ことでほぼ均一な温度分布(図10のの状態)にな
る。例えば本実施例のヘッド部の構成では、ほぼ7秒経
過していれば実施例2の制御方式で均一な定着性が得ら
れているので、通紙間隔が7秒以上であれば実施例2の
制御方式で十分であるが、本実施例の場合は、前回の記
録紙排紙から7秒以内に次の被定着記録紙が搬送されて
きた場合を想定しており、温度分布は図10の→→
のように時間経過とともに変動し、の状態に落ち着
く前に次の定着動作が開始されるため、この場合には、
測温部の実測温度→仮想温度変換を行なって、近似的に
制御するわけである。
【0030】この仮想温度は、1)現在(記録紙先端が定
着部に到達した時刻t)の測定温度T,2)前回の記録紙
排紙時刻t−m(m:記録紙排紙から現在までの経過時
間),3)前回の記録紙排紙時刻から現在迄の測定温度履
歴、4)補強板温度(ヘッド内の温度分布)から決められ
るが、本実施例では、3)の測定温度履歴を、前回の記録
紙排紙時刻における測定温度で近似して(代表参照し
て)いる。また、ポリイミド樹脂からなる電極支持体3
cの厚みを2.0mmとする。まず前回定着の記録紙の
排紙時点での補強板温度をその時点での測定温度Tmか
ら一律に近似予測する。この近似は排紙時には供給電力
量がほぼ一定となっており、ヘッド内の温度プロファイ
ルがほぼ平衡に達していると見なした結果である。この
場合、フィルム側表面温度はほぼ一定で170度と予測
されており(定着フィルム到達温度180〜190度の
場合)、電極支持体の深さ1mmのところに温度センサ
ーが設けられていると、図10ののような温度プロフ
ァイルでは、 170−(170−Tm)×2=2×Tm−170 ・・・(1) がほぼ補強板温度となる。この温度は実測した範囲でほ
ぼ室温〜50度程度である。補強板3dの熱容量は電極
支持体3cに比べると大きく、通電停止した際にも電極
支持体から若干の熱流入があるがそれで温度が上昇する
には至らない。従って、温度は徐々に対流、放射等の熱
拡散によって低下して行く。ただし、この温度低下は、
測温部に比べると緩やかで10秒程度の時間では数度変
化する程度である。これ対して測温部の温度低下は変化
が大きく、これは補強板(放熱板として作用する)の温
度に依存する。
【0031】ここで、通電停止からの経過時間m後に次
の被定着記録紙が搬送された時点迄の測定温度の低下の
割合は、近似的に、 (T−Tm)/m=f(Tm,Tdm,Td) ・・・(2) で表わされる。 尚、T :次の被定着記録しが搬送された時刻におけ
る測定温度, Tm :前回の被定着記録紙が排出された(通電停止し
た)時刻の測定温度, Td :次の被定着記録しが搬送された時刻における補
強板温度, Tdm:前回の被定着記録紙が排出された(通電停止し
た)時刻の補強板温度, である。時間経過mにおける補強板温度の変化を全く無
視すれば(1)式で補強板温度を近似でき、そうでなけれ
ば(1)式と(2)式から補強板温度が計算できる。ここ
で、(2)式の関数fの近似式として、 (T−Tm)/m=A×(T+Tm−2×Td) ・・・(3) を用いることができる。(3)式でAは比例定数であり一
定としたが、近似を更に良くするためTの関数としても
良い。この(3)式からおおよその補強板の温度Tdが求
まり、T,m,Td,Tmからヘッド内の現在の温度分
布が推定できる。尚、補強板の温度Tdを直接測定する
センサーを設置すればより確実にヘッド内の現在の温度
分布を推定できるが、センサーを支持体や補強板に複数
設けることはAD変換器等も複数設けることになり、コ
ストや製作の面から実用的でない。
【0032】本実施例では、このようにして推定された
温度分布から検知温度Tを補正して仮想温度T’を求め
(仮想温度は、T,m,Td,Tmより求まるが、(3)
式で近似した場合TdはT,m,Tmで決まるから、結
果としてT,m,Tmで置き換えて求めることができ
る)、この仮想温度T’を基に制御情報を選択し、以後
の制御は実施例2と同様に行なった。すなわち、制御装
置20により、現在の温度センサーによる通紙開始時の
温度Tを検知し、この検知温度Tとメモリーに記憶され
た温度データ(測温履歴情報:前回定着記録紙排紙時の
測定温度Tmと記録紙排紙から現在までの経過時間m)
とにより推定された温度分布に基づいて検知温度Tを補
正して仮想温度T’を求め、この仮想温度T’を初期温
度としてメモリー23内の制御情報(通紙開始からの経
過時間と供給電力の関係(図7))を選択し、その制御
情報に基づいて通紙開始からの経過時間によって所定の
供給電力を決定し、その決定結果に基づいて導電性定着
フィルムに供給される実効電流の大きさを制御する。
尚、以上の動作をまとめると図11のようなフローチャ
ートとなる。以上のように、本実施例においては比較的
通紙速度が速く定着周期(定着部を通る記録紙間の間
隔)が短い場合にも、上記制御方式により導電性定着フ
ィルムによる加熱定着を過不足のない供給電力で制御可
能となる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、導電性定着フィルムを用いた定着方式の定着装
置において、一対の電極またはその支持体の少なくとも
一部の温度を検知する手段と、測温部の温度と導電性定
着フィルムへの供給電流との関係等の制御情報を記憶し
ておく記憶手段と、前記制御情報に基づいて検知した温
度から適正な実効電流値を決定する手段と、その決定結
果に基づいて導電性定着フィルムに供給される実効電流
の大きさを制御する手段を有することにより、比較的通
紙速度の遅い場合の導電性定着フィルムによる加熱定着
を過不足のない供給電力で制御可能となる。
【0034】また請求項2の発明によれば、導電性定着
フィルムを用いた定着方式の定着装置において、一対の
電極またはその支持体の少なくとも一部の温度を検知す
る手段と、被定着記録媒体の先端が定着部に到達した時
刻を検知する手段と、その時刻から現在までの経過時間
を算出する手段と、通紙開始時の測温部の温度に対する
通紙開始からの経過時間と供給電力との関係等の制御情
報を記憶しておく記憶手段と、その制御情報に基づいて
被定着記録媒体の先端が定着部に到達した時刻の前記検
出温度とそれからの経過時間から適正な実効電流値を決
定する手段と、その決定結果に基づいて導電性定着フィ
ルムに供給される実効電流の大きさを制御する手段を有
することにより、比較的通紙速度の速い場合の導電性定
着フィルムによる加熱定着も過不足のない供給電力で制
御可能となる。
【0035】また請求項3の発明によれば、請求項2の
定着装置において、前記温度検知手段により検知した温
度を前記記憶手段により所定の時間記憶保持し、記憶さ
れた温度データ及び現在の測定温度結果から前記制御情
報を選択し、その制御情報に基づいて適正な実効電流値
を決定する手段と、その決定結果に基づいて導電性定着
フィルムに供給される実効電流の大きさを制御する手段
を有することにより、比較的通紙速度が速く定着周期
(定着部を通る記録紙間の間隔)が短い場合の導電性定
着フィルムによる加熱定着も過不足のない供給電力で制
御可能となり、処理速度の速い画像形成装置の実現に寄
与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す定着装置の概略的要部
断面図である。
【図2】本発明の定着装置を用いた画像形成装置の要部
構成及び記録紙の搬送経路を示す図である。
【図3】本発明による定着装置の制御部の概略構成を示
すブロック図である。
【図4】電極支持体温度と供給電流の関係を示す図であ
る。
【図5】位相制御による通電制御の説明図である。
【図6】請求項2の実施例におけるフィルム温度、ヘッ
ド表面温度、ヘッド測温部温度の関係を示す図である。
【図7】通紙開始時の初期温度が異なる場合の各初期温
度に対する通紙開始からの経過時間と供給電力との関係
を示す図である。
【図8】時刻t−nから現時点tまでの温度テーブルの
説明図である
【図9】請求項1の実施例におけるフィルム温度、ヘッ
ド表面温度、ヘッド測温部温度の関係を示す図である。
【図10】導電性定着フィルム層、電極支持体、及び金
属からなる補強板の構成に対応して様々な場合の温度分
布を示した図である。
【図11】請求項3の実施例における制御動作を示すフ
ローチャートである。
【図12】導電性定着フィルムを用いた電子写真プロセ
ス定着部の構成例を示す概略的要部断面図である。
【図13】導電性定着フィルムを用いた電子写真プロセ
ス定着部のフィルム搬送手段の説明図である。
【符号の説明】
2 :定着装置 2a:電極支持体 2b:一対の電極 2c:導電性定着フィルム 2d:記録紙 2e:加圧ローラー(弾性体ローラー) 2f:温度検出センサー 3a:導電性定着フィルム層 3b:測温点 3c:電極支持体 3d:補強板 10:感光体ベルト 11:転写チャージャ 12:レジストセンサー 16:レジストローラー 20:制御装置 21:AD変換部 22:位相制御部 23:メモリー 24:タイマー D :電極間距離 H :電極高さ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】筒型導電性定着フィルムと、その導電性定
    着フィルムの内側に設けられた一対の電極と、その一対
    の電極を支持する支持体と、前記導電性定着フィルムを
    前記一対の電極とで挾持する位置に設けられた弾性体ロ
    ーラーと、導電性定着フィルムを一対の電極の回りに所
    定の線速で回転駆動する駆動手段とを有し、弾性体ロー
    ラーと導電性定着フィルムとに未定着トナー画像が形成
    された記録媒体が挾持される位置で搬送され、一対の電
    極を通じて導電性定着フィルム上に発生するジュール熱
    で記録媒体上のトナーの加熱定着が行なわれる定着装置
    であり、前記一対の電極またはその支持体の少なくとも
    一部の温度を検知する手段と、測温部の温度と導電性定
    着フィルムへの供給電流との関係等の制御情報を記憶し
    ておく記憶手段と、前記制御情報に基づいて検知した温
    度から適正な実効電流値を決定する手段と、その決定結
    果に基づいて導電性定着フィルムに供給される実効電流
    の大きさを制御する手段を有することを特徴とする定着
    装置。
  2. 【請求項2】筒型導電性定着フィルムと、その導電性定
    着フィルムの内側に設けられた一対の電極と、その一対
    の電極を支持する支持体と、前記導電性定着フィルムを
    前記一対の電極とで挾持する位置に設けられた弾性体ロ
    ーラーと、導電性定着フィルムを一対の電極の回りに所
    定の線速で回転駆動する駆動手段とを有し、弾性体ロー
    ラーと導電性定着フィルムとに未定着トナー画像が形成
    された記録媒体が挾持される位置で搬送され、一対の電
    極を通じて導電性定着フィルム上に発生するジュール熱
    で記録媒体上のトナーの加熱定着が行なわれる定着装置
    であり、前記一対の電極またはその支持体の少なくとも
    一部の温度を検知する手段と、被定着記録媒体の先端が
    定着部に到達した時刻を検知する手段と、その時刻から
    現在までの経過時間を算出する手段と、通紙開始時の測
    温部の温度に対する通紙開始からの経過時間と供給電力
    との関係等の制御情報を記憶しておく記憶手段と、その
    制御情報に基づいて被定着記録媒体の先端が定着部に到
    達した時刻の前記検出温度とそれからの経過時間から適
    正な実効電流値を決定する手段と、その決定結果に基づ
    いて導電性定着フィルムに供給される実効電流の大きさ
    を制御する手段を有することを特徴とする定着装置。
  3. 【請求項3】請求項2記載の定着装置において、前記温
    度検知手段により検知した温度を前記記憶手段により所
    定の時間記憶保持し、記憶された温度データ及び現在の
    測定温度結果に基づいて前記制御情報を選択し、その制
    御情報に基づいて適正な実効電流値を決定する手段と、
    その決定結果に基づいて導電性定着フィルムに供給され
    る実効電流の大きさを制御する手段を有することを特徴
    とする定着装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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