JPH0772619A - 情報記録担体用フォトレジスト及び情報記録担体 - Google Patents

情報記録担体用フォトレジスト及び情報記録担体

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JPH0772619A
JPH0772619A JP5239164A JP23916493A JPH0772619A JP H0772619 A JPH0772619 A JP H0772619A JP 5239164 A JP5239164 A JP 5239164A JP 23916493 A JP23916493 A JP 23916493A JP H0772619 A JPH0772619 A JP H0772619A
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哲也 近藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光ディスクにおいて、エッジ部がシャ−プで
表面が滑らかなピット又はグル−ブを形成して、ジッタ
−値を小さくし、C/N値を大きく出来るようにし、そ
れにより高品質で高記録密度に適したディスクを提供す
る。 【構成】 情報記録担体用ポジ型フォトレジストであっ
て、340〜460nmの波長を有する紫外線に感光
し、0.2規定の水酸化カリウム水溶液または0.15
規定のテトラメチルアンモニウムヒドリド水溶液による
30秒間の現像による未感光部の溶出量1を2nm以下
とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポジ型フォトレジスト
に係わり、特に情報記録担体製造用のフォトレジストに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】以下、添付図面を参照して従来の技術を
説明する。まず、光ディスクの製造方法の概略を述べ
る。図5は、本発明のフォトレジストの一実施例、及び
従来例のフォトレジストによって製造される光ディスク
を説明するための第1の製造工程図である。図6は、本
発明のフォトレジストの一実施例、及び従来例のフォト
レジストによって製造される光ディスクを説明するため
の第2の製造工程図である。図5及び図6において、2
0はガラス基板を、21はフォトレジストを、22はレ
−ザ−光を、23は集光レンズを、24は露光部を、2
5はニッケルを、26はポリカ−ボネイト樹脂を、27
は反射膜及び保護膜をそれぞれ示す。
【0003】まず、精密に研磨された、円盤状のガラス
基板20の表面に、密着剤を介して、スピンコ−ト法に
より、ポジ型のフォトレジスト21を均一に塗布し、そ
の後、ホットプレ−ト等によりベ−キングする(図5
(A))。次に、記録されるべき信号により変調された
レ−ザ−光22をレンズ23により集光し、これをフォ
トレジスト21上に照射して、所定部分を露光する(図
5(B))。この露光部24のパタ−ンは、再生専用光
ディスク(CD、LD、CD−ROM等)の場合には、
ピット群であり、記録再生可能な光ディスク(光磁気デ
ィスク、相変化型光ディスク、CDライトワンス等)の
場合には、グル−ブ群である。次に、アルカリ溶液を用
いて、フォトレジスト21の現像を行い、露光部24を
溶解し、ピット群またはグル−ブ群からなるフォトレジ
スト21の凹凸パタ−ンを得る(図5(C))。
【0004】次に、このフォトレジスト21上に、スパ
ッタリング法等により、ニッケル等の導電膜を形成し、
更に、この導電膜を電極とし、ニッケル25を所定の厚
さにメッキする(図5(D))。これにより、フォトレ
ジスト21の凹凸パタ−ンの逆パタ−ンが、ニッケル2
5に写しとられる。次に、このニッケル25を、ガラス
基板20より剥離して、スタンパとする(図6
(A))。次に、このスタンパを、射出成型用の金型と
して用いて、ポリカ−ボネ−ト樹脂26等を射出成型す
る(図6(B))。ポリカ−ボネ−ト樹脂26には、所
定のパタ−ンが形成されている。最後に、スタンパより
取り外されたポリカ−ボネ−ト樹脂26のパタ−ンが形
成されている表面に、スパッタリング法等により、反射
膜または記録膜及び保護膜27等が形成されて、光ディ
スクが出来上がる(図6(C))。
【0005】ところで、光ディスクのピットまたはグル
−ブのパタ−ン形状は、光ディスクの製造工程におい
て、ピットまたはグル−ブの形成に係わる工程の全ての
影響を受けるが、これらのパタ−ンの原形になるのは、
フォトレジストの露光現像後に得られるフォトレジスト
パタ−ンであるため、フォトレジストパタ−ンの微細形
状が光ディスクの信号の性能を決定すると言っても過言
ではない。
【0006】光ディスクに記録された信号の性能を計る
指標の1つに再生信号のジッタ−値がある。ジッタ−値
は、再生信号のバラツキの程度を表すもので、この数値
が小さいほど高品質の光ディスクであると言える。すな
わち、ジッタ−値の小さい光ディスクであれば、ドライ
ブで使用する際、スピンドルにクランプする際に発生す
るディスクの傾きや温湿度の変化によって生じるディス
クの反り等に対して余裕度(マ−ジン)を持つ事にな
り、安定した再生を行うことができる。一方、ジッタ−
値がもともと大きいと、使用環境の変化によりジッタ−
値がさらに大きくなり、それに伴いピックアップによる
ピット分離(再生信号の分離)が困難になり、場合によ
ってはC1エラ−が増加し、甚だしい場合には、光ディ
スクの信号再生そのものができなくなる。
【0007】一方、光ディスクに記録された信号がアナ
ログ信号の場合には、その信号の性能の評価は、一般的
に、C/N値によって行われる。すなわち、C/N値が
大きいほど、良好なアナログディスクといえ、C/N値
が小さくなると、ジッタ−値の大きい場合と同様に、使
用時のマ−ジンが減ることになり、安定な信号再生に悪
影響を及ぼすことになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ジッタ−値
を小さくする又はC/N値を大きくするという観点よ
り、光ディスクの製造工程の内、特にフォトレジストの
影響について検討した結果、従来から用いられている市
販品のナフトキノンジアジド/クレゾ−ルノボラック系
フォトレジストはジッタ−値が大きく、ピット分離時の
マ−ジンが小さいこと、またノイズレベルも大きい傾向
にあることがわかった。これは、光ディスクの応用範囲
を狭めるものであり、またディスクを高密度大容量化す
るときにも障害になっていた。
【0009】そこで、さらに、ジッタ−値を下げ、C/
N値を上げるべく鋭意検討を行った結果、ジッタ−値及
びC/N値は、ピット又はグル−ブの表面及び断面形状
と大きな相関があり、エッジ部がシャ−プで表面が滑ら
かなピット又はグル−ブほど、ジッタ−値が小さく、C
/N値が大きい事を見出した。すなわち、ピット又はグ
ル−ブのエッジ部や表面部に凹凸があると、再生波形分
布が幅広くなってしまい、ノイズが増加することによ
り、ジッタ−値が大きくなり、C/Nが悪くなると考え
られる。また、こういったピット又はグル−ブ形状の乱
れは、フォトレジストのカッテング時において、露光さ
れなかった部分が、現像時に、ある程度溶出してしまう
事に起因しており、この溶出量が大きいほど、ジッタ−
値が大きくなりC/N値が小さくなることがわかった。
【0010】そこで、本発明は、光ディスクにおいて、
エッジ部がシャ−プで表面が滑らかなピット又はグル−
ブを形成して、ジッタ−値を小さくし、C/N値を大き
く出来るようにし、それにより高品質で高記録密度に適
したディスクを提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1による本発明の
情報記録担体用フォトレジストは、情報記録担体用ポジ
型フォトレジストであって、340〜460nmの波長
を有する紫外線に感光し、0.2規定の水酸化カリウム
水溶液または0.15規定のテトラメチルアンモニウム
ヒドリド水溶液による30秒間の現像による未感光部の
溶出量を2nm以下とした事により、上述の目的を達成
するものである。
【0012】また、請求項2による本発明の情報記録担
体は、円板面上に情報信号をピット又はグル−ブとして
形成した情報記録担体において、請求項1に記載の前記
フォトレジストを使用して製造し、前記ピット又はグル
−ブのエッジ部又は表面部の凹凸をほぼ無くした事によ
り、上述の目的を達成するものである。
【0013】
【実施例】以下、本発明の一実施例を説明する。ポジ型
フォトレジストは、一般に、クレゾ−ルノボラック樹脂
と感光剤であるナフトキノンジアジドを修飾したベンゾ
フェノンエステル、そして溶剤とから成る。そこで、ク
レゾ−ルノボラック樹脂を2種類(A、B)、ベンゾフ
ェノンエステルを2種類(C、D)それぞれ合成し、こ
れらを成分とするフォトレジストを得た。
【0014】まず、クレゾ−ルノボラック樹脂A、Bの
合成について説明する。Aは以下に述べる合成例1によ
り、Bは合成例2により得た。 (合成例1)還流冷却管と温度計が取り付けられた容量
500mlの3つ口のセパラブルフラスコ内に、蒸留し
たm−クレゾ−ル30g、p−クレゾ−ル70g、37
%ホルムアルデヒド水溶液74g及び蓚酸2水和物2.
3gを混合充填し、これらを攪拌しながら油浴中で加熱
し、還流温度にて15時間反応させた。次いで、フラス
コ内を30mmHgに減圧して、水分を除去し、さらに
内温150℃に上げて、未反応物を除去した後、金属製
のバットに流し出し固化させ、約100gのクレゾ−ル
ノボラック樹脂Aを得た。この樹脂をポリスチレン標準
のGPC(ゲルパ−ミエ−ションクロマトグラフィ−)
で分析したところ、MW (重量平均分子量)が7520
であった。
【0015】(合成例2)還流冷却管と温度計が取り付
けられた容量500mlの3つ口のセパラブルフラスコ
内に、蒸留したm−クレゾ−ル50g、p−クレゾ−ル
23g、2,6−ビスヒドロキシメチルp−クレゾ−ル
27g、37%ホルムアルデヒド43.5g及び蓚酸2
水和物2.3gを混合充填し、これらを攪拌しながら油
浴中で加熱し、還流温度にて15時間反応させた。次い
で、フラスコ内を30mmHgに減圧して、水分を除去
し、さらに内温150℃に上げて、未反応物を除去した
後、金属製のバットに流し出し固化させ、約90gのク
レゾ−ルノボラック樹脂Bを得た。この樹脂をポリスチ
レン標準のGPCで分析したところ、MW が8650で
あった。
【0016】次に、ベンゾフェノンエステルC、Dの合
成について説明する。Cは以下に述べる合成例3によ
り、Dは合成例4により得た(いずれも、黄色灯下で合
成された)。 (合成例3)2,3,4,4′−テトラヒドロキシベン
ゾフェノン10g、1,2−ナフトキノンジアジド−5
−スルホニルクロリド40g及びγブチロラクトン30
0mlを、3つ口のセパラブルフラスコに充填し、十分
溶解させた。これに、トリエチルアミン20gとアセト
ン50mlとの混合液を徐々に滴下し、室温にて5時
間、攪拌反応させた。これを、塩酸水溶液中に滴下し、
沈殿物を分離した後、これを水、次いでエチルアルコ−
ルで順に洗い、真空乾燥させてベンゾフェノンエステル
Cを得た。この乾燥生成物を、液体クロマトグラムで分
析したところ、4置換体は全体の88%を占めていた。
【0017】(合成例4)2,3,4−トリヒドロキシ
ベンゾフェノン20g、1,2−ナフトキノンジアジド
−5−スルホニルクロリド50g及びジオキサン250
mlを、3つ口のセパラブルフラスコに充填し、十分溶
解させた。これに、トリエチルアミン15gを徐々に滴
下し、室温にて4時間、攪拌反応させた。これを、合成
例3と同様に処理して回収し、ベンゾフェノンエステル
Dを得た。この乾燥生成物を、同様に分析したところ、
3置換体は全体の80%を占めていた。
【0018】(フォトレジストの調製)以上の様にして
得られたA〜Dを、以下に示す表1に表示された割合で
混合し、0.2μmフィルタで濾過して、フォトレジス
ト#1〜#7を得た(なお、溶剤についてはエチルセロ
ソルブアセテ−トを使用し、スピンコ−トに適した粘度
に希釈した。)。
【0019】
【表1】
【0020】次ぎに、上述した7種類のフォトレジスト
#1〜#7と、比較例として市販品のフォトレジスト
(S1とする)を用いて、光ディスクをそれぞれ製作
し、それらのジッタ−特性とC/N特性を評価した。ま
ず、光ディスクの製造方法を述べる。しかるに、上述し
た従来例における光ディスクの製造方法と、フォトレジ
ストを除き、基本的には同一なので、図5及び図6を用
いて説明する。符号も同一なので、その説明を省略す
る。
【0021】まず、精密に研磨された、円盤状のガラス
基板20の表面に、密着剤を介して、スピンコ−ト法に
より、合成したフォトレジスト21の#1を均一に塗布
し、その後、オ−ブン中で、80℃で30分間ベ−キン
グして、750オングストロ−ムよりやや厚めの膜厚を
有するフォトレジスト21を得た(図5(A))。ここ
で膜厚は、後の工程で0.2N水酸化カリウム溶液に3
0秒間浸漬した後に、750オングストロ−ムになるよ
うに設定した。
【0022】次に、記録されるべき信号により変調され
た、413nmの波長を持つクリプトンレ−ザ−光22
をレンズ23により集光し、これをフォトレジスト21
上に照射して、所要時間をかけて、所定部分を露光する
(図5(B))。記録されるべき信号は、トラックピッ
チ0.72μmであり、ディジタル信号の場合は最短ピ
ット長3Tを0.47μmとしたときの3T〜11Tの
ピット群であり、アナログ信号の場合はピット長0.4
7μmの単一周波数に代表させた連続信号である。な
お、ここで、レ−ザ−パワ−は、フォトレジスト#1の
感度に合わせ、ジッタ−値が最小又はC/N値が最大に
なるように選択した。
【0023】次に、0.2N水酸化カリウム水溶液(K
OH)により30秒間、フォトレジスト21の現像を行
い、露光部24を溶解し、ピット群からなるフォトレジ
スト21の凹凸パタ−ンを持つガラスマスタ−を得る
(図5(C))。このガラスマスタ−(図5(C))か
ら、上述の従来例と同様の方法により、スタンパ−(図
6(A))そしてディスク(図6(C))を得た。反射
膜は、700オングストロ−ムの膜厚を有するアルミニ
ウムで構成した。
【0024】以上、フォトレジスト#1について説明し
たが、同様の方法で、フォトレジスト#2〜#7につい
ても、光ディスクを製作し、それぞれ#1〜#7の光デ
ィスクを得た。また、比較例として、従来例で示した市
販品のフォトレジストS1についても、同様にS1の光
ディスクを得た。
【0025】次に、光ディスクの評価方法を説明する。
製造したそれぞれの光ディスクを、波長670nm、開
口数NA0.6であるレ−ザ−ピックアップを使用し
て、再生し、その再生出力をタイムインタ−バルアナラ
イザ−で解析し、その周波数特性曲線の各ピットに対応
する信号の分布よりジッタ−を求めた。すなわち、3T
の信号のみについて、105 個サンプリングし、時間に
対する発生頻度分布を求め、この分布の時間軸変動の標
準偏差を1Tに対応する時間で割って、規格化した値で
ある。この値が15%を越えると再生時のピット分離マ
−ジンが減少し、実用的ではない。またジッタ−が17
%を越えるとC1エラ−が増加し、連続して再生するこ
とが困難となる事がある。
【0026】一方、C/N値は、再生信号のキャリアレ
ベルとノイズレベルの測定より求めた。このC/N値が
45dBより小さくなると、再生時のピット分離マ−ジ
ンが減少し、実用的ではない。
【0027】次に、未感光フォトレジストの現像による
溶出量の測定について述べる。図1は、フォトレジスト
膜厚と露光量との関係を示すグラフ図である。図1にお
いて、1は溶出量を、2は塗布硬化後のフォトレジスト
膜厚を、3は、現像後のフォトレジスト膜厚の露光量依
存性を示す曲線を、E0 は現像後のフォトレジスト膜厚
が減少し始める露光量をそれぞれ示す。フォトレジスト
は、一般的に、図1で示される感光特性を示す。
【0028】溶出量1の測定は、次のように行った。す
なわち、まず、上述したように、精密に研磨されたガラ
ス基板上に、フォトレジスト#1〜#7と、比較例とし
て、従来例で示した市販品のフォトレジストS1を、膜
厚がほぼ750オングストロ−ムになるように、それぞ
れスピンコ−ト法によって塗布し、これらの現像前の膜
厚を、触針式表面粗さ計により測定した。次に、0.2
規定の水酸化カリウム水溶液(0.2N KOH)また
は0.15規定のテトラメチルアンモニウムヒドリド水
溶液(0.15N TMAH)に30秒間浸漬した後、
それらの膜厚を測定し、現像処理前後での膜厚の差(溶
出量1)を求めた。
【0029】次に、ピット形状の評価をするため、一部
のディジタル信号を記録したサンプルディスクに付き、
ピット表面及び、ディスクを半径方向に破断しそのピッ
ト断面を走査型電子顕微鏡により観察した。図4は、本
発明のフォトレジストの一実施例によって製造された光
ディスク上に形成されたピットの上面図及び断面図であ
る。図4(A)は、フォトレジスト#7によって得られ
た光ディスクのピットの上面を、図4(A′)は、フォ
トレジスト#7によって得られた光ディスクのピットの
断面を、図4(B)は、フォトレジスト#1によって得
られた光ディスクのピットの上面を、図4(B′)は、
フォトレジスト#1によって得られた光ディスクのピッ
トの断面をそれぞれ示す。以上の結果を、以下の表2、
図2及び図3に示す。
【0030】
【表2】
【0031】表2において、試料の項のS1は、比較例
として、従来例で示した市販品のナフトキノンジアジド
/クレゾ−ルノボラック系フォトレジストを示す。図2
は、未露光部溶出量とジッタ−との関係を示すグラフ図
であり、図3は、未露光部溶出量とC/Nとの関係を示
すグラフ図であり、それぞれ、表2の内容をグラフ化し
たものである。表2に示すように、未感光部(未露光
部)の現像による溶出量が、2nmを越えると、ジッタ
−値が15%を越え、溶出量が、2nm以下であるとジ
ッタ−値は、15%以下となり、溶出量が小さくなるに
従い、ジッタ−値が小さくなることは、図2に示したと
おりである。一方、C/N値についても、溶出量を2n
m以下にすることによって、45dB以上の良好な値が
得られる事が、図3に示したとおり明らかである。
【0032】また、ジッタ−値が小さく且つC/N値が
大きいものと、ジッタ−値が大きく且つC/N値が小さ
いものについて、ピット形状を比較すると、図4に示し
たごとく、ピットのエッジ部や表面部に凹凸がなく、シ
ャ−プで滑らかであるほど、ジッタ−値が小さく且つC
/N値が大きい事がわかる。図4(A)、図4(A′)
は#7のそれぞれ上面と断面を示すが、ジッタ−値は最
小の11.8%を、C/N値は最大の55dBを示して
おり、図4(B)、図4(B′)は#1のそれぞれ上面
と断面を示すが、ジッタ−値は最大の20.0%を、C
/N値は最小の38dBを示しており、その差は明らか
である。
【0033】なお、本実施例では、フォトレジストにつ
いては、ナフトキノンジアジド/クレゾ−ルノボラック
系についてのみ説明したが、未感光部(未露光部)溶出
量が2nm以下という条件を満たすポジ型フォトレジス
トであれば、これに限るものではない。例えば、ポリビ
ニルフェノ−ル系樹脂及びオニウム塩からなる化学増幅
タイプのポジ型レジストであっても良い。
【0034】また、本実施例では、ナフトキノンジアジ
ドをベンゾフェノン系材料に修飾したが、これに限るも
のではない。トリスフェノ−ル類やオキシフラバン類に
修飾する事で、400nm以下の透明性を上げるよう工
夫しても良い。また、クレゾ−ルノボラック樹脂、ベン
ゾフェノンエステル以外に、必要に応じて、染料、界面
活性剤、カップリング剤等を混合しても良い。また、溶
媒はエチルセロソルブアセテ−トに限るものではなく、
メチルセロソルブアセテ−ト、エチルセロソルブ、エチ
ルラクテ−ト、エチルピルベ−ト、ポリピレングリコ−
ルモノメチルエ−テルアセテ−ト、メトキシメチルプロ
イオネ−ト或いはこれらの混合溶媒であって良い。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1による本
発明の情報記録担体用フォトレジストは、情報記録担体
用ポジ型フォトレジストであって、340〜460nm
の波長を有する紫外線に感光し、0.2規定の水酸化カ
リウム水溶液または0.15規定のテトラメチルアンモ
ニウムヒドリド水溶液による30秒間の現像による未感
光部の溶出量を2nm以下とした事により、光ディスク
において、エッジ部がシャ−プで表面が滑らかなピット
又はグル−ブを形成して、ジッタ−値を小さくし、C/
N値を大きく出来るようにし、それにより高品質で高記
録密度に適したディスクを提供する事が出来る。
【0036】また、請求項2による本発明の情報記録担
体は、円板面上に情報信号をピット又はグル−ブとして
形成した情報記録担体において、請求項1に記載の前記
フォトレジストを使用して製造し、前記ピット又はグル
−ブのエッジ部又は表面部の凹凸をほぼ無くした事によ
り、光ディスクにおいて、ジッタ−値を小さくし、C/
N値を大きく出来るようにし、それにより高品質で高記
録密度に適したディスクを提供する事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】フォトレジスト膜厚と露光量との関係を示すグ
ラフ図である。
【図2】未露光部溶出量とジッタ−との関係を示すグラ
フ図である。
【図3】未露光部溶出量とC/Nとの関係を示すグラフ
図である。
【図4】本発明のフォトレジストの一実施例によって製
造された光ディスク上に形成されたピットの上面図及び
断面図である。
【図5】本発明のフォトレジストの一実施例、及び従来
例のフォトレジストによって製造される光ディスクを説
明するための第1の製造工程図である。
【図6】本発明のフォトレジストの一実施例、及び従来
例のフォトレジストによって製造される光ディスクを説
明するための第2の製造工程図である。
【符号の説明】
1 溶出量

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】情報記録担体用ポジ型フォトレジストであ
    って、 340〜460nmの波長を有する紫外線に感光し、 0.2規定の水酸化カリウム水溶液または0.15規定
    のテトラメチルアンモニウムヒドリド水溶液による30
    秒間の現像による未感光部の溶出量を2nm以下とした
    事を特徴とするフォトレジスト。
  2. 【請求項2】円板面上に情報信号をピット又はグル−ブ
    として形成した情報記録担体において、 請求項1に記載の前記フォトレジストを使用して製造
    し、前記ピット又はグル−ブのエッジ部又は表面部の凹
    凸をほぼ無くした事を特徴とする情報記録担体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000081700A (ja) * 1998-07-02 2000-03-21 Nippon Zeon Co Ltd パタ―ン形成方法
KR100641592B1 (ko) * 1998-10-14 2006-11-02 소니 가부시끼 가이샤 광학 기록 매체 및 광학 기록 재생 장치

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