JPH0772417B2 - 鉄筋コンクリート構造体の頭端処理方法 - Google Patents

鉄筋コンクリート構造体の頭端処理方法

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JPH0772417B2
JPH0772417B2 JP3003093A JP3003093A JPH0772417B2 JP H0772417 B2 JPH0772417 B2 JP H0772417B2 JP 3003093 A JP3003093 A JP 3003093A JP 3003093 A JP3003093 A JP 3003093A JP H0772417 B2 JPH0772417 B2 JP H0772417B2
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尉 岩切
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尉 岩切
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、場所打ちコンクリー
ト杭などのコンクリート構造体の頭端処理方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】場所打ちコンクリート杭の頭端に基礎フ
ーチングを形成する場合、コンクリート杭の頭端不要部
分を除去する処理が必要になる。
【0003】従来の処理方法としては、特開昭59−4
8520号公報に示すように、コンクリート構造体の鉄
筋を露出しようとする端部において、露出しようとする
鉄筋にそれをコンクリートから隔離しようとする隔離部
材を装着して環状壁体を形成し、これをコンクリートに
埋設して、このコンクリートを上記環状壁体の内側と外
側の二層に区画し、打設コンクリートの硬化後に杭の頭
端のコンクリートを破砕すると共に、環状壁体を撤去し
て鉄筋を露出する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような構造体の
端部処理方法によると、環状壁体を形成する隔離部材に
よってそれぞれの鉄筋を被い、打設したコンクリートの
硬化後環状壁体部分のコンクリートをコンクリートブレ
ーカーなどを使用して破砕するので、騒音問題が発生す
ると共に、飛散したコンクリート片の回収作業に著しく
手数のかかる問題があった。
【0005】また、衝撃動工具による破砕時に鉄筋に傷
を付けるので、露出した鉄筋を基礎フーチングの配筋に
用いると、強下が低下する。
【0006】さらに、コンクリート杭の衝撃動工具を用
いた破砕面は、大きな凹凸面になっているので、できる
だけフラットになるようなハッリ作業が必要になる問題
もあった。
【0007】そこで、この発明の課題は、カットライン
の設定が容易となると共に、鉄筋コンクリート構造物の
頭端不要部分を容易に分離することができるようにした
頭端処理方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、この発明は、場所打ちなどの鉄筋コンクリート構
造体の構築に際し、鉄筋かごの上部所定位置の周囲外側
にピアノ線により外周縁が孔壁に当接して鍔状に広がる
可撓シート製外側仕切り部材を配置すると共に、上記鉄
筋かごの周囲に上記外側仕切り部材の内周縁を適宜の方
法で支持し、また外周縁の各透孔に上記鉄筋かごの縦筋
を貫通させて支持すると共に、複数の分割縁がピアノ線
によりオーバーラップ状に塞がる可撓シート製内側仕切
り部材を上記外側仕切り部材と略同レベルに配置し、さ
らに、上記鉄筋かご周囲所定位置の縦筋に適宜の手段に
より着脱自在に取付けてある放射状外向きの係止装置に
手操った上記外側仕切り部材の外周縁を係止し、また放
射状内向きの係止装置に手操った上記内側仕切り部材の
分割縁を係止し、さらに、全ての上記縦筋の上端から上
記内側仕切り部材迄の範囲を被い材により被い、次い
で、コンクリートを打設したのち、外部からの操作によ
り上記係止装置による上記外側及び内側仕切り部材の手
操り状態を解除して上記ピアノ線により前記外側及び内
側仕切り部材を展開し、打設コンクリートの硬化後に上
記外側及び内側仕切り部材の上方コンクリート塊状物を
上方に引き抜き撤去して縦筋を露出する方法を採用した
ものである。
【0009】
【作用】コンクリートの打設後に外部からの操作により
係止装置による外側及び内側仕切り部材の手操り状態を
解除すると、ピアノ線により外側仕切り部材が外方に向
け展開しながら鍔状になり、またピアノ線により内側仕
切り部材がそれぞれ内方に向け展開すると共に、分割縁
がオーバーラップして最終的に円板状になる。
【0010】打設したコンクリートが硬化すると、内側
及び外側仕切り部材の上方コンクリート塊状物にワイヤ
を係止し、係止後のワイヤを上方に引っ張りながら内側
及び外側仕切り部材の上方コンクリート塊状物と共に被
い部材を撤去して鉄筋かごの縦筋を露出する。
【0011】
【実施例】以下、この発明の実施例を添付図面に基づい
て説明する。
【0012】図1から図6に示すように、まず、掘削機
(例えばアースオーガのみ或はケーシングとアースオー
ガとを組み合わせたもの)を用いて地面から地中の所定
の深さ迄掘削すると共に、排土して設けた削孔1内に鉄
筋かご2を挿入する。
【0013】上記の鉄筋かご2は、多数本の縦筋3と、
この縦筋3の上部から下端迄に上下に所定の間隔を存し
て配置すると共に、縦筋3に固着した環状筋4とで構成
されている。
【0014】また、鉄筋かご2の上部外側には、ピアノ
線5により外周縁が削孔1の孔壁に当接するように鍔状
に広がる可撓シート製外側仕切り部材6が配置してあ
る。
【0015】上記の外側仕切り部材6は、図2、図4、
図6に示すように、軟質合成樹脂シート(表面にコンク
リートに対する離形膜を設けておくとよい)製扁平な平
面弧状の複数のチューブ7を端面突き合わせによってリ
ング状に並べると共に、チューブ7の外周縁内側にピア
ノ線5を挿通して形成したが、リング状チューブの1箇
所を切断すると共に、切断端を広げ、そして鉄筋かご2
の外側に嵌装するもの、或は鉄筋かご2の上端からリン
グ状のチューブを嵌装する方式であってもよい。この場
合、ピアノ線5は、切り離したリング状のものを使用す
る。
【0016】さらに、外側仕切り部材6の内周縁は、鉄
筋かご2の外周に支持させてある。上記鉄筋2に対する
外側仕切り部材6の支持は、図示の場合、外側仕切り部
材6の内周縁内側に挿通してある一本の紐8の引き出し
た両端を結んで、鉄筋かご2の外周面に外側仕切り部材
6の内周縁を押し付けて支持したが、各縦筋にチューブ
を紐などを介し止めることもある。
【0017】9は複数の分割縁がピアノ線10によりオ
ーバーラップ状に塞がる可撓シート製の内側仕切り部材
である。
【0018】上記の内側仕切り部材9は、図4、図7、
図8に示すように、二つ折りにより上下に重ね合わせた
平面半円形の二組のシート11の屈曲直線縁の内側に辺
縁よりも長いピアノ線10を挿通して形成したが、一枚
の半円形シートの直線縁に筒状の袋部を設けて、この袋
部にピアノ線を挿通することもある。
【0019】また、上記シート11の半円状の縁は、弧
状縁の透孔12に縦筋3を貫通させて支持する。
【0020】さらに、外側仕切り部材6は、鉄筋かご2
の外周に向け手操り、内側仕切り部材9は、鉄筋かご2
の内周に向け手操ると共に、所定位置の縦筋3に対し着
脱自在に設けてある係止装置13に外側仕切り部材6の
外周縁及び内側仕切り部材9の分割縁を係止して手操り
状態を維持し、外部からの操作により係止を解除するこ
とができるようになっている。
【0021】上記の係止装置13は、図2及び図5に示
すように、内側仕切り部材9の取付け以前に、縦筋3の
外側に嵌装する筒体14と、この筒体14にねじ込んで
縦筋3の外周面に先端を押し付けることにより縦筋3に
対し筒体14を停止するボルト15と、この筒体14の
外周面から放射線上外側と内側とに突出する水平のアー
ム16と、この両アーム16の端末面にピン17を介し
上向き上位端を回動自在に取付けたL形の揺動辺18
と、この揺動片18の下位端に接続して鉄筋かご2の上
端から外方に引き出した操作紐19とで構成し、自重に
より垂れ下がり方向に回動して停止した揺動片18に外
側仕切り部材6の外周縁を、内側仕切り部材9の分割縁
をそれぞれ係止して、内側仕切り部材9及び外側仕切り
部材6の手操り状態を維持し、操作紐19を引っ張って
起立方向に揺動片18を回動すると、外側仕切り部材6
の外周縁から、内側仕切り部材9の分割縁から揺動片1
8が外れるようになっている。
【0022】なお、図1、図3、図5に示すように、鉄
筋かご2の周囲所要等分位置の筒体14に水平のガイド
筒21を設けて、このガイド筒21に挿通したスライド
杆22の外端フック23に手操った外側仕切り部材6の
外周縁を引っかけておくと、外側仕切り部材6の垂れ下
がりを止め、削孔1の孔壁に向け外側仕切り部材6が展
開する際、スライド杆22がスライドする。
【0023】また、内側仕切り部材9を取付けたのち、
全ての縦筋3の上端から内側仕切り部材9迄の間は、上
方に抜き取ることができる被い部材24により被ってあ
る。
【0024】上記の被い部材24には、上端閉鎖の発泡
スチロール製の筒体や合成樹脂製の袋などがある。
【0025】上記のように、削孔1に挿入する前の鉄筋
かご2の外側及び内側に外側仕切り部材6、内側仕切り
部材9を配置すると共に、図1、図2、図3、図4に示
すように、係止装置13により手操った内側仕切り部材
6及び外側仕切り部9を係止しておく。
【0026】また、各縦筋3の内側仕切り部材9から上
端迄の範囲を被い部材24により被っておく。
【0027】しかして、削孔1内に鉄筋かご2を挿入し
たのち、トレミ管などを用いて削孔1内にコンクリート
を打設する。
【0028】コンクリートの打設(硬化する以前)後、
まず、操作紐19を引っ張って係止装置13による内側
仕切り部材9及び外側仕切り部材6の手操り維持を解除
すると、図8及び図9に示すように、ピアノ線5により
外側仕切り部材6が外方に展開しながら、削孔1の孔壁
に展開した外側仕切り部材6の外周縁が当接する。
【0029】また、ピアノ線10により内側仕切り部材
9が内方に展開しながら、内側仕切り部材9の分割縁が
オーバーラップする。その結果、コンクリート構造体の
外側仕切り部材6及び内側仕切り部材9の上下が区劃さ
れる。
【0030】打設コンクリートが硬化すると、コンクリ
ート構造体の頭端部周囲の土砂を排土したのち、コンク
リート構造体の頭端部にワイヤを巻き付け、巻き付けた
ワイヤをウインにより上方に引っ張りながら外側仕切り
部材6及び内側仕切り部材9の上側コンクリート塊状物
を撤去する。勿論、被い部材24も撤去され、縦筋3の
上端部が露出する。
【0031】なお、内側仕切り部材9の手操りにともな
い外周縁の両端部に作用する引っ張り力に対する融通性
をもたせる場合には、図1及び図8に示すように、縦筋
3に対しゴム紐28を介し透孔12を止めておくとよ
い。
【0032】
【効果】以上のように、この発明に係る方法を採用する
と、騒音を少なくして極めて容易に鉄筋コンクリート構
造体の頭端不要部分を撤去して傷の付かない縦筋を露出
することができる。
【0033】また、外側仕切り部材及び内側仕切り部材
により構造体の残置上端面が美しく仕上げられ、補修す
る作業が不要になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す平面図
【図2】同上の要部を示す縦断拡大正面図
【図3】同上の平面図
【図4】スライド杆を示す縦断拡大正面図
【図5】同上の分解斜視図
【図6】チューブの斜視図
【図7】シートの斜視図
【図8】外側仕切り部材及び仕切り部材の展開した状態
を示す平面図
【図9】同上の縦断拡大正面図
【図10】同縦断拡大側面図
【符号の説明】
1 削孔 2 鉄筋かご 3 縦筋 4 環状筋 5 ピアノ線 6 外側仕切り部材 7 チューブ 8 紐 9 内側仕切り部材 10 ピアノ線 11 シート 12 透孔 13 係止装置 14 筒体 15 ボルト 16 アーム 17 ピン 18 揺動片 19 操作紐 24 被い部材

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 場所打ちなどの鉄筋コンクリート構造体
    の構築に際し、鉄筋かごの上部所定位置の周囲外側にピ
    アノ線により外周縁が孔壁に当接して鍔状に広がる可撓
    シート製外側仕切り部材を配置すると共に、上記鉄筋か
    ごの周囲に上記外側仕切り部材の内周縁を適宜の方法で
    支持し、また外周縁の各透孔に上記鉄筋かごの縦筋を貫
    通させて支持すると共に、複数の分割縁がピアノ線によ
    りオーバーラップ状に塞がる可撓シート製内側仕切り部
    材を上記外側仕切り部材と略同レベルに配置し、さら
    に、上記鉄筋かご周囲所定位置の縦筋に適宜の手段によ
    り着脱自在に取付けてある放射状外向きの係止装置に手
    操った上記外側仕切り部材の外周縁を係止し、また放射
    状内向きの係止装置に手操った上記内側仕切り部材の分
    割縁を係止し、さらに、全ての上記縦筋の上端から上記
    内側仕切り部材迄の範囲を被い材により被い、次いで、
    コンクリートを打設したのち、外部からの操作により上
    記係止装置による上記外側及び内側仕切り部材の手操り
    状態を解除して上記ピアノ線により前記外側及び内側仕
    切り部材を展開し、打設コンクリートの硬化後に上記外
    側及び内側仕切り部材の上方コンクリート塊状物を上方
    に引き抜き撤去して縦筋を露出することを特徴とする鉄
    筋コンクリート構造体の頭端処理方法。
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