JPH077235U - ダイバシティー受信システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 車両走行中は質の高いテレビの音声信号を受
信するダイバシティー受信システムを提供する。 【構成】 映像搬送波信号からアンテナ切換制御信号を
生成する第１の制御回路と、音声搬送波信号からアンテ
ナ切換制御信号を生成する第２の制御回路と、車両の走
行と停止の状態を検出する車両走行検出回路２１とを設
け、車両走行中は第２の制御回路出力の制御信号により
アンテナ１０ａ，１０ｂ，１０ｎを切替選択して高品質
の音声信号を再生する。また、車両停止中は第１の制御
回路出力の制御信号によりアンテナを切替選択して高品
質の映像を再生可能にする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は複数アンテナから受信条件の最も良好なアンテナを選択的に切り換え て放送電波を受信する車載用ダイバシティー受信システムに関する。

【０００２】

【従来の技術】

車両の走行中ラジオ受信機等で放送を受信するときは、フェージングやマルチ パスの影響を受けることが多くあり、放送が聞きづらいことがある。テレビ放送 を受信する場合も同様に画面にちらつきや同期の乱れが生じ実用にならないこと がしばしばある。このような問題を解決するために従来からダイバシティー受信 システムが利用されている。

【０００３】 図３はダイバシティーシステムを搭載した従来のＴＶ受信装置のブロックダイ ヤ図である。図において、１は複数のアンテナ１ａ，１ｂ，１ｎを備えたアンテ ナ切替器である。このアンテナ切替器１は複数アンテナ１ａ，１ｂ，１ｎに受信 された放送電波から最も受信条件のよいアンテナを切り替え選択する。２は受信 された電波から希望の電波を選択する選局回路、３は映像搬送波を復調する映像 復調回路、４は音声搬送波を復調する音声復調回路、５は復調された画像をＣＲ Ｔ、またはＬＣＤ等に映出するモニター表示器、６は音声信号の増幅回路、７は スピーカである。そして、８はアンテナ切替回路１のスイッチングを制御するア ンテナ制御回路である。

【０００４】 このアンテナ制御回路８は映像復調回路３の出力の一部を取り出し、例えば電 界強度やマルチパスの判定結果を選択の条件にして、垂直ブランキングの一定期 間ごとにサンプリング、比較、ラッチが行われ、アンテナ切替回路１において高 周波回路の切り替えがなされ、選択されたアンテナは次の垂直帰線消去期間まで 保持される。そして、映像信号に関して最も受信条件のよいアンテナが常時切替 選択される。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、一般にダイバシティー受信システムを利用している従来の車載テレ ビは、主として映像の質を向上することに重点をおき、音声信号の質に関しては あまり重視されていないのが実状である。これは映像搬送波周波数と音声搬送波 周波数が離れていることに起因しており、通常は映像搬送波からアンテナ切替制 御信号が生成されている。このため、映像はちらつきや同期の乱れが比較的に少 なく安定しているが、音声が途切れたりノイズが多く聞きづらいという問題があ る。しかし、車両走行中はモニター画面は不要であり、音声信号のみを受信した いという要求もあるので、このようなときは音声信号の質が常に良好であること が望ましい。

【０００６】 本考案は上記事情に鑑みなされたもので、車両の走行中は主として音声信号を 良好に受信し、停車中は映像信号の質を向上させて受信するダイバシティー受信 システムを提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために本考案のダイバシティー受信システムでは、複数の アンテナから受信条件の最も良好なアンテナを切り替え選択するダイバシティー システムを用いた車載用テレビ受信装置において、映像搬送波から上記アンテナ 切替制御信号を生成する第１の制御回路と、音声搬送波から上記アンテナ切替制 御信号を生成する第２の制御回路と、車両の走行と停止の状態を検知する車両走 行検出回路と、該車両走行検出回路の検知結果が走行状態にあるときは上記第２ の制御回路出力を選択し、停止状態にあるときは上記第１の制御回路出力を切替 選択するスイッチ回路と、を備えている。

【０００８】

【作用】

車両を運転するときはテレビ受信装置の映像モニター表示器をオフにして音声 信号のみを受信可能とする。本考案のダイバシティー受信システムは車両の走行 中は音声搬送波信号出力からアンテナ選択用制御信号を生成し、停止中は映像搬 送波信号出力からアンテナ選択用制御信号を生成する。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案を図面を参照して説明する。図１及び図２は本考案によるダイバ シティー受信システムのブロック図である。図中、１０は複数のアンテナ１０ａ ，１０ｂ，１０ｎを選択的に切り替えるアンテナ切替回路、１２は希望の放送電 波を選択する選局回路、１３は映像信号復調回路、１４は音声信号復調回路、１ ５はＣＲＴまたはＬＣＤなどのモニター表示器、１６は音声信号増幅回路、１７ はスピーカである。３０はアンテナ選択回路４０を制御する制御部である。アン テナ選択回路４０は上記映像復調回路１３と音声復調回路１４から入力する電圧 に基づき、アンテナ入力電界強度の大小を判定し、この判定結果から最も入力レ ベルの大きいアンテナを選択する回路である。

【００１０】 ２０は操作部であり、この操作部２０は制御部３０に対して映像の質に重点を おいてアンテナを選択するのか、または音声信号の質に重点をおいてアンテナを 選択するのか、操作者の判断で手動の切替スイッチを操作して映像復調回路１３ 出力、または音声復調回路１４出力のいずれかを選択できるようにする回路であ る。そして、２１は車両の走行及び停止の状態を検出する車両走行検出回路であ る。この回路２１は、例えばスピードメータの出力から、または車両のエンジン からイグニッション信号を受信したときは走行中、イグニッション信号が受信さ れないときは停止中として検知し、これら検知信号を制御部３０に出力する。制 御部３０は車両走行検出信号に基づき、上記映像復調回路１３出力、または音声 復調回路１４出力のいずれかを選択する。

【００１１】 図２は制御部３０を詳細に説明するブロック図である。図示点線内の付番３２ は映像信号中に含まれるノイズレベルを検出するノイズレベル検出回路で、その 入力端子３２ａには映像復調回路１３出力が供給される。３３は音声搬送波４． ５ＭHzを受信したときのアンテナ受信レベルを検出する回路であり、その入力端 子３３ａには音声復調回路１４出力が供給される。３４は第１の制御回路である 。第１の制御回路３４にはノイズレベル検出出力Ａと、垂直同期信号が含まれる 映像信号が入力され、第２の制御回路３５に垂直帰線消去期間を含むタイミング 信号Ｃを出力する。これら２つの制御回路３４，３５は入力レベルとタイミング 信号からアンテナ切替用の制御信号を生成する。３６は端子３６ａに供給される 操作部２０の出力と、端子３６ｂに供給される車両走行検出回路２１出力の条件 によりスイッチを切り替え、第１の制御回路３４出力ａ、または第２の制御回路 ３５出力ｂのいずれか一方を選択するスイッチ回路である。

【００１２】 次に、本考案の動作を説明する。まず、車両が停止中は車両走行検出回路２１ にイグニッション信号が検知されないので、検出回路２１出力はローレベルに保 持されている。このとき、操作部２０が映像側に選択されているとすると、スイ ッチング回路３６は接点がａ側に切り替えられ、第１の制御回路３４出力がアン テナ選択回路４０に供給される。この結果、アンテナ切替回路１０において映像 信号に関して最も受信条件の良好なアンテナが選択される。

【００１３】 次に、車両が走行し車両走行検出回路２１にイグニッション信号が検知されて その出力がハイレベルとなり、更に操作部２０が音声受信側に切り替えられてい ると、スイッチ回路３６は第２の制御回路出力ｂ側に切り替えられる。ここで、 制御部３０に車両走行検出回路２１出力が入力されると映像表示器１５は自動的 にオフになり、スピーカ１７からテレビの音声信号が再生される。

【００１４】 このとき受信レベル検出回路３３の出力は第２の制御回路３５に供給され、第 ２の制御回路３５でアンテナ切替制御信号が生成され、アンテナ切替回路１０に おいて音声信号に関して最も受信条件の良好なアンテナが選択される。この結果 、車両走行中であってもフェージングやマルチパス妨害の少ない良質の音声信号 を受信することができる。そして、車両の停止中は第１の制御回路３４により安 定な映像を表示することができる。また、本考案では操作者の意志により、映像 または音声のいずれかを選択できる操作部２０を設けたので、必要に応じて手動 で切替選択ができ便利である。

【００１５】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案のダイバシティー受信システムによれば、映像搬 送波からアンテナ切替制御信号を生成する第１の制御回路と、音声搬送波からア ンテナ切替制御信号を生成する第２の制御回路と、車両走行検出回路と、該走行 検出回路の検出結果により上記第１の制御回路、または第２の制御回路のいずれ かを切替選択するスイッチング回路とを設けたので、車両の走行中は音声搬送波 から生成された制御信号によりアンテナが切り替え制御される。したがって、車 両走行中は、質の高いテレビの音声信号が再生され、また停車中は高品質の映像 が再生される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案によるダイバシティー受信システムのブ
ロック図である。

【図２】図１の要部を詳細に説明するブロック図であ
る。

【図３】従来の車載用テレビのダイバシティー受信シス
テムを示すブロック図である。

【符号の説明】

１，１０ アンテナ切替回路 １ａ，１ｂ，１ｎ，１０ａ，１０ｂ，１０ｎ アンテナ ２，１２ 選局回路 ３，１３ 映像復調回路 ４，１４ 音声復調回路 ５，１５ 映像表示器 ６，１６ 音声増幅回路 ２０ 操作部 ２１ 車両走行検出回路 ３０ 制御部 ３４ 第１の制御回路 ３５ 第２の制御回路 ３６ スイッチ回路 ４０ アンテナ選択回路

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数のアンテナから受信条件の最も良好
   なアンテナを切り替え選択するダイバシティーシステム
   を用いた車載用テレビ受信装置において、映像搬送波か
   ら上記アンテナ切替制御信号を生成する第１の制御回路
   と、音声搬送波から上記アンテナ切替制御信号を生成す
   る第２の制御回路と、車両の走行と停止の状態を検知す
   る車両走行検出回路と、該車両走行検出回路の検知結果
   が走行状態にあるときは上記第２の制御回路出力を選択
   し、停止状態にあるときは上記第１の制御回路出力を切
   替選択するスイッチ回路と、を備えたことを特徴とする
   ダイバシティー受信システム。