JPH0441664Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、放送システムの異なる信号を受信
できるマルチ・スタンダード受信装置の選局に係
わり、特に異なるTV放送システムが受信される
地域において、電子式選局方式で放送チヤンネル
を選択するときのマルチ・スタンダード受信装置
に関するものである。

〔背景技術とその問題点〕

現在、TV放送システムの代表的なものとして
はPAL方式、SECAM方式、NTSC方式等があ
り、TV受像機も各地域、または各国で異なつた
受信システムのものが使用されている。

しかし、或る地域では上記各放送システムによ
る電波が全て受信できるので、１台のＴ Ｖ受像
機で前記各放送システムの電波が受信できるマル
チ・スタンダード受信装置も製造されている。

第１図はかかるマルチ・スタンダード受信装置
の概要を示すブロツク図で、１はチユーナ、映像
および音声中間周波増幅段、復調回路等からなる
映像信号処理部、２は映像信号から色信号を抽出
する第１の色処理部、３は色信号を各放送システ
ムに対応して処理する第２の色処理部、４は
SECAM方式において線順次の色信号を形成する
ためのSECAM処理部、５は受像管の偏向電流を
形成する偏向回路部である。

そして、６は電子式の選局電圧を発生し、同時
に映像信号から各放送システムの特徴を検出して
受信装置をその放送システムに対応するように切
替える制御信号を出力する制御部（以下シスコン
という）であつて、このシスコン６には不揮発性
のメモリ７が付加され、選局動作があつたときチ
ユーニング情報（受信周波数のデータ）が読み出
される。

また、８は前記シスコン６に選局信号を入力す
るスイツチ（チヤンネルボタン）、放送システム
を指定するスイツチ、受信装置の表示等で形成さ
れている操作部である。

このようなマルチ・スタンダード受信装置は、
電子的な選局操作によつてアンテナ端子から放送
信号が受信されると、実線矢印に沿つて処理され
るが、復調された信号、例えば副搬送波周波数、
色信号、垂直同期信号等をシスコン６が判別し、
各放送システム（PAL、SECAM、NTSC）に対
応するように受信装置の回路を自動的に切替える
機能を持つている。

したがつて、選局情報がプリセツトされている
不揮発性のメモリ７によつて選択されたチヤンネ
ルの放送信号が安定したレベルの高い信号となつ
ていれば、選局ボタンによつて放送システムの異
なるものも鮮明に受像することができるが、受信
電波の情況が悪い放送信号を選択したときや、ビ
デオデイスクを再生するときは、前記シスコン６
による切替制御が誤動作し、画像に色がつかなか
つたり、垂直サイズの伸び縮み等が起きる場合が
あつた。

そこで、この場合は放送電波の方式、および再
生ビデオ信号の方式等を調べ、操作部８から放送
システムを指定し、受信機の各回路を所定の放送
システムの受信状態に強制的に切替えるようにし
てもよいが、チヤンネル選択毎にかかる操作を行
うことは煩雑になるという問題がある。

〔考案の目的〕

この考案は、かかる実状にかんがみてなされた
もので、前記不揮発性のメモリにチューニング情
報とともに放送システムの識別情報を入力するこ
とによつて、放送システムによる誤動作を完全に
なくするようにしたマルチ・スタンダード受信装
置を提供するものである。

〔考案の概要〕

この考案は、上記の目的を達成するために、複
数の異なつた放送システムの信号が受信可能とさ
れているマルチ・スタンダード受信装置におい
て、その選局用のメモリに受信周波数情報ととも
に放送システムの識別情報がプリセツトおよび読
み出されるような回路を付加したものである。

したがつて、誤動作を生じ易い放送電波や映像
搬送信号を受信するときはチユーニング情報（受
信周波数情報）とともに放送システムの識別情報
を同時に読み出すことによつて常に鮮明な画像を
得るようにすることができる。

〔実施例〕

第２図はこの考案の一実施例を示す選局回路の
ブロツク図で、１０は放送システムを符号化した
識別情報をメモリ７に入力すると同時に、メモリ
７から放送システムの識別情報を読み出す入出力
回路、１１はSECAM、１２はPAL、１３は
NTSCの指定スイツチ、１４はオート（自動切
替）スイツチである。

この考案のマルチ・スタンダード受信装置で
は、従来のシスコン６、メモリ７、操作部８とと
もに上述したような入出力回路１０が設けられて
いる。

そこで、例えば操作部８によつて受信周波数を
プリセツトする場合は、従来の装置と同様にメモ
リ７に受信周波数情報がシスコン６より入力され
ると同時に、特に受信状態の悪い受信チヤンネル
をプリセツトするときは前記指定スイツチ１１，
１２，１３のいずれかを押すと、このときの放送
システムの識別情報がメモリ７の上位２ビツト、
または３ビツトに入力される。但し、オートスイ
ツチ１４が押されているときは識別情報を入れな
いようにしてもよい。

また、操作部８により選局モードとされた場合
は、メモリ７から所定の受信周波数情報は読み出
されシスコン６よりチユーナに出力されるが、同
時にこの受信周波数情報に放送システムの識別情
報が付加されているときは、入出力回路１０から
シスコン６に識別情報が出力され、マルチ・スタ
ンダード受信装置の回路を強制的に当該放送シス
テムの受信回路に切替えるようにする。

したがつて、この考案によれば、或るチヤンネ
ルの受信状態で前記シスコン６によるシステム切
替えが誤動作を起し易い場合はプリセツト時にこ
のチヤンネルの周波数情報とともに、前記指定ス
イツチ１１，１２，１３によつて放送システムの
識別情報をメモリ７に記憶させることができるの
で、このチヤンネルが選択されたとき、放送シス
テムの識別情報がシスコン６を強制的に当該放送
システムとなるように制御し誤動作の発生を防止
するとともに、受信状態の良好なチヤンネルのと
きは受信装置が自動的に当該受信放送システムに
切替わるように制御するから、識別情報を常時入
力するという煩わしい操作が省略できる。

なお、入出力回路１０はシスコン６内に付加す
るようにしてもよい。

〔考案の効果〕

以上説明したように、この考案のマルチ・スタ
ンダード受信装置は、メモリに対し受信周波数情
報とともに、指定スイツチによつて放送システム
を判断するための識別情報を入力することができ
るように構成し、これらが選局時に読み出される
ように構成されているので、放送電波や再生映像
搬送波の品質が悪い場合でも、受信装置が誤動作
することがないという利点を有する。

また、本考案のマルチ・スタンダード受信装置
は放送電波の品質が良好な場合は、自動切替機能
によつて識別情報がない時でも選局した放送チヤ
ンネルの放送システムに自動的に切替えられるの
で、放送システムの識別情報をプリセツトするプ
リセツト操作を省略することができるという利点
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はマルチ・スタンダード受信装置の概要
を示すブロツク図、第２図はこの考案の一実施例
を示す識別情報の入出力回路図である。 図中、６はシステムコントロール回路、７はメ
モリ、８は操作部、１０は入出力回路、１１は
SECAM、１２はPAL、１３はNTSCの指定スイ
ツチを示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 複数の異なる放送システムの信号が受信可能と
   される受信回路を備えているマルチ・スタンダー
   ド受信装置において、 選局用のメモリと、 前記メモリに受信周波数情報をプリセツトする
   ための操作部と、 前記受信周波数情報に前記放送システムの識別
   情報を付加するための指定スイツチと、 前記受信周波数情報が前記メモリより読み出さ
   れてチユーナに供給された際に、前記識別情報が
   付加されているときはこの識別情報に対応する放
   送システムの受信回路に強制的に切り換え、前記
   識別情報が付加されていないときは受信された信
   号を判別して対応する放送システムの受信回路に
   自動的に切り換えるように制御する制御部とを備
   えていることを特徴とするマルチ・スタンダード
   受信装置。