JPH0772256B2 - エマルジョン系被覆材用レベリング剤及び被覆材組成物 - Google Patents

エマルジョン系被覆材用レベリング剤及び被覆材組成物

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JPH0772256B2
JPH0772256B2 JP4343242A JP34324292A JPH0772256B2 JP H0772256 B2 JPH0772256 B2 JP H0772256B2 JP 4343242 A JP4343242 A JP 4343242A JP 34324292 A JP34324292 A JP 34324292A JP H0772256 B2 JPH0772256 B2 JP H0772256B2
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一哲 中原
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ユーホーケミカル株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエマルジョン系被覆材用
レベリング剤に関する。さらに本発明は、このレベリン
グ剤を含有するエマルジョン系被覆材組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ウレタン系樹脂エマルジョン、アクリル
系樹脂エマルジョン、スチレン系樹脂エマルジョン及び
スチレン−アクリル系樹脂エマルジョンは、フロアーポ
リッシュとして、床用の艶出し剤として広く使用されて
いる。特に、ウレタン系樹脂エマルジョン及びアクリル
系樹脂エマルジョンを含有するフロアーポリッシュは、
両樹脂の特性を有するので、塗布乾燥することにより、
耐磨耗性、耐水性、耐洗剤性等に優れ、硬く、強靱で耐
久力がある被膜が得られるとともに、剥離性にも優れて
いることが知られている。また、特に高い耐久力を必要
とする場合には、剥離性を付与するために酸価を高めた
ウレタン系樹脂エマルジョン単独のフロアーポリッシュ
も用いられている。
【0003】一般に塗料は、有機溶剤を用いた溶剤タイ
プのものが多く使用されてきた。しかし、人体に対する
安全性や火気に対する危険性及び被塗布物を傷める等の
問題があることから、有機溶剤の使用を避ける傾向があ
る。この傾向は、フロアーポリッシュにおいては顕著で
あり、水を溶媒として樹脂粒子を乳化したエマルジョン
タイプが主流である。
【0004】ところが、エマルジョンタイプのフロアー
ポリッシュは、被塗布物への表面張力が高く濡れ性が悪
いため、被塗布物上に塗布しても片側に寄ってしまうと
いう欠点があった。即ち、エマルジョンタイプのフロア
ーポリッシュは、有機溶剤型の床用塗料に比べて、レベ
リング性を良好に維持する技術が必要となる。
【0005】レベリング性の悪いフロアーポリッシュで
は、乾燥後に均一な膜厚を有する被膜が得られない。そ
の結果、膜厚が不均一な被膜では、膜厚の小さい箇所で
は耐久性が低下することがある。さらに、膜厚が不均一
な被膜は美観の上でも好ましくない。
【0006】一般に、フロアーポリッシュは、特別の塗
布機を使用せず、通常木綿の房モップ等を用いて床に均
一に塗布するだけで、被膜を成形させる。そのため、フ
ロアーポリッシュから、水分が蒸発するだけで均一な被
膜が形成されることが必要である。
【0007】ウレタン系樹脂エマルジョンやアクリル系
樹脂エマルジョンの被覆材組成物に対する濡れ性を改良
するためには表面張力の低い界面活性剤を用いるのが最
も一般的な方法である。例えば、ジオクチルスルホコハ
ク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニル
エーテル等を使用することができる。これら界面活性剤
を比較的多量に使用すれば床材との濡れ性を改善し、均
一な被膜を造ることが可能である。しかし、エマルジョ
ンとの相溶性が悪い界面活性剤では、形成された被膜は
不透明で光沢のない不均一な被膜となり、耐水性、耐洗
剤性及び被塗布物との密着性等の悪い被覆材となってし
まう。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこでこのような問題
を解決するものとして、ブトキシエチルフォスフェート
類をレベリング剤として使用することが提案され、実用
されている(特公昭63−28110号)。また、トリ
ブチルフォスフェートもレベリング剤として使用できる
ことが知られている(特開平4−236281号)。
【0009】しかし、上記トリブチルフォスフェート
は、沸点が比較的低いことから、形成された被膜は、経
時的に可塑性を失って白化する傾向がある。一方、上記
ブトキシエチルフォスフェート類は、ウレタン系樹脂エ
マルジョンやアクリル系樹脂エマルジョンの被覆材組成
物用のレベリング剤として優れたものである。
【0010】ところで、フロアーポリッシュとしては、
前述のようにウレタン系樹脂及びアクリル系樹脂を共に
含むものが多く用いられるようになっている。ところ
が、従来のフロアーポリッシュで用いられているアクリ
ル系樹脂は、ウレタン系樹脂との相溶性が必ずしも良く
ない。そこで、ウレタン系樹脂との相溶性を高めるため
にスチレン系の樹脂を共存させることが行われている。
例えば、アクリル系樹脂として、アクリルとスチレンと
の共重合体を用いることがある。
【0011】しかしながら、スチレン系の樹脂は、上記
ブトキシエチルフォスフェート類との相溶性が必ずしも
良くない。その結果、ブトキシエチルフォスフェート類
の使用量を多くすると、得られた被膜の透明性が低下し
たり、被膜が粉化したりといった問題を生じることがあ
る。
【0012】そこで本発明の目的は、フロアーポリッシ
ュ等のエマルジョン系被覆材において、樹脂の種類に係
わらず、優れた相溶性を示すとともに、レベリング性能
にも優れたレベリング剤を提供することにある。
【0013】さらに本発明の目的は、上記レベリング剤
を含有するエマルジョン系被覆材組成物を提供すること
にある。
【0014】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は、下記一
般式(1)で示されるリン酸エステル類を主成分として
含有するエマルジョン系被覆材用レベリング剤に関す
る。 (Cn 2n+1OCm 2mO)x 3-x PO (1) (式中、nは1〜6の整数であり、mは2〜6の整数で
あり、xは1〜3の整数である。但し、nが4であり、
かつmが2である場合は除く。)
【0015】さらに本発明は、上記レベリング剤、並び
にウレタン系樹脂エマルジョン、スチレン系樹脂エマル
ジョン、スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン及びア
クリル系樹脂エマルジョンからなる群から選ばれる少な
くとも1種のエマジョンを含有するエマルジョン系被覆
材組成物に関する。
【0016】以下本発明について説明する。本発明のレ
ベリング剤は、xが1、2又は3である、モノフォスフ
ェート、ジノフォスフェート又はトリフォスフェートで
ある。nは、1〜6の整数であるが、特に4〜5である
ことが好ましい。またmは2〜6の整数であるが、特に
2〜4の整数であることが好ましい。
【0017】Cn 2n+1OCm 2m基の具体例として
は、メトキシエチル(n=1、m=2)、メトキシプロ
ピル(n=1、m=3)、メトキシブチル(n=1、m
=4)、メトキシペンチル(n=1、m=5)、メトキ
シヘキシル(n=1、m=6)、エトキシエチル(n=
2、m=2)、エトキシプロピル(n=2、m=3)、
エトキシブチル(n=2、m=4)、エトキシペンチル
(n=2、m=5)、エトキシヘキシル(n=2、m=
6)、プロポキシエチル(n=3、m=2)、プロポキ
シプロピル(n=3、m=3)、プロポキシブチル(n
=3、m=4)、プロポキシペンチル(n=3、m=
5)、プロポキシヘキシル(n=3、m=6)、
【0018】ブトキシプロピル(n=4、m=3)、ブ
トキシブチル(n=4、m=4)、ブトキシペンチル
(n=4、m=5)、ブトキシヘキシル(n=4、m=
6)、ペントキシエチル(n=5、m=2)、ペントキ
シプロピル(n=5、m=3)、ペントキシブチル(n
=5、m=4)、ペントキシペンチル(n=5、m=
5)、ペントキシヘキシル(n=5、m=6)、ヘキサ
キシエチル(n=6、m=2)、ヘキサキシプロピル
(n=6、m=3)、ヘキサキシブチル(n=6、m=
4)、ヘキサキシペンチル(n=6、m=5)、ヘキサ
キシヘキシル(n=6、m=6)を挙げることができ
る。尚、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基及び
ヘキサキシ基は、n体であっても、その異性体であって
も良い。
【0019】上記本発明のレベリング剤の樹脂エマルジ
ョンに対する添加量は、樹脂エマルジョンの種類や必要
とされる性能により異なり、使用に際して適宜決定でき
るが、一般的に、樹脂エマルジョンの固形分100重量
部当たり0.1〜50重量部とすることが適当である。
【0020】本発明のレベリング剤は、ウレタン系樹脂
エマルジョン、スチレン系樹脂エマルジョン、スチレン
−アクリル系樹脂エマルジョン及びアクリル系樹脂エマ
ルジョンからなる群から選ばれる少なくとも1種のエマ
ジョンを含有するエマルジョン系被覆材に特に好ましく
使用できる。さらに、このエマルジョン系被覆材は、好
ましくはフロアーポリッシュである。又、本発明のレベ
リング剤は、レベリング効果のみならず、可塑剤として
の効果も併せ持ち、本発明のレベリング剤を含む被覆材
から得られる皮膜の可塑性を調整することもできる。
【0021】本発明は、さらに上記レベリング剤を含
み、かつウレタン系樹脂エマルジョン、スチレン系樹脂
エマルジョン、スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン
及びアクリル系樹脂エマルジョンからなる群から選ばれ
る少なくとも1種のエマジョンを含有するエマルジョン
系被覆材組成物に関する。
【0022】本発明で用いるウレタン系樹脂エマルジョ
ンは、従来から被覆材の成分として用いられている硬質
のウレタン系樹脂のエマルジョンである。そのようなエ
マルジョンの例としては、ジオール化合物として、主鎖
にポリエステル結合を含む油変性アルキド樹脂、オイル
フリーポリエステル、ポリカプロラクトンポリオール、
ポリカーボネートポリオールなどのポリエステルポリオ
ール、アクリルポリオール、水酸基を含むビニルポリマ
ー、水酸基を含む弗素樹脂、ポリエーテルポリオール、
エポキシポリオール、主鎖または側鎖に二重結合を含む
水酸基末端ポリブタジェンなどで、具体的には、ポリオ
キシエチレングリコール、ポリオキシエチレンプロピレ
ングリコールコポリマー、ビスフェノールAにプロピレ
ンオキサイドまたはエチレンオキサイドを付加したジオ
ール、ポリエチレンアジペート、ポリプロピレンアジペ
ート、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンテレフタ
レート、エチレングリコール、プロピレングリコール、
1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールな
どのポリオール化合物、ジメチロールプロピオン酸など
の酸基を含むジオールなどを用い、ジイソシアネート化
合物として、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニル
メタンジイソシアネート、キシレリレンジイソシアネー
ト、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシア
ネート)、イソホロンジイソシアネート等を用いて合成
した水性樹脂エマルジョンを挙げることができる。
【0023】本発明で用いるスチレン系樹脂エマルジョ
ン、スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン及びアクリ
ル系樹脂エマルジョンは、従来から被覆材の成分として
用いられているスチレン系樹脂エマルジョン、スチレン
−アクリル系樹脂エマルジョンアクリル系樹脂のエマル
ジョンである。そのようなエマルジョンの例としては、
ビニル系単量体として、スチレン、ビニルトルエン、ア
クリロニトリル、メタクリロニトリル、メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタ
クリル酸2エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メ
タクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2エチルヘ
キシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸シクロヘキシ
ル、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸ヒドロヘキシエ
チル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル
酸、アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン
酸、アクリルアミド、メチロールアクリルアミド、ジメ
チルアクリルアミド等を用い、これらを乳化重合したコ
ポリマー又はホモポリマーを挙げることができる。
【0024】さらに、樹脂エマルジョンとしては、ウレ
タン系樹脂、スチレン系樹脂エマルジョン、スチレン−
アクリル系樹脂エマルジョン及びアクリル系樹脂の2種
以上を含有するエマルジョンであっても良い。このよう
なエマルジョンとしては、上記エマルジョンの混合物を
例示できる他、例えば特開昭62−230863号及び
特開昭63−23972号に記載のウレタン系樹脂とア
クリル系樹脂の複合体のエマルジョンを挙げることもで
きる。
【0025】尚、ブラックヒールマークの改良及び光沢
性、融合性の効果の向上をも考慮した場合、合成ワック
ス、天然ワックス、低分子量アルカリ可溶性レジンの1
種又は2種以上を組成物に加えることにより、さらに改
質することができる。
【0026】この天然ワックスとしては、牛脂、豚脂の
水添硬化ロウ、ラノリン、ミツロウ、鯨ロウ等の動物性
ワックス、大豆油に水素添加して得られるワックス、ヒ
マシ油に水素添加して得られるワックス及びカルナバロ
ウ、キャンデリラロウ、木ロウ、ヌカロウ等の植物性ワ
ックス、モンタンワックス、セリシンロウ、パラフィン
ワックス、マイクロクリスタリンワックス等の鉱物性ワ
ックスが挙げられる。また、合成ワックスとしては分子
量が500〜10000程度のポリエチレンワックス、
ポリプロピレンワックス、フィッシャートロプッシュ法
によるワックス、更にこれらの合成ワックスの酸化物や
酸変性物等が挙げられる。
【0027】また本発明の組成物が、最低被膜形成温度
からみて常温又は低温中で充分な被膜形成能が得られな
い場合、グリコールエーテル、グリコールエステル、多
価アルコール、ピロリドン系化合物の1種又は2種以上
を組成物に加え、均一な被膜を形成させることが可能で
ある。さらに乾燥速度の調整を考慮した場合、低毒、無
臭性で被塗布物に対して損傷を与えず、さらに可塑的効
果のない溶剤、例えばエチルアルコール、インプロピル
アルコール等を加えて乾燥速度を改善することも可能で
ある。
【0028】さらに本発明の組成物には、必要により、
トリフェニルフォスフェート、ジブチルフタレート、ジ
オクチルフタレート等の可塑剤、フッ素系界面活性剤等
の湿潤剤、消泡剤、防腐剤等の補助的成分を含有するこ
とができる。
【0029】本発明のエマルジョン系被覆材組成物は、
常法により製造することができる。例えば、融合剤、レ
ベリング剤、界面活性剤、可塑剤等を混合した溶液に適
量の水を加え、さらに樹脂エマルジョン、アルカリ可溶
性レジン、ワックス等を添加し、混合することにより、
製造することができる。
【0030】
【実施例】以下本発明を実施例によりさらに説明する。 実施例1〜10 表1に示すアクリル−スチレン系樹脂エマルジョン若し
くはアクリル系樹脂エマルジョン又は表2に示すウレタ
ン系樹脂エマルジョンを用いて表3及び表4に示す組成
(単位は重量部)を有するフロアーポリッシュを調製し
た。得られた各フロアーポリッシュの物性を表5に示
す。
【0031】
【表1】
【0032】(注1)モノマー組成〔メタクリル酸15
%、ブチルアクリレート30%、スチレン55%〕より
なり、ラウリル硫酸ナトリウムを用いる常用の乳化重合
により得られる、酸価97.7、有効成分40%のポリ
アクリル−スチレン樹脂エマルジョン (注2)モノマー組成〔メタクリル酸10%、メチルメ
タクリレート30%、ブチルアクリレート30%、スチ
レン30%〕よりなり、ラウリル硫酸ナトリウムを用い
る常用の乳化重合により得られる、酸価65.2、有効
成分40%のポリアクリル−スチレン樹脂エマルジョン (注3)モノマー組成〔メタクリル酸5%、メチルメタ
クリレート60%、ブチルアクリレート35%〕よりな
り、ラウリル硫酸ナトリウムを用いる常用の乳化重合に
より得られる、酸価32.6、有効成分40%のポリア
クリル−スチレン樹脂エマルジョン (注4)ラウリル硫酸ナトリウム (注5)ポリオキシエチレンラウリルエーテル(EO)
3
【0033】
【表2】
【0034】(注6)水性ポリウレタン系樹脂の製造 (1)ポリテトラメチレンエーテルグリコール(分子量
1000)80g、イソホロンジイソシアネート14
3.7g、ジメチロールプロピオン酸64.4g及びN
−メチルピロリドン163.3gを還流冷却器、温度
計、撹拌装置を設けた反応器に取り、80〜100℃に
保ちながら、ウレタン化反応を行い、プレポリマーを製
造した。次いで、該プレポリマーにトリエチルアミン4
6.7gを加えて中和した後に、ヘキサメチレンジアミ
ン11.9gを加え、蒸留水を添加しつつ反応器内の温
度を35℃以下に保持しながら高分子化反応を行い、反
応終了までに合計490.0gの蒸留水を加えて、水性
ポリウレタン系樹脂Dを得た。この水性ポリウレタン系
樹脂の樹脂固形分当りの酸価は90.0であった。 (2) (1)と同様の要領で表2に示した原料及び使
用量にて、水性ポリウレタン系樹脂E及びFをそれぞれ
製造した。得られた樹脂の酸価(固形分当り)は、水性
ポリウレタン系樹脂Eで30.0、水性ポリウレタン系
樹脂Fで20.0であった。 * オレスターQ−5001Eは三井東圧化学株式会社
製のポリエステルポリオールの商品名、分子量100
0。
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】(注7)表2(D)による酸価90、有効
成分30%の水性ポリウレタン樹脂 (注8)表2(E)による酸価30、有効成分30%の
水性ポリウレタン樹脂 (注9)表2(F)による酸価20、有効成分30%の
水性ポリウレタン樹脂 (注10)炭酸亜鉛アンモニア水溶液 攪拌機付の容器に水54.0gを入れ、撹拌しながら酸
化亜鉛10gを徐々に加え、酸化亜鉛を水中に分散し
た。次いで、28%アンモニア水18.0g、炭酸亜鉛
アンモン18.0gを順次加え、溶解するまで撹拌をつ
づけ、炭酸亜鉛アンモニア水溶液(有効成分8.033
7%)を得た。 (注11)酢酸亜鉛アンモニア水溶液 撹拌機付の容器に水55gを入れ、撹拌しながら水中に
酢酸亜鉛15gを加え、溶解し、さらに28%アンモニ
ア水30gを加え、溶液が均一になるまで攪拌し、酢酸
亜鉛アンモニア水溶液(有効成分8.0337%)を得
た。 (注12)米国アルコケミカル社製、商品名SMA26
25:酸価220、分子量1900のスチレン−マレイ
ン酸共重合型のアルカリ可溶性樹脂(有効成分40%) (注13)米国アライドケミカル社製、商品名AC−6
29:酸価16、軟化点104℃、針入度5.5(AS
TM D5)で非イオン界面活性剤を用いて乳化させ
た、酸化タイプポリエチレンワックスエマルジョン(有
効成分40%) (注14)大日本インキ化学工業株式会社製、商品名メ
ガファックF−812:パーフルオロアルキルカルボン
酸塩(有効成分15%) (注15)実施例1においては、アクリル系ポリマーを
亜鉛架橋する目的で重合体エマルジョンAのTgより1
0℃高い温度で、酸化亜鉛とアクリル系ポリマーとを3
時間反応させた。
【0038】
【表5】
【0039】〔性能試験方法及び比較性能評価〕光沢度
は、日本フロアー・ポリッシュ工業会JFPA規格に準
じて行った。尚、規格に規定されていない性能の試験方
法(レベリング性、耐ブラックヒールマーク性、耐粉化
性、被膜硬度、被膜の透明性)については、つぎのよう
な方法にて性能試験を行い評価した。レベリング性 (注16)米国ロームアンドハース社フロアーポリシュ
評価規格レベリング評価方法に準拠する。(A:優→
E:劣) 即ち、光沢度測定の方法に従って塗布した試験片のレベ
リング状態を目視により評価する。
【0040】光沢性 (注17)JIS規格K3920−14に準拠する。
(数値は3回塗布後の光沢度) JFPA規格試験用標準タイル(ビニルアスペストタイ
ル)に一平方メートルあたり10±2mlになる様に試
料を塗布する。室温で30分乾燥した後、光沢度を測定
する。同様な操作方法により、二回塗り、三回塗りを行
い各々の光沢度を測定する。光沢度測定装置はJIS−
Z8741準拠、入射角は60℃とする。耐ブラックヒールマーク (注18)JIS規格K3920−15に準拠する。
(数値は順位を示す) JFPA規格試験用標準白色タイル(ビニルアスペスト
タイル)に光沢度測定の方法に従って塗布した試験片を
24時間室温にて乾燥後、30×30mmの角型ゴム6
個の入ったシュネル(Snell)型汚れカプセルの取
付面に試験片をネジ止めし、50rpmの速度で2.5
分間づつ両方向に回転する。タイルに付着したブラック
ヒールマークの量を目視にて観察評価する。
【0041】耐粉化性 (注19)ASTM規格D2048−87に準拠する。被膜硬度 (注20)米国ロームアンドハース社フロアーポリッシ
ュ評価規格被膜硬度測定法に準拠する。(ヌープ硬度、
単位はKHN)被膜の透明性 (注21)内径85mmのフラットシャーレに試料2m
lをとり、水平に保持して常温で48時間乾燥する。乾
燥後の被膜の透明性を目視で評価する。
【0042】比較例1〜5 実施例1〜10と同様に、表1に示すアクリル−スチレ
ン系樹脂エマルジョン又はアクリル系樹脂エマルジョン
及び表2に示すウレタン系樹脂エマルジョンを用いて表
6に示す組成(単位は重量部)を有するフロアーポリッ
シュを調製した。得られた各フロアーポリッシュの物性
を表7に示す。
【0043】
【表6】
【0044】(注7)〜(表14)は表3、4の脚注に
同じ。
【0045】
【表7】
【0046】
【発明の効果】本発明のレベリング剤は、エマルジョン
樹脂の種類に係わらず、樹脂との相溶性に優れ、かつ、
レベリング性能にも優れたものである。さらに、本発明
では、優れた被膜性能を有する被膜材組成物を提供する
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09G 1/06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で示されるリン酸エス
    テル類を主成分として含有するエマルジョン系被覆材用
    レベリング剤。 (Cn 2n+1OCm 2mO)x 3-x PO (1) (式中、nは1〜6の整数であり、mは2〜6の整数で
    あり、xは1〜3の整数である。但し、nが4であり、
    かつmが2である場合は除く。)
  2. 【請求項2】 エマルジョン系被覆材がウレタン系樹脂
    エマルジョン、スチレン系樹脂エマルジョン、スチレン
    −アクリル系樹脂エマルジョン及びアクリル系樹脂エマ
    ルジョンからなる群から選ばれる少なくとも1種のエマ
    ジョンを含有する請求項1記載のレベリング剤。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のレベリング剤、並びにウ
    レタン系樹脂エマルジョン、スチレン系樹脂エマルジョ
    ン、スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン及びアクリ
    ル系樹脂エマルジョンからなる群から選ばれる少なくと
    も1種のエマジョンを含有するエマルジョン系被覆材組
    成物。
JP4343242A 1992-11-30 1992-11-30 エマルジョン系被覆材用レベリング剤及び被覆材組成物 Expired - Fee Related JPH0772256B2 (ja)

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