JPH0772138A - 酸性ガス検知紙 - Google Patents

酸性ガス検知紙

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JPH0772138A
JPH0772138A JP4193194A JP4193194A JPH0772138A JP H0772138 A JPH0772138 A JP H0772138A JP 4193194 A JP4193194 A JP 4193194A JP 4193194 A JP4193194 A JP 4193194A JP H0772138 A JPH0772138 A JP H0772138A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 空気中に存在する酸性ガスを呈色反応を利用
し高い信頼性で検出すること。 【構成】 酸性領域に変色域を有するメタニールイエロ
等の呈色指示薬と、グリセリン等の多価アルコールとを
多孔質担体に展開する。被検ガスは多価アルコールに吸
収されている水分に溶解して、呈色指示薬と速やかに反
応する。反応の度合は、ガスの量に比例するので、サン
プリング時間を調整することにより、被検ガスの濃度に
対応することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、雰囲気中に含まれてい
る酸性ガスを呈色反応を利用して光学的に測定する酸性
ガス検知紙に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化水素や硝酸などの強酸や、またフッ
化水素、酢酸、蟻酸等の弱酸溶液は、洗浄剤やエッチン
グ液として工業材料として広く使用されていて、作業の
過程でその一部が大気中に揮散して環境に放出される。
このような酸性ガスは、人体に有害であるため、環境中
における許容濃度は、例えば塩化水素ガスに例を採ると
5ppm程度に制限されている。そしてこれら酸性ガス
の濃度は、通常、ガルバニセル法を用いた電気化学式セ
ンサーにより検出され、環境中の濃度が監視されてい
る。しかしながら精密機械工業や電子工業のように極わ
ずかな錆や腐蝕を嫌う分野においては、環境基準をはる
かに下回る濃度でこれら酸性ガスの環境中での濃度を管
理できることが求められている。
【0003】しかしながら、環境測定に使用されている
ようなガルバニセル法を用いた電気化学式ガスセンサー
は、その検出限界がppmオーダであるため、上述のよ
うな品質管理上必要なサブppmオーダの酸性ガス濃度
の監視ができないという問題がある。一方、ppbオー
ダの酸性ガスの検知には、呈色反応を利用した化学的な
測定方法も一部では利用されているものの、試薬などの
流体を取り扱う必要があるため、測定作業が面倒である
ばかりでなく、熟練を要するという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような問
題に鑑みてなされたものであって、その目的とするとこ
ろは、試薬などの流体の取り扱いを不要にして、ppb
オーダの極めて低い濃度から環境基準の監視に要求され
るppmオーダまでの広い濃度範囲の酸性ガスを確実に
検出することができる酸性ガス検知紙を提供することで
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような問題を解消す
るために本発明においては、酸性領域に変色域を有する
呈色指示薬と、多価アルコールとを多孔質担体に展開す
るようにした。
【0006】
【作用】雰囲気中の酸性ガスは、多価アルコールに吸収
されている水分にいったん取り込まれ、この水分の下で
元々多価アルコールに溶解している呈色指示薬と反応し
て水素イオン濃度の変化に起因する呈色反応により光学
的濃度変化を生じる。もとより、多孔質担体に取り込ま
れる酸性ガスの量は、被検ガスのサンプリング時間に比
例するから、サンプリング時間を検出すべき酸性ガスの
濃度に合わせて調整することにより、ppbオーダから
ppmオーダの酸性ガスを同一のテープで検出する。
【0007】
【実施例】そこで以下に本発明の詳細を実施例に基づい
て説明する。 (実施例1)水素イオン濃度1.2乃至2.3の領域で
黄色から赤色への変色域を有するメタニールイエロ0.
02グラム、及びグリセリンやエチレングリコール等の
吸水保水性を有する多価アルコール15ミリリットルを
メタノール等の有機溶媒により全量100ミリリットル
となるように溶かして発色液を調製する。この発色液に
セルロース等により構成された多孔質の紙葉体を浸漬し
て吸収さた後、余分な発色液をゴムローラで絞り、溶媒
を40°C程度の温度で蒸発させる。これにより、紙葉
体1平方メートル当たりメタニールイエロを0.026
グラム、グリセリンを25グラム展開した検知紙を得る
ことができる。
【0008】図1は、本発明のガス検出テ−プを用いて
ガス濃度を測定するための装置の一例を示すものであっ
て、図中符号1は、検知紙2の搬送経路に対向させて配
置されたガス吸引部で、検知紙2に対向する面には直径
1センチメ−トル程度の通孔3が穿設されており、パイ
プ4を介して図示しない吸引ポンプからの負圧が作用し
ている。5は、ガス吸引部1の通孔3に対向する検知紙
2の他面側に配置された測定ヘッド部5で、吸引部1の
通孔3と対向する位置に被検出ガス導入口9が形成され
た遮光容器として構成されており、内部にピーク波長5
55nmの発光ダイオード7と、波長560nmに最大
感度を有するpin型フォトダイオード8とを、検知紙
2上に形成された反応痕を検出できるような入反射関係
をもたせて配置して構成されている。
【0009】上述したガス検出紙をテ−プ状に裁断して
リ−ル10,11にセットし、吸引部4に図示しないポ
ンプからの吸引圧を作用させると、導入口9から測定ヘ
ッド部5に被検ガスが吸込まれる。この被検ガスは、通
孔6から検出紙2を経由して通孔3から外部に排出され
る。被検ガスは、検出紙2を通過する過程で検知紙2上
のグリセリンの保持している水分に取り込まれ、元から
存在するメタニールイエロと反応して、メタニールイエ
ロに水素イオン濃度に比例した呈色反応を生じさせる。
【0010】このようにして所定のサンプリング時間、
例えば60秒程度が経過した時点で、吸引を停止して反
応痕の光学的濃度の測定工程に移る。発光ダイオード7
からの光は、検知紙表面に形成された反応痕の光学的濃
度に応じて吸収を受けるので、測定開始前の光学的濃
度、つまり検知紙のバックグランドの光学的濃度と反応
痕の光学的濃度の差を求めることにより検知紙を通過し
た酸性ガスの濃度、もしくは積算通過量を知ることがで
きる。1サンプリング分の測定が終了した時点で、巻取
りリ−ル10を駆動して検知紙の未使用部分を測定領域
に移動させる。
【0011】検知紙を上記測定装置にセットして塩化水
素ガスの濃度を変えながら反応痕の光学的濃度の変化を
測定したところ、サンプリング時間を60秒程度に設定
すると、図2に示したような検量線を得ることができ
た。このことから、300ppb程度の極めて濃度が低
い領域から、2.5ppm程度の高い濃度領域までの広
い範囲の濃度を高い再現性で測定できることが判明し
た。
【0012】一方、0.5ppm、0.8ppm、1.
0ppm、2.0ppm、及び3.0ppmと塩化水素
の濃度が異なる試料ガスを用意して、それぞれについて
サンプリング時間を変えながら、各サンプリング時間毎
の相対感度を測定したところ図3に示したような結果を
得ることができた。このことからサンプリング時間と塩
素ガスの濃度の積と、検出感度とが極めて高い相関性を
有していて、検出すべき酸性ガスの濃度が低い場合に
は、サンプリング時間を長目に設定しておくことによ
り、測定精度を損なうことなく高い感度で測定すること
が可能となり、また検出すべき酸性ガスの濃度が高い場
合にはサンプリング時間を短目に設定しておくことによ
り、飽和を回避しつつ測定精度を損なうことなく酸性ガ
スの濃度を測定できることが判明した。
【0013】また塩化水素と同等の解離度を持つ硝酸を
含む試料ガスを用いて測定を行ったところ、やはり硝酸
ガスに対しても塩化水素ガスと同様の感度特性を示し
た。
【0014】一方、硝酸や塩化水素よりも水素イオンの
解離度が小さなフッ化水素、蟻酸、硫酸、酸化窒素を含
む標準ガスについて同様の測定を行ったところ、サンプ
リング時間を5分程度まで延長しても、表1に示したよ
うに感度がなかった。
【0015】
【表1】
【0016】これらのことから、水素イオン濃度4以下
の酸性領域に変色域を持つ呈色指示薬を用いた検知紙
は、塩酸ガス、及び硝酸ガス、さらには同様のヨウ化水
素、臭化水素等の強酸に対してのみ選択的に反応するこ
とが判明した。
【0017】水素イオン濃度呈色指示薬の濃度が検出感
度に与える影響を調査するため、グリセリンの濃度を担
体上で25グラム一定に維持し、メタニールイエロの濃
度だけを変えた検知紙を作成して、同一濃度の塩化水素
ガスを測定したところ図4に示したような結果となっ
た。このことから、メタニールイエロの濃度が1平方メ
ートル当たり0.005グラム以下と低い場合には、検
出感度が低いばかりでなく、呈色反応の濃度にばらつき
が生じて測定結果の信頼性が低く、またメタニールイエ
ロの含有量が1平方メートル当たり0.08グラムを越
えるような高い場合には呈色指示薬の色がテープの光学
的バックグランドとして影響するため、反応前後の光学
的濃度差で検出する場合であっても検出感度やS/N比
の低下を招く場合があり、濃度を無用に高くすることは
コストの面からも望ましくない。このことから、水素イ
オン濃度呈色指示薬の濃度は、担体1平方メートル当た
り0.005グラム乃至0.08グラムが最適であるこ
とが判明した。
【0018】一方、多価アルコールの濃度による検出感
度の変化を調べるため、メタニールイエロの濃度を一定
に維持し、グリセリンの含有量だけが異なる検知紙を作
成し、これを用いて塩酸ガスを測定したところ、図5に
示したような結果となった。すなわち、1平方メートル
当たり25グラム程度含む場合に最高の感度を示し、こ
れ以上になると多孔質担体の通気性が低下するため、多
孔質担体を通過させながら測定する方式の測定装置に適
用した場合には感度が徐々に低下するようになった。ま
た被検ガスを一方の面から他方の面に通過させる、いわ
ゆる透過方式を適用しない場合においては、検出感度低
下の度合は小さくなるものの、やはり多価アルコールが
多くなると、担体である検知紙がべたついたりするた
め、取り扱いが不便となる。これらの事情から、多価ア
ルコールは、多孔質担体1平方メートル当たり8乃至3
5グラム程度に制限するのが好ましい。
【0019】また長期保存性を調査するために、炭酸ガ
ス3パーセント程度を含む高純度空気を充填した容器に
上記検知紙を収容して12時間報知たところ、検知紙に
は何等変色が見られなかった。
【0020】そして変色水素イオン濃度を4以下の酸性
域に変色域を有する他の水素イオン濃度呈色指示薬、例
えばアリザリンイエロ、ベンジルイエロ、メチルイエロ
等を使用して、上述のメタニールイエロと同様の配合量
で検知紙を作成し、塩化水素や硝酸等の強酸性ガスを測
定したところ、メタニールイエロの場合と同様の検量特
性を示すばかりでなく、水素イオン濃度呈色指示薬の濃
度、及び多価アルコールの濃度に対する感度特性におい
てもほぼ同様の結果を示した。これらのことから、強酸
性ガスの検出には多孔質担体1平方メートル当たり、メ
タニールイエロ、アリザリンイエロ、ベンジルイエロ、
メチルイエロの少なくとも1種類を0.005グラム以
上、0.08グラム以下、またグリセリンやエチレング
リコール等の多価アルコールを8グラム以上35グラム
以下程度含有させるのが望ましいと結論することができ
た。
【0021】(実施例2)水素イオン濃度4.2乃至
6.2に黄色から赤色への変色域を有するメチルレッド
0.02グラム、緩衝液として0.025モルのNa
2CO3と0.005モルのNaHCO3/モルで調製し
たものを20ミリリットル、及びグリセリンやエチレン
グリコールなどの吸水性を有する多価アルコール 15
ミリリットルをメタノール等の有機溶媒に全量100ミ
リリットルとなるように溶かして発色液を調製する。こ
の調製液にセルロース等により構成された多孔質の紙葉
体を浸漬して吸収させた後、余分な調製液をゴムローラ
で絞り、溶媒を40°C程度の温度で蒸発させる。
【0022】このようにして構成されたガス検知紙1平
方メートル当たりには、メチルレッド0.026グラ
ム、緩衝剤成分0.006グラム、及びグリセリン25
グラムが展開されることになる。
【0023】このガス検知紙を上述した測定装置にセッ
トし、そのサンプリング時間を20秒に設定して弱酸ガ
スであるフッ化水素の濃度度を測定したところ、図6の
(I)に示したように高い直線性の検量線を得ることが
できた。一方、前述した強酸である塩素ガスを測定した
場合には、同図(II)に示したように低い濃度の段階
で飽和を示した。さらに有機溶媒の干渉性を調べるため
にエタノールを含む試料ガスを測定したところ同図(I
II)に示したように弱酸ガスの測定には特に影響を与
えるような感度を有していないことが確認できた。
【0024】ついで、緩衝成分の含有量だけを変えて検
知紙を作成して、これらの検知紙を容器内に収容して炭
酸ガスに12時間晒した後の変色度合を調査したとこ
ろ、緩衝剤成分を1平方メートル当たり0.002グラ
ム以下しか含まないものは相当に赤色側に変色していた
が、0.006グラム以上含んだ検知紙では全く変色が
起こらなかった。
【0025】すなわち、第2実施例において使用してい
る呈色指示薬は、水素イオン濃度4以上6.9以下の領
域を変色域としているため、空気中の炭酸ガスを吸収し
て酸性側の色に変色する。このことから、変色水素イオ
ン濃度を4以上7.6以下程度に変色域を有する呈色指
示薬を用いる場合には、長期保存や、長時間のサンプリ
ングを可能とするために緩衝剤成分を含有させることが
必須の要件になる。
【0026】この酸性ガス検知紙を用いていろいろな酸
性ガスを測定したところ、表2に示したような結果とな
った。
【0027】
【表2】
【0028】このことから、弱酸領域に変色域を持つ呈
色指示薬を用いたガス検知紙は、塩酸、硝酸等の強酸だ
けでなく、フッ化水素、二酸化硫黄、蟻酸に対しても感
度を有することが確認された。さらには同程度の水素イ
オンの解離度を有する燐酸、亜硫酸ガス、二酸化窒素、
ふっ素等にも感度を有することは明らかである。
【0029】そして変色水素イオン濃度が4乃至6.9
の範囲程度の領域を変色域とする他の水素イオン濃度呈
色指示薬、例えばニュートラルレッド、ラコモイド等を
使用して、上述のメチルレッドと同様の配合量で検知紙
を作成し、塩化水素や硝酸等の強酸ガスを測定したとこ
ろ、同一の検量線特性を示すばかりでなく、水素イオン
濃度呈色指示薬の濃度、及び多価アルコールの濃度に対
する感度依存性もほぼ同様の結果を示した。
【0030】これらのことから、弱酸性ガスの検出には
多孔質担体1平方メートル当たり、メチルレッド、ニュ
ートラルレッド、ラコモイドの少なくとも1種類を0.
005グラム乃至0.08グラム、多価アルコールを8
グラム乃至35グラム、及び緩衝剤成分0.006グラ
ム程度を含有させるのが望ましいと結論することができ
る。いうまでもなく、緩衝剤成分は、補助的な機能を奏
するものであるから、保管される環境等に応じて適宜増
減するのが望ましい。
【0031】ところで、上述した検知紙を、20ワット
の蛍光燈の直下30cmの位置に載置して、約1500
ルックスの光を照射し、8時間経過後における検知紙の
バックグランド色の変化を調査したところ、呈色指示薬
にメタニールイエロ、及びメチルレッドを使用した酸性
ガス検知紙は、何等変色が起こらなかった。
【0032】一方、水素イオン濃度呈色指示薬にニュー
トラルレッドを使用した検知紙は変色していた。そして
変色した検知紙を用いてガスの濃度を測定すると、バッ
クグランドの光学的濃度が上昇している分だけ、検出感
度が変色前の検知紙より30%以上低下することが確認
された。
【0033】これらのことから、通常の使用においては
水素イオン濃度呈色指示薬として強酸性ガスの検出を対
象とする場合にはメタニールイエロが、また弱酸性ガス
を検出対象とする場合にはメチルレッドだけでなく緩衝
剤成分をも合わせて使用するのが望ましい。しかしなが
ら保管中に露光を受けない場合には上述した他の呈色指
示薬を用いても十分実用となる酸性ガス検知紙を実現す
ることが可能である。
【0034】他方、メチルレッドやニュートラルレッ
ド、ラコモイド等の水素イオン濃度4乃至6.9の範囲
に変色域を有する呈色試薬を緩衝剤成分とともに展開し
て構成した検知紙は、一般的な環境中にも存在する二酸
化炭素や二酸化窒素に対しては検出感度を有せず、しか
も工場などで使用されるフッ化水素、蟻酸等の弱酸性ガ
スに対して十分な感度を備えているから、環境基準の監
視等の対象となる酸性ガスを検出するのに最適なものと
なる。
【0035】(第3実施例)呈色指示薬として水素イオ
ン濃度3.1乃至4.4に変色域を有するメチルオレン
ジを使用し、これを0.02グラム、及びグリセリンや
エチレングリコール等の保水性を有する多価アルコール
15ミリリットルをメタノールやエタノール等の有機溶
媒により全量100ミリリットルとなるように溶かして
発色液を調製する。この発色液にセルロース等により構
成された多孔質の紙葉体を浸漬して吸収させた後、余分
な発色液をゴムローラで絞り、溶媒を40°C程度の温
度で蒸発させる。これにより、紙葉体1平方メートル当
たりメチルオレンジを0.026グラム、グリセリンを
25グラム含む検知紙を得る。
【0036】これを用いて濃度0.05乃至0.2pp
mの塩化水素ガスを測定したところ、図7に△印により
示したような検量線を得ることができた。比較のため、
同上濃度の塩化水素ガスを上述したメチルイエロやメタ
ニールイエロを呈色試薬とするテープにより測定したと
ころ、それぞれ印●、印○により示す検量線を得た。
【0037】このことから、水素イオン濃度3.1乃至
4.4に変色域を有するメチルオレンジを使用した本実
施例のテープは、特に0.1ppm程度の極めて濃度の
低い酸性ガスに対して高い感度を示すことが判明した。
なお、メチルオレンジと同等の酸性領域に変色域を有す
るベンジルオレンジ(変色域が水素イオン濃度1.9乃
至3.3)や、トロペオリン(変色域が水素イオン濃度
1.4乃至3.2)を使用して上述と同様の手法で検知
紙を製作したものについて濃度0.05乃至0.2pp
mの塩化水素ガスを測定したところ、図7における印△
で示した検量線と同様に特異的に高い感度を得ることが
できた。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように本発明においては、
酸性領域に変色域を有する呈色指示薬と、多価アルコー
ルとを多孔質担体に展開したので、空気中に存在する酸
性ガスがグリセリンに吸収されている水分にいったん取
り込まれてから水素イオン濃度呈色指示薬と反応するた
め、比較的コントラストの変化の大きい光学的濃度変化
により検出することができるばかりでなく、被検ガスの
サンプリング時間を延長することにより、他の形式の検
出手段では不可能なbbbオーダの極めて低い濃度の酸
性ガスを高い信頼性で検出することができる。また、変
色域が異なる指示薬を用いることにより、酸性度の異な
るガスを選択的に検出したり、また工業的に使用される
酸液の揮散に起因する極めて濃度の低い酸性ガスを高い
感度で検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の酸性ガス検知紙が適用される測定装置
の一実施例を示す断面図である。
【図2】本発明の酸性ガス検知紙の検量線を示す線図で
ある。
【図3】被検ガスの濃度、サンプリング時間、及び検出
感度との関係を示す線図である。
【図4】呈色反応試薬の濃度と検出感度との関係を示す
線図である。
【図5】保湿剤の濃度と検出感度との関係を示す線図で
ある。
【図6】本発明の第2実施例の検知紙における検量特性
を示す線図である。
【図7】本発明の第3実施例の検知紙における検量特性
を示す線図である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸性領域に変色域を有する呈色指示薬
    と、多価アルコールとを多孔質担体に展開してなる酸性
    ガス検知紙。
  2. 【請求項2】 多孔質担体1平方メートル当たり、前記
    呈色指示薬が0.005乃至0.08グラム、多価アル
    コールが8乃至35グラムである請求項1の酸性ガス検
    知紙。
  3. 【請求項3】 前記呈色指示薬がメタニールイエロ、ア
    ザリンイエロ、ベンジルイエロ、メチルレッド、メチル
    イエロ、メチルオレンジ、ベンジルオレンジ、トロペオ
    リンから選択された少なくとも1種類のものである請求
    項1,2の酸性ガス検知紙。
  4. 【請求項4】 前記多価アルコールがグリセリン、エチ
    レングリコールの中から選択された少なくとも1種類の
    ものである請求項1,2の酸性ガス検知紙。
  5. 【請求項5】 酸性領域に変色域を有する呈色指示薬
    と、多価アルコールと、緩衝剤成分とを多孔質担体に展
    開してなる酸性ガス検知紙。
  6. 【請求項6】 多孔質担体1平方メートル当たり、前記
    呈色指示薬が0.005乃至0.08グラム、多価アル
    コールが8乃至35グラムである請求項5の酸性ガス検
    知紙。
  7. 【請求項7】 前記呈色指示薬がメチルレッド、ニュー
    トラルレッド、ラコモイドから選択された少なくとも1
    種類のものである請求項5の酸性ガス検知紙。
  8. 【請求項8】 前記緩衝剤成分がNa2CO3とNaHC
    3、Na2CO3とNaOHと、Na2CO3とNaHC
    3のグループのいずれから選択された少なくとも1種
    類のものである請求項5の酸性ガス検知紙。
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