JP3485246B2 - 酸化性ガス検知シート - Google Patents
酸化性ガス検知シートInfo
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Description
る酸化性ガスを呈色反応を利用して光学的に測定する酸
化性ガス検知用シートに関する。
(以下、酸化性ガスという)は、洗浄剤やエッチング液
として工業材料や殺菌剤として広い分野で大量に使用さ
れていて、作業の過程でその一部が大気中に揮散して環
境に放出さやすい。そして酸化性ガスは、人体に有害で
あるため、環境中における許容濃度は、例えば塩化水素
ガスに例を採ると0.5ppm程度に制限されている。
そしてこれら酸性ガスの濃度は、通常、ガルバニセル法
を用いた電気化学式センサーにより検出され、環境中の
濃度が監視されている。しかしながら精密機械工業や電
子工業のように極わずかな錆や腐蝕を嫌う分野において
は、環境基準をはるかに下回る濃度で管理できることが
求められているが、ガルバニセル法を用いた電気化学式
ガスセンサーは、その検出限界がppmオーダであるた
め、上述のような品質管理上必要なサブppmオーダで
は高い精度で検出が不可能であるという問題がある。
には、呈色反応を利用した化学的な測定方法も一部では
利用されているものの、試薬などの流体を取り扱う必要
があるため、測定作業が面倒であるばかりでなく、熟練
を要するという問題がある。このような問題を解消する
ため、本出願人は、特開平7-12733号号公報に見られる
ごとく、p−n−ブトキシアニリンと、紫外線吸収材
と、保湿剤としての多価アルコールを多孔質担体に展開
してなる酸化性ガス検知シートを提案した。
ば保湿剤に吸収されている水分によりp−n−ブトキシ
アニリンと被検出対象ガスとの反応を促進して、低い濃
度の酸化性ガスを検出することができ、また保存中や測
定中に照射される光を紫外線吸収剤により吸収して保存
中の変色を防止することができる。しかしながら、長期
間の保存に際しては、やはり変色が生じるため、測定前
と測定後の光学的濃度差により検出する場合には、感度
低下や、測定レンジ幅の低下を招くという不都合があ
る。本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであ
って、その目的とするところは、保存中の変色を可及的
に防止しつつ、感度の向上を図ることができる酸化性ガ
ス検知シートを提供することである。
るために本発明においては、N,N−ジエチル-P−フ
ェニレンジアミン、またはN,N−ジエチル - P−フェ
ニレンジアミン硫酸塩、酸化防止剤、及び多価アルコー
ルを担持シートに展開してなる酸化性ガス検知用シート
を構成するようにした。
て説明する。N,N−ジエチル-P−フェニレンジアミ
ン((C2H5)2NC6H4NH2)0.2wt%、酸化防
止剤、例えば2,6ージーtert−ブチル−p−クレ
ゾール1wt%、及び保湿剤、例えばグリセリンやエチ
レングリコール等の多価アルコール15mlを、全量が
100mlとなるように易蒸発性有機溶媒、この実施例
ではメタノールに溶解して発色液を調製する。
セルロースを素材とするろ紙に含浸させ、必要に応じて
加温しながら有機溶媒を揮散させる。なお、被検ガスと
の反応を促進させるため、予めシリカゲルやアルミナ等
の微粉末が混入された担持用のシート材を用いるか、シ
リカゲルやアルミナ等の微粉末を発色液に混入してシー
ト材に担持させるのが望ましい。
当たりN,N−ジエチル-P−フェニレンジアミンを
0.18g、酸化防止剤を0.92g及び保湿剤が展開
された検知用シートが得られる。
自動測定装置の検知テープや、また紙片に裁断して検知
バッジの検知素材として使用することができる。
したようにテープ1をカセット2に収容して、テープ搬
送機構3により発光素子4と受光素子5を備えたサンプ
リングヘッド6に一定時間毎に搬送することが可能で、
酸化性ガス、例えば塩素の濃度を自動的に測定すること
ができる。このサンプリングヘッド6は、サンプリング
パイプ7を介して被測定環境に連通されていて、パイプ
8を介して吸引ポンプに接続された吸引ヘッド9と共同
してテープ1を封止するように構成されている。
時間作動させることにより、所定量の空気がテープ1を
通過し、酸化性ガスの濃度に比例した反応痕がテープ1
に形成される。発光素子4と受光素子5により反応痕の
相対的光学濃度を検出することにより酸化性ガスの濃度
を測定することができる。
を、シート材を通過させて反応させているが、同図
(ロ)に示したようにテープ1の一方の面を封止するキ
ャップ体10に、一側に流入口11を、他端に流出口1
2を形成し、かつ前述の発光素子と受光素子とを設けて
構成されたサンプリングヘッドを用いて、シート材の一
方の面を被測定流体が流れるようにしても同様に測定す
ることができる。
量を400ml/分、またサンプリング時間を40秒に
保持しながら酸化性ガスである塩素ガスの濃度を変化さ
せて上述した酸化性ガス検知用シートにより測定した検
量線(図中、符号A)の一例を示すもので、同一の条件
で測定したブトキシアニリンを使用した従来の酸化性ガ
ス検知用シートの検量線(図中、符号B)に比較して塩
素ガスの検出感度が2倍以上に向上しており、サブpp
mオーダの酸化性ガスを高い精度で測定することができ
る。
の変色度が低くなっている。すなわち図2(ロ)は、本
発明の酸化性ガス検知用シートと、ブトキシアニリンを
使用した従来の酸化性ガス検知用シートとを大気中に放
置した状態での応答値の変化を示すもので、本発明の酸
化性ガス検知シート(図中、符号A)では時間の経過に
関り無く応答値がほとんど変化しないのに対して、従来
の検知シート(図中、符号B)では、短期間で応答値が
上昇している。
保存中のおける変色度合が極めて低いため、サブppm
オーダの酸化性ガスを極めて高い信頼性で測定すること
ができる。
としてN,N−ジエチル-P−フェニレンジアミンを使
用しているが、同系統の試薬であるN,N−ジエチル-
P−フェニレンジアミン硫酸塩((C2H5)2NC6H4
NH2・H2SO4))を用いての同様の作用を奏する。
レンジアミン硫酸塩((C2H5)2NC6H4NH2・H2
SO4))0.6wt%、酸化防止剤、例えば2,6ー
ジーtert−ブチル−p−クレゾール1wt%、及び
保湿剤、例えばグリセリンやエチレングリコール15m
lを全量が100mlとなるように易蒸発性有機溶媒、
この実施例ではメタノールに溶解して発色液を調製す
る。
せ、必要に応じて加温しながら有機溶媒を揮散させる
と、担持用シート1平方メートル当たりN,N−ジエチ
ル-P−フェニレンジアミン硫酸塩を0.55g、酸化
防止剤を0.92g及び保湿剤が展開された検知用シー
トが得られる。
同等の検出感度を示すものの、N,N−ジエチル-P−
フェニレンジアミン((C2H5)2NC6H4NH2)より
も安定なN,N−ジエチル-P−フェニレンジアミン硫
酸塩が発色剤として展開されているため、第1の実施例
のガス検知用シートよりも更に長期間に亙って変色の度
合が低い。
あるN,N−ジエチル-P−フェニレンジアミン、及び
N,N−ジエチル-P−フェニレンジアミン硫酸塩のシ
ート上での濃度を1平方メートル当たりそれぞれ0.1
8g、及び0.55となるように調整しているが、図3
に示したようにこれら検出感度は、発色剤に対する濃度
依存性が極めて低いことが見いだされた。すなわち、図
3は、それぞれ1平方メートル当たりN,N−ジエチル
-P−フェニレンジアミン硫酸塩を0.18g、0.3
7g、及び0.55gずつ展開した検知用シートを用い
て、一定濃度の酸化性ガスを検出した場合の応答値で、
発色剤の濃度とともに検出感度が向上した。
N,N−ジエチル-P−フェニレンジアミン、酸化防止
剤、及び保湿剤を担持シートに展開したので、塩素ガス
等の酸化性ガスに対する検出感度が高く、かつ長期間、
大気中に放置しても変色度が低く、サブppmオーダの
酸化性ガスを高い信頼性で検出することができる。
ートをテープに整形して使用する測定装置の一実施例を
示す図と、サンプリングヘッドの他の実施例を示す図で
ある。
シートのサンプリング時間と応答値との関係、及び大気
に放置した場合の時間経過と応答値との関係を示す線図
である。
る応答値との関係を示す線図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 N,N−ジエチル-P−フェニレンジア
ミン、酸化防止剤、及び多価アルコールを担持シートに
展開してなる酸化性ガス検知用シート。 - 【請求項2】 N,N−ジエチル-P−フェニレンジア
ミン硫酸塩、酸化防止剤、及び多価アルコールを担持シ
ートに展開してなる酸化性ガス検知用シート。 - 【請求項3】 前記酸化防止剤が、2,6ージーter
t−ブチル−p−クレゾールである請求項1または請求
項2に記載の酸化性ガス検知用シート。
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