JPH0771486B2 - ペプチドc末端アミド化に関与する酵素の製造方法 - Google Patents

ペプチドc末端アミド化に関与する酵素の製造方法

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JPH0771486B2
JPH0771486B2 JP2205475A JP20547590A JPH0771486B2 JP H0771486 B2 JPH0771486 B2 JP H0771486B2 JP 2205475 A JP2205475 A JP 2205475A JP 20547590 A JP20547590 A JP 20547590A JP H0771486 B2 JPH0771486 B2 JP H0771486B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はペプチドC末端アミド化に関与する2種の酵素
を同時にまたは別個に製造するための方法に関し、より
詳しくは、こらの酵素をコードするcDNAを使用する前記
各酵素の製造方法に関する。
〔従来の技術〕
従来、生体内酵素反応によるペプチドC末端グリシン付
加体のC末端アミド化(本明細書では「ペプチドC末端
アミド化」と略称する)に関与する酵素は、ペプチジル
グリシン−α−アミデーティングモノオキシゲナーゼ
(ペプチドC末端アミド化酵素)(EC.1.14.17.3)と呼
ばれており(Bradburyら、Nature,298,686,1982:Glembo
tskiら、J.Biol.Chem.,259,6385,1984)、次のような反
応を触媒していると考えられてきた。
生体内でのアミド化機構の解明、ならびに組換えDNA技
術によって生産されるペプチドをC末端がアミド化され
て初めて生理活性を示すペプチド類、例えばカルシトニ
ン、ガストリンなどへ生体外で転化する方法に利用すべ
く、本酵素を精製する試みがなされてきた。このような
酵素の例としては、ウシ脳下垂体中葉(Murthyら、J.Bi
ol.Chem.,261,1815,1986)、ブタ脳下垂体(Kizerら、E
ndocrinology.118,2262,1986:Bradburyら、Eur.J.Bioch
em.,169,579,1987)、ブタ心房(Kojimaら、J.Bioche
m.,105,440,1989)、アフリカツメガエル体皮(Mizuno
ら、Biochem.Biophys.Res.Commun.,137,984,1986)、ラ
ット甲状腺腫瘍(Mehtaら、Arch.Biochem.Biophys.,26
1,44,1988)由来のものが報告されている。なお、これ
らの蛋白質は、分子量がウシでは38,42または54KDa、カ
エルでは39KDa、ラットでは41,50または75KDa、ブタで
は64または92KDaと報告されており、それぞれ採取方法
などによりかなり異なっている。
また、これらの精製酵素を多量に入手することが困難で
あることから、近年、一般に行われるようになった組換
えDNA技術を用い、これらの酵素の発現に必要な対応す
るcDNAの単離およびそれらを利用した該酵素の製造が試
みられている。例えば、Eipper B.A.らは、Mol.Endocri
nol1,777〜790,1987で、Ohsuye,Kらは、Biochem.Biophy
s.Res.Commun.150,1275〜1281,1988で、Stoffers,D.A.
らは、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,86,735〜739,1989で、
そしてGlauder,J.らはBiochem.Biophys.Res.Commun,16
9,551〜558 1990、でそれぞれウシの下垂体、カエルの
皮膚、ラットの心房およびヒトの甲状腺細胞由来のペプ
チドC末端アミド化酵素cDNAを公表しており、また、必
ずしもその生産性において満足できるものでないが、カ
エル由来およびウシ由来のcDNAを利用した組換えDNA技
術を用いたペプチドC末端アミド化酵素の生産例も知ら
れている(例えば、それぞれ特開平1−104168号および
国際公開wo89/02460号公報、ならびにPerkinsら、Mol.E
ndocrinol,4,132〜139,1990参照)。
一方、本発明者らは従来報告されているペプチドC末端
アミド化酵素の触媒反応は、一種の酵素で次式(I) (上式中、Aは、天然のα−アミノ酸に由来するα−ア
ミノ基もしくはイミノ基およびα−カルボキシル基以外
の残基を表しており、Xは、水素原子またはカルボニル
基を介してN原子と結合するアミノ酸誘導体の残基を表
す)で示されるC末端グリシン付加体から、次式(II
I) (上式中、AおよびXは前記のような意味を表す)で示
されるC末端アミド化物への転化を行うのでなく、中間
に、次式(II) (上式中、AおよびXは前記のような意味を表す)で示
されるC末端α−ヒドロキシルグリシン付加体を介し、
この式(II)の化合物は酵素の助けをかりることなくア
ルカリ性条件下で式(III)の化合物に転化されること
を示した(Tajimaら、J.Biol.Chem.,265,9602〜9605,19
90)。さらに、本発明者らは式(II)の化合物を基質と
して式(III)の化合物への転化を触媒する酵素がウマ
血清中に存在することを見い出し、先に提案した(特願
平1−281933号明細書参照)。この酵素は前述の式
(I)の化合物から式(II)の化合物への転化を触媒す
る酵素と併用すると、式(II)の化合物から式(III)
の化合物への転化をアルカリ条件下で行うよりも効率よ
く式(I)の化合物から式(III)の化合物への転化が
図れることを見い出した。
〔発明が解決しようとする課題〕
前記2種の酵素を式(I)の化合物から式(III)の化
合物への転化の目的で工業的に利用するには、これらを
より安価に多量に入手する必要があることは他の各種酵
素と何等変るものでない。
そこで、本発明の目的は前記2種の酵素を対応するcDNA
を利用して効率よく製造するための方法を提供すること
にある。
〔課題を解決するための手段〕 本発明者ら、主としてラットおよびウマ由来のペプチド
C末端アミド化酵素の単離ならびにそれらのcDNAの調製
を行ってきたが、驚くべきことに、これらは前記2種の
酵素を相互に隣接してコードしており、そしてこれらに
由来する各酵素は細胞における分泌過程のプロセッシン
グにより別個に放出されることを見い出し、さらにこれ
ら2種の酵素に対応するcDNAをそれぞれ独立して調製
し、それらを適当なベクター−宿主系で発現することに
成功し本発明の完成した。従って、本発明によれば、ペ
プチドC末端アミド化に関与する酵素の製造方法にあっ
て、前記式(I)の化合物から式(II)の化合物への転
化を触媒する酵素および/または式(II)の化合物から
式(III)の化合物への転化を触媒する酵素をコードす
るcDNAを含み、かつこれらを発現することができるプラ
スミドで形質転換された宿主細胞を培養することによっ
て前記両酵素またはいずれか一方の酵素を生産蓄積させ
た培養物から対応する酵素を採取することを特徴とする
方法が提供される。なお、式(I)で示されるC末端グ
リシン付加体の具体例は、特願平2−76331号明細書に
詳しい。
以下、本発明をより具体的に説明する。
本発明で用いることができるC末端アミド化酵素cDNA
は、ヒト、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ウサギ、ヤギ、
ラット、マウス等の哺乳類、ニワトリ、シチメンチョウ
等の鳥類、カエル等の両性類、ヘビ等のハ虫類、イワ
シ、サバ、ウナギ、サケ等の魚類などに存在するペプチ
ドC末端アミド化酵素のアミノ酸配列をコードするDNA
に由来し、そのcDNAのほぼ中央付近にLys−Lysの配列が
存在するものであればその起源は問わないが、好ましい
ものとしては哺乳類由来のものが挙げられる。より具体
的には、現在知られているペプチドC末端アミド化酵素
のアミノ酸配列をアミノ酸の1文字表示で、しかも種間
での相同性を高くするように欠落部分(−で示す)を任
意に挿入して第1図に示されるようなアミノ酸配列をコ
ードするDNA断片であって、それらのC末端近傍の疎水
性アミノ酸領域に相当する部分を除いたcDNAが有利に使
用できる。なお、各cDNAは、ヒト、ウマ、ウシ、ラッ
ト、カエルIおよびカエルIIについて、それぞれBioche
m,Biophys.Res.Commun.169,551〜558,1990;特願平2−7
6331号明細書;Mol.Endocrinal.,777〜790ページ、198
7;Proc.Natl.Acad.Sci.USA,86,735〜739ページ、1989;B
iochem.Biophys.Res.Commum.,148,546〜552ページ、198
7;およびBiochem.Biophys.Res.Commum.,150,1275〜1281
ページ、1988に記載されている。これらのうち例えば、
第1図のウマの配列によれば、441と442番目のK(リジ
ン)、K(リジン)配列に該当する。この配列は、ヒ
ト、ウマ、ウシ、ラットのcDNAで良く保存されている。
この配列より、前半部分(5′側)のcDNAは、式(I)
で示されるペプチドC末端グリシン付加体に作用して、
式(II)で示されるペプチドC末端α−ヒドロキシルグ
リシン付加体を生産する活性を持つ蛋白質をコードして
おり、また、このKK配列より後半(3′側)の部分のcD
NAは、C末端グリシン付加体に作用して式(III)で示
されるC末端アミド化物とグリオキシル酸を生成する活
性を持つ蛋白質をコードしている。このKK配列近傍の部
位でそれ自体公知の制限酵素を用い、cDNAを前半部と後
半部に分離することができる。
本発明で利用されるcDNAのクローニングは、それ自体公
知の方法により、前述した各種動物の諸組織を用いて実
施することができる。具体的には、+,−法、ハイブリ
ダイゼーション法、PCR法など一般に用いられている方
法(例えば、Methods in Enzymology,vol.152;Guide to
Molecular Cloning Techniques,S.L.BergerおよびA.R.
Kimmel編、1987,Academic Press,INC.;Methcds in Mole
cular Biology,vol.4;New Nucleic Acid Techniques,J.
M.Walker編、1988,The Humana Press Inc.;Molecular C
loning A Laboratory Manual 2nd Ed.J.Sambrook,E.F.F
ritsch,T.Maniatis編、1989,Cold Spring Harbor Labor
atory Press参照)に従って行い、得られたcDNAクロー
ンの塩基配列を決定することにより蛋白質をコードする
cDNA領域を決定し、前述の中央部のKK配列付近でcDNAを
分割することで目的のcDNAは得られる。
ラットを例に説明すると、ペプチドC末端アミド化酵素
を多く生産する組織、例えば、ラットの下垂体をグアニ
ジルチオシアネートと共にホモジナイズすることにより
細胞を破砕し、塩化セシウム平衡密度勾配超遠心分離に
よりRNA分画を得る。続いてオリゴdTセルロースを担持
したアフィニティークロマトグラフィーにより、前記RN
A分画からポリAをもつRNA(ポリA+RNA)を単離する。
このポリA+RNAを鋳型として使用し、公知の方法、好ま
しくは岡山−Bergの方法(Mol.Cell.Biol.2,161,1982)
によって、cDNAライブラリーを得る。これらのライブラ
リーから適当なプローブを使用してポジティブなクロー
ンをスクリーニングし、増幅したcDNAライブラリーから
適当なプローブを使用して再スクリーニングして得たポ
ジティブなcDNAクローンを単離し、これらの制限酵素マ
ッピングおよびシークエンシングなどによって目的のcD
NAを構造決定することができる。また、前記cDNAを発現
ベクターに組込み、このもので形質転換した宿主のペプ
チドC末端アミド化酵素の生産性を評価することにより
目的のcDNAを含むプラスミドを選択することもできる。
このcDNAを発現させる宿主は、大腸菌、枯草菌、酵母な
どの微生物、昆虫、動物などに由来する培養細胞系など
通常用いられる細胞でよい。発現プラスミドは、これら
の細胞中でcDNAを効率良く発現できるプラスミドであれ
ば、何でも良い。例えば、次に示す成書に記載のものな
どから適当に選ぶことができる。
続生化学実験講座1、遺伝子研究法II、−組換えDNA技
術−第7章組換え体の発現、(1986)、日本生化学会
編、東京化学同人;Recombinant DNA,Part D,Section I
I,Vectors for Expression of Cloned Genes,(1987)R
ayWuおよびLawrence Grossman編、Academic Press,IN
C.;Molecular Cloning,A Laboratory Manual 2nd Ed.Bo
ok 3,(1989)J.Sambrook,E.F.FritschおよびT.Maniati
s編、Cold Spring Harbor Laboratory Pressなど。
例えば、動物培養細胞として常用されているCV−1が宿
主として使用される場合は、pSV,pL2n,pCol型のプロモ
ーターおよび必要により選択マーカーを配したものが使
用される。また、大腸菌についてはpGH,pKYP,pHUB型の
ベクターが、酵母についてはYRp,YEp型のものが使用で
きる。これらのベクターのcDNAによる組換え、および組
換えプラスミドによる宿主細胞の形質転換、形質導入は
それぞれ前述の文献等に記載されるそれ自体公知の手順
によって行うことができる。こうして得られる形質転換
された細胞は、由来する細胞を増殖するのに通常使用さ
れる培地および培養条件下で培養することができる。
このような培養物から産生蓄積せしめたペプチドC末端
アミド化酵素の採取は、例えば、動物培養細胞を用いる
場合には産生酵素が細胞外に分泌されるので、細胞を除
去した後の培養液から容易に採取できるが、必要により
細胞溶解物から採取してもよい。この採取・精製は通常
の酵素精製法、例えば沈殿による分画、ヘパリン親和性
クロマトグラフィーおよび透析等を組み合わせて実施す
ることができ、さらに本発明者らによって開発されたC
末端グリシン付加体をリガンドとする基質親和性クロマ
トグラフィーを組み合わせて使用することが好ましい
(国際公開WO 89/12096号公報、特願平1−281933号明
細書参照)。このクロマトグラフィーのリガンドとして
は、グリシンを含め2〜6個のアミノ酸残基からなるペ
プチド類、特にD−Tyr−Trp−Gly,Phe−Gly−Phe−Gly
およびGly−Phe−Glyを使用するものが好ましい。精製
手順の具体例は、前記公報の記載に従って行うことがで
きる。
〔実施例〕
以下の例で、ラット下垂体由来のペプチドC末端アミド
化酵素cDNAを利用する該酵素の生産について説明する
が、本発明はこれによって限定されるものでない。
例1. 発現プラスミドの造製 ラット下垂体由来のポリA+RNAを用いてcDNAクローニン
グをおこなったところ、分子両の異なる5本のcDNAが得
られた(第2図、第3図、生化学、61,842(1989)参
照)このcDNAより、特願平2−106412号明細書に示した
手法に従って、シグナルペプチド領域のcDNAを含む発現
プラスミドSV−203を造製した。このプラスミドは動物
培養細胞系発現ベクターpSV2ベクター〔S.Subramani
ら、Mol.Cell.Biol.,854(1981)〕のHind III−Bgl
II部位に合成リンカーを介して第2図のcDNAの−1番目
から2742番目までの塩基を含むEcoRI−Xma I断片を挿入
したものである。
SV−203プラスミドDNAより、本発明に係るC末端グリシ
ン付加体に作用して、C末端α−ヒドロキシルグリシン
付加体へ変換する酵素を発現する発現プラスミドSV−A
を構築した。中央付近のKK配列部分をコードするcDNA領
域近傍に存在するBamH I部位〔第3図B(1386)〕以降
のDNA部分を、BamH IXma I〔第3図X(2948)〕消化に
より欠除させ、切断部位に合成DNAリンカー を挿入し、ライゲーションし、次いでSV−Aプラスミド
を完成した。合成DNAは、ABI社製DNA合成機を用いる常
法により合成しそして精製した。この合成DNAは、BamH
I切断部位−ストップゴドン−Xma I切断部位で構成され
ている。
次に、C末端α−ヒドロキシルグリシン付加体を、C末
端アミド化体とグリオキシル酸に交換する酵素を発現す
る本発明に係る発現プラスミドSV−Bを構築した。シグ
ナルペプチドをコードする領域のすぐ下流に存在するKp
n I部位〔第3図N(175)〕及び、中央のKK部位近傍に
相当する位置に存在するBamH I部位でSV−203DNAを切断
し、その間を合成DNA により連結して発現プラスミドSV−Bとした。この結
果、シグナルペプチド領域とcDNA後半部位のフレームが
合って連結された。
例2. 動物培養細胞中での発現 培養細胞COS−7は、10%牛胎児血清を含む合成培地(D
MEM)中で生育させ、公知の方法により例1の発現プラ
スミドを用い形質転換した(C.Chen and H.Okayama,Mo
l.Cell.Biol.,2745(1987)参照)。このとき、細胞
5×105個に対し、20μgの発現プラスミドを使用し
た。3%二酸化炭素、35℃の条件下で24時間培養した
後、ウシ血清アルブミン(BSA)0.2%含むDMEM培地10ml
で2回細胞を洗浄した後、0.2%BSAを含むDMEM培地10ml
中、5%二酸化炭素、37℃の条件下で48時間さらに培養
した。
例3. 組換え細胞により生産されたC末端アミド化酵素
活性 例2で発現させた細胞培養液を遠心分離により細胞と上
清(培地)に分けた。
上清について酵素活性を測定した。活性測定は基本的に
は文献(J.Biol.Chem,265,9602−9605,1990)に示したH
PLCを用いた方法に従っておこなった。つまり、C末端
グリシン付加体のα−ヒドロキシルグリシン付加体への
変換活性は、次のような反応液組成(A)で反応を進
め、一定時間反応後にHPLCにより、基質(PheGlyPheGl
y)及び生産物(PheGlyPhehydroxyGly)を定量し求め
た。
反応液組成(A) 15μM PheGlyPheGly 5mM CuSO4 5μ/反応液1ml カタラーゼ(シグマ) 100mM MES緩衝液(pH5.6) 1mM アスコルビン酸 + 培養上清(培地) また、α−ヒドロキシルグリシン付加体のアミド化物お
よびグリオキシル酸への変換活性は、次の反応組織
(B)を用いて、同様に測定した。
反応液組成(B) 15μM PheGlyPhehydroxyGly 100mM MES緩衝液(pH5.6) + 培養上清(培地) * 反応液組成(A)での反応を進め、HPLCでα−ヒド
ロキシルグリシン付加体を分取したものより調製した。
測定結果を第1表に示す。
SV−aプラスミドによる形質転換株では、顕著に向上し
たα−ヒドロキシルグリシン付加体生産活性が認めら
れ、α−ヒドロキシルグリシン付加体を基質とした反応
には関与しなかった。これに対して、SV−bプラスミド
により形質転換された株では、C末端グリシン付加体に
は全く反応せず、α−ヒドロキシルグリシン付加体をア
ミド化物に変換する活性のみ認められた。cDNAのほぼ全
領域を持つプラスミドSV−203により形質転換した株で
は、両酵素活性が認められたが、それぞれの酵素活性
は、SV−a,SV−bに比較して低いものであった。
次に、これらの形質転換株において発現している酵素が
単一なものかどうかをゲル過クロマトグラフィーによ
り確認した。セファクリルS−200(ファルマシア製)
カラム(1×95cm)を用い、溶出バッファー10mM HEPES
−KOH(pH7.0)、50mM NaClで平衡化した。溶出速度は6
ml/時で1mlフラクションを集めた。両酵素活性及び蛋白
質量を測定した結果を、第4図から第6図に示した。SV
−a由来(第4図)SV−b由来(第5図)の酵素活性は
それぞれ単一のピークとなり、その測定された分子量も
それぞれ36KDa、及び54KDaとそれぞれのプラスミドが持
つcDNAがコードする蛋白質の分子量に相当した。しか
し、SV−203プラスミド由来の蛋白質は、第6図に示し
たように、C末端グリシンに作用しα−ヒドロキシルグ
リシン付加体を生産する活性(□−□)とα−ヒドロキ
シルグリシン付加体に作用し、アミド化物とグリオキシ
ル酸を生産する酵素活性(○−○)の2つのピークに分
離した。しかも、これらの分子量は、第4図、第5図に
示したそれぞれの酵素を単独に発現させたものと同一で
あった。この結果は、培養細胞中でcDNAのコードする蛋
白質の中央部に位置するKK配列がプロセッシングにより
切断されることを示していた。従って、このような全cD
NA領域を持つcDNAの発現によっても、本発明に係る2種
の酵素を生産できることを示した。
次に、C末端アミド化反応において、本発明における2
種の酵素を併用することによる相乗効果を、第7図、第
8図に用いて示した。第7,8図はPheGlyPheGlyを基質と
したときのアミド化物への変換の経時変化を示してい
る。酵素試料は、SV−a,SV−bプラスミドと発現により
得た培地上清を上述のゲル過により精製し、それぞれ
の活性画分を濃縮し調製した。第7図にはSV−a由来の
ものを示したが、α−ヒドロキシル付加体のみ生産さ
れ、アミド化物は生産されないことを示している。第8
図には、SV−b由来のみを使用した場合(☆)、とSV−
a由来とSV−b由来を併用した場合を示した。SV−b由
来のみでは、α−ヒドロキシル付加体もアミド化物も全
く生産されないが、両酵素を併用する(酵素添加量は、
同量)とα−ヒドロキシル付加体も、アミド化物もとも
に順調に生産されることが示された。また、ここでさら
に注目すべきことは、反応4時間以降で併用した場合
に、反応効率は上昇しており、9時間反応時には、第7
図に示したSV−a由来単独の場合に比較して1.5倍以上
の変換率を示していることである。このように両酵素の
併用は、C末端アミド化反応を効率的におこなうために
は非常に有効な手段であった。
〔発明の効果〕
本発明によれば、ペプチドC末端アミド化反応に関与す
る2種の酵素を、対応するcDNAの特定の組換えプラスミ
ド−宿主系で極めて効率良く製造することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はヒト、ウマ、ウシ、ラット、カエルよりクロー
ニングされたペプチドC末端アミド化酵素cDNAより推定
されたアミノ酸配列を一文字表示で示したものである。 第2図はラット下垂体mRNAよりクローニングしたC末端
アミド化酵素cDNAの塩基配列およびそれにより推定され
たアミノ酸配列を示したものである。 第3図はラット下垂体mRNAよりクローニングされた5つ
のC末端アミド化酵素cDNAを模式的に示したものであ
る。推定される酵素をコードされる領域をボックスで示
した。数字は翻訳開始点を1とした塩基数(bp)を示
す。TMは膜貫通領域に対応する部分を示し、KKはリジン
−リジン配列を示す。制限酵素はそれぞれ次の略号で示
した。 B(BamH I),N(Nsi I),RI(EcoR I),RV(EcoR V),
S(Sph I),X(Xma I) 第4図、第5図、第6図は、それぞれ、プラスミドSV−
a,SV−b,SV−203により発現した酵素のセファクリルS
−200カラムクロマトグラフィーパターンを示した。 第7図、第8図は、PheGlyPheGlyを基質としたときの、
α−ヒドロキシルグリシン体、C末端アミド化体の産生
の経時変化を示した。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の反応式 (段階1) (段階2) (上記式中、Aは天然のα−アミノ酸に由来するα−ア
    ミノ基もしくはイミノ基およびα−カルボキシル基以外
    の残基を表しており、Xは、水素原子またはカルボニル
    基を介してN原子と結合するアミノ酸誘導体の残基を表
    す)で示されるペプチドC末端アミド化反応に関与する
    酵素の製造方法において、 段階1の変換反応を触媒する酵素活性タンパク質部分を
    コードするDNA配列のみに相当するDNAを含む発現プラス
    ミドの形質転換体を培養し、蓄積した前記酵素を取得す
    る工程からなり、かつ前記DNAが、段階1および段階2
    の変換反応をそれぞれ触媒するタンパク質部分を連続し
    て有するペプチドC末端アミド化酵素の推定アミノ酸配
    列のM(メチオニン)を1番目とした場合に、 (a) ヒト由来の配列における433番目のK(リジ
    ン)より前半の活性ポリペプチド部分をコードするDN
    A、 (b) ウマ由来の配列における433番目のK(リジ
    ン)より前半の活性ポリペプチド部分をコードするDN
    A、 (c) ウシ由来の配列における433番目のK(リジ
    ン)より前半の活性ポリペプチド部分をコードするDN
    A、および (d) ラツト由来の配列における437番目のK(リジ
    ン)より前半の活性ポリペプチド部分をコードするDNA から選ばれることを特徴とするペプチドC末端アミド化
    反応に関与する酵素の製造方法。
  2. 【請求項2】次の反応式 (段階1) (段階2) (上記式中、Aは天然のα−アミノ酸に由来するα−ア
    ミノ基もしくはイミノ基およびα−カルボキシル基以外
    の残基を表しており、Xは、水素原子またはカルボニル
    基を介してN原子と結合するアミノ酸誘導体の残基を表
    す)で示されるペプチドC末端アミド化反応に関与する
    酵素の製造方法において、 段階2の変換反応を触媒する酵素活性タンパク質部分を
    コードするDNA配列のみに相当するDNAを含む発現プラス
    ミドの形質転換体を培養し、蓄積した前記酵素を取得す
    る工程からなり、かつ前記DNAが、段階1および段階2
    の変換反応をそれぞれ触媒するタンパク質部分を連続し
    て有するペプチドC末端アミド化酵素の推定アミノ酸配
    列のM(メチオニン)を1番目とした場合に、 (a′) ヒト由来の配列における434番目のD(アス
    パラギン酸)より後半の活性ポリペプチド部分をコード
    するDNA、 (b′) ウマ由来の配列における434番目のD(アス
    パラギン酸)より後半の活性ポリペプチド部分をコード
    するDNA、 (c′) ウシ由来の配列における434番目のD(アス
    パラギン酸)より後半の活性ポリペプチド部分をコード
    するDNA、および (d′) ラツト由来の配列における438番目のD(ア
    スパラギン酸)より後半の活性ポリペプチド部分をコー
    ドするDNA から選ばれることを特徴とするペプチドC末端アミド化
    反応に関与する酵素の製造方法。
  3. 【請求項3】前記形質転換体が動物培養細胞である請求
    項1または2のいずれかに記載の方法。
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