JPH077147Y2

JPH077147Y2 - 片面段ボール製造装置

Info

Publication number: JPH077147Y2
Application number: JP1989065596U
Authority: JP
Inventors: 英一磯輪; 年彦安井
Original assignee: 株式会社磯輪鉄工所
Priority date: 1989-06-05
Filing date: 1989-06-05
Publication date: 1995-02-22
Anticipated expiration: 2004-06-05
Also published as: GB2232692A; IT1248937B; DE4017437A1; US5122221A; DE4017437C2; IT9020521A1; GB2232692B; JPH034031U; GB9011328D0; IT9020521A0

Description

【考案の詳細な説明】産業上の利用分野この考案は、段種の異なる片面段ボールを１基の装置で
選択的に生産し得る片面段ボール製造装置に関するもの
である。

従来技術中芯紙に所要のピッチの波形を付与し、この波形段頂部
とライナとを糊付接着して片面段ボールシートを製造す
る片面段ボール製造装置が知られている。この片面段ボ
ール製造装置は、円周面に夫々波形の段部を形成した上
段ロールおよび下段ロールが、前記段部において相互に
噛合するようフレームに上下の関係で回転自在に配設さ
れ、前記下段ロールにプレスロールが、中芯紙およびラ
イナを介して圧接されるよう構成されている。中芯紙は
上段ロールおよび下段ロールの間に供給されてこれを通
過する際に、前記段部の噛合わせによって所要の段部
（フルート）が形成され、更にこの波形の段頂部には、
糊付機構に設けた糊付ロールにより糊料が塗布される。
また中芯紙の反対側からプレスロールを経て供給される
ライナは、当該プレスロールと下段ロールとの間におい
て、前記中芯紙の段頂部に挟圧接着され、片面段ボール
が製造される。

なお、片面段ボールは、中芯紙に付与される段の高さお
よび30cm当りの標準山数によって、一般にＡフルート,B
フルート,Cフルート,Eフルートおよび４号段,5号段等に
分けられ、これら段種の選択は、装置に架装される上下
段ロールの段部形状に依存する。

発明が解決しようとする課題前述した如く、片面段ボールには多数の段種があり、こ
の段種は片面段ボール製造装置に組込まれた上下段ロー
ルの段部形状に依存するので、１基の片面段ボール製造
装置により複数の段種の片面段ボール生産に対応するに
は、片面段ボール製造装置をコルゲータライン中に複数
基並設し、その稼働を選択的に切替えることによって、
種類の異なる片面段ボールを製造する構成が採用されて
いる。

しかしこの場合、片面段ボール製造装置を複数基並設す
るために設置コストが倍になることは勿論であるが、そ
の他据付面積、作業性および付帯設備等に関しても各種
の難点があり実用に供していないのが実情であった。し
かも選択的に製造される異なる段種の片面段ボールの組
立わせはランダムなものではなく、例えばＡフルートと
Ｅフルート、ＢフルートとＥフルートおよびＣフルート
とＥフルートの如く、一定の組合わせになっている。そ
こで、１基の装置に異なる段部形状の段ロールを備えた
２組の段付ユニットを配設し、これら段付ユニットを選
択的に使用することにより、異なる断種の片面段ボール
を製造する装置が種々提案されている。

例えば、本件出願人の先の出願に係る特開昭61−58881
号公報記載の発明「片面段ボール製造装置」が存在す
る。この発明に係る装置は、公報の図面に開示される如
く、一対の段ロールからなる第１段付ユニットおよび同
じく一対の段ロールからなる第２段付ユニットが、両段
付ユニットと選択的に共用可能なプレスロールに対して
夫々斜め上方および斜め下方に配設され、稼働に際して
前記プレスロールと前記第１段付ユニットまたは第２段
付ユニットの何れか組合わせを選択することにより、異
なる片面段ボールを製造するものである。

この装置において、選択的に製造される異なる段種の段
ボールシートの組合わせを変更する場合や、段ロールの
摩耗により正常な段ボールシートが製造し得なくなった
場合は、前記第１段付ユニット若しくは第２段付ユニッ
ト各上下段ロールをそっくり交換する必要がある。この
とき、殊にプレスロールの下方に配設した第２段付ユニ
ットが、第１段付ユニットにおける糊付機構の下方にお
いて傾斜配置されている結果、その上下段ロールの交換
作業が極めて煩雑になって、多くの手間と時間とを必要
とする難点があり、これが新たな解決課題となってい
た。

考案の目的この考案は、前述した如く、１基の片面段ボール製造装
置に２組の段付ユニットを配設し、段種の異なる片面段
ボールを選択的に生産する片面段ボール製造装置に内在
している欠点に鑑み、これを好適に解決するべく提案さ
れたものであって、段ロールの交換作業性に優れた装置
を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段前記課題を解決し、所期の目的を好適に達成するため本
考案は、上段ロールおよび下段ロールの対からなる第１
段付ユニットと、同じく上段ロールおよび下段ロールの
対からなる第２段付ユニットと、前記両ユニットと選択
的に共用可能なプレスロールとからなり、稼働に際し前
記第１段付ユニットとプレスロールとの組合わせ、また
は前記第２段付ユニットとプレスロールとの組合わせの
何れかを選択し得るよう構成した片面段ボール製造装置
において、前記プレスロールの上方に位置する第１段付
ユニットをプレスロールに対して傾斜配置すると共に、
プレスロールの下方に位置する第２段付ユニットをプレ
スロールに対して垂直配置し、前記第２段付ユニットの
上下段ロールに形成した段部が、前記第１段付ユニット
の上下段ロールに形成した段部よりも小さくなるよう設
定することを特徴とする。

実施例次に本考案に係る片面段ボール製造装置につき、好適な
実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明す
る。なお本明細書において、上段ロールおよび下段ロー
ルの区別は、空間的な上下の区別に対応するものではな
く、プレスロールにライナおよび中芯紙を介して圧接さ
れる側のロールを、「下段ロール」と称するものとす
る。

第１図は、本実施例に係る片面段ボール製造装置の構成
を概略的に示すものであって、符号12は、ライナ14を案
内しかつ該ライナ14を中芯紙16の糊付けされた段頂部に
圧接貼合わせするためのプレスロールを示す。このプレ
スロール12の斜め上方には、上段ロール18および下段ロ
ール20の対からなる第１段付ユニット22が配設され、ま
た当該プレスロール12の下方には、上段ロール24および
下段ロール26の対からなる第２段付ユニット28が配設さ
れている。

前記プレスロール12の上方に位置する第１段付ユニット
22は、プレスロール12の軸心を通過する垂線Ｐの左側に
おいて斜めに配置されている。また、プレスロール12の
下方に位置する第２段付ユニット28は、垂線Ｐに整列し
て垂直に配設されている。すなわち、第２段付ユニット
28を構成する上下の段ロール24,26が垂直に配置される
と共に、第１段付ユニットの糊付機構36（後述）の下方
に配設されないので、該第２段付ユニット28の上下段ロ
ール24,26の交換作業が容易となり、サイクルタイムを
短縮することができる。

前記第１段付ユニット22および第２段付ユニット28の内
部には、糊付ロール30,ドクターロール32およびグルー
パン34からなる糊付機構36が夫々配設されている。第１
段付ユニット22側に配設した糊付機構36は、グルーパン
34に貯留した糊料を糊付ロール30で掬上げて、これを中
芯紙16に転移させるものであって、その基本構造自体は
公知である。例えば、第１図に示す如く、第１段付ユニ
ット22における下段ロール20の左側に、糊付ロール30と
ドクターロール32とが水平方向に配設され、これらロー
ル30,32の下方に所定量の糊料を貯留したグルーパン34
が配設されている。糊付ロール30は、その下部をグルー
パン34に貯留した糊料中に浸漬されているので、この糊
料を糊付ロール30で掬上げ、ドクターロール32により糊
付ロール30の表面に付着した糊料をならして均一な糊被
膜とする。そして、この糊被膜を、前記下段ロール20と
糊付ロール30との間を通過する中芯紙16に塗布するよう
構成されている。

これに対して第２段付ユニット28側に配設される糊付機
構36は、下段ロール26に接触する糊付ロール30に対し
て、ドクターロール32は斜め下方に配置されている。ま
た、グルーパン34はドクターロール32の右方（段ロール
26と反対側）に配設され、このグルーパン34に貯留した
糊料の一部は、糊付ロール30とドクターロール32との接
触部に形成した谷部に貯留される。従って、該谷部に貯
留された糊料は、両ロール30,32の間で均一に絞られ
て、糊付ロール30上に糊被膜として形成される。

この基本的な配置において、前記プレスロール12は、第
１段付ユニット22または第２段付ユニット28に対して相
対的に選択移動するよう構成されている。そして当該プ
レスロール12と第１段付ユニット22の下段ロール20との
組合わせによる片面段ボールの製造、またはプレスロー
ル12と第２段付ユニット28の下段ロール26との組合わせ
による片面段ボールの製造をなし得るよう構成されてい
る。

第１図に示す如く、前記プレスロール12はレバー38の一
端部に回転自在に枢支され、該レバー38の中心部は固定
フレーム（図示せず）にピン40を介して枢支されてい
る。またレバー40の他端部は、油圧シリンダ42のピスト
ンロッド42aに連結されて、前記ピン40を中心として回
動付勢されるようになっている。すなわち、油圧シリン
ダ42を付勢してピストンロッド42aを昇降させることに
より、プレスロール12を第１段付ユニット22の下段ロー
ル20に当接する位置（第２図（ａ）参照）と、第２段付
ユニット28の下段ロール26に当接する位置（第２図
（ｂ）参照）とを移動させ得る。

ここで、殊に前記第２段付ユニット28をプレスロール12
に対して垂直に配置した場合、該第２段付ユニット28と
プレスロール12との組合わせによる片面段ボールの製造
を行なうと、第１段付ユニット22による稼働時に比べて
該装置に大きな振動が生ずることがあった。

装置の稼働時に振動が生ずる原因としては、第３図に示
す如く、例えば下段ロール26の表面に形成した段部44の
頂部がプレスロール12に当接している状態（第３図
（ａ）参照）と、隣接する段部44,44がプレスロール12
に共通的に当接する状態（第３図（ｂ）参照）とでは、
両ロール12,26の中心間距離が変動する（P₁≠P₂）こと
が挙げられる。また、第１段付ユニット22と第２段付ユ
ニット28との稼働時に振動の大きさに違いが生ずるの
は、第１段付ユニット22を稼働した場合に生ずる振動
は、該ユニット22の上下段ロール18,20が、プレスロー
ル12に対して斜めに配置されているため拡散されるが、
第２段付ユニット28の上下段ロール24,26は、プレスロ
ール12に対して垂直に配設されているため、振動が増幅
されることに起因すると推察される。

また、第２段付ユニット28に中芯紙16にＡフルートを形
成する段ロール（段部形状の最も大きな段ロール）を配
設して稼働させた場合、中芯紙16の走行方向と交差する
両側に破れを生ずることがあった。しかし、これはＡフ
ルート以外、例えばＢフルート,Cフルート,Eフルート等
を形成する段部形状の段ロールを配設して稼働した場合
は、中芯紙16に破れを生じなかった。

そこで本考案では、第１段付ユニット22の上下段ロール
18,20の段種と、第２段付ユニット28の上下段ロール24,
26の段種とを、前述した一定の組合わせにした場合にお
いて、第２段付ユニット28側に段部形状の小さい上下段
ロールを配設するよう構成している。

すなわち、片面段ボールの組合わせは、ＡフルートとＥ
フルート、ＢフルートとＥフルートおよびＣフルートと
Ｅフルートの如く、一定の組合わせになっており、ま
た、フルールの大きさは、Ａフルート＞Ｃフルート＞Ｂ
フルート＞Ｅフルートの如き関係がある。

従って、例えばＡフルートとＥフルートの組合わせを行
なう場合は、第１段付ユニット22にＡフルートを形成す
る上下段ロール18,20を配設し、第２段付ユニット28に
Ｅフルートを形成する上下段ロール24,26を配設する。
また、ＢフルートとＥフルートの組合わせを行なう場合
は、第１段付ユニット22にＢフルートを形成する上下段
ロール18,20を配設し、第２段付ユニット28にＥフルー
トを形成する上下段ロール24,26を配設する。同様にＣ
フルートとＥフルートの組合わせを行なう場合は、第１
段付ユニット22にＣフルートを形成する上下段ロール1
8,20を配設し、第２段付ユニット28にＥフルートを形成
する上下段ロール24,26を配設する。

実施例の作用次に、このように構成した本考案の実施例に係る片面段
ボール製造装置の作用につき説明する。先ず、片面段ボ
ール製造装置の運転に先立ち、第２段付ユニット28側
に、第１段付ユニット22側に配設した段ロールよりも小
さい段部形状の段ロールを配設する。

第１図および第２図に示す実施例において、第１段付ユ
ニット22とプレスロール12との組合わせにより片面段ボ
ールの製造をする際は、当該プレスロール12は、第２図
（ａ）に示す如く、第１段付ユニット22の下段ロール20
との間でライナ14および段頂部に糊付けされた中芯紙16
を適正な圧力で挟圧し得る位置に変位（シフト）してい
る。前記組合わせにより所定の段種（例えばＡフルー
ト）の片面段ボールの生産を行なった後、これと異なる
段種（例えばＥフルート）の片面段ボールの生産に移行
するときは、前記プレスロール12を第２段付ユニット28
と組合わされる位置まで変位させる。

すなわち、前記油圧シリンダ42をピストンロッド42aを
延出するよう付勢すれば、前述した如くレバー38はピン
40を中心として時計方向に回転し、レバー38の先端に枢
支した前記プレスロール12は、第１段付ユニット22の下
段ロール20から離間して、第２図（ｂ）に示すように、
第２段付ユニット28の下段ロール26に近接する。従って
中芯紙16をこの第２段付ユニット28の上段ロール24およ
び下段ロール26の間に通過させて所要段種（例えばＥフ
ルート）の段付けを行ない、糊付機構36によりその段頂
部に糊付けした後、プレスロール12に沿って供給される
ライナー14と圧接させることにより、前記第１段付ユニ
ット22での片面段ボールとは異なる段種の片面段ボール
が得られる。

このとき、第２段付ユニット28には、段部44の小さな段
種の上下段ロール24,26が配設されているので、運転時
の振動を小さく抑えることができると共に、中芯紙16に
破れが生ずるのを有効に防止し得る利点がある。

考案の効果このように本考案に係る片面段ボール製造装置によれ
ば、段種の異なる片面段ボールの生産に簡単に対応する
ことができるものである。しかも従来の如く全く同じ機
械構成の装置を複数基配設する場合に比べ、本考案の装
置は基本的に１基の片面段ボール製造装置に上下の段ロ
ールを付加した構造に過ぎない。このため据付面積は１
基分で足り、スペースの有効活用が図られる。

またプレスロールの下方に位置する段付ユニットは、プ
レスロールに対して垂直に配置されているので、段ロー
ルの交換作業が容易になり、作業時間を短縮することが
できる。更に、上方の段付ユニット側の段ロールに形成
した段部よりも小さい段部を形成した段ロールを下方の
段付ユニット側に配設したので、下方の段付ユニットに
よる稼働時に発生する振動を小さく抑えることができ
る。また、中芯紙の破れが生ずるのを有効に防止する利
点もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係る片面段ボール製造装置
の概略構成図、第２図（ａ）は第１図に示す装置におい
て、第１段付ユニットとプレスロールとの組合わせによ
り片面段ボールを製造し、第２段付ユニットは稼動を停
止して待機中にある状態を示し、第２図（ｂ）は第１図
に示す装置において、第２段付ユニットとプレスロール
との組合わせにより片面段ボールを製造し、第１段付ユ
ニットは稼動を停止して待機中にある状態を示し、第３
図（ａ），（ｂ）はプレスロールと第２段付ユニットの
下段ロールとの当接状態を示す説明図である。 12……プレスロール、18……上段ロール 20……下段ロール 22……第１段付ユニット、24……上段ロール 26……下段ロール 28……第２段付ユニット、44……段部

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】上段ロール（18）および下段ロール（20）
の対からなる第１段付ユニット（22）と、同じく上段ロ
ール（24）および下段ロール（26）の対からなる第２段
付ユニット（28）と、前記両ユニット（22,28）と選択
的に共用可能なプレスロール（12）とからなり、稼働に
際し前記第１段付ユニット（22）とプレスロール（12）
との組合わせ、または前記第２段付ユニット（28）とプ
レスロール（12）との組立わせの何れかを選択し得るよ
う構成した片面段ボール製造装置において、前記プレスロール（12）の上方に位置する第１段付ユニ
ット（22）をプレスロール（12）に対して傾斜配置する
と共に、プレスロール（12）の下方に位置する第２段付
ユニット（28）をプレスロール（12）に対して垂直配置
し、前記第２段付ユニット（28）の上下段ロール（24,26）
に形成した段部（44）が、前記第１段付ユニット（22）
の上下段ロール（18,20）に形成した段部（44）よりも
小さくなるよう設定することを特徴とする片面段ボール製造装置。