JPH0770655A - 方向性珪素鋼の仕上焼鈍装置 - Google Patents
方向性珪素鋼の仕上焼鈍装置Info
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- JPH0770655A JPH0770655A JP21642393A JP21642393A JPH0770655A JP H0770655 A JPH0770655 A JP H0770655A JP 21642393 A JP21642393 A JP 21642393A JP 21642393 A JP21642393 A JP 21642393A JP H0770655 A JPH0770655 A JP H0770655A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】方向性珪素鋼帯コイルの焼鈍時において、該コ
イル端部に座屈歪や所謂モイスチャ・パターンを生じさ
せない焼鈍装置の提供を目的とする。 【構成】コイルとベースプレートの間に、相互に間隔を
あけて置く小片ブロック（鋼製）と、多数の貫通孔を有
するスペーサとを配設したことを特徴とする。
イル端部に座屈歪や所謂モイスチャ・パターンを生じさ
せない焼鈍装置の提供を目的とする。 【構成】コイルとベースプレートの間に、相互に間隔を
あけて置く小片ブロック（鋼製）と、多数の貫通孔を有
するスペーサとを配設したことを特徴とする。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、方向性珪素鋼帯コイル
（以下、コイルという）の仕上焼鈍装置に関し、特に仕
上焼鈍時に発生するコイル下端部での絶縁被膜の所謂モ
イスチャーパターン及び座屈歪を同時に抑制する技術に
関するものである。
（以下、コイルという）の仕上焼鈍装置に関し、特に仕
上焼鈍時に発生するコイル下端部での絶縁被膜の所謂モ
イスチャーパターン及び座屈歪を同時に抑制する技術に
関するものである。
【０００２】
【従来の技術】現在、一般に使用されている鋼帯コイル
の仕上焼鈍装置を図３に示す。それは、コイル１を炉床
６上の支持金物２、コイル受台であるベースプレート
３、スペーサ金物４を重ねて敷いた上にアップエンド状
に載置し、インナケース５をかぶせて加熱、冷却するも
のである。ところで、この装置でコイル１を昇温する際
には、直接加熱されるベースプレート３の下面は、巨大
な吸熱源のコイル１が載っている上面より早く加熱され
るため、ベースプレート３上面の熱膨張量が下面より小
さくなり、ベースプレート３が上反りする（上面が
凹）。そのため、コイル１は外巻部のみで自重を支える
ことになるので、コイル１下面が不均一にベースプレー
ト３に接触し、その部分（図３に丸で囲む）が図４
（Ａ）に示すように座屈して、所謂耳歪と言われる座屈
歪を生じる（図４（Ｂ））。この座屈歪は、コイルの製
品歩留を低下させることになるので、鋼帯コイル製造上
の大きな問題となっている。
の仕上焼鈍装置を図３に示す。それは、コイル１を炉床
６上の支持金物２、コイル受台であるベースプレート
３、スペーサ金物４を重ねて敷いた上にアップエンド状
に載置し、インナケース５をかぶせて加熱、冷却するも
のである。ところで、この装置でコイル１を昇温する際
には、直接加熱されるベースプレート３の下面は、巨大
な吸熱源のコイル１が載っている上面より早く加熱され
るため、ベースプレート３上面の熱膨張量が下面より小
さくなり、ベースプレート３が上反りする（上面が
凹）。そのため、コイル１は外巻部のみで自重を支える
ことになるので、コイル１下面が不均一にベースプレー
ト３に接触し、その部分（図３に丸で囲む）が図４
（Ａ）に示すように座屈して、所謂耳歪と言われる座屈
歪を生じる（図４（Ｂ））。この座屈歪は、コイルの製
品歩留を低下させることになるので、鋼帯コイル製造上
の大きな問題となっている。
【０００３】この対策は、従来より多数の研究がなさ
れ、本出願人自身も、特願平４−３１１０９９号でベー
スプレート３上下面の温度差を規制して焼鈍する方法を
提案している。また、ベースプレート３の上反りを吸収
する方法としては、特公昭６２−１５６１５号公報でセ
ラミック繊維からなる下敷板の使用を開示した技術があ
り、さらに、ベースプレート３上に載せるスペーサ４を
特殊な形状にする特開平４−２７２１３７号公報記載の
技術もある。
れ、本出願人自身も、特願平４−３１１０９９号でベー
スプレート３上下面の温度差を規制して焼鈍する方法を
提案している。また、ベースプレート３の上反りを吸収
する方法としては、特公昭６２−１５６１５号公報でセ
ラミック繊維からなる下敷板の使用を開示した技術があ
り、さらに、ベースプレート３上に載せるスペーサ４を
特殊な形状にする特開平４−２７２１３７号公報記載の
技術もある。
【０００４】以上のように、コイル外巻部下端の座屈歪
抑制に関しては完璧とは言えないが、一応の効果を期待
できる技術が存在するし、今後も研究が続けられると思
われる。一方、本特許出願の別の狙いは、方向性珪素鋼
に固有の問題で、コイル中巻部の下端に発生する絶縁被
膜のモイスチャーパターンの発生抑止であり、それは上
記の座屈歪抑制処置を施しても不十分である。何故なら
ば、コイル外巻部下端の座屈歪とコイル中巻部下端のモ
イスチャーパターンの発生機構がまったく異なるためで
ある。
抑制に関しては完璧とは言えないが、一応の効果を期待
できる技術が存在するし、今後も研究が続けられると思
われる。一方、本特許出願の別の狙いは、方向性珪素鋼
に固有の問題で、コイル中巻部の下端に発生する絶縁被
膜のモイスチャーパターンの発生抑止であり、それは上
記の座屈歪抑制処置を施しても不十分である。何故なら
ば、コイル外巻部下端の座屈歪とコイル中巻部下端のモ
イスチャーパターンの発生機構がまったく異なるためで
ある。
【０００５】ここで、モイスチャーパターンについて一
言のべておく。一般に、方向性珪素鋼板は、通常２〜４
ｗｔ％Ｓｉを含む熱間圧延素材を用いて、最終製品厚に
冷間圧延された鋼板を脱炭１次再結晶処理し、この鋼板
表面にＭｇＯからなる焼鈍分離材のスラリーを塗布して
からコイルに巻取る。その後、最終２次再結晶及び仕上
焼鈍処理をして製品とされる。焼鈍分離材を塗布する理
由は、最終２次再結晶、仕上焼鈍時に、コイル状に成層
された鋼板の相互密着を防止することと、脱炭１次再結
晶処理後に鋼板表面に生成したＳｉＯ2 と下記反応でガ
ラス様の絶縁被膜を作ることである。この絶縁被膜は、
方向性珪素鋼板に均一に密着している必要があり、さも
ないと鋼板の磁気特性に悪影響を及ぼす示すのである。
言のべておく。一般に、方向性珪素鋼板は、通常２〜４
ｗｔ％Ｓｉを含む熱間圧延素材を用いて、最終製品厚に
冷間圧延された鋼板を脱炭１次再結晶処理し、この鋼板
表面にＭｇＯからなる焼鈍分離材のスラリーを塗布して
からコイルに巻取る。その後、最終２次再結晶及び仕上
焼鈍処理をして製品とされる。焼鈍分離材を塗布する理
由は、最終２次再結晶、仕上焼鈍時に、コイル状に成層
された鋼板の相互密着を防止することと、脱炭１次再結
晶処理後に鋼板表面に生成したＳｉＯ2 と下記反応でガ
ラス様の絶縁被膜を作ることである。この絶縁被膜は、
方向性珪素鋼板に均一に密着している必要があり、さも
ないと鋼板の磁気特性に悪影響を及ぼす示すのである。
【０００６】ＳｉＯ2 ＋２ＭｇＯ→２ＭｇＯ・ＳｉＯ2
（フォルステライト） ところで、この絶縁被膜は、上式により９００〜１１０
０℃の温度範囲で形成されるが、その反応速度は雰囲気
ガスの種類に依存している。すなわち、Ｈ2 ガス中で
は、反応は早く進むが、Ｎ2 ガス中では遅くなる。通常
方向性珪素鋼の仕上焼鈍においては、９００℃近辺まで
は、インヒビタとしてのＭｎＳの分解を押さえ、円滑に
２次再結晶を完了させるためＮ2 ガスが使われる。そし
て２次再結晶完了後、Ｈ2 ガスに切り換えられるが、ガ
スの通気性の悪いコイル中巻ではＮ2 →Ｈ2 の置換が遅
れる。そのため、コイル下端部と、その３０〜１００ｍ
ｍ内側の領域とでＨ2 分圧に差が生じ、フォルステライ
ト粒の成長速度に差が生ずる。その結果、フォルステラ
イト粒径の差が視覚上で他の部分と異なり、所謂モイス
チャーパターンと言われる模様になって表われる。
（フォルステライト） ところで、この絶縁被膜は、上式により９００〜１１０
０℃の温度範囲で形成されるが、その反応速度は雰囲気
ガスの種類に依存している。すなわち、Ｈ2 ガス中で
は、反応は早く進むが、Ｎ2 ガス中では遅くなる。通常
方向性珪素鋼の仕上焼鈍においては、９００℃近辺まで
は、インヒビタとしてのＭｎＳの分解を押さえ、円滑に
２次再結晶を完了させるためＮ2 ガスが使われる。そし
て２次再結晶完了後、Ｈ2 ガスに切り換えられるが、ガ
スの通気性の悪いコイル中巻ではＮ2 →Ｈ2 の置換が遅
れる。そのため、コイル下端部と、その３０〜１００ｍ
ｍ内側の領域とでＨ2 分圧に差が生じ、フォルステライ
ト粒の成長速度に差が生ずる。その結果、フォルステラ
イト粒径の差が視覚上で他の部分と異なり、所謂モイス
チャーパターンと言われる模様になって表われる。
【０００７】このモイスチャーパターンが生じると、前
記のように絶縁被膜としては不十分で磁気特性等に悪い
影響を与え、製品にとって重大な問題になる。それゆ
え、従来より多くの研究がなされており、モイスチャパ
ターンを抑制するには、焼鈍時の雰囲気ガスとコイルが
接触する量をアップする必要のあることが知られてい
る。つまり、コイル中巻部の下端での通気性が良いこと
が必須なのである。
記のように絶縁被膜としては不十分で磁気特性等に悪い
影響を与え、製品にとって重大な問題になる。それゆ
え、従来より多くの研究がなされており、モイスチャパ
ターンを抑制するには、焼鈍時の雰囲気ガスとコイルが
接触する量をアップする必要のあることが知られてい
る。つまり、コイル中巻部の下端での通気性が良いこと
が必須なのである。
【０００８】この雰囲気ガスとコイルの接触量ｕｐ対策
としては、実公昭６２−１４１２６号公報、コイル内巻
部の鋼板相互間に通気性のある耐火シートを巻き込む特
開平３−２０４１１号公報、焼鈍分離材の塗布方法に改
善を加えた特開昭６０−１８０１６号公報記載の技術等
が提示されている。しかしながら、これらの技術は具現
化において問題があり、実用されていないのが現状であ
る。また、本特許出願の技術に近いものとして実公平１
−１７７２６２号公報記載のものがあるが、これはコイ
ルの下に幅の広いスリットを有する板を敷くため、コイ
ルの載置が不安定で、比較的低温で実施する冷延鋼板に
使用できても、１２００℃の高温で仕上焼鈍する方向性
珪素鋼帯コイルには適用できないという問題がある。
としては、実公昭６２−１４１２６号公報、コイル内巻
部の鋼板相互間に通気性のある耐火シートを巻き込む特
開平３−２０４１１号公報、焼鈍分離材の塗布方法に改
善を加えた特開昭６０−１８０１６号公報記載の技術等
が提示されている。しかしながら、これらの技術は具現
化において問題があり、実用されていないのが現状であ
る。また、本特許出願の技術に近いものとして実公平１
−１７７２６２号公報記載のものがあるが、これはコイ
ルの下に幅の広いスリットを有する板を敷くため、コイ
ルの載置が不安定で、比較的低温で実施する冷延鋼板に
使用できても、１２００℃の高温で仕上焼鈍する方向性
珪素鋼帯コイルには適用できないという問題がある。
【０００９】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決するためになされたものであって、アップエンド
状に載置して高温で焼鈍する方向性珪素鋼帯コイルの下
端部に、所謂モイスチャーパターン及び座屈歪を生じさ
せない焼鈍装置を提供することを目的としている。
を解決するためになされたものであって、アップエンド
状に載置して高温で焼鈍する方向性珪素鋼帯コイルの下
端部に、所謂モイスチャーパターン及び座屈歪を生じさ
せない焼鈍装置を提供することを目的としている。
【００１０】
【課題を解決するための手段】発明者は、上記目的を達
成するため、種々の試行、検討を行い、コイル下端部で
の通気性の確保と面圧力の低減により、発生機構の異な
る上記２つの問題を解決できる確信を得た。本発明は、
その検討結果に基づきなされたもので、方向性珪素鋼帯
のコイルをベースプレート上にアップエンド状に載置し
て仕上焼鈍する焼鈍炉において、上記コイルとベースプ
レート間に、相互に間隔をあけて置く多数の小片ブロッ
クと、該小片ブロック上に重ねる多数の貫通孔を有する
スペーサとを配設したことを特徴とする方向性珪素鋼の
仕上焼鈍装置である。さらに、具体的には、上記スペー
サ貫通孔の開口率が５０〜８０％であることを特徴とす
る請求項１記載の方向性珪素鋼の仕上焼鈍装置である。
成するため、種々の試行、検討を行い、コイル下端部で
の通気性の確保と面圧力の低減により、発生機構の異な
る上記２つの問題を解決できる確信を得た。本発明は、
その検討結果に基づきなされたもので、方向性珪素鋼帯
のコイルをベースプレート上にアップエンド状に載置し
て仕上焼鈍する焼鈍炉において、上記コイルとベースプ
レート間に、相互に間隔をあけて置く多数の小片ブロッ
クと、該小片ブロック上に重ねる多数の貫通孔を有する
スペーサとを配設したことを特徴とする方向性珪素鋼の
仕上焼鈍装置である。さらに、具体的には、上記スペー
サ貫通孔の開口率が５０〜８０％であることを特徴とす
る請求項１記載の方向性珪素鋼の仕上焼鈍装置である。
【００１１】この場合、小片ブロックの材質は、鋼材が
好ましいが、特に定める必要がなく、またその形状も通
常は正方形、長方形のものを使用すれば足りる。しか
し、円形、楕円等でも良いので特に限定はしない。但
し、厚みに関しては、小片ブロック及びスペーサともに
１０〜２０ｍｍ程度が好ましい。
好ましいが、特に定める必要がなく、またその形状も通
常は正方形、長方形のものを使用すれば足りる。しか
し、円形、楕円等でも良いので特に限定はしない。但
し、厚みに関しては、小片ブロック及びスペーサともに
１０〜２０ｍｍ程度が好ましい。
【００１２】
【作用】本発明では、焼鈍装置のベースプレート上に相
互に間隔をあけて小片ブロックを置き、さらにその上に
多数の貫通孔を有する鋼製のスペーサを敷いて、コイル
を載置するようにしたので、コイル下端部での通気性が
良好になると共に、コイルがスペーサから受ける面圧も
緩和できるようになる。その結果、焼鈍時コイル下端部
に生じるモイスチャーパターン及び座屈歪の発生が抑制
できるようになった。
互に間隔をあけて小片ブロックを置き、さらにその上に
多数の貫通孔を有する鋼製のスペーサを敷いて、コイル
を載置するようにしたので、コイル下端部での通気性が
良好になると共に、コイルがスペーサから受ける面圧も
緩和できるようになる。その結果、焼鈍時コイル下端部
に生じるモイスチャーパターン及び座屈歪の発生が抑制
できるようになった。
【００１３】以下、図１〜２に基づき、本発明の内容を
説明する。図１は、本発明の１例を示す縦断面図であ
る。そこでは、インナケース５内のベースプレート３上
に、複数の小片ブロック８が相互に一定の間隔を開けて
配置され、その上に多数の貫通孔を有するスペーサ４を
置き、さらにその上にコイル１を載置している。この配
置をとっているので、雰囲気ガス９はベースプレート３
中心の空間部を経た後は、ベースプレート３表面上で多
くの自由空間を持つことになり、所謂通気性を十分に確
保できている。また、小片ブロック８の間隔が実公昭６
２−１４１２６のように広幅スリットでないので、コイ
ル１自重に対して高温度でも耐えられ、スペーサ４貫通
孔の開口面積をスペーサ４平面積の５０％以上とし、コ
イル１下面の５０％以上がスペーサ４の非開口部と接触
して、コイル１の安定支持を確保している。
説明する。図１は、本発明の１例を示す縦断面図であ
る。そこでは、インナケース５内のベースプレート３上
に、複数の小片ブロック８が相互に一定の間隔を開けて
配置され、その上に多数の貫通孔を有するスペーサ４を
置き、さらにその上にコイル１を載置している。この配
置をとっているので、雰囲気ガス９はベースプレート３
中心の空間部を経た後は、ベースプレート３表面上で多
くの自由空間を持つことになり、所謂通気性を十分に確
保できている。また、小片ブロック８の間隔が実公昭６
２−１４１２６のように広幅スリットでないので、コイ
ル１自重に対して高温度でも耐えられ、スペーサ４貫通
孔の開口面積をスペーサ４平面積の５０％以上とし、コ
イル１下面の５０％以上がスペーサ４の非開口部と接触
して、コイル１の安定支持を確保している。
【００１４】図２は、スペーサ４に開けた貫通孔の平面
図であり、以下で述べる実施例はこれらのスペーサ４を
用いて行っている。実施成績については後述する。
図であり、以下で述べる実施例はこれらのスペーサ４を
用いて行っている。実施成績については後述する。
【００１５】
【実施例】３．０％Ｓｉを含む方向性珪素鋼を０．３０
ｍｍ厚までに冷間圧延し、しかるのち脱炭焼鈍を施し
た。その鋼帯表面に、所謂焼鈍分離材として、スラリー
状のＭｇＯを表面に塗布し、コイル状に巻取った。次
に、これをアップエンド状にベースプレート３に載置
し、１２００℃で仕上焼鈍を施した。
ｍｍ厚までに冷間圧延し、しかるのち脱炭焼鈍を施し
た。その鋼帯表面に、所謂焼鈍分離材として、スラリー
状のＭｇＯを表面に塗布し、コイル状に巻取った。次
に、これをアップエンド状にベースプレート３に載置
し、１２００℃で仕上焼鈍を施した。
【００１６】その際、勿論本発明を適用し、スペーサ４
には、２０ｍｍ厚の鋼板で、径１０ｍｍの穴を開口部面
積８０％になるよう明けたものを使用し（図２のＢ）、
小片ブロック８には、２０ｍｍ厚、一辺が５０ｍｍの正
方形状の鋼材を１６６枚使用した。小片ブロック８をベ
ースプレート３上に置く方法は、相互にモザイク状を形
成するようにし、２枚の正方形の角間距離が５０ｍｍに
なるように間隔を設けた。
には、２０ｍｍ厚の鋼板で、径１０ｍｍの穴を開口部面
積８０％になるよう明けたものを使用し（図２のＢ）、
小片ブロック８には、２０ｍｍ厚、一辺が５０ｍｍの正
方形状の鋼材を１６６枚使用した。小片ブロック８をベ
ースプレート３上に置く方法は、相互にモザイク状を形
成するようにし、２枚の正方形の角間距離が５０ｍｍに
なるように間隔を設けた。
【００１７】一方、比較のため表１に示す３つの条件で
スペーサ４（図２のＡ，Ｃ及び図示していない開口な
し）を用いた実験も行った。その際、小片ブロック８は
上記と同様な状態で置いてある。その結果も表１に同時
に示してあるが、本発明を適用した装置での焼鈍では、
コイル１下端部の座屈歪はなく、モイスチャーパターン
も発生しなかった。これに対して、３つの比較例では、
いずれも頭初の目的を十分に達成できなっかった。
スペーサ４（図２のＡ，Ｃ及び図示していない開口な
し）を用いた実験も行った。その際、小片ブロック８は
上記と同様な状態で置いてある。その結果も表１に同時
に示してあるが、本発明を適用した装置での焼鈍では、
コイル１下端部の座屈歪はなく、モイスチャーパターン
も発生しなかった。これに対して、３つの比較例では、
いずれも頭初の目的を十分に達成できなっかった。
【００１８】
【表１】
【００１９】
【発明の効果】本発明は、方向性珪素鋼の仕上焼鈍にお
いて、コイル１下端部の通気性改善及び面圧の低減によ
り、モイスチャーパターンを抑制し、尚かつ、座屈歪を
発生させることなく、製品の歩留りが向上し資源の有効
利用が図れた。また、スペーサに貫通孔を明けたり、小
片鋼板を敷くという簡単な技術を採用したので、大幅な
設備変更の必要もなく、経済的に実現可能となった。
いて、コイル１下端部の通気性改善及び面圧の低減によ
り、モイスチャーパターンを抑制し、尚かつ、座屈歪を
発生させることなく、製品の歩留りが向上し資源の有効
利用が図れた。また、スペーサに貫通孔を明けたり、小
片鋼板を敷くという簡単な技術を採用したので、大幅な
設備変更の必要もなく、経済的に実現可能となった。
【図１】本発明の１実施例を示す縦断面図である。
【図２】本発明に係る多数の貫通孔を有するスペーサの
例示であり、（Ａ）は開口率９５％、（Ｂ）は８０％、
（Ｃ）は５０％の場合の平面図である。
例示であり、（Ａ）は開口率９５％、（Ｂ）は８０％、
（Ｃ）は５０％の場合の平面図である。
【図３】従来の方向性珪素鋼帯コイルの仕上焼鈍装置の
縦断面図である。
縦断面図である。
【図４】（Ａ）はコイルにおける座屈歪の発生位置を、
（Ｂ）は発生状況を示す説明図である。
（Ｂ）は発生状況を示す説明図である。
１ コイル ２ 支持金物 ３ ベースプレート ４ スペーサ
（無孔又は有孔） ５ インナケース ６ 炉床 ７ 加熱用ヒータ ８ 小片ブロッ
ク ９ 雰囲気ガス（窒素又は水素）
（無孔又は有孔） ５ インナケース ６ 炉床 ７ 加熱用ヒータ ８ 小片ブロッ
ク ９ 雰囲気ガス（窒素又は水素）
Claims (2)
- 【請求項１】 方向性珪素鋼帯のコイルをベースプレー
ト上にアップエンド状に載置して仕上焼鈍する焼鈍炉に
おいて、 上記コイルとベースプレート間に、相互に間隔をあけて
置く多数の小片ブロックと、該小片ブロック上に重ねる
多数の貫通孔を有するスペーサとを配設したことを特徴
とする方向性珪素鋼の仕上焼鈍装置。 - 【請求項２】 上記スペーサ貫通孔の開口率が５０〜８
０％であることを特徴とする請求項１記載の方向性珪素
鋼の仕上焼鈍装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21642393A JP2719302B2 (ja) | 1993-08-31 | 1993-08-31 | 方向性珪素鋼の仕上焼鈍装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21642393A JP2719302B2 (ja) | 1993-08-31 | 1993-08-31 | 方向性珪素鋼の仕上焼鈍装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0770655A true JPH0770655A (ja) | 1995-03-14 |
| JP2719302B2 JP2719302B2 (ja) | 1998-02-25 |
Family
ID=16688337
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP21642393A Expired - Fee Related JP2719302B2 (ja) | 1993-08-31 | 1993-08-31 | 方向性珪素鋼の仕上焼鈍装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2719302B2 (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE10016096A1 (de) * | 2000-03-17 | 2001-09-27 | Ebg Elektromagnet Werkstoffe | Ofen zum Glühen zu Coils gehaspelten Stahlbändern |
| WO2012091363A2 (ko) * | 2010-12-27 | 2012-07-05 | (주)포스코 | 소둔공정용 열처리장치 |
| JP2015117415A (ja) * | 2013-12-19 | 2015-06-25 | Ｊｆｅスチール株式会社 | 仕上焼鈍後コイルの冷却方法 |
| KR101846502B1 (ko) * | 2017-11-08 | 2018-04-09 | 주식회사 태화산업 | 열처리로용 코일 받침대 |
| CN114350931A (zh) * | 2021-12-27 | 2022-04-15 | 武汉钢铁有限公司 | 一种取向硅钢环形炉钢卷冷却装置 |
| CN115838848A (zh) * | 2022-09-30 | 2023-03-24 | 无锡普天铁心股份有限公司 | 一种改善取向硅钢表面质量的高温退火底板 |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR101405476B1 (ko) | 2012-12-27 | 2014-06-27 | 주식회사 포스코 | 전기강판 코일 고온소둔 장치 |
| KR101480501B1 (ko) | 2012-12-27 | 2015-01-12 | 주식회사 포스코 | 전기강판 코일 고온소둔 장치 |
-
1993
- 1993-08-31 JP JP21642393A patent/JP2719302B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (11)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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