JP4569007B2 - 方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、方向性電磁鋼板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
方向性電磁鋼板は、電磁鋼素材を熱間圧延して得られた熱延板に、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を施して最終板厚とした後、脱炭を兼ねた1次再結晶焼鈍を施し、次いで焼鈍分離剤を塗布・乾燥してからコイル状に鋼板を巻き取った後に、仕上焼鈍を施すことによって製造される。
【0003】
また、例えば特公平3−52521号公報に記載されているように、MnSe、MnSをインヒビターとする方向性電磁鋼板では、前記仕上焼鈍を、{110}<001>方位に揃った2次再結晶粒を発達させるため、比較的低温かつ長時間の処理を必要とする2次再結晶焼鈍と、鉄損に有害な鋼中のS、Se、N等を除去するため、比較的高温かつ短時間の処理を必要とする純化焼鈍との2つに分けて、いわゆる2段加熱のヒートパターンで行うのが一般的である。
【0004】
さらに、上記方向性電磁鋼板を省エネルギーや省力化により効率よく製造するための従来の仕上焼鈍方法としては、例えば特公平62−61653号公報に記載されているような連続式(回転式)仕上焼鈍炉で行うのが一般的である。
前記連続式仕上焼鈍炉1は、図1及び図2に示すように、インナーカバー2で覆われた鋼板コイル3を垂直に載置したコイル受台4を所定半径の円周上を走行する炉床5上に設け、前記コイル受台4が、前記鋼板コイル3を1段積み2列で載置しうる構成とし、加熱装置(図示せず)の取付け位置6をコイル受台4上の鋼板コイル3の上端部より上方に設置した構成を有しており、また、炉内温度は、2段加熱のヒートパターンに設定するのが一般的である。
【0005】
ところが、2次再結晶焼鈍は、2次再結晶温度や保持時間等の条件が、鋼種や、要求される電磁特性及び前工程の処理条件等(以下、単に「鋼種」という。)によって大きく異なるため、鋼種ごとに焼鈍条件を正確に制御して行うことが必要であり、一方、純化焼鈍は、鋼種によって焼鈍条件にあまり差がなく、厳密な制御はさほど必要とされない場合が多い。
【0006】
しかしながら、連続式仕上焼鈍炉では、同一炉内の加熱帯で2次再結晶焼鈍と純化焼鈍を行うため、ヒートパターンの変更範囲が制限され、2次再結晶焼鈍を、鋼種ごとに分けて最適な炉内温度で行うことは困難である。
【0007】
さらに、2次再結晶焼鈍を行う時間は、純化焼鈍を行う時間に比べてかなり長いため、1台の連続式(回転式)仕上焼鈍炉内で2次再結晶焼鈍と純化焼鈍の双方を行う場合には、長時間を要する2次再結晶焼鈍工程に要する時間が、仕上焼鈍工程に要する時間に占める割合が非常に大きくなることから、各コイルの連続式仕上焼鈍炉での滞留時間が長くなり、連続式(回転式)仕上焼鈍炉を有効に活用することができなかった。このため、効率よく仕上焼鈍を行うには、現状では設備コストが多大である連続式仕上焼鈍炉を複数用いて使い分けを行う必要があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の目的は、上記の問題を有利に解決するもので、2次再結晶焼鈍および純化焼鈍からなる仕上焼鈍のうち、特に2次再結晶焼鈍を、正確な温度制御が可能なバッチ式焼鈍炉で行うことにより、電磁特性に優れた方向性電磁鋼板を効率よくかつ安定に製造するための方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を行ったところ、仕上焼鈍のうち、2次再結晶焼鈍は、2次再結晶温度等の2次再結晶条件が異なる鋼種ごとに正確な温度制御と長時間の処理が必要であるため、鋼種により大きく違いのある2次再結晶過程の温度及び保持時間を鋼種単位ごとに最適に設定することができ、かつ正確な温度制御が可能なバッチ式焼鈍炉で行い、純化焼鈍は、鋼種ごとの焼鈍条件に差がないため、炉の入口から出口にかけて鋼板コイルが連続的に移動しながら焼鈍される連続式焼鈍炉でまとめて行えば、効率的かつ安定して電磁特性に優れた電磁鋼板を製造できることを見出した。
【0011】
すなわち、この発明の要旨は下記のとおりである。
(1)電磁鋼素材を熱間圧延して得られた熱延板に、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を施して最終板厚とした後、脱炭を兼ねた1次再結晶焼鈍を施し、次いで焼鈍分離剤を塗布・乾燥してからコイル状に鋼板を巻き取った後に、2次再結晶焼鈍および純化焼鈍からなる仕上焼鈍を施す一連の工程を有する方向性電磁鋼板の製造方法において
2次再結晶焼鈍はバッチ焼鈍炉を用い、また純化焼鈍は炉の入口から出口にかけて鋼板コイルが連続的に移動しながら焼鈍される連続式焼鈍炉を用い、2次再結晶焼鈍条件が異なる鋼板コイルを処理するに際し、2次再結晶焼鈍は、同一の2次再結晶条件を有する鋼板コイル群ごとに別個のバッチ式焼鈍炉で行い、純化焼鈍は、前記2次再結晶焼鈍を行った鋼板コイルを同一の前記連続式焼鈍炉で行うことを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。
【0012】
)2次再結晶焼鈍は、不活性ガス雰囲気中にて、900℃以下でかつ30時間以上保持することにより行い、純化焼鈍は、還元ガス雰囲気中にて、1100℃以上でかつ10時間以下保持することにより行う前記(1)に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
【0013】
(3)バッチ式焼鈍炉から前記連続式焼鈍炉への炉換えを大気中で行う場合には、前記鋼板コイルをバッチ式焼鈍炉内で400℃以下に冷却してから前記連続式焼鈍炉に炉換えする前記(1)又は(2)に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、この発明に従う方向性電磁鋼板の製造方法の実施形態の一例について説明する。
まず、電磁鋼素材を熱間圧延する。電磁鋼素材の組成については特に限定はしないが、一例を挙げておくと、質量%で、C:0.02〜0.10%、Si:2.0〜4.5%、Mn:0.05〜0.2%を含有し、かつSe:およびSの1種または2種を合計で0.01〜0.04%含有する組成になる電磁鋼素材を用いることが好ましい。
【0016】
また、電磁鋼素材(スラブ)は、公知の方法によって製造することができる。
例えば、転炉製鋼法等によって所望の成分組成の溶鋼に溶製し、連続鋳造法あるいは造塊−分塊圧延法によって製造すればよい。
【0017】
さらに、電磁鋼素材は、熱間圧延を行う前に、通常はインヒビター形成元素を十分に解離固溶させるために1250℃以上の高温に加熱することが好ましく、その後、公知の方法に従って熱間圧延を施し、所定の厚み、好適には1.4〜5.0mm程度の厚みの熱延板とする。
【0018】
次いで、この熱延板に、必要に応じて熱延板焼鈍を施した後、酸洗処理を行い、その後、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を施して最終板厚の冷延板とする。
冷間圧延は、公知の方法に従って行えばよく、最終板厚は、0.20〜0.35mmとすることが好ましい。
【0019】
その後、冷延板は、磁気特性に悪影響を及ぼす鋼中のCを除去するための脱炭を兼ねた1次再結晶焼鈍を施し、次いで、MgOで代表される焼鈍分離剤を塗布・乾燥してからコイル状に鋼板を巻き取った後、前記鋼板コイルに、2次再結晶焼鈍および純化焼鈍からなる仕上焼鈍を施すことによって、方向性電磁鋼板を製造することができる。
【0020】
そして、この発明の構成上の主な特徴は、前記鋼板コイルの仕上焼鈍方法の適正化を図ることにあり、より具体的には、仕上焼鈍を2次再結晶焼鈍と純化焼鈍とに分けて行うこと、すなわち、2次再結晶焼鈍は、正確な温度制御が可能なバッチ式焼鈍炉で行い、純化焼鈍は、大量処理可能な連続式焼鈍炉(炉の入口から出口にかけて鋼板コイルが連続的に移動しながら焼鈍されるもの)で行うことにある。
【0021】
従来の仕上焼鈍は、図1に示すように、2次再結晶焼鈍と純化焼鈍の双方を同一の連続式焼鈍炉で行っていたが、この構成だと、あらかじめ炉の入口から出口にかけてヒートパターンを形成しておき、その中をコイルが順次連続的に移動しながら焼鈍されるため、炉内温度(ヒートパターン)を鋼種ごとの最適な温度に正確に制御することが難しく、加えて、2次再結晶焼鈍の処理時間は純化焼鈍の処理時間に比べて非常に長いため、各コイルの連続式焼鈍炉での滞留時間が長くなり、結局、連続式焼鈍炉の利点である優れた生産性を十分に活かすことができなかった。
【0022】
そこで、この発明は、2次再結晶焼鈍を正確な温度制御が可能なバッチ式焼鈍炉で行い、2次再結晶温度、保持時間及び炉内雰囲気等の2次再結晶条件を最適に設定することができるため、{110}<001>方位に揃った2次再結晶粒を十分に発達させることができ、また、鋼種ごとに焼鈍条件に差がない純化焼鈍のみを連続式焼鈍炉で行うことによって、鋼板コイルを大量に処理することができ、これによって、2次再結晶焼鈍と純化焼鈍の双方を連続式焼鈍炉で行っていた従来の製造方法に比べて、電磁特性が格段に優れた電磁鋼板を効率よくかつ安定して製造することができる。
【0023】
また、2次再結晶温度、保持時間及び炉内雰囲気等の2次再結晶条件、特に2次再結晶温度が異なる複数の鋼種の鋼板コイルを仕上焼鈍する場合には、2次再結晶焼鈍は、同一の2次再結晶条件を有する鋼板コイル群ごとに、最適な炉内温度に設定した別個のバッチ式焼鈍炉で行うとともに、純化焼鈍は、2次再結晶焼鈍を行った全鋼板コイルを同一の連続式焼鈍炉でまとめて行えば、上述したように、バッチ式焼鈍炉と連続式焼鈍炉の長所を最大限に引き出すことができる。
【0024】
なお、2次再結晶焼鈍は、炉内雰囲気をN2、Ar等の不活性ガス雰囲気とし、焼鈍温度を930℃以下、好適には830〜870℃とし、焼鈍温度の保持時間を30時間以上、好適には30〜80時間とすることが好ましい。焼鈍温度が930℃を超えると、純化焼鈍で行うべき被膜形成や純化が進行してしまう結果、電磁特性が悪化するとともに被膜特性も劣る傾向があるからである。
【0025】
また、純化焼鈍は、炉内雰囲気をH2、N2+H2等の還元ガス雰囲気とし、焼鈍温度を1100℃以上、好適には1150〜1200℃とする。焼鈍温度が1100℃未満だと、被膜形成や純化を十分に行うことができなくなるからである。また、前記焼鈍温度の保持時間は、10時間以下、好適には3〜10時間とすることが好ましい。尚、生産効率を特に重視する場合には、焼鈍温度の保持時間を2時間以下にすることが好ましい。
【0026】
さらに、バッチ式焼鈍炉から連続式焼鈍炉への炉換えを非酸化雰囲気中で行う場合には、
バッチ式焼鈍炉で加熱・保持した鋼板コイルを冷却することなく連続式焼鈍炉に移動させることが、純化焼鈍で鋼板コイルを加熱するエネルギー量が少なくなる点で好ましいが、前記炉換えを大気中で行う場合には、ブルーイングや酸化を防止するため、前記鋼板コイルをバッチ式焼鈍炉内で400℃以下に冷却してから連続式焼鈍炉に炉換えすることが好ましい。
【0027】
なお、上述したところは、この発明の実施形態の一例を示したにすぎず、請求の範囲において種々の変更を加えることができる。
【0028】
【実施例】
(実施例1)
C:0.045mass%、Si:3.30 mass%、Mn:0.087 mass%、Se:0.025 mass%を含有する組成になるけい素鋼を中間焼鈍を挟む2回冷延法により0.23mmの最終板厚とした後、脱脂してから1次再結晶焼鈍を施し、次いでMgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布・乾燥してから巻き取った各鋼板コイルについて、下記(A)〜(F)の条件で仕上焼鈍を行うことにより電磁鋼板を作製し、各電磁鋼板の電磁特性(鉄損W17/50と磁束密度B8)と被膜特性(被膜外観、剥離試験、ベンド試験)を評価した。表1にそれらの評価結果を示す。なお、上記鋼板コイルはいずれも、同一ロットで製造され、2次再結晶温度はいずれも853℃であった。
【0029】

(A)2次再結晶焼鈍及び純化焼鈍を同一の連続式(回転式)焼鈍炉で行う。まず、乾燥N2ガス雰囲気中にて850℃、50時間の保定により2次再結晶焼鈍を行い、次いで、炉内雰囲気を乾燥H2ガス雰囲気に切り替え、1200℃、10時間の保定により純化焼鈍を行う(従来例)。
(B)2次再結晶焼鈍をバッチ式焼鈍炉で行い、純化焼鈍を連続式(回転式)焼鈍炉で行う。まず、乾燥N2ガス雰囲気中にて855℃、50時間の保定により2次再結晶焼鈍を行い、420℃まで冷却し、大気雰囲気下で4時間放置してから炉換えした後、乾燥N2ガス雰囲気にて700℃まで加熱後、炉内雰囲気を乾燥H2ガス雰囲気に切り替えて1200℃、10時間の保定により純化焼鈍を行う(比較例1)。
(C)2次再結晶焼鈍をバッチ式焼鈍炉で行い、純化焼鈍を連続式(回転式)焼鈍炉で行う。まず、乾燥N2ガス雰囲気中にて855℃、50時間の保定により2次再結晶焼鈍を行い、200℃まで冷却し、大気雰囲気下で4時間放置してから炉換えした後、乾燥N2ガス雰囲気にて700℃まで加熱後、炉内雰囲気を乾燥H2ガス雰囲気に切り替えて1200℃、10時間の保定により純化焼鈍を行う(発明例1)。
(D)2次再結晶焼鈍をバッチ式焼鈍炉で行い、純化焼鈍を連続式(回転式)焼鈍炉で行う。まず、乾燥N2ガス雰囲気中にて850℃、50時間の保定し、900℃まで加熱することにより2次再結晶焼鈍を行い、200℃まで冷却し、大気雰囲気下で4時間放置してから炉換えした後、乾燥N2ガス雰囲気にて700℃まで加熱後、炉内雰囲気を乾燥H2ガス雰囲気に切り替えて1200℃、10時間の保定により純化焼鈍を行う(発明例2)。
(E)2次再結晶焼鈍をバッチ式焼鈍炉で行い、純化焼鈍を連続式(回転式)焼鈍炉で行う。まず、乾燥N2ガス雰囲気中にて850℃、50時間の保定し、炉内雰囲気を乾燥H2ガス雰囲気に切り替えてから930℃まで加熱することにより2次再結晶焼鈍を行い、200℃まで冷却し、大気雰囲気下で4時間放置してから炉換えした後、乾燥N2ガス雰囲気にて700℃まで加熱後、炉内雰囲気を乾燥H2ガス雰囲気に切り替えて1200℃、10時間の保定により純化焼鈍を行う(発明例3)。
(F)2次再結晶焼鈍をバッチ式焼鈍炉で行い、純化焼鈍を連続式(回転式)焼鈍炉で行う。まず、乾燥N2ガス雰囲気中にて850℃、50時間の保定し、炉内雰囲気を乾燥H2ガス雰囲気に切り替えてから970℃まで加熱することにより2次再結晶焼鈍を行い、200℃まで冷却し、大気雰囲気下で4時間放置してから炉換えした後、乾燥N2ガス雰囲気にて700℃まで加熱後、炉内雰囲気を乾燥H2ガス雰囲気に切り替えて1200℃、10時間の保定により純化焼鈍を行う(比較例2)。
【0030】
【表1】
Figure 0004569007
【0031】
表1に示す結果から、発明例1〜3は、従来例に比べて、鉄損が低くかつ磁束密度が高く、加えて、被膜特性についても何ら問題なく良好である。
一方、大気中での炉換え時の鋼板コイルの温度が高い比較例1は、ブルーイングを生じるため、電磁特性及び被膜特性とも劣っており、また、比較例2は、2次再結晶焼鈍段階で既に被膜形成が初期段階まで進行してしまうため、電磁特性及び被膜特性とも劣っている。
【0032】
(実施例2)
実施例1と同様な方法によって製造した同一鋼種(鋼種は同じだが異なるロットで製造したものも含む。)の鋼板コイル20本について、下記(a)及び(b)の条件で仕上焼鈍を行うことにより電磁鋼板を作製し、各電磁鋼板の電磁特性(鉄損W17/50と磁束密度B8)を評価した。表に電磁特性の評価結果を示す。なお、表中の鉄損W17/50と磁束密度B8の数値は、いずれも平均値である。
【0033】

(a)前記同一鋼種の鋼板コイルをまとめて同一の連続式(回転式)焼鈍炉で2次再結晶焼鈍及び純化焼鈍の双方を行う。なお、このときのヒートパターンは、二次再結晶焼鈍と純化焼鈍を組み合わせた2段加熱パターンに設定した(従来例a)。
(b)ロットごとに鋼板コイルの2次再結晶焼鈍温度を測定し、測定された温度から、それぞれのロットごとの鋼板コイルを、炉内温度を最適に設定したバッチ式焼鈍炉で2次再結晶焼鈍を行った後、これらの鋼板コイルをまとめて連続式(回転式)焼鈍炉で純化焼鈍を行う(発明例a)。
【0034】
【表2】
Figure 0004569007
【0035】
表2に示す評価結果から、発明例aは、従来例aに比べて鉄損が低く磁束密度が高くなっている。
【0036】
【発明の効果】
この発明の方法によって、電磁特性に優れた方向性電磁鋼板を効率よくかつ安定に製造することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の連続式(回転式)仕上焼鈍炉の概略平面図である。
【図2】 図1のI−I線上の断面図である。
【符号の説明】
1 連続式(回転式)焼鈍炉
2 インナーカバー
3 鋼板コイル
4 コイル受台
5 炉床
6 加熱装置の取付け位置
7 保温カバー

Claims (3)

  1. 電磁鋼素材を熱間圧延して得られた熱延板に、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を施して最終板厚とした後、脱炭を兼ねた1次再結晶焼鈍を施し、次いで焼鈍分離剤を塗布・乾燥してからコイル状に鋼板を巻き取った後に、2次再結晶焼鈍および純化焼鈍からなる仕上焼鈍を施す一連の工程を有する方向性電磁鋼板の製造方法において
    2次再結晶焼鈍はバッチ焼鈍炉を用い、また純化焼鈍は炉の入口から出口にかけて鋼板コイルが連続的に移動しながら焼鈍される連続式焼鈍炉を用い、2次再結晶焼鈍条件が異なる鋼板コイルを処理するに際し、2次再結晶焼鈍は、同一の2次再結晶条件を有する鋼板コイル群ごとに別個のバッチ式焼鈍炉で行い、純化焼鈍は、前記2次再結晶焼鈍を行った鋼板コイルを同一の前記連続式焼鈍炉で行うことを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。
  2. 2次再結晶焼鈍は、不活性ガス雰囲気中にて、900℃以下でかつ30時間以上保持することにより行い、
    純化焼鈍は、還元ガス雰囲気中にて、1100℃以上でかつ10時間以下保持することにより行う請求項1に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
  3. バッチ式焼鈍炉から前記連続式焼鈍炉への炉換えを大気中で行う場合には、前記鋼板コイルをバッチ式焼鈍炉内で400℃以下に冷却してから前記連続式焼鈍炉に炉換えする請求項1又は2に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
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