JPH0770449A - 優れた高温耐久性を有する含浸密封材組成物及びその 製造方法 - Google Patents

優れた高温耐久性を有する含浸密封材組成物及びその 製造方法

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JPH0770449A
JPH0770449A JP6141867A JP14186794A JPH0770449A JP H0770449 A JPH0770449 A JP H0770449A JP 6141867 A JP6141867 A JP 6141867A JP 14186794 A JP14186794 A JP 14186794A JP H0770449 A JPH0770449 A JP H0770449A
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JP
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monomer
bismaleimide
curable
impregnated
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JP6141867A
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Iii Frederick F Newberth
エフ.ニューバース,ザ サード フレデリック
Martin S Colton
エス.コルトン マーチン
Canh M Tran
エム.トラン カーン
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Henkel Loctite Corp
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09JADHESIVES; NON-MECHANICAL ASPECTS OF ADHESIVE PROCESSES IN GENERAL; ADHESIVE PROCESSES NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE; USE OF MATERIALS AS ADHESIVES
    • C09J4/00Adhesives based on organic non-macromolecular compounds having at least one polymerisable carbon-to-carbon unsaturated bond ; adhesives, based on monomers of macromolecular compounds of groups C09J183/00 - C09J183/16

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 現在知られている(メタ)アクリル樹脂を配
合物中に用い、そのような樹脂の迅速な硬化特性を維持
し、然も、硬化中の上昇させた温度条件下でも安定なま
までいる良好な粘度特性を有し、硬化した状態では優れ
た耐高温特性を有する含浸密封材組成物を与える。 【構成】 熱及び(又は)実質的に酸素が存在しないこ
とにより、硬化するのに用いられる種類の硬化性単量
体、硬化した時含浸密封材組成物の高温耐久性を向上さ
せる種類及びそれを与える可溶化された量の硬化性単量
体可溶性反応性ビスマレイミドからなる硬化性含浸密封
材組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般に熱及び(又は)
実質的に酸素が存在しないことにより硬化するのに適合
する硬化性単量体を含む含浸密封材組成物に関する。詳
しくは、本発明は、優れた高温耐久性を有するそのよう
な種類の含浸密封材組成物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】多孔質部品の気孔を含浸密封すること
は、よく知られた方法により、圧力差の下で密封材組成
物を気孔中に導入することにより行われるか、又は含浸
密封材を多孔質部品の表面から、その気孔中へ毛細管作
用により選択された時間中流入させる吸い込み法により
行われている。
【0003】気孔のそのような含浸密封は、微細気孔の
ために起きる問題を避けるため、多孔質金属部品及び他
の多孔質材料及び構造体の製造で用いられている。その
ような問題には、空気、ガス及び流体の漏洩を起こし易
く、それは加工又は仕上げ問題のみならず、その多孔質
部材の最終用途での問題を起こすことがある。そのた
め、部品を非漏洩性にし、金属部品に関係している場
合、内部腐食が起きるのを防ぐか又は最少にするため
に、気孔の密封が用いられている。鋳造品、ダイカスト
品、電気部品、粉末冶金部品、焼結部品、ファイバーグ
ラス複合体、及び他の材料及び構造部材を製造するのに
用いられる含浸密封用組成物の開発が、重要な開発分野
になりつつある。
【0004】前述の含浸用途で典型的に用いられる密封
材組成物には、適当な遊離ラジカル開始剤、例えば、ペ
ルオキシ型開始剤の存在下で遊離ラジカル重合により硬
化できる種々の自己硬化性嫌気性密封材の外、熱(加
熱)硬化性密封材、及び嫌気性及び熱の両方の硬化機構
により硬化する密封材が含まれる。
【0005】ここで用いられる用語「嫌気性(anaerobi
c)」とは、実質的に酸素が存在しないことを意味し、今
後、特定の硬化性組成物の硬化環境に関し、無酸素状態
として時々言及する。
【0006】当分野で知られている(メタ)アクリル単
量体系嫌気性含浸組成物の例は、米国特許第3,67
2,942号、第3,969,552号、再発行第3
2,240号、及び第4,632,945号明細書に記
載されている。熱硬化性密封材組成物には、米国特許第
4,416,921号、及び英国特許第1,308,9
47号及び第1,547,801号明細書に記載されて
いる組成物が含まれる。
【0007】嫌気性硬化含浸密封材は、短い硬化時間及
び良好な硬化密封性を含めた大きな利点を有するが、二
成分組成物として与えられているのが典型的であり、一
方の成分は重合すべき単量体を含み、他方の成分は重合
触媒促進剤を含み、両方の部分を混合した時に重合が希
望されるまで、その組成物に空気を通し続けるか、又は
さもなければ酸素性(oxic)(酸素に露出した)状態に維
持する。
【0008】それに対し、熱硬化性(メタ)アクリル単
量体含有含浸組成物は、最少限の監視及び保全により効
果的に用いることができ、空気を通したり或は酸素に露
出する条件は殆ど又は全く不必要である。そのような含
浸組成物は、用いた特定の配合により、40℃〜150
℃の範囲の温度で硬化する。
【0009】熱硬化性含浸組成物を、密封すべき部品の
気孔中に導入したならば、それら部品を撹拌水による濯
ぎ領域に移し、表面にたまった残留密封材又は含浸部品
の行き止まりの孔に取り込まれた余分な密封材を除去す
るのが典型的である。余分な密封材を除去した後、含浸
部品を熱水、例えば90℃〜200℃の温度の水、又は
気孔中の密封材組成物を硬化する働きをする上昇させた
温度の他の媒体の入ったタンクへ送る。
【0010】嫌気性硬化含浸密封材組成物の場合、その
含浸組成物を同様に密封すべき部品の気孔中に導入し、
それら部品を撹拌水による濯ぎ領域に移して、表面にた
まった過剰の密封材又は含浸部品の行き止まりの孔に取
り込まれた余分の密封材を除去する。そのような過剰の
密封材を除去した後、含浸部品を、気孔の入口にある密
封材組成物を硬化する働きをする触媒活性剤溶液の入っ
たタンクへ移す。これによって気孔の外側部分に硬化し
たプラグ又はキャップが形成され、残りの樹脂を閉じ込
めて嫌気性自己硬化を行われせる。
【0011】含浸密封用組成物の加熱(熱硬化性組成物
の場合の硬化、及び嫌気性密封材組成物の場合の硬化促
進のため)に伴われる含浸密封材の硬化に関する問題
は、温度の上昇により気孔の開口、密封材樹脂の熱膨
張、及び上昇させた温度での樹脂の粘度低下の総合的原
因により気孔から樹脂が失われる「流出(bleed out)」
と呼ばれている。そのような流出現象は密封効果の低下
を起こし、時には密封材硬化後の部品に残る粘着性残留
物の原因になることがある。
【0012】上で述べたことの外、熱硬化性及び嫌気性
の両方の密封材は、速度論的には、上昇させた温度が含
浸組成物中の単量体の重合反応速度を上昇させるが、高
温に曝されている間に熱的劣化を受け易い。
【0013】一般に、当分野では、高温での悪影響を与
えることなく機能を果たすことができる多孔質含浸密封
材が非常に要求されている。
【0014】エポキシ、フェノール、ポリイミド、ポリ
スルホン等の如き数多くの高温樹脂系が多孔質含浸以外
の種々の応用分野で考え出されてきているが、そのよう
な樹脂は、粘度特性、或る場合にはその硬化を行うのに
必要な極めて高い温度、及び実質的に完全に硬化した性
質に到達するのに比較的長い硬化時間が必要であること
を含めた種々の理由から、気孔含浸用としては考えられ
ていなかった。それに対し(メタ)アクリル樹脂は、そ
れらの極めて有利な粘度特性及び嫌気性硬化及び(又
は)熱硬化性配合物での迅速な硬化性により、気孔含浸
用途で殆ど例外なく用いられてきた。更に、熱硬化性
(メタ)アクリル含浸密封材組成物に必要な硬化条件
は、ポリイミド、フェノール、ポリスルホン、及び熱硬
化性エポキシとは対照的に比較的穏やかである。
【0015】従って、硬化した時優れた高温耐久性を持
ち、更に現在用いられている(メタ)アクリル樹脂系の
良好な粘度及び迅速な硬化特性を有する硬化可能な含浸
密封材組成物を与えることは、当分野での重要な進歩に
なるであろう。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、現在知られている(メタ)アクリル樹脂を配合物中
に用い、そのような樹脂の迅速な硬化特性を維持し、然
も、硬化中の上昇させた温度条件下でも安定なままでい
る良好な粘度特性を有し、硬化した状態では優れた耐高
温特性を有するそのような含浸密封材組成物を与えるこ
とである。
【0017】他の目的及び利点は、次の記載及び特許請
求の範囲から一層完全に明らかになるであろう。
【0018】
【課題を解決するための手段】一つの態様として、本発
明は、熱及び(又は)実質的に酸素が存在しないことに
より、硬化する種類の硬化性単量体、硬化した時含浸密
封材組成物の高温耐久性を向上させる種類及びそれを与
える可溶化された量の硬化性単量体可溶性反応性ビスマ
レイミドからなる硬化性含浸密封材組成物に関する。
【0019】上述の広範な密封材組成物で有効に用いら
れる特に好ましい反応性ビスマレイミドには、次の式:
【0020】
【化3】
【0021】(式中、aは0〜2の値を有する整数であ
り、Arは置換又は非置換アリーレン、例えば置換され
た時、C1 〜C4 アルキル置換基を有するフェニレンで
あり、Ro はC1 〜C4 アルキレン、例えば、メチレン
(−CH2 −)又はプロピレン(−C(CH3)2 −)で
ある。)のビスマレイミドが含まれる。
【0022】ここで用いられる用語「硬化性単量体可溶
性反応性ビスマレイミド」とは、硬化性単量体中に少な
くとも1重量%の程度まで溶解し、硬化性単量体と反応
してそれと重合するか又は架橋し、ビスマレイミドから
誘導された部分を含有する硬化重合体を生ずるビスマレ
イミド化合物を意味する。
【0023】含浸密封材組成物(硬化した状態)に関し
て、ここで用いられる用語「向上した高温耐久性」と
は、硬化した組成物が、単量体可溶性反応性ビスマレイ
ミド成分を含まない対応する含浸密封材組成物よりも一
層大きな温度耐久性を有することを意味し、高温耐久性
は、ASTM E1131−B6(熱重量分析による組
成分析のための標準試験法)の方法に従って熱重量分析
により測定され、200℃より高い温度での硬化組成物
の重量変化により決定される。これに関し、優れた高温
耐久性を有する密封材組成物は、200℃の温度でその
最初の重量の少なくとも50%を維持し、300℃の温
度でその最初の重量の少なくとも25%を維持する。
【0024】本発明の含浸密封材組成物で用いられる硬
化性単量体は、例として、フェノール樹脂、ビニル樹
脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等を含めたどのよう
な適当な種類のものでもよいが、そのような樹脂を論じ
た上記「従来の技術」の節で述べた理由から、(メタ)
アクリル樹脂が好ましい。ここで用いられる用語「(メ
タ)アクリル」とは、アクリル樹脂それ自体の外、対応
するメタクリル樹脂もその用語の範囲に入るものとして
広く解釈するものとする。
【0025】更に、本発明は、湿分への露出、UV照
射、及び他の硬化方式により硬化する樹脂と共に本来用
いられるものであるが、好ましい実施方法として、本発
明は、多孔質部品の密封材含浸に従来用いられている組
成物、方法論、及び処理系一般と一致して、加熱及び
(又は)実質的に酸素を存在させなくすることにより硬
化する硬化性単量体を用いる。
【0026】特別な態様として、本発明は、特別な熱硬
化性含浸密封材配合物に関し、別な態様として、特定の
嫌気性硬化配合物に関する。
【0027】方法の態様として、本発明は、硬化性単量
体を含む硬化性含浸密封材組成物の熱及び(又は)無酸
素硬化により形成された硬化含浸密封材組成物の高温耐
久性を向上させる方法において、前記硬化性含浸密封材
組成物に、向上した高温耐久性を与えるのに効果的な量
の硬化性単量体可溶性反応性ビスマレイミドを配合する
ことからなる、高温耐久性向上方法に関する。
【0028】本発明の他の態様及び特徴は、次の記載及
び特許請求の範囲から一層完全に明らかになるであろ
う。
【0029】
【本発明及びその好ましい態様についての詳細な記述】
本発明は、硬化性単量体可溶性反応性ビスマレイミド
を、硬化中に良好な粘度特性及び安定な粘度値を維持す
ると共に、硬化した密封材組成物の高温耐久性を著しく
向上させるのに、(メタ)アクリル樹脂含有含浸密封材
組成物に用いることができると言う思いがけない発見に
基づいている。本発明の硬化した含浸密封材組成物にそ
のような優れた耐高温特性が実現される結果として、上
で述べた流出問題が、慣用的含浸密封材組成物の他の欠
点と共に改善される。
【0030】この発見は特に予想出来なかったものであ
る。なぜなら、含浸密封材組成物に標準的ビスマレイミ
ド物質を添加すると、多孔質部品の含浸をひどく妨げ、
ビスマレイミド成分の均質な溶液を与えず、従って(硬
化した時)、標準的ビスマレイミド物質を含む重合体は
極めて不均質な性質を持つものになるからである。
【0031】含浸密封材組成物に用いられる単量体に溶
解しないそのような標準的ビスマレイミドとは対照的
に、単量体可溶性反応性ビスマレイミドは、硬化性含浸
組成物の均質な溶液を与え、それに対応して硬化した重
合体密封材組成物に均質性を与える。更に、単量体可溶
性反応性ビスマレイミドは、気孔含浸のために許容出来
る粘度特性を与え、上述の流出現象を減少させるのに役
立つ。
【0032】更に、標準的ビスマレイミド樹脂は、−6
5℃〜約230℃の程度の使用温度範囲を含めたそれら
の有利な性質にも拘わらず、硬化した時、極めて脆い特
性を持つ欠点を有し、そのことがそのような樹脂を、含
浸された物質の良好な構造的一体性が要求される含浸密
封材組成物に配合するには不適切で欠点のあるものにし
ているように見える。それとは対照的に、本発明の単量
体可溶性ビスマレイミド含有密封材組成物は、硬化した
時、良好な構造的一体性及び材料特性を有する。
【0033】従って、単量体可溶性反応性ビスマレイミ
ドが、実際に、硬化した密封材物質に良好な構造的性質
を生じ、硬化性含浸組成物及び対応する硬化した物質の
両方に均質性を与えると言うことは、全く予想出来なか
ったことである。
【0034】本発明の広範な実施で好ましい単量体可溶
性反応性ビスマレイミドには、マレイミド基が、ポリア
リーレン鎖、好ましくは2〜4個のフェニレン基及び中
心C 1 〜C4 アルキレン基を有する結合部分により分離
された末端基であるものが含まれ、ここで、アリーレン
環が置換されている場合、好ましくはC1 〜C4 アルキ
ル置換基により置換されており、鎖中の隣接したアリー
レン基は、例として複数のフェニレン環がその結合部分
の鎖中に存在している場合、任意にオキソ(−O−)基
によって分離されていてもよい。
【0035】本発明の硬化性含浸密封材組成物の特に好
ましいビスマレイミド成分には式:
【0036】
【化4】
【0037】(式中、aは0〜2の値を有する整数であ
り、Arは、上で述べたように、置換されているか又は
置換されていないアリーレンであり、置換されている場
合、好ましくはC1 〜C4 アルキル置換基を有し、Ro
はC1 〜C4 アルキレン、例えば、メチレン又はプロピ
レンである)のビスマレイミドが含まれる。最も好まし
くは、上記式のアリール置換基はフェニレンであり、最
も好ましくはビスマレイミド結合基、−Ar−(O−A
r)a−Ro −(Ar−O)a−Ar−は、
【0038】
【化5】 からなる群から選択される。
【0039】含浸密封材組成物中の単量体可溶性ビスマ
レイミドの濃度は、硬化性単量体の重量に基づき、約1
〜約25重量%であるのが適切である。濃度は、同じ硬
化性単量体重量基準で、好ましくは約1〜15重量%、
一層好ましくは約2〜12重量%、最も好ましくは約5
〜約10重量%である。
【0040】本発明の含浸密封材組成物に用いられる硬
化性単量体は、どのような適当な種類のものでもよく、
エポキシ、フェノール系、シリコーン、ビニル樹脂、ス
ルホン樹脂、等を含めた樹脂が本発明の樹脂又は単量体
成分として本発明の範囲に入る。しかし、好ましくは硬
化性単量体は、上で述べた良好な加工性及び迅速な硬化
時間の利点、及び含浸密封材組成物に慣用的に用いられ
ている汎用的種類の樹脂を構成する(メタ)アクリル樹
脂の例示した有用性に合わせて、(メタ)アクリル酸エ
ステル単量体である。
【0041】本発明の好ましい含浸密封材組成物に用い
られる(メタ)アクリル単量体は、単一の(メタ)アク
リル成分、又は異なった(メタ)アクリレート物質の混
合物でもよい。いずれにせよ、(メタ)アクリル成分を
重合して、(メタ)アクリル単量体から対応する重合体
を生成させる。好ましくは、(メタ)アクリル単量体の
少なくとも一部分は、ジ−又は他のポリ(メタ)アクリ
レートエステルからなる。これらの多官能性単量体は架
橋した重合体を生じ、それは一層効果的で一層硬化性の
密封材として働く。種々の(メタ)アクリル単量体を用
いることができるが、最も極めて好ましいものは、次の
一般式で示されるポリ(メタ)アクリレートエステルで
ある:
【0042】
【化6】
【0043】〔式中、R4 は、水素、1〜約4個の炭素
原子を有する低級アルキル、1〜約4個の炭素原子を有
するヒドロキシアルキル、及び
【0044】
【化7】
【0045】(式中、R3 は、水素、ハロゲン、1〜約
4個の炭素原子を有する低級アルキルからなる群から選
択された基である)からなる群から選択された基を表
し;R5は、水素、ヒドロキシル、及び
【0046】
【化8】
【0047】(式中、m は0〜12、好ましくは0〜約
6であり、n は少なくとも1、例えば1〜約20以上、
好ましくは約2〜約6に等しく、p は0又は1である)
からなる群から選択された基である。〕を有するポリ
(メタ)アクリレートエステルである。
【0048】上記一般式に対応する重合可能なポリ(メ
タ)アクリレートエステルの例は、次の物質:ジ−、ト
リ−、及びテトラエチレングリコールジメタクリレー
ト、ジプロピレングリコールジメタクリレート;ポリエ
チレングリコールジメチルアクリレート;ジ(ペンタメ
チレングリコール)ジメチルアクリレート;テトラエチ
レングリコールジアクリレート;テトラエチレングリコ
ールジ(クロロアクリレート);ジグリセロールジアク
リレート;ジグリセロールテトラメタクリレート;テト
ラメチレンジメタクリレート;エチレンジメタクリレー
ト;及びネオペンチルグリコールジアクリレートである
が、それらに限定されるものではない。
【0049】ポリ(メタ)アクリレートエステル、特に
前のパラグラフに記載したポリ(メタ)アクリレートエ
ステルは、(メタ)アクリレート系含浸組成物に有用で
あるが、一官能性(メタ)アクリレートエステル〔一つ
の(メタ)アクリレート基を有するエステル〕を用いる
のも有利である。
【0050】最も一般的なこれらの一官能性エステルに
は、ラウリルメタクリレートの如きアルキルエステルが
含まれる。低分子量アルキルエステルは極めて揮発性で
あり、屡々、デシルメタクリレート又はドデシルメタク
リレートの如き高分子量の同族体、又は他の脂肪酸アク
リレートエステルを(メタ)アクリレート系含浸組成物
に用いる方が望ましい。
【0051】含浸組成物に一官能性(メタ)アクリレー
トエステルを用いる場合、比較的極性のアルコール部分
を有するエステルを用いるのが好ましい。そのような物
質は低分子量のアルキルエステルよりも揮発性が低く、
更に、その極性基が硬化重合体中で分子間の引力を与え
る傾向があり、それによって一層耐久性の密封部を生ず
る。極性基は、不安定な水素、複素環、ヒドロキシ、ア
ミノ、シアノ、及びハロゲン極性基からなる群から選択
されるのが最も好ましい。この範疇内に入る典型的な化
合物の例は、シクロヘキシルメタクリレート、テトラヒ
ドロフルフリルメタクリレート、ヒドロキシエチルアク
リレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、t−ブ
チルアミノエチルメタクリレート、シアノエチルアクリ
レート、及びクロロエチルメタクリレートである。
【0052】他の(メタ)アクリレートも本発明の気孔
含浸組成物に用いることができる。しかし、これらの
(メタ)アクリレートは、一種類以上のポリ(メタ)ア
クリレート又は一官能性エステルと組合せて用いるのが
好ましい。モノ−及びジ−(メタ)アクリレートの混合
物を含む含浸組成物では、モノ(メタ)アクリレート単
量体は、モノ−及びジ−(メタ)アクリレート単量体の
全重量の約20〜約80重量%を構成するのが適切であ
る。上で与えた化学式を有するポリ(メタ)アクリレー
トが、含浸材料の(メタ)アクリレートの少なくとも一
部分、好ましくは少なくとも約50重量%占めるのが最
も好ましい。
【0053】熱硬化性含浸組成物中の(メタ)アクリレ
ート単量体は、熱硬化開始剤を中に存在させて、或はレ
ドックス重合開始剤を含む開始剤系(即ち、希望の上昇
させた温度条件で酸化還元反応を生じ、遊離ラジカルの
生成をもたらす成分又は成分の組合せ)を存在させて、
遊離ラジカル機構により硬化することができる。適当な
開始剤にはペルオキシ物質、例えば、適当な上昇させた
温度条件下で分解して(メタ)アクリル単量体の重合の
開始に有効なペルオキシ遊離ラジカルを形成する、過酸
化物、ヒドロペルオキシド、及びペルエステルが含まれ
る。
【0054】(メタ)アクリル単量体含有含浸組成物に
好ましい種類の熱硬化性開始剤は、熱によって分解した
時遊離ラジカルを生ずるアゾニトリル化合物からなる。
熱は組成物を硬化するのに適用し、得られた遊離ラジカ
ルが単量体を重合する。
【0055】アゾニトリルは式:
【0056】
【化9】
【0057】〔式中、R1 は、メチル、エチル、n−プ
ロピル、イソ−プロピル、イソ−ブチル、又はn−ペン
チル基であり、R2 は、メチル、エチル、n−プロピ
ル、イソプロピル、シクロプロピル、カルボキシ−n−
プロピル、イソ−ブチル、シクロブチル、n−ペンチ
ル、ネオ−ペンチル、シクロペンチル、シクロヘキシ
ル、フェニル、ベンジル、p−クロロベンジル、又はp
−ニトロベンジル基であるか、又はR1 とR2 が、それ
らが結合した炭素と一緒になって、式:
【0058】
【化10】
【0059】(式中、nは3〜9の整数である)の基、
又は基:
【0060】
【化11】
【0061】を表す。〕の化合物でもよい。
【0062】上記式の化合物及びそれを含む含浸組成物
は、米国特許第4,416,921号明細書(その記載
は参考のためここに入れてある)に一層完全に記述され
ている。
【0063】上記式のアゾニトリル開始剤は容易に商業
的に入手できるものであり、例えば、E.I.デュポン・ド
・ヌマー・アンド・カンパニー(デラウエア州ウイルミ
ントン)から商標名バゾ(VAZO)として市販されて
いる開始剤であり、それにはバゾ52(R1 =メチル、
2 =イソブチル)、バゾ64(R1 =メチル、R2
メチル)、及びバゾ67(R1 =メチル、R2 =エチ
ル)が含まれ、そのようなR1 及びR2 置換基は、全て
上記アゾニトリル一般式に関して規定されているもので
ある。
【0064】好ましいアゾニトリル開始剤は2,2′−
アゾビス(イソ−ブチロニトリル)である。
【0065】アゾニトリルは熱硬化性含浸組成物中に、
重量で500〜10,000ppm、好ましくは100
0〜5000ppmの程度の濃度で用いることができ
る。
【0066】熱硬化性特性を持つ他の(メタ)アクリル
単量体系含浸組成物は、英国特許第1,308,947
号及び第1,547,801号明細書に記載されたもの
を含め、本発明の広い実施態様で用いることができる。
これらの文献に記載されているように、単量体含浸組成
物は、含浸組成物の熱硬化に望ましい又は推奨される温
度よりも低い温度で単量体の重合が起きるのを抑制又は
防止する働きをする適当な防止剤を含んでいてもよい。
【0067】本発明の嫌気性硬化気孔含浸組成物中の
(メタ)アクリル単量体は、或る条件下で、即ち、実質
的に酸素が存在しない条件下で、単量体(一種又は多
種)の重合を誘発する機能を果たす重合開始剤成分と一
緒にされていてもよい。そのような気孔含浸組成物に用
いられる(メタ)アクリル単量体は、開始剤を中に存在
させて、或はレドックス重合開始剤を含む開始剤系(即
ち、酸化還元反応を生じ、遊離ラジカルの生成をもたら
す成分又は成分の組合せ)を存在させて、遊離ラジカル
機構により硬化することができる。適当な開始剤には、
本発明の熱硬化含浸配合物に関連して上に記載したのと
同じペルオキシ物質が含まれる。
【0068】開始剤成分の外に、含浸組成物は種々の開
始促進剤を含んでいてもよく、例えば、密封材料中に硬
化開始剤としてヒドロペルオキシドが用いられた場合、
ヒドロペルオキシド分解促進剤を含んでいてもよい。潜
在的に適した促進剤の例には、トリブチルアミンの如き
第三アミン;ベンゾイックスルフイミド(benzoic sulfi
mide)の如きスルフイミド;ホルムアミド;及びオクタ
ン酸銅の如き遷移金属を含む化合物が含まれる。
【0069】含浸組成物は、他の成分、例えば、他のコ
モノマー物質、反応性希釈剤、顔料、表面活性剤、充填
剤、重合阻止剤、安定化剤、酸化防止剤、腐食防止剤等
を含んでいてもよい。
【0070】本発明の含浸密封材組成物は非水性、即ち
実質的に水を含まない性質を持つのが適切である。本発
明の含浸密封材組成物の粘度は、約100,000セン
チポアズを超えないのが適切であり、好ましくはそのよ
うな粘度は100センチポアズであり、約50センチポ
アズより低いのが最も好ましい。ここで用いられる粘度
の値は、キャノン・フェンスケ(Cannon-Fenske)法によ
って測定されたものである。
【0071】ペルオキシ重合開始剤を含浸密封材組成物
に用いる場合、そのような開始剤は典型的には組成物の
約10重量%より多く含まれることはなく、好ましくは
組成物の約5%以下を占める。本発明の組成物に用いら
れるペルオキシ重合開始剤は、組成物の約0.2重量%
〜約3重量%を占めるのが最も好ましい。ペルオキシ重
合開始剤の重量%は約0.1%以上であるのが典型的で
ある。なぜなら、その割合より低いと、硬化速度が不適
切になる程低くなるからである。
【0072】硬化した又はまだ硬化していない組成物の
粘度、耐溶媒性、又は他の特性を修正するため、硬化性
単量体に一種類以上のコモノマー、例えば(メタ)アク
リル単量体を添加するのが望ましい場合が屡々ある。一
般に(メタ)アクリレートの混合物を用いて成功を収め
ることができるが、同様に他の飽和コモノマーを用いる
こともできる。そのようなコモノマーは、典型的には、
比較的迅速なビニル型重合を行うことができ、少なくと
も或る程度まで反応性アクリレート単量体と共重合する
ことができるような単量体である。例えば、エポキシア
クリレート及びウレタンアクリレートのオリゴマー及び
プレポリマーの如き(メタ)アクリル官能性を有する樹
脂を潜在的に有用なものとして用いることができる。
【0073】そのようなコモノマーを用いる場合、それ
らは組成物の(メタ)アクリレート単量体の全重量の約
50%を超える量で用いるべきではない。上で述べたよ
うに、他の成分を添加することもでき、但しそれらは組
成物の含浸密封機能に悪影響を与えないものとする。
【0074】本発明の含浸密封材組成物は例として、7
0%〜75%のジメタクリレートエステル及び25%〜
30%のモノメタクリレートエステル(ここで、夫々の
アクリレート単量体の量は重量によるものであり、ジメ
タクリレート及びモノメタクリレートのエステルの夫々
の重量%は合計して100%なる)を含む(メタ)アク
リル単量体成分を、0.25%のペルオキシ開始剤、
0.3%の重合促進剤(例えば、ベンゾスルフイイミ
ド)、及び0.05%の阻止剤、例えば、ヒドロキノン
(ここで非アクリレート成分の濃度は全単量体の重量を
基にした重量%による)と共に含む。そのような含浸密
封材組成物の例は、少量の適当な蛍光添加剤、例えば、
全単量体の重量に基づき約0.02重量%の蛍光指示
剤、例えば、商標名ナトマール・スキャニング・コンパ
ウンドNo.5〔ケンタッキー州フローレンスのオング
ストローム・テクノロジー(Angsptrom Technology)社〕
として市販されている蛍光組成物を用いてもよい。
【0075】単量体可溶性反応性ビスマレイミドを添加
することにより修正されるものとして、本発明の実施で
用いることができる市販含浸密封材組成物の例には、9
0℃以上(例えば、90℃〜150℃)の程度の温度水
準で硬化することができる熱硬化性(メタ)アクリルエ
ステル配合物であるレジノール(Resinol)(登録商標名)
90C密封材〔コネチカット州ハートホードのロクタイ
ト社(Loctite Corporation)〕、及び周囲(例えば室
温)条件で、実質的に酸素が存在しない状態で硬化する
ことができる嫌気性硬化密封材組成物であるレジノール
RTC密封材(コネチカット州ハートホードのロクタイ
ト社)が含まれる。
【0076】本発明の実施で用いるのに有効な好ましい
市販の単量体可溶性反応性ビスマレイミドの中には、商
標名テルマックス(Thermax)として三菱油化アメリカ社
(ニューヨーク州ニューヨーク)から市販されているビ
スマレイミドがあり、それにはテルマックス7000及
びテルマックス8000マレイミド樹脂が含まれ、また
モンサント・ケミカル社(モントリオール州セントルイ
ス)から市販されているスカイボンド3000及び30
30ビスマレイミド樹脂がある。そのような好ましい樹
脂は、好ましい(メタ)アクリル樹脂含有含浸密封材組
成物中の(メタ)アクリル樹脂の重量に基づき1重量%
〜12重量%の濃度で用いるのが好ましい。
【0077】本発明のビスマレイミド変性含浸密封材組
成物を製造する場合、単量体可溶性反応性ビスマレイミ
ドを、予め配合した含浸密封材組成物中に穏やかな混合
又は撹拌条件下で、配合物の単量体又は樹脂成分中に希
望の量のビスマレイミドを可溶化しなければならない場
合には穏やかな加熱を任意に用いて、単に混合又は混和
すればよい。
【0078】次に、密封すべき部品の気孔中にその含浸
密封材組成物を含浸させる時、その含浸された部品を加
熱して、含浸材の樹脂又は単量体成分の重合によりその
組成物の熱硬化を行わせ、また熱硬化性密封材配合物の
場合には、重合可能な単量体又は樹脂によるビスマレイ
ミドの架橋を行わせる。別法として、嫌気性硬化配合物
の場合には、密封材組成物を、含浸が行われた後に加熱
し、密封材組成物の重合可能な樹脂又は単量体によるビ
スマレイミドの架橋を行わせ、また嫌気性硬化を促進す
るようにしてもよい。
【0079】しかし、非熱硬化性含浸密封材組成物を含
む或る用途ではそのような加熱は省略し、周囲(例えば
室温)条件で、即ち、含浸材料の加熱を行うことなく、
硬化を行なってもよく、そのような場合でもビスマレイ
ミドは密封材組成物の性質を向上させるであろうが、含
浸材の高温耐久性は、重合可能な含浸材を加熱して密封
材組成物の単量体成分によるビスマレイミドの架橋を行
わせると、著しく増大する。例えば、嫌気性硬化配合物
を含めた或る場合には、温度を上昇させないで嫌気性条
件下で単量体の部分的又は初期重合を行わせ、次に内部
重合反応生成物としてビスマレイミドと単量体とを合体
させる加熱を行うのが望ましいであろう。従って、密封
材組成物の二次加熱及び後硬化熱処理も本発明の広い実
施中に入るものと考えられる。
【0080】含浸密封材組成物の単量体又は樹脂成分は
本発明の広い実施で広く変えることができ、同様に特定
のビスマレイミドを、硬化した組成物の高温耐久性を改
良するために含浸組成物の単量体樹脂成分(一種又は多
種)中にそのビスマレイミドが充分可溶性であると言う
条件下で、本発明に従って変えることができること、ま
た他の点で単量体が硬化密封材の材料特性に関して相容
性があり、効果的であることは認められるであろう。
【0081】本発明の特徴及び利点は、次の実施例によ
って一層完全に示されるであろうが、それによって本発
明は、限定されるものではなく、実施例中全ての部%
は、別に特別に指示しない限り、重量による。
【0082】
【実施例】
例1 下の表1に記載した組成を有する第一熱硬化含浸密封材
配合物(今後配合1と呼ぶ)を調製した。比較のために
高温密封材配合物(今後配合2と呼ぶ)を、下の表1に
示す組成を有し、硬化した密封材の温度耐久性を増大す
るためにエトキシル化ビスフェノールAジメチルアクリ
レートを含有させて配合した。
【0083】
【表1】 表1 成分 配合1 配合2 トリエチレングリコールジメタクリレート 74.00 50.912 ラウリルメタクリレート 15.00 10.296 ヒドロキシプロピルメタクリレート 5.00 3.428 エトキシル化ビスフェノールAジメタクリレート -- 29.961 ビス(ノニルフェノキシポリ(エチレンオキシエチル) 5.17 5.048 フマレート(表面活性剤) 蛍光剤 0.02 0.014 ヒドロキノン 0.05 0.100 BHT 0.06 0.041 ケラトール(CHELATOR)(アセトホスホン酸) 0.20 0.200バゾ67開始剤 0.50 0.500 合計 100.00 100.50
【0084】上記配合1及び2の各々を、次に下の表2
及び3に記載したように種々の組成物に配合した。
【0085】表2には、種々の記載した濃度で(与えら
れた数字は組成物中の(メタ)アクリル単量体の重量に
基づく重量%である)テルマックスMB7000及びテ
ルマックスMB8000ビスマレイミド(ニューヨーク
州ニューヨークの三菱油化アメリカ社)を含む単量体可
溶性反応性ビスマレイミドの濃度を記載してある。試料
1は、ビスマレイミドの変性を行わない表1の配合1に
相当し、試料2〜13は特定の量で記載のビスマレイミ
ド材料で変性されたものとして配合1組成物を含んでい
る。
【0086】
【表2】 表2 試料番号 ビスマレイミド名 濃度 粘度(cP) 溶解性 − − − 初期 38°F後 1 −−− 9.01 良 良 2 テルマックスMB7000 1% 9.52 良 良 3 テルマックスMB7000 5% 11.38 良 良 4 テルマックスMB7000 10% 15.58 良 ▼粒子 5 テルマックスMB8000 1% 9.58 良 良 6 テルマックスMB8000 5% 11.98 良 良 7 テルマックスMB8000 8% 14.28 良 良 8 テルマックスMB8000 1% 9.89 良 良 9 テルマックスMB8000 5% 11.72 良 良 10 テルマックスMB8000 10% 15.63 ▼粒子 ▼粒子 11 テルマックスMB8000 1% 10.02 良 良 12 テルマックスMB8000 5% 12.00 ▼粒子 良 13 テルマックスMB8000 8% 14.12 ▼粒子 良 ▼粒子=溶液中に粒子が見られた。
【0087】表3は、配合2組成物についての対応する
情報を示している。試料14は表1の配合2で、ビスマ
レイミド変性を行わないものに相当し、試料15〜26
は、表3に特定したように、ビスマレイミドによって変
性された配合2組成物である。
【0088】
【表3】 表3 試料番号 ビスマレイミド名 濃度 粘度(cP) 溶解性 − − − 初期 38°F後 14 −−− 20.52 良 良 15 テルマックスMB7000 1% 21.84 良 良 16 テルマックスMB7000 5% 26.30 良 良 17 テルマックスMB7000 8% 30.70 良 良 18 テルマックスMB8000 1% 22.26 良 良 19 テルマックスMB8000 5% 29.77 良 良 20 テルマックスMB8000 8% 33.91 良 良 21 テルマックスMB8000 1% 22.16 良 良 22 テルマックスMB8000 5% 27.56 良 ▼粒子 23 テルマックスMB8000 8% 32.70 良 ▼粒子 24 テルマックスMB8000 1% 22.59 良 良 25 テルマックスMB8000 5% 29.55 良 良 26 テルマックスMB8000 8% 35.09 良 ▼粒子 ▼粒子=溶液中に粒子が見られた。
【0089】表2及び3はセンチポアズで粘度の値、及
び初期及び38°Fに温度を調節した後の両方の単量体
溶解性について記載している。溶解性データーは、
「良」は配合物の良好な溶解特性を示し、「▼粒子」は
含浸剤溶液中に粒子が目で観察されたことを示すものと
して、どちらかの特徴を示している。
【0090】配合2の組成物は、その組成物の(メタ)
アクリレート成分の重合により形成された重合体の温度
耐久性を増大するためエトキシル化ビスフェノールAジ
メタクリレートを含んでいた。
【0091】表2及び3のデーターは、ビスマレイミド
を含む試料(試料2〜13及び15〜26)の粘度増大
は、ビスマレイミド成分の濃度の増大に比例し、そのよ
うな粘度増大は、過度に粘度を増大するものではない
(即ち、ビスマレイミド成分の量が多くても、その粘度
は気孔含浸目的で許容出来る特性を有する)ことを示し
ている。
【0092】配合1及び2の各々を次にASTM E1
131−B6の試験方法(熱重量分析による組成分析の
標準的試験方法)による熱重量分析による試験にかけ、
その結果を図1〜4に示す。
【0093】図1は、配合1についての温度(℃)の関
数として維持重量%の熱重量分析(TGA)をプロット
したものである。曲線Aはビスマレイミドを添加しない
配合1組成物を表す。曲線Bはビスマレイミドを1%添
加した配合1組成物を表す。曲線Cはビスマレイミドを
5%添加した配合1組成物を表し、曲線Dはビスマレイ
ミドを10%添加した配合1組成物を表す。
【0094】図1の曲線によって示したように、変性さ
れていない配合物(ビスマレイミドが欠如しているも
の)は、ビスマレイミド変性組成物よりも実質的に大き
な重合損失を示し、最初の配合物からの維持重量%はビ
スマレイミド濃度の増大と共に大きくなり、単量体可溶
性反応性ビスマレイミドの含有量をそのように増大する
と組成物の分解重量損失を少なくする結果になることを
示しており、それによってビスマレイミド含有組成物の
高温耐久性が、対応する非変性組成物よりも300℃以
上の程度の高い温度水準で実質的に増大することを示し
ている。
【0095】同様な相対的性能が図2のTGAプロット
に示されており、それは、試料1〜4(曲線A、B、C
及びDに夫々対応する)の未変性及びビスマレイミド変
性配合物についての曲線を示しており、この場合それら
配合物を300°Fの上昇させた後硬化温度に3時間曝
し、(メタ)アクリル単量体及び対応する重合体による
ビスマレイミド添加剤の完全な架橋及びビスマレイミド
成分の内部重合を促進させた後の試料である。
【0096】図3は、配合2、試料14〜17(曲線
A、B、C及びDに夫々相当する)についてのTGAの
データーをプロットしたものである。図4は300°F
の上昇させた温度で3時間後硬化処理にかけた後の試料
14〜17の維持重量/温度性能のTGAプロットであ
る。この場合も図3〜4のデーターは、ビスマレイミド
成分の含有量を増大すると、対応する未変性組成物と比
較して、変性配合物の高温耐久性を向上させる結果にな
ることを示している。
【0097】例2 周囲(例えば、室温)条件で酸素を実質的に存在させな
いで硬化することができる含浸密封材配合物(今後配合
3と呼ぶ)を、下の表4に記載した組成を用いて調製し
た。この表には、配合2組成物(例1参照)も比較のた
め記載されている。
【0098】
【表4】 表4 成分 配合3 配合2 トリエチレングリコールジメタクリレート 74.00 50.912 ラウリルメタクリレート 15.00 10.296 ヒドロキシプロピルメタクリレート 5.00 3.428 エトキシル化ビスフェノールAジメタクリレート --- 29.961 ビス(ノニルフェノキシポリ(エチレンオキシエチル) 5.24 5.048 フマレート(表面活性剤) 蛍光剤 0.02 0.014 ヒドロキノン --- 0.100 BHT --- 0.041 ケラトール(アセトホスホン酸) --- 0.200 バゾ67開始剤 --- 0.500 キノン 0.04 --- サッカリン 0.30 ---過酸化物 0.40 --- 合計 100.00 100.50
【0099】配合3組成物を、次に下の表5に記載した
種々の組成物に配合した。
【0100】表5には、種々の記載した濃度〔与えられ
た数字は組成物中の(メタ)アクリル単量体の重量に基
づく重量%である〕でテルマックスMB7000及びテ
ルマックスMB8000ビスマレイミド(ニューヨーク
州ニューヨークの三菱油化アメリカ社)を含有する単量
体可溶性反応性ビスマレイミドの濃度が記載されてい
る。試料27は、ビスマレイミド変性を行わない表4の
配合3に相当し、試料28〜31は、記載したビスマレ
イミド物質の特定した量で変性した配合3組成物を含
む。
【0101】
【表5】 表5 試料番号 ビスマレイミド名 濃度 粘度(cP) 溶解性(室温) 27 −−− 9.5 良 28 テルマックスMB7000 5% 11.22 良 29 テルマックスMB7000 8% 12.89 良 30 テルマックスMB8000 5% 11.71 75℃ 加熱後 31 テルマックスMB8000 8% 13.91 75℃ 加熱後
【0102】図5のデーターは、ビスマレイミド含有試
料(試料28〜31)の粘度増大が、ビスマレイミド成
分の濃度の増大に比例し、この場合もそのような粘度増
大は過度の粘度値をもたらすものではない(即ち、試料
28〜31の粘度値は気孔を含浸する目的として許容出
来る特性のものである)ことを示している。
【0103】配合3に基づく代表的な組成物、即ち、試
料27、28及び29を、次にASTM E1131−
B6(熱重量分析による組成分析の標準的試験方法)の
試験方法により熱重量分析による試験にかけ、その結果
を図5に示す。
【0104】図5は、配合3について温度(℃)の関数
として維持重量%をプロットした熱重量分析(TGA)
の結果を示す。曲線Aは、ビスマレイミドを添加しない
配合3組成物(試料27)を表す。曲線Bは、5%のビ
スマレイミドを添加した配合3組成物(試料28)を表
す。曲線Cは、ビスマレイミドを8%添加した配合3組
成物(試料29)を表す。
【0105】図5の曲線によって示されているように、
ビスマレイミドを含まない未変性配合3組成物(試料2
7)は、試料28及び29のビスマレイミド変性組成物
よりも実質的に大きな重量損失を示し、ビスマレイミド
の濃度を増大するに従って最初(出発)配合物の維持重
量%は高くなり、単量体可溶性反応性ビスマレイミドの
量をそのように増大すると、組成物の量の劣化損失が少
なくなることを示している。従って、これらの結果も、
周囲温度で硬化するビスマレイミド含有嫌気性組成物の
高温耐久性が、対応する未変性組成物よりも、300℃
以上の程度の高温水準で実質的に向上していることを示
している。
【0106】本発明を特定の態様、特徴、具体例に関し
て記述してきたが、本発明はそれに限定されるものでは
なく、他の修正、変更及び態様も可能であることは分か
るであろう。従って、本発明は、そのような別の修正、
変更、態様も全てその本質及び範囲内に入るものと広く
解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】種々の含浸密封材組成物の例の熱重量分析によ
る温度(℃)の関数として最初の重量の維持%をプロッ
トした曲線を示す図である。
【図2】図1に示した種類の種々の含浸密封材組成物で
あるが、上昇させた温度で後硬化したものについて、温
度(℃)の関数として最初の重量の維持%を熱重量分析
によりプロットした図である。
【図3】別の含浸密封材組成物について、温度(℃)の
関数として最初の重量の維持%を熱重量分析によりプロ
ットした図である。
【図4】図3のグラフの曲線で示した種類の種々の配合
物であるが、上昇させた温度で後硬化したものについ
て、温度(℃)の関数として最初の重量の維持%を熱重
量分析によりプロットした図である。
【図5】周囲温度で硬化する嫌気性含浸密封材組成物に
ついて、温度(℃)の関数として最初の重量の維持%を
プロットした、熱重量分析データーのプロットを示す図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マーチン エス.コルトン アメリカ合衆国マサチューセッツ州ロング メドウ,ウイリアムズバーグ ドライブ 202 (72)発明者 カーン エム.トラン アメリカ合衆国コネチカット州ウエスト ハートフォード,プロスペクト アベニュ ー 384

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱及び(又は)酸素が実質的に存在しな
    いことにより硬化する種類の硬化性単量体と、硬化した
    時含浸密封材組成物の高温耐久性を向上させる種類及び
    それを与える可溶化された量の、硬化性単量体に可溶性
    の反応性ビスマレイミドとからなる硬化性含浸密封材組
    成物。
  2. 【請求項2】 含浸密封材組成物中の反応した単量体可
    溶性ビスマレイミドの濃度が、硬化性単量体の重量に基
    づき約1〜約25重量%である、請求項1に記載の組成
    物。
  3. 【請求項3】 含浸密封材組成物中の反応した単量体可
    溶性ビスマレイミドの濃度が、硬化性単量体の重量に基
    づき約1〜約15重量%である、請求項1に記載の組成
    物。
  4. 【請求項4】 含浸密封材組成物中の反応した単量体可
    溶性ビスマレイミドの濃度が、硬化性単量体の重量に基
    づき約2〜約12重量%である、請求項1に記載の組成
    物。
  5. 【請求項5】 含浸密封材組成物中の反応した単量体可
    溶性ビスマレイミドの濃度が、硬化性単量体の重量に基
    づき約5〜約10重量%である、請求項1に記載の組成
    物。
  6. 【請求項6】 硬化性単量体可溶性反応性ビスマレイミ
    ドが次の式: 【化1】 (式中、aは0〜2の値を有する整数であり、Arはア
    リーレンであり、Ro がC1 〜C4 アルキレンである)
    を有する、請求項1に記載の組成物。
  7. 【請求項7】 Arがフェニレンである、請求項6に記
    載の組成物。
  8. 【請求項8】 ArがC1 〜C4 アルキル置換基で置換
    されたフェニレンである、請求項6に記載の組成物。
  9. 【請求項9】 結合部分、−Ar−(O−Ar)a−Ro
    −(Ar−O)a−Ar−が: 【化2】 からなる群から選択されている、請求項6に記載の組成
    物。
  10. 【請求項10】 硬化性単量体が熱硬化性単量体であ
    る、請求項1に記載の組成物。
  11. 【請求項11】 硬化性単量体が、実質的に酸素が存在
    しない中で硬化可能である、請求項1に記載の組成物。
  12. 【請求項12】 硬化性単量体が(メタ)アクリル単量
    体からなる、請求項1に記載の組成物。
  13. 【請求項13】 組成物が、300℃で少なくとも30
    %、400℃で少なくとも15%の重量%値を含むTG
    Aプロットを有する、請求項1に記載の組成物。
  14. 【請求項14】 (i) 重合可能な(メタ)アクリル
    酸エステル単量体、 (ii) アゾ開始剤、 (iii) 置換された立体障害フェノール、 (iv) 金属イオンキレート剤、及び (v) 高温耐久性を向上させる量の反応性ビスマレイ
    ミドで、その量で(メタ)アクリル酸エステル単量体に
    可溶性である反応性ビスマレイミド、 から本質的になる、硬化性含浸密封材組成物。
  15. 【請求項15】 (i) 重合可能な(メタ)アクリル
    酸エステル単量体、 (ii) ペルオキシ開始剤、 (iii) 重合促進剤、 (iv) 重合阻止剤、及び (v) 高温耐久性を向上させる量の反応性ビスマレイ
    ミドで、その量で(メタ)アクリル酸エステル単量体に
    可溶性である反応性ビスマレイミド、 から本質的になる、硬化性含浸密封材組成物。
  16. 【請求項16】 硬化性単量体を含む硬化性含浸密封材
    組成物の熱及び(又は)無酸素硬化により形成された硬
    化含浸密封材組成物の高温耐久性を向上させる方法にお
    いて、前記硬化性含浸密封材に、向上した高温耐久性を
    硬化した含浸密封材組成物に与えるのに有効な量の硬化
    性単量体可溶性反応性ビスマレイミドを配合することか
    らなる、高温耐久性向上法。
  17. 【請求項17】 含浸密封材組成物中に配合した、反応
    した単量体可溶性ビスマレイミドの濃度が、硬化性単量
    体の重量に基づき約1〜約25重量%である、請求項1
    6に記載の方法。
  18. 【請求項18】 含浸密封材組成物中に配合した、反応
    した単量体可溶性ビスマレイミドの濃度が、硬化性単量
    体の重量に基づき約1〜約15重量%である、請求項1
    6に記載の方法。
  19. 【請求項19】 含浸密封材組成物中に配合した、反応
    した単量体可溶性ビスマレイミドの濃度が、硬化性単量
    体の重量に基づき約2〜約12重量%である、請求項1
    6に記載の方法。
  20. 【請求項20】 含浸密封材組成物中に配合した、反応
    した単量体可溶性ビスマレイミドの濃度が、硬化性単量
    体の重量に基づき約5〜約10重量%である、請求項1
    6に記載の方法。
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