JPH0770330A - ビニル重合体ラテツクスの連続凝結方法 - Google Patents

ビニル重合体ラテツクスの連続凝結方法

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JPH0770330A
JPH0770330A JP3131823A JP13182391A JPH0770330A JP H0770330 A JPH0770330 A JP H0770330A JP 3131823 A JP3131823 A JP 3131823A JP 13182391 A JP13182391 A JP 13182391A JP H0770330 A JPH0770330 A JP H0770330A
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polymer
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latex
vinyl polymer
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JP3131823A
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English (en)
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Ulrich Jansen
ウルリツヒ・ヤンゼン
Karl-Heinz Ott
カルル−ハインツ・オツト
Wolfgang Herrig
ボルフガング・ヘリツヒ
Otto Koch
オツト・コツホ
Alfred Dr Pischtschan
アルフレート・ピシユチヤン
Dieter Dr Wittmann
デイーター・ビツトマン
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Bayer AG
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F6/00Post-polymerisation treatments
    • C08F6/14Treatment of polymer emulsions
    • C08F6/22Coagulation

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  • Health & Medical Sciences (AREA)
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  • Medicinal Chemistry (AREA)
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、ビニル重合体ラテックスを連続的
に加工して熱可塑的に加工し得るビニル重合体粉末を製
造する方法を提供することを目的とする。 【構成】 本発明の上記の目的は、容器のカスケード中
で、各容器あたり 10 ないし 60 分の平均滞留時間で、
50ないし 120 ℃ の温度で強力に混合し、剪断力を与え
ながら凝結剤の流れを添加して、ビニル重合体ラテック
スの流れを凝結させ、重合体中の揮発性の副次的な物質
および残留単量体を任意に水蒸気蒸留により除去し、ビ
ニル重合体から分離した漿液の一部を凝結剤の流れに添
加することから成る方法によって達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、容器のカスケード中で、各容器
あたり 10 ないし 60 分の平均滞留時間で、50 ないし
120 ℃ の温度で強力に混合し、剪断力を与えながら凝
結剤の流れを添加して、ビニル重合体ラテックスの流れ
を凝結させることによる、熱可塑的に加工し得るビニル
重合体粉末を製造するためのビニル重合体ラテックスの
連続的加工方法に関するものである。重合体中の揮発性
の副次的な物質および残留単量体は任意に水蒸気蒸留に
より除去する。本件方法は、ビニル重合体から分離した
漿液の一部を凝結剤の流れに添加して再循環させること
を特徴とするものである。
【0002】本発明に従って加工し得るビニル重合体ラ
テックスは未架橋の、または部分的に架橋した重合体を
含有する。このラテックスは水性乳濁液中の単独重合、
共重合および/またはグラフト重合により製造すること
ができる。使用する単量体は原理的には重合可能なオレ
フィン性不飽和化合物のいかなるものであってもよい
が、好ましくはモノビニル化合物たとえば芳香族ビニル
化合物(スチレン、スチレン誘導体)、不飽和ニトリル
(アクロリロニトリル、メタクリロニトリル)、アクリ
ル酸誘導体およびメタクリル酸誘導体(1ないし 8 個
の炭素原子を有するアクリル酸アルキルエステルたとえ
ばアクリル酸ブチル;1ないし 8 個の炭素原子を有す
るメタクリル酸アルキルエステルたとえばメタクリル酸
メチル)、N-アルキルおよび N-アリール置換マレイ
ン酸イミド、ならびにジビニル化合物、たとえば共役ジ
エン(ブタジエン、イソプレン、クロロプレン)であ
る。これらの単量体は全て単独でも、いかなる組合わせ
ででも使用することができる。得られる重合体は、その
ラテックスとしても公知のものである。
【0003】ラテックスの混合物もまた、本発明に従っ
て加工することができる。これらの混合物は加工前にで
も加工途中ででも製造することができる。たとえばラテ
ックスを混合して得られる混合物を連続的に加工するこ
とも、2 種または 3 種以上のラテックスの流れを同時
に凝結剤の流れと組み合わせることもできる(DE−A
1 694 918、DE−A 2 952 495、EP−A 0 121 855
を参照)。重合体を固体形状で得るための重合体ラテ
ックスの凝結は、原理的には公知である。たとえば D
E−A 2 021 398 は、電解質溶液を用いる ≧ 80℃ の
温度におけるグラフト重合体ラテックスの凝結を記載し
ている。アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン重合
体(ABS)のラテックスを酸の、または他の電解質の
添加により凝結させ、水蒸気の導入により残留単量体を
除去することは US−PS 4 399 273 より公知で
ある。この方法は極めて大量の廃水を生じ、これを排出
してから残留単量体を除去するための水蒸気蒸留(スト
リッピング)を不連続的に実施しなければならないの
で、中間の貯蔵手段と数個の容器とが必要となる。不連
続な工程による製品の品質の変動が観測される。
【0004】DE−A 2 815 098 は、ゴムラテックス
用の連続沈澱法を記載している。この方法は溢流により
結合したバットのカスケードを利用している。開放バッ
トを使用しているので、残留単量体と揮発性の成分とは
分離することができない。
【0005】したがって、ビニル重合体ラテックスを連
続的に加工して熱可塑的に加工し得るビニル重合体粉末
を製造する、満足すべき方法はこれまで存在しなかっ
た。
【0006】上記の本発明記載の方法により、10 ない
し 95 重量%の漿液、すなわち、重合体から分離した全
凝結媒体の水相を凝結剤とともに凝結工程に戻すことが
可能になる。したがって、添加すべき新しい凝結剤の量
が大幅に減少し、漿液の小部分をなお廃水として処理し
なければならないのみである。同時に、残留単量体は水
蒸気蒸留により連続的に除去することができる。一般
に、単量体の 10 ないし95 重量%をこの方法で除去す
ることができる。
【0007】本発明記載の方法により、戻す漿液の量に
応じて、凝結助剤の約 50 %と凝結に必要は大量の水と
の節約が達成される。
【0008】さらに、水蒸気蒸留により分離された未反
応の単量体は、滞留容器中でのその分離後に再度重合に
使用することができる。
【0009】本発明に従って得られる重合体粉末は良好
な全般的性質、たとえば良好な粉末特性(粒径分布)お
よび加工特性(貯蔵適格性)を有する。本発明に従って
得られる重合体粉末から製造した熱可塑性成形用混和物
の性質も良好である。本発明に従って製造した重合体粉
末から、ABS および混合重合体成形用混和物の表面
品質の改良が得られる。
【0010】本発明記載の方法を、以下により詳細に記
述する:本発明記載の加工に適したビニル重合体ラテッ
クスには、たとえばスチレン、α-メチルスチレン、ビ
ニルトルエン、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、
N-アルキル置換およびN-アリール置換アクリルアミド
およびメタクリルアミド、N-アルキル置換および N-
アリール置換マレイン酸イミド、ならびにこれらの単量
体の混合物の乳化重合により製造したビニル単独重合体
およびビニル共重合体が含まれる。
【0011】50 ないし 1000 nm の平均粒径(d50)を
有する部分架橋した粒状ゴムにビニル化合物をグラフト
させたグラフト重合体も使用することができる。
【0012】以下のものはグラフト重合させる適当なビ
ニル化合物の例である:スチレン、α-メチルスチレ
ン、アクリロニトリル、メタクリル酸メチル、アクリル
酸アルキルおよびこれらの混合物。メタクリル酸メチル
ならびにスチレンとアクリロニトリルとの、α-メチル
スチレンとアクリロニトリルとの、メタクリル酸メチル
とスチレンとの、メタクリル酸メチルとアクリル酸アル
キルとの、ならびに α-メチルスチレン、メタクリル酸
メチルおよびアクリロニトリルの混合物が特に好まし
い。適当なゴム(グラフト幹重合体)には、ジエン、た
とえばブタジエン、イソプレンおよびクロロプレンの、
任意に 35 重量%までの共重合単量体、たとえばスチレ
ン、アクリロニトリル、メタクリル酸メチル、アクリル
酸アルキルもしくはビニルメチルエーテルとの単独重合
体および共重合体、または、任意に20 重量%までの重
合により組み入れられたビニル単量体、たとえばスチレ
ン、アクリロニトリル、酢酸ビニルもしくはメタクリル
酸 C1-C18-アルキルを含有するアクリル酸アルキル重
合体(特にアクリル酸 C1-C18-アルキルの)が含まれ
る。これらのアクリル酸エステルゴムは多くの場合、多
官能性のビニル単量体またはアリル単量体の重合による
組み入れにより部分的に架橋している。架橋用単量体の
例にはビスアクリレート、ビスアクリルアミド、ブタジ
エン、アクリル酸ビニルエステル、シアヌル酸トリアリ
ル、イソシアヌル酸トリアリル、クエン酸トリアリルエ
ステルおよびビスカルボン酸ビニルエステルが含まれ
る。
【0013】アクリル酸エステルゴムは、5 重量%まで
の量の架橋性の単量体を含有している。これらのゴムは
また、芯/鞘構造を有していてもよい。すなわち、アク
リル酸エステルゴム粒子は、周辺のアクリル酸エステル
ゴムとは構造的に異なるゴムの芯体を含有していてもよ
く、また、熱可塑物樹脂の硬い芯体を有していてもよ
い。
【0014】このグラフト重合体ラテックスは一般に、
30 ないし 90 重量%の、好ましくは 50 ないし 85 重
量%のゴムを含有する。
【0015】本件ビニル重合体ラテックスは水性媒体中
の乳化重合により、またはゴムラテックスの存在下にお
ける乳化グラフト重合により、公知の手法で製造するこ
とができる。ゴムを含有しない重合体には、水性媒体
中、約 12 ないし 2 の、特に10 ないし 3 の pH 値
で、石鹸(乳化剤)の存在下における遊離基重合により
単量体を重合させる。適当な開始剤には特に水溶性の遊
離基形成剤、たとえばペルオキソ二硫酸塩、ペルオキソ
二リン酸塩、水溶性のハイドロパーオキサイドおよびペ
ルオキソ酸、ならびにレドックス開始剤系が含まれる。
重合は、通常は40 ないし 90℃ で実施されるが、単量
体を基準にして 4 重量%までの、好ましくは 2.5 重量
%までの量のイオン性乳化剤、特に、アニオン性乳化剤
の存在を必要とする。適当な乳化剤の例には脂肪酸塩、
比較的長鎖のアルキル基を含有するアルキルスルホン酸
塩、および比較的長鎖のアルキル基を含有する硫酸アル
キル半エステル、ならびに好ましくは不均化アビエチン
酸のアルカリ金属塩が含まれる。
【0016】このようにして製造したビニル重合体ラテ
ックスは一般に 10 ないし 70 重量%の、好ましくは 2
5 ないし 50 重量%の重合体固体分含有量を有する。ラ
テックス中の重合していない単量体の比率は一般に、ラ
テックスの重合体固体分含有量を基準にして 0 ないし
15 重量%、好ましくは 0 ないし 5 重量%である。こ
のビニル重合体ラテックス粒子の大きさは 50 ないし 1
000 nm、好ましくは80 ないし 650 nm である。
【0017】本発明記載の方法はまた、ラテックスの混
合物の加工に使用することもでき、この場合には、ラテ
ックスの型によっては、凝結分散液に導入する前にはラ
テックスを混合せず、平行して、または段階的に個別に
導入するのが有利であることもあり得る。
【0018】使用する凝結剤は、好ましくは水溶性の無
機酸または有機酸、および/または塩、たとえば塩酸、
硫酸、リン酸、ホウ酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ク
エン酸、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の塩化
物、硫酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、リン酸塩および炭酸塩、
アルミン酸塩ならびに任意に無機酸または有機酸との結
合での部分ケン化したポリ酢酸ビニルの水溶液である。
凝結させるビニル重合体ラテックス混合物に応じて 0.2
ないし 25 重量%の水溶液を使用する。
【0019】沈澱した重合体から分離した漿液の一部を
凝結剤に添加するか、または凝結剤とともに重合体ラテ
ックスに添加する。
【0020】漿液は、残留水分を含む重合体を分離した
のちの沈澱分散液の濾液である。
【0021】したがって、添加した凝結剤と漿液とより
なる液体を以後、沈澱液と呼ぶ。
【0022】したがって、本発明に従えば沈澱液の少な
くとも 10 重量%、好ましくは 50ないし 99 重量%は
漿液よりなり、残余は凝結剤である。
【0023】本発明記載の方法は少なくとも 3 個の、
好ましくは 4 個または 5 個以上の直列に配置した、選
択的に溢流により、かつ/または底流により、好ましく
は底流により連結した反応器のカスケード中で実施す
る。
【0024】ラテックスは 50 ないし 120℃ の温度
で、0.2 ないし 1.5 バールの圧力で凝結させることが
できる。個々の沈澱反応器は同一の温度であっても異な
る温度であってもよい。第1の沈澱反応器の温度は好ま
しくは 50 ないし 100℃、より好ましくは 85 ないし 9
5℃ である。本件方法の一つの特定の具体例において
は、沸騰加熱で沈澱分散を行う沈澱カスケードの反応器
を底流により結合している。反応器あたりの沈澱分散液
の平均滞留時間は、重合体の型に応じて 10 ないし60
分、好ましくは 15 ないし 35 分である。ビニル重合体
ラテックスの量と沈澱液(凝結剤の水溶液と漿液)の量
とは、沈澱分散液中の重合体固体分含有量が5 ないし 5
0 重量%、好ましくは 15 ないし 40 重量%となるよう
に相互に調整する。
【0025】ビニル重合体ラテックスと沈澱液とは、混
合ノズルを通してともに沈澱カスケードの第1の反応器
に導入してもよい。また、数個の反応器に部分流として
平行して、または段階的に導入してもよいが、全沈澱液
を沈澱カスケードの第1の反応器に導入するのが好まし
い。
【0026】漿液は、沈澱カスケードの最後の反応器か
ら放出された後の濾液として得られる。沈澱容器のカス
ケード中の凝結剤の濃度が変動しないように沈澱液の部
分流を調整することも重要である。凝結剤と漿液とより
なる沈澱液の部分流は多くの場合、合一してともに容器
のカスケードに導入される。
【0027】本発明に従えば、残留単量体はビニル重合
体ラテックスまたはラテックス混合物の加工中の連続的
水蒸気蒸留により分離することができる。沈澱分散液の
この処理もストリッピングとして公知であり、ビニル重
合体ラテックスの凝結と同時に、かつ/または(好まし
くは)その後に、選択的に、1個または 2 個以上の沈
澱反応器中で実施することができる。“ストリッピン
グ”を実施する沈澱反応器は、好ましくは底流により連
結されている。
【0028】沈澱分散液から濾過により分離した湿った
ビニル重合体粉末は公知の手法で、たとえばバンドプレ
スまたは脱離遠心器で洗浄し、ついで乾燥(たとえば熱
空乾燥器中で)することができる。ついで、良好な粒径
分布、容易流動性および貯蔵安定性、ならびに熱可塑的
加工性を有する粉末として重合体が得られる。この重合
体粉末は熱可塑性合成樹脂(たとえば ABS 重合体)
であるか、またはポリカーボネート、ポリアミド、PV
C またはポリエステル用の混合成分としてその性質、
たとえばそのノッチ衝撃強度、石油に対する抵抗性、ま
たは加工性を改良する目的に使用されるので、この粉末
が熱可塑物用の連続操作加工機に容易に導入し得るよう
な整合性を有すること、および熱可塑性合成樹脂の熔融
物と高温で混合し得、その中に均一に分散するか、また
は溶解するることが重要である。本発明に従って加工し
た製品はこれらの諸性質を有する。
【0029】
【実施例】
【0030】
【実際的応用の例】ビニル重合体ラテックス A) 72:28 の重量比のスチレンとアクリロニトリル
とをグラフトさせた、重合体を基準にして 34.3 重量%
の重合体含有量と 0.75 重量%の残留単量体含有量とを
有する部分的に架橋したポリブタジエンのラテックス
(ラテックス粒子の平均直径 d50 = 400 nm)。この
グラフト重合体は 50 重量%のゴムを含有する。
【0031】B) 72:28 の重量比のスチレンとアク
リロニトリルとをグラフトさせた、重合体を基準にして
34.3 重量%の重合体含有量と 0.50 重量%の残留単量
体含有量とを有する部分的に架橋したポリブタジエンの
ラテックス(ラテックス粒子の平均直径 d50 = 110 n
m)。このグラフト重合体は 50 重量%のゴムを含有す
る。
【0032】C) 72:28 の重量比のスチレンとアク
リロニトリルとをグラフトさせた、重合体を基準にして
39 重量%の重合体含有量と 0.65 重量%の残留単量体
含有量とを有する部分的に架橋したポリアクリル酸 n-
ブチルのラテックス(ラテックス粒子の平均直径 d50
= 450 nm)。このグラフト重合体は 60 重量%のゴム
を含有する。
【0033】D) 72:28 の重量比のスチレンとアク
リロニトリルとをグラフトさせた、重合体を基準にして
39 重量%の重合体含有量と 0.50 重量%の残留単量体
含有量とを有する部分的に架橋したポリアクリル酸 n-
ブチルのラテックス(ラテックス粒子の平均直径 d50
= 130 nm)。このグラフト重合体は 30 重量%のゴム
を含有する。
【0034】E) 重合体を基準にして 34.5 重量%の
重合体含有量と 0.80 重量%の残留単量体含有量とを有
する α-メチルスチレン/アクリロニトリル共重合体
(重量比72:28)のラテックス(ラテックス粒子の平均
直径 d50 = 90 nm)。
【0035】これらのラテックスは公知の方法により製
造する(US−PS 4 399 273、US−PS 3 111 501
を参照)。平均ラテックス粒径(d50 値)は超遠心測
定法により決定した(ショルタン(W. Scholtan),ラ
ンゲ(H. Lange);コロイド高分子時報(Kolloidz. un
d Z. Polymere)250(1972),782 − 796)。
【0036】加工方法 凝結は直列に配置した 4 個の 10 l の撹拌容器のカス
ケード中で実施した。配置は図1に示してある。整理番
号は以下の意味を有する: 1 ラテックス貯蔵容器 2 凝縮器 3 単量体の排出 4 水の分離 5 水蒸気蒸留 6 回帰漿液用の貯蔵容器 7 凝結剤用の貯蔵容器 8 濾過器 9 流出液配管 10 凝結剤用の回帰配管 K1-K4 沈澱反応器 沈澱反応器 K1 と K2 とは溢流により連結されてお
り、一方、反応器 K2、K3 および K4 は底流により
連結されている。ラテックスと沈澱液とは沈澱反応器
K1 に導入する。沈澱反応器 K4 の溢流において得ら
れる沈澱分散液は濾過器 8 で分離し、ここで得られる
漿液は実施例に示されている量を沈澱反応器K1 に戻
し、残余のものは除去した。沈澱容器のカスケードが定
常状態条件に達したのちに重合体試料を採取し、分析し
た。その後の仕上げには、分離した湿った粉末を電解質
がなくなるまで水で洗浄し、残留水分含有量が ≦ 0.5
%になるまで真空中、70℃ で乾燥した。
【0037】乾燥重合体粉末の分析 1.粒径分布は、その試験用ふるいが DIN 4188 に
従って標準化されているふるい分け機を用いて分析し
た。このふるい分け機を震動ふるいを付けて操作した
(製造家:ヘアラー・アンド・ブレッカー(Harer and
Brecker),EMC200 − 61 型)。結果は表1を参
照。
【0038】2.圧力負荷試験 内径 40 mm、高さ 60 mm の寸法の円筒形の管に、40 mm
の充填高さにまで粉末を導入し、この粉末に重量 3 kg
のラム(直径 38 mm)を室温で 24 時間負荷した。
【0039】ついで、管の内容物を注意深く押し出して
評価した。極めて自由に流動する粉末は円錐形の山、ま
たは、触れると崩れる円筒を形成する(評価 +)が、
ケーキとなったか、塊を形成した粉末は柱の形状の安定
な物体を生じ(評価 −)、これは手でしっかり押し付
けて初めて破壊することができる。圧力負荷の結果は表
1に示してある。
【0040】3.重合体粉末から製造した成形品の諸性
質 ビニル重合体を内部混練機中で混和し、ついで射出成形
により試験試料を製造する(表2を参照)。
【0041】測定: 3.1 ノッチ衝撃強度は、表2に示した射出成形温度
(“MT”)の 80 ×10 × 4 mm の寸法の棒状体につ
いて、ISO 180 の方法により室温で測定した。
【0042】3.2 硬度は、80 × 10 × 4 mm の寸法
の棒状体について、DIN 53 546に従って球体へこみ
硬度として測定した 3.3 加熱下の寸法安定性はバイキャット(Vicat)B
120(DIN 53 460)に従って測定した。
【0043】3.4 表面品質(未処理の色)は、目視
的に +/0/− の評点で評価し、光沢度は DIN 67
530 に従って 75 × 155 × 2 mm の寸法の射出成形品
について評価した。
【0044】
【実施例および比較例】
【0045】
【実施例1】8.0 l/時のラテックス A 、および同時
に全量 10 l/時の沈澱液を沈澱カスケードの第1の反
応器 K1 に連続的に導入した。この沈澱液は、0.15 重
量%の酢酸と 0.54 重量%の硫酸マグネシウムとを含有
する部分流1(9.5 l/時)と2.8 重量%の酢酸と 6.3
重量%の硫酸マグネシウムとを含有する部分流 2(0.5l
/時)とよりなるものであり、これをラテックスと緊密
に混合した。沈澱反応器の温度は K1:92℃、K2:95
℃、K3:95℃ および K4:80℃ であった。沈澱反応
器 K4 から溢流する沈澱分散液を濾過器で分離した。3
時間後、濾過器で分離した漿液を沈澱液の部分流1に
替えて反応器 K1 に戻し(量は 9.5 l/時)、残余
(2.5 l/時)は除去した。このようにして漿液の 79
重量%を回帰させた。
【0046】濾過器で分離した重合体(残留水分 45 重
量%)を電解質がなくなるまで洗浄し、熱空乾燥器中で
≦ 0.5 重量%の残留水分含有量にまで乾燥した。30
時間試料をその実際的な応用面に対する適合性に関して
調査した(表1および2を参照)。
【0047】
【比較例1】8.0 l/時のラテックス A 、および同時
に全量 10 l/時の 0.28 重量%の酢酸と 0.83 重量%
の硫酸マグネシウムとを含有する沈澱液を、実施例1と
同様にして沈澱カスケードの第1の反応器 K1 に連続
的に導入し混合した。沈澱反応器K1 ないし K4 の温
度は実施例1と同一であった。第 4 の沈澱反応器 K4
から溢流する沈澱分散液を濾過器で分離した。
【0048】濾過器で分離した重合体(残留水分 55 重
量%)を電解質がなくなるまで洗浄し、熱空乾燥器で
≦ 0.5 重量%の残留水分含有量になるまで乾燥した。1
0 時間試料をその実際的な応用面に対する性質に関して
調査した(表1および2を参照)。
【0049】
【実施例2】8.0 l/時のラテックス A 、および同時
に 0.15 重量%の酢酸と 0.54 重量%の硫酸マグネシウ
ムとを含有する部分流1(9.5 l/時)と 2.8 重量%の
酢酸と 6.3 重量%の硫酸マグネシウムとを含有する部
分流 2(0.5l/時)とよりなる全量 10 l/時の沈澱液
を、実施例1と同様にして沈澱カスケードの第1の反応
器 K1 に連続的に導入した。沈澱反応器の温度は K
1:92℃、K2:95℃、K3:100℃ および K4:90℃ で
あった。反応器 K3 において水蒸気蒸留を実施した
(流出液毎時 0.9 kg)。第 4 の沈澱反応器 K4 から
溢流する沈澱分散液を濾過器で分離した。約 2.5 時間
後、濾過器で分離した漿液を沈澱液の部分流1に替えて
反応器 K1 に戻し(量は 9.5 l/時)、残余(2.5 l/
時)は除去した。このようにして、濾過器で得られた漿
液の 79 重量%を回帰させた。
【0050】濾過器で分離した重合体(残留水分 50 重
量%)を電解質がなくなるまで洗浄し、熱空乾燥器中で
≦ 0.5 重量%の残留水分含有量になるまで乾燥した。
35時間試料をその実際的な応用面に対する性質に関して
調査した(表1および2を参照)。
【0051】
【実施例3】12.5 重量部のラテックス A、12.5 重量
部のラテックス B および 75 重量部のラテックス E
を 6.8 l/時の速度で、0.02 重量%の硫酸と 0.35 重
量%の硫酸マグネシウムとを含有する部分流1(7.0 l
/時)と 0.04 重量%の硫酸と 0.68 重量%の硫酸マグ
ネシウムとを含有する部分流 2(4.7 l/時)とよりな
る全量 11.7 l/時の沈澱液とともに、沈澱カスケード
の第1の反応器 K1 に連続的に導入した。沈澱反応器
の温度は K1:100℃、K2:100℃、K3:100℃および
K4:90℃ であった。反応器1および 3 において水蒸
気蒸留を実施した(流出液の全量毎時 1.5 kg)。第 4
の沈澱反応器 K4 から溢流する沈澱分散液を濾過器で
分離した。約 3 時間後、濾過器で分離した漿液を沈澱
液の部分流1に替えて反応器 K1 に戻し(量は 7.0 l
/時)、残余(7.0 l/時)は廃棄した。濾過器で得ら
れた漿液の全量の 50 重量%を回帰させた。
【0052】濾過器で分離した重合体(残留水分 49 重
量%)を電解質がなくなるまで洗浄し、熱空乾燥器中で
≦ 0.5 重量%の残留水分含有量になるまで乾燥した。
40時間試料をその実際的な応用面に対する適合性に関し
て調査した(表1および2を参照)。
【0053】
【比較例2】6.8 l/時のラテックス混合物 A + B
+ E を、実施例3と同様にして沈澱カスケードの第1
の反応器 K1 に連続的に導入した。同時に、0.03 重量
%の硫酸と 0.48 重量%の硫酸マグネシウムとを含有す
る全量 11.7 l/時の沈澱液を導入し、ラテックスと混
合した。沈澱反応器の温度は K1:100℃、K2:100
℃、K3:100℃ および K4:90℃ であった。第 4 の
沈澱反応器 K4 から溢流する沈澱分散液を濾過器で分
離した。
【0054】濾過器で分離した重合体(残留水分含有量
45 重量%)を電解質がなくなるまで洗浄し、≦ 0.5
重量%の残留水分含有量になるまで熱空乾燥器で乾燥し
た。10 時間試料をその実際的な応用面に対する性質に
関して調査した(表1および2を参照)。
【0055】
【実施例4】ラテックス C とラテックス D との重量
比 1:5 の混合物の 7.0 l/時を沈澱カスケードの第1
の反応器 K1 に連続的に導入し、同時に、0.2 重量%
の酢酸と 2.1 重量%の硫酸マグネシウムとを含有する
部分流1(6.0 l/時)と 0.4重量%の酢酸と 4.9 重量
%の硫酸マグネシウムとを含有する部分流 2(5.0 l/
時)とよりなる全量 11 l/時の沈澱液を導入し、ラテ
ックスと混合した。沈澱反応器の温度は K1:95℃、K
2:98℃、K3:100℃、K4:85℃ であった。反応器 3
において水蒸気蒸留を実施した(流出液毎時 1.5 k
g)。第 4 の沈澱反応器 K4 から溢流する沈澱分散液
を濾過器で分離した。3 時間後、濾過器で分離した漿液
を、沈澱液の部分流1に替えて沈澱容器 K1 に戻し
(量は 6.0 l/時)、残余(5.2 l/時)は廃棄した。
濾過器で得られた漿液の全量の 54 重量%を回帰させ
た。
【0056】濾過器で分離した重合体(残留水分含有量
60 重量%)を電解質がなくなるまで洗浄し、≦ 0.5
重量%の残留水分含有量になるまで熱空乾燥器で乾燥し
た。粉末の 30 時間試料を分析的に調査した(表1を参
照)。
【0057】
【比較例3】7.0 l/時のラテックス D + C、および
同時に 0.3 重量%の酢酸と 3.4 重量%の硫酸マグネシ
ウムとを含有する全量 11 l/時の沈澱液を、実施例4
と同様にして沈澱カスケードの第1の反応器 K1 に連
続的に導入した。沈澱反応器の温度は K1:95℃、K
2:99℃、K3:99℃、K4:85℃ であった。第 4 の沈
澱反応器から溢流する沈澱分散液を濾過器で分離した。
【0058】濾過器で分離した重合体(残留水分含有量
65 重量%)を電解質がなくなるまで洗浄し、≦ 0.5
重量%の残留水分含有量になるまで熱空乾燥器で乾燥し
た。粉末の 10 時間試料を分析的に調査した(表1を参
照)。
【0059】表1は、本発明記載のビニル重合体ラテッ
クスが沈澱カスケード中で、流出液の形成をかなり減少
させながら、かつ凝結助剤の必要を有意に減少させなが
ら、当該ビニル重合体粉末の使用特性を損なうことな
く、粉末に加工し得ることを示している。
【0060】表2は、本発明に従って加工した重合体粉
末の、熱可塑的加工後における良好な使用特性を確認す
るものである。
【0061】
【表1】 表 1 − 粉末の加工パラーターと性質 加工パラーター 実施例 比較例(定常操作) 1 2 3 4 1 2 3 沈澱剤の必要量 (重合体の重量%) 1.7 1.7 1.5 9.7 4.0 2.6 14.8 沈澱水の必要量 (重合体の重量%) 18 18 203 183 364 509 403 廃水の量 (重合体の重量%) 91 124 368 245 437 609 374 廃水による汚染 TOC(mg/l)* 3700 2600 2500 2200 1900 1900 4800 漿液の回帰 (濾液の全量の重量%) 79 79 50 59 0 0 0 残留単量体含有量 (重合体水分含有量/ppm) 2800 900 1700 1200 3100 3800 3200 粒径分布(%) < 0.1 mm 10 2 10 15 12 19 16 > 0.1 mm 62 53 82 58 57 43 65 > 0.5 mm 16 22 3 14 19 17 12 > 0.8 mm 5 10 1 8 7 8 5 > 1.0 mm 6 10 3 4 5 13 2 > 2.0 mm 1 3 1 1 0 0 0 圧力負荷 + + + + + + + *)TOC:廃水の熱分解後の結合炭素の比率
【0062】
【表2】 表 2 − 技術的応用に関する諸性質組成 : 実施例 比較例 I II III I(V) II(V) III(V) 重合体実施例2 40 − 24 − − − 重合体実施例3 − 100 − − − − 重合体比較例1 − − − 40 − 24 重合体比較例2 − − − − 100 − SAN 共重合体*) 60 − 16 60 − 16 PC(マクロロン(Makrlon) 2600、バイエル社) − − 60 − − 60性質 : ノッチ衝撃強度(kJ/m2) アイゾッド ak (23℃、MT 240℃) 32 13 32 13 アイゾッド ak (23℃、MT 260℃) 55 54 硬度 Hc(30') 86 118 87 118 バイキャット B 120(℃) 101 115 123 100 113 123 表面品質 自然色 (MT 240℃) + + + + (MT 260℃) + + + + + + (MT 280℃) + + + + 0 + (MT 310℃) + 0 光沢度 84 79 87 68 *)SAN 共重合体 スチレン/アクリロニトリル共
重合単量体比 72/28 重量部;Mw = 110 kg/モル
【0063】
【実施態様】
【0064】
【実施態様項1】 容器のカスケード中で、各容器あた
り 10 ないし 60 分の平均滞留時間で強力に混合し、剪
断力を与えながら凝結剤の流れを添加して、ビニル重合
体ラテックスの流れを 50 ないし 120℃ の温度で凝結
させることを特徴とする、熱可塑的に加工し得るビニル
重合体粉末を製造するためのビニル重合体ラテックスの
連続的加工方法。
【0065】
【実施態様項2】 重合体中の揮発性の副次的な物質お
よび残留単量体を水蒸気蒸留により除去し、ビニル重合
体から分離した漿液の一部を凝結剤の流れに添加するこ
とを特徴とする実施態様項1記載の方法。
【0066】
【実施態様項3】 上記のビニル重合体ラテックスが部
分的に架橋した粒状ゴムにビニル化合物をグラフトさせ
たグラフト重合体ラテックスであることを特徴とする実
施態様項1記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する反応器のカスケードの配置図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 カルル−ハインツ・オツト ドイツ連邦共和国デー5090レーフエルクー ゼン1・パウル−クレー−シユトラーセ54 (72)発明者 ボルフガング・ヘリツヒ ドイツ連邦共和国デー5060ベルギツシユグ ラートバツハ2・ロマーシヤイダーシユト ラーセ43 (72)発明者 オツト・コツホ ドイツ連邦共和国デー5000ケルン80・ハー フアーカンプ3 (72)発明者 アルフレート・ピシユチヤン ドイツ連邦共和国デー5067キユルテン−ア イヒホーフ・ツアアイヘ33 (72)発明者 デイーター・ビツトマン ドイツ連邦共和国デー5000ケルン80・ボル フスカウル4

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器のカスケード中で、各容器あたり 1
    0 ないし 60 分の平均滞留時間で強力に混合し、剪断力
    を与えながら凝結剤の流れを添加して、ビニル重合体ラ
    テックスの流れを 50 ないし 120℃ の温度で凝結させ
    ることを特徴とする、熱可塑的に加工し得るビニル重合
    体粉末を製造するためのビニル重合体ラテックスの連続
    的加工方法。
JP3131823A 1990-05-12 1991-05-07 ビニル重合体ラテツクスの連続凝結方法 Pending JPH0770330A (ja)

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