JPH0770043A - α−アルコキシイミノフェニルアセトニトリル誘導体の製造法 - Google Patents

α−アルコキシイミノフェニルアセトニトリル誘導体の製造法

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Publication number
JPH0770043A
JPH0770043A JP15122694A JP15122694A JPH0770043A JP H0770043 A JPH0770043 A JP H0770043A JP 15122694 A JP15122694 A JP 15122694A JP 15122694 A JP15122694 A JP 15122694A JP H0770043 A JPH0770043 A JP H0770043A
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JP
Japan
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phenylacetonitrile
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general formula
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hydroxyimino
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Application number
JP15122694A
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English (en)
Inventor
Akira Takase
晃 高瀬
Hiroyuki Kai
浩幸 甲斐
Moriyasu Masui
盛泰 桝井
Katsuhisa Masumoto
勝久 増本
Akihiko Nakamura
明彦 中村
Yujiro Kiyoshima
裕二郎 清島
Mikio Sasaki
幹雄 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shionogi and Co Ltd
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shionogi and Co Ltd
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】相間移動触媒の存在下、炭化水素系溶媒と水と
の混合溶媒中で、一般式〔I〕 で示されるα−ヒドロキシイミノフェニルアセトニトリ
ル誘導体のアルカリ金属塩と一般式〔II〕 (RSO 〔II〕 で示されるジアルキル硫酸とを反応させることを特徴と
する一般式〔III〕 で示されるα−アルコキシイミノフェニルアセトニトリ
ル誘導体の製造法。(式中、RおよびRは同一また
は相異なり、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数2〜4
のアルケニル基、水素原子等を、Yは−O−,−S−,
−NCH−等を、Aは水素原子、アルカリ金属、また
はアルカリ土類金属を表わす。Rはアルキル基を表わ
す。) 【効果】副生物であるニトロン誘導体の生成を抑制し、
純度の高いアルコキシイミノ基を有する化合物を高収率
で製造することが可能。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は一般式〔III 〕(化1
1)
【化11】 (式中、R1 およびR2 は同一または相異なり、炭素数
1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭
素数2〜4のアルケニル基、水素原子、ハロゲン原子、
またはトリフルオロメチル基を表わし、R3 は炭素数1
〜5のアルキル基を表わし、Yは−O−、−S−、−N
CH3 −、−CH2 O−、−OCH2 −、−CH2 S−
または−SCH2 −を表わす。)で示されるα−アルコ
キシイミノフェニルアセトニトリル誘導体の製造法に関
する。
【0002】
【従来の技術、発明が解決しようとする課題】アルコキ
シイミノ基を有する化合物〔III 〕は医薬、農薬の中間
体として有用であることが知られており、その製造法と
しては、ヒドロキシイミノ基を有する化合物に例えば、
ジメチル硫酸等の硫酸エステル類などのアルキル化試剤
を塩基存在下、有機溶媒中で作用させる方法が一般的で
ある。しかしながら、有機溶媒中でジアルキル硫酸等の
アルキル化試剤を作用させると一般式〔XII 〕(化1
2)
【化12】 (式中、R1 、R2 、R3 およびYは前記と同じ意味を
表わす。)で示されるニトロン誘導体が副生し、目的物
の収率、純度等が低下するという問題があった。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らはより優れた
α−アルコキシイミノフェニルアセトニトリル誘導体の
製造法を見いだすべく鋭意検討を重ねた結果、相間移動
触媒の存在下、炭化水素系溶媒と水との混合溶媒中で反
応を実施することにより、副生物であるニトロン誘導体
の生成を抑制することができ、アルコキシイミノ基を有
する化合物〔III 〕を高収率で製造できることを見いだ
し本発明を完成した。
【0004】即ち、本発明は相間移動触媒の存在下、炭
化水素系溶媒と水との混合溶媒中で、一般式〔I〕(化
13)
【化13】 (式中、R1 、R2 およびYは前記と同じ意味を表わ
し、Aは水素原子、アルカリ金属、またはアルカリ土類
金属を表わす。)で示されるα−ヒドロキシイミノフェ
ニルアセトニトリル誘導体と一般式〔II〕(化14)
【化14】(R3 2 SO4 〔II〕 (R3 は前記と同じ意味を表わす。)で示されるジアル
キル硫酸とを反応させることを特徴とする
【0005】一般式〔III 〕(化15)
【化15】 (式中、R1 、R2 、R3 およびYは前記と同じ意味を
表わす。)で示されるα−メトキシイミノフェニルアセ
トニトリル誘導体の製造法を提供するものである。
【0006】以下、本発明について詳細に説明する。一
般式〔I〕で示されるα−ヒドロキシイミノフェニルア
セトニトリル誘導体の式中、R1 、R2 としては、例え
ば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル
基、アミル基、tert−アミル基等の炭素数1〜5の
アルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、
ブトキシ基等の炭素数1〜5のアルコキシ基、エテニル
基、プロペニル基、ブテニル基等の炭素数2〜4のアル
ケニル基、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子
等のハロゲン原子、トリフルオロメチル基が挙げられ
る。Yとしては、−O−、−S−、−NCH3 −、−C
2 O−、−OCH2 −、−CH2 S−、−SCH2
などが挙げられる。Aとしては、水素原子、ナトリウ
ム、カリウムなどのアルカリ金属、またはマグネシウ
ム、バリウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属が挙
げられる。
【0007】α−ヒドロキシイミノフェニルアセトニト
リル誘導体の具体例としては例えば、α−ヒドロキシイ
ミノ−2−(フェノキシメチル)フェニルアセトニトリ
ル、α−ヒドロキシイミノ−2−(2−メチルフェノキ
シメチル)フェニルアセトニトリル、α−ヒドロキシイ
ミノ−2−(3−メチルフェノキシメチル)フェニルア
セトニトリル、α−ヒドロキシイミノ−2−(4−メチ
ルフェノキシメチル)フェニルアセトニトリル、α−ヒ
ドロキシイミノ−3−(フェノキシメチル)フェニルア
セトニトリル、α−ヒドロキシイミノ−3−(2−メチ
ルフェノキシメチル)フェニルアセトニトリル、α−ヒ
ドロキシイミノ−3−(3−メチルフェノキシメチル)
フェニルアセトニトリル、α−ヒドロキシイミノ−3−
(4−メチルフェノキシメチル)フェニルアセトニトリ
ル、α−ヒドロキシイミノ−4−(フェノキシメチル)
フェニルアセトニトリル、α−ヒドロキシイミノ−4−
(2−メチルフェノキシメチル)フェニルアセトニトリ
ル、α−ヒドロキシイミノ−4−(3−メチルフェノキ
シメチル)フェニルアセトニトリル、α−ヒドロキシイ
ミノ−4−(4−メチルフェノキシメチル)フェニルア
セトニトリル、
【0008】α−ヒドロキシイミノ−2−(2−エチル
フェノキシメチル)フェニルアセトニトリル、α−ヒド
ロキシイミノ−2−(3−エチルフェノキシメチル)フ
ェニルアセトニトリル、α−ヒドロキシイミノ−2−
(4−エチルフェノキシメチル)フェニルアセトニトリ
ル、α−ヒドロキシイミノ−2−(2−プロピルフェノ
キシメチル)フェニルアセトニトリル、α−ヒドロキシ
イミノ−2−(4−プロピルフェノキシメチル)フェニ
ルアセトニトリル、α−ヒドロキシイミノ−2−(2−
イソプロピルフェノキシメチル)フェニルアセトニトリ
ル、α−ヒドロキシイミノ−2−(3−イソプロピルフ
ェノキシメチル)フェニルアセトニトリル、α−ヒドロ
キシイミノ−2−(4−イソプロピルフェノキシメチ
ル)フェニルアセトニトリル、α−ヒドロキシイミノ−
2−(2−sec−ブチルフェノキシメチル)フェニル
アセトニトリル、α−ヒドロキシイミノ−2−(4−s
ec−ブチルフェノキシメチル)フェニルアセトニトリ
ル、α−ヒドロキシイミノ−2−(2−tert−ブチ
ルフェノキシメチル)フェニルアセトニトリル、α−ヒ
ドロキシイミノ−2−(3−tert−ブチルフェノキ
シメチル)フェニルアセトニトリル、α−ヒドロキシイ
ミノ−2−(4−tert−ブチルフェノキシメチル)
フェニルアセトニトリル、α−ヒドロキシイミノ−2−
(4−イソプロピル−3−メチルフェノキシメチル)フ
ェニルアセトニトリル、α−ヒドロキシイミノ−2−
(5−イソプロピル−3−メチルフェノキシメチル)フ
ェニルアセトニトリル、α−ヒドロキシイミノ−2−
(2−tert−ブチル−5−メチルフェノキシメチ
ル)フェニルアセトニトリル、α−ヒドロキシイミノ−
2−(4−tert−アミルフェノキシメチル)フェニ
ルアセトニトリル、
【0009】α−ヒドロキシイミノ−2−(2,3−ジ
メチルフェノキシメチル)フェニルアセトニトリル、α
−ヒドロキシイミノ−2−(2,4−ジメチルフェノキ
シメチル)フェニルアセトニトリル、α−ヒドロキシイ
ミノ−2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)フェ
ニルアセトニトリル、α−ヒドロキシイミノ−2−
(2,6−ジメチルフェノキシメチル)フェニルアセト
ニトリル、α−ヒドロキシイミノ−2−(3,4−ジメ
チルフェノキシメチル)フェニルアセトニトリル、α−
ヒドロキシイミノ−2−(3,5−ジメチルフェノキシ
メチル)フェニルアセトニトリル、α−ヒドロキシイミ
ノ−2−(2,4−ジ−tert−ブチルフェノキシメ
チル)フェニルアセトニトリル、α−ヒドロキシイミノ
−2−(3,5−ジ−tert−ブチルフェノキシメチ
ル)フェニルアセトニトリル、α−ヒドロキシイミノ−
2−(2,4−ジ−tert−アミルフェノキシメチ
ル)フェニルアセトニトリル、
【0010】α−ヒドロキシイミノ−2−(2−メトキ
シフェノキシメチル)フェニルアセトニトリル、α−ヒ
ドロキシイミノ−2−(4−ブトキシフェノキシメチ
ル)フェニルアセトニトリル、α−ヒドロキシイミノ−
2−(2−メトキシ−4−メチルフェノキシメチル)フ
ェニルアセトニトリル、α−ヒドロキシイミノ−2−
(3,4−ジメトキシフェノキシメチル)フェニルアセ
トニトリル、
【0011】α−ヒドロキシイミノ−2−(2−プロペ
ニルフェノキシメチル)フェニルアセトニトリル、α−
ヒドロキシイミノ−2−(2−アリルフェノキシメチ
ル)フェニルアセトニトリル、α−ヒドロキシイミノ−
2−(2−アリル−6−メチルフェノキシメチル)フェ
ニルアセトニトリル、
【0012】α−ヒドロキシイミノ−2−(2−フルオ
ロフェノキシメチル)フェニルアセトニトリル、α−ヒ
ドロキシイミノ−2−(3−クロロフェノキシメチル)
フェニルアセトニトリル、α−ヒドロキシイミノ−2−
(4−クロロフェノキシメチル)フェニルアセトニトリ
ル、α−ヒドロキシイミノ−2−(4−ブロモフェノキ
シメチル)フェニルアセトニトリル、α−ヒドロキシイ
ミノ−2−(2,4−ジクロロフェノキシメチル)フェ
ニルアセトニトリル、α−ヒドロキシイミノ−2−
(2,5−ジクロロフェノキシメチル)フェニルアセト
ニトリル、α−ヒドロキシイミノ−2−(3−クロロ−
4−フルオロフェノキシメチル)フェニルアセトニトリ
ル、α−ヒドロキシイミノ−2−(4−フルオロ−3−
メチルフェノキシメチル)フェニルアセトニトリル、α
−ヒドロキシイミノ−2−(2−フルオロ−6−メトキ
シフェノキシメチル)フェニルアセトニトリル、α−ヒ
ドロキシイミノ−2−(2−クロロ−4−メチルフェノ
キシメチル)フェニルアセトニトリル、α−ヒドロキシ
イミノ−2−(2−クロロ−5−メチルフェノキシメチ
ル)フェニルアセトニトリル、α−ヒドロキシイミノ−
2−(4−クロロ−2−メチルフェノキシメチル)フェ
ニルアセトニトリル、α−ヒドロキシイミノ−2−(4
−クロロ−3−メチルフェノキシメチル)フェニルアセ
トニトリル、α−ヒドロキシイミノ−2−(2−トリフ
ルオロメチルフェノキシメチル)フェニルアセトニトリ
ル、α−ヒドロキシイミノ−2−(3−トリフルオロメ
チルフェノキシメチル)フェニルアセトニトリル、α−
ヒドロキシイミノ−2−(4−トリフルオロメチルフェ
ノキシメチル)フェニルアセトニトリル、
【0013】α−ヒドロキシイミノ−2−(フェノキ
シ)フェニルアセトニトリル、α−ヒドロキシイミノ−
2−(フェニルチオ)フェニルアセトニトリル、α−ヒ
ドロキシイミノ−2−(N−メチル−フェニルアミノ)
フェニルアセトニトリル、α−ヒドロキシイミノ−2−
(2−メチルベンジルオキシ)フェニルアセトニトリ
ル、α−ヒドロキシイミノ−2−(フェニルチオメチ
ル)フェニルアセトニトリルなどが挙げられる。
【0014】一般式〔II〕で示されるジアルキル硫酸の
式中、R3 としてはメチル基、エチル基、プロピル基、
ブチル基、アミル基などの炭素数1〜5のアルキル基が
挙げられ、代表例としては例えば、ジメチル硫酸、ジエ
チル硫酸などが挙げられる。
【0015】本発明の特徴は、α−ヒドロキシイミノフ
ェニルアセトニトリル誘導体とジアルキル硫酸との反応
を、相間移動触媒の存在下、炭化水素系溶媒と水との混
合溶媒系で行うことにある。炭化水素系溶媒としては例
えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼ
ン、o−ジクロロベンゼン等の芳香族系溶媒、ヘキサ
ン、ヘプタン等の脂肪族系溶媒などが挙げられ、芳香族
系溶媒が好ましく用いられ、通常、トルエンが用いられ
る。溶媒の使用量は、α−ヒドロキシイミノフェニルア
セトニトリル誘導体に対して、1〜10重量倍程度であ
る。また、水は、通常、生成する無機塩を溶解可能な量
が用いられ、特に制限はない。
【0016】相間移動触媒としては、4級アンモニウム
塩、4級ホスホニウム塩等が挙げられるが、好ましくは
4級アンモニウム塩が用いられる。4級アンモニウム塩
としては、例えば、臭化テトラ−n−ブチルアンモニウ
ム、塩化ベンジルトリエチルアンモニウムなどが挙げら
れる。相間移動触媒を使用する場合、その使用量は、通
常、α−ヒドロキシイミノフェニルアセトニトリル誘導
体1モルに対して0.02〜0.1モルである。反応に
当たっては、原料であるα−ヒドロキシイミノフェニル
アセトニトリル誘導体とジアルキル硫酸の添加順序、添
加方法には特に制限はないが、α−ヒドロキシイミノフ
ェニルアセトニトリル誘導体に対する相間移動触媒の割
合を高く保つことにより収率の向上、および副生物であ
るニトロン体の生成を抑制することが可能である。従っ
て、(1) 相間移動触媒をジアルキル硫酸を含む溶媒中に
予め添加し、しかる後にα−ヒドロキシイミノフェニル
アセトニトリル誘導体を滴下もしくは分割して添加する
方法、(2) 相間移動触媒を含む溶媒中にジアルキル硫酸
の一部を添加し、α−ヒドロキシイミノフェニルアセト
ニトリル誘導体を滴下もしくは分割して添加し、この途
中でジアルキル硫酸を適宜分割して添加する方法、(3)
相間移動触媒を含む溶媒中にジアルキル硫酸とα−ヒド
ロキシイミノフェニルアセトニトリル誘導体とを同時に
滴下する方法、などが好ましい。反応を円滑に進行せし
めるため、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸
化物の水溶液を使用することができ、反応混合物のpH
を9〜14、好ましくは11〜13に保つことが望まし
い。
【0017】ジアルキル硫酸の使用量は、α−ヒドロキ
シイミノフェニルアセトニトリル誘導体1モルに対して
通常、0.9〜3倍モル、好ましくは1.0〜1.5倍
モルである。反応温度は、通常、0〜60℃、好ましく
は10〜40℃であり、反応時間は、通常、0.5〜2
0時間程度である。
【0018】生成したα−アルコキシイミノフェニルア
セトニトリル誘導体は、反応液を分液して水層を除去
し、有機層を例えば、水酸化ナトリウム水溶液などの塩
基で洗浄した後、該有機層を減圧下に濃縮・乾燥するこ
とにより容易に単離できる。また、必要に応じてカラム
クロマトグラフィーなどの通常の精製手段により、さら
に精製することもできる。
【0019】一般式〔III 〕で示されるα−アルコキシ
イミノフェニルアセトニトリル誘導体の式中、R1 、R
2 およびYは前記と同じ意味を表わし、その具体例とし
ては、例えば、α−メトキシイミノ−2−(フェノキシ
メチル)フェニルアセトニトリル、α−メトキシイミノ
−2−(2−メチルフェノキシメチル)フェニルアセト
ニトリル、α−メトキシイミノ−2−(3−メチルフェ
ノキシメチル)フェニルアセトニトリル、α−メトキシ
イミノ−2−(4−メチルフェノキシメチル)フェニル
アセトニトリル、α−メトキシイミノ−3−(フェノキ
シメチル)フェニルアセトニトリル、α−メトキシイミ
ノ−3−(2−メチルフェノキシメチル)フェニルアセ
トニトリル、α−メトキシイミノ−3−(3−メチルフ
ェノキシメチル)フェニルアセトニトリル、α−メトキ
シイミノ−3−(4−メチルフェノキシメチル)フェニ
ルアセトニトリル、α−メトキシイミノ−4−(フェノ
キシメチル)フェニルアセトニトリル、α−メトキシイ
ミノ−4−(2−メチルフェノキシメチル)フェニルア
セトニトリル、α−メトキシイミノ−4−(3−メチル
フェノキシメチル)フェニルアセトニトリル、α−メト
キシイミノ−4−(4−メチルフェノキシメチル)フェ
ニルアセトニトリル、
【0020】α−メトキシイミノ−2−(2−エチルフ
ェノキシメチル)フェニルアセトニトリル、α−メトキ
シイミノ−2−(3−エチルフェノキシメチル)フェニ
ルアセトニトリル、α−メトキシイミノ−2−(4−エ
チルフェノキシメチル)フェニルアセトニトリル、α−
メトキシイミノ−2−(2−プロピルフェノキシメチ
ル)フェニルアセトニトリル、α−メトキシイミノ−2
−(4−プロピルフェノキシメチル)フェニルアセトニ
トリル、α−メトキシイミノ−2−(2−イソプロピル
フェノキシメチル)フェニルアセトニトリル、α−メト
キシイミノ−2−(3−イソプロピルフェノキシメチ
ル)フェニルアセトニトリル、α−メトキシイミノ−2
−(4−イソプロピルフェノキシメチル)フェニルアセ
トニトリル、α−メトキシイミノ−2−(2−sec−
ブチルフェノキシメチル)フェニルアセトニトリル、α
−メトキシイミノ−2−(4−sec−ブチルフェノキ
シメチル)フェニルアセトニトリル、α−メトキシイミ
ノ−2−(2−tert−ブチルフェノキシメチル)フ
ェニルアセトニトリル、α−メトキシイミノ−2−(3
−tert−ブチルフェノキシメチル)フェニルアセト
ニトリル、α−メトキシイミノ−2−(4−tert−
ブチルフェノキシメチル)フェニルアセトニトリル、α
−メトキシイミノ−2−(4−イソプロピル−3−メチ
ルフェノキシメチル)フェニルアセトニトリル、α−メ
トキシイミノ−2−(5−イソプロピル−3−メチルフ
ェノキシメチル)フェニルアセトニトリル、α−メトキ
シイミノ−2−(2−tert−ブチル−5−メチルフ
ェノキシメチル)フェニルアセトニトリル、α−メトキ
シイミノ−2−(4−tert−アミルフェノキシメチ
ル)フェニルアセトニトリル、
【0021】α−メトキシイミノ−2−(2,3−ジメ
チルフェノキシメチル)フェニルアセトニトリル、α−
メトキシイミノ−2−(2,4−ジメチルフェノキシメ
チル)フェニルアセトニトリル、α−メトキシイミノ−
2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)フェニルア
セトニトリル、α−メトキシイミノ−2−(2,6−ジ
メチルフェノキシメチル)フェニルアセトニトリル、α
−メトキシイミノ−2−(3,4−ジメチルフェノキシ
メチル)フェニルアセトニトリル、α−メトキシイミノ
−2−(3,5−ジメチルフェノキシメチル)フェニル
アセトニトリル、α−メトキシイミノ−2−(2,4−
ジ−tert−ブチルフェノキシメチル)フェニルアセ
トニトリル、α−メトキシイミノ−2−(3,5−ジ−
tert−ブチルフェノキシメチル)フェニルアセトニ
トリル、α−メトキシイミノ−2−(2,4−ジ−te
rt−アミルフェノキシメチル)フェニルアセトニトリ
ル、
【0022】α−メトキシイミノ−2−(2−メトキシ
フェノキシメチル)フェニルアセトニトリル、α−メト
キシイミノ−2−(4−ブトキシフェノキシメチル)フ
ェニルアセトニトリル、α−メトキシイミノ−2−(2
−メトキシ−4−メチルフェノキシメチル)フェニルア
セトニトリル、α−メトキシイミノ−2−(3,4−ジ
メトキシフェノキシメチル)フェニルアセトニトリル、
【0023】α−メトキシイミノ−2−(2−プロペニ
ルフェノキシメチル)フェニルアセトニトリル、α−メ
トキシイミノ−2−(2−アリルフェノキシメチル)フ
ェニルアセトニトリル、α−メトキシイミノ−2−(2
−アリル−6−メチルフェノキシメチル)フェニルアセ
トニトリル、
【0024】α−メトキシイミノ−2−(2−フルオロ
フェノキシメチル)フェニルアセトニトリル、α−メト
キシイミノ−2−(3−クロロフェノキシメチル)フェ
ニルアセトニトリル、α−メトキシイミノ−2−(4−
クロロフェノキシメチル)フェニルアセトニトリル、α
−メトキシイミノ−2−(4−ブロモフェノキシメチ
ル)フェニルアセトニトリル、α−メトキシイミノ−2
−(2,4−ジクロロフェノキシメチル)フェニルアセ
トニトリル、α−メトキシイミノ−2−(2,5−ジク
ロロフェノキシメチル)フェニルアセトニトリル、α−
メトキシイミノ−2−(3−クロロ−4−フルオロフェ
ノキシメチル)フェニルアセトニトリル、α−メトキシ
イミノ−2−(4−フルオロ−3−メチルフェノキシメ
チル)フェニルアセトニトリル、α−メトキシイミノ−
2−(2−フルオロ−6−メトキシフェノキシメチル)
フェニルアセトニトリル、α−メトキシイミノ−2−
(2−クロロ−4−メチルフェノキシメチル)フェニル
アセトニトリル、α−メトキシイミノ−2−(2−クロ
ロ−5−メチルフェノキシメチル)フェニルアセトニト
リル、α−メトキシイミノ−2−(4−クロロ−2−メ
チルフェノキシメチル)フェニルアセトニトリル、α−
メトキシイミノ−2−(4−クロロ−3−メチルフェノ
キシメチル)フェニルアセトニトリル、α−メトキシイ
ミノ−2−(2−トリフルオロメチルフェノキシメチ
ル)フェニルアセトニトリル、α−メトキシイミノ−2
−(3−トリフルオロメチルフェノキシメチル)フェニ
ルアセトニトリル、α−メトキシイミノ−2−(4−ト
リフルオロメチルフェノキシメチル)フェニルアセトニ
トリル、
【0025】α−メトキシイミノ−2−(フェノキシ)
フェニルアセトニトリル、α−メトキシイミノ−2−
(フェニルチオ)フェニルアセトニトリル、α−メトキ
シイミノ−2−(N−メチル−フェニルアミノ)フェニ
ルアセトニトリル、α−メトキシイミノ−2−(2−メ
チルベンジルオキシ)フェニルアセトニトリル、α−メ
トキシイミノ−2−(フェニルチオメチル)フェニルア
セトニトリル
【0026】α−エトキシイミノ−2−(フェノキシメ
チル)フェニルアセトニトリル、α−エトキシイミノ−
2−(2−メチルフェノキシメチル)フェニルアセトニ
トリル、α−エトキシイミノ−2−(2,5−ジメチル
フェノキシメチル)フェニルアセトニトリルなどが挙げ
られる。
【0027】本発明に用いるα−ヒドロキシイミノフェ
ニルアセトニトリル誘導体〔I〕は、例えば、以下に示
す方法により製造することができる。塩基存在下、芳香
族系溶媒と低級アルコールとの混合溶媒中で、一般式
〔IV〕(化16)
【化16】 (式中、R1 、R2 およびYは前記と同じ意味を表わ
す。)で示される置換フェニルアセトニトリル誘導体
と、
【0028】一般式〔V〕(化17)
【化17】R4 −ONO 〔V〕 (式中、R4 は炭素数1〜6のアルキル基を表わす。)
で示される亜硝酸アルキルとを反応させることにより一
般式〔I〕(化18)
【化18】 (式中、R1 、R2 、YおよびAは前記と同じ意味を表
わす。)で示されるα−ヒドロキシイミノフェニルアセ
トニトリル誘導体を製造することができる。
【0029】一般式〔IV〕で示される置換フェニルアセ
トニトリル誘導体の式中、R1 、R 2 およびYとして
は、前記と同じものが挙げられる。置換フェニルアセト
ニトリル誘導体の具体例としては、2−(フェノキシメ
チル)フェニルアセトニトリル、2−(2−メチルフェ
ノキシメチル)フェニルアセトニトリル、2−(3−メ
チルフェノキシメチル)フェニルアセトニトリル、2−
(4−メチルフェノキシメチル)フェニルアセトニトリ
ル、3−(フェノキシメチル)フェニルアセトニトリ
ル、3−(2−メチルフェノキシメチル)フェニルアセ
トニトリル、3−(3−メチルフェノキシメチル)フェ
ニルアセトニトリル、3−(4−メチルフェノキシメチ
ル)フェニルアセトニトリル、4−(フェノキシメチ
ル)フェニルアセトニトリル、4−(2−メチルフェノ
キシメチル)フェニルアセトニトリル、4−(3−メチ
ルフェノキシメチル)フェニルアセトニトリル、4−
(4−メチルフェノキシメチル)フェニルアセトニトリ
ル、
【0030】2−(2−エチルフェノキシメチル)フェ
ニルアセトニトリル、2−(3−エチルフェノキシメチ
ル)フェニルアセトニトリル、2−(4−エチルフェノ
キシメチル)フェニルアセトニトリル、2−(2−プロ
ピルフェノキシメチル)フェニルアセトニトリル、2−
(4−プロピルフェノキシメチル)フェニルアセトニト
リル、2−(2−イソプロピルフェノキシメチル)フェ
ニルアセトニトリル、2−(3−イソプロピルフェノキ
シメチル)フェニルアセトニトリル、2−(4−イソプ
ロピルフェノキシメチル)フェニルアセトニトリル、2
−(2−sec−ブチルフェノキシメチル)フェニルア
セトニトリル、2−(4−sec−ブチルフェノキシメ
チル)フェニルアセトニトリル、2−(2−tert−
ブチルフェノキシメチル)フェニルアセトニトリル、2
−(3−tert−ブチルフェノキシメチル)フェニル
アセトニトリル、2−(4−tert−ブチルフェノキ
シメチル)フェニルアセトニトリル、2−(4−イソプ
ロピル−3−メチルフェノキシメチル)フェニルアセト
ニトリル、2−(5−イソプロピル−3−メチルフェノ
キシメチル)フェニルアセトニトリル、2−(2−te
rt−ブチル−5−メチルフェノキシメチル)フェニル
アセトニトリル、2−(4−tert−アミルフェノキ
シメチル)フェニルアセトニトリル、
【0031】2−(2,3−ジメチルフェノキシメチ
ル)フェニルアセトニトリル、2−(2,4−ジメチル
フェノキシメチル)フェニルアセトニトリル、2−
(2,5−ジメチルフェノキシメチル)フェニルアセト
ニトリル、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)
フェニルアセトニトリル、2−(3,4−ジメチルフェ
ノキシメチル)フェニルアセトニトリル、2−(3,5
−ジメチルフェノキシメチル)フェニルアセトニトリ
ル、2−(2,4−ジ−tert−ブチルフェノキシメ
チル)フェニルアセトニトリル、2−(3,5−ジ−t
ert−ブチルフェノキシメチル)フェニルアセトニト
リル、2−(2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ
メチル)フェニルアセトニトリル、
【0032】2−(2−メトキシフェノキシメチル)フ
ェニルアセトニトリル、2−(4−ブトキシフェノキシ
メチル)フェニルアセトニトリル、2−(2−メトキシ
−4−メチルフェノキシメチル)フェニルアセトニトリ
ル、2−(3,4−ジメトキシフェノキシメチル)フェ
ニルアセトニトリル、
【0033】2−(2−プロペニルフェノキシメチル)
フェニルアセトニトリル、2−(2−アリルフェノキシ
メチル)フェニルアセトニトリル、2−(2−アリル−
6−メチルフェノキシメチル)フェニルアセトニトリ
ル、
【0034】2−(2−フルオロフェノキシメチル)フ
ェニルアセトニトリル、2−(3−クロロフェノキシメ
チル)フェニルアセトニトリル、2−(4−クロロフェ
ノキシメチル)フェニルアセトニトリル、2−(4−ブ
ロモフェノキシメチル)フェニルアセトニトリル、2−
(2,4−ジクロロフェノキシメチル)フェニルアセト
ニトリル、2−(2,5−ジクロロフェノキシメチル)
フェニルアセトニトリル、2−(3−クロロ−4−フル
オロフェノキシメチル)フェニルアセトニトリル、2−
(4−フルオロ−3−メチルフェノキシメチル)フェニ
ルアセトニトリル、2−(2−フルオロ−6−メトキシ
フェノキシメチル)フェニルアセトニトリル、2−(2
−クロロ−4−メチルフェノキシメチル)フェニルアセ
トニトリル、2−(2−クロロ−5−メチルフェノキシ
メチル)フェニルアセトニトリル、2−(4−クロロ−
2−メチルフェノキシメチル)フェニルアセトニトリ
ル、2−(4−クロロ−3−メチルフェノキシメチル)
フェニルアセトニトリル、2−(2−トリフルオロメチ
ルフェノキシメチル)フェニルアセトニトリル、2−
(3−トリフルオロメチルフェノキシメチル)フェニル
アセトニトリル、2−(4−トリフルオロメチルフェノ
キシメチル)フェニルアセトニトリル、
【0035】2−(フェノキシ)フェニルアセトニトリ
ル、2−(フェニルチオ)フェニルアセトニトリル、2
−(N−メチルフェニルアミノ)フェニルアセトニトリ
ル、2−(2−メチルベンジルオキシ)フェニルアセト
ニトリル、2−(フェニルチオメチル)フェニルアセト
ニトリルなどが挙げられる。
【0036】置換フェニルアセトニトリル類〔IV〕は、
不純物として、例えば、その製造時の原料、副生成物等
を含有することができる。
【0037】かかる不純物としては、例えば、置換フェ
ニルアセトニトリル類〔IV〕が以下のルートで製造さ
れる場合は、例えばトルエン誘導体〔IX〕、ベンジルハ
ライド誘導体〔VIII〕、ベンザルハライド誘導体〔X〕
等が挙げられる。 (ルート)(化19)
【化19】
【0038】また以下のルートで製造される場合、不
純物としては、ベンジルハライド誘導体〔VIII' 〕、
α,α’−ジ置換キシレン誘導体〔XI〕等の他、α,
α’−ジハロキシレン誘導体〔VI〕およびこれの製造時
の原料、副生成物等が挙げられる。(ルート)(化2
0)
【化20】
【0039】置換フェニルアセトニトリル類〔IV〕に亜
硝酸アルキルを反応させるにあたり、使用される一般式
〔V〕で示される亜硝酸アルキルとしては、例えば、亜
硝酸メチル、亜硝酸エチル、亜硝酸プロピル、亜硝酸イ
ソプロピル、亜硝酸ブチル、亜硝酸アミル、亜硝酸イソ
アミル、亜硝酸ヘキシルなどが挙げられる。かかる亜硝
酸アルキルは、公知の方法により合成して用いても良い
し、市販品を用いても良い。置換フェニルアセトニトリ
ル誘導体と亜硝酸アルキルとの反応は、塩基の存在下
に、溶媒中で実施される。亜硝酸アルキルの使用量は、
置換フェニルアセトニトリル誘導体1モルに対して通
常、0.8〜10モル、好ましくは1〜2モルである。
反応は、通常、塩基の存在下に実施され、使用される塩
基としては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウ
ム等のアルカリ金属の水酸化物、水酸化カルシウム等の
アルカリ土類金属の水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カ
リウム等のアルカリ金属炭酸塩などの無機塩基などが挙
げられるが、例えば、ナトリウムエトキサイドのような
アルカリ金属アルコキシドなどの有機塩基を使用するこ
ともできる。これらは2種類以上用いることもできる。
塩基の使用量は、置換フェニルアセトニトリル誘導体に
対して、通常、0.8〜10当量、好ましくは1〜2当
量である。
【0040】溶媒は、芳香族系溶媒と低級アルコールと
を組み合わせたものが、通常、用いられ、例えば、ベン
ゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、o−ジク
ロロベンゼン等の芳香族系溶媒などが挙げられるが、特
にトルエンが好ましい。低級アルコールとしては例え
ば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルア
ルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコー
ル、アミルアルコール、イソアミルアルコール、ヘキシ
ルアルコールなどが挙げられるが、メチルアルコールま
たは使用する亜硝酸アルキルと同じアルキル基を有する
低級アルコールが特に好ましい。芳香族系溶媒と低級ア
ルコールとの比率は、芳香族系溶媒に対して低級アルコ
ールを通常、0.01〜0.5重量倍、好ましくは0.
03〜0.2重量倍である。溶媒の使用量は置換フェニ
ルアセトニトリル誘導体に対して1〜10重量倍、好ま
しくは2〜5重量倍である。反応温度は、0〜60℃、
好ましくは10〜40℃である。反応時間は、通常、
0.5〜20時間程度である。
【0041】かくして、α−ヒドロキシイミノフェニル
アセトニトリル類〔I〕を含む反応混合物が得られる
が、該混合物を水で抽出することにより目的物〔I〕を
水層に、不純物を有機層に分離取得することができる。
よって、α−ヒドロキシイミノフェニルアセトニトリル
類〔I〕を高純度で得るためには、反応混合物を水で抽
出することが好ましい。
【0042】水で抽出するにあたっては、反応混合物に
水を加えるが、反応混合物に親水性の有機溶媒が含まれ
る場合は、予め濃縮等の手段により、親水性の有機溶媒
を除去した反応混合物が通常使用される。水は、その総
量が、使用した粗フェニルアセトニトリル類に対して、
通常、約1〜20重量倍程度になるように加えられる。
【0043】また、水に不溶または難溶の有機溶媒、例
えば、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ジエチル
エーテル等のエーテル類、メチルイソブチルケトン等の
ケトン類、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロ
ロベンゼン、o-ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水
素などを加えることも好ましく、かかる有機溶媒の添加
により不純物を効率よく分離することができる。その場
合、有機溶媒は、その総量が加えた水に対して、通常、
約0.1〜5重量倍程度になるように加えられる。
【0044】抽出操作により分取された水層は、更に水
に不溶または難溶の有機溶媒で洗浄することもできる。
【0045】次いで、分取された水層を酸で中和する
が、中和することなしに、次工程原料として供給するこ
ともできる。 酸を使用する場合の酸としては、有機
酸、無機酸いずれを用いても良いが、好ましくは無機酸
である。好ましい無機酸としては、例えば塩酸、硫酸、
硝酸などの鉱酸が挙げられる。酸は、系のpHが7以
下、好ましくは4以下、より好ましくは2以下になるま
で使用される。酸による中和反応は、通常−10ないし
100℃、好ましくは0ないし40℃で実施される。
【0046】かくしてα−ヒドロキシイミノフェニルア
セトニトリル類〔I〕が得られるが、α−ヒドロキシイ
ミノフェニルアセトニトリル類〔I〕は常法により取り
出すことができる。例えば、α−ヒドロキシイミノフェ
ニルアセトニトリル類〔I〕が結晶として得られる場合
は、濾過することにより、油状物として得られた場合
は、例えば有機溶媒で抽出した後、該有機溶媒を留去す
ることにより、単離することができる。また、分液によ
り得た有機層からは、芳香族系溶媒と低級アルコールと
を蒸留により容易に分離、回収することができる。
【0047】次に、置換フェニルアセトニトリル類〔I
V〕の製造方法について説明する。本発明に使用される
置換フェニルアセトニトリル類〔IV〕は特に限定される
ものではないが、例えば前記ルート、等の方法によ
り製造することができる。
【0048】置換フェニルアセトニトリル類〔IV〕をル
ートで製造する場合、例えばトルエン誘導体〔IX〕に
ハロゲンを作用させてベンジルハライド誘導体〔VIII〕
を製造し、次いでこれにシアノ化合物を作用させること
により置換フェニルアセトニトリル類〔IV〕を製造し得
る。
【0049】トルエン誘導体〔IX〕における置換基
1 、R2 としては、例えば、前記と同じものが挙げら
れる。またYとしては、−O−、−S−、−NCH
3 −、−OCH2 −、−CH2 O−、−SCH2 −、−
CH2 S−などが挙げられる。具体的化合物としては、
例えば1-メチル-2- フェノキシベンゼン、1-(2- フルオ
ロフェノキシ)-2-メチルベンゼン、1-(4- ブロモフェノ
キシ)-3-メチルベンゼン、1-(2- メトキシフェノキシ)-
2-メチルベンゼン、1-(2- イソプロポキシフェノキシ)-
4-メチルベンゼン、1-(4- ブトキシフェノキシ)-4-メチ
ルベンゼン、1-(2,3- ジメトキシフェノキシ)-2-メチル
ベンゼン、1-メチル-2-(フェニルチオ)ベンゼン、1-(2-
メトキシフェニルチオ)-3-メチルベンゼン等が挙げら
れる。また、ベンジルハライド誘導体〔VIII〕は、トル
エン誘導体〔IX〕から、例えば特開昭56−16614
2号、特開昭57−18644号公報等に記載の方法に
準拠して製造し得る。
【0050】ベンジルハライド誘導体〔VIII〕にシアノ
化合物を作用させるに当たり、使用するベンジルハライ
ド誘導体〔VIII〕は、不純物、例えばトルエン誘導体
〔IX〕、ベンザルハライド誘導体〔X〕等の不純物を含
んでいる粗ベンジルハライド誘導体であっても良いし、
もちろん高純度のものであっても良い。シアノ化合物と
しては、例えばシアン化ナトリウム、シアン化カリウ
ム、これらの混合物等が挙げられる。また反応系中で、
シアン化水素とアルカリ金属塩、例えば、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム
等と反応させることによって、調製して用いることもで
きる。かかるシアン化合物の使用量は、ベンジルハライ
ド誘導体〔VIII〕に対して通常0.8ないし10倍モル
であり、好ましくは1ないし2倍モルである。
【0051】また反応は、溶媒の存在下で通常実施され
る。かかる溶媒としては、例えば非プロトン性極性溶
媒、例えばジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ドなどが挙げられるが、相間移動触媒の存在下、水と、
水に不溶または難溶の有機溶媒を用いることもできる。
かかる有機溶媒としては、例えばヘキサン、ヘプタン等
の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の
芳香族炭化水素、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタ
ン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン等のハロゲン
化炭化水素、これらの混合物等が挙げられる。溶媒は、
用いるベンジルハライド誘導体に対して、通常1〜10重
量倍使用される。
【0052】また相間移動触媒としては、4級アンモニ
ウム塩、4級ホスホニウム塩等が挙げられるが、好まし
くは4級アンモニウム塩である。4級アンモニウムとし
ては、例えば、臭化テトラ−n−ブチルアンモニウム、
塩化ベンジルトリエチルアンモニウム等が通常用いられ
る。相間移動触媒の使用量は、ベンジルハライド誘導体
〔VIII〕に対して通常0.001ないし1倍モルであ
り、好ましくは0.005ないし0.1倍モルである。
【0053】反応は、通常0℃ないし溶媒の還流温度で
実施される。かくして、シアノ化合物がベンジルハライ
ド誘導体〔VIII〕に選択的に反応して置換フェニルアセ
トニトリル類〔IV〕が生成するが、トルエン誘導体〔I
X〕、ベンザルハライド誘導体〔X〕は、ほぼ定量的に
保持される。得られた反応混合物は、通常の方法、例え
ば水洗後、溶媒を留去した後、あるいは更にトルエン誘
導体〔IX〕等を留去した後、本発明の原料の製造に供す
ることができる。
【0054】また置換フェニルアセトニトリル類〔IV〕
をルートで製造する場合、例えば、塩基の存在下に
α,α’−ジハロキシレン誘導体〔VI〕とフェノール誘
導体〔VII 〕とを反応せしめてベンジルハライド誘導体
〔VIII' 〕を製造し、次いでこれにシアノ化合物を作用
させることによりフェニルアセトニトリル類〔IV' 〕を
含む粗ニトリル類を製造し得る。
【0055】またα,α’−ジハロキシレン誘導体〔V
I〕の具体的化合物としては、例えばα,α’−ジクロ
ロ-o- キシレン、α,α’−ジクロロ-m- キシレン、
α,α’−ジクロロ-p- キシレン、α,α’−ジブロモ
-o- キシレン、α,α’−ジブロモ-m- キシレン、α,
α’−ジブロモ-p- キシレン等が挙げられる。
【0056】またフェノール誘導体〔VII 〕における置
換基R1 、R2 としては、例えば、前記と同じものが挙
げられる。またZとしては、O、Sなどが挙げられる。
具体的化合物としては、例えばフェノール、2-フルオロ
フェノール、3-クロロフェノール、4-クロロフェノー
ル、4-ブロモフェノール、3-トリフルオロメチルフェノ
ール、2-メチルフェノール、4-i-プロピルフェノール、
3-t-ブチルフェノール、2-メトキシフェノール、4-ブト
キシフェノール、2,4-ジクロロフェノール、2,5-ジクロ
ロフェノール、3-クロロ-4- フルオロフェノール、4-フ
ルオロ-3- メチルフェノール、4-クロロ-2- メチルフェ
ノール、2-フルオロ-6- メトキシフェノール、2,4-ジメ
チルフェノール、2,5-ジメチルフェノール、2-メトキシ
-4- メチルフェノール、3,4-ジメトキシフェノール、チ
オフェノール、4-フルオロチオフェノール、2-クロロチ
オフェノール、3-ブロモチオフェノール、2-メトキシチ
オフェノール、2,5-ジクロロチオフェノール、3,4-ジク
ロロチオフェノール、2,4-ジメチルチオフェノール、2,
5-ジメチルチオフェノール、3,5-ジメチルチオフェノー
ル、3−トリフルオロメチルフェノール等が挙げられ
る。
【0057】α,α’−ジハロキシレン誘導体〔VI〕
は、フェノール誘導体〔VII 〕に対して、通常1.5 モル
倍以上、好ましくは2〜6モル倍使用される。また塩基
としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バ
リウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金
属またはアルカリ土類金属の水酸化物、または炭酸塩な
どが挙げられる。その使用量は、フェノール誘導体〔VI
I 〕に対して、通常0.7 〜1.5 モル倍、好ましくは0.9
〜1.2 モル倍使用される。
【0058】反応は通常、溶媒、α,α’−ジハロキシ
レン誘導体〔VI〕、フェノール誘導体〔VII 〕などの混
合物に塩基を滴下することにより実施される。溶媒とし
ては、水、または有機溶媒と水との混合溶媒が通常使用
される。かかる有機溶媒としては、例えばトルエン、キ
シレン等の芳香族炭化水素、ヘキサン、シクロヘキサ
ン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、クロロベンゼン、ジ
クロロベンゼン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタ
ン等のハロゲン化炭化水素、アセトン、メチルイソブチ
ルケトン等のケトン類、ジイソプロピルエーテル、メチ
ル−t−ブチルエーテル等のエーテル類などが挙げられ
る。溶媒の使用量は通常、フェノール誘導体〔VII 〕に
対して1〜20重量倍程度である。また、有機溶媒と水と
の二層系溶媒の存在下に実施する場合は、相間移動触媒
を共存させることも有効である。かかる相間移動触媒と
しては、例えば臭化テトラ−n−ブチルアンモニウム、
塩化ベンジルトリエチルアンモニウム等の四級アンモニ
ウム塩が挙げられる。その使用量は通常、フェノール誘
導体〔VII 〕に対して、0.02〜0.1モル倍であ
る。反応は通常、約20〜100℃で実施される。生成
したベンジルハライド誘導体〔VIII' 〕は、例えば抽
出、蒸留、晶析等の手段により取り出すことができる。
【0059】次いで、ベンジルハライド誘導体〔VIII'
〕にシアノ化合物を作用させることにより、置換フェ
ニルアセトニトリル類〔IV〕を含む粗ニトリル類を製造
し得るが、使用するベンジルハライド誘導体〔VIII' 〕
は、不純物、例えば、α,α’−ジ置換キシレン誘導体
〔XI〕、α,α’−ジハロキシレン誘導体〔VI〕製造時
の原料、副生成物等の不純物などを含む粗ベンジルハラ
イド誘導体であっても良いし、もちろん高純度品であっ
ても良い。シアノ化反応および後処理は、前記ルート
と同じ条件下で実施される。得られる置換フェニルアセ
トニトリル類〔IV〕としては、例えば、置換基R1 、R
2が、前記と同様のものが挙げられる。
【0060】
【発明の効果】相間移動触媒の存在下、炭化水素系溶媒
と水との混合溶媒中でアルコキシイミノ基を有する化合
物を製造することにより、副生物であるニトロン誘導体
の生成を抑制し、純度の高いアルコキシイミノ基を有す
る化合物を高収率で製造することが可能となる。
【0061】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明が実施例により制限されるものでないことは言うま
でもない。
【0062】参考例1−(1) ベンジルハライド類の製
造 攪拌下、トルエン1619gにα,α’−ジクロロ−o
−キシレン788g(4.50mol)、2,5−ジメ
チルフェノール183g(1.50mol)、臭化テト
ラ−n−ブチルアンモニウム24.2g(0.075m
ol)を加えた後、水1246gを加えて60℃に昇温
した。次いで、これに27%水酸化ナトリウム水溶液2
44g(1.65mol)を5時間かけて滴下し、同温
度で3時間保温した後、室温まで冷却した。水層を分液
し、有機層を5%塩酸810gで洗浄、水810gで2
回洗浄した後、α,α’−ジクロロ−o−キシレンを蒸
留により留去して2−(2,5−ジメチルフェノキシメ
チル)ベンジルクロリド279g(1.07mol、収
率71.3%)、1,2−ビス(2,5−ジメチルフェ
ノキシメチル)ベンゼン57.7g(0.167mo
l、収率22.2%)を含む混合物364gを得た。こ
のようにして得られる混合物は、トルエンを加えて希釈
して次工程に用いることができる。
【0063】参考例1−(2) 攪拌下、トルエン140.0gにα,α’−ジクロロ−
o−キシレン113.8g(0.65mol)、2,5
−ジメチルフェノール15.9g(0.13mol)、
臭化テトラ−n−ブチルアンモニウム2.10g(0.
0065mol)を加えた後、水108.0gを加えて
60℃に昇温した。次いで、これに27%水酸化ナトリ
ウム水溶液21.2g(0.143mol)を5時間か
けて滴下し、同温度で2時間保温した後、室温まで冷却
した。水層を分液し、有機層を5%塩酸70.2gで洗
浄、水70.2gで2回洗浄した後、α,α’−ジクロ
ロ−o−キシレンを蒸留により留去して2−(2,5−
ジメチルフェノキシメチル)ベンジルクロリド26.4
g(0.101mol、収率77.8%)、1,2−ビ
ス(2,5−ジメチルフェノキシメチル)ベンゼン3.
08g(0.0089mol、収率13.7%)を含む
混合物33.5gを得た。このようにして得られる混合
物は、トルエンを加えて希釈して次工程に用いることが
できる。
【0064】参考例1−(3) α,α’−ジクロロ−o−キシレン 45.5g(0.
26mol)用いる以外は参考例1−(2) と同様にして
反応、後処理を実施して2−(2,5−ジメチルフェノ
キシメチル)ベンジルクロリド20.7g(0.079
mol、収率61.1%)、1,2−ビス(2,5−ジ
メチルフェノキシメチル)ベンゼン6.97g(0.0
20mol、収率30.9%)を含む混合物36.7g
を得た。
【0065】参考例1−(4) α,α’−ジクロロ−o−キシレン 22.8g(0.
13mol)、2,5−ジメチルフェノール 15.9
g(0.13mol)、臭化テトラ−n−ブチルアンモ
ニウム 2.10g(0.0065mol)にトルエン
140.3gを加え、次に水を108.0gを加えて
攪拌し、該混合物に27%水酸化ナトリウム水溶液2
1.2g(0.143mol)を60℃で5時間かけて
滴下し、さらに60℃で9時間保温した。該反応液を室
温まで冷却した後、水層を分液した。有機層を5%塩酸
70.2gで洗浄した後、水 70.2gで2回洗浄し
た。有機層を濃縮することにより2−(2,5−ジメチ
ルフェノキシメチル)ベンジルクロリド12.1g
(0.0464mol、収率35.7%)、1,2−ビ
ス(2,5−ジメチルフェノキシメチル)ベンゼン1
1.7g(0.0338mol、収率52.0%)を含
む混合物25.7gを得た。
【0066】参考例1−(5) 参考例1−(1) において、2,5−ジメチルフェノール
183g(1.50mol)の代わりに、4−クロロ
−2−メチルフェノール 214g(1.50mol)
を用い、60℃で3時間保温する以外は、参考例1−
(1) に準拠して実施した。2−(4−クロロ−2−メチ
ルフェノキシメチル)ベンジルクロリドを含む溶液38
1gが得られ、これをガスクロマトグラフィーで分析し
た結果、2−(4−クロロ−2−メチルフェノキシメチ
ル)ベンジルクロリドの含量は72.0%であった。2
−(4−クロロ−2−メチルフェノキシメチル)ベンジ
ルクロリドの収率は4−クロロ−2−メチルフェノール
基準で65.0%であった。2−(4−クロロ−2−メ
チルフェノキシメチル)ベンジルクロリドのうち117
gを減圧下に単蒸留し、沸点162〜176℃(0.4
〜0.6mmHg)の留分58.9gを得た。ガスクロ
マトグラフィーで分析した結果、2−(4−クロロ−2
−メチルフェノキシメチル)ベンジルクロリドの純度は
93.2%であった。
【0067】参考例2−(1) フェニルアセトニトリル
類の製造 水266g、シアン化ナトリウム66.6g(1.36
mol)、臭化テトラ−n−ブチルアンモニウム16.
4g(0.051mol)、トルエン439gからなる
混合物を攪拌下、80℃に昇温した後、参考例1−(2)
に準拠して製造した2−(2,5−ジメチルフェノキシ
メチル)ベンジルクロリド266g(1.02mo
l)、1,2−ビス(2,5−ジメチルフェノキシメチ
ル)ベンゼン56.5g(0.163mol)を含む混
合物のトルエン溶液715gを5時間かけて滴下し、同
温度でさらに3時間保温した。次いで、室温まで冷却し
て水層を分液し、有機層を1%水酸化ナトリウム水溶液
379gで3回洗浄、水379gで洗浄した後、10%
食塩水379gで洗浄し、1141gの有機層を得た。
該有機層のうち716gに11%次亜塩素酸ナトリウム
水溶液43.3g(0.064mol)を加え、23℃
で3時間攪拌した後、析出した不溶分を濾過により除去
した。有機層を10%亜硫酸ナトリウム水溶液100g
で洗浄、次いで水100gで洗浄し、さらに10%食塩
水で洗浄した後、濃縮することにより2−(2,5−ジ
メチルフェノキシメチル)フェニルアセトニトリル15
7.1g(0.625mol、収率97.7%)、1,
2−ビス(2,5−ジメチルフェノキシメチル)ベンゼ
ン35.4g(0.102mol、回収率99.5%)
を含む混合物531.4gを得た。
【0068】参考例2−(2) 参考例1−(1) に準拠して、2−(2,5−ジメチルフ
ェノキシメチル)ベンジルクロリド292g(1.12
mol、収率69.9%)、1,2−ビス(2,5−ジ
メチルフェノキシメチル)ベンゼン64.3g(0.1
86mol、収率23.2%)を含む混合物372gを
得た。
【0069】水241g、シアン化ナトリウム60.2
g(1.23mol)、臭化テトラ−n−ブチルアンモ
ニウム16.4g(0.051mol)、トルエン67
0gからなる混合物を攪拌下、80℃に昇温した後、上
記で製造した混合物338gにトルエン84.5gを加
えた混合物を5時間かけて滴下し、同温度でさらに2.
75時間保温した。次いで、室温まで冷却して水層を分
液し、有機層を1%水酸化ナトリウム水溶液345gで
洗浄、水345gで2回洗浄した後、濃縮することによ
り2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)フェニル
アセトニトリル248g(0.987mol、収率9
7.1%)、1,2−ビス(2,5−ジメチルフェノキ
シメチル)ベンゼン57.5g(0.166mol、回
収率98.3%)を含む混合物306gを得た。
【0070】参考例2−(3) 水196g、トルエン324g、シアン化ナトリウム4
9.0g(1.00mol)、臭化テトラ−n−ブチル
アンモニウム12.9g(0.040mol)からなる
混合物を攪拌下、80℃に昇温した後、参考例1−(5)
で製造した混合物を含む溶液313gにトルエン313
gを加えた混合物を5時間かけて滴下し、同温度でさら
に3時間保温した。次いで、室温まで冷却して水層を分
液し、有機層を5%水酸化ナトリウム水溶液338gで
3回洗浄、水338gで洗浄、10%塩化ナトリウム水
溶液338gで洗浄した後、濃縮することにより2−
(4−クロロ−2−メチルフェノキシメチル)フェニル
アセトニトリル202g(0.745mol、収率9
3.2%)、1,2−ビス(4−クロロ−2−メチルフ
ェノキシメチル)ベンゼン66.2g(0.171mo
l、回収率99.4%)を含む混合物725gを得た。
【0071】参考例3−(1) α−ヒドロキシイミノフ
ェニルアセトニトリル類の製造 水500g、トルエン434g、亜硝酸ナトリウム10
3.5g(1.50mol)およびn−ブタノール11
3.4g(1.53mol)からなる混合物を攪拌下、
0℃に冷却した後、35%塩酸156.3g(1.50
mol)を5時間かけて滴下し、さらに同温度で2時間
保温した。該混合物を分液し、有機層を4%炭酸水素ナ
トリウム水溶液250gで2回洗浄し、さらに20%食
塩水250gで洗浄した。かくして得られた亜硝酸ブチ
ルのトルエン溶液をガスクロマトグラフィー内部標準法
により分析した結果、亜硝酸ブチルの含量は26.1
%、収率は、亜硝酸ナトリウムに対して、98.7%で
あった。
【0072】参考例2−(1) に準拠して得た2−(2,
5−ジメチルフェノキシメチル)フェニルアセトニトリ
ル155.8g(0.620mol)および1,2−ビ
ス(2,5−ジメチルフェノキシメチル)ベンゼン3
5.1g(0.101mol)を含む混合物のトルエン
溶液527.2gに22−25℃、攪拌下で水酸化カリ
ウム50.3g(0.896mol)、n−ブタノール
125.7gを加えた後、上記に準拠して製造した亜硝
酸ブチル79.2g(0.768mol)を含むトルエ
ン溶液308.3gを同温度で5時間かけて滴下し、同
温度でさらに2時間保温した。該反応混合物に水620
gを加えて60℃に加熱し、同温度でさらに3時間保温
した。この混合物を減圧下に加熱し、水を随時追加しな
がら、トルエン、n−ブタノールを留去した後、トルエ
ン300gで2回洗浄した。かくしてα−ヒドロキシイ
ミノ−2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)フェ
ニルアセトニトリルのカリウム塩189.1g(0.5
94mol、収率95.8%、E/Z=15/85)を
含む水溶液1262.7gを得た。1,2−ビス(2,
5−ジメチルフェノキシメチル)ベンゼンは水溶液中に
は認められず、洗浄したトルエン594g中に33.7
g(0.097mol、回収率96.1%)含まれてい
た。
【0073】参考例3−(2) 室温、攪拌下、トルエン50.42gに、参考例2−
(2) で得られた混合物29.77g、メタノール6.4
6g、水酸化カリウム6.46g(115mmol)を
加えた後、これに市販の亜硝酸ブチル11.87g(1
15mmol)を同温度で2時間かけて滴下し、同温度
でさらに3時間攪拌した。得られた104gの均一溶液
を2分割した。次いで、2分割した一方の溶液52gに
水50gを加えて、抽出、分液し、得られた水層をトル
エン25mlで2回洗浄した後、15℃に冷却して、3
6%塩酸を用いてpHを1とした。これにジエチルエー
テル50mlを加えて抽出、分液した後、水層をさらに
ジエチルエーテル25mlで2回抽出し、得られたエー
テル層をすべて合わせ、これを10%食塩水30mlで
3回洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮することに
より微桃色の固体13.65gを得た。高速液体クロマ
トグラフィーで分析したところα−ヒドロキシイミノ−
2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)フェニルア
セトニトリルの含量は、95.1%(収率96.5%、
E/Z=20/80)であった。1,2−ビス(2,5
−ジメチルフェノキシメチル)ベンゼンは含まれていな
かった。
【0074】参考例3−(3) 参考例3−(2) で2分割したもう一方の溶液52gを1
5℃に冷却して、36%塩酸を用いてpHを1とした
後、ジエチルエーテル50ml、水25mlを加えて抽
出、分液した後、水層をさらにジエチルエーテル25m
lで2回抽出し、得られたエーテル層をすべて合わせ、
これを10%食塩水30mlで3回洗浄、無水硫酸ナト
リウムで乾燥、濃縮することにより茶色の固体17.6
5gを得た。α−ヒドロキシイミノ−2−(2,5−ジ
メチルフェノキシメチル)フェニルアセトニトリルの含
量は74.5%(収率97.7%、E/Z=20/8
0)であった。1,2−ビス(2,5−ジメチルフェノ
キシメチル)ベンゼンの含量は15%であった。
【0075】参考例3−(4) 参考例2−(2) に準拠して製造した2−(2,5−ジメ
チルフェノキシメチル)フェニルアセトニトリル75.
40g(300mmol)および1,2−ビス(2,5
−ジメチルフェノキシメチル)ベンゼン17.54g
(50.6mmol)を含む混合物のトルエン溶液26
4.5gに、攪拌下、室温で水酸化カリウム23.57
g(420mmol)、n−ブタノール58.93gを
加えた後、参考例3−(1) に準拠して製造した亜硝酸ブ
チル37.12g(360mmol)を含むトルエン溶
液142.1gを同温度で5時間かけて滴下し、同温度
でさらに2.8時間保温した。得られた486.9gの
均一溶液に水298gを加えて50℃に加熱し、同温度
でさらに3時間保温した。この混合物を減圧下に加熱
し、水を随時追加しながらトルエン、n−ブタノールを
留去して635gにまで濃縮した後、トルエン150g
で2回洗浄した。かくしてα−ヒドロキシイミノ−2−
(2,5−ジメチルフェノキシメチル)フェニルアセト
ニトリルのカリウム塩91.15g(286mmol、
収率95.4%、E/Z=18/82)を含む水溶液6
24.9gを得、これを36%塩酸で中和した。1,2
−ビス(2,5−ジメチルフェノキシメチル)ベンゼン
は、水溶液中に確認されず、洗浄後のトルエン層299
g中に17.43g(50.3mmol、回収率99.
4%)含まれていた。
【0076】参考例3−(5) 参考例2−(3) で製造した2−(4−クロロ−2−メチ
ルフェノキシメチル)フェニルアセトニトリル188.
9g(695mmol)および1,2−ビス(4−クロ
ロ−2−メチルフェノキシメチル)ベンゼン61.8g
(160mmol)を含む混合物のトルエン溶液67
6.1gに、攪拌下、室温で水酸化カリウム56.8g
(978mmol)、n−ブタノール142gを加えた
後、亜硝酸ブチル86.47g(839mmol)を同
温度で5時間かけて滴下し、同温度でさらに3時間保温
した。得られた961gの均一溶液に水588gを加
え、この混合物を減圧下に加熱し、水を随時追加しなが
らトルエン、n−ブタノールを留去して1271gにま
で濃縮した後、トルエン350gで2回洗浄した。かく
してα−ヒドロキシイミノ−2−(4−クロロ−2−メ
チルフェノキシメチル)フェニルアセトニトリルのカリ
ウム塩239.7g(707mmol、収率102%)
を含む水溶液1288gを得、これを36%塩酸で中和
した。1,2−ビス(4−クロロ−2−メチルフェノキ
シメチル)ベンゼンは、水溶液中に確認されず、洗浄後
のトルエン層683g中に61.8g(160mmo
l、回収率100%)含まれていた。
【0077】実施例1 トルエン185gと臭化テトラ−n−ブチルアンモニウ
ム3.70g(0.0115mol)の混合物中に、ジ
メチル硫酸34.8g(0.276mol)とα−ヒド
ロキシイミノ−2−(2,5−ジメチルフェノキシメチ
ル)フェニルアセトニトリルのカリウム塩69.6g
(0.219mol)を含む水溶液461gとを20〜
25℃を保ちながら5時間かかって同時に滴下し、引き
続き同温度で1時間反応させた。反応液から水層を分液
して除去し、有機層を5%水酸化ナトリウム水溶液65
gで洗浄した後、10%食塩水65gで2回洗浄して、
α−メトキシイミノ−2−(2,5−ジメチルフェノキ
シメチル)フェニルアセトニトリルを含むトルエン溶液
392gを得た。得られたトルエン溶液を高速液体クロ
マトグラフィーにより分析したところα−メトキシイミ
ノ−2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)フェニ
ルアセトニトリルの収率は96.5%であった。一方、
副生物であるニトロン体の収率は3.4%であった。
【0078】上記のα−メトキシイミノ−2−(2,5
−ジメチルフェノキシメチル)フェニルアセトニトリル
を含むトルエン溶液のうち10.82gを減圧下に濃
縮、乾燥してα−メトキシイミノ−2−(2,5−ジメ
チルフェノキシメチル)フェニルアセトニトリル1.9
1gを得た。高速液体クロマトグラフィーにより分析し
たところα−メトキシイミノ−2−(2,5−ジメチル
フェノキシメチル)フェニルアセトニトリルの含量は8
8.9%であった。
【0079】実施例2 トルエン 17g、水 20g、水酸化カリウム 1.
39g(24.0mmol)、参考例3−(2) に準拠し
て製造したα−ヒドロキシイミノ−2−(2,5−ジメ
チルフェノキシメチル)フェニルアセトニトリル 5.
94g(20.0mmol、E/Z=20/80)、臭
化テトラ−n−ブチルアンモニウム 0.32g(1.
00mmol)の混合物中にジメチル硫酸3.03g
(24.0mmol)を20〜25℃を保ちながら5時
間かかって滴下し、引き続き同温度で1時間保温して反
応させた。反応液から水層を分液して除去し、有機層は
水で2回洗浄した後、濃縮することによりα−メトキシ
イミノ−2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)フ
ェニルアセトニトリルを含む固体6.17gを得た。高
速液体クロマトグラフィーにより分析したところα−メ
トキシイミノ−2−(2,5−ジメチルフェノキシメチ
ル)フェニルアセトニトリルの収率は81.3%(E/
Z=8/92)であった。一方、副生物であるニトロン
体の収率は15.6%(E/Z=81/19)であっ
た。
【0080】比較例1 トルエン 17g、水 20g、水酸化カリウム 1.
39g(24.0mmol)、実施例3−(2) に準拠し
て製造したα−ヒドロキシイミノ−2−(2,5−ジメ
チルフェノキシメチル)フェニルアセトニトリル 5.
94g(20.0mmol、E/Z=20/80)の混
合物中にジメチル硫酸3.03g(24.0mmol)
を20〜25℃を保ちながら5時間かかって滴下し、引
き続き同温度で1時間保温して反応させた。反応液から
水層を分液して除去し、有機層は水で2回洗浄した後、
濃縮することによりα−メトキシイミノ−2−(2,5
−ジメチルフェノキシメチル)フェニルアセトニトリル
を含む固体6.08gを得た。高速液体クロマトグラフ
ィーにより分析したところα−メトキシイミノ−2−
(2,5−ジメチルフェノキシメチル)フェニルアセト
ニトリルの収率は71.7%(E/Z=6/94)であ
った。一方、副生物であるニトロン体の収率は23.9
%(E/Z=64/36)であった。
【0081】実施例3 トルエン 101gと臭化テトラ−n−ブチルアンモニ
ウム 0.91g(2.8mmol)の混合物中に、ジ
メチル硫酸 8.57g(67.9mmol)と参考例
3−(5) に準拠して製造したα−ヒドロキシイミノ−2
−(4−クロロ−2−メチルフェノキシメチル)フェニ
ルアセトニトリルのカリウム塩 17.7g(52.3
mmol)を含む水溶液111gとを20〜25℃を保
ちながら3時間かかって同時に滴下し、引き続き同温度
で2時間反応させた。反応液から水層を分液して除去
し、有機層を5%水酸化ナトリウム水溶液47gで洗浄
した後、10%食塩水47gで2回洗浄してα−メトキ
シイミノ−2−(4−クロロ−2−メチルフェノキシメ
チル)フェニルアセトニトリルを含むトルエン溶液24
9gを得た。得られたトルエン溶液を高速液体クロマト
グラフィーにより分析したところα−メトキシイミノ−
2−(4−クロロ−2−メチルフェノキシメチル)フェ
ニルアセトニトリルの収率は98.5%であった。
【0082】実施例4 トルエン977gと臭化テトラ−n−ブチルアンモニウ
ム9.44g(0.029mol)の混合物中に、ジメ
チル硫酸84.3g(0.668mol)と参考例3−
(1) に準拠して製造したα−ヒドロキシイミノ−2−
(2,5−ジメチルフェノキシメチル)フェニルアセト
ニトリルのカリウム塩177.2g(0.557mo
l、E/Z=15/85)を含む水溶液1267.6g
とを23〜25℃を保ちながら4.8時間かかって同時
に滴下し、引き続き同温度で2.5時間反応させた。反
応液から水層を分液して除去し、有機層を5%水酸化ナ
トリウム水溶液489gで洗浄した後、10%食塩水1
76gで洗浄して、α−メトキシイミノ−2−(2,5
−ジメチルフェノキシメチル)フェニルアセトニトリル
を含むトルエン溶液1182.7gを得た。(色相は5
倍希釈でガードナースケール 16であった。)該トル
エン溶液1162.7gに11%次亜塩素酸ナトリウム
水溶液37.0g(0.055mol)を26℃で滴下
した後、同温度で3時間攪拌を続けた。反応混合物に5
%亜硫酸ナトリウム水溶液138gを加え、該有機層を
5%食塩水400gで洗浄した後、10%食塩水200
gで洗浄した後、少量析出した固体を濾過により除去
し、濾液を静置、分液して水層を除去し、有機層を濃縮
することによりα−メトキシイミノ−2−(2,5−ジ
メチルフェノキシメチル)フェニルアセトニトリルを含
むトルエン溶液1169.9gを得た。(色相は5倍希
釈でガードナースケール 10であった。)得られたト
ルエン溶液を高速液体クロマトグラフィーにより分析し
たところα−メトキシイミノ−2−(2,5−ジメチル
フェノキシメチル)フェニルアセトニトリルの収率は9
8.5%(E/Z=17/83)であった。
【0083】実施例5 トルエン 1184gと臭化テトラ−n−ブチルアンモ
ニウム 17.3g(0.054mol)の混合物中
に、ジメチル硫酸 163g(1.29mol)と参考
例3−(2) に準拠して製造したα−ヒドロキシイミノ−
2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)フェニルア
セトニトリルのカリウム塩 344g(1.08mo
l、E/Z=16/84)を含む水溶液1866gとを
20〜25℃を保ちながら5時間かかって同時に滴下
し、引き続き同温度で1時間反応させた。反応液から水
層を分液して除去し、有機層を5%水酸化ナトリウム水
溶液で洗浄した後、10%食塩水296gで2回洗浄し
て、α−メトキシイミノ−2−(2,5−ジメチルフェ
ノキシメチル)フェニルアセトニトリルを含むトルエン
溶液1841gを得た。得られたトルエン溶液を高速液
体クロマトグラフィーにより分析したところα−メトキ
シイミノ−2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)
フェニルアセトニトリルの収率は91.6%(E/Z=
18/82)であった。一方、副生物であるニトロン体
の収率は5.7%(E/Z=91/9)であった。
【0084】実施例6 トルエン 924gと臭化テトラ−n−ブチルアンモニ
ウム 13.6g(0.042mol)の混合物中に、
ジメチル硫酸 127g(1.01mol)と参考例3
−(2) に準拠して製造したα−ヒドロキシイミノ−2−
(2,5−ジメチルフェノキシメチル)フェニルアセト
ニトリルのカリウム塩 268g(0.84mol、E
/Z=19/81)を含む水溶液1460gとを20〜
25℃を保ちながら5時間かかって同時に滴下し、引き
続き同温度で1.5時間反応させた。反応液から水層を
分液して除去し、有機層を5%水酸化ナトリウム水溶液
1000gで洗浄した後、10%食塩水250gで2回
洗浄した後、有機層を減圧下に濃縮、乾燥してα−メト
キシイミノ−2−(2,5−ジメチルフェノキシメチ
ル)フェニルアセトニトリル 245gを得た。高速液
体クロマトグラフィーにより分析したところα−メトキ
シイミノ−2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)
フェニルアセトニトリルの含量は89.6%、収率は8
8.6%(E/Z=17/83)であった。一方、副生
物であるニトロン体の含量は4.8%、収率は4.7%
(E/Z=91/9)であった。
【0085】実施例7 実施例3に準拠して製造したα−メトキシイミノ−2−
(4−クロロ−2−メチルフェノキシメチル)フェニル
アセトニトリル116g(367mmol、E/Z=2
1.4/78.6)を含むトルエン溶液1720gを溶媒留去
した後、減圧下に乾燥させたところ、褐色粉末123g
を得た。これにトルエン262gを加えて溶解し、再結
晶させたところ白色粉末77.2gを得た(回収率6
6.8%)。これを高速液体クロマトグラフィーにより
分析したところα−メトキシイミノ−2−(4−クロロ
−2−メチルフェノキシメチル)フェニルアセトニトリ
ルの純度は99.7%(E/Z= 0.3/99.7)であっ
た。この晶析母液を濃縮、乾燥して得られた粘調固体4
5.53gのうち20g(純度84.6%、E/Z=6
3.5/36.5)にトルエン48.2gと36%塩酸27.2g(2
67mmol)とを加え、80℃に昇温し、同温度で2
3時間反応させた。得られた反応液に水30gを加え、
水層を分液して除去した後、水30gで2回洗浄し、全
量が56.4gになるまで溶媒を減圧下に留去した。こ
れを高速液体クロマトグラフィーにより分析したところ
E/Z比が29.0/71.0に変化していた。これを再結晶さ
せたところ、α−メトキシイミノ−2−(4−クロロ−
2−メチルフェノキシメチル)フェニルアセトニトリル
の白色粉末8.33gを得た(回収率16.3%)。こ
れを高速液体クロマトグラフィーにより分析したとこ
ろ、α−メトキシイミノ−2−(4−クロロ−2−メチ
ルフェノキシメチル)フェニルアセトニトリルの純度は
96.6%(E/Z= 0.8/99.2)であった。
【0086】参考例4 原料の製造 (1) 2−フェノキシベンジルブロミドの製造 2−フェノキシトルエン120.0g(651mmo
l)をクロロベンゼン240gに溶解させ、135ない
し140℃に加熱し還流させた。該溶液中に、140な
いし150℃に加熱した気体臭素105.0g(657
mmol)を、4時間かけて吹き込み、さらに135な
いし140℃で1.5時間攪拌を続けた。次いで、室温
まで放冷することにより、2−フェノキシベンジルブロ
ミド122.9g(467mmol、収率71.7
%)、2−フェノキシトルエン16.5g(89.3m
mol、回収率13.7%)、および2−フェノキシベ
ンザルブロミド32.0g(93.6mmol、収率1
4.4%)を含むクロロベンゼン溶液(408.1g)
を得た。
【0087】(2) 2−フェノキシフェニルアセトニトリ
ルの製造 上記のクロロベンゼン溶液(393.3g)に、テトラ
−n−ブチルアンモニムブロミド7.25g(22.5
mmol)を加えて78ないし82℃に加熱し、これに
に30%シアン化ナトリウム水溶液80.9g(495
mmol)を3時間かけて滴下した後、さらに78ない
し82℃で2時間攪拌を続けた。次いで、室温まで放冷
し、二層に分離した反応液を分液して有機層を得、該有
機層を水で洗浄した後、濃縮した。かくして、2−フェ
ノキシフェニルアセトニトリル92.6g(442mm
ol、収率98.3%)、2−フェノキシトルエン1
5.8g(85.7mmol、回収率99.7%)、お
よび2−フェノキシベンザルブロミド30.9g(9
0.4mmol、回収率100%)を含む混合物を得
た。
【0088】参考例5 α−ヒドロキシイミノ−2−フェノキシフェニルアセト
ニトリルの製造例 (1) 亜硝酸メチルの調製 亜硝酸ナトリウム35.6g(516mmol)、メタ
ノール17.9g(559mmol)および水21.5
gからなる混合物を、室温で緩やかに撹拌して懸濁液と
した。室温、撹拌下、該懸濁液に60%硫酸44.28
g(271mmol)を8時間かけて滴下することによ
り、気体の亜硝酸メチル(約516mmol)を8時間
かけて発生させ、次反応に用いた。
【0089】(2) α−ヒドロキシイミノ−2−フェノキ
シフェニルアセトニトリルの製造 水酸化ナトリウム21.3g(516mmol)をメタ
ノール116.3gに溶かし、これに、参考例4で製造
した2−フェノキシフェニルアセトニトリル90.0g
(430mmol)、2−フェノキシトルエン15.3
g(83.3mmol)、および2−フェノキシベンザ
ルブロミド30.1g(87.9mmol)を含む混合
物のクロロベンゼン溶液(367.1g)を混合し、室
温で撹拌した。次いで、該混合物に、(1) で調製した亜
硝酸メチル31.5g(約516mmol)を8時間か
けて吹き込み、さらに室温で15時間攪拌を続けた。該
反応混合物を濃縮してメタノールおよびその他の低沸成
分を留去した後、水300ml,およびトルエン300
mlを添加して抽出、分液した。得られた水層は、さら
にトルエン150mlで2回洗浄した。
【0090】得られた有機層をすべて合わせた後、濃縮
して、2−フェノキシフェニルアセトニトリル0.64
g(3mmol、回収率0.7%)、2−フェノキシト
ルエン15.3g(83.3mmol、回収率100
%)、および2−フェノキシベンザルブロミド22.4
g(65.6mmol、回収率74.6%)を含む混合
物を得た。一方、得られた水層を0ないし5℃に冷却
し、97%硫酸30.3g(309mmol)を0ない
し10℃で滴下して、該反応混合物のpHを2以下とし
た。次いで、室温でトルエン400mlを加えて抽出、
分液し、水層はさらにトルエン150mlで1回抽出し
た。得られた有機層をすべて合わせ、食塩水150ml
で洗浄した後、濃縮することにより、α−ヒドロキシイ
ミノ−2−フェノキシフェニルアセトニトリル93.7
g(393mmol、収率91.4%)を得た。このも
のの純度は、高速液体クロマトグラフ法により分析した
ところ99.5%であった。
【0091】参考例6 (1) 2−フェノキシベンジルブロミドの蒸留 参考例4の(1) に準拠して製造した2−フェノキシベン
ジルブロミド28.97g(110mmol)、2−フ
ェノキシトルエン4.68g(25.4mmol)、2
−フェノキシベンザルブロミド5.41g(15.8m
mol)を含むクロロベンゼン溶液(91.68g)を
減圧下で蒸留し、沸点133〜134℃/0.3mmH
gの留分を集めることにより、2−フェノキシベンジル
ブロミド16.86g(64.1mmol、蒸留収率5
8.2%)を得た。ガスクロマトグラフィーにより分析
したところ、含量は93.8%であった。
【0092】(2) 2−フェノキシフェニルアセトニトリ
ルの蒸留 参考例4の(2) に準拠して製造した2−フェノキシフェ
ニルアセトニトリル130.9g(626mmol)、
2−フェノキシトルエン23.8g(129mmo
l)、2−フェノキシベンザルブロミド41g(120
mmol)を含むトルエン溶液440.8gを減圧下で
蒸留し、沸点159℃/3mmHgの留分を集めること
により、2−フェノキシフェニルアセトニトリル10
1.9g(487mmol、蒸留収率77.8%)を得
た。ガスクロマトグラフィーにより分析したところ、含
量は98.2%であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 323/63 7419−4H // C07B 61/00 300 (72)発明者 桝井 盛泰 滋賀県甲賀郡甲賀町大字五反田1405番地 塩野義製薬株式会社内 (72)発明者 増本 勝久 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住友化 学工業株式会社内 (72)発明者 中村 明彦 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住友化 学工業株式会社内 (72)発明者 清島 裕二郎 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住友化 学工業株式会社内 (72)発明者 佐々木 幹雄 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住友化 学工業株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】相間移動触媒の存在下、炭化水素系溶媒と
    水との混合溶媒中で、一般式〔I〕(化1) 【化1】 (式中、R1 およびR2 は同一または相異なり、炭素数
    1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭
    素数2〜4のアルケニル基、水素原子、ハロゲン原子、
    またはトリフルオロメチル基を表わし、Yは−O−、−
    S−、−NCH3−、−CH2 O−、−OCH2 −、−
    CH2 S−または−SCH2 −を表わし、Aは水素原
    子、アルカリ金属、またはアルカリ土類金属を表わ
    す。)で示されるα−ヒドロキシイミノフェニルアセト
    ニトリル誘導体と一般式〔II〕(化2) 【化2】(R3 2 SO4 〔II〕 (R3 は炭素数1〜5のアルキル基を表わす。)で示さ
    れるジアルキル硫酸とを反応させることを特徴とする一
    般式〔III 〕(化3) 【化3】 (式中、R1 、R2 、R3 およびYは前記と同じ意味を
    表わす。)で示されるα−アルコキシイミノフェニルア
    セトニトリル誘導体の製造法。
  2. 【請求項2】炭化水素系溶媒が、芳香族系溶媒である請
    求項1記載の製造法。
  3. 【請求項3】芳香族系溶媒が、ベンゼン、トルエン、キ
    シレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼンから選
    ばれる請求項2記載の製造法。
  4. 【請求項4】芳香族系溶媒が、トルエンである請求項2
    記載の製造法。
  5. 【請求項5】相間移動触媒が、4級アンモニウム塩であ
    る請求項1記載の製造法。
  6. 【請求項6】α−ヒドロキシイミノフェニルアセトニト
    リル誘導体が、α−ヒドロキシイミノ−2−(2−メチ
    ルフェノキシメチル)フェニルアセトニトリル、α−ヒ
    ドロキシイミノ−2−(2,5−ジメチルフェノキシメ
    チル)フェニルアセトニトリル、またはα−ヒドロキシ
    イミノ−2−(4−クロロ−2−メチルフェノキシメチ
    ル)フェニルアセトニトリルである請求項1記載の製造
    法。
  7. 【請求項7】一般式〔I〕で示されるα−ヒドロキシイ
    ミノフェニルアセトニトリル誘導体が、一般式〔IV〕
    (化4) 【化4】 (式中、R1 、R2 およびYは、前記と同じ意味を表わ
    す。)で示される置換フェニルアセトニトリル誘導体
    と、一般式〔V〕(化5) 【化5】R4 −ONO 〔V〕 (式中、R4 は、炭素数1〜6のアルキル基を表わ
    す。)で示される亜硝酸アルキルとを反応させることに
    より製造される請求項1記載の製造法。
  8. 【請求項8】一般式〔IV〕で示される置換フェニルアセ
    トニトリル誘導体が、一般式〔VIII〕(化6) 【化6】 (式中、R1 、R2 、XおよびYは、前記と同じ意味を
    表わす。)で示されるベンジルハライド誘導体とシアノ
    化合物とを反応させることにより製造される請求項7記
    載の製造法。
  9. 【請求項9】一般式〔VIII〕で示されるベンジルハライ
    ド誘導体が、一般式〔IX〕(化7) 【化7】 (式中、R1 、R2 およびYは、前記と同じ意味を表わ
    す。)で示されるトルエン誘導体とハロゲン原子とを反
    応させることにより製造される請求項8記載の製造法。
  10. 【請求項10】一般式〔IV〕で示される置換フェニルア
    セトニトリル誘導体のYが、−OCH2 −、−SCH2
    −である請求項7記載の製造法。
  11. 【請求項11】一般式〔IV〕で示される置換フェニルア
    セトニトリル誘導体が、一般式〔VIII〕(化8) 【化8】 (式中、R1 およびR2 は、前記と同じ意味を表わし、
    Yは、−OCH2 −、−SCH2 −を表わし、Xは、ハ
    ロゲン原子を表わす。)で示されるベンジルハライド誘
    導体とシアノ化合物とを反応させることにより製造され
    る請求項10記載の製造法。
  12. 【請求項12】一般式〔VIII〕で示されるベンジルハラ
    イド誘導体が、一般式〔VI〕(化9) 【化9】 (式中、Xは、前記と同じ意味を表わす。)で示される
    α,α’−ジハロキシレン誘導体と、一般式〔VII 〕
    (化10) 【化10】 (式中、R1 およびR2 は、前記と同じ意味を表わし、
    Zは、OまたはSを表わす。)で示されるフェノール誘
    導体の金属塩とを反応させることにより製造される請求
    項11記載の製造法。
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