JPH0769922A - アンジオテンシン変換酵素阻害蛋白分解物 - Google Patents

アンジオテンシン変換酵素阻害蛋白分解物

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JPH0769922A
JPH0769922A JP5212702A JP21270293A JPH0769922A JP H0769922 A JPH0769922 A JP H0769922A JP 5212702 A JP5212702 A JP 5212702A JP 21270293 A JP21270293 A JP 21270293A JP H0769922 A JPH0769922 A JP H0769922A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 原料ゴマから溶解抽出、沈殿して得られたゴ
マ蛋白質に蛋白分解酵素を作用させ、アンジオテンシン
変換酵素阻害活性を有する蛋白分解物を得る。 【効果】 この蛋白分解物は、優れたアンジオテンシン
変換酵素阻害活性を有しており、血圧降下剤もしくは高
血圧予防食品として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、汎用食品たるゴマに蛋
白分解酵素を作用させて調製した、血圧降下剤または高
血圧予防食品等への利用に有用な、アンジオテンシン変
換酵素(Angiotensin Converting Enzyme:以下、「AC
E」と称する)活性を阻害する蛋白分解物に関する。
【0002】
【従来の技術】代表的な成人病とされている高血圧症
は、年々その患者数が増加しており、以前からその原因
究明ならびに有効な対策の研究がなされて来た。 高血
圧症の発症には、レニン・アンジオテンシン系と呼ばれ
る昇圧酵素系とカリクレイン・キニン系と呼ばれる降圧
酵素系が重要な役割を果たしていることは周知である。
【0003】それによると、その酵素系において、アン
ジオテンシン変換酵素は、アンジオテンシンIを強力な
昇圧ペプチドであるアンジオテンシン■に変換するとと
もに、降圧ペプチドであるブラジキニンを不活性化する
作用を示し、血圧上昇に深く関与する。
【0004】従って、ACEの活性を阻害することは血
圧上昇を抑制する作用と密接な相関があり、この認識に
立って、これまでACE阻害活性を有する多くの物質が
探索され、報告されてきた。
【0005】すなわち、食品成分についてもACE阻害
活性を有する成分が数多く研究されており、例えば、ゼ
ラチンのコラギナーゼ消化物〔特開昭52−148631号〕、
牛由来カゼインのトリプシン分解物〔特開昭57− 15435
号、特公昭60− 23086号、特公昭60− 23087号〕、ゼイ
ン(γ−ゼイン)のサーモライシン分解物〔特開平2−
36127号〕、イワシ筋肉のペプシン分解物〔特開平3−
11097号〕、あるいはカツオのサーモライシン分解物
〔特開平4−144696号〕に含まれるACE阻害成分・阻
害物質などが報告されている。
【0006】また、本発明の蛋白分解物の出発物質たる
ゴマ (Sesamun indicum L.) は、古来より中国や日本で
は「不老長寿の秘薬」などとされていたが、その有効成
分ならびに作用機序については明確ではなかった。 最
近になって、ゴマ油の酸化安定性に寄与しているセサミ
ノールに、生体内の過酸化反応を抑制する働きがあるこ
とが明らかにされてきた(「食品機能」、藤巻正生監
修、学会出版センター、P.227)が、未だ、ゴマの生体に
おける作用・効果を充分に解明できていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ACE阻害物質を食品
の形態にて工業的に大量に提供するためには、ACE阻
害物質の生理学的作用および安全性を備えているのは勿
論のこと、製造・流通に要するコスト、さらには消費者
の官能性・嗜好も十分加味する必要があるにもかかわら
ず、上記従来のACE阻害物質では、これら諸条件を充
分に満足させるものではなかった。 従って、当該技術
分野では、工業的生産に耐え得る新規で有用なACE阻
害物質が切望されていたのが現状である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に鑑みて、鋭意研究を重ねた結果、ゴマの蛋白質に蛋白
分解酵素を作用させて分解して調製した蛋白分解物が、
ACE阻害活性を呈することを知見し、これに基づき本
発明を完成するに至ったのである。
【0009】なお、これら蛋白分解物に含まれる、AC
E活性阻害に特に有効なペプチドを選択することで、さ
らに強力なACE阻害剤を調製できるのは勿論である。
【0010】以下、本発明について詳細に説明する。
【0011】本発明で使用されるゴマとしては、生ゴ
マ、煎りゴマ、ゴマ油製造工程で生じる脱脂ゴマなど、
各種のゴマが使用できるが、未利用資源の有効活用とい
う観点からして、脱脂ゴマを原料とすることが好まし
い。
【0012】また、これらゴマを粉砕し、その粉砕物を
直接、酵素反応に供することもできるが、蛋白分解物を
効率的に取得するためには、原料となるゴマからゴマ蛋
白を抽出し、抽出されたゴマ蛋白を用いて酵素反応を行
うことが好ましい。 ゴマ蛋白の抽出方法としては、例
えば、Journal of Food Science, Vol.47, pp.457-460
(1982)に記載の方法、すなわち、原料ゴマをヘキサンに
より脱脂し、得られた脱脂ゴマからアルカリ溶液により
蛋白質を溶解抽出後、等電点沈澱法等により沈澱物とし
て蛋白質を得るという方法等が、本発明の蛋白分解物の
製造工程において適用可能である。
【0013】そして、本発明に使用可能な酵素として
は、各種蛋白分解酵素を使用することができるが、安全
性を考慮すれば、市販の食品用蛋白分解酵素、例えば、
アルカラーゼ〔登録商標:ノボ・インダストリージャパ
ン株式会社製造〕、サモアーゼ〔商品名:大和化成株式
会社製造〕、プロレザー〔登録商標:天野製薬株式会社
製造〕、プロチンFA〔商品名:大和化成株式会社製
造〕などが使用できる。
【0014】また、酵素反応の反応条件については、基
本的には、使用する蛋白分解酵素の至適反応温度ならび
に至適反応pHを考慮して設定されるものであり、その
他、酵素の添加量ならびに反応時間については、良好な
ACE阻害活性を有する蛋白分解物を安定的に得ること
を考慮すれば、3%以上のペプチド結合分解率が得られ
る条件下で酵素反応を実施するのが好ましく、さらに蛋
白分解物の回収率を加味すれば、15%以上のペプチド結
合分解率が得られる条件とするのがより好ましい。
【0015】さらに、雑菌汚染などの現象を回避するた
めに、反応温度を50℃以上に加減するなどして、反応条
件を適宜調節するのが好ましい。
【0016】また、酵素反応液から目的とする蛋白分解
物を分取するために、未分解のゴマ蛋白質および使用さ
れた蛋白分解酵素を除去する方法としては、加熱処理あ
るいは等電点沈澱処理した後に濾別する方法あるいは限
外濾過等の方法などが適用可能であり、それによって、
蛋白分解物溶液を得ることができる。 さらに、得られ
た蛋白質分解物溶液をスプレードライ、凍結乾燥等の方
法により乾燥すれば、粉末状の蛋白分解物を得ることも
できる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0018】本実施例において取得された分解物のAC
E阻害活性(IC50)および蛋白質分解酵素活性の測定方法
は、以下の通りである。
【0019】1.ACE阻害活性測定方法 酵素として、ラットの肺から常法(例えば、J. of Bioc
hemistry, 90, p.1304(1981)に記載の方法など)により
調製したアンジオテンシン変換酵素を、また基質とし
て、ヒプリル-L- ヒスチジル-L- ロイシンを用いた。
【0020】4.8 mU(1U は、1分間に1μmoleのヒプ
リル酸を生成する酵素力価) の上記アンジオテンシン変
換酵素、2 mmole ヒプリル-L- ヒスチジル-L- ロイシ
ン、適当量の本発明ペプチド、および 120 mmole NaCl
を、0.4 mlのリン酸緩衡液(pH8.3)に添加し、37℃で、3
0分間反応させた。
【0021】そして、2N 塩酸 0.1mlを添加して反応を
停止させた後、1mlの酢酸エチルを加えて、15秒間激し
く攪拌した。 次に、 3,000 rpmで10分間遠心分離し、
酢酸エチル層 0.5mlを採取した。 この酢酸エチル層を
120℃で溶媒を除去後、蒸留水1mlを添加し、再溶解さ
れたヒプリル酸の 228nmにおける吸光度を測定した。
【0022】ACE阻害率は、下記式1に従って算出
し、阻害率50%時の阻害蛋白分解物濃度(IC50)として表
示した。
【0023】
【数1】
【0024】2.蛋白分解酵素活性測定方法(カゼイン
消化法) 基質として、 0.6%乳製カゼイン溶液を用いた。
【0025】まず、基質液 1.0mlに酵素溶液 0.2mlを添
加し、下記表1に示す反応条件下にて10分間反応させ
た。 そして、トリクロロ酢酸溶液により反応を停止さ
せた後、酸可溶性分解物の量をフォリン法(参照:J. o
f Biological Chemistry, 73,p.627 (1972))により測
定した。 1分間に 1μg のチロシンに相当するフォリ
ン試液呈色物質の増加をもたらす酵素量を、1酵素単位
(U) として蛋白分解酵素活性を表示した。
【0026】実施例1:種々の蛋白分解酵素を用いたゴ
マ蛋白分解物のACE阻害活性 市販の煎りゴマを、ヘキサンで脱脂した後、得られた脱
脂ゴマを、0.05N 水酸化ナトリウム溶液中に置き、55℃
で45分間攪拌して、ゴマ蛋白質を溶解抽出した。 次
に、遠心分離 (8,000 ×g、15分間)により残査を除去
後、2N 塩酸によりpHを 4.5に調製して、等電点沈澱に
より蛋白質を得た。
【0027】上記方法で得られたゴマ蛋白質1gを、水
100 mlに懸濁し、下記表1に示す反応条件下で、種々の
蛋白分解酵素 5,000 U(カゼイン消化法による測定値)
を5時間作用させて、蛋白質を分解した。 この酵素反
応液を、沸騰水浴中で10分間加温後、加熱処理により沈
澱した未分解のゴマ蛋白質および蛋白分解酵素を、遠心
分離(8,000×g、15分間)により除去し、その上清につ
いてACE阻害活性を測定した。 なお、蛋白質量はケ
ールダール法により測定し、その測定結果を下記表1に
示した。
【0028】
【表1】
【0029】表1の結果より、種々の蛋白分解酵素の作
用によって得られたゴマ蛋白分解物が、蛋白分解酵素無
添加の未分解ゴマ蛋白質と比較して、優れたACE阻害
活性を呈することが確認された。
【0030】実施例2:アルカラーゼ分解による煎りゴ
マ蛋白分解物 市販品の煎りゴマ40gから、実施例1と同様の方法で得
られたゴマ蛋白質5gに水 100mlを加えて、水酸化ナト
リウムで pH を 7.0に調整した後、アルカラーゼ 30,00
0 U (カゼイン消化法による測定値)を添加し、65℃
で、5時間作用させた。 次に、2N HCl で pH を4.5
に調整した後、80℃で10分間加温して酵素を失活させ、
遠心分離(8,000×g、15分間)により上清を分取した。
【0031】その上清を凍結乾燥し、凍結乾燥品 3.8g
を得た。
【0032】得られた蛋白分解物のACE阻害活性を測
定したところ、IC50=0.10 mg/mlであった。
【0033】実施例3:サモアーゼ分解による煎りゴマ
蛋白分解物 市販品の煎りゴマ40gから、実施例1と同様の方法で得
られたゴマ蛋白質5gに水 100mlを加えて、水酸化ナト
リウムで pH を 7.0に調整した後、サモアーゼ30,000 U
(カゼイン消化法による測定値)を添加し、65℃で、5
時間作用させた。 次に、2N HCl で pH を4.5 に調整
した後、80℃で10分間加温して酵素を失活させ、遠心分
離(8,000×g、15分間)により上清を分取した。
【0034】その上清を凍結乾燥し、凍結乾燥品 3.7g
を得た。
【0035】得られた蛋白分解物のACE阻害活性を測
定したところ、IC50=0.09 mg/mlであった。
【0036】実施例4:サモアーゼ分解による生ゴマ蛋
白分解物 生ゴマ40gから、実施例1と同様の方法で得られたゴマ
蛋白質5gに水 100mlを加えて、水酸化ナトリウムで p
H を 7.0に調整した後、30,000 U(カゼイン消化法によ
る測定値)のサモアーゼを添加し、65℃で、5 時間作用
させた。
【0037】次に、2N HCl で pH を4.5 に調整した
後、80℃で10分間加温して酵素を失活させ、遠心分離
(8,000×g、15分間)により上清を分取した。
【0038】その上清を凍結乾燥し、凍結乾燥品 3.3g
を得た。
【0039】得られた蛋白分解物のACE阻害活性を測
定したところ、IC50=0.11 mg/mlであった。
【0040】実施例5:サモアーゼ分解による脱脂ゴマ
蛋白分解物 ゴマ油製造工程で副産物として生成する脱脂ゴマ15gを
0.05 N 水酸化ナトリウム溶液中にて、55℃で、45分間
攪拌し、ゴマ蛋白質を溶解抽出した。
【0041】遠心分離(8,000×g、15分間)により残査
を除去した後、2N HCl により pHを4.5 に調整し、等
電点沈澱によりゴマ蛋白質5gを回収した。 このゴマ
蛋白質5gに水 100mlを加えて、水酸化ナトリウムで p
H を7.0 に調整した後、サモアーゼ 30,000 U(カゼイン
消化法による測定値) を添加し、65℃で、5時間作用さ
せた。
【0042】次に、2N HCl により、pHを4.5 に調整し
た後、80℃で10分間加温して酵素を失活させ、遠心分離
(8,000×g、15分間)により上清を分取した。
【0043】その上清を凍結乾燥し、凍結乾燥品 3.2g
を得た。
【0044】得られた蛋白分解物のACE阻害活性を測
定したところ、IC50=0.10 mg/mlであった。
【0045】実施例6:蛋白分解率によるACE阻害活
性と回収率への影響 市販の煎りゴマから、実施例1と同様に調製したゴマ蛋
白質 500mgに、水50mlを加えて、水酸化ナトリウム
で pH を7.0 に調整した後、 5,000 U (カゼイン消
化法による測定値) のサモアーゼを添加し、65℃で作用
させた。
【0046】次に、2N HCl により、pHを4.5 に調整
し、未分解のゴマ蛋白質を除去した後、80℃で、10分間
加温して酵素を失活させ、遠心分離(8,000×g、15分
間)により上清を分取した。
【0047】この上清を凍結乾燥して、ゴマ蛋白質分解
物を得た。
【0048】反応時間の違いによる蛋白質分解率、AC
E阻害活性(IC50)、および得られたゴマ蛋白質分解物の
回収率を測定し、その結果を下記表2に示した。 な
お、表2中の分解率は、全窒素に対する分解生成したア
ミノ態窒素の含有率(%) として表示した。
【0049】
【表2】
【0050】上記表2の結果から、分解率3%以上の分
解により、未分解のゴマ蛋白質に比較して、優れたAC
E阻害活性を有する蛋白分解物が得られること、ならび
にゴマ蛋白質回収率(回収効率)の観点から、分解率15
%以上とすることが好ましいことが判明したのである。
【0051】試験例1 8周齢の高血圧自然発症ラット(日本チャールズ・リバ
ー社)18匹を、温度23.5±2.0 ℃、湿度55±10%の SPF
室(無菌室)に収容し、水および飼料 CFR-1(商品名:
オリエンタル酵母社)を自由摂取させ、2週間にわたり
馴化飼育し、最高血圧が 180〜200mmHg まで上昇したラ
ットを試験に供した。
【0052】一晩絶食した高血圧ラットに、実施例2の
方法に従って調製したゴマ蛋白分解物を水に溶解し、ラ
ット体重1kg当たり500mg の割合で強制経口投与した。
なお、対照群として同量の水を強制経口投与した。
【0053】投与後、非観血的血圧測定装置(「MK-10
0」:室町機械株式会社製)を用いTail-Cuff法で、経時
的に最高血圧の変化を測定し、その結果を下記表3に示
した。
【0054】
【表3】
【0055】上記表3から明らかなように、本発明のA
CE阻害活性を有するゴマ蛋白分解物は、経口投与2〜
6時間後に有意な血圧降下作用を示した。
【0056】試験例2 8周齢の高血圧自然発症状ラット(日本チャールズ・リ
バー社)10匹を、温度23.5±2.0 ℃、湿度55±10%の S
PF室(無菌室)に収容し、水および飼料 CFR-1(商品
名:オリエンタル酵母社)を自由摂取させ、2週間にわ
たり馴化飼育し、最高血圧が 180〜200mmHg まで上昇し
たラットを試験に供した。
【0057】一晩絶食した高血圧ラットに、実施例3の
方法に従って調製したゴマ蛋白分解物を水に溶解し、ラ
ット体重1kg当たり500mg の割合で強制経口投与した。
なお、対照群として同量の水を強制経口投与した。
【0058】投与後、非観血的血圧測定装置(「MK-10
0」:室町機械株式会社製)を用いTail-Cuff法で、経時
的に最高血圧の変化を測定し、その結果を下記表4に示
した。
【0059】
【表4】
【0060】上記表4から明らかなように、本発明のA
CE阻害活性を有するゴマ蛋白分解物は、経口投与2〜
4時間後に有意な血圧降下作用を示した。
【0061】
【発明の効果】すなわち、本発明の蛋白分解物は、一般
に普及して日常的に摂取されているゴマを原料として製
造されるため、食品成分として用いることについては安
全性の面に何ら問題は無く、また安価に原料(ゴマ)調
達できるため、製造コストの抑制も実現可能である。
【0062】また、本発明の蛋白分解物は、蛋白分解物
の中から有効成分を、特に分離精製しなくとも、蛋白分
解物の形態のままで充分にその生理学的作用(ACE阻
害活性・血圧降下作用)を呈するため、製造工程の簡略
化(精製工程の省略)が図れ、加えて、苦味が少なく、
ほんのりとゴマの風味を有するなど官能的にも優れた食
品素材として提供できる。
【0063】さらに、本発明の蛋白分解物は、スプレー
ドライ、凍結乾燥等の方法を利用することにより粉末状
に容易に加工でき、その耐熱性も高いため、加熱工程や
殺菌工程の必要な食品に応用することもでき、さらに
は、スポーツ飲料、粉末茶等の飲料への応用など、広範
な用途への適用も期待できるなど、様々な優れた効果を
奏するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高津 光宗 大阪府大阪市淀川区西中島4丁目1番1号 日清食品株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蛋白分解酵素によるゴマの蛋白質分解物
    であって、アンジオテンシン変換酵素阻害活性を有する
    蛋白分解物。
  2. 【請求項2】 前記蛋白分解物が、アンジオテンシン変
    換酵素阻害活性を有するペプチドをさらに含む請求項1
    に記載の蛋白分解物。
  3. 【請求項3】 前記ゴマが、生ゴマ、煎りゴマ、および
    搾油後のゴマからなるグループから選択された1種以上
    のゴマである請求項1もしくは2に記載の蛋白分解物。
JP5212702A 1993-08-27 1993-08-27 アンジオテンシン変換酵素阻害蛋白分解物 Expired - Lifetime JP2820868B2 (ja)

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