JPH0769759A - 耐消化性石灰系焼結体及びその製造方法 - Google Patents

耐消化性石灰系焼結体及びその製造方法

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JPH0769759A
JPH0769759A JP24630293A JP24630293A JPH0769759A JP H0769759 A JPH0769759 A JP H0769759A JP 24630293 A JP24630293 A JP 24630293A JP 24630293 A JP24630293 A JP 24630293A JP H0769759 A JPH0769759 A JP H0769759A
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based sintered
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calcium
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JP24630293A
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Kenichiro Matsuda
健一郎 松田
Keiji Awata
敬二 粟田
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KARUSHIIDE KK
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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B41/00After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
    • C04B41/009After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone characterised by the material treated
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C04B41/45Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements
    • C04B41/50Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements with inorganic materials
    • C04B41/5025Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements with inorganic materials with ceramic materials
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 石灰系焼結体の優れた耐熱性、耐食性等を犠
牲にすることなく、耐消化性が極めて優れており、水系
のバインダーを用いて成形したり、水を使用する施工方
法に適用できる耐消化性石灰系焼結体及びその製造方法
を提供する。 【構成】 石灰系焼結体コアの表面に、ジルコン酸カル
シウム、チタン酸カルシウム又はアルミン酸カルシウム
の薄膜が形成されてなる耐消化性石灰系焼結体。石灰系
焼結体コアの表面に、有機ジルコニウム化合物、有機チ
タン化合物又は有機アルミニウム化合物を付着させたの
ち焼成して、石灰系焼結体コアの表面に、ジルコン酸カ
ルシウム、チタン酸カルシウム又はアルミン酸カルシウ
ムの薄膜を形成させる耐消化性石灰系焼結体の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐消化性の優れた石灰
系焼結体、特に製鋼炉等に用いられる不定形耐火物又は
成形耐火物として有用な耐消化性の石灰系焼結体、及び
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】石灰(カルシア、CaO)系焼結体は、
高融点を有し、脱燐、脱硫作用を有し、高温度での解離
酸素圧が低く、耐スポーリング性が大きい等、特に製鋼
炉等に用いる耐火物として優れた性質を有している。従
って、鋼の高級化、環境対策、省エネルギー等を指向す
る製鋼技術において、溶銑予備処理法、炉外精錬法等の
過酷な条件下で使用できる耐火物として石灰系焼結体が
採用されている。石灰系焼結体の形態としては、不定形
耐火物(キャスタブル耐火物)の骨材として使用される
クリンカーや、製鋼用耐火物やるつぼ(特に、チタンや
チタン合金を熔融するためのるつぼ)のような成形体の
形態を有するものが含まれる。
【0003】しかしながら、石灰系耐火物は耐消化性
(耐水和性)が低いという欠点を有しているので、石灰
系耐火物の耐消化性を改良することが必要であり、その
ための提案が幾つかなされている。例えば、成形・焼結
助剤として塩化カルシウムを添加する方法(特開昭60
−186457号公報参照)、焼結助剤としてフッ化カ
ルシウムを添加する方法(特開昭61−72678号公
報参照)、石灰含有クリンカーを難溶性リン酸カルシウ
ム塩の保護層で被覆する方法(特開昭62−16266
6号公報参照)、粒径1〜7mmの粒状のCaOのコア
の表面に高融点、高耐消化性の金属酸化物の層を設けた
耐消化性カルシアクリンカー(特開昭59−21366
8号公報)、高純度の水酸化カルシウムを使用して高密
度のカルシア焼結体を製造する方法(特開昭60−51
658号公報参照)などがある。
【0004】しかしながら、石灰以外の添加物を混入し
たり、石灰クリンカーを他の物質で被覆する方法では、
被覆層が剥れたり、石灰以外の物質が溶融金属に混入し
て汚染する恐れがあり、その耐消化性は十分満足できる
ものではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、石灰
系焼結体の優れた耐熱性、耐食性等を犠牲にすることな
く、耐消化性が極めて優れており、長期の保存が可能で
あり、水系のバインダーを用いて成形したり、水を使用
する施工方法に適用できる耐消化性石灰系焼結体及びそ
の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、石灰系焼結体
コアの表面に、ジルコン酸カルシウム、チタン酸カルシ
ウム又はアルミン酸カルシウムの薄膜が形成されてなる
ことを特徴とする耐消化性石灰系焼結体である。
【0007】他の本発明は、石灰系焼結体コアの表面
に、有機ジルコニウム化合物、有機チタン化合物又は有
機アルミニウム化合物を付着させたのち焼成して、石灰
系焼結体コアの表面に、ジルコン酸カルシウム、チタン
酸カルシウム又はアルミン酸カルシウムの薄膜を形成さ
せることを特徴とする耐消化性石灰系焼結体の製造方法
である。
【0008】本発明の好適な実施態様は下記の通りであ
る。
【0009】(1)上記の石灰系焼結体コアが、成形体
又は粒状体(好ましくは、0.1〜10mmの粒径を有
する)である上記の耐消化性石灰系焼結体。
【0010】(2)上記の石灰系焼結体コアの見掛け気
孔率が10%以下である上記の耐消化性石灰系焼結体。
【0011】(3)上記のジルコン酸カルシウム、チタ
ン酸カルシウム、又はアルミン酸カルシウムの薄膜が、
10〜300μmの膜厚を有する上記の耐消化性石灰系
焼結体。
【0012】(4)上記の有機ジルコニウム化合物がジ
ルコニウムテトラアルコキシドであり、有機チタン化合
物がチタン酸エステルであり、有機アルミニウム化合物
がアルミン酸エステルである上記の耐消化性石灰系焼結
体の製造方法。
【0013】(5)上記の有機ジルコニウム化合物、有
機チタン化合物又は有機アルミニウム化合物を有機溶媒
の溶液として、石灰系焼結体コアの表面に付着させる上
記の耐消化性石灰系焼結体の製造方法。
【0014】(6)上記の焼成を450〜1300℃の
温度で行う上記の耐消化性石灰系焼結体の製造方法。
【0015】本発明の耐消化性石灰系焼結体は、石灰系
焼結体コアの表面に、ジルコン酸カルシウム(CaZr
3 )、チタン酸カルシウム(CaTiO3 )又はアル
ミン酸カルシウム(CaAl24 )の薄膜が形成され
てなる。
【0016】本発明に於ける石灰系焼結体コアは、成形
体又は粒状体のいずれの形態を有するものであってもよ
い。
【0017】粒状体の石灰系焼結体コアは、カルシアク
リンカーとも呼ばれるもので、石灰石の微粉砕物、水酸
化カルシウム、酸化カルシウム等のような石灰質粉末
を、1300〜1800℃の温度で焼成して得られた焼
結体(クリンカー)を必要に応じて適宜ふるい分けして
得られたものである。
【0018】石灰系焼結体コア中の酸化カルシウムの含
有量は70重量%以上、特に90重量%以上であること
が好ましい。従って、石灰系焼結体コアの原料として高
純度のカルシウム系原料を使用することもでき、またカ
ルシウム系原料の他に、石灰系焼結体コアの30重量%
以下の、好ましくは10重量%以下のマグネシア、アル
ミナ等の他の酸化物を含ませるようなマグネシウム系原
料(例えば、ドロマイト等)、アルミニウム系原料(例
えば、アルミナ、ムライト等)などを含む混合物を使用
することもできる。
【0019】粒状体の石灰系焼結体コアの平均粒径は
0.1〜10mmであることが好ましい。また、粒状体
の石灰系焼結体コアの見掛け気孔率は、10%以下であ
ることが好ましい。石灰系焼結体コアの見掛け気孔率が
上記の範囲よりも大きいと石灰系焼結体コアの焼結の程
度が低くなり、また、その表面にジルコン酸カルシウ
ム、チタン酸カルシウム又はアルミン酸カルシウムの薄
膜を形成させる処理を行うまで貯蔵している間に水和し
易くなる恐れがある。従って、石灰系焼結体コアの見掛
け気孔率はできるだけ小さい方が好ましい。なお、本明
細書に於て、見掛け気孔率は、JIS Z8807−1
976に準じて測定した値である。
【0020】成形体の石灰系焼結体コアとしては、例え
ば、るつぼや煉瓦等があり、これは一般に、酸化カルシ
ウムの粉末を、必要に応じて焼結促進剤(例えば、酸化
鉄、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化クロム等)と
混合した後、所望の形状にプレス成形し、得られた成形
体を1300〜1800℃の温度で、その見掛け気孔率
が所望の値になるまで焼成することによって製造するこ
とができる。
【0021】原料の酸化カルシウム粉末としては、従来
石灰系焼結体の製造用原料として使用されている酸化カ
ルシウム、例えば、焼結カルシアクリンカー、電融カル
シアクリンカー等の粉砕物を特に限定することなく使用
できる。成形体の石灰系焼結体コアに於いてもその酸化
カルシウムの含有量は前記と同様であってよく、従っ
て、原料として上記のような酸化カルシウムとマグネシ
アクリンカー粉砕物、アルミナクリンカー粉砕物等との
混合物を使用することができ、更に、前記の本発明に於
ける粒状体の石灰系焼結体を、必要に応じて粉砕し、ふ
るい分けして使用することもできる。
【0022】原料の酸化カルシウムを含む粉末は、特
に、3mm以下の粒子径を有し、1.0〜0.5mmの
粒子径を有する粒子を10〜40重量%含有し且つ0.
15mm以下の粒子径を有する粒子を20〜50重量%
含有する粉末であることが好ましい。原料の粉末の粒子
を小さくすると成形体の石灰系焼結体コアの見掛け気孔
率は小さくなるが、石灰系焼結体の物理的性質、特に熱
衝撃抵抗が低下する傾向にある。石灰系焼結体コアの物
理的性質を高く維持しながら同時に見掛け気孔率を小さ
くするために、原料の酸化カルシウムはある程度広い粒
度分布を有することが好ましい。成形体の石灰系焼結体
コアの見掛け気孔率は、粒状体の石灰系焼結体コアの見
掛け気孔率と同様の範囲内であることが好ましい。
【0023】上記のプレス成形方法としては、一軸加圧
成形方法、静水圧プレス成形方法(ラバープレス成形方
法)を便利に使用することができる。成形圧は800〜
1500kg/cm2 の静水圧で十分である。
【0024】本発明の耐消化性石灰系焼結体の表面の薄
膜は、ジルコン酸カルシウム、チタン酸カルシウム又は
アルミン酸カルシウムからなるものである。この薄膜
は、例えばジルコン酸カルシウムの場合、ジルコン酸カ
ルシウムの層と石灰系焼結体コアとが明瞭な境界面で区
別されるように形成されているものよりも、この薄膜の
最外面は実質的に全部ジルコン酸カルシウムからなり、
ジルコン酸カルシウムの層と石灰系焼結体コアの表面と
の境界領域は、ジルコン酸カルシウムと該コアの酸化カ
ルシウムとが混在した状態になっていることが好まし
い。更に、ジルコン酸カルシウムの薄膜は、石灰系焼結
体コアの表面に形成されている気孔内にまで入り込んで
形成されていることが好ましい。本発明の耐消化性石灰
系焼結体の表面の薄膜がこのように形成されていること
により、耐消化性石灰系焼結体の表面の全部を覆ってい
る耐水性を有するジルコン酸カルシウムにより、外部か
らの水が耐消化性石灰系焼結体の内部に浸入することを
防ぎ、この薄膜とコアとの結合力を高め薄膜が剥離する
ことを十分防ぐことができる。チタン酸カルシウム及び
アルミン酸カルシウムについても同様である。この薄膜
の厚さは、10〜300μmであることが好ましい。薄
膜の厚さが上記範囲よりも薄いと耐消化性石灰系焼結体
の耐消化性が低下する傾向があり、薄膜の厚さを上記範
囲よりも厚くしても耐消化性石灰系焼結体の耐消化性の
より以上の向上は殆どなく、機械的強度や耐熱性が低下
する恐れがある。
【0025】本発明の耐消化性石灰系焼結体は、上記の
ような構成を有していることにより、表面の耐水性の優
れたジルコン酸カルシウム、チタン酸カルシウム又はア
ルミン酸カルシウムの薄膜により石灰系焼結体コアが水
分と接触することが防止されるので耐消化性が極めて優
れており、石灰系焼結体コアにはその耐熱性を低下させ
るような夾雑物が含まれていないので石灰系焼結体の本
来の耐熱性、耐食性等をそのまま維持しているという優
れた特徴を有するものである。従って、本発明の耐消化
性石灰系焼結体は、特に過酷な条件下でも使用すること
ができる不定形耐火物又は成形耐火物として有利に使用
することができる。
【0026】更に、本発明の粒状体の耐消化性石灰系焼
結体は、上記のように耐消化性に優れているために、水
系のバインダーを用いて成形することができ、また水を
使用する不定形耐火物の施工方法に於いても使用するこ
とができるという優れた特徴を有している。
【0027】本発明の耐消化性石灰系焼結体は、他の本
発明の耐消化性石灰系焼結体の製造方法により容易に製
造することができる。
【0028】本発明の耐消化性石灰系焼結体の製造方法
は、石灰系焼結体コアの表面に、有機ジルコニウム化合
物、有機チタン化合物又は有機アルミニウム化合物を付
着させたのち焼成して、石灰系焼結体コアの表面に、ジ
ルコン酸カルシウム、チタン酸カルシウム又はアルミン
酸カルシウムの薄膜を形成させることを特徴とする耐消
化性石灰系焼結体の製造方法である。
【0029】本発明の耐消化性石灰系焼結体の製造方法
に於いて使用する石灰系焼結体コアは、耐消化性石灰系
焼結体について前記した石灰系焼結体コアと同じもので
ある。
【0030】本発明の耐消化性石灰系焼結体の製造方法
に於いて使用する有機ジルコニウム化合物、有機チタン
化合物及び有機アルミニウム化合物は、常温で液体であ
るものか、又は酸化カルシウムに対して不活性である有
機溶媒に可溶性であるものが好ましい。また、その取り
扱いの容易さの面から空気中で水分により分解された
り、発火したりすることがなく比較的安定であるものが
好ましい。
【0031】有機ジルコニウム化合物としては、ジルコ
ニウムテトラアルコキシド、ジルコニウムクロルアルコ
キシド、ジルコニウムフェノキシド等のジルコニウムア
ルコキシド類、シクロペンタジエニルジルコニウム化合
物、テトラキスアセチルアセトナトジルコニウムのよう
なジルコニウムのキレート錯体が好ましく、特にジルコ
ニウムテトラアルコキシド[Zr(OR)4 (Rは好ま
しくは炭素数1〜6のアルキル基である)](例えば、
ジルコニウムテトライソプロポキシド)が好ましい。
【0032】有機チタン化合物としては、チタン酸エス
テル(チタンテトラアルコキシド)(その二量体を含
む)、チタントリアルコキシド、チタンクロルアルコキ
シド等のチタンアルコキシド類、シクロペンタジエニル
チタン化合物類、アセチルアセトナトチタンのようなチ
タンのキレート錯体等が好ましく、特にチタン酸エステ
ルが好ましい。チタン酸エステルは式:Ti(OR)4
(Rは好ましくは炭素数1〜6のアルキル基又はアリー
ル基である)で表わされる化合物で、例えば、チタン酸
テトライソプロピル、チタン酸テトラブチル、チタン酸
テトラ(2−エチル)ヘキシル等及びその二量体が挙げ
られる。
【0033】有機アルミニウム化合物としては、式:
[Al(OR)3]n(Rは好ましくは炭素数1〜6のアル
キル基又はアリール基であり、nは3〜5である)で表
わされるアルミン酸エステルが好ましく、例えば、アル
ミン酸トリイソプロピル、アルミン酸トリエチル等のオ
リゴマーが挙げられる。
【0034】これらの有機ジルコニウム化合物、有機チ
タン化合物又は有機アルミニウム化合物は単独でもまた
混合物でも使用することができる。
【0035】これらの有機ジルコニウム化合物、有機チ
タン化合物又は有機アルミニウム化合物には、固体状の
もの及び液状のものがある。これらの有機金属化合物を
石灰系焼結体コアの表面に付着させる方法としては、液
状の有機金属化合物をそのまま塗布してもよいが、一般
的にはこれらの有機金属化合物を有機溶媒に溶解した溶
液にして、石灰系焼結体コアの表面に適当な方法、例え
ば、石灰系焼結体コアの表面に有機金属化合物の溶液を
スプレーする方法や、有機金属化合物の溶液中に石灰系
焼結体を浸漬させる方法等により付着させることが好ま
しい。
【0036】これらの有機金属化合物の付着量は、後の
焼成工程でこれらの有機金属化合物と酸化カルシウムと
の反応で生成したジルコン酸カルシウム、チタン酸カル
シウム又はアルミン酸カルシウムの薄膜の厚さが、10
〜300μmになるような量であることが好ましい。
【0037】上記のような有機金属化合物を溶解させる
ための有機溶媒としては、使用する有機金属化合物を溶
解し、更に使用する有機金属化合物及び石灰系焼結体コ
アの成分、特に酸化カルシウムに対して不活性である有
機溶媒であればどのような有機溶媒であってもよい。こ
のような有機溶媒として一般的に例えば、エタノール、
プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等のアル
コール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン
類、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン等の炭化
水素類等が好ましい例として挙げられるが、石灰系焼結
体コアへの濡れ性及び浸透性並びに環境上の問題及び経
済性等の点から、エタノールが特に好ましい。有機溶媒
溶液中の上記の有機金属化合物の含有量は、一般に10
〜70重量%であることが好ましい。
【0038】本発明の耐消化性石灰系焼結体の製造方法
に於いては、前記のように石灰系焼結体コアの表面に有
機金属化合物を付着させ、必要に応じて乾燥して有機溶
媒を除去した後、石灰系焼結体コアを焼成して、有機金
属化合物と酸化カルシウムとを反応させることにより、
石灰系焼結体コアの表面に使用した有機金属化合物に対
応して、ジルコン酸カルシウム、チタン酸カルシウム又
はアルミン酸カルシウムの薄膜を形成させる。この焼成
温度は使用する有機金属化合物の種類により変わるが、
一般的に450〜1300℃の範囲内であることが好ま
しい。焼成温度が上記範囲よりも低いと有機金属化合物
と酸化カルシウムとの反応が遅く不十分である恐れがあ
り、また上記範囲よりも高くしてもジルコン酸カルシウ
ム等の薄膜の性質が顕著に向上する傾向はなく、焼成コ
ストの増加になるだけである。
【0039】本発明の耐消化性石灰系焼結体の製造方法
により、石灰系焼結体コアの表面全体に実質的に均一な
ジルコン酸カルシウム、チタン酸カルシウム又はアルミ
ン酸カルシウムの薄膜が形成された、前記のような優れ
た特長を有する本発明の耐消化性石灰系焼結体を容易に
製造することができる。
【0040】
【実施例】次に、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。
【0041】[実施例1]炭酸カルシウムを1800℃
の温度で焼成した後、粉砕して製造した粉末状のカルシ
アクリンカー(化学組成、CaO:99.9重量%以
上、MgO:0.02重量%以下、SiO2 :0.01
重量%以下、粒度:粒径3mm〜1mmのもの10重量
%、粒径1mm未満〜0.5mmのもの20重量%、粒
径0.5mm未満〜0.15mmのもの30重量%、粒
径0.15mm未満のもの40重量%)を酸化カルシウ
ム粉末として使用し、これからラバープレスを使用して
1000kg/cm2 の静水圧でプレス成形して、板状
成形品を製造した。
【0042】この板状成形品を、焼成炉中で1600℃
で10時間焼成して、板状の石灰系焼結体コア(20m
m×20mm×5mm)を製造した。この石灰系焼結体
コアの見掛け気孔率は1.8%であった。
【0043】得られた石灰系焼結体コアを、40重量%
のジルコニウムテトライソプロポキシドを含むジルコニ
ウムテトライソプロポキシドのエタノール溶液中に10
分間浸漬した後取り出して、約50℃で乾燥してエタノ
ールを蒸発除去した。
【0044】次いでこのジルコニウムテトライソプロポ
キシドを表面に含浸させた石灰系焼結体コアを、500
℃で空気中で1時間焼成して、耐消化性石灰系焼結体を
製造した。薄膜X線回折法により、得られた耐消化性石
灰系焼結体は、石灰系焼結体の表面全体に膜厚70〜1
00μmのジルコン酸カルシウムの層が形成されたもの
であることが確認された。
【0045】この耐消化性石灰系焼結体を、常温で飽和
水蒸気中に3か月間放置することによってその耐消化性
を評価したところ、耐消化性石灰系焼結体の平面部には
変化が見られず、角部に於いて僅かに粉末状の水酸化カ
ルシウムが生じていたことが観察され、この耐消化性石
灰系焼結体が優れた耐消化性を有することが確認され
た。
【0046】[実施例2]実施例1に於けると同様にし
て調製したジルコニウムテトライソプロポキシドを表面
に含浸させた石灰系焼結体コアを、1000℃で空気中
で1時間焼成して、耐消化性石灰系焼結体を製造した。
薄膜X線回折法により、得られた耐消化性石灰系焼結体
は、石灰系焼結体の表面全体に膜厚70〜100μmの
ジルコン酸カルシウムの層が形成されたものであること
が確認された。
【0047】この耐消化性石灰系焼結体を、常温で飽和
水蒸気中に3か月間放置することによってその耐消化性
を評価したところ、耐消化性石灰系焼結体の平面部及び
角部のいずれに於いても変化は全く観察されず、この耐
消化性石灰系焼結体が極めて優れた耐消化性を有するこ
とが確認された。
【0048】[比較例1]実施例1に於けると同様にし
て調製した石灰系焼結体コアをそのまま、常温で飽和水
蒸気中に3か月間放置した。石灰系焼結体コアには酸化
カルシウムの水和によりクラックが入り、水酸化カルシ
ウムの粉状物が多量に生じており、耐消化性が劣ること
が確認された。
【0049】[実施例3]石灰系焼結体コアとして実施
例1に於けると同様にして製造した粒径1〜3mmのカ
ルシアクリンカーを、40重量%のジルコニウムテトラ
イソプロポキシドを含むジルコニウムテトライソプロポ
キシドのエタノール溶液中に10分間浸漬した後取り出
して、約50℃で乾燥してエタノールを蒸発除去した。
【0050】次いでこのジルコニウムテトライソプロポ
キシドを表面に含浸させた石灰系焼結体コアを、100
0℃で空気中で1時間焼成して、粒状の耐消化性石灰系
焼結体を製造した。薄膜X線回折法により、得られた耐
消化性石灰系焼結体は、石灰系焼結体の表面全体に膜厚
70〜100μmのジルコン酸カルシウムの層が形成さ
れたものであることが確認された。
【0051】この粒状の耐消化性石灰系焼結体を、アル
ミナ系不定形耐火物に50重量%混合した後、水と混合
して得られたスラリーを、10mm×10mm×100
mmの型を5個並べた型内に流し込んで固化させた。固
化後石灰系焼結体の水和による膨張は観察されなかっ
た。
【0052】[比較例2]実施例3で使用したカルシア
クリンカーをジルコニウムテトライソプロポキシドのエ
タノール溶液で処理することなく、アルミナ系不定形耐
火物に50重量%混合した後、水と混合して得られたス
ラリーを、実施例3で使用したものと同様の型内に流し
込んで固化させた。固化する過程で石灰系焼結体は水和
により膨張した。
【0053】
【発明の効果】本発明の耐消化性石灰系焼結体は、石灰
系焼結体の優れた耐熱性、耐食性等を犠牲にすることな
く、耐消化性が極めて優れており、長期の保存が可能で
あり、水系のバインダーを用いて成形したり、水を使用
する施工方法に適用できるという顕著な効果を奏するも
のである。
【0054】また、本発明の耐消化性石灰系焼結体の製
造方法は、上記のような優れた耐消化性石灰系焼結体を
容易に製造することができる方法である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石灰系焼結体コアの表面に、ジルコン酸
    カルシウム、チタン酸カルシウム又はアルミン酸カルシ
    ウムの薄膜が形成されてなることを特徴とする耐消化性
    石灰系焼結体。
  2. 【請求項2】 石灰系焼結体コアの表面に、有機ジルコ
    ニウム化合物、有機チタン化合物又は有機アルミニウム
    化合物を付着させたのち焼成して、石灰系焼結体コアの
    表面に、ジルコン酸カルシウム、チタン酸カルシウム又
    はアルミン酸カルシウムの薄膜を形成させることを特徴
    とする耐消化性石灰系焼結体の製造方法。
JP24630293A 1993-09-07 1993-09-07 耐消化性石灰系焼結体及びその製造方法 Withdrawn JPH0769759A (ja)

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