JPS647034B2 - - Google Patents

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JPS647034B2
JPS647034B2 JP57148890A JP14889082A JPS647034B2 JP S647034 B2 JPS647034 B2 JP S647034B2 JP 57148890 A JP57148890 A JP 57148890A JP 14889082 A JP14889082 A JP 14889082A JP S647034 B2 JPS647034 B2 JP S647034B2
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JP
Japan
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colloid
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ceramic green
green molded
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JP57148890A
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Mikya Ono
Yasuaki Fukuda
Takao Inukai
Takeshi Sato
Masaru Shimura
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Mitsubishi Mining and Cement Co Ltd
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Mitsubishi Mining and Cement Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の属する折術分野〕 本発明は、セラミツクスの製造方法の中でセラ
ミツクスグリーン成形体を焼成する方法に関す
る。
〔従来技術の説明〕
従来のセラミツクスの製造方法は、無機質固体
物質を原料粉末に調製した後、微粉化−混合−仮
焼−粉砕−混合という操作を数回繰返して得られ
た微粉末を、可塑性のあるまたはスラリー状の物
質にし、この物質を各種成形法により所定の形状
の成形体に加工し、昇温速度20℃/分以下で、所
定の温度まで加熱し、1〜6時間程度保持してか
ら徐冷してセラミツクス製品を得ていた。
しかし従来の製造方法には、 上記処理方法によつても、最終のセラミツク
ス製品に組成上および組織上の不均質性が部分
的に残り、製品収率の低下、品質上の信頼性の
低下等を招来し、 微粉末を得るために多大の粉砕動力を必要と
し、かつ粉砕時にボール、ライナ等の摩耗によ
る異物の混入に起因して高純度原料が得難く、 徐々に昇温加熱し、かつ最高温度で長時間保
持する必要があるため、焼成に多大の熱エネル
ギーを要する等 の欠点があつた。
本出願人は、上記およびの欠点を解消する
ために、一種または二種以上の無機質を分散相と
し水を分散媒とするコロイドを出発物質とし、こ
のコロイドからその分散媒を脱離し、上記分散相
をゲル化してセラミツクスグリーン成形体を成形
する製造方法について、特願昭56−131368、特願
昭57−037819、特願昭57−123619、および特願昭
57−123620により出願した。
〔発明の目的〕
本発明は、上記セラミツクスグリーン成形体の
成形以降の焼成方法に関し、前記〜の欠点を
解消するもので、 (1) 異常粒成長のない均一な粒子からなる緻密か
つ超高純度のセラミツクス焼結体製品が得ら
れ、 (2) 複合酸化物等の複雑な組成をもつセラミツク
スの均質な焼結体製品を容易に製造することが
でき、 (3) 加熱速度を速めて短時間で焼成して、熱エネ
ルギーを削減することができる、 セラミツクスグリーン成形体の焼成方法を提供す
ることを目的とする。
〔発明の特徴〕
本発明は、一種または二種以上の無機質を分散
相とし水を分散媒とするコロイドを調製し、この
コロイドからその分散媒を脱離してゲルを生成
し、このゲルを所定の形状に成形して得られたセ
ラミツクスグリーン成形体を焼成するセラミツク
スグリーン成形体の焼成方法において、 前記セラミツクスグリーン成形体の焼成時の昇
温速度が、そのセラミツクスグリーン成形体の焼
結線収縮率が5%未満になる温度から所定の最高
焼成温度までの間にわたり、30℃/分以上300
℃/分以下であることを特徴とする。
なお、前記コロイドは一種または二種以上のア
ルコキシドを加水分解して得られるコロイド、あ
るいは一種または二種以上のアルコキシドを加水
分解して得られるコロイドの二種または三種以上
の混合物であることが好ましい。
さらに、前記コロイドには、必要あれば有機質
バインダを含ませることもできる。
なお、本明細書において、 「コロイド」とは、10〜10000オングストロ
ーム(Å)(1〜1000nm)の大きさの固体粒子
が液相に分散している系をいい、 また「アルコキシド」とは、金属元素、ケイ
素、リン、ヒ素、セレン、テルル、ホウ素、炭
素、またはイオウによりアルコール類の水酸基
の水素を置換した化合物をいい、 また「焼結開始温度」とは、セラミツクスグ
リーン成形体の粒子の接触点で粒子結合が起こ
り、このグリーン成形体の熱収縮曲線に生じた
変曲点に相応する温度をいい、 さらに「異常粒成長」とは、セラミツクスグ
リーン成形体の焼成過程で、その粒子全体が均
一に成長せずに、部分的に成長して巨大化し、
この巨大化した粒子が未成長の微小の粒子を包
含して、さらに大きな粒子塊となることをい
う。
本発明をさらに補足説明すると、 (a) 本発明の焼成方法は、焼成前のセラミツクス
グリーン成形体と密接な関係がある。すなわち
本発明の焼成方法は、セラミツクスグリーン成
形体の粒子径が均一かつ微細であることが必要
条件である。このためグリーン成形体の出発原
料は、一種また二種以上の無機質を分散相とす
るコロイドが好ましい。このコロイドの分散相
は、無機物であれば特に限定されず、専ら所望
の製品の用途および特性により定められるが、
例えばAl、Mg、Si、Ti、Ba、Pb、Zn、Zr、
希土類等の金属もしくは非金属の酸化物、水酸
化物、またはその含水化合物などが挙げられ、
またこれらの混合物であつてもよい。
特に、一種または二種以上のアルコキシドを
加水分解して得られる物質が好ましい。例え
ば、金属アルミニウムをイソプロピルアルコー
ルと反応させて得たアルミニウムイソプロポキ
シド〔Al(i−C3H7O)3〕1モルに対し100モ
ルの水を加え、約80℃で30分間加水分解してベ
ーマイト〔Al OOH〕を生成させ、これに少
量の塩酸を加えて解膠することによつて安定な
ベーマイトゾルまたは擬ベーマイトゾルが得ら
れる。この擬ベーマイトゾルは、コロイドであ
るため粒子径が均一であり、かつ金属アルミニ
ウムを用いているので容易に高純度な原料を得
ることができる。
さらにこのアルコキシドの加水分解で得られ
るゾルを出発物質とする利点は、複合酸化物か
らなるセラミツクスの製造において一層顕著に
なる。すなわち複合酸化物は、この酸化物を構
成する複数の金属元素からなるアルコキシドの
混合物を加水分解することにより、100℃以下
の低温で容易に合成され、前記ベーマイトの場
合と同様に適切な解膠処理によつてゾル、換言
すればコロイドを形成することができる。
例えば高誘電率材料として広く利用されてい
るチタン酸バリウム(BaTiO3)の場合には、
バリウムイソプロポキシドとチタニウムイソプ
ロポキシドとをモル比で1:1の割合になるよ
うに秤取し、これをベンゼン溶液中でよく混合
し、60〜80℃で十分反応させたのち、水を添加
して加水分解すると白色のBaTiO3沈殿物を得
る。この白色沈殿物は、アルコキシドの加水分
解で得られる他の化合物の場合と同様に、極め
て均一で微細な粒子からなつていて、解膠処理
することにより安定したコロイドが容易に得ら
れ、本発明の焼成方法にとつて極めて好ましい
出発原料が提供される。
さらに複雑な組成にセラミツクス製品を製造
する場合にも、一種または二種以上のアルコキ
シドの混合物を加水分解して得られたコロイド
を二種以上均質に混合して用いることにより、
均質な特性の優れた製品を安定してかつ高い収
率で製造することができる。上記方法は、例え
ば組成の厳密な制御と均質化が必要な正温度特
性(PTC)サーミスタの製造などに適用する
と極めて効果的である。
またアルコキシドを出発原料に用いること
は、有機溶媒中で各成分の混合が行われる結
果、均質化が極めて容易に行われ、しかも石油
化学工業における諸反応と同様にパイプライン
および反応塔よりなる完全自動連続システムに
よつて、出発物質(コロイド)を作成できる利
点があり、これに続く成形工程さらには焼成工
程までセラミツクスの連続製造ラインを形成で
きる特長がある。
なお本発明の焼成に至る前のセラミツクスグ
リーン成形体の出発原料としては、前記アルコ
キシドの加水分解と解膠操作によつて得られる
ものに限定されず、例えば金属塩にアンモニア
ガスまたはアンモニア水を添加して金属の水酸
化物となし、この水酸化物を水を分散媒とした
コロイドになすなど種々の手法によることがで
きる。
さらにコロイド化の手法を異にする複数のコ
ロイドから容易に均質な混合コロイドを作製で
き、この混合コロイドも本発明のセラミツクス
グリーン成形体の出発原料として利用すること
ができる。
本発明によるコロイド原料は、粒子径が小さ
く微細なため活性であり、焼成に当たつて、従
来の粉末原料に比較して最高焼成温度は100〜
200℃程度低い温度になる。
(b) セラミツクスグリーン成形体を成形する方法
としては、原料のコロイドを粉末にすることな
く成形する方法、例えば液中焼成方法(特願昭
56−131368、特願昭57−037819)、有機化合物
蒸気を含む気体による焼成方法(特願昭57−
123619)、および原料コロイドをガラス板上に
キヤステイングし、空気中で自然乾燥して成形
する成形方法等により得られたセラミツクスグ
リーン成形体を用いることが好ましい。
このときの成形体の形状はシート状が望まし
く、しかも焼成後の焼結体の厚さは3mm以下と
なるように成形することが好ましい。これは本
発明の焼成時の昇温速度が、後述するように、
速いため厚い形状に成形すると、成形体の中心
部とその表面との間で温度勾配が生じてクラツ
クが発生する恐れがあるからである。
なお、この原料コロイドに有機質バインダを
添加する場合に、有機質バインダの量はコロイ
ドの無機質分散相100重量部に対し、有機質バ
インダ60重量部まで添加しても本発明の焼成方
法では、緻密で均一なセラミツクス製品を得る
ことができる。
昇温速度の遅い従来の焼成方法では、セラミ
ツクス粉末100重量部に対し、有機質バインダ
を10重量部以上添加すると、有機質バインダの
揮散に伴つて生じた気孔が異常粒成長により巨
大化した粒子の内部に取り残され閉じ込めら
れ、残留気孔として分布するため、緻密で均一
なセラミツクス製品を得ることは困難である。
(c) また本発明の特徴ある点は、セラミツクスグ
リーン成形体の焼成時の昇温速度にある。この
昇温速度は、グリーン成形体に含まれる水酸化
物が酸化物になるまで、あるいは有機質バイン
ダが揮散または燃焼するまでは、従来の焼成方
法と同様に20℃/分以下の速度で昇温させ、上
記水酸化物が酸化物になつた後、あるいは有機
質バインダが揮散または燃焼した後は、グリー
ン成形体の焼結線収縮率が5%未満になる温度
から所定の最高焼成温度までの間を30℃/分以
上300℃/分以下の昇温速度で焼成することに
特徴がある。
ここで、グリーン成形体の焼結線収縮率が5
%未満になる温度とは、例えば水酸化物の場合
には酸化物になり、結晶水を有する場合には結
晶水が脱離し、あるいは有機質バインダを添加
した場合には有機質バインダが揮散または燃焼
し尽す、少なくとも700℃以上の温度であつて、
このグリーン成形体の焼結開始温度以上の焼結
線収縮率が5%未満になる温度である。
本発明で定める焼成時の昇温速度の起点を焼
結線収縮率が5%未満になる温度とするのは、
この焼結線収縮率が5%未満の状態は、セラミ
ツクスグリーン成形体の粒子間の接触点で粒子
結合が生じそれが次第に成長を始める初期焼結
過程であつて、粒子の均一な再配列にとつて極
めて有効な状態であるからである。この焼結線
収縮率が5%以上の状態になると、中期焼結過
程に入り、粒子の合体成長と気孔の成長と縮小
とが交錯し、旺盛な粒成長が起こり、しかも異
常粒成長も起こり始めるため、この状態で昇温
速度勾配を高めても、均一かつ緻密なセラミツ
クス焼結体は得難い。
また昇温速度の下限値を30℃/分とするの
は、この30℃/分未満では、焼成過程でグリー
ン成形体の粒子に異常粒成長が見られ、残留気
孔を生じて緻密かつ均一な焼結体が得られない
ためである。
また昇温速度の上限値を300℃/分とするの
は、300℃/分以上にすると、昇温速度に応じ
た焼結性が得られず、かつ昇温速度が速すぎる
ことに起因して焼結体にクラツクが発生する恐
れがあるためである。
上記焼成条件により、コロイドの特徴の一つで
ある均一な粒子が異常粒成長することなく均質に
成長し、均一で緻密なセラミツクス焼結体が得ら
れる。
なお、原料のコロイドが金属もしくは非金属の
水酸化物またはその含水化合物である場合には、
焼成過程において水分子の脱離により酸化物に変
化する際に、微細な空孔を生じるため焼結開始温
度から所定の最高焼成温度までの昇温速度を100
℃/分〜300℃/分と幾分速い速度で昇温させる
ことが好ましい。
また有機質バインダの量が、コロイドの無機質
分散相100重量部に対して40重量部以上の場合も
同様である。
また有機質バインダを用いた場合は、有機質バ
インダの揮散および燃焼が完了するまでは、急速
な昇温は行わず、使用した有機質バインダに適応
した昇温速度を行うことが好ましい。
またセラミツクスグリーン成形体の焼成後の厚
みが2mm以上の場合、あるいは複雑な形状の成形
体を焼成する場合には、比較的遅い昇温速度の30
℃/分〜100℃/分で焼成することがセラミツク
ス焼結体のクラツク発生の防止のうえから好まし
い。
さらに最高焼成温度での保持時間は、焼結体の
緻密化よりは、むしろ焼結粒子径と相互関係があ
り、保持時間が長い程、粒子が成長する傾向にあ
る。微細な粒子からなる緻密な焼結体を必要とす
る場合には、その保持時間は5〜30分程度で十分
である。
冷却速度は焼成速度より遅くし、冷却による
歪、内部応力、およびクラツクの発生を防止する
ことが好ましい。
なお、従来の粉末原料を仮焼した後、粉砕粉末
にしスラリー化して成形したセラミツクスグリー
ン成形体を本発明の焼成方法における昇温速度で
焼成した場合には、グリーン成形体の粒子の異常
粒成長を多少抑制することはできるが、粉砕粒子
の粒子径が均一でなく、しかもコロイド粒子ほど
微細でないため、粒子径の不均一なセラミツクス
焼結体となる。
〔発明の効果〕
以上述べたように、本発明によれば、セラミツ
クスの原料として、無機質を分散相とするコロイ
ドを用いて、このコロイドの分散媒を脱離させて
分散相をゲル化し、このゲルを成形して得られた
セラミツクスグリーン成形体の焼成時の昇温速度
を、そのセラミツクスグリーン成形体の焼結線収
縮率が5%未満になる温度から所定の最高焼成温
度までの間にわたり、30℃/分以上300℃/分以
下とすることにより、 (1) コロイドが金属もしくは非金属の水酸化物ま
たはその含水化合物であつても、あるいは有機
質バインダの量が多くなつても粒子径が均一
で、緻密なセラミツクス焼結体が得られ、 (2) 短時間で焼成することができるので、熱エネ
ルギーを削減してセラミツクスグリーン成形体
を焼成することができる、 優れた効果がある。
〔実施例による説明〕
次に本発明の態様を明確にするために、実施例
を示してさらに具体的に説明するが、以下に示す
例はあくまでも一例であつて、これにより本発明
の範囲を限定するものではない。
実施例 市販の水を分散媒とするアルミナゾル(固形分
量8%)に、その分散相含有量100重量部に対し
て60重量部のポリビニルアルコールを添加混合し
て原料コロイドとした後、この原料コロイドを分
散相含有率12.0重量%、ポリビニルアルコール含
有率7.2重量%、および分散媒含有率80.8重量%
になるまで濃縮した。この濃縮した原料コロイド
を移動担体であるポリエステルフイルム上に、ド
クターブレードキヤステイングにより厚さ1mmに
なるように塗布する。
次に、このポリエステルフイルムを40℃のアセ
トン飽和蒸気雰囲気に保たれた容器の中に連続的
に挿入して、アルミナゾルの分散媒である水をア
セトン蒸気で離漿させ、上記ゾルをゲル化した
後、連続的に容器の外に排出させた。
次いで、ポリエステルフイルムよりシート状ゲ
ルを剥離し、このシート状ゲルを50℃の空気中を
通過させ、シート状ゲルに残存するアセトンと水
とを連続的に除去し、厚さ250μmのグリーンシー
トを得た。
このグリーンシートを電気炉の中に入れ、常圧
下の空気中で 常温から200℃までは 1℃/分、 200℃から600℃までは 3℃/分、 600℃から800℃までは 10℃/分 の昇温速度で焼成し、十分にポリビニルアルコー
ルを揮散しかつ燃焼させた後、 800℃から1600℃まで 250℃/分 の昇温速度で急速に焼結させ、30分間保持した。
その後15℃/分の降温速度で冷却し、厚さ130μm
のαアルミナ焼結シートを得た。
このαアルミナ焼結シートの焼結率は理論密度
の99.3%以上であり、極めて緻密なものであつ
た。その微細構造は粒子径が0.5μmの微細で均一
な粒子からなつていることを走査型電子顕微鏡で
確認した。
実施例 ジルコニウムイソプロポキシドとマグネシウム
メトキシドとをそれぞれZrO2換算で95重量%お
よびMgO換算で5重量%の割合で混合し、これ
に水を加えて加水分解し、水を分散媒とする安定
化ジルコニアゾルを原料コロイドとして得た。
この原料コロイドに、その分散相含有量100重
量部に対して30重量部のポリビニルアルコールを
添加混合した後、この添加された原料コロイドを
分散相含有率15.0重量%、ポリビニルアルコール
含有率4.5重量%、および分散媒含有率80.5重量
%になるまで濃縮した。この濃縮したゾルをガラ
ス板上に、アプリケーターにより厚さ2mmになる
ように塗布する。
次に、このガラス板を常温常圧下の空気中に15
時間放置して分散媒である水を除去して上記ゾル
をゲル化させた後、このガラス板よりシート状ゲ
ルを剥離し、厚さ200μmの安定化ジルコニウムシ
ートを得た。
このグリーンシートを電気炉の中に入れ、常圧
下の空気中で、 常温から200℃までは 1℃/分、 200℃から600℃までは 3℃/分、 600℃から900℃までは 5℃/分 の昇温速度で焼成し、十分にポリビニルアルコー
ルを揮散かつ燃焼させた後、 900℃から1600℃まで 50℃/分 の昇温速度で急速に焼結させ、10分間保持した。
その後15℃/分の降温速度で冷却し、厚さ100μm
の安定化ジルコニア焼結シートを得た。
この安定化ジルコニア焼結シートの焼結率は理
論密度99.2%以上であり、極めて緻密なものであ
つた。その微細構造は粒子径が1.0μmの微細で均
一な粒子径からなつていることを走査型電子顕微
鏡で確認した。
実施例 金属アルミニウムをイソプロピルアルコールと
反応させて得られたアルミニウムイソプロポキシ
ドにPH2〜4に調整した水を加えて加水分解し、
ベーマイトゾルを得た。
また一方、金属マグネシウムとメタノールとを
反応させて得られたマグネシウムメトキシドに水
を加えて加水分解し、ブルーサイトゾルを得た。
この両者をモル比で、 Al2O3:MgO=98:2 の割合で混合して原料コロイドを調製する。
この原料コロイドに、ポリビニルアルコールと
ポリ酢酸ビニールとの共重合体をコロイドの分散
相含有量100重量部に対して40重量部添加混合し
た後、この添加された原料コロイドを分散相含有
率15.0重量%、ポリビニルアルコールとポリ酢酸
ビニール共重合体含有率6.0重量%、および分散
媒含有率79.0重量%になるまで濃縮した。この濃
縮したコロイドを移動担体である高密度ポリエチ
レンテープ上に、リバースロールコーテイング法
に基づくテープキヤステイングにより厚さ0.3mm
になるようにコーテイングする。
次に、このコーテイングの施されたポリエチレ
ンテープをメタノール中に連続的に浸漬し、濃縮
コロイドの分散媒である水をメタノールで脱離さ
せて上記濃縮コロイドをゲル化させた後、メタノ
ールより引き上げる。
次いで、高密度ポリエチレンテープよりシート
状ゲルを剥離し、このシート状ゲルを50℃の空気
中を通過させ、シート状ゲルに残存するメタノー
ルと水とを連続的に除去し、厚さ60μmの乾燥し
たグリーンシートを得た。
このグリーンシートを電気炉の中に入れ、常圧
下の空気中で 常温から200℃までは 1℃/分、 200℃から800℃までは 3℃/分、 の昇温速度で加熱した後、水素雰囲気中で 800℃から1600℃まで 100℃/分 の昇温速度で急速に焼結させ、5分間保持した。
その後15℃/分の降温速度で冷却し、厚さ30μm
のαアルミナを主成分とするセラミツクス焼結シ
ートを得た。
このセラミツクス焼結シートの焼結率は理論密
度の99.7%以上であり、極めて緻密なものであつ
た。その微細構造は粒子径が0.5μmの微細で均一
な粒子からなつていることを走査型電子顕微鏡で
確認した。
実施例 実施例と同一の安定化ジルコニアゾルを原料
コロイドとして用い、この原料コロイドを分散相
含有率15.0重量%、分散媒含有率85.0重量%にな
るまで濃縮した。次に、この濃縮した原料コロイ
ドをガラス製のシヤーレーに流し込み、分散媒含
有率が30重量%程度の半乾燥の時点で、この原料
コロイドを再度上記シヤーレーに流し込み、40
℃、10時間常温常圧下の空気中に放置して乾燥さ
せ、乾燥後の厚さ5mmのグリーン成形体を得た。
このグリーン成形体を電気炉の中に入れ、常圧
下の空気中で 常温から200℃までは 0.5℃/分、 200℃から500℃までは 1.0℃/分、 500℃から800℃までは 5.0℃/分 の昇温速度で焼成し、十分にポリビニルアルコー
ルを揮散させかつ燃焼させた後、 800℃から1600℃まで 30℃/分 の昇温速度で急速に焼結させ、1時間保持した。
その後10℃/分の降温速度で冷却し、厚さ2.5mm
の安定化ジルコニア焼結体を得た。
この安定化ジルコニア焼結体の焼結率は理論密
度の99.0%以上であり、極めて緻密なものであつ
た。その微細構造は粒子径が1.5μmの微細で均一
な粒子からなつていることを走査型電子顕微鏡で
確認した。
比較例 実施例Iで得られたグリーンシートを電気炉の
中に入れ、常圧下の空気中で 常温から200℃までは 1℃/分、 200℃から600℃までは 3℃/分、 600℃から1600℃までは 10℃/分 の従来方法の昇温速度で焼成して30分間保持し
た。その後15℃/分の降温速度で冷却し、厚さ
300μmのαアルミナ焼結シートを得た。
このαアルミナ焼結シートの焼結率は理論密度
の89%程度しかなく、その微細構造も粒子径が
0.5〜1.5μmの不均一な粒子からなり、残留気孔等
も多数見られ不均質であることを走査型電子顕微
鏡で確認した。
比較例 市販の水酸化アルミニウム粉末を用い、この水
酸化アルミニウム粉末100重量部に対して、塩化
マグネシウムを4.8重量部、有機質バインダとし
てポリビニールブチラールを4.0重量部、有機溶
剤を45.0重量部、および可塑剤を6.0重量部添加
しボールミルで24時間混合粉砕して、原料スラリ
ーを得た。
このスラリーをドクターブレード法により厚さ
1mmのグリーンシートに作製した。次に、このシ
ートを常温から800℃までは、このバインダシス
テムの最適な揮散および燃焼プログラムを用いて
空気中で昇温させた後、水素雰囲気中で800℃か
ら1600℃まで100℃/分の昇温速度で急速に昇温
し、5分間保持した。その後15℃/分の降温速度
で冷却し、厚さ300μmのαアルミナを主成分とす
るセラミツクス焼結シートを得た。
このセラミツクス焼結シートの焼結率は理論密
度の93%であり、その微細構造は粒子径が0.5〜
4.0μmの広い範囲に分布する不均一な粒子からな
り、残留気孔等も多数存在していた。これは水酸
化アルミニウムの粒子の不均一性およびこの粒子
の凝集塊の存在に起因すると考えられる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一種または二種以上の無機質を分散相とし水
    を分散媒とするコロイドを調製し、このコロイド
    からその分散媒を脱離してゲルを生成し、このゲ
    ルを所定の形状に成形して得られたセラミツクス
    グリーン成形体を焼成するセラミツクスグリーン
    成形体の焼成方法において、 前記セラミツクスグリーン成形体の焼成時の昇
    温速度は、そのセラミツクスグリーン成形体の焼
    結線収縮率が5%未満になる温度から所定の最高
    焼成温度までの間にわたり、30℃/分以上300
    ℃/分以下であることを特徴とするセラミツクス
    グリーン成形体の焼成方法。 2 コロイドは一種または二種以上のアルコキシ
    ドを加水分解して得られるコロイドである特許請
    求の範囲第1項に記載のセラミツクスグリーン成
    形体の焼成方法。 3 コロイドは一種または二種以上のアルコキシ
    ドを加水分解して得られるコロイドの二種または
    三種以上の混合物である特許請求の範囲第1項に
    記載のセラミツクスグリーン成形体の焼成方法。 4 コロイドには、有機質バインダを含む特許請
    求の範囲第1項ないし第3項のいずれかに記載の
    セラミツクスグリーン成形体の焼成方法。
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