JPH0769740A - セラミックス成形体の製造方法 - Google Patents

セラミックス成形体の製造方法

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JPH0769740A
JPH0769740A JP5215448A JP21544893A JPH0769740A JP H0769740 A JPH0769740 A JP H0769740A JP 5215448 A JP5215448 A JP 5215448A JP 21544893 A JP21544893 A JP 21544893A JP H0769740 A JPH0769740 A JP H0769740A
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JP
Japan
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binder
polymer
pves
polymerization
group
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JP5215448A
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English (en)
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Shigeki Takada
重喜 高田
Daisuke Miyake
大介 三宅
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 少ない添加量のバインダーで、高強度,高密
度及び高均質性の成形体を製造しうる方法を提供するこ
とを目的とする。 【構成】 アルミナなどのセラミックスから成る成形体
を製造するに当たり、バインダーとして末端にイオン性
基を有するけん化度80モル%以下のポリビニルエステ
ル系重合体をセラミックス粉末100重量部に対して0.
1〜20重量部用いることを特徴とするセラミックス成
形体の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セラミックス成形体の
製造方法に関し、詳しくはバインダーとして変性ポリビ
ニルエステル(以下「ポリビニルエステル」を「PVE
S」と略記することがある。)を用いることにより、高
強度,高密度,高均質性のセラミックス成形体を製造す
る方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】セラミックスは、近年その諸特性を生か
して電子材料,磁性材料,光学材料,高温材料など、幅
広い用途に用いられている。これら種々の用途から、物
性,形状などの様々な面での改良が要望されている。例
えば、熱的,電気的,機械的性質などの点では、より緻
密で均質な製品が望まれている。一方、機械部品,電気
部品などの分野では、より複雑な形状の製品,より大型
の製品が望まれている。これらの要望の実現のために、
原料セラミックス粉体の面からも成形方法の面からも種
々の検討がなされている。従来、セラミックス製品の熱
的,電気的,機械的,光学的諸性質を改善する方法とし
て、原料粉末の純度を上げる方法あるいは微細な粒径の
粉末を用いる方法が提案されている。これらの方法を用
いた場合には、成形面から考えると原料不純物に由来す
る可塑性物質の減少あるいは粒子表面積の増大を招き、
より多量の有機バインダーが必要とされている。また、
製品の大型化あるいは複雑化を成形面から考えると成形
体(未焼結品)の取扱い時あるいは加工時に、より強度
が強い成形体であることが必要とされる。従来技術で
は、このような場合、有機バインダーの添加量を増す方
法を採用している。
【0003】しかしながら、原料粉末に対する有機バイ
ンダーの添加割合を増すことは、下記の点で問題があ
る。 (1)脱バインダー操作における問題 成形体は焼結に先立って脱バインダー操作を行うが、こ
の時有機バインダー量が多いと発熱量、発生ガス量が多
くなるため、爆裂等による割れを生じるおそれがあり、
脱バインダーに長時間を必要とする。 (2)不純物などの混入の問題 有機バインダーの多量の添加は、不純物の混入あるいは
成形物焼成後の炭化残渣の増大を招くことがあり、この
ような場合には製品純度を低下させる。 (3)寸法精度の問題 有機バインダー量が増すと、成形体を焼成した場合の収
縮率が大きくなり、寸法精度の低下を招く。 これらの問題点を解決するために、種々のバインダーが
検討されている。例えば、特開昭59−128265号
公報,特開昭59−128266号公報,特開昭62−
182150号公報,特開昭62−191458号公報
などがある。しかし、上記問題点を解決し、少ない添加
量で高強度,高密度及び高均質性の成形体を与えるバイ
ンダーは、現在までのところ見出されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の欠点を解消し、少ない添加量のバインダーで、高強
度,高密度及び高均質性の成形体を製造しうる方法を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
種々の有機物のバインダー性能を検討した結果、末端に
イオン性基を有するけん化度80モル%以下のPVES
系重合体をバインダーとする場合、水系混練物調製時に
セラミックス粉体との混和性が良く、種々の成形法にお
いて少量の使用で高強度の成形体が得られることを見出
した。本発明は、このような知見に基づいて完成したも
のである。すなわち、本発明は、セラミックス成形体を
製造するに当たり、バインダーとして末端にイオン性基
を有するけん化度80モル%以下のポリビニルエステル
系重合体をセラミックス粉末100重量部に対して0.1
〜20重量部用いることを特徴とするセラミックス成形
体の製造方法を提供するものである。
【0006】本発明で用いるPVES系重合体は、末端
にイオン性基を有するけん化度80モル%以下、好まし
くは30〜70モル%、特に好ましくは40〜60モル
%のPVES系重合体からなるものである。このPVE
S系重合体の重合度としては、特に制限はないが、50
〜2000が好ましく、100〜1000がより好まし
い。なお、このバインダーとしては、特に自己乳化性を
有するPVES系重合体を分散質とする水性分散液の形
態で使用することが有効である。
【0007】また、PVES系重合体を構成するビニル
エステル単位としては、様々なビニルエステル化合物に
由来する単位があるが、例えば酢酸ビニル,ギ酸ビニ
ル,プロピオン酸ビニル,酪酸ビニル,イソ酪酸ビニ
ル,ピバリン酸ビニル,カプリル酸ビニル,バーサチッ
ク酸ビニルなどに由来するビニルエステル単位が挙げら
れる。これらのビニルエステル系単位のなかでも工業的
には酢酸ビニル単位が好ましい。
【0008】上記PVES系重合体の重合度は、該PV
ES系重合体を実質的に完全にけん化した後、アセチル
化してポリ酢酸ビニルとした後、アセトン溶液中の極限
粘度の測定から中島の式(中島章夫:高分子化学,4
51(1949))を用いて算出されたものである。ま
た重量平均重合度(Pw)と数平均重合度(Pn)との
比Pw/Pnの値は、例えばビニルエステル単位が酢酸
ビニルに由来する単位から構成された重合体の場合に
は、再アセチル化して得られたポリ酢酸ビニル系重合体
をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)
により測定することにより求めることができる。また、
けん化度とはビニルエステル成分のけん化度を意味し、
他の成分を共重合している場合はその成分は含まない。
なお、けん化度は従来公知の化学分析法や核磁気共鳴分
析法等により分析できる。
【0009】本発明のPVES系重合体が、該重合体の
末端(好ましくは片末端)に有するイオン性基として
は、特に制限はないが、アミノ基,アンモニウム基,カ
ルボキシル基あるいはスルホン酸基が好ましい。アミノ
基あるいはアンモニウム基の例としては、次の一般式で
表されるチオールに由来するものが挙げられる。
【0010】
【化1】
【0011】およびその四級化物(a)
【0012】
【化2】
【0013】およびその四級化物(b)
【0014】
【化3】
【0015】およびその四級化物(c)
【0016】
【化4】
【0017】およびその四級化物(d) 上記一般式(a)〜(d)において、nは0〜3の整
数、mは1〜10の整数を示し、R1 ,R2 ,R6 ,R
7 ,R8 はそれぞれ水素原子またはメチル基を示し、R
3 ,R4 はそれぞれ低級アルキル基(置換基を含んでも
よい)を示し、Aはアミンあるいはアンモニウムの窒素
原子と一般式(a)中のアミド基の窒素原子あるいは一
般式(c)中の酸素原子とを連結する基を示す。カルボ
キシル基の例としては、次の一般式で表されるチオール
に由来するものが挙げられる。 HS−(CH2)p −COOH およびその塩(e)
【0018】
【化5】
【0019】およびその塩(f) 一般式(e),(f)において、pは0〜5の整数を示
し、R9 ,R10,R11はそれぞれ水素原子または低級ア
ルキル基(置換基を含んでもよい)を示す。スルホン酸
基の例としては、次の一般式で表されるチオールに由来
するものが挙げられる。
【0020】
【化6】
【0021】
【化7】
【0022】
【化8】
【0023】
【化9】
【0024】一般式(g)〜(j)において、rは1〜
4の整数を示し、R12〜R20はそれぞれメチル基または
水素原子を示し、Mは水素原子,アルカリ金属またはア
ンモニウムイオンを示す。なお、rが複数のときは、r
の数だけ存在する各R15,R 16,R18,R19は同じもの
でも異なるものでもよい。
【0025】本発明のPVES系重合体の末端のイオン
性基としては、上記に例示したようなアミノ基,アンモ
ニウム基,カルボキシル基またはスルホン酸基などのイ
オン性基が好ましく、カルボキシル基がより好ましい。
これらのイオン性基には、その塩も含まれ、該PVES
系重合体の水分散性または水溶性の点からは、アルカリ
金属塩がより好ましい。上述した末端にイオン性基を有
するPVES系重合体は、その製造法については特に制
限はなく、種々の方法を採用することができるが、例え
ば(i)イオン性基を有するアルコール,アルデヒドあ
るいはチオール等の官能基を有する化合物を連鎖移動剤
として共存させてビニルエステルを重合させ、次いでけ
ん化することにより末端にイオン性基を有するPVES
系重合体を得る方法、または(ii)PVES系重合体の末
端にイオン性基を化学反応により導入する方法等が挙げ
られる。しかしながら、より経済的かつ効率良く末端に
イオン性基を導入し、優れたバインダーを得る方法とし
ては、イオン性基を有する連鎖移動剤、特にこれらの官
能基を有するチオールの存在下に、酢酸ビニル等のビニ
ルエステル類を重合し、次いでけん化する方法が好まし
い(特開昭57−28121号公報および同57−10
5410号公報参照)。
【0026】イオン性基を有するチオールの存在下に、
酢酸ビニル等のビニルエステル類を重合するにあたっ
て、チオールの重合系への添加量,添加方法は、適宜選
択すればよい。チオールは連鎖移動剤として働き、チオ
ールの重合系への添加量,添加方法は、得られる重合体
の重合度や重合度分布に影響するため、PVES系重合
体の要求されるバインダー性能の面から適宜決められ
る。しかし、PVES系重合体の末端、特に片末端にイ
オン性基を効率良く導入し、優れたバインダーを得るた
めには、重合系のビニルエステルの反応率に応じてチオ
ールを添加することにより、反応系のチオール量がビニ
ルエステルに対しあまり変化しないようにすることが好
ましい。こうすることにより末端のイオン性基の導入効
率が向上し、また重合度分布も狭くなって優れた性能の
バインダーが得られ好ましい。特に、重合度分布の程度
を示す重量平均重合度(Pw)と数平均重合度(Pn)
の比Pw/Pnが4.0を超えないものが望ましい。
【0027】本発明に用いる末端にイオン性基を有する
PVES系重合体は、上述したように末端にイオン性基
を有することが必須であるが、バインダーとしての効果
を損なわない範囲であれば、側鎖に末端基と同類のまた
は異なったイオン性基を有してもよい。また、側鎖に非
イオン性基を導入することも可能である。本発明に用い
るPVES系重合体の原料であるポリビニルエステルの
重合の形式は、従来から公知の形式、例えば、塊状重
合,溶液重合,懸濁重合,分散重合またはエマルジョン
重合のいずれをも採用し得るが、工業的にはメタノール
やトルエン等を用いる溶液重合が最も好ましい。さらに
重合操作としては、回分法,半回分法または連続法のい
ずれのプロセスにおいても製造可能である。
【0028】本発明に用いるバインダーを得るための重
合で使用される開始剤としては、通常公知のラジカル重
合開始剤が用いられる。例えば、2,2’−アゾビスイ
ソブチロニトリル;2,2’−アゾビス(4−メトキシ
−2,4−ジメチルバレロニトリル);ベンゾイルパー
オキサイド;ジイソプロピルパーオキシジカーボネー
ト;過硫酸カリウム等が挙げられる。重合温度は使用す
る開始剤によって適宜設定できるが、好ましくは10〜
90℃である。本発明に用いる末端にイオン性基を有す
るけん化度80モル%以下のPVES系重合体を得る方
法としては、通常公知の方法、すなわち末端にイオン性
基を有する未けん化のPVES系重合体をけん化する方
法が挙げられる。けん化方法としては、アルカリけん化
または酸けん化のいずれも採用できるが、工業的にはメ
タノール溶媒でNaOHやCH3 ONaを触媒とした加
メタノール分解が最も有利である。けん化温度は特に制
限はないが、得られるけん化度80モル%以下のPVE
S系重合体の着色防止という観点から、20〜60℃で
行うのが好ましい。また、触媒とするNaOHやCH3
ONaの量はビニルエステル単位1モルに対して、通常
は0.2モル以下が、得られるPVES系重合体の着色防
止や酢酸ナトリウムの量を低く抑えるという点から好ま
しい。末端に導入した官能基が、酸のようなアルカリを
消費するものがある場合には、アルカリの量を消費され
る分だけ上記範囲より多く加えて、けん化を実施するこ
とが望ましい。
【0029】上記のようなPVES系重合体が適用され
るセラミックス粉末としては、セラミックス製造に使用
されうる金属または非金属の酸化物または非酸化物の粉
末が挙げられる。また、これらの粉末の組成は、単一組
成,化合物の状態のものを単独または混合して使用して
も差し支えない。なお、金属の酸化物または非酸化物の
構成元素は、カチオンまたはアニオンともに単元素でも
あるいは複数の元素から成り立っていてもよく、さらに
酸化物または非酸化物の特性を改良するために加えられ
る添加物を含む系についても本発明に使用することがで
きる。具体的には、Li,K,Be,Mg,B,Al,
Si,Cu,Ca,Sr,Ba,Zn,Cd,Ga,I
n,ランタニド,アクチニド,Ti,Zr,Hf,B
i,V,Nb,Ta,W,Mn,Fe,Co,Niなど
の酸化物,炭化物,窒化物,ホウ化物,硫化物などが挙
げられる。また、通常複酸化物と称される複数の金属元
素を含む酸化物粉末の具体的なものを結晶構造から分類
すると、ペロプスカイト型構造をとるものとしてNaN
bO3 ,SrZrO3 ,PbZrO3 ,SrTiO3
BaZrO3 ,PbTiO3 ,BaTiO3 などが、ス
ピネル型構造をとるものとしてはMgAl2 4 ,Zn
Al2 4 ,CoAl2 4 ,NiAl2 4 ,MgF
2 4 などが、イルメナイト型構造をとるものとして
はMgTiO3 ,MnTiO3 ,FeTiO3 などが、
ガーネット型構造をとるものとしてはGd3 Ga
5 12,Y3 Fe5 12などが挙げられる。これらのセ
ラミックス粉末のうち、酸化物粉末、とりわけ電子材
料,磁性材料,光学材料,高温材料などを製造するため
の金属酸化物粉末を用いる場合に、上記PVES系重合
体の効果がより好適に発揮される。
【0030】本発明により成形体を製造するには、上記
のPVES系重合体と各種のセラミックス粉体とを含有
する原料組成物を調製する。適切な配合割合は、使用す
るセラミックス粉体の種類、成形方法,成形物の形状な
どにより変動するが、セラミックス粉体100重量部に
対して0.1〜20重量部、好ましくは0.2〜15重量部
の範囲で使用する。PVES系重合体の量が0.1重量部
未満であると、バインダー効果が充分ではなく、一方2
0重量部を超えると、成形体の寸法精度が低下したり、
スラリーの粘度が高くなり過ぎて成形が難しくなるなど
の不都合が起こる。上記のPVES系重合体は、上記セ
ラミックス粉末の粒径および形状によらず有効である
が、粉末が微細になるにしたがって、造粒上の問題が重
要となることから、特に20μm以下の平均粒子径を有
する粉体に対して、その有効性が一層発揮される。
【0031】本発明において、バインダー特性が発揮さ
れる成形方法としてはプレス成形,押出成形,テープ成
形,泥漿鋳込成形などの、水系混練物を成形工程として
持つ成形方法が挙げられる。ここで言う水系混練物と
は、原料セラミックス粉末と水とバインダーからなり、
必要に応じて解膠剤,可塑剤,滑剤などが添加された組
成物である。また、PVES系重合体の溶解に問題とな
らない程度の有機溶媒が存在してもよい。特に、水系混
練物を適当な粒径の顆粒状に乾燥させ、これを適当な型
材に供給し、加圧して成形するプレス成形においては、
顆粒の潰れ易さ,圧力の伝達性が非常に問題になるが、
本発明に用いるPVES系重合体は、それ自体潤滑性が
あるためか、プレス成形には非常に効果が大きい。
【0032】水系混練物に必要に応じて添加される解膠
剤としては、通常用いられる各種のものが使用され、例
えば、無機解膠剤としては、リン酸ナトリウム,水酸化
ナトリウム,クエン酸ナトリウム,リノール酸ナトリウ
ムなどがあり、有機解膠剤としては、アミン類,ピリジ
ン,ピペリジン,ポリアクリル酸の金属塩あるいはアン
モニウム塩,ポリオキシエチレンノニルフェノールエー
テルなどがある。また、可塑剤としては、例えば、グリ
コール類、ポリエチレングリコール,グリセリン,トリ
オール類などが使用される。また、滑剤としては、通常
用いられるもので、例えば、みつろう,木ろう等の天然
ワックス;パラフィンワックス,マイクロクリスタルワ
ックス,低分子ポリエチレン及びその誘導体等の合成ワ
ックス;ステアリン酸,ラウリン酸等の脂肪酸;ステア
リン酸マグネシウム,ステアリン酸カルシウム等の脂肪
酸金属塩;オレイン酸アミド,ステアリン酸アミド等の
脂肪酸アミド;ポリエチレングリコールなどであり、こ
れらが水系分散体になっていてもよい。上記のように、
本発明においては、上記のPVES系重合体をバインダ
ーとして用いるのであるが、他のバインダーを併用して
もよい。併用しうるバインダーとしては、特に制限はな
く、様々なものを用いることができ、例えば、澱粉類,
糖類およびそれらの誘導体,ゴム類,可溶性蛋白質類,
セルロース誘導体,合成水溶性高分子としてPVA,ポ
リビニルピロリドン,ポリアクリル酸アミド,イソブチ
レン−無水マレイン酸共重合体,アクリル酸,メタクリ
ル酸及びそれらのエステル化物の単独あるいは共重合物
等,水系分散体としてエチレン,プロピレン等のオレフ
ィン,ブタジエン,イソプレン等のジオレフィン,酢酸
ビニル等のビニルエステル,ラウリルビニルエーテル等
のビニルエーテル,アクリル酸,メタクリル酸及びそれ
らのエステル,スチレン等の単量体の一種または二種以
上からなるポリマーの水系分散体などを用いることがで
きる。
【0033】上記のようにして得られる成形物を通常の
条件で焼成することにより強度などに優れた焼成成形体
が得られる。
【0034】
【実施例】以下に本発明を実施例および比較例によりさ
らに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によっ
て制限されるものではない。なお、実施例中の部は、特
に断りのない限り重量部を示す。
【0035】実施例および比較例 第1表に示すバインダーを用い、下記の方法でプレス成
形を行った。 プレス成形 アルミナ粉末(99.8%純度)100部,水100部及
びポリアクリル酸アンモニウム塩(解膠剤)0.3部を7
0時間ボールミルで粉砕した後、PVES系重合体分散
液(使用量は第1表に示す),ステアリン酸エマルジョ
ン1.5部およびグリセリン1部と均一に混合した。この
スラリーを用いて噴霧乾燥により造粒を行なった。得ら
れた造粒品(顆粒)は、流動性が良好で、真球に近い球
体であった。この顆粒を用いて600kg/cm2 のプ
レス圧で成形した。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
【表4】
【0040】上記実施例及び比較例において、成形時の
離型性及び均質性を下記の基準で評価し、得られた成形
体の物性を下記の方法で測定し、結果を第2表に示す。 離型性 ○:成形用型材への付着なし。 △:成形用型材への付着がある。 均質性 ○:成形用型材から離型時に成形物にクラックが生じな
い。 △:成形用型材から離型時に成形物にクラックが少し生
じる。 ×:成形用型材から離型時に成形物にクラックがかなり
生じる。 強度 成形体の強度は、三点曲げ試験で測定し、成形体が折れ
るのに必要なエネルギー(タフネス)をs−sカーブか
ら求め、比較例4の成形体のタフネスを1.0として相対
値を求めた。 加工性 ナイフによるカッティング、ドリルによる孔開けを行な
い、その難易度を下記の基準で評価した。 ○:容易に加工できる。 △:加工が困難である。 ×:加工が非常に難しい。
【0041】
【表5】
【0042】
【表6】
【0043】
【発明の効果】本発明の方法によれば、少ないバインダ
ーの添加量で、高強度,高密度及び高均質性の成形体を
効率よく得ることができ、その際の離型性もよく、大型
あるいは複雑な形状の成形体の製造にも有効である。ま
た、本発明の方法によれば、バインダー添加量が少ない
ため、不純物の混入が少なく、焼成前に行なわれる脱バ
インダー操作を短時間に行なうことができ、焼成による
収縮も少なく、寸法精度の高い焼成成形体を製造するこ
とができる。したがって、本発明の方法は、電子材料,
磁性材料,光学材料,高温材料などの製造に好適であ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックス成形体を製造するに当た
    り、バインダーとして末端にイオン性基を有するけん化
    度80モル%以下のポリビニルエステル系重合体をセラ
    ミックス粉末100重量部に対して0.1〜20重量部用
    いることを特徴とするセラミックス成形体の製造方法。
JP5215448A 1993-08-31 1993-08-31 セラミックス成形体の製造方法 Pending JPH0769740A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115557777A (zh) * 2022-10-08 2023-01-03 江苏省陶瓷研究所有限公司 一种自发凝固成型的氧化铝陶瓷料及陶瓷基板的制备方法

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CN115557777A (zh) * 2022-10-08 2023-01-03 江苏省陶瓷研究所有限公司 一种自发凝固成型的氧化铝陶瓷料及陶瓷基板的制备方法

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