JPH0769250A - 自動車の車体構造 - Google Patents
自動車の車体構造Info
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- JPH0769250A JPH0769250A JP22148493A JP22148493A JPH0769250A JP H0769250 A JPH0769250 A JP H0769250A JP 22148493 A JP22148493 A JP 22148493A JP 22148493 A JP22148493 A JP 22148493A JP H0769250 A JPH0769250 A JP H0769250A
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- Japan
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- frame
- automobile
- movable frame
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 自動車の外板を形成する弾性部材が熱膨張し
てもシワや弛みが発生せず、さらに、弾性部材が可動フ
レームの膨出作用によっても破損しない自動車の車体構
造を提供することを目的とする。 【構成】 自動車の後部を形成する剛体からなる枠31
と、枠31に周縁を支持される弾性部材からなる外板1
と、外板1の内側に配置され、外板1を内方から外方へ
可動フレーム32で膨出させてリアスポイラ33を形成
するエアシリンダ34とを有する自動車の車体構造にお
いて、外板1は、温度変化による伸びにかかわらず弛み
が生じないように張力を付与されて枠31に支持され
る。
てもシワや弛みが発生せず、さらに、弾性部材が可動フ
レームの膨出作用によっても破損しない自動車の車体構
造を提供することを目的とする。 【構成】 自動車の後部を形成する剛体からなる枠31
と、枠31に周縁を支持される弾性部材からなる外板1
と、外板1の内側に配置され、外板1を内方から外方へ
可動フレーム32で膨出させてリアスポイラ33を形成
するエアシリンダ34とを有する自動車の車体構造にお
いて、外板1は、温度変化による伸びにかかわらず弛み
が生じないように張力を付与されて枠31に支持され
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車の車体構造に関
する。
する。
【0002】
【従来の技術】自動車が空気から受ける空気力は、走る
速さの2乗に比例している。したがって、空気力を弱め
ることは高速走行になる程重要になり、また上手に空気
力を調整できる車体を作れば経済的、高性能、かつ安全
な自動車を作ることができる。
速さの2乗に比例している。したがって、空気力を弱め
ることは高速走行になる程重要になり、また上手に空気
力を調整できる車体を作れば経済的、高性能、かつ安全
な自動車を作ることができる。
【0003】この空気力は、車体の全表面にわたって加
えられるが、大きく分けると揚力、抗力、横力、ピッチ
ングモーメント、ローリングモーメント、ヨーイングモ
ーメントの6つの力に分けられる。
えられるが、大きく分けると揚力、抗力、横力、ピッチ
ングモーメント、ローリングモーメント、ヨーイングモ
ーメントの6つの力に分けられる。
【0004】このうち、揚力を減らす方法としては、車
体の前後にスポイラを取り付け、このスポイラで空気整
流を行って揚力を減らす方法が採られており、リヤ側の
スポイラは一般に車体後部より後方斜め上側に向かって
ウイング状に常に突き出した状態で、高速走行に適した
状態に設定して設けられている。
体の前後にスポイラを取り付け、このスポイラで空気整
流を行って揚力を減らす方法が採られており、リヤ側の
スポイラは一般に車体後部より後方斜め上側に向かって
ウイング状に常に突き出した状態で、高速走行に適した
状態に設定して設けられている。
【0005】上述した従来のリアスポイラは、車体後部
より常に突き出した状態で高速走行時に適した状態に設
定して設けられている。このため、市街地走行等、比較
的低速な走行をしている場合には、エアスポイラ本来の
機能を十分に生かしきれないという問題がある。これ
は、低速の市街地走行を行う方が多い現状を考慮すると
無視できない問題である。よって、自動車の走行速度等
の走行条件に合わせて変位するリアスポイラが望まれて
いた。
より常に突き出した状態で高速走行時に適した状態に設
定して設けられている。このため、市街地走行等、比較
的低速な走行をしている場合には、エアスポイラ本来の
機能を十分に生かしきれないという問題がある。これ
は、低速の市街地走行を行う方が多い現状を考慮すると
無視できない問題である。よって、自動車の走行速度等
の走行条件に合わせて変位するリアスポイラが望まれて
いた。
【0006】そこで、自動車の後部の外板を塗装を施し
た一定の厚さの弾性部材で形成し、この弾性部材を枠に
支持させて三角形状の可動フレームで弾性部材を内部か
ら外方へ向かって、自動車の速度に応じて膨出させて略
三角錐形状のリアスポイラを形成する方式が提案されて
いる。
た一定の厚さの弾性部材で形成し、この弾性部材を枠に
支持させて三角形状の可動フレームで弾性部材を内部か
ら外方へ向かって、自動車の速度に応じて膨出させて略
三角錐形状のリアスポイラを形成する方式が提案されて
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述の弾性部材を可動
フレームで膨出させる方式には、三角形状の可動フレー
ムの頂部と接触する弾性部材の接触部に応力が集中し、
この接触部における膨出量が他の部位に比べて大きくな
り、接触部付近の弾性部材とその表面の塗装とが破損し
やすくなるという問題がある。また、外板を弾性部材で
形成しているので、弾性部材が直射日光等により熱膨張
してシワや弛みが発生し見映えが悪くなるという問題が
ある。
フレームで膨出させる方式には、三角形状の可動フレー
ムの頂部と接触する弾性部材の接触部に応力が集中し、
この接触部における膨出量が他の部位に比べて大きくな
り、接触部付近の弾性部材とその表面の塗装とが破損し
やすくなるという問題がある。また、外板を弾性部材で
形成しているので、弾性部材が直射日光等により熱膨張
してシワや弛みが発生し見映えが悪くなるという問題が
ある。
【0008】従って、本発明は、上述の問題点に鑑みて
なされたものであり、自動車の外板を形成する弾性部材
が熱膨張してもシワや弛みが発生せず、さらに、弾性部
材が可動フレームの膨出作用によっても破損しない自動
車の車体構造を提供することを目的とする。
なされたものであり、自動車の外板を形成する弾性部材
が熱膨張してもシワや弛みが発生せず、さらに、弾性部
材が可動フレームの膨出作用によっても破損しない自動
車の車体構造を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
自動車の後部を形成する剛体からなる枠と、枠に周縁を
支持される弾性部材からなる外板と、外板の内側に配置
され、外板を内方から外方へ可動フレームで膨出させて
リアスポイラを形成する突出手段とを有する自動車の車
体構造において、外板は、温度変化による伸びにかかわ
らず弛みが生じないように張力を付与されて枠に支持さ
れる。
自動車の後部を形成する剛体からなる枠と、枠に周縁を
支持される弾性部材からなる外板と、外板の内側に配置
され、外板を内方から外方へ可動フレームで膨出させて
リアスポイラを形成する突出手段とを有する自動車の車
体構造において、外板は、温度変化による伸びにかかわ
らず弛みが生じないように張力を付与されて枠に支持さ
れる。
【0010】請求項2記載の発明は、自動車の後部を形
成する剛体からなる枠と、枠に周縁を支持される弾性部
材からなる外板と、外板の内側に配置され、外板を内方
から外方へ可動フレームで膨出させてリアスポイラを形
成する突出手段とを有する自動車の車体構造において、
外板は、可動フレームによる膨出作用を受けたときに、
応力の比較的集中する部位が他の部位より肉厚に形成さ
れている。
成する剛体からなる枠と、枠に周縁を支持される弾性部
材からなる外板と、外板の内側に配置され、外板を内方
から外方へ可動フレームで膨出させてリアスポイラを形
成する突出手段とを有する自動車の車体構造において、
外板は、可動フレームによる膨出作用を受けたときに、
応力の比較的集中する部位が他の部位より肉厚に形成さ
れている。
【0011】
【作用】請求項1記載の発明によれば、弾性部材により
形成された外板は、自動車の後部を形成する剛体からな
る枠に張力を付与されて支持され、温度変化により生じ
る伸びを吸収する。
形成された外板は、自動車の後部を形成する剛体からな
る枠に張力を付与されて支持され、温度変化により生じ
る伸びを吸収する。
【0012】請求項2記載の発明によれば、弾性部材に
より形成され、且つ、可動フレームと接触する接触部を
肉厚に形成された外板は、略三角形状の可動フレームに
よる膨出作用を受けたとき、応力が均一に作用される。
より形成され、且つ、可動フレームと接触する接触部を
肉厚に形成された外板は、略三角形状の可動フレームに
よる膨出作用を受けたとき、応力が均一に作用される。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1において、符号1は、自動車の外板を示す。
外板1は、例えばポリスチレン系熱可塑性エラストマ等
の弾性部材で形成され、その表面には、ウレタン系の塗
装膜が形成されている。エラストマと塗装膜とは化学的
に結合しており、両者は一体的に伸縮自在に形成されて
いる。外板1は、自動車の後部を形成する剛体からなる
枠31に所定の張力を保ってその周縁を張設・支持され
ている。外板1の内側には、外板1を内方から外方へ可
動フレーム32で膨出させ、リアスポイラ33を形成す
る突出手段としての複数のエアシリンダ34が車体の幅
方向に並べられて配置されている。
する。図1において、符号1は、自動車の外板を示す。
外板1は、例えばポリスチレン系熱可塑性エラストマ等
の弾性部材で形成され、その表面には、ウレタン系の塗
装膜が形成されている。エラストマと塗装膜とは化学的
に結合しており、両者は一体的に伸縮自在に形成されて
いる。外板1は、自動車の後部を形成する剛体からなる
枠31に所定の張力を保ってその周縁を張設・支持され
ている。外板1の内側には、外板1を内方から外方へ可
動フレーム32で膨出させ、リアスポイラ33を形成す
る突出手段としての複数のエアシリンダ34が車体の幅
方向に並べられて配置されている。
【0014】枠31は、鉄板等の剛体を折り曲げて形成
され、図示しないボルトなどの締結部材により車体35
の後部に固定されている。枠31には、可動フレーム3
2が通過する開口31aが設けられている。可動フレー
ム32は、図1において、紙面に対して垂直をなす方向
(車体の幅方向)に棒状に長く形成されている。可動フ
レーム32の膨出作用により外板1が破損しないよう
に、可動フレーム32は、外板1に接触する面を部分円
筒状に形成されている。可動フレーム32には、可動フ
レーム32を車体35の外方へ向けて変位させるエアシ
リンダ34が結合されている。エアシリンダ34は、そ
の一端が枠31の傾斜壁を貫通して車体35に取り付け
られ、その他端が開口31aに対向して枠31の内部に
臨むように設けられている。
され、図示しないボルトなどの締結部材により車体35
の後部に固定されている。枠31には、可動フレーム3
2が通過する開口31aが設けられている。可動フレー
ム32は、図1において、紙面に対して垂直をなす方向
(車体の幅方向)に棒状に長く形成されている。可動フ
レーム32の膨出作用により外板1が破損しないよう
に、可動フレーム32は、外板1に接触する面を部分円
筒状に形成されている。可動フレーム32には、可動フ
レーム32を車体35の外方へ向けて変位させるエアシ
リンダ34が結合されている。エアシリンダ34は、そ
の一端が枠31の傾斜壁を貫通して車体35に取り付け
られ、その他端が開口31aに対向して枠31の内部に
臨むように設けられている。
【0015】エアシリンダ34は、その作動を制御手段
39に制御され、速度センサ40で検出された車速度が
低速度の場合には、図1に実線で示す退却位置に可動フ
レーム32を変位させる。また、車速度が高速度の場合
には、図1に仮想線で示す膨出位置に可動フレーム32
を変位させてリアスポイラ33を形成する。
39に制御され、速度センサ40で検出された車速度が
低速度の場合には、図1に実線で示す退却位置に可動フ
レーム32を変位させる。また、車速度が高速度の場合
には、図1に仮想線で示す膨出位置に可動フレーム32
を変位させてリアスポイラ33を形成する。
【0016】外板1を枠31に張設・支持するときに付
与される張力について説明する。ポリスチレン系熱可塑
性エラストマにウレタン系の塗装膜を形成した外板1の
23〜80℃における線膨張係数αは、 α=22.8×10~5/℃である。
与される張力について説明する。ポリスチレン系熱可塑
性エラストマにウレタン系の塗装膜を形成した外板1の
23〜80℃における線膨張係数αは、 α=22.8×10~5/℃である。
【0017】ポリスチレン系熱可塑性エラストマにウ
レタン系の塗装膜を形成した外板1と、ポリスチレン
系熱可塑性エラストマのみの板とを用いて張力変化によ
る寸法変化率の実験を行った。
レタン系の塗装膜を形成した外板1と、ポリスチレン
系熱可塑性エラストマのみの板とを用いて張力変化によ
る寸法変化率の実験を行った。
【0018】ポリスチレン系熱可塑性エラストマのみの
板の23〜80℃における線膨張係数α’は、 α’=20.5×10~5/℃である。
板の23〜80℃における線膨張係数α’は、 α’=20.5×10~5/℃である。
【0019】まず、外板1との板とをそれぞれ図2に
示すような自動車の後部形状に倣って複数成型し、その
成型時におけるポリスチレン系熱可塑性エラストマの流
れの方向と平行に長いテストピースPと、その成型時に
おけるポリスチレン系熱可塑性エラストマの流れの方向
に直交する方向に長いテストピースOとを切り出した。
成型時の内部歪を除くために、各テストピースP、Oを
80℃で15時間以上の前熱処理を行った。
示すような自動車の後部形状に倣って複数成型し、その
成型時におけるポリスチレン系熱可塑性エラストマの流
れの方向と平行に長いテストピースPと、その成型時に
おけるポリスチレン系熱可塑性エラストマの流れの方向
に直交する方向に長いテストピースOとを切り出した。
成型時の内部歪を除くために、各テストピースP、Oを
80℃で15時間以上の前熱処理を行った。
【0020】その後、テストピースO、Pに様々な張力
を付与して図3に示す治具36に固定し、標線Lを書き
込んだ。治具36は、その上面にテストピースを載置さ
れる長方形状のアルミのプレート37と、プレート38
の両端部に配置され、プレート37と共にテストピース
を挾持する挾持部38とからなる。
を付与して図3に示す治具36に固定し、標線Lを書き
込んだ。治具36は、その上面にテストピースを載置さ
れる長方形状のアルミのプレート37と、プレート38
の両端部に配置され、プレート37と共にテストピース
を挾持する挾持部38とからなる。
【0021】次に、治具36に固定したテストピース
O、Pを−30〜80℃中に3時間放置し、その雰囲気
中で、テストピースO、P上の標線L−L間の寸法lを
測定し、シワの観察を行った。
O、Pを−30〜80℃中に3時間放置し、その雰囲気
中で、テストピースO、P上の標線L−L間の寸法lを
測定し、シワの観察を行った。
【0022】図4は、80℃における上記の結果をグラ
フに示したものである。横軸は、治具36に固定すると
きに付与する張力による伸び率を表している。縦軸は、
標線L−L間の寸法変化率を表している。
フに示したものである。横軸は、治具36に固定すると
きに付与する張力による伸び率を表している。縦軸は、
標線L−L間の寸法変化率を表している。
【0023】なお、図中に示す○は、外板1のテストピ
ースP、●は、外板1のテストピースO、△はの板の
テストピースP、また、斜線で示す範囲は、外板1、
の板の線膨張により発生する伸びの範囲をそれぞれ表し
ている。
ースP、●は、外板1のテストピースO、△はの板の
テストピースP、また、斜線で示す範囲は、外板1、
の板の線膨張により発生する伸びの範囲をそれぞれ表し
ている。
【0024】寸法変化率は、治具36に固定時のテスト
ピースの標線L−L間の寸法をl、雰囲気中での標線L
−L間の寸法をl’とすると、 寸法変化率=(l’−l)/l×100となる。
ピースの標線L−L間の寸法をl、雰囲気中での標線L
−L間の寸法をl’とすると、 寸法変化率=(l’−l)/l×100となる。
【0025】線膨張により発生する伸びεは、寸法変化
量をΔl、温度80℃をt’温度23℃をtとすると、 ε=Δl/l=α(t’−t)/l×100=α(t’
−t)=5700αとなる。
量をΔl、温度80℃をt’温度23℃をtとすると、 ε=Δl/l=α(t’−t)/l×100=α(t’
−t)=5700αとなる。
【0026】図4から明らかなように、外板1及びの
板は、3%以上の伸びが生じる張力を付与して枠31に
支持させることにより寸法がほとんど変化しなかった。
板は、3%以上の伸びが生じる張力を付与して枠31に
支持させることにより寸法がほとんど変化しなかった。
【0027】よって、本実施例において、外板1は、弛
みが生じないように、常温において5700α%以上の
伸びが生じる張力を付与されて枠31に支持されてい
る。すなわち、外板1及びの板には、1.5%以上の
伸びが生じる張力が付与されて枠31に支持している。
みが生じないように、常温において5700α%以上の
伸びが生じる張力を付与されて枠31に支持されてい
る。すなわち、外板1及びの板には、1.5%以上の
伸びが生じる張力が付与されて枠31に支持している。
【0028】図5に本発明の別の実施例を示す。図5に
おいて、符号1は、自動車の後部の外板を示す。外板1
は、上述の実施例と同様に、ポリスチレン系熱可塑性エ
ラストマ等の弾性部材で形成され、その表面には、ウレ
タン系の塗装が施されている。外板1は、自動車の後部
を形成する剛体から成る枠30(図6参照)に支持され
ている。外板1の内側には、外板1を内方から外方へ可
動フレーム2で膨出させ略三角錐形状のリアスポイラ2
2(図7参照)を形成する突出手段3が配置されてい
る。外板1と可動フレーム2とが接触する外板1の接触
部分には、外板1の強度を保つために厚肉部1aが形成
されている。以下厚肉部1aについて説明する。
おいて、符号1は、自動車の後部の外板を示す。外板1
は、上述の実施例と同様に、ポリスチレン系熱可塑性エ
ラストマ等の弾性部材で形成され、その表面には、ウレ
タン系の塗装が施されている。外板1は、自動車の後部
を形成する剛体から成る枠30(図6参照)に支持され
ている。外板1の内側には、外板1を内方から外方へ可
動フレーム2で膨出させ略三角錐形状のリアスポイラ2
2(図7参照)を形成する突出手段3が配置されてい
る。外板1と可動フレーム2とが接触する外板1の接触
部分には、外板1の強度を保つために厚肉部1aが形成
されている。以下厚肉部1aについて説明する。
【0029】図7に示すように、エアスポイラ22が形
成された時の外板1のX、Y、Zの各位置における、可
動フレーム2の膨出作用による荷重(Wx,Wy,W
z)の関係は、上記各位値における変形量の大小に応じ
て、 Wx>Wy,Wx>Wzとなる。 外板1の各位置X,Y,Zにおける、断面積をAx,A
y,Az、外板1の弾性率をEとすると、上記各点X,
Y,Zにおける応力σx,σy,σz,は、 σx=Wx/Ax、σy=Wy/Ay、σz=Wz/A
zとなる。
成された時の外板1のX、Y、Zの各位置における、可
動フレーム2の膨出作用による荷重(Wx,Wy,W
z)の関係は、上記各位値における変形量の大小に応じ
て、 Wx>Wy,Wx>Wzとなる。 外板1の各位置X,Y,Zにおける、断面積をAx,A
y,Az、外板1の弾性率をEとすると、上記各点X,
Y,Zにおける応力σx,σy,σz,は、 σx=Wx/Ax、σy=Wy/Ay、σz=Wz/A
zとなる。
【0030】ここで、外板1の各点X、Y、Zにおける
応力がσx=σy=σzとなるように各位置X、Y、Z
の断面積を設定すると、断面積の関係は、 Ax>Ay、Ax>Azとなる。 この場合の外板1の全体の伸びをεとすると、 ε=σx/E=σy/E=σz/Eとなり、一定にな
る。
応力がσx=σy=σzとなるように各位置X、Y、Z
の断面積を設定すると、断面積の関係は、 Ax>Ay、Ax>Azとなる。 この場合の外板1の全体の伸びをεとすると、 ε=σx/E=σy/E=σz/Eとなり、一定にな
る。
【0031】したがって、厚肉部1aは、可動フレーム
2の膨出作用による応力が外板1に均等に加えられるよ
うに、また、外板1の表面の伸びが均等になるように、
可動フレーム2と接触して荷重が加えられる部分が相対
的に厚く形成されている。
2の膨出作用による応力が外板1に均等に加えられるよ
うに、また、外板1の表面の伸びが均等になるように、
可動フレーム2と接触して荷重が加えられる部分が相対
的に厚く形成されている。
【0032】図8は、上記関係を定性的にグラフで示し
たものである。横軸は左端がX位置、右端が位置Y,Z
を表している。荷重及び断面積は、破線で示すようにX
位置からY,Z位置へ向かうにつれて、単調に減少して
いる。表面の伸びすなわち(ε)は、実線で示すように
X位置からY,Z位置への変位にかかわらず一定となる
ようになっている。
たものである。横軸は左端がX位置、右端が位置Y,Z
を表している。荷重及び断面積は、破線で示すようにX
位置からY,Z位置へ向かうにつれて、単調に減少して
いる。表面の伸びすなわち(ε)は、実線で示すように
X位置からY,Z位置への変位にかかわらず一定となる
ようになっている。
【0033】可動フレーム2は、図5、9に示すよう
に、略三角形状の第1のフレーム4と、この第1のフレ
ーム4の頂部4aに固着された連結部材18に結合され
た棒状の第2のフレーム5とからなる。第1のフレーム
4の頂部4aと対抗する辺4bの一側面には、通し軸1
7が固着されている。通し軸17は、その両端部をトラ
ンクルームの底板14に固定された各軸受16で軸支さ
れている。第2のフレーム5の一端5aは、連結部材1
8の穴23に挿入されピン6で連結部材18に対して搖
動自在に結合されている。第2のフレーム5の他端5b
には、その長手方向と直行する方向に突出して軸8が固
着され、軸8は、図示しないトランクルームの内側に固
定されたガイド部材7に摺動自在に支持されている。ガ
イド部材7には、その長手方向に長孔7aが設けられ、
長孔7aに沿って第2のフレーム5の軸8が摺動するよ
うになっている。
に、略三角形状の第1のフレーム4と、この第1のフレ
ーム4の頂部4aに固着された連結部材18に結合され
た棒状の第2のフレーム5とからなる。第1のフレーム
4の頂部4aと対抗する辺4bの一側面には、通し軸1
7が固着されている。通し軸17は、その両端部をトラ
ンクルームの底板14に固定された各軸受16で軸支さ
れている。第2のフレーム5の一端5aは、連結部材1
8の穴23に挿入されピン6で連結部材18に対して搖
動自在に結合されている。第2のフレーム5の他端5b
には、その長手方向と直行する方向に突出して軸8が固
着され、軸8は、図示しないトランクルームの内側に固
定されたガイド部材7に摺動自在に支持されている。ガ
イド部材7には、その長手方向に長孔7aが設けられ、
長孔7aに沿って第2のフレーム5の軸8が摺動するよ
うになっている。
【0034】突出手段3は、第1のフレーム4の連結部
材18に軸25で連結された移動部材10と、移動部材
10に接続され、トランクルームの底板14に固定され
たモータブラケット15に固着された正逆転可能なモー
タ11とからなる。
材18に軸25で連結された移動部材10と、移動部材
10に接続され、トランクルームの底板14に固定され
たモータブラケット15に固着された正逆転可能なモー
タ11とからなる。
【0035】移動部材10は、モータ11側に配置され
た筒部10aと、連結部材18の凹部24に接続された
腕部10bとで構成されている。腕部10bは、凹部2
4に挿入され上述の第2のフレーム5の一端5aと同様
に連結部材18に対して搖動自在に軸25で結合されて
いる。筒部10aの内周面には、雌ねじ部が形成されて
いる。モータ11の出力軸11aには、出力軸11aと
一体に回転するねじ12が固定されている。ねじ12
は、上述の筒部10aの雌ねじ部に螺合されている。
た筒部10aと、連結部材18の凹部24に接続された
腕部10bとで構成されている。腕部10bは、凹部2
4に挿入され上述の第2のフレーム5の一端5aと同様
に連結部材18に対して搖動自在に軸25で結合されて
いる。筒部10aの内周面には、雌ねじ部が形成されて
いる。モータ11の出力軸11aには、出力軸11aと
一体に回転するねじ12が固定されている。ねじ12
は、上述の筒部10aの雌ねじ部に螺合されている。
【0036】モータ11には、自動車の適宜の位置に設
けられ、自動車の走行速度に応じてモータ11を制御し
て可動フレーム2の突出量を制御し、外板1の膨出量を
制御する制御手段19が接続されている。制御手段19
には、ユーザーの意思により自動車の走行速度と無関係
に、可動フレーム2を突出させて外板1を膨出させるス
イッチ20と、自動車の走行速度を検知し速度に応じた
信号を制御手段19に出力する速度センサ21とが接続
されている。
けられ、自動車の走行速度に応じてモータ11を制御し
て可動フレーム2の突出量を制御し、外板1の膨出量を
制御する制御手段19が接続されている。制御手段19
には、ユーザーの意思により自動車の走行速度と無関係
に、可動フレーム2を突出させて外板1を膨出させるス
イッチ20と、自動車の走行速度を検知し速度に応じた
信号を制御手段19に出力する速度センサ21とが接続
されている。
【0037】モータ11は、制御手段19からの出力信
号に基づいて正逆回転することにより、ねじ12を筒部
10aに対して螺進又は螺退し、第1のフレーム4を通
し軸17を中心として矢印R方向へ変位させる。この第
1のフレーム4の頂部4aの変位に連動して、第2のフ
レーム5もガイド部材7の長孔7aに沿ってスライドす
る。外板1の内側に配置された第1、第2のフレーム
4、5が変位することにより、外板1は、図5の実線で
示す退却位置と仮想線で示す突出位置との間で変形す
る。第1、第2のフレーム4、5が、図5に仮想線で示
す突出位置にある場合には、第1、第2のフレーム4、
5の形状に倣った略三角錐状のリアスポイラ22が形成
される。
号に基づいて正逆回転することにより、ねじ12を筒部
10aに対して螺進又は螺退し、第1のフレーム4を通
し軸17を中心として矢印R方向へ変位させる。この第
1のフレーム4の頂部4aの変位に連動して、第2のフ
レーム5もガイド部材7の長孔7aに沿ってスライドす
る。外板1の内側に配置された第1、第2のフレーム
4、5が変位することにより、外板1は、図5の実線で
示す退却位置と仮想線で示す突出位置との間で変形す
る。第1、第2のフレーム4、5が、図5に仮想線で示
す突出位置にある場合には、第1、第2のフレーム4、
5の形状に倣った略三角錐状のリアスポイラ22が形成
される。
【0038】この時、外板1には、上述した肉厚部1a
が形成されていることにより 、可動フレーム2の膨出
作用による応力が均等に加えられ、また、その表面の伸
びが均等になっている。
が形成されていることにより 、可動フレーム2の膨出
作用による応力が均等に加えられ、また、その表面の伸
びが均等になっている。
【0039】以下、リアスポイラの動作について、自動
車の低速走行時と高速走行時とに分けて説明する。制御
手段19は、速度センサ21から入力される速度信号
と、制御手段19に予め設定されている速度とを比較
し、自動車が市街地走行のごとく比較的低速度で走行し
ていると判断した場合には、可動フレーム2を、退却位
置に位置させて、外板1を図5の実線で示す位置に配置
させ、さらに、自動車が高速走行時であると判断した場
合には、上述のごとく、モータ11を所定方向へ回転し
て、ねじ12を筒部10aに対して螺進し、可動フレー
ム2を図5に仮想線で示す突出位置に変位させ、外板1
を図5の仮想線で示す位置に膨出させ、図7に示すよう
に略三角錐形状のリアスポイラ22を形成する。自動車
の走行速度が遅い場合には、第1、第2フレームが退却
位置にあり、リアスポイラが形成されないので、後方の
視界が遮られず、安全性が向上する。
車の低速走行時と高速走行時とに分けて説明する。制御
手段19は、速度センサ21から入力される速度信号
と、制御手段19に予め設定されている速度とを比較
し、自動車が市街地走行のごとく比較的低速度で走行し
ていると判断した場合には、可動フレーム2を、退却位
置に位置させて、外板1を図5の実線で示す位置に配置
させ、さらに、自動車が高速走行時であると判断した場
合には、上述のごとく、モータ11を所定方向へ回転し
て、ねじ12を筒部10aに対して螺進し、可動フレー
ム2を図5に仮想線で示す突出位置に変位させ、外板1
を図5の仮想線で示す位置に膨出させ、図7に示すよう
に略三角錐形状のリアスポイラ22を形成する。自動車
の走行速度が遅い場合には、第1、第2フレームが退却
位置にあり、リアスポイラが形成されないので、後方の
視界が遮られず、安全性が向上する。
【0040】また、ユーザーが、自動車の走行速度に関
係なく外板1を膨出させてリアスポイラ22を形成した
い場合には、スイッチ20を操作し、所望の大きさのリ
アスポイラ22を形成すればよい。よって、ユーザーの
好みに合わせたリアスポイラを形成できる。
係なく外板1を膨出させてリアスポイラ22を形成した
い場合には、スイッチ20を操作し、所望の大きさのリ
アスポイラ22を形成すればよい。よって、ユーザーの
好みに合わせたリアスポイラを形成できる。
【0041】この実施例の動作では、便宜的に可動フレ
ーム2の位置が、退却位置と突出位置とにある場合につ
いてのみ説明したが、自動車の速度に応じて可動フレー
ム2の位置は、退却位置と突出位置との間で無段階的に
変位すること勿論である。
ーム2の位置が、退却位置と突出位置とにある場合につ
いてのみ説明したが、自動車の速度に応じて可動フレー
ム2の位置は、退却位置と突出位置との間で無段階的に
変位すること勿論である。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、外板に所定の張力を付与して外板を枠に支
持したので、外板が熱膨張してもシワや弛みが発生しな
くなり、見映えがよくなる。
明によれば、外板に所定の張力を付与して外板を枠に支
持したので、外板が熱膨張してもシワや弛みが発生しな
くなり、見映えがよくなる。
【0043】請求項2記載の発明によれば、外板が可動
フレームによる膨出作用を受けたときに、応力の比較的
集中する部位が他の部位より肉厚に形成されているの
で、外板に加えられる応力が均一になり外板が破損しな
くなる。
フレームによる膨出作用を受けたときに、応力の比較的
集中する部位が他の部位より肉厚に形成されているの
で、外板に加えられる応力が均一になり外板が破損しな
くなる。
【図1】本発明の一実施例を示す自動車の車体構造を示
す要部の断面図である。
す要部の断面図である。
【図2】自動車の後部の形状を示す正面図である。
【図3】治具を示す平面図である。
【図4】付与伸び率と寸法変化率との関係を示すグラフ
である。
である。
【図5】本発明の別の実施例を示す自動車の車体構造を
示す要部の断面図である。
示す要部の断面図である。
【図6】外板と枠とを示す斜視図である。
【図7】リアスポイラを示す斜視図である。
【図8】外板の各位置における可動フレームの膨出作用
による荷重と外板の表面の伸びとの関係を示すグラフで
ある。
による荷重と外板の表面の伸びとの関係を示すグラフで
ある。
【図9】可動フレームと突出手段とを示す斜視図であ
る。
る。
1 外板 2,32 可動フレーム 3 突出手段 4 第1のフレーム 5 第2のフレーム 6 ピン 7 ガイド部材 8 軸 10 移動部材 11 モータ 12 ねじ 14 底板 15 モータブラケット 16 軸受 17 通し軸 18 連結部材 19,39 制御手段 20 スイッチ 21,40 速度センサ 22,33 リアスポイラ 34 エアシリンダ 35 車体 36 治具 P,O テストピース
Claims (2)
- 【請求項1】自動車の後部を形成する剛体からなる枠
と、上記枠に周縁を支持される弾性部材からなる外板
と、上記外板の内側に配置され、上記外板を内方から外
方へ可動フレームで膨出させてリアスポイラを形成する
突出手段とを有する自動車の車体構造において、 上記外板は、温度変化による伸びにかかわらず弛みが生
じないように張力を付与されて上記枠に支持されること
を特徴とする自動車の車体構造。 - 【請求項2】自動車の後部を形成する剛体からなる枠
と、上記枠に周縁を支持される弾性部材からなる外板
と、上記外板の内側に配置され、上記外板を内方から外
方へ可動フレームで膨出させてリアスポイラを形成する
突出手段とを有する自動車の車体構造において、 上記外板は、上記可動フレームによる膨出作用を受けた
ときに、応力の比較的集中する部位が他の部位より肉厚
に形成されていることを特徴とする自動車の車体構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22148493A JPH0769250A (ja) | 1993-09-06 | 1993-09-06 | 自動車の車体構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22148493A JPH0769250A (ja) | 1993-09-06 | 1993-09-06 | 自動車の車体構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0769250A true JPH0769250A (ja) | 1995-03-14 |
Family
ID=16767438
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22148493A Pending JPH0769250A (ja) | 1993-09-06 | 1993-09-06 | 自動車の車体構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0769250A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020131995A (ja) * | 2019-02-21 | 2020-08-31 | キョーラク株式会社 | 車両用外装材及び構造体 |
-
1993
- 1993-09-06 JP JP22148493A patent/JPH0769250A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020131995A (ja) * | 2019-02-21 | 2020-08-31 | キョーラク株式会社 | 車両用外装材及び構造体 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20000201 |