JPH0769201A - 車両用ブレーキ装置 - Google Patents

車両用ブレーキ装置

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JPH0769201A
JPH0769201A JP5216403A JP21640393A JPH0769201A JP H0769201 A JPH0769201 A JP H0769201A JP 5216403 A JP5216403 A JP 5216403A JP 21640393 A JP21640393 A JP 21640393A JP H0769201 A JPH0769201 A JP H0769201A
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brake
hydraulic pressure
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brake mechanism
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60TVEHICLE BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF; BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF, IN GENERAL; ARRANGEMENT OF BRAKING ELEMENTS ON VEHICLES IN GENERAL; PORTABLE DEVICES FOR PREVENTING UNWANTED MOVEMENT OF VEHICLES; VEHICLE MODIFICATIONS TO FACILITATE COOLING OF BRAKES
    • B60T2201/00Particular use of vehicle brake systems; Special systems using also the brakes; Special software modules within the brake system controller
    • B60T2201/02Active or adaptive cruise control system; Distance control

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  • Regulating Braking Force (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は自動ブレーキ機構とアンチロックブ
レーキ機構(ABS)とを備える車両用ブレーキ装置に
関し、ABS故障下で自動ブレーキが作動して車輪がロ
ック状態に陥るのを防止することを目的とする。 【構成】 ABSに故障が生じているかを判別する(ス
テップ100)。故障時には衝突の可能性を判定する判
定距離を長く設定して車間距離警報を発するタイミング
を早期に補正すると共に自動ブレーキの設定ブレーキ油
圧を低減補正する(ステップ102,104)。次いで
レーダ等により車両前方障害物との距離を検出し、上記
した判定距離を基準に異常接近しているかを判別する
(ステップ106)。異常であれば警報を発すると共に
ABSの正常・異常状態に応じて設定したブレーキ油圧
で自動ブレーキを作動させる(ステップ108,11
0)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両用ブレーキ装置に係
り、特に衝突回避のため前方障害物との距離に応じて自
動的にブレーキを作動させる自動ブレーキ機構と、過剰
な制動力による車輪ロックを抑制して操安性の向上を図
るアンチロックブレーキ機構とを共に備える車両用ブレ
ーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両の安全性向上を目的とし
て、車両前方をレーダ等で監視すると共に、前方障害物
と自車とが不当に接近した場合には自動的にブレーキを
作動させて衝突を回避する装置が知られている。車両に
搭載したブレーキ装置がかかる機能を備えているとすれ
ば、例えば運転者の脇見運転や不注意による追突事故を
未然に防ぐことが可能であり安全性向上に有効である。
【0003】また、車両走行中に車輪がロック状態とな
りグリップを失うと、操舵機能の喪失等に伴って車両が
不安定な状態となることに鑑み、過剰な制動力に起因し
て車輪がロックした場合には、ブレーキ機構に供給され
ているブレーキ油圧を減圧してロック状態を解除する機
構を有するアンチロックブレーキシステム(ABS)が
従来より広く普及するに至っている。
【0004】特開平5−50908号公報は、上記した
自動ブレーキ機構とABS機構とを共に備える車両用ブ
レーキ装置を開示している。この装置は、運転者のブレ
ーキペダル操作に対応したブレーキ油圧を発生するマス
タシリンダと、ブレーキ油圧の供給を受けて所望の制動
力を発揮すべく車輪毎に配設されたブレーキ機構との間
にABS機構を介在させると共に、ABS機構に対して
マスタシリンダの他自動ブレーキ機構からもブレーキ油
圧を供給するものである。
【0005】このようなブレーキ装置によれば、運転者
の意思に従ってマスタシリンダで発生したブレーキ油圧
が的確にブレーキ機構を駆動すると共に、車両が前方障
害物に対して不当に接近した際には、運転者の意思に関
わらず衝突を回避すべく自動ブレーキ機構で発生したブ
レーキ油圧が的確にブレーキ機構を駆動することにな
る。
【0006】そして、ブレーキ油圧の発生源がマスタシ
リンダであるか自動ブレーキ機構であるかを問わず、過
剰なブレーキ油圧により車輪がロック状態となった場合
には、ABS機構が作動してそのブレーキ油圧が減圧さ
れ、安定した走行状態を維持した減速が行われることに
なる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のブレーキ装置は、ABS機構が常に正常に作動する
ことを前提としており、ABS機構に異常が生じた場合
の車両の挙動についての考慮がなされていないものであ
る。
【0008】つまり、上記従来のブレーキ装置の備える
自動ブレーキ機構は、車両が前方障害物に不当に接近し
た場合、不当な接近状態が解除されるまで継続的に所定
のブレーキ圧をブレーキ機構へ供給するものである。従
って、ABS機構が正常に機能しない状況下で自動ブレ
ーキ機構が作動して、これに起因して車輪がロック状態
となった場合、前方障害物との不当な接近状態が解除さ
れない限り車輪のロック状態が継続するという事態が生
じ得る。
【0009】このように、上記従来のブレーキ装置は、
自動ブレーキ機構とABS機構とが共に正常に機能して
いる場合には極めて高い安全性を確保し得るという特長
を有するものの、ABS機構が正常に機能しない状況下
では車輪ロック状態を継続的に発生させる場合があると
いう問題を有するものであった。
【0010】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、ABS機構の異常が検出された場合には、AB
S機構が作動しない状況下で安定状態を維持し得る程度
に自動ブレーキ機構を作動させることにより上記の課題
を解決し得る車両用ブレーキ装置を提供することを目的
とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】図1は、上記の目的を達
成する車両用ブレーキ装置の原理構成図を示す。すなわ
ち、上記の目的は図1に示すように車両前方障害物との
距離を監視し、安全な距離が確保されていないことを検
知した場合、車輪のブレーキ機構1に対して所定のブレ
ーキ油圧を供給する自動ブレーキ機構2と、 前記車輪
のロック状態を監視し、制動時にロック状態を検出した
場合、前記ブレーキ機構1に供給されているブレーキ油
圧を減圧してロック状態を解除するアンチロックブレー
キ機構3とを備える車両用ブレーキ装置において、前記
アンチロックブレーキ機構3の作動状態を監視すること
により該アンチロックブレーキ機構の異常を検出する異
常検出手段4と、該異常検出手段4により前記アンチロ
ックブレーキ機構3の異常が検出された際には、前記自
動ブレーキ機構2が前記ブレーキ機構1に供給するブレ
ーキ油圧の設定圧を、所定の水準まで減圧させる異常処
置手段5とを備える車両用ブレーキ装置により達成され
る。
【0012】また、上記構成の車両用ブレーキ装置にお
いて、前記異常検出手段4が前記アンチロックブレーキ
機構3の異常を検出した場合、前記異常処置手段5は、
前記自動ブレーキ機構2の作動を禁止する構成も有効で
ある。
【0013】更に、上記構成の車両用ブレーキ装置にお
いて、前記異常検出手段4が前記アンチロックブレーキ
機構3の異常を検出した場合、前記異常処置手段5は、
前記ブレーキ機構1のうち前輪に配設されたものについ
てのみ前記自動ブレーキ機構2の作動を許容する構成も
有効である。
【0014】
【作用】本発明に係る車両用ブレーキ装置において、前
記アンチロックブレーキ機構3が正常に機能している場
合、前記自動ブレーキ機構2は車両が前方障害物と不当
に接近した際に、前記ブレーキ機構1に向けて所定のブ
レーキ油圧を供給する。この際、前記ブレーキ機構1の
配設される車輪がロック状態となると、その状態が前記
アンチロックブレーキ機構3に検知され、ロック状態を
解除すべくブレーキ油圧の減圧処理を行われる。
【0015】一方、前記アンチロックブレーキ機構3が
正常に機能しない場合、前記異常検出手段4によってそ
の状況が検知される。そして、前記異常処置手段5によ
り前記自動ブレーキ機構2が作動時に発生するブレーキ
油圧の設定圧が減圧される。このため、自動ブレーキ機
構2の作動に伴う制動時には、前記車輪がロック状態と
なりにくく、前記アンチロックブレーキ機構3が正常に
機能しなくても、車両の安定状態が著しく悪化すること
がない。
【0016】また、前記異常処置手段5によって、前記
アンチロックブレーキ機構2の異常時には前記自動ブレ
ーキ機構2の作動を禁止することとすれば、前記アンチ
ロックブレーキ機構3が正常ば場合にのみ前記自動ブレ
ーキ機構2が作動することになり、自動ブレーキ作動時
における車輪ロックが確実に防止されることになる。
【0017】更に、前記アンチロックブレーキ機構2の
異常時には、前記ブレーキ機構1のうち前輪に配設され
たものだけに前記自動ブレーキ機構2からブレーキ油圧
が供給される場合は、前記自動ブレーキ機構2の作動時
に前記アンチロックブレーキ機構3が正常に作動しなく
ても、少なくとも後輪はロック状態となることがなく、
アンチロックブレーキ機構3の異常に関わらず車両が著
しい不安定状態に陥ることがない。
【0018】
【実施例】図2は、本発明の一実施例である車両用ブレ
ーキ装置の全体構成図を示す。同図において10は液圧
ブースタ(以下、単にブースタという)であり、12は
タンデム型ブレーキマスタシリンダ(以下、単にマスタ
シリンダという)である。以下、図2と共に図3を参照
して、これらブースタ10及びマスタシリンダ12の構
成について説明する。
【0019】図3に示すようにマスタシリンダ12はハ
ウジング14を備えている。ハウジング14にはシリン
ダボア16が形成され、これに第一加圧ピストン18お
よび第二加圧ピストン20が液密かつ摺動可能に嵌合さ
れている。それにより各ピストン18,20の前方(図
において左方)にそれぞれ第一加圧室22,第二加圧室
24が形成され、ブレーキペダル26の踏込みにより液
圧が発生する。
【0020】第一加圧室22は、図2に示すように、液
通路27によりプロポーショニングバイパスバルブ28
を経て左右後輪30,32の各ブレーキのリヤホイルシ
リンダ34,36に接続され、第二加圧室24は液通路
39によりプロポーショニングバイパスバルブ28およ
び増圧装置37を経て左右前輪38,40の各ブレーキ
のフロントホイルシリンダ42,44に接続されてい
る。
【0021】すなわち本実施例の車両用ブレーキ装置は
前後2系統式であり、上記各ホイルシリンダ34,3
6,42,44は、前記したブレーキ機構1に相当す
る。尚、本自動車においては左右後輪30,32が駆動
輪である。
【0022】プロポーショニングバイパスバルブ28
は、前輪系統および後輪系統のいずれにも正常に液圧が
発生する場合には、リヤホイルシリンダ34,36に供
給される液圧を、フロントホイルシリンダ42,44に
供給される液圧に対して一定の比率で減圧する。一方、
前輪系統に正常に液圧が発生しなくなった場合には第一
加圧室22に発生した液圧を減圧することなくリヤホイ
ルシリンダ34,36に供給するものである。
【0023】また、図2に示す増圧装置37は、マスタ
シリンダ12の第二加圧室24の液圧を増圧してフロン
トホイルシリンダ42,44に供給する装置であるが、
その役割については後に述べる。
【0024】ブースタ10はマスタシリンダ12と一体
的に設けられている。このブースタ10は、特開昭62
−149547号公報等に記載のブースタと同様の構成
である。以下簡単にその構成について説明する。
【0025】図3に示すようにブースタ10のハウジン
グ60内にはパワー圧室62が形成されており、ブース
タペダル26の踏込みにより入力ロッド64およびリア
クションピストン66が前進させられるとき、その前進
運動が第一リンク68および第二リンク70により構成
されるリンク機構72によって制御弁74のスプール7
6の前進運動に変換され、パワー圧室62がリザーバ7
8に連通する状態からアキュムレータ80に連通する状
態に切り換えられる。
【0026】この結果パワー圧室62には、アキュムレ
ータ80よりパワー圧が供給され、パワーピストン82
が前進させられることとなる。そして、マスタシリンダ
12の第一,第二加圧ピストン18,20が前進せら
れ、フロントおよびリヤのホイルシリンダ42,44,
34,36に液圧が伝達される。リアクションピストン
66の前進は、ブレーキペダル26の踏力と反力とが釣
り合う位置において停止し、スプール76はパワー圧室
62をアキュムレータ80にもリザーバ78にも連通さ
せない位置において停止し、パワー圧室62はパワー圧
が発生した状態に保たれる。
【0027】アキュムレータ80には、リザーバ78内
のブレーキ液がモータ90により駆動されるポンプ92
によって逆止弁94を経て供給される。アキュムレータ
80の液圧は、圧力センサ96の出力信号に基づいてモ
ータ90の発停が制御されることにより、一定範囲に保
たれるようになっている。
【0028】また、アキュムレータ80の液圧の異常な
低下は圧力スイッチ98により検出され、ブレーキウォ
ーニングランプが点灯されるとともに、ブザーが作動さ
せられる。尚、アキュムレータ80の液圧は、リリーフ
バルブ100によって適当な水準にガードされている。
【0029】本実施例の車両用ブレーキ装置は、パワー
圧室62に発生したパワー圧に基づいてアンチロック制
御を行うようにされている。そのため、図2に示すよう
に、前記増圧装置37とフロントホイルシリンダ42,
44との間に2個の電磁方向切換弁110,112が設
けられている。これら電磁方向切換弁110,112は
液通路114,116,118によってパワー圧室62
に接続されており、液通路114,116にはそれぞ
れ、3位置の方向切換弁である電磁液圧制御弁120,
122が設けられている。
【0030】これら電磁液圧制御弁120,122はリ
ザーバ78に接続されており、フロントホイルシリンダ
42,44をそれぞれ、パワー圧室62に連通させて液
圧を増大させる増圧状態と、リザーバ78に連通させて
液圧を減少させる液圧状態と、いずれにも連通させず、
液圧が保持される保持状態とに切り換えられる。
【0031】また、液通路27のプロポーショニングバ
イパスバルブ28とリヤホイルシリンダ34,26との
間の部分には電磁方向切換弁124が設けられるととも
に、電磁方向切換弁124とリヤホイルシリンダ34,
36との間に3位置の方向切換弁である電磁液圧制御弁
126,128が設けられている。電磁方向切換弁12
4は液通路130によりパワー圧室62に接続されると
ともに、液通路130には別の電磁方向切換弁132が
設けられている。
【0032】電磁方向切換弁132は液通路134によ
って前記アキュムレータ80に接続されており、アンチ
ロック制御時にはこれら電磁方向切換弁124,132
の切換えによりリヤホイルシリンダ34,36はパワー
圧室62に接続され、ホイルシリンダ圧が電磁液圧制御
弁126,128により増大,減少,保持される。
【0033】前記増圧装置37には、液通路140によ
ってパワー圧が供給され、ブースタ10が正常にパワー
圧を発するときには、第二加圧室24とフロントホイー
ルシンリダ42,44とを連通させてマスタシリンダ液
圧をフロントホイルシリンダ42,44に供給する。そ
れに対し、ブースタ10が正常にパワー圧を発しないパ
ワー圧失陥時には、増圧装置37は第二加圧室24とフ
ロントホイルシリンダ42,44との連通を遮断すると
ともに、増圧ピストンにより第二加圧室24の液圧を増
圧してフロントホイルシリンダ42,44に供給する。
【0034】また、増圧装置37の第二加圧室24の液
圧が供給される室と液通路140との間には差圧スイッ
チ142が設けられ、パワー圧の失陥を検出してECU
(電子制御ユニット)146に供給し、アンチロック制
御が行われないようにされている。さらに、液通路14
0には圧力リミッタ144が設けられており、パワー圧
が敗勢限界に達した後、更にマスタシリンダ液圧が増大
させられるとき、圧力リミッタ144は増圧装置37か
らパワー圧室62へのブレーキ液の逆流を阻止し、増圧
作用が行われないようにする。
【0035】加速時に駆動輪である左右後輪30,32
のスリップが過大になった場合には、電磁方向切換弁1
24,132の切換えによりリヤホイルシリンダ34,
36にアキュムレータ80の液圧が供給される状態とさ
れ、電磁液圧制御弁126,128の切換えによりホイ
ルシリンダ圧が増減させられてスリップが解消される。
【0036】これらアンチロック制御および加速スリッ
プ制御はECU146によって行われる。ここで、EC
U146はコンピュータを主体とするものであり、上記
した圧力センサ96,圧力スイッチ98,差圧スイッチ
142の各信号および左右の前輪38,40および後輪
30,32の各回転速度を検出する回転速度センサ14
8,150,152,153の検出結果に基づいて車輪
速度,車輪減速度,車体速度等を演算し、その演算結果
に基づいてアンチロック制御および加速スリップ制御を
行う。
【0037】そして、アンチロック制御及び加速スリッ
プ制御の実行中に、回転速度センサ148,150,1
52,153の状態を監視することにより、正常な制御
が実行できているかを判断する。すなわち、本実施例に
おいては、ECU146及び回転速度センサ148,1
50,152,153が前記した異常検出手段4を実現
している。
【0038】前記第一加圧室22とプロポーショニング
バイパスバルブ28とを接続する液通路27,第二加圧
室24とプロポーショニングバイパスバルブ28とを接
続する液通路39および電磁方向切換弁132とパワー
圧室62とを接続する液通路130にはそれぞれ、液通
路154,156,158によりスプール式電磁液圧制
御弁160によって制御された液圧が供給されるように
なっている。
【0039】スプール式電磁液圧制御弁160はアキュ
ムレータ80の液圧を供給電流に比例した高さに制御し
て供給する弁であり、実開昭63−40270号公報等
により知られている。以下、図4を参照して簡単にその
構成について説明する。
【0040】図4に示すように、スプール式電磁液圧制
御弁160はハウジング162内に形成された弁孔16
4にスプール168が実質的に液密かつ摺動可能に嵌合
されている。このスプール168の移動により、スプー
ル式電磁液圧制御弁160は、ホイルシリンダに接続さ
れる制御圧ポート170を、リザーバ78に接続された
低圧ポート172に環状室174,円環溝176を介し
て連通させてホイルシリンダ液圧を減少させる状態と、
アキュムレータ80に接続された高圧ポート178に環
状室174,円環溝180を介して連通させてホイルシ
リンダ液圧を増大させる状態と、いずれにも連通させ
ず、ホイルシリンダ液圧を保持させる状態とに切り換わ
る。
【0041】スプール168の一端には、反力ピン18
4がスプリング186に付勢されて当接させられてい
る。反力ピン184は液通路188により供給される制
御圧ポート170の液圧を受けてその液圧に基づく作動
力をスプール168に作用させ、高圧ポート178と制
御圧ポート170との連通を遮断する向きの作動力を発
生させる。
【0042】また、スプール168には、フォースモー
タ192により、上記作動力とは逆向きであって、制御
圧ポート170と高圧ポート178とを連通させる向き
の制御力が加えられる。フォースモータ192は、スプ
ール168とハウジング162との間に設けられたダイ
アフラム194により仕切られた空気室196内に配設
されており、励磁コイル198に励磁電流が供給されな
い状態では、スプリング186の付勢力により図4の状
態に保たれていて、スプール168が制御圧ポート17
0を低圧ポート172に連通させる。
【0043】そして、励磁コイル198に励磁電流が供
給されれば、励磁コイル198が永久磁石200の磁界
によりヨーク202から押し出される。励磁コイル19
8の前進により、スプール168には反力ピン184に
よる前記作動力とは逆向きの制御力が加えられ、スプー
ル168は、これら作動力と制御力とが釣り合う位置に
おいて停止し、この結果制御圧は励磁コイル198への
供給電流に応じた圧力に制御されることになる。
【0044】このようなスプール式電磁液圧制御弁16
0の制御圧を伝達する液通路154,156,158と
前記液通路27,39,130との接続部には、それぞ
れチェンジバルブ210,212,214が設けられて
おり、第一,第二加圧室22,24,パワー圧室62か
ら供給される液圧と、スプール式電磁液圧制御弁160
により供給される電気制御液圧とのうち高い方の液圧を
選択してリヤホイルシリンダ34,36,フロントホイ
ルシリンダ42,44に供給するようにされている。
【0045】これらチェンジバルブ210,212,2
14の構成はいずれも同じであるため、チェンジバルブ
210について代表的に説明する。図5に示すように、
チェンジバルブ210のハウジング220には長手方向
に貫通する貫通孔222が形成され、スリーブ223が
液密に嵌合されるとともに、貫通孔222の両端開口が
プラグ224,226により閉塞されて弁孔228が形
成され、スプール230が軸方向に移動可能に嵌合され
ている。
【0046】スプール230の長手方向の中間部にはラ
ンド232が形成されて弁孔228に嵌合されており、
それによりランド232の一方の側に、プラグ224に
形成されたポート234によってマスタシリンダ12の
第一加圧室22に接続されたマスタシリンダ圧室236
が形成され、ランド232の他方の側に、プラグ226
に形成されたポート238によりスプール式電磁液圧制
御弁160に接続された電気制御液圧室240が形成さ
れている。なお、チェンジバルブ214は、ポート23
4にパワー圧室62に接続され、ランド232の一方の
側にパワー圧室が形成される。
【0047】スプール230にはまた、その長手方向の
両端部にゴム製の弁部材244,246が取り付けられ
るとともに、それら弁部材244,246とランド23
2との間に大径のガイド248,250が形成され、弁
孔228に嵌合されてスプール230の移動を案内する
ようにされている。これらガイド248,250の外周
面には軸方向に延びる溝が複数本形成されており、ブレ
ーキ液の流れを許容する。
【0048】また、スリーブ223の弁孔228を形成
する内周面のランド232に対応する部分には、円環状
溝254が形成されるとともに、ポート256,258
によってリヤホイルシリンダ34,36に接続されてい
る。ランド232は、スプール230の弁部材244,
246の一方がポート234,238の開口端に着座し
て、ポート234,238とマスタシリンダ圧室23
6、電気制御液圧室240との一方の連通を遮断すると
き、遮断された方の室とポート256,258との連通
を遮断するとともに、遮断されない方の室とポート25
6,258との連通を許容する。
【0049】チェンジバルブ210は常には図5に示す
状態にあって、マスタシリンダ12の第一加圧室22と
リヤホイルシリンダ34,36とを連通させている。ス
プール式電磁液圧制御弁160から電気制御液圧が供給
されない状態では、マスタシリンダ液圧がリヤホイルシ
リンダ34,36に供給される。
【0050】ここで、スプール式電磁液圧制御弁160
から電気制御液圧が供給され、かつ第一加圧室22から
マスタシリンダ液圧が供給されず、あるいは供給されて
いてもマスタシリンダ液圧の方が低い場合には、スプー
ル230が図5において左方へ移動させられることにな
る。
【0051】この結果、今度は電気制御液圧室240に
ブレーキ液が流入し、その圧力が図中右方からランド2
32に作用してスプール230を更に左方へ移動させ、
弁部材244をポート234の開口に着座させて第一加
圧室22とリヤホイルシリンダ34,36との連通が遮
断される。そして、電気制御液圧室240とリヤホイル
シリンダ34,36とが連通し、電気制御液圧がリヤホ
イルシリンダ34,36に供給されることになる。
【0052】尚、これらチェンジバルブ210,21
2,214とスプール式電磁液圧制御弁160との間に
は、図2に示すように常閉の電磁開閉弁270が設けら
れている。そして、これらスプール式電磁液圧制御弁1
60および電磁開閉弁270は、本実施例の要部である
液圧制御コントローラ274により駆動回路276,2
78を介して制御される。
【0053】すなわち、コントローラ274には、EC
U146から車速情報、及びアンチロック制御、加速ス
リップ制御に関する故障情報が供給されている他、車両
前方を監視するレーダ等からなる車間距離検出装置28
0から、車両前方に存在する障害物との距離情報が供給
されている。
【0054】そして、コントローラ274は、これらの
情報に基づいて後述のルーチンに従ってスプール式電磁
液圧制御弁160、電磁開閉弁270を適当に制御し、
また警報装置282により運転者に必要な警報を行うも
のである。この意味で、本実施例においてはコントロー
ラ274が前記した自動ブレーキ機構2及び異常処置手
段5を実現することになる。
【0055】次に、上記構成の車両用ブレーキ装置の動
作について説明する。
【0056】本実施例の車両用ブレーキ装置が非制動状
態である場合、電磁方向切換弁110,112,12
4,132,電磁液圧制御弁120,122,126,
128,電磁開閉弁270のソレノイドはいずれも消磁
され、またチェンジバルブ210,212は図5に示す
状態にあり、第一,第二加圧室22,24に発生したマ
スタシリンダ液圧がホイルシリンダ34,36,42,
44に供給された状態にある。また、スプール式電磁液
圧制御弁160にも電流は供給されず、電磁開閉弁27
0をリザーバ78に連通させる状態にある。
【0057】そして、制動時にブレーキペダル26が踏
み込まれれば、マスタシリンダ液圧がフロントおよびリ
ヤのホイルシリンダ34,36,42,44に供給され
て車輪の回転が抑制される。
【0058】ここで、路面の摩擦係数に対してブレーキ
ペダル26の踏込み力が過大となり、車輪のスリップ状
態が適正状態を越えれば公知のアンチロック制御が行わ
れる。すなわち、電磁方向切替弁110,112,12
4,132の切替えによりパワー圧がフロント及びリア
のホイルシリンダ34,36,42,44のそれぞれに
供給される状態とされると共に、電磁液圧制御弁12
0,122,126,128のそれぞれが先ず減圧状態
に切り換えられてフロント及びリアのホイルシリンダ3
4,36,42,44内のブレーキ液がリザーバ78に
排出される。
【0059】それにより車輪の回転が回復すれば、電磁
液圧制御弁120,122,126,128は保持状態
とされ、更に回復すれば増圧状態に切り換えられるので
あり、電磁液圧制御弁120,122,126,128
がそれぞれ減圧状態,保持状態,増圧状態に切り換えら
れることにより車輪のスリップ率が適正範囲に保たれる
ものである。
【0060】このように、本実施例においては、電磁方
向切替弁110,112,124,132、電磁液圧制
御弁120,122,126,128及びこれらを適当
に駆動するECU146が、前記したアンチロックブレ
ーキ機構3に相当するABS機構を実現している。
【0061】また、自動車の発振加速時に駆動力が過大
であり、駆動輪である左右後輪30,32のスリップが
過大になれば公知のスリップ制御が行われる。すなわ
ち、電磁切替弁124,132の切替えによりリアホイ
ルシリンダ34,36にアキュムレータ80の液圧が供
給され、電磁液圧制御弁126,128がそれぞれ増圧
状態.保持状態及び減圧状態に切替えられることにより
車輪の回転が適宜抑制されるものである。
【0062】一方、車間距離検出装置280によって検
出した前方障害物との距離が、当該障害物と車両との相
対速度等から判断して不当に近い場合は、自動ブレーキ
としての機能を発揮するためコントローラ274から駆
動回路276,278へ向けて適当な制御信号が発せら
れる。この結果、各チェンジバルブ210,212,2
14には、アキュムレータ80を介して適当な電気制御
液圧が供給されることになる。
【0063】このときブレーキペダル26が踏み込まれ
ており、チェンジバルブ210,212,214に電気
制御液圧より高いマスタシリンダ液圧が発生させられて
いれば、ホイルシリンダ34,36,42,44にはマ
スタシリンダ液圧が供給されることになる。
【0064】また、電気制御液圧がマスタシリンダ液圧
より高く、あるいはブレーキペダル26が踏み込まれて
いない場合には、電気制御液圧がホイルシリンダ34,
36,42,44に供給されることになり、各ホイルシ
リンダ34,36,42,44は、マスタシリンダ圧に
かかわらず、供給された電気制御液圧に従って制動力を
発揮することになる。
【0065】本実施例の車両用ブレーキ装置は、このよ
うにして自動ブレーキとしての機能を発揮するものであ
る。この意味で、本実施例においては油圧発生源である
モータ90及びポンプ92,この油圧を所望の電気制御
液圧に変換・供給するスプール式電磁液圧制御弁16
0,電磁開閉弁270,コントローラ274,駆動回路
276,278,車間距離検出装置280が、前記した
自動ブレーキ機構2に相当する。
【0066】ところで、スプール式電磁液圧制御弁16
0を介して電気制御液圧がチェンジバルブ210,21
2,214に供給される場合、その電気制御液圧がマス
タシリンダ圧を越える限り各ホイルシリンダ34,3
6,42,44には電気制御液圧が供給されることにな
る。
【0067】そして、この電気制御液圧は、コントロー
ラ274が車両と前方障害物との衝突を避けるために必
要な制動力を得るべく演算したブレーキ油圧であり、前
方障害物との衝突の危険性が解除されるまで所定の圧力
を保って継続的に供給すべきものである。
【0068】この際、車両走行中の路面状況等によって
は、コントローラ274が演算した電気制御液圧がブレ
ーキ油圧としてホイルシリンダ34,36,42,44
に供給されると、これに起因して発生する制動力により
車輪がロック状態となることがある。
【0069】この場合、電磁方向切替弁110,11
2,124,132、電磁液圧制御弁120,122,
126,128及びECU146からなるABS機構が
適切に機能してアンチロック制御が実行されれば、車輪
のロック状態は適当に解除され、制動時において安定し
た挙動が維持されることになる。
【0070】しかし、ABS機構に異常が生じ、アンチ
ロック制御が正常に実行されない場合、何らの処置も講
じないとすれば、自動ブレーキの作動により生じたロッ
ク状態がその後電気制御液圧が解除されるまで、すなわ
ち前方障害物との衝突が回避されるまで継続し、長期間
に渡って不安定な状態が維持されることになる。
【0071】本実施例の車両用ブレーキ装置は、かかる
事態の発生を未然に防止すべくABS機構の故障に対応
した異常処置機能を備える点に特徴を有するものであ
る。以下、図6〜図8を参照して、かかる機能を発揮す
べくコントローラ274が実行する処理の内容について
説明する。
【0072】図6は、コントローラ274が実行するル
ーチンの第1の例のフローチャートを示す。同図に示す
ルーチンは、ABS機構の故障時には車輪がロック状態
になる可能性があることに鑑み、自動ブレーキ作動時に
おける最大ブレーキ油圧、すなわち電気制御液圧の設定
圧を正常時に比べて減圧する処置を施すためのルーチン
である。
【0073】かかる処置を実現するため、ルーチンが起
動すると先ずステップ100においてECU146から
供給される故障情報を基にABS機構に故障が生じてい
るかを判別する。ABS機構が正常に機能している場合
は、何ら処置を施す必要がないからである。
【0074】ここで、ABS機構が故障している、すな
わちABS機構がECU146の指令に対して正常に機
能していないと判断された場合は、その後ステップ10
2へ進んで車間距離警報を発するタイミングについての
補正を行う。
【0075】本実施例の車両用ブレーキ装置において
は、前方障害物との異常接近時に自動ブレーキを作動さ
せるのに先立って、警報装置282により運転者に異常
接近についての警報を行うこととしているが、ABS機
構が故障している場合は後述の如く自動ブレーキによる
最大制動力を抑制する関係上、正常時に比べて早期に自
動ブレーキの作動を開始する必要があり、警報を発する
タイミングについても正常時に比べて早期に補正する必
要があるからである。
【0076】そして、かかる補正処理を実行したら、次
にステップ104へ進んで自動ブレーキ用ブレーキ油
圧、すなわち上記した電気制御液圧の最大設定圧を減圧
補正する。上記したように自動ブレーキ作動時における
車輪ロックを未然防止するためである。尚、本ルーチン
においては、このステップ104が前記した異常処置手
段5に相当している。
【0077】このようにして上記ステップ100〜10
4の処理を実行したら、次にステップ106において車
間距離検出装置280の検出結果に基づいて車間距離が
異常であるかを判別する。ここで、異常か否かの判断
は、警報を発すべきタイミングに対応して設定された所
定の距離を基準として行う。つまり、ABS機構が故障
している場合は、ABS機構が正常に機能している場合
に比べてより長い車間距離を異常として判断する。
【0078】そして、上記ステップ106において車間
距離が異常である、すなわち車両が前方障害物に対して
異常接近していると判断された場合は、ステップ108
へ進んで警報装置282による車間距離異常警報を発
し、続くステップ110において適当な制動力を発揮す
べく自動ブレーキを作動させて今回の処理を終了する。
【0079】すなわち、コントローラ274が本ルーチ
ンを実行する場合、ABS機構が正常に機能している際
には大きな制動力を伴って自動ブレーキが作動し、仮に
車輪がロック状態となった場合はアンチロック制御によ
る処置が採られ、一方ABS機構が故障している場合
は、予め車輪がロック状態とならない程度の制動力を伴
う自動ブレーキを早期段階から作動させることにより衝
突が回避されることになる。
【0080】このように、本実施例の車両用ブレーキ装
置によれば、ABS機構に異常が生じた状況下で自動ブ
レーキが作動しても、その作動中に車輪がロック状態と
なって不安定な挙動を誘発することがなく、常に自動ブ
レーキによる衝突防止機能を安全確実に発揮することが
できる。
【0081】図7は、コントローラ274がABS機構
の故障に対応した異常処置を施すべく実行するルーチン
の第2の例のフローチャートを示す。本ルーチンは、自
動ブレーキの作動に伴う不意、かつ解除不能な車輪ロッ
ク状態の発生を確実に阻止すべく、ABS機構の異常時
には自動ブレーキの作動を禁止する処置を施すルーチン
である。
【0082】すなわち同図に示すルーチンが起動する
と、上記図6に示すルーチンと同様にABS機構の故障
の有無について判別し(ステップ200)、故障が検出
されない場合はそのまま、また故障が検出された際には
車間距離警報を発するタイミングの補正を行った後(ス
テップ202)、車間距離異常が生じているか否かの判
別を行う(ステップ206)。そして、車間距離異常が
生じている場合は、警報装置282によりその状況を運
転者に警報して注意を促す(ステップ208)。
【0083】以後、再びABS機能に故障が生じている
かについて再び判別し(ステップ210)、正常である
場合は車輪ロックの心配がないため自動ブレーキを作動
し(ステップ212)、一方ABS機構に故障が生じて
いる場合は、上記した理由により自動ブレーキを作動さ
せることなく今回のルーチンを終了する。
【0084】このように、コントローラ274が本ルー
チンを実行する場合は、ABS機構が故障していると事
実上自動ブレーキが作動することがない。従って、自動
ブレーキが作動するのはABS機構が正常な場合に限ら
れ、自動ブレーキの作動に伴う車輪のロックは確実に阻
止されることになる。
【0085】尚、自動ブレーキが作動しない場合でも、
上記ステップ202において早期に補正されたタイミン
グで車間距離警報が発せられるため、運転者の操作によ
って衝突を回避することは可能である。また、本ルーチ
ンを採用する場合は、自動ブレーキが作動しないことを
運転者に知らしめる意味も含めて、ABS機構が故障し
た際にはその状況を運転者に警報することが有効であ
る。
【0086】また図8は、コントローラ274がABS
機構の故障に対して異常処置を施すべく実行するルーチ
ンの第3の例のフローチャートを示す。本ルーチンは、
ABS機構の異常時には前輪にのみ自動ブレーキによる
制動力を発揮させることにより著しい挙動変化を防止す
るものである。尚、同図に示すステップ300〜312
は、上記図7に示すルーチン中のステップ200〜21
2に対応し、その処理内容が同一であるためここでは説
明を省略する。
【0087】すなわち、本ルーチンはABS機構が正常
であると判別(ステップ310)された場合には全ての
車輪を対象として自動ブレーキを作動させる(ステップ
312)一方、ABS機構の故障が検出された場合に
は、前輪2輪のみで自動ブレーキに起因する制動力を発
揮させる(ステップ314)点に特徴を有している。
【0088】この場合、ABS機構に故障が生じていて
も、自動ブレーキの作動時において少なくとも後輪2輪
はロック状態となることがなく、自動ブレーキによる制
動力が過剰であったとしても車両が極めて不安定な状態
に陥るのを阻止することができる。
【0089】尚、コントローラ274が本ルーチンを実
行する場合、ABS機構の故障時には自動ブレーキによ
る制動力が前輪2輪にのみ発揮されることから、正常時
に比べるとその制動距離は延びることになる。しかしな
がら、上記図6,図7に示すルーチンと同様本ルーチン
中ステップ302,306の処理により、ABS機構の
故障時には自動ブレーキの作動開始時期が正常時に比べ
て早期に補正されるため、衝突防止機能は確実に発揮さ
れることになる。
【0090】
【発明の効果】上述の如く請求項1記載の発明によれ
ば、車両用ブレーキ装置のアンチロックブレーキ機構に
異常が生じ、正常な機能を発揮できない場合には、過剰
な制動力により車輪がロック状態となるのを防止すべく
自動ブレーキ機構からは正常時に比べて減圧されたブレ
ーキ油圧が供給される。
【0091】このため、アンチロックブレーキ機構が正
常に機能している場合はもとより、アンチロックブレー
キ機構に異常が生じて適切なアンチロックブレーキ機能
が発揮できない状況下においても、自動ブレーキの作動
時に車輪がロック状態とはなり難く、かかる異常処置機
能を備えていない従来の車両用ブレーキ装置に比べて一
層高い安全性を確保することができる。
【0092】請求項2記載の発明によれば、アンチロッ
クブレーキ機構が正常に機能しないあ場合は自動ブレー
キ機構の作動が禁止される。言い換えれば、自動ブレー
キ機構が作動するのはアンチロックブレーキ機構が正常
な場合に限定される。従って、自動ブレーキ機構の作動
時に車輪がロック状態となることはなく、かかる異常処
置機能を備えていない従来の車両用ブレーキ装置と異な
り、運転者の意思によらない不意の車輪ロックの発生を
確実に防止することができる。
【0093】また、請求項3記載の発明によれば、アン
チロックブレーキ機構が正常に機能しない場合には、自
動ブレーキ機構で発生したブレーキ油圧は前輪に配設さ
れたブレーキ機構のみに供給されることになる。このた
め、アンチロックブレーキ機構が機能しないとしても自
動ブレーキの作動時に後輪がロック状態となることがな
く、かかる異常処置機能を備えていない従来の車両用ブ
レーキ装置に比べてアンチロックブレーキ機構の異常時
において高い走行安定性を維持することができるという
特長を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両用ブレーキ装置の原理構成図
である。
【図2】本発明の一実施例である車両用ブレーキ装置の
全体構成図である。
【図3】本実施例の車両用ブレーキ装置の液圧ブースタ
及びマスタシリンダの構成を表す側面断面図である。
【図4】本実施例の車両用ブレーキ装置のスプール式電
気液圧制御弁の構成を表す側面断面図である。
【図5】本実施例の車両用ブレーキ装置のチェンジバル
ブの構成を表す側面断面図である。
【図6】本実施例の車両用ブレーキ装置のコントローラ
が実行するルーチンの第1の例のフローチャートであ
る。
【図7】本実施例の車両用ブレーキ装置のコントローラ
が実行するルーチンの第2の例のフローチャートであ
る。
【図8】本実施例の車両用ブレーキ装置のコントローラ
が実行するルーチンの第3の例のフローチャートであ
る。
【符号の説明】
1 ブレーキ機構 2 自動ブレーキ機構 3 アンチロックブレーキ機構 4 異常検出手段 5 異常処置手段 34,36,42,44 ホイルシリンダ 90 モータ 92 ポンプ 110,112,124,132 電磁方向切替弁 120,122,126,128 電磁液圧制御弁 146 ECU 148,150,152,153 回転速度センサ 160 スプール式電磁液圧制御弁 270 電磁開閉弁 274 コントローラ 276,278 駆動回路 280 車間距離検出装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両前方障害物との距離を監視し、安全
    な距離が確保されていないことを検知した場合、車輪の
    ブレーキ機構に対して所定のブレーキ油圧を供給する自
    動ブレーキ機構と、 前記車輪のロック状態を監視し、制動時にロック状態を
    検出した場合、前記ブレーキ機構に供給されているブレ
    ーキ油圧を減圧してロック状態を解除するアンチロック
    ブレーキ機構とを備える車両用ブレーキ装置において、 前記アンチロックブレーキ機構の作動状態を監視するこ
    とにより該アンチロックブレーキ機構の異常を検出する
    異常検出手段と、 該異常検出手段により前記アンチロックブレーキ機構の
    異常が検出された際には、前記自動ブレーキ機構が前記
    ブレーキ機構に供給するブレーキ油圧の設定圧を、所定
    の水準まで減圧させる異常処置手段とを備えることを特
    徴とする車両用ブレーキ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の車両用ブレーキ装置にお
    いて、 前記異常検出手段が前記アンチロックブレーキ機構の異
    常を検出した場合、前記異常処置手段は、前記自動ブレ
    ーキ機構の作動を禁止することを特徴とする車両用ブレ
    ーキ装置
  3. 【請求項3】 請求項1記載の車両用ブレーキ装置にお
    いて、 前記異常検出手段が前記アンチロックブレーキ機構の異
    常を検出した場合、前記異常処置手段は、前記車輪のう
    ち前輪についてのみ前記自動ブレーキ機構の作動を許容
    することを特徴とする車両用ブレーキ装置
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