JPH0732995A - 車両用自動ブレーキ制御装置 - Google Patents

車両用自動ブレーキ制御装置

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JPH0732995A
JPH0732995A JP17708393A JP17708393A JPH0732995A JP H0732995 A JPH0732995 A JP H0732995A JP 17708393 A JP17708393 A JP 17708393A JP 17708393 A JP17708393 A JP 17708393A JP H0732995 A JPH0732995 A JP H0732995A
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JP
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vehicle
deceleration
driver
hydraulic pressure
brake
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JP17708393A
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Noritada Yoshiji
規宰 吉次
Seiji Kawakami
清治 河上
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は車両が前方障害物に不当に接近した
場合、及び運転者の身体状態が車両の運転に不適切な場
合に自動的にブレーキを作動させる車両用ブレーキ制御
装置に関し、良好な制御フィーリングを確保することを
目的とする。 【構成】 脈拍の変動等により運転者の居眠りを検出し
たらブザー等により警報して覚醒を促し(S200)、
警報に対する運転者の応答が鈍い、または警報が頻繁で
ある場合は運転継続に不適であると判断する(S20
2)。この場合車両の停車を図るべく前方障害物の有無
及び衝突の可能性を判定し(S204,206)、衝突
の可能性がある場合には大きく(S208)、衝突の可
能性がない場合には小さく(S210)目標の減速度を
設定する。次いで設定した減速度を実現すべく車両が停
止するまでブレーキを自動制御する(S212,21
4)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用自動ブレーキ制
御装置に係り、特に車両が前方障害物に対して不当に接
近した場合、及び運転者の身体状態が車両の運転に不適
当な場合に自動的にブレーキを作動させる車両用ブレー
キ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両の安全性向上を目的とし
て、車両前方をレーダ等で監視すると共に、前方障害物
と自車とが不当に接近した場合には自動的にブレーキを
作動させて衝突を回避する装置が知られている(特開昭
49−70332号公報)。かかる装置によれば、例え
ば運転者の脇見運転や不注意による追突事故を未然に防
ぐことが可能であり、車両の安全性向上を図るにあたり
有効である。
【0003】一方、近年では、居眠り運転や運転者が急
な発作に見舞われた場合等を想定し、かかる自動ブレー
キを運転者の身体状況に応じて作動させる装置が考案さ
れている(実開昭58−65135号公報)。すなわ
ち、上記公報記載の装置は、運転者が装着する脈拍セン
サの検出値を基に運転者の身体状態が適当な状態である
か、具体的には居眠り運転がされていないかを判別し、
居眠りが検出された場合には、警報を発する等の覚醒処
理の後安全のため車両を停車させるものである。
【0004】従って、これらを組み合わせることによ
り、運転者の不注意による追突事故を適切に回避すると
共に、居眠り運転による事故をも適切に回避することの
できる自動ブレーキ制御装置を実現することが可能であ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、運転者
の不注意により車両前方の障害物に不当に接近した場
合、追突を回避するためには一般に大きな減速度が要求
される。これに対して、運転者の身体状態の異常に起因
して車両を停車させる場合は、周囲の車両への影響等を
考慮し、また搭乗者の受ける衝撃を考慮すると、追突の
危険がなければ比較的緩やかな減速度をもって停車させ
るべきである。
【0006】つまり、上記従来の自動ブレーキ制御装置
を単に組み合わせて車両に搭載した場合、周囲からは何
らの異常も検出されない車両が運転者の居眠り等に起因
して急停車するような事態を生じ、交通の流れを妨げ、
また搭乗者に不快感を与えるおそれがあった。
【0007】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、車両が不当に前方障害物に接近した場合には大
きな減速度で、また運転者の身体状態に起因して車両を
停車させる場合において追突の危険がない場合には比較
的小さな減速度で自動ブレーキを作動させることにより
上記の課題を解決し得る車両用自動ブレーキ制御装置を
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】図1は、上記の目的を達
成する車両用自動ブレーキ制御装置の原理構成図を示
す。すなわち、上記の目的は、図1に示すように所定の
運転状況が検出された際に車両のブレーキを自動制御し
て適当な減速度を発生するブレーキ制御手段1を備える
車両用自動ブレーキ制御装置において、車両前方の障害
物と自車との距離を検出する前方距離検出手段2と、運
転者身体状態を検知する身体状態検知手段3と、前記前
方距離検出手段2の検出結果より前記障害物と自車とが
所定距離より接近していることが検出された場合にブレ
ーキの自動制御を実行すべきと判定する第1の作動判定
手段4と、前記身体状態検知手段3の検出結果より運転
者の身体状態が車両の運転に不適であることが検知され
た場合にブレーキの自動制御を実行すべきと判定する第
2の作動判定手段5と、前記ブレーキを自動制御する際
の目標となる減速度を設定するにあたり、前記第1の作
動判定手段4によりブレーキの自動制御を実行すべきと
判定された場合に比べて、前記第2の作動判定手段5に
よりブレーキの自動制御を実行すべきと判定された場合
の減速度を小さく設定する減速度設定手段6とを備える
車両用自動ブレーキ制御装置により達成される。
【0009】また、上記構成の車両用自動ブレーキ制御
装置において、前記第1の作動判定手段4及び前記第2
の作動判定手段5が共にブレーキの自動制御を実行すべ
きと判定した場合に、前記減速度設定手段6が前記第1
の作動判定手段4が実行判定を行った際の減速度を優先
して採択する構成は、車両の安全性確保に有効である。
【0010】
【作用】本発明に係る車両用自動ブレーキ制御装置にお
いて、前記第1の作動判定手段4は、前方距離検出手段
2によって車両が不当に前方障害物に接近した場合にブ
レーキの自動制御を実行すべきであると判定する。そし
て、前記減速度設定手段6は、かかる判定に応じて、前
方障害物への追突を回避すべく比較的大きな減速度を設
定する。
【0011】また、前記第2の作動判定手段5は、前記
身体状態検知手段3によって検出される運転者の身体状
態が車両の運転に不適切である場合には、車両を安全に
停車させるべくブレーキの自動制御を実行すべきである
と判定する。この際、前記減速度設定手段6が比較的小
さな減速度を設定することから、車両は緩やかに減速
し、交通の流れを阻害することがないと共に、車両の搭
乗者が不当な不快感を感ずることがない。
【0012】そして、前記第1の作動判定手段4と前記
第2の作動判定手段5とが共に実行判定をした際に前記
第1の作動判定手段4の実行判定を優先する構成とすれ
ば、運転者の身体状態に起因してブレーキの自動制御が
開始された場合であっても、車両が前方障害物に衝突す
る危険が生じた場合には、即座に大きな減速度で車両が
減速し、適切に衝突が回避される。
【0013】
【実施例】図2は、本発明の一実施例である車両用自動
ブレーキ制御装置の全体構成を表すブロック図を示す。
図2中、コントローラ274は、本実施例の車両用自動
ブレーキ装置の要部であり、中央処理装置(CPU)2
74a,リードオンリメモリ(ROM)274b,ラン
ダムアクセスメモリ(RAM)274c,入力ポート2
74d,出力ポート274e、及びこれらを相互に接続
する共通バス274fを備えている。
【0014】このコントローラ274は、出力ポート2
74eに接続される駆動回路276,278、及びこれ
らの駆動回路276,278の駆動状況に応じて適宜車
両にブレーキをかけるブレーキ機構300と共に前記し
たブレーキ制御手段1を構成する。以下、他の構成要素
についての説明に先立って、ブレーキ機構300の構成
及び動作についての説明を行う。
【0015】図6は、ブレーキ機構300の全体構成図
を示す。このブレーキ機構300は、本発明を実現し得
る機構に加え、公知のアンチスキッド・加速スリップ制
御にも対応し得る機構を備えている。すなわち、図6に
おいて10は液圧ブースタ(以下、単にブースタとい
う)であり、12はタンデム型ブレーキマスタシリンダ
(以下、単にマスタシリンダという)である。
【0016】マスタシリンダ12は、図7に示すように
ハウジング14を備えている。ハウジング14にはシリ
ンダボア16が形成され、これに第一加圧ピストン18
および第二加圧ピストン20が液密かつ摺動可能に嵌合
されている。それにより各ピストン18,20の前方
(図において左方)にそれぞれ第一加圧室22,第二加
圧室24が形成され、ブレーキペダル26の踏込みによ
り液圧を発生する。
【0017】第一加圧室22は、図6に示すように、液
通路27によりプロポーショニングバイパスバルブ28
を経て左右後輪30,32の各ブレーキのリヤホイルシ
リンダ34,36に接続され、第二加圧室24は液通路
39によりプロポーショニングバイパスバルブ28およ
び増圧装置37を経て左右前輪38,40の各ブレーキ
のフロントホイルシリンダ42,44に接続されてい
る。本液圧ブレーキ装置は前後2系統式なのである。ま
た、本自動車においては左右後輪30,32が駆動輪で
ある。
【0018】プロポーショニングバイパスバルブ28
は、前輪系統および後輪系統のいずれにも正常に液圧が
発生する場合には、リヤホイルシリンダ34,36に供
給される液圧を、フロントホイルシリンダ42,44に
供給される液圧に対して一定の比率で減圧し、前輪系統
に正常に液圧が発生しなくなった場合には第一加圧室2
2に発生した液圧を減圧することなくリヤホイルシリン
ダ34,36に供給するものである。
【0019】また、増圧装置37は、第二加圧室24の
液圧を増圧してフロントホイルシリンダ42,44に供
給する装置であるが、その役割については後に述べる。
【0020】ブースタ10はマスタシリンダ12と一体
的に設けられている。このブースタ10は、特開昭62
−149547号公報等に記載のブースタと同じであ
り、簡単に説明する。図7に示すようにブースタ10の
ハウジング60内にはパワー圧室62が形成されてお
り、ブースタペダル26の踏込みにより入力ロッド64
およびリアクションピストン66が前進させられると
き、その前進運動が第一リンク68および第二リンク7
0により構成されるリンク機構72によって制御弁74
のスプール76の前進運動に変換され、パワー圧室62
がリザーバ78に連通する状態からアキュムレータ80
に連通する状態に切り換えられる。
【0021】それによりパワー圧室62にパワー圧が発
生し、パワーピストン82が前進させられ、第一,第二
加圧ピストン18,20が前進させられてフロントおよ
びリヤのホイルシリンダ42,44,34,36に液圧
が伝達される。リアクションピストン66の前進はブレ
ーキペダル26の踏力と反力とが釣り合う位置において
停止し、スプール76はパワー圧室62をアキュムレー
タ80にもリザーバ78にも連通させない位置において
停止し、パワー圧室62にパワー圧が発生した状態に保
たれる。
【0022】アキュムレータ80には、リザーバ78内
のブレーキ液がモータ90により駆動されるポンプ92
によって逆止弁94を経て供給される。アキュムレータ
80の液圧は、圧力センサ96の出力信号に基づいてモ
ータ90の発停が制御されることにより、一定範囲に保
たれるようになっている。また、アキュムレータ80の
液圧の異常な低下は圧力スイッチ98により検出され、
ブレーキウォーニングランプが点灯されるとともに、ブ
ザーが作動させられる。なお、アキュムレータ80の液
圧が異常に高くなることは、リリーフバルブ100によ
って防止される。
【0023】本液圧ブレーキ装置は、パワー圧室62に
発生したパワー圧に基づいてアンチスキッド制御を行う
ようにされている。そのため、図6に示すように、前記
増圧装置37とフロントホイルシリンダ42,44との
間に2個の電磁方向切換弁110,112が設けられて
いる。これら電磁方向切換弁110,112は液通路1
14,116,118によってパワー圧室62に接続さ
れており、液通路114,116にはそれぞれ、3位置
の方向切換弁である電磁液圧制御弁120,122が設
けられている。これら電磁液圧制御弁120,122は
リザーバ78に接続されており、フロントホイルシリン
ダ42,44をそれぞれ、パワー圧室62に連通させて
液圧を増大させる増圧状態と、リザーバ78に連通させ
て液圧を減少させる液圧状態と、いずれにも連通させ
ず、液圧が保持される保持状態とに切り換えられる。
【0024】また、液通路27のプロポーショニングバ
イパスバルブ28とリヤホイルシリンダ34,26との
間の部分には電磁方向切換弁124が設けられるととも
に、電磁方向切換弁124とリヤホイルシリンダ34,
36との間に3位置の方向切換弁である電磁液圧制御弁
126,128が設けられている。電磁方向切換弁12
4は液通路130によりパワー圧室62に接続されると
ともに、液通路130には別の電磁方向切換弁132が
設けられている。電磁方向切換弁132は液通路134
によって前記アキュムレータ80に接続されており、ア
ンチスキッド制御時にはこれら電磁方向切換弁124,
132の切換えによりリヤホイルシリンダ34,36は
パワー圧室62に接続され、ホイルシリンダ圧が電磁液
圧制御弁126,128により増大,減少,保持され
る。
【0025】前記増圧装置37には、液通路140によ
ってパワー圧が供給され、ブースタ10が正常にパワー
圧を発するときには、第二加圧室24とフロントホイー
ルシンリダ42,44とを連通させてマスタシリンダ液
圧をフロントホイルシリンダ42,44に供給する。そ
れに対し、ブースタ10が正常にパワー圧を発しないパ
ワー圧失陥時には、増圧装置37は第二加圧室24とフ
ロントホイルシリンダ42,44との連通を遮断すると
ともに、増圧ピストンにより第二加圧室24の液圧を増
圧してフロントホイルシリンダ42,44に供給する。
【0026】また、増圧装置37の第二加圧室24の液
圧が供給される室と液通路140との間には差圧スイッ
チ142が設けられ、パワー圧の失陥を検出してECU
(電子制御ユニット)146に供給し、アンチスキッド
制御が行われないようにされている。さらに、液通路1
40には圧力リミッタ144が設けられており、パワー
圧が敗勢限界に達した後、更にマスタシリンダ液圧が増
大させられるとき、圧力リミッタ144は増圧装置37
からパワー圧室62へのブレーキ液の逆流を阻止し、増
圧作用が行われないようにする。
【0027】加速時に駆動輪である左右後輪30,32
のスリップが過大になった場合には、電磁方向切換弁1
24,132の切換えによりリヤホイルシリンダ34,
36にアキュムレータ80の液圧が供給される状態とさ
れ、電磁液圧制御弁126,128の切換えによりホイ
ルシリンダ圧が増減させられてスリップが解消される。
【0028】これらアンチスキッド制御および加速スリ
ップ制御はECU146によって行われる。ECU14
6はコンピュータを主体とするものであり、図6に示す
ように、前記圧力センサ96,圧力スイッチ98,差圧
スイッチ142の各信号および左右の前輪38,40お
よび後輪30,32の各回転速度を検出する回転速度セ
ンサ148,150,152,153の検出結果が供給
され、それに基づいて車輪速度,車輪減速度,車体速度
等を演算し、その演算結果に基づいてアンチスキッド制
御および加速スリップ制御を行う。
【0029】前記第一加圧室22とプロポーショニング
バイパスバルブ28とを接続する液通路27,第二加圧
室24とプロポーショニングバイパスバルブ28とを接
続する液通路39および電磁方向切換弁132とパワー
圧室62とを接続する液通路130にはそれぞれ、液通
路154,156,158によりスプール式電磁液圧制
御弁160によって制御された液圧が供給されるように
なっている。スプール式電磁液圧制御弁160はアキュ
ムレータ80の液圧を供給電流に比例した高さに制御し
て供給する弁であり、実開昭63−40270号公報等
により知られており、簡単に説明する。
【0030】スプール式電磁液圧制御弁160は、図8
に示すように、ハウジング162内に形成された弁孔1
64にスプール168が実質的に液密かつ摺動可能に嵌
合されている。このスプール168の移動により、スプ
ール式電磁液圧制御弁160は、ホイルシリンダに接続
される制御圧ポート170を、リザーバ78に接続され
た低圧ポート172に環状室174,円環溝176を介
して連通させてホイルシリンダ液圧を減少させる状態
と、アキュムレータ80に接続された高圧ポート178
に環状室174,円環溝180を介して連通させてホイ
ルシリンダ液圧を増大させる状態と、いずれにも連通さ
せず、ホイルシリンダ液圧を保持させる状態とに切り換
わる。
【0031】スプール168の一端には、反力ピン18
4がスプリング186に付勢されて当接させられてい
る。反力ピン184は液通路188により供給される制
御圧ポート170の液圧を受けてその液圧に基づく作動
力をスプール168に作用させ、高圧ポート178と制
御圧ポート170との連通を遮断する向きの作動力を発
生させる。
【0032】また、スプール168には、フォースモー
タ192により、上記作動力とは逆向きであって、制御
圧ポート170と高圧ポート178とを連通させる向き
の制御力が加えられる。フォースモータ192は、スプ
ール168とハウジング162との間に設けられたダイ
アフラム194により仕切られた空気室196内に配設
されており、励磁コイル198に励磁電流が供給されな
い状態では、スプリング186の付勢力により図8の状
態に保たれていて、スプール168が制御圧ポート17
0を低圧ポート172に連通させる。
【0033】そして、励磁コイル198に励磁電流が供
給されれば、励磁コイル198が永久磁石200の磁界
によりヨーク202から押し出される。励磁コイル19
8の前進により、スプール168には反力ピン184に
よる前記作動力とは逆向きの制御力が加えられ、スプー
ル168は、これら作動力と制御力とが釣り合う位置に
おいて停止し、この結果制御圧は励磁コイル198への
供給電流に応じた圧力に制御されることになる。
【0034】このようなスプール式電磁液圧制御弁16
0の制御圧を伝達する液通路154,156,158と
前記液通路27,39,130との接続部には、それぞ
れチェンジバルブ210,212,214が設けられて
おり、第一,第二加圧室22,24,パワー圧室62か
ら供給される液圧と、スプール式電磁液圧制御弁160
により供給される電気制御液圧とのうち高い方の液圧を
選択してリヤホイルシリンダ34,36,フロントホイ
ルシリンダ42,44に供給するようにされている。
【0035】これらチェンジバルブ210,212,2
14の構成はいずれも同じであり、チェンジバルブ21
0について代表的に説明する。図9に示すように、チェ
ンジバルブ210のハウジング220には長手方向に貫
通する貫通孔222が形成され、スリーブ223が液密
に嵌合されるとともに、貫通孔222の両端開口がプラ
グ224,226により閉塞されて弁孔228が形成さ
れ、スプール230が軸方向に移動可能に嵌合されてい
る。
【0036】スプール230の長手方向の中間部にはラ
ンド232が形成されて弁孔228に嵌合されており、
それによりランド232の一方の側に、プラグ224に
形成されたポート234によってマスタシリンダ12の
第一加圧室22に接続されたマスタシリンダ圧室236
が形成され、ランド232の他方の側に、プラグ226
に形成されたポート238によりスプール式電磁液圧制
御弁160に接続された電気制御液圧室240が形成さ
れている。なお、チェンジバルブ214は、ポート23
4にパワー圧室62に接続され、ランド232の一方の
側にパワー圧室が形成される。
【0037】スプール230にはまた、その長手方向の
両端部にゴム製の弁部材244,246が取り付けられ
るとともに、それら弁部材244,246とランド23
2との間に大径のガイド248,250が形成され、弁
孔228に嵌合されてスプール230の移動を案内する
ようにされている。これらガイド248,250の外周
面には軸方向に延びる溝が複数本形成されており、ブレ
ーキ液の流れを許容する。
【0038】また、スリーブ223の弁孔228を形成
する内周面のランド232に対応する部分には、円環状
溝254が形成されるとともに、ポート256,258
によってリヤホイルシリンダ34,36に接続されてい
る。ランド232は、スプール230の弁部材244,
246の一方がポート234,238の開口端に着座し
て、ポート234,238とマスタシリンダ圧室23
6、電気制御液圧室240との一方の連通を遮断すると
き、遮断された方の室とポート256,258との連通
を遮断するとともに、遮断されない方の室とポート25
6,258との連通を許容する。
【0039】チェンジバルブ210は常には図9に示す
状態にあって、マスタシリンダ12の第一加圧室22と
リヤホイルシリンダ34,36とを連通させている。ス
プール式電磁液圧制御弁160から電気制御液圧が供給
されない状態では、マスタシリンダ液圧がリヤホイルシ
リンダ34,36に供給される。
【0040】ここで、スプール式電磁液圧制御弁160
から電気制御液圧が供給され、かつ第一加圧室22から
マスタシリンダ液圧が供給されず、あるいは供給されて
いてもマスタシリンダ液圧の方が低い場合には、スプー
ル230が図9において左方へ移動させられることにな
る。
【0041】この結果、今度は電気制御液圧室240に
ブレーキ液が流入し、その圧力が図中右方からランド2
32に作用してスプール230を更に左方へ移動させ、
弁部材244をポート234の開口に着座させて第一加
圧室22とリヤホイルシリンダ34,36との連通が遮
断される。そして、電気制御液圧室240とリヤホイル
シリンダ34,36とが連通し、電気制御液圧がリヤホ
イルシリンダ34,36に供給されることになる。
【0042】尚、これらチェンジバルブ210,21
2,214とスプール式電磁液圧制御弁160との間に
は、図2に示すように常閉の電磁開閉弁270が設けら
れている。そして、これらスプール式電磁液圧制御弁1
60および電磁開閉弁270は、本実施例の要部である
液圧制御コントローラ274により駆動回路276,2
78を介して制御される。
【0043】次に、ブレーキ機構300の動作について
説明する。
【0044】非制動時には、電磁方向切換弁110,1
12,124,132,電磁液圧制御弁120,12
2,126,128,電磁開閉弁270のソレノイドは
いずれも消磁され、チェンジバルブ210,212は図
9に示す状態にあり、第一,第二加圧室22,24に発
生したマスタシリンダ液圧がホイルシリンダ34,3
6,42,44に供給された状態にある。また、スプー
ル式電磁液圧制御弁160にも電流は供給されず、電磁
開閉弁270をリザーバ78に連通させる状態にある。
【0045】そして、制動時にブレーキペダル26が踏
み込まれれば、マスタシリンダ液圧がフロントおよびリ
ヤのホイルシリンダ34,36,42,44に供給され
て車輪の回転が抑制される。
【0046】ここで、路面の摩擦係数に対してブレーキ
ペダル26の踏込み力が過大となり、車輪のスリップ状
態が適正状態を越えれば公知のアンチスキッド制御が行
われる。すなわち、電磁方向切替弁110,112,1
24,132の切替えによりパワー圧がフロント及びリ
アのホイルシリンダ34,36,42,44のそれぞれ
に供給される状態とされると共に、電磁液圧制御弁12
0,122,126,128のそれぞれが先ず減圧状態
に切り換えられてフロント及びリアのホイルシリンダ3
4,36,42,44内のブレーキ液がリザーバ78に
排出される。
【0047】それにより車輪の回転が回復すれば、電磁
液圧制御弁120,122,126,128は保持状態
とされ、更に回復すれば増圧状態に切り換えられるので
あり、電磁液圧制御弁120,122,126,128
がそれぞれ減圧状態,保持状態,増圧状態に切り換えら
れることにより車輪のスリップ率が適正範囲に保たれる
ものである。
【0048】また、自動車の発振加速時に駆動力が過大
であり、駆動輪である左右後輪30,32のスリップが
過大になれば公知のスリップ制御が行われる。すなわ
ち、電磁切替弁124,132の切替えによりリアホイ
ルシリンダ34,36にアキュムレータ80の液圧が供
給され、電磁液圧制御弁126,128がそれぞれ増圧
状態.保持状態及び減圧状態に切替えられることにより
車輪の回転が適宜抑制されるものである。
【0049】ところで、コントローラ274から駆動回
路276,278へ向けて適当な制御信号が発せられる
と、各チェンジバルブ210,212,214には、ア
キュムレータ80を介して高圧の電気制御液圧が供給さ
れる。
【0050】このときブレーキペダル26が踏み込まれ
ており、電気制御液圧より高いマスタシリンダ液圧が発
生させられていれば、マスタシリンダ液圧がホイルシリ
ンダ34,36,42,44に供給され、電気制御液圧
がマスタシリンダ液圧より高く、あるいはブレーキペダ
ル26が踏み込まれていない場合には、電気制御液圧が
ホイルシリンダ34,36,42,44に供給される。
従って、かかる場合には、各ホイルシリンダ34,3
6,42,44は、マスタシリンダ圧にかかわらず、電
気制御液圧に従って制動力を発揮することになる。
【0051】ここで、本実施例のコントローラ274
は、車両前方を監視して前方障害物と車両とが不当に接
近した場合、及び運転者の身体状態が運転に不適切な場
合に上記の如く駆動回路276,278を駆動して各ホ
イルシリンダ34,36,42,44に所望の減速度を
実現する制動力を発揮させ、また、個々の状況に応じて
目標とする減速度を適当に設定する点に特徴を有してい
る。
【0052】以下、図2に示す他の構成要素の機能、及
び本実施例装置の動作について詳細に説明する。
【0053】図2において入力ポート274dに接続さ
れるECU146は、上記した如く車速信号をコントロ
ーラ274に供給している。車両が停止している場合に
は自動ブレーキを作動させる必要がなく、この意味で車
速を監視する必要があるからである。
【0054】脈拍センサ280は、前記した身体状態検
知手段3に相当する部材である。つまり、本実施例にお
いては運転者の脈拍変化を監視することで、運転者の身
体状態を検出するものである。尚、運転者の身体状態と
脈拍との関係は、例えば居眠り状態においては覚醒時に
比べて10回/min 程度の減少が見られ、コントローラ
274は、かかる脈拍変化に基づいて運転者の居眠りを
検出する。
【0055】また、本実施例のコントローラ274は、
運転者の居眠りを検出した場合、ブレーキを自動制御す
るのみでなく、運転者に対して警報を発する機能及び覚
醒を促すための刺激を与える機能をも備えている。すな
わち、上記脈拍センサ280の検出結果より居眠りを検
出したら、先ず出力ポート274eよりブザー282へ
警報信号を発する。
【0056】居眠りが誤検出であった場合、及び運転者
が警報により覚醒した場合、運転者はこの警報に対して
リセットスイッチ284を操作することで、その意思表
示を行うことができる。そして、かかるリセットスイッ
チ284による反応があった場合、コントローラ274
は再度運転者の身体状態の監視状態に復帰する。
【0057】一方、ブザー282による警報に運転者が
何ら反応しない場合は、運転者が居眠りをしている漫然
性が極めて高いと判断できる。従って、この場合は出力
ポート274eを介して刺激装置286を駆動し、運転
者に対して覚醒を促す刺激を与える。
【0058】尚、この刺激装置286としては、例えば
シートに微小電流による刺激を与える機構を組み込んだ
もの、あるいはオーディオ装置から急に大音量を発っせ
させるもの等を適用することができる。また、これらと
温調機器を組み合わせて車内温度を下げることにより、
比較的長期的な覚醒作用を得ることも可能である。
【0059】そして、刺激装置286を動作させること
で尚運転者が反応しない場合、または頻繁に上記した警
報処理及び覚醒処理が実行される場合、コントローラ2
74は、周囲の車両への警報のためハザード286を点
滅させると共に駆動回路276,278を介してブレー
キ機構300を操作し、適切な減速度のもとに車両を停
車させる。
【0060】ところで、本実施例のコントローラ274
には、前記した身体状態検知手段3に相当する身体異常
スイッチ290が接続されている。この身体異常スイッ
チ290は、運転者が急な発作等に見舞われた際に、運
転者がその旨の意思表示を行うためのスイッチである。
つまり、コントローラ274は、常に身体異常スイッチ
290の状態を監視し、その状態から運転者の異常が検
出された場合には、無条件でハザード288の点滅処理
とブレーキ機構300の操作とを行って車両を停車させ
る。
【0061】この結果、急な発作等により運転者が全く
運転不能になった場合においても、車両は安全に停車す
ることができ、また周囲の車両に対しても異常事態の発
生をアピールすることができる。尚、本実施例装置の如
く脈拍センサ280により身体状態の監視を行っている
ものについては、脈拍変化で検出できない身体異常が生
じた場合に有効である。
【0062】レーダ292は車両前方を監視するレーダ
で、例えば前方へ向けてミリ波を発すると共に反射波を
受信して受信信号を発生する。コントローラ274は、
レーダ292がミリ波を発してから反射波を受信するま
での時間により前方障害物との距離を、またドップラ効
果によって反射波に生じている周波数変動より前方障害
物との相対速度を検出する。
【0063】そして、車両と前方障害物との距離、また
は距離及び相対速度を基準として衝突の危険性を判断
し、衝突が予想される場合には駆動回路276,278
を介してブレーキ機構300を操作するものである。こ
の結果、運転者の脇見・ぼんやり運転によって車両が前
走者に不当に接近したような場合には、運転者の意思と
は無関係にブレーキ機構300により適当な制動力が発
揮され、追突事故が未然に防止されることになる。
【0064】このようにコントローラ274は運転者の
身体状態に応じて、及び車両と前方障害物との距離に応
じて適切に、適切に車両を停車させる機能を備えてい
る。ところで、かかる装置を搭載した車両を一般市場に
送りだすためには、自動ブレーキの作動時においても適
当な乗り心地を維持する必要がある。従って、衝突防止
時に急制動となるのは止むを得ないとして、運転者の身
体異常に起因して停車させる場合には、衝突の危険がな
ければ緩やかに停車に導くことが望ましい。
【0065】そこで、本実施例のコントローラ274
は、ブレーキ機構300を作動させる際の原因別に減速
度を設定し、適切かつ確実な衝突防止と快適な乗り心地
とを両立させるべく図3〜図5のフローチャートに示す
如き処理を実行することとした。上記したようにブレー
キ機構300中にスプール式電磁液圧制御弁160を設
け、ブレーキの自動制御時において各ホイルシリンダ3
4,36,42,44に供給する油圧、すなわち電気制
御液圧を可変としたのは、かかるコントローラ274の
実行する処理を実現可能ならしめるためである。
【0066】以下、図3〜図5を参照して、コントロー
ラ274が実行する処理の内容について説明する。
【0067】図3は、コントローラ274が衝突防止を
目的としつつ運転者の身体状態を監視すべく実行するメ
インのルーチンのフローチャートを示す。すなわち、同
図に示すルーチンが起動すると、先ずステップ100
(以下S100とする)において上記した脈拍センサ2
80の検出値に基づいて運転者が居眠りしているか否か
の判定を行う。
【0068】つまり、このS100は、前記した第2の
作動判定手段5の一部をなし、ここで居眠りが検知され
た場合には、これを理由としてブレーキの自動制御を実
行すべきかについて更に検討を加え、かつ検討結果に対
応した適当な処理を施すため以下S200〜S214
(図4に詳説)に示す居眠り警報ルーチンを実行する。
【0069】一方、S100において居眠りが検知され
なかった場合は、S102へ進んで運転者によって身体
異常停止スイッチ290が操作されていないかをみる。
ここで、スイッチがオンとされている場合は即座に車両
を停車させる必要があり、かかる場合には、以後S30
0〜S310(図5に詳説)からなる異常停止ルーチン
を実行して、安全に車両を停車に導く処理を行う。尚、
本実施例においては上記S102も前記した第2の作動
判定手段5の一部を成している。
【0070】また、上記S100,S102において共
に運転者の身体異常が検出されなかった場合には、前記
した第1の作動判定手段4を実現すべくS104及びS
106を実行する。S104は、レーダ292の検出結
果に基づいて車両前方に障害物が存在するか否かを判定
するステップである。ここで前方に障害物が存在しない
と判定された場合は、追突の危険がないことから以後何
らの処理を行うことなく今回のルーチンを終了する。
【0071】S106は、上記したS104において障
害物有りと判定された際に、障害物との距離、相対速度
等を演算して衝突の可能性が有るかを判定するステップ
である。そして、判定の結果衝突の可能性がないとされ
た場合は、障害物が存在しない場合と同様にそのまま今
回の処理を終了する。
【0072】これに対して、S106において衝突の可
能性があると判定された場合は、衝突回避のためにブレ
ーキ機構300を操作する必要がある。また、このよう
な場合は、乗り心地に対して衝突回避の要求が勝るた
め、ブレーキ機構300には大きな制動力が要求され
る。
【0073】このため、かかる場合には以後S108で
無条件に例えば0.8G程度の大きな減速度が設定し、
S110においてこの減速度を達成すべく上記駆動回路
276を介してスプール式電磁液圧制御弁を、また駆動
回路278を介して電磁開閉弁270をそれぞれ駆動
し、適当な電気制御液圧に設定された油圧を各ホイルシ
リンダ34,36,42,44に供給してブレーキの自
動制御を実行する。
【0074】以後S112において、ECU146を介
して入力される車速データから車両の停止が検出される
まで上記S104〜S112を繰り返し実行し、車両の
停止が検出された時点で今回の処理を終了する。尚、車
両停止後においては、例えば傾斜のある路上に停車した
場合等を想定し、適当な制動力を残存させておいてもよ
い。
【0075】一方、上記S100において運転者の居眠
りを検知した場合は、図4に示すように先ずS200に
おいて運転者への警報・覚醒処理を実行する。具体的に
は、上記したようにブザー282、及び刺激装置286
により、運転者に居眠りに対する警告を与える。
【0076】そして、S202においてリセットスイッ
チ284による反応から運転者の運転適応性を判断し、
運転の継続を許容するかいなかの判定を行う。ここで、
リセットスイッチ284による反応が適切な時間内に行
われ、かつ警報・覚醒処理の実行頻度も高くない場合に
は、運転者が正常であると認めることができる。従っ
て、この場合は何ら処理を行うことなく居眠り・警報ル
ーチンを終了し、上記図3に示すルーチンを引き続き実
行する。
【0077】これに対して運転者の反応が鈍い、または
頻繁に居眠りをしている、と認められる場合は運転者が
運転適応性に欠けていると判断し、以後ブレーキ機構3
00の操作を行うべくS204へ進む。このように、上
記S200,202も前記第2の作動判定手段5の一部
を構成している。すなわち、本実施例においては、S1
00,102,200,202によって前記第2の作動
判定手段を実現している。
【0078】S204,206は、上記S104、10
6と同様に前記した第1の作動判定手段4に相当し、レ
ーダ292を用いて前方障害物との衝突の可能性を判断
するステップである。運転者が居眠りをしていると否と
にかかわらず、前方障害物に衝突する可能性がある場合
には、その衝突を回避する処理を行う必要があるため、
居眠り・警報ルーチンにおいてもかかる処理を行うこと
としたものである。
【0079】従って、S206において衝突の可能性有
りと判定された場合には、大きな減速度で車両を停車に
導く必要があり、比較的大きな減速度を発生させる必要
がある。このため、かかる状況下では、S208におい
て上記S108同様に0.8G程度の大きな減速度を設
定する。
【0080】これに対して、前方に障害物がなく何ら衝
突の危険がない場合は、車両を停車に導くとしても不必
要に大きな減速度を伴うのは妥当ではない。かかる急制
動は、乗り心地を害すると共に交通の流れを阻害するこ
とがあるからである。このため、本実施例においては、
運転者が居眠りし、かつ衝突の危険はない場合には、S
210へ進んで例えば0.3G程度の小さな減速度を設
定することとした。尚、本ルーチンにおいては、これら
S208,210が前記した減速度設定手段6を実現し
ている。
【0081】そして、S212ではこれらのステップで
適宜設定された減速度を実現すべくスプール式電磁液圧
制御弁160を制御し、目標とする減速度が達成できる
だけの電気制御液圧を各ホイルシリンダ34,36,4
2,44に供給してブレーキの自動制御を行う。
【0082】以後、S214において車両の停止が検出
されるまで繰り返し上記S204以降の処理が実行さ
れ、例えば当初衝突の可能性がなく小さな減速度が設定
されていた場合に、その後車両が停車に至るまでの間に
衝突の可能性が生じた際には、速やかに大きな減速度に
設定が変更され、高い安全性が確保されることになる。
【0083】尚、車両が停止に導かれた場合は、その後
上記図3に示すルーチンに戻り、同ルーチンが終了す
る。
【0084】また、図5は、上記S102において運転
者による身体異常停止スイッチの操作が検出された場合
に実行される異常停止ルーチンのフローチャートを示
す。同図に示すルーチンは、上記した居眠り・警報ルー
チンと異なり、運転者自らが運転適応性のないことを自
覚している場合に実行されるルーチンである。
【0085】従って、本ルーチンに要求されるのは、運
転者に対して警報を発したり覚醒処理を施したりするこ
とではなく、即座に車両を安全確実に停車させることで
ある。このため、図5に示すように異常停止ルーチンが
起動されると、S300,302で即座に前方障害物の
有無及び衝突の可能性を判定する。そして、衝突の可能
性がある場合にはS304で例えば0.8G程度の大き
な減速度を、また衝突の可能性がない場合にはS306
で例えば0.3G程度の小さな減速度をそれぞれ設定
し、その後S308,310を経由して車両が停車する
までブレーキの自動制御を実行することになる。
【0086】尚、本ルーチンにおいては、S300,3
02が前記した第1の作動判定手段4に、またS30
4,306が前記した減速度設定手段6に相当してい
る。つまり、本実施例においては、上記したS104,
106,204,206,300,302の各ステップ
により前記第1の作動判定手段4が、S108,20
8,210,304,306の各ステップにより前記減
速度設定手段6が実現されることになる。
【0087】以上図3〜図5に示すように、本実施例の
車両用自動ブレーキ制御装置によれば、車両が前方の障
害物と衝突する可能性がある場合、及び運転者に何らか
の身体異常が生じた場合には、共に車両を安全に停車さ
せることができ、更に運転者の身体異常に起因して車両
を停車させる場合には、不必要に大きな減速度が発生し
ないように配慮されている。
【0088】また、運転者に身体異常が発生し、かつ車
両に衝突の危険が生じている場合には、制御上大きな減
速度が優先的に採択されるように組まれていることか
ら、当初身体異常に起因してブレーキの自動制御を開始
し、その後衝突の可能性が生じた場合においても、適切
に衝突を回避することが可能である。このように、本実
施例によれば、不要な乗り心地の悪化を伴うことなく確
実な衝突防止を実現することができる。尚、運転者が発
作等を自覚して身体異常停止スイッチをオンとしたよう
な場合には、特に運転者に対して不要な衝撃を加えるこ
とを避けるべきであり、この意味でも本実施例の車両用
自動ブレーキ制御装置は有効である。
【0089】尚、本実施例においては、前記した前方距
離検出手段2としてミリ波レーダを例示しているが、こ
れに限るものではなく、レーザ光を用いたレーダ等を使
用することも可能である。また、前記した身体状態検知
手段3の一部として用たリセットスイッチ284及び身
体異常スイッチ290については、音声認識により運転
者の意思表示を検知する装置を代用することも可能であ
る。
【0090】更に、ブレーキの自動制御時における減速
度は、0.8G及び0.3Gの2段階から選択する構成
としているが、前方障害物との距離、及び自己の車速等
に応じてより細かく設定することも可能である。
【0091】
【発明の効果】上述の如く、請求項1記載の発明によれ
ば、車両前方の障害物に対して衝突のおそれがあるこ
と、及び運転者に運転継続に不適切な身体異常が生じた
ことを適切に検知し、衝突を回避するためには大きな減
速度で、また運転者の身体異常時には小さな減速度で適
当に車両を停車させることができる。
【0092】つまり、本発明に係る車両用自動ブレーキ
制御装置によれば、前方障害物との衝突回避は急制動に
よって行われ、運転者の身体異常時には緩やかに車両が
停車されることになる。この結果、運転者に異常がない
場合は前方障害物との衝突を回避し得る限界付近までブ
レーキの自動制御を実行せず、かつ運転者の身体異常時
に不必要な減速度を発生させずに所望の目的を達成する
事が可能となり、従来の自動ブレーキ制御装置に比べて
制御フィーリングが著しく向上するという特長を有して
いる。
【0093】また、請求項2記載の発明によれば、運転
者の身体異常と前方障害物への衝突の可能性とが同時に
検出された場合には、大きな減速度が優先的に採択され
るため、当初緩やかに停車するモードが採択されていた
場合でも、車両が停車に至るまでの間に前方障害物と衝
突のおそれが生じた際には、速やかに減速度が高めら
れ、確実な衝突防止が実行される。このため、本発明に
係る車両用自動ブレーキ制御装置によれば、請求項1記
載の発明に比べて更に高い安全性を確保することが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両用自動ブレーキ制御装置の原
理構成図である。
【図2】本実施例の車両用自動ブレーキ制御装置のブロ
ック構成図である。
【図3】車両用自動ブレーキ制御装置のコントローラが
実行する衝突防止ルーチンのフローチャートである。
【図4】車両用自動ブレーキ制御装置のコントローラが
実行する居眠り・警報ルーチンのフローチャートであ
る。
【図5】車両用自動ブレーキ制御装置のコントローラが
実行する異常停止ルーチンのフローチャートである。
【図6】車両用自動ブレーキ制御装置のブレーキ機構の
全体構成図である。
【図7】ブレーキ機構の液圧ブースタの断面構成図であ
る。
【図8】ブレーキ機構のスプール式電磁液圧制御弁の断
面構成図である。
【図9】ブレーキ機構のチェンジバルブの断面構成図で
ある。
【符号の説明】
1 ブレーキ制御手段 2 前方距離検出手段 3 身体状態検知手段 4 第1の作動判定手段 5 第2の作動判定手段 6 減速度設定手段 10 液圧ブースタ 160 スプール式電磁液圧制御弁 274 コントローラ 276,278 駆動回路 280 脈拍センサ 282 ブザー 284 リセットスイッチ 286 刺激装置 288 ハザード 290 身体異常スイッチ 292 レーダ 300 ブレーキ機構

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の運転状況が検出された際に車両の
    ブレーキを自動制御して適当な減速度を発生するブレー
    キ制御手段を備える車両用自動ブレーキ制御装置におい
    て、 車両前方の障害物と自車との距離を検出する前方距離検
    出手段と、 運転者の身体状態を検知する身体状態検知手段と、 前記前方距離検出手段の検出結果より前記障害物と自車
    との距離が所定距離より短いことが検出された場合にブ
    レーキの自動制御を実行すべきと判定する第1の作動判
    定手段と、 前記身体状態検知手段の検出結果より運転者の身体状態
    が車両の運転に不適であることが検知された場合にブレ
    ーキの自動制御を実行すべきと判定する第2の作動判定
    手段と、 前記ブレーキを自動制御する際の目標となる減速度を設
    定するにあたり、前記第1の作動判定手段によりブレー
    キの自動制御を実行すべきと判定された場合に比べて、
    前記第2の作動判定手段によりブレーキの自動制御を実
    行すべきと判定された場合の減速度を小さく設定する減
    速度設定手段とを備えることを特徴とする車両用自動ブ
    レーキ制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の車両用自動ブレーキ制御
    装置において、 前記第1の作動判定手段及び前記第2の作動判定手段が
    共にブレーキの自動制御を実行すべきと判定した場合、
    前記減速度設定手段は、前記第1の作動判定手段が実行
    判定を行った際の減速度を優先して採択することを特徴
    とする車両用自動ブレーキ制御装置。
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