JP2014071519A - 状態判定装置、運転支援システム、状態判定方法及びプログラム - Google Patents

状態判定装置、運転支援システム、状態判定方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】ドライバの状態を正確に判定する。
【解決手段】ドライバがイグニッションスイッチをオンにすると、ドライバに対して眼の開閉動作が指示される(ステップS201)。この指示に基づいて、ドライバが眼の開閉動作を行った場合には、撮影装置から出力される画像Pから生成される差分画像には、ドライバの眼の部分にのみ画像が現れる。このため、画像からドライバの顔画像を特定するためのテンプレートや、顔画像に写る眼を特定するためのテンプレートを、精度よく設定することができる。したがって、画像に写るドライバの顔や眼を精度よく検出することができ、結果的にドライバの覚醒度を正確に判定することができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、状態判定装置、運転支援システム、状態判定方法及びプログラムに関し、更に詳しくは、車両を運転するドライバの状態を判定する状態判定装置、ドライバの運転を支援する運転支援システム、車両を運転するドライバの状態を判定するための状態判定方法及びプログラムに関する。
近年、交通事故の死者数は減少傾向にあるものの、事故の発生件数自体は依然として高い水準で推移している。事故の原因は様々であるが、ドライバが漫然な状態で車両の運転(漫然運転)を行うことも、事故を誘発する原因の1つである。漫然な状態は、運転中の会話や、携帯電話の使用など、ドライバが運転以外の行動を行うことにより、運転に対する注意力が散漫になる状態と、疲労や眠気などによってドライバの注意力が低下する状態に概ね2分される。
疲労や眠気を原因とする漫然運転については、ドライバ自身での予防が困難である。そこで、居眠り等を要因とする覚醒度低下を検出する装置が種々提案されている(例えば特許文献1及び2参照)。
特許文献1に開示された装置は、ドライバの画像から予め基準画像を取得する。そして、この基準画像上の特徴点と、運転中に逐次撮影される画像上の特徴点との変化量を比較した結果に基づいて、ドライバの状態を判定する。この装置では、ドライバごとにカスタマイズされた基準画像に基づいて、各ドライバの状態が判定されるので、正確にドライバの状態を判定することができる。
特許文献2に開示された装置は、車両を運転するドライバの顔画像から、ドライバの上瞼と下瞼の距離を計測する。そして、計測した距離が閾値以下である場合には、ドライバが眼を閉じていると判定する。
特開2011−128966号公報 特開2009−169745号公報
特許文献1に開示された装置は、ドライバの状態を、ドライバごとに正確に判定することができる。しかしながら、ドライバが漫然とした状態のときに撮影された画像が基準画像になったときや、ドライバが眼鏡をかけていたり、マスクを着用しているときには、基準画像から正確に特徴点を検出することができなくなることが考えられる。この場合には、ドライバの状態を正確に判定することができなくなる。
特許文献2に開示された装置は、上瞼と下瞼の距離と閾値を、単純に比較するだけなので、眼の形状や大きさの個人差により、判定結果にばらつきが生じるおそれがある。また、ドライバが眼鏡をかけている場合には、瞼のエッジを検出するのが困難になる。この場合には、誤った判定がなされるおそれがある。
本発明は、上述の事情の下になされたもので、ドライバの状態を正確に判定することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る状態判定装置は、
ドライバの顔の画像を撮影する撮影手段と、
前記ドライバが所定の動作をしているときに、前記撮影手段に撮影された前記画像に基づいて、前記ドライバの顔の基本情報を予め取得する基本情報取得手段と、
前記基本情報取得手段によって前記基本情報が取得された後に、前記撮影手段によって撮影された画像から取得した前記ドライバの顔の情報と前記基本情報とに基づいて、前記ドライバの状態を判定する判定手段と、
を備える。
本発明の第2の観点に係る運転支援システムは、
本発明の状態判定装置と、
前記状態判定装置によって、前記ドライバの状態が運転に適していないと判定された場合に、前記ドライバが運転する車両を自動制御する制御手段と、
を備える。
本発明の第3の観点に係る状態判定方法は、
ドライバが所定の動作をしているときに撮影された前記ドライバの画像に基づいて、前記ドライバの顔の基本情報を予め取得する工程と、
前記基本情報が取得された後に撮影された画像から取得した前記ドライバの顔の情報と前記基本情報とに基づいて、前記ドライバの状態を判定する工程と、
を含む。
本発明の第4の観点に係るプログラムは、
コンピュータに、
ドライバが所定の動作をしているときに撮影された前記ドライバの画像に基づいて、前記ドライバの顔の基本情報を予め取得する手順と、
前記基本情報が取得された後に撮影された画像から取得した前記ドライバの顔の情報と前記基本情報とに基づいて、前記ドライバの状態を判定する手順と、
を実行させる。
本発明によれば、運転前にドライバが所定の動作を行っているときに撮影された画像に基づいて、ドライバの状態を判定するために用いられる基本情報が取得される。このため、取得された情報とドライバの状態のミスマッチがなくなり、ドライバの状態を正確に判定することが可能となる。
本実施形態に係る運転支援システムのブロック図である。 撮影装置の配置を示す図である。 撮影装置によって撮影される画像を示す図である。 CPUによって実行される一連処理を示すフローチャートである。 基本情報を模式的に示す図である。 差分画像を示す図である。 眼領域を示す図である。 眼の検出に用いられるテンプレートを示す図である。 顔画像の検出に用いられるテンプレートを設定するための処理を説明するための図である。 顔画像の検出に用いられるテンプレートを示す図である。 状態判定処理のサブルーチンで実行される一連の処理を示すフローチャートである。 顔画像を抽出するための手順を説明するための図である。 眼の位置を特定するための手順を説明するための図である。 眼の開度と比較するための閾値を設定する手順を説明するための図である。 運転支援システムの変形例を示す図である。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しつつ説明する。図1は本実施形態に係る運転支援システム10のブロック図である。運転支援システム10は、車両を運転するドライバの覚醒度が低下した場合に、当該車両を安全に停止させるための装置である。この運転支援システム10は、図1に示されるように、制御装置20、撮影装置31、音声出力装置32、制動装置33を有している。
撮影装置31は、CCD(Charge Coupled Device)カメラを有している。この撮影装置31は、図2に示されるように、例えばハンドルコラムに設置されている。図3は、撮影装置31によって撮影された画像Pを示す図である。図3を参照するとわかるように、撮影装置31は、シート61に着座するドライバ60の顔が、視野中心に位置するように、視野角及び姿勢が調整されている。この撮影装置31は、ドライバ60の顔を順次撮影し、撮影により得た画像Pについての画像情報PDを順次出力する。
図1に戻り、音声出力装置32は、制御装置20からの指示に基づいて、ドライバ60に対して音声を出力する。この音声出力装置32は、音声を出力するための増幅器やスピーカを有している。
制動装置33は、ドライバ60が運転する車両を停止させるための装置である。この制動装置33は、制御装置20の指示に基づいて、車両に装備されたブレーキを動作させて当該車両を減速し停止させる。
制御装置20は、CPU(Central Processing Unit)21、主記憶部22、補助記憶部23、表示部24、入力部25、及びインタフェース部26を有するコンピュータである。
CPU21は、補助記憶部23に記憶されているプログラムに従って、後述する処理を実行する。
主記憶部22は、RAM(Random Access Memory)等を有している。主記憶部22は、CPU21の作業領域として用いられる。
補助記憶部23は、ROM(Read Only Memory)、磁気ディスク、半導体メモリ等の不揮発性メモリを有している。補助記憶部23は、CPU21が実行するプログラム、及び各種パラメータなどを記憶している。また、撮影装置31から出力される画像情報PD、及びCPU21による処理結果などを順次記憶する。
表示部24は、LCD(Liquid Crystal Display)などの表示ユニットを有している。表示部24は、CPU21の処理結果等を表示する。
入力部25は、入力キーや、タッチパネル等のポインティングデバイスを有している。オペレータの指示は、入力部25を介して入力され、システムバス27を経由してCPU21に通知される。
インタフェース部26は、シリアルインタフェースや、パラレルインタフェースを有している。撮影装置31、音声出力装置32、制動装置33は、インタフェース部26を介して、システムバス27に接続される。
上述のように構成された制御装置20は、ドライバ60を監視し、ドライバ60の覚醒度が低下していると判定した場合には、当該ドライバ60が運転する車両を停止させる。以下、本実施形態に係る運転支援システム10の動作について、図面を参照しつつ説明する。
図4のフローチャートは、CPU21によって実行されるプログラムの一連の処理アルゴリズムに対応している。図4のフローチャートに示される一連の処理は、例えば車両のイグニッションスイッチがオンになると実行される。
まず、最初のステップS201では、CPU21は、外部から車両に乗車し、シート61に着座したドライバ60に、眼の開閉動作を指示する。眼の開閉動作の指示は、ドライバ60が運転を開始する前の、車両が停止しているときに発令される。
CPU21は、音声出力装置32を介して、ドライバ60に眼を開眼させるための開眼指示と、眼を閉眼させるための閉眼指示を出力する。例えば、開眼指示は、音声出力装置32から、「OPEN」や、「眼を開いて下さい」という内容の音声を出力することで実現される。また、閉眼指示は、音声出力装置32から、「CLOSE」や、「眼を閉じて下さい」という内容の音声を出力することで実現される。上述の開眼指示及び閉眼指示は、例えば、約1秒間隔で2〜3回ずつ出力される。
CPU21は、ドライバ60に眼の開閉動作を指示している間に、撮影装置31から出力される画像Pに関する画像情報PDを、当該画像Pが撮影された時刻tと関連づける。そして、基本情報(PD,t)として、主記憶部22に順次保存する。
図5は、基本情報(PD,t)を模式的に示す図である。上述したCPU21の動作により、図5に示されるように、基本情報(Pd,t)が時系列的に保存される。
次のステップS202では、CPU21は、画像Pに対して、ドライバ60の眼が写る眼領域EA1,EA2の特定を試みる。
具体的には、CPU21は、まず、基本情報(PD,t)を構成する画像情報PDと基本情報(PDM+1,tM+1)を構成する画像情報PDM+1から、画像Pと画像PM+1との差分画像DIFを順次生成する。なお、Mは1からN−1までの整数である。
差分画像DIFは、画像Pと同じサイズである。そして、差分画像DIFの画素それぞれの輝度は、相互に対応する画像Pの画素の輝度と、画像PM+1の画素の輝度との差分に等しい。したがって、差分画像DIFには、画像Pと画像PM+1とを比較したときに、相互に相違している部分が現れる。
例えば、図6は、基本情報(PD,t)と基本情報(PD,t)から生成される差分画像DIFを模式的に示す図である。ドライバ60が、眼の開閉動作を実行すると、基本的には、ドライバ60の瞼や眼球のみが動く。このため、図6に示されるように、差分画像DIFには、主として瞼や眼球など、眼についての画像のみが現れる。
そこで、CPU21は、差分画像DIFに現れる画像を検出する。そして、これらの画像を含む、最も小さい矩形状の領域A1,A2を特定する。この領域A1,A2は、例えば中心の座標と、縦と横の大きさによって規定される。
CPU21は、差分画像DIF上で領域A1,A2を特定すると、図7に示されるように、領域A1,A2に対応する画像P上の領域をドライバ60の眼が写る眼領域EA1,EA2と特定する。CPU21は、眼領域EA1,EA2を特定すると、次のステップS203へ移行する。
なお、ステップS201で、眼の開閉動作が指示されたにもかかわらず、ドライバ60が眼の開閉動作を行わなかったときには、差分画像DIF上に、領域A1,A2を特定するのに十分な画像が現れないことがある。この場合、CPU21は、眼領域EA1,EA2を特定することなく、次のステップS203へ移行する。
ステップS203では、CPU21は、眼領域EA1,EA2の特定が完了したか否かを判定する。CPU21は、眼領域EA1,EA2を特定できなかったと判定した場合には(ステップS203:No)、ステップS201へ戻る。そして、ステップS203での判定が肯定されるまで、ステップS201〜S203の処理を繰り返し実行する。
一方、CPU21は、眼領域EA1,EA2を特定できたと判定した場合には(ステップS203:Yes)、ステップS204へ移行する。
ステップS204では、CPU21は、眼領域EA1,EA2の特定が完了したことを、ドライバ60に報知する。この報知は、ドライバ60に対して、音声を出力することにより行われる。
次のステップS205では、CPU21は、ドライバ60の眼のテンプレートを作成する。CPU21は、画像Pから、図7に示される眼領域EA1,EA2に含まれる画像を抽出する。そして、図8に示されるように、抽出した画像を、眼を検出するのに用いるテンプレートET1,ET2に設定する。以降、画像Pからドライバ60の眼を検出する際には、テンプレートET1,ET2が用いられる。
次のステップS206では、CPU21は、画像Pに対して、ドライバ60の顔が写る顔領域FAを特定する。
具体的には、CPU21は、画像Pに対して、ソーベルフィルタを用いた画像処理を実行し、画像Pに含まれるエッジの検出を試みる。次に、検出したエッジの中から、ドライバ60の顔の輪郭を示すエッジを特定する。
顔の輪郭を示すエッジの特定には、先に特定した眼領域EA1,EA2の位置を考慮する。例えば、顔の輪郭と眼の位置関係は、個人間で著しく異なるものではない。したがって、ドライバ60の眼の位置がわかっていれば、画像Pからある程度正確にドライバ60の顔領域を特定することができる。
そこで、CPU21は、眼領域EA1,EA2の周囲に位置するエッジのうち、眼領域EA1,EA2を囲むにように配置されたエッジを顔の輪郭を示すエッジとして抽出する。これにより、一例として図9に示されるように、ドライバ60の顔の輪郭に一致するエッジEG1〜EG3が抽出される。
CPU21は、エッジEG1〜EG3を抽出すると、これらのエッジEG1〜EG3からドライバ60の顔の輪郭を予測して、図9に示されるように、ドライバ60の顔を含む最も小さい矩形状の領域を顔領域FAとして特定する。
次のステップS207では、CPU21は、ドライバ60の顔のテンプレートを作成する。CPU21は、画像Pから、顔領域FAに含まれる画像を抽出する。そして、図10に示されるように、抽出した画像を、ドライバ60の顔画像を検出するのに用いるテンプレートFTに設定する。以降、画像Pからドライバ60の顔画像を検出する際には、テンプレートFTが用いられる。
次のステップS208では、CPU21は、車両を運転するドライバ60の覚醒度を判定するための判定処理を実行する。この判定処理は、図11に示されるサブルーチン300を実行することにより実現する。
図11に示されるように、最初のステップS301では、CPU21は、内蔵するカウンタのカウンタ値iを零にリセットする。
次のステップS302では、CPU21は、撮影装置31から出力される最新の画像Pについての画像情報PDを取得する。
次のステップS303では、CPU21は、ステップS207で作成したテンプレートFTを用いたマッチング処理を行い、画像Pからドライバ60の顔画像を抽出する。具体的には、CPU21は、テンプレートFTを画像P上で移動させながら、相関値を算出する。そして、相関値が最大となったときに、テンプレートFTと重なる部分を、ドライバ60の顔画像FPとして抽出する。相関値が最大となる場合には、図12に示されるように、テンプレートFTは、画像Pに写るドライバ60の顔と重なる。したがって、ステップS303の処理により、画像Pからドライバ60の顔画像FPを精度よく抽出することができる。
次のステップS304では、CPU21は、ステップS205で作成したテンプレートET1,ET2を用いたマッチング処理を行うことで、顔画像FPからドライバ60の眼を特定する。具体的には、CPU21は、テンプレートET1,ET2を顔画像FP上で移動させながら、相関値を算出する。そして、相関値が最大となったときに、図13に示されるように、テンプレートET1,ET2と重なる領域DA1,DA2にドライバ60の眼が位置すると特定する。
次のステップS305では、CPU21は、顔画像FPから瞼のエッジを特定する。具体的には、CPU21は、顔画像FPに対して、例えばソーベルフィルタを用いた画像処理を実行し、画像に含まれるエッジを抽出する。次に、CPU21は、抽出したエッジの中から、ステップS304で検出した領域DA1に含まれ、横方向に長いエッジを左眼の上瞼及び下瞼のエッジとして特定する。また、CPU21は、抽出したエッジの中から、ステップS304で検出した領域DA2に含まれ、横方向に長いエッジを右眼の上瞼及び下瞼のエッジとして特定する。上述の上瞼及び下瞼のエッジを検出する手法については、種々の公知技術が知られている。
次のステップS306では、CPU21は、左右の眼の上瞼から下瞼までの距離を、ドライバ60の眼の開度として算出する。例えば、CPU21は、上瞼の重心と下瞼の重心との距離や、上瞼の中心と下瞼の中心との距離を開度として算出する。
次のステップS307では、CPU21は、ステップS306で算出した開度と比較するための閾値Thを算出する。例えば、図5を参照するとわかるように、眼の開閉動作の指示に基づいて、ドライバ60が眼の開閉動作を行った場合には、眼の開度は図14のグラフに示されるように、概ね周期的に変化する。そこで、CPU21は、図5に示される基本情報(PD,t)に基づいて、図4に示されるグラフを生成し、眼の開度の最大値を求める。そして、求めた最大値に係数(例えば0.7)を乗じた値を閾値Thとして設定する。
次のステップS308では、ステップS306で算出した開度と、ステップS307で算出した閾値Thとを比較する。そして、ドライバ60の眼の開度が閾値よりも大きい場合には(ステップS308:Yes)、CPU21は、ドライバ60は開眼しており、覚醒度が比較的高いと判定し、ステップS301へ移行する。以降、CPU21は、ステップS308での判定が否定されるまで、ステップS301〜S308の処理を繰り返し実行する。
一方、ドライバ60の眼の開度が、閾値以下である場合には(ステップS308:N0)、CPU21は、ドライバ60が閉眼しており、覚醒度が比較的低いと判定して、ステップS309へ移行する。
ステップS309では、CPU21は、カウンタ値iをインクリメントする。
次のステップS310では、CPU21は、ドライバ60の覚醒度が低下しているか否かを判定する。この判定は、ドライバ60の眼の開度が閾値Th以下になった回数(カウンタ値i)が、基準値を超えたか否かにより行う。
カウンタ値iが基準値以上でない場合は(ステップS310:No)、CPU21は、ドライバ60の覚醒度が低下していないと判定し、ステップS302へ戻る。以降ステップS302〜S310の処理を繰り返し実行する。一方、カウンタ値iが基準値以上である場合は(ステップS310:Yes)、CPU21は、ドライバ60の覚醒度が低下していると判定して、サブルーチン300を終了する。そして、ステップS209へ移行する。
ステップS209では、CPU21は、音声出力装置32に対して、警報発令指示を出力する。これにより、音声出力装置32から、ドライバ60に対して警報音が出力される。
次のステップS210では、CPU21は、制動装置33へ、停止指示を出力する。これにより、ドライバ60が運転する車両のブレーキが動作し、車両が停止する。CPU21は、ステップS210の処理を終了すると、一連の処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態では、ドライバ60が、眼の開閉動作を行ったときに取得された情報に基づいて、当該ドライバ60の顔や、眼を特定するための、テンプレートFT,ET1,ET2が設定される。このため、テンプレートFT,ET1,ET2が、ドライバ60が横を向いていたときに撮影された画像や、覚醒度が低下しているときの画像に基づいて、生成されることがなくなる。つまり、テンプレートFT,ET1,ET2を、ドライバ60が眼を通常の状態に開眼しているときの画像Pから生成することができる。したがって、ドライバ60の顔等を正確に検出することが可能となり、結果的にドライバ60の覚醒度を正確に判定することができる。
本実施形態では、ドライバ60が車両のイグニッションスイッチをオンにすると、当該車両に乗り込んだドライバ60に対して、眼の開閉動作が指示される。そして、ドライバ60が、眼の開閉動作を行ったときに取得された情報に基づいて、当該ドライバ60の顔や、眼を特定するための、テンプレートFT,ET1,ET2が設定される。
つまり、本実施形態では、ドライバ60が車両に乗り込むごとに、当該ドライバ60の顔を検出するためのテンプレートFT,ET1,ET2が生成される。このため、ドライバ60が、髪型を変えたり、眼鏡や身につける装飾品を変えたり、マスクを着用した場合などにも、運転時のドライバの髪型等に合ったテンプレートFT,ET1,ET2が生成される。このため、精度よくドライバ60の顔や、眼を特定することができる。
したがって、ドライバ60の顔や眼の検出に一般式や、予め設定された万人に共通のテンプレートを用いて、ドライバ60の顔や眼を検出し、ドライバ60の状態を判定する場合に比較して、ドライバ60の状態を精度よく判定することが可能となる。
同様に、本実施形態では、ドライバ60が車両に乗り込むごとに、眼の開閉動作を行ったときに取得された情報に基づいて、当該ドライバ60の覚醒状態を判定するための閾値Thが設定される(ステップS307)。このため、車両のドライバが変わったとしても、その都度、車両を運転するドライバごとに閾値が設定されるので、ドライバ60の覚醒度を、ドライバごとに正確に判定することができる。
以上のように、本実施形態では、覚醒度を判定するためのテンプレートや、閾値がドライバごとに設定されるので、不特定多数のドライバが運転するレンタカーや、営業車等を運転しているドライバの覚醒度を精度よく検出することができる。
本実施形態では、眼の開閉指示に基づいて、ドライバ60が眼の開閉動作を行った場合には、撮影装置31から出力される画像Pから生成される差分画像DIFに、ドライバ60の眼の部分にのみ画像が現れる。このため、眼の位置を正確に検出することができるので、ドライバ60の顔画像FPを特定するためのテンプレートFTや、顔画像FPに写る眼を特定するためのテンプレートET1,ET2を、精度よく設定することができる。したがって、画像Pに写るドライバ60の顔や眼を精度よく検出することが可能となり、結果的にドライバ60の覚醒度を正確に判定することができる。
本実施形態では、ドライバ60が開閉動作を行っているときに撮影された画像に基づいて、テンプレートFT,ET1,ET2が設定される。このため、ドライバ60の覚醒度が低下したときの画像に基づいて、種々のテンプレートが設定されることがない。したがって、ドライバ60の覚醒度の判定を精度よく行うことができる。
本実施形態では、ドライバ60の覚醒度が低下していると判定された場合に、ドライバ60が運転する車両を速やかに停止させる(ステップS210)。これにより、ドライバの覚醒度の低化に起因する交通事故を未然に防止することができる。
本実施形態では、眼の開閉動作を指示されたドライバ60が、眼の開閉動作を行ったことにより、眼領域EA1,EA2を特定できたときは、眼領域EA1,EA2の特定が完了したことが報知される(ステップS204)。これにより、ドライバ60は、状態の認識が正確に行われることが可能となったことを認識することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態によって限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、制御装置20は、ドライバ60に眼の開閉動作を指示することとした(ステップS201)。これに限らず、制御装置20は、ドライバ60に口の開閉動作を指示することとしてもよい。
ドライバ60が口の開閉動作を行った場合には、撮影装置31から出力される画像Pから生成される差分画像DIFには、ドライバ60の口の部分にのみ画像が現れる。このため、画像Pに写るドライバ60の口の位置を基準に、ドライバ60の顔画像FPを特定するためのテンプレートFTを精度よく設定することができる。したがって、画像Pに写るドライバ60の顔を精度よく検出することができ、結果的にドライバ60の覚醒度を正確に判定することができる。
上記実施形態では、差分画像DIFに現れる眼の画像を含む、最も小さい矩形状の領域A1,A2を特定した。これに限らず、ドライバ60が眼の開閉動作を行ったときに順次撮影された画像Pについてのオプティカルフローを求め、当該オプティカルフローが現れる領域を、ドライバ60の眼が写る眼領域EA1、EA2として特定することとしてもよい。
上記実施形態では、ドライバ60に対する眼の開閉動作の指示が、音声で行われることとした(ステップS201)。これに限らず、ドライバ60に対する眼の開閉動作の指示は、アラームを音を出力させることによって行ってもよい。
上記実施形態では、眼の開閉のタイミングを指示することにより、ドライバ60に眼の開閉動作を実行させることとした。これに限らず、眼の開閉タイミングの指示に代えて、眼の開閉動作の開始を指示することとしてもよい。また、ドライバ自身が、予め眼の開閉動作を行うことを把握している場合には、ドライバに開閉動作の実行を指示しなくてもよい。
上記実施形態では、眼領域EA1,EA2を特定できたときは、眼領域EA1,EA2の特定が完了したことが報知される(ステップS204)。これに対して、眼領域EA1,EA2が特定できないときは、眼領域EA1,EA2の特定に失敗したことが報知されることとしてもよい。また、眼領域EA1,EA2が特定できないときは、「ゆっくり力を抜いて開閉して下さい。」等のアナウンスを出力することとしてもよい。
上記実施形態では、図7に示される眼領域EA1,EA2が特定された後に、テンプレートET1,ET2を作成し、当該テンプレートET1,ET2を用いてドライバの眼の位置を特定した。これに限らず、差分画像DIFに現れる画像に基づいて領域A1,A2を特定した後は、領域A1,A2に対応する画像P上の領域に眼が位置するものとして、瞼のエッジの検出処理を行うこととしてもよい。この場合には、テンプレートを用いたマッチング処理が不要となる。したがって、ドライバ60の状態を判定するための処理を短時間に行うことができる。
上記実施形態では、制御装置20が所定のソフトウエアを実行するコンピュータである場合について説明した。これに限らず、制御装置20は、専用のハードウエアによっても実現することができる。例えば、図15には、基本情報取得部28と、状態判定部29を備える制御装置20が示されている。
基本情報取得部28は、図4におけるステップS201〜S207までの処理を実行する。そして、状態判定部29は、図4におけるステップS208〜S209の処理を実行する。
上記実施形態において、制御装置20の補助記憶部23に記憶されているプログラムを、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk Read-Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magneto-Optical disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、そのプログラムをコンピュータにインストールすることにより、上述の処理を実行する装置を構成することとしてもよい。
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
本発明の状態判定装置、状態判定方法及びプログラムは、車両を運転するドライバの状態の判定に適している。また、本発明の運転支援システムは、ドライバの運転の支援に適している。
10 運転支援システム
20 制御装置
21 CPU
22 主記憶部
23 補助記憶部
24 表示部
25 入力部
26 インタフェース部
27 システムバス
28 基本情報取得部
29 状態判定部
31 撮影装置
32 音声出力装置
33 制動装置
60 ドライバ
61 シート
300 サブルーチン
A1,A2,DA1,DA2 領域
DIF 差分画像
EA1,EA2 眼領域
ET1,ET2 テンプレート
EG1〜EG3 エッジ
FA 顔領域
FP 顔画像
FT テンプレート
P 画像
PD 画像情報

Claims (13)

  1. ドライバの顔の画像を撮影する撮影手段と、
    前記ドライバが所定の動作をしているときに、前記撮影手段に撮影された前記画像に基づいて、前記ドライバの顔の基本情報を予め取得する基本情報取得手段と、
    前記基本情報取得手段によって前記基本情報が取得された後に、前記撮影手段によって撮影された画像から取得した前記ドライバの顔の情報と前記基本情報とに基づいて、前記ドライバの状態を判定する判定手段と、
    を備える状態判定装置。
  2. 前記所定の動作は眼の開閉動作である請求項1に記載の状態判定装置。
  3. 前記ドライバに前記所定の動作の実行を指示する指示手段を備える請求項1又は2に記載の状態判定装置。
  4. 前記指示手段は、前記ドライバが眼を閉じるタイミングと、眼を開くタイミングを指示する請求項3に記載の状態判定装置。
  5. 前記判定手段は、
    前記基本情報から求めた前記ドライバが開眼したときの眼の開度と、前記撮影手段によって撮影された画像から求めた前記ドライバの眼の開度と、を比較することにより前記ドライバの状態を判定する請求項3又は4に記載の状態判定装置。
  6. 前記判定手段は、
    前記ドライバが開眼したときの眼の開度から閾値を設定し、
    前記撮影手段によって撮影された画像から求めた前記ドライバの眼の開度と、前記閾値とを比較することにより前記ドライバの状態を判定する請求項5に記載の状態判定装置。
  7. 前記所定の動作は口の開閉動作である請求項1又は2に記載の状態判定装置。
  8. 前記基本情報から、前記ドライバの顔のテンプレートを生成するテンプレート生成手段と、
    前記テンプレートを用いて、前記撮影手段によって撮影された前記画像に写る前記ドライバの顔を検出する顔画像検出手段と、
    を備える請求項1乃至7のいずれか一項に記載の状態判定装置。
  9. 前記基本情報を取得した場合に、前記基本情報の取得を前記ドライバに報知する報知手段を備える請求項1乃至8のいずれか一項に記載の状態判定装置。
  10. 前記ドライバの状態が運転に適していないと判定された場合に、前記ドライバに警報を発令する警報発令手段を備える請求項1乃至9のいずれか一項に記載の状態判定装置。
  11. 請求項1乃至10のいずれか一項に記載の状態判定装置と、
    前記状態判定装置によって、前記ドライバの状態が運転に適していないと判定された場合に、前記ドライバが運転する車両を自動制御する制御手段と、
    を備える運転支援システム。
  12. ドライバが所定の動作をしているときに撮影された前記ドライバの画像に基づいて、前記ドライバの顔の基本情報を予め取得する工程と、
    前記基本情報が取得された後に撮影された画像から取得した前記ドライバの顔の情報と前記基本情報とに基づいて、前記ドライバの状態を判定する工程と、
    を含む状態判定方法。
  13. コンピュータに、
    ドライバが所定の動作をしているときに撮影された前記ドライバの画像に基づいて、前記ドライバの顔の基本情報を予め取得する手順と、
    前記基本情報が取得された後に撮影された画像から取得した前記ドライバの顔の情報と前記基本情報とに基づいて、前記ドライバの状態を判定する手順と、
    を実行させるためのプログラム。
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