JPH0769165A - エアバッグ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 コンテナ１２内にガイドプレート３４，３６
を有するガイド部材２０が配置され、ガイド部材３４，
３６とコンテナ１２との間にエアバッグ１４の主要部分
が配置されている。コンテナ１２の後部にインフレータ
１８が設けられ、前面の開口がリッド１６で覆われてい
る。 【効果】 インフレータ１８が作動すると、ガイドプレ
ート３４，３６間のエアバッグがリッド１６の回動自由
端側に向って押圧され、リッド１６に大きな開放方向の
モーメントが加えられる。インフレータ１８のガス圧を
小さくしても、リッド１６を十分に素早く開放させるこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は車両に設けられるエアバ
ッグ装置に関する。詳しくは、車両衝突時に展開して助
手席あるいは後席の乗員の保護を行なうのに好適なエア
バッグ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】助手席用あるいは後席用のエアバッグ装
置においては、コンテナにエアバッグとインフレータが
取り付けられ、さらにエアバッグを被うようにリッドが
取り付けられている。車両衝突時には、インフレータが
作動してエアバッグが展開する。この展開するエアバッ
グに押されてリッドが室内側に開き出し、エアバッグが
室内に向って大きく展開し、乗員の保護がなされる。

【０００３】このコンテナは、前面が略長方形状となっ
ている。リッドの一側辺がコンテナに対し回動可能に連
結され、リッドの他側辺がコンテナに対し離反可能に連
結されている。インフレータが作動されると、この他側
辺（自由端側）が前方に向かって移動し、リッドはドア
の如く開放する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、インフレー
タの発生ガス圧を低くしてもリッドが十分に急速に開放
するエアバッグ装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、インフレータ
からのガスを、リッドの基端側（第１の側部）側よりも
自由端（第２の側部）側へ向けて多量に流すためのガイ
ド部材を設けたものである。

【０００６】このガイド部材としては、１対のガイドプ
レートが好適であり、このガイドプレート間にエアバッ
グの一部を配置するのが好適である。

【０００７】

【作用】本発明のエアバッグ装置において、インフレー
タが作動すると、ガスがガイド部材に案内されて、リッ
ドの回動基端側（第１の側部側）よりも自由端（第２の
側部）側へ多くのガスが供給される。そのため、リッド
に与えられる開放方向のモーメントが大きくなり、低い
ガス圧でも十分に素早くリッドが開放するようになる。

【０００８】ガイド部材を１対のプレートで構成するこ
とにより、ガスを確実にリッドの自由端側へ供給でき
る。また、折り畳まれてこれらプレート間に配置されて
いたエアバッグは、ガスに押されてリッドを開放方向に
押すが、エアバッグ全体のうちの一部のエアバッグだけ
がガスで移動されるため、エアバッグを移動させるのに
費やされるガスエネルギーが小さくなる。従って、イン
フレータのガス圧を低くしても、リッドに対し十分に大
きな押圧力を加えることができる。

【０００９】

【実施例】以下、図面を参照して実施例について説明す
る。第１図は本発明の実施例に係る助手席用エアバッグ
装置の縦断面図、第２図は第１図のII−II線に沿う断面
図、第３図はコンテナ及びガイドプレートを示す斜視図
である。

【００１０】この助手席用エアバッグ装置１０は、前面
が開放した容器状のコンテナ１２と、このコンテナ１２
内に収納されたエアバッグ１４と、コンテナ１２の前面
を覆っているリッド１６と、コンテナ１２内の後部に配
置されたインフレータ１８と、インフレータ１８からの
ガスをコンテナ１２の前面に向けて案内するためのガイ
ド部材２０とから主として構成されている。

【００１１】このコンテナ１２は、その前面の開口が略
長方形状のものであり、リッド１６もこれに見合って略
長方形状となっている。リッド１６の一方の長側辺に沿
って取付片２２がリッド後方に延設されており、この取
付片２２がリベット２４によってコンテナ１２に固定さ
れている。なお、この取付片２２は可撓性を有してい
る。

【００１２】リッド１６の下方の長側辺は、連結片２６
を介してコンテナ１２に連結されている。２８は連結片
２６をリッド１６に連結するためのリベット、３０は連
結片２６をコンテナ１２に連結するためのリベットを示
している。連結片２６の途中部分には、溝よりなるティ
ア部３２が設けられている。なお、本実施例にあって
は、連結片２６及びリベット２８，３０によって第１の
連結部材が構成され、取付片２２及びリベット２４によ
って第２の連結部材が構成されている。

【００１３】前記ガイド部材２０は、コンテナ１２の長
側辺に沿って延在する一対のガイドプレート３４，３６
を有している。ガイド部材２０は、このガイドプレート
３４，３６を有した容器形状のものである。

【００１４】ガイドプレート３４，３６を連結するよう
に仕切りプレート３８が設けられており、この仕切りプ
レート３８には、インフレータ１８からのガスを通過さ
せるための開口４０が設けられている。

【００１５】このガイド部材２０の後縁２０Ｒは円弧状
に湾曲しており、コンテナ１２の湾曲した後縁１２Ｒと
重なり合っている。このガイド部材２０は、リベット４
２，４４によってコンテナ１２に固定されているのであ
るが、ガイド部材２０とコンテナ１２との間には、エア
バッグ１４の後縁１４Ｒが挟み込まれている。そして、
リベット４２，４４はこのエアバッグ後縁１４Ｒに設け
られたリベット孔にも挿通されている。

【００１６】エアバッグ１４の多くの部分は、ガイドプ
レート３４，３６とコンテナ１２との間に折り畳まれて
配置されているが、エアバッグ１４の一部は、ガイドプ
レート３４，３６間に折り畳まれて配置されている。

【００１７】なお、第２図に示されるように、インフレ
ータ１８は、コンテナ１２及びガイド部材２０に設けら
れた挿通口４６を通ってコンテナ１２内に挿入されてい
る。インフレータ１８に設けられた突起４８が挿入口４
６と反対側の開口を通ってコンテナ１２外に突出してお
り、この突起４８にナット５０をねじ込むことによりイ
ンフレータ１８がコンテナ１２に固定されている。

【００１８】このように構成された助手席用エアバッグ
装置において、インフレータ１８が作動されると、イン
フレータ１８からのガスが開口４０を通って前方に噴出
しようとする。そして、ガイドプレート３４，３６の間
のエアバッグを押圧し、このエアバッグと共にリッド１
６をも前方に付勢する。そうすると、ティア部３２に沿
って連結片２６が断裂し、リッド１６が矢印１００の如
く開放する。この際、第１図において、リッド１６の下
端側が自由端となり、上端側（取付片２２付近）が回動
基端側となる。

【００１９】ところで、ガイドプレート３４は、その先
端側がこのリッド１６の回動自由端側に向って延在して
いる。従って、インフレータ１８からのガスは、リッド
１６の回動基端側（第１図の上側）に比べ自由端側（第
１図の下側）に向ってより多く供給されるようになり、
リッド１６の回動自由端側に大きな開放方向の押圧力が
作用することになる。従って、リッド１６に加えられる
開放方向のモーメントが大きくなり、インフレータ１８
の発生ガス圧が小さくてもリッド１６を十分に素早く開
放させることが可能となる。

【００２０】さらに、本実施例にあっては、ガイドプレ
ート３４，３６の間に少量のエアバッグが配置されてい
るため、リッド１６が開放しようとするときに、インフ
レータ１８のガスによって前方に移動されるエアバッグ
の量が少ない。従って、インフレータ１８の発生ガス圧
が小さくても、リッド１６を十分に押圧することができ
る。

【００２１】上記実施例においては、ガイドプレート３
６をコンテナ１２の前面近くまで延在させているが、本
発明においては、第４図に示す如く、このガイドプレー
ト３６をガイドプレート３４よりもかなり後方に後退さ
せても良い。なお、第４図のその他の構成は第１図と同
一であり、同一符号は同一部分を示している。

【００２２】上記実施例では連結片２６はリッド１６と
別体となっているが、この連結片２６をリッド１６と一
体に設けても良い。また、取付片２２をリッド１６と別
体に設けても良い。

【００２３】上記実施例は助手席用エアバッグ装置に関
するものであるが、本発明は後席用エアバッグ装置にも
適用できる。

【００２４】

【発明の効果】以上の通り、本発明のエアバッグ装置に
よると、インフレータの発生ガス圧を小さくしても、リ
ッドを十分に素早く開放させることができる。従って、
インフレータのコストダウンを図ることができる。ま
た、インフレータの発生ガス圧を小さくすることによ
り、エアバッグをソフトに展開させることが可能とな
る。さらに、エアバッグをコンテナに取り付ける取付強
度を小さくすることも可能となる。

【００２５】なお、請求項２のエアバッグ装置による
と、インフレータからの発生ガスを確実にリッドの回動
自由端側に導くことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例に係る助手席用エアバッグ装置の縦断面
図である。

【図２】図１のII−II線に沿う断面図である。

【図３】実施例に係る助手席用エアバッグ装置のコンテ
ナ及びガイド部材を示す斜視図である。

【図４】別の実施例に係る助手席用エアバッグ装置の縦
断面図である。

【符号の説明】

１０ 助手席用エアバッグ装置 １２ コンテナ １４ エアバッグ １６ リッド １８ インフレータ ２０ ガイド部材 ３４，３６ ガイドプレート

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 前面が開放した容器状のコンテナと、 折り畳まれて該コンテナ内に収納されたエアバッグと、 該コンテナの前面を覆っているリッドと、 該コンテナ内の後部に配置されており、前記エアバッグ
   展開用のガスを発生するインフレータと、 展開するエアバッグによって該リッドが後方から押圧さ
   れたときに該リッドの第１の側部と該コンテナとの連結
   を解除するように該リッドの該第１の側部とコンテナと
   を連結している第１の連結部材と、 該リッドの他方の第２の側部と該コンテナとを連結して
   おり、該第１の連結部材の連結が解除されたときに該リ
   ッドが開放しうるように該リッドを該コンテナに回動可
   能に連結している第２の連結部材と、を備えてなるエア
   バッグ装置において、 前記コンテナに、前記インフレータの発生ガスを該コン
   テナの前部に導くガスガイド部材を設けてなり、且つ該
   ガスガイド部材は、前記第１の側部側よりも第２の側部
   側の方に多量にガスを導くものであることを特徴とする
   エアバッグ装置。
2. 【請求項２】 請求項１において、前記コンテナは、前
   記前面が略長方形の凾状のものであり、前記第１の側部
   は該長方形の一方の長側辺に沿う部分であり、前記第２
   の側部は該長方形の他方の長側辺に沿う部分であり、 前記ガスガイド部材は、それぞれ該長側辺と略平行方向
   に延在する第１及び第２のガイドプレートを有してお
   り、 該第１及び第２のガイドプレートの間の領域の後方に前
   記インフレータが配置されており、 折り畳まれた前記エアバッグの一部は、第１及び第２の
   ガイドプレートの間に配置されていることを特徴とする
   エアバッグ装置。