JPH0768806A - レーザー熱転写プリンタ - Google Patents

レーザー熱転写プリンタ

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Publication number
JPH0768806A
JPH0768806A JP21883293A JP21883293A JPH0768806A JP H0768806 A JPH0768806 A JP H0768806A JP 21883293 A JP21883293 A JP 21883293A JP 21883293 A JP21883293 A JP 21883293A JP H0768806 A JPH0768806 A JP H0768806A
Authority
JP
Japan
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ink
disc
disk
ink supply
transfer
Prior art date
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Pending
Application number
JP21883293A
Other languages
English (en)
Inventor
Chiharu Imazeki
千春 今関
Naoyuki Yokoyama
尚幸 横山
Yoshiyuki Tatsuta
義之 竜田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Minolta Co Ltd filed Critical Minolta Co Ltd
Priority to JP21883293A priority Critical patent/JPH0768806A/ja
Publication of JPH0768806A publication Critical patent/JPH0768806A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インクの再生を長期に渡って安定的に行うこ
とによりインク等のムダを無くすと共に高画質の画像を
長期に渡って安定的に形成し得るレーザー熱転写プリン
タを提供すること。 【構成】 昇華性染料を含むインクに対してレーザー光
Lを照射し、昇華性染料を受像体11に転写するレーザ
ー熱転写プリンタであり、保水性を有しかつ光熱変換機
能を有するインク供給ディスク15と、このディスク1
5を回転自在に収容すると共に、レーザー光Lを入射さ
せる入射窓23と、昇華した染料を受像体11に向けて
送り出す転写窓24とが形成されたインク供給カセット
16と、このカセット16に形成されたインク供給孔2
5を介してインクをディスク15に供給するインク供給
手段18と、ディスク15に設けた駆動伝達溝29に接
続されて当該ディスク15を回転駆動するモータMとを
有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱昇華性染料を含むイ
ンクに対してレーザー光を照射し、前記熱昇華性染料を
記録媒体に転写するレーザー熱転写プリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】現在一般的に用いられている熱転写プロ
セスでは、PETなどの樹脂材料からなる薄いフィルム
基材の表面に熱溶融性インクまたは昇華性染料を含んだ
熱昇華性インクを塗布したインクフィルムが使用されて
おり、フィルム基材の裏面をサーマルヘッドにより加熱
して染料を記録媒体に転写する方式が採られている。
【0003】また、記録速度の高速化を図るために、サ
ーマルヘッドによる加熱に代えて、インクフィルムにレ
ーザー光を照射し、インク層のインクを記録媒体に熱転
写するようにしたプリンタも開発されている(特開昭5
9−55,766号公報、特開平2−175,291号
公報参照)。
【0004】更に、インクフィルムのフィルム基材に液
体状のインクを繰り返し塗布して、インク層の再生を図
るようにしたプリンタも開発されている(特開昭63−
39,356号公報、実開昭53−35,038号公報
参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した方式の熱転写
プロセスでは、使用していないインクがインクフィルム
上に多量に残っている場合であっても、このインクフィ
ルムを破棄しなければならず、インク自体の消費に無駄
が多く、消耗品コストの増加の一要因となっていた。
【0006】ここで、上述した公報(特開昭63−3
9,356号公報、実開昭53−35,038号公報)
に示されるインク層を再生する技術では、インクが繰り
返し塗布されるフィルム基材はそれ程強固なものではな
く、インク層の再生を長期に渡って安定的に行うことが
できず、結果的に、高画質のカラー画像を長期に渡って
安定的に形成することが困難であった。
【0007】また、インクを使用した後はフィルム基材
の素材として用いられたPETなどの樹脂材料も全く無
駄となり、環境問題を考慮する必要もある。
【0008】さらに、プリントした画像の逆像がインク
フィルムに残るため、秘密保持の観点からも好ましくな
い。
【0009】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであり、昇華性染料を含むインクに対してレー
ザー光を照射し、前記昇華性染料を記録媒体に転写する
レーザー熱転写プリンタであって、インクの再生を長期
に渡って安定的に行うことによりインク等のムダを無く
すと共に高画質の画像を長期に渡って安定的に形成し得
るレーザー熱転写プリンタを提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、昇華性染料を含むインクに対してレーザー
光を照射し、前記昇華性染料を記録媒体に転写するレー
ザー熱転写プリンタであって、保水性を有しかつレーザ
ー光を吸収して発熱する光熱変換機能を有するインク保
持部材と、このインク保持部材を回転自在に収容すると
共に、レーザー光を入射させる入射窓と、レーザー光の
照射により昇華した前記染料を前記記録媒体に向けて送
り出す転写窓とが形成されたケース体と、前記ケース体
に形成されたインク供給孔を介して前記インクを前記イ
ンク保持部材に供給するインク供給手段と、前記インク
保持部材に設けた駆動伝達部に接続されて当該インク保
持部材を回転駆動する駆動手段と、を有してなるレーザ
ー熱転写プリンタである。
【0011】
【作用】ケース体内に収容されたインク保持部材に入射
窓を介してレーザー光を照射すると、インク保持部材が
有する光熱変換機能により昇華性染料が昇華し、昇華し
た染料は転写窓を介して記録媒体に向けて送り出され、
当該記録媒体に転写されて画像が形成される。インク供
給手段により、ケース体のインク供給孔を介してインク
保持部材にインクを供給すると、昇華に伴って減少した
インクが補充されて、インク保持部材が再生される。ま
た、インク保持部材は駆動伝達部を介して駆動手段によ
り回転駆動されるため、レーザー光が照射される位置に
常に十分なインクを供給でき、インク供給手段から供給
されたインクをインク保持部材に均一に補給することが
できる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。図1は、本発明の一実施例に係るレーザ
ー熱転写プリンタの要部を示す概略構成図、図2は、図
1に示されるインク供給カセットを示す断面図、図3
(A)、(B)は、インク供給カセットの上面図および
下面図である。
【0013】先ず、本実施例に係るレーザー熱転写プリ
ンタの全体構成を、図1に基づいて概説する。
【0014】レーザー熱転写プリンタ10は、昇華型の
熱転写プリンタであって、熱昇華性インクに対してレー
ザー光Lを照射し、昇華性染料を記録媒体としての受像
体11などに転写するものである。熱昇華性インクは、
昇華性染料を含んだ液体、または、昇華性染料を含浸さ
せた微粉末を分散させた液体である。このプリンタ10
には、支持軸12に支持された回転自在なドラム13
と、このドラム13に巻き付けられた受像体11に対し
て画像を形成する画像形成手段14とが設けられてい
る。画像形成手段14は、インクフィルムを使用してお
らず、熱昇華性インクを保持したインク供給ディスク1
5(インク保持部材に相当する)と、このインク供給デ
ィスク15を回転自在に収容するインク供給カセット1
6(ケース体に相当する)と、インク供給ディスク15
の所定位置にレーザー光Lを照射するレーザー光照射手
段17と、作像過程で昇華したインクをインク供給ディ
スク15に随時補給するインク供給手段18と、インク
供給ディスク15を回転駆動する駆動手段とを有する。
インク供給カセット16は、受像体11が巻き付けられ
ているドラム13に対向する位置に配置され、インク供
給手段18とともにキャリッジ19内に格納されてい
る。このキャリッジ19は、支持軸12と平行に配置さ
れたガイド軸(図示せず)に沿って移動自在に設けられ
ている。また、インク供給ディスク15を回転駆動する
ためのモータM(駆動手段に相当する)もキャリッジ1
9内に設けられている。なお、以下の説明では、インク
供給ディスク15を単にディスク15と、インク供給カ
セット16を単にカセット16とも言う。
【0015】次ぎに、各構成要素について更に詳述す
る。
【0016】受像体11は、図示しない給紙カセット等
に積層状態で収容されており、この受像体11は、給紙
ローラにより給紙され、搬送ローラにより搬送されてド
ラム13に巻き付けられる。
【0017】インク供給ディスク15は、図2に示すよ
うに、薄いディスク形状を有し、不織布などの保水性の
高いシート状の物質に、光熱変換を目的としたカーボン
などの微粉末を均一にまた飛散しないように分散させて
形成されている。ディスク15の素材は不織布に限定さ
れるものではなく、保水性を有するものであれば他の素
材でも良く、例えば炭素繊維の布を用いることができ
る。また、ディスク15にレーザー光Lを吸収して発熱
する光熱変換機能を持たせる光熱変換物質は、カーボン
の微粉末に限定されるものでもない。ディスク15は、
通常、熱昇華性インクによって湿った状態になってお
り、その外周近傍部分がレーザー光Lの照射されるイン
ク転写部20となっている。インク転写部20に対して
レーザー光Lが照射されると、ディスク15に分散され
ているカーボンなどの光熱変換物質がレーザー光Lを吸
収して熱を発生し、この熱が熱昇華性インクに伝わり、
このインクに含まれる昇華性染料が熱エネルギによって
昇華する。昇華した昇華性染料は、受像体11の受像層
21(図4参照)でトラップされ、結果的に受像体11
に定着(染着)して画像となる。
【0018】インク供給カセット16は、プリンタ10
に対して着脱自在に取り付けることができ、図2および
図3(A)(B)に示すように、回転自在に支持したデ
ィスク15に外部から手などが触れないように当該ディ
スク15を被うカバーとして機能するものである。図2
に示すように、カセット16の下面には、インク転写部
20に対してレーザー光Lを入射させる入射窓23が開
口され、上面には、レーザー光Lの照射により昇華した
昇華性染料を受像体11に向けて送り出す転写窓24が
開口されている。この転写窓24は、下面の入射窓23
に対して対称な位置に形成されている。また、各窓2
3、24の開口面積は、ともにほぼ等しく形成されてい
る。さらに、カセット16の上面には、後述するインク
供給手段18から送られる熱昇華性インクをディスク1
5に供給するインク供給孔25が形成されている。
【0019】また、カセット16には、入射窓23およ
び転写窓24を開閉するシャッタ26が設けられてい
る。このシャッタ26は、図2に示すように、入射窓2
3および転写窓24を被う断面コの字形状を有してお
り、図3において図中上下方向にスライド移動自在に取
り付けられている。図3(A)(B)に示すように、シ
ャッタ26の上面および下面には、転写窓24に連通し
得る上孔27、入射窓23に連通し得る下孔28がそれ
ぞれ形成されている。上孔27は、下孔28に対して対
称な位置に形成されている。また、各孔27、28の開
口面積は、ともにほぼ等しく、前記各窓23、24の開
口面積よりも若干大きく設定されている。シャッタ26
とカセット16との間には図示しないばねが取り付けら
れており、当該カセット16がプリンタ10に装着され
ていない場合には、シャッタ26は、入射窓23および
転写窓24を閉じる位置にばね力により移動される。こ
の閉位置では、シャッタ26の下孔28が入射窓23の
位置からずれ、上孔27が転写窓24の位置からずれて
いるため、インク転写部20はシャッタ26により被わ
れ外部に露出していない。一方、カセット16をプリン
タ10に装着する場合、シャッタ26は、カセット16
がキャリッジ19内に挿入されるのに伴って、ばね力に
抗してスライド移動する。そして、カセット16がキャ
リッジ19内の所定位置まで挿入されると、シャッタ2
6は、入射窓23および転写窓24を開く位置に移動さ
れる。この開位置では、シャッタ26の下孔28が入射
窓23の位置に一致し、上孔27が転写窓24の位置に
一致しているため、インク転写部20が外部に露出され
る。なお、図示省略するが、カセット16のキャリッジ
19内への挿入に伴ってシャッタ26をスライド移動さ
せるために、シャッタ26の一部に当接する突起がキャ
リッジ19に設けられている。
【0020】図2に示すように、インク供給ディスク1
5の図中下面側の中心部には、外部からの回転力が伝達
され当該ディスク15を回転駆動する駆動伝達溝29
(駆動伝達部に相当する)が設けられている。この駆動
伝達溝29は、カセット16の下面に形成した中心孔3
0から外部に露出するように設けられ、キャッリジ19
に設けたモータMの出力軸が直接あるいは歯車列などの
伝達機構を介して接続される。カセット16がキャリッ
ジ19内の所定位置まで挿入されると、駆動伝達溝29
とモータMとが接続されるようになっている。
【0021】上述したインク供給ディスク15、インク
供給カセット16、シャッタ26および駆動伝達溝29
により形成される構造は、磁気記録媒体として使用され
る3.5 インチ・フロッピー・ディスクと同様の構造を有
している。
【0022】インク供給手段18は、図1に示すよう
に、熱昇華性インクiを溜めたインクタンク31と、こ
のインクタンク31に接続されたノズル32とを有す
る。インクタンク31は、カセット16よりも上方の位
置でキャリッジ19に取り付けられ、また、ノズル32
の先端は、カセット16上面のインク供給孔25まで延
伸している。インクタンク31内の熱昇華性インクi
は、ノズル32およびインク供給孔25を通って、ディ
スク15に液体として供給される。
【0023】レーザー光照射手段17は、半導体レーザ
ーであるレーザーダイオード33を有し、このレーザー
ダイオード33から発振されたレーザー光Lは、光学系
34を通って整形された後、入射窓23を通ってカセッ
ト16内部のディスク15に対して照射される。これに
より、昇華性染料が励起されて受像体11の受像層21
に染着される。1ライン印字動作(副走査動作)は、図
1の紙面に対して垂直な方向へディスク15を移動させ
ながら、レーザー光Lを照射することにより行われる。
このとき、レーザー光Lは、ディスク15の移動と同調
して移動する。レーザー光Lの移動は、当該レーザー光
Lだけをミラーなどを用いて移動させてもよく、また、
ディスク15を移動する手段であるキャリッジ19にレ
ーザーダイオード33を一体的に取り付けることでもよ
い。主走査動作は、ドラム13を1ライン分回転させる
ことにより行われる。なお、レーザー光Lのスポット径
は、昇華性染料がエアーギャップを通って受像体11の
受像層21に到達する過程で放射状に広がることを考慮
して、最終的に所望するドット径よりも3割程小さくな
るように設定する。例えば、解像度300DPI、ドッ
ト径φ84μmにするときには、スポット径は約φ59
μmとなる。
【0024】次に、本実施例の作用を説明する。
【0025】インク供給カセット16をキャリッジ19
内の所定位置まで挿入すると、当該カセット16はプリ
ンタ10に装着され、シャッタ26はばね力に抗してス
ライド移動し、入射窓23および転写窓24を開く位置
に移動する。この開位置においては、インク供給ディス
ク15のインク転写部20は、プリンタ内部で露出され
た状態となる。
【0026】ドラム13に巻き付けられた受像体11に
1ライン分の画像を形成するために、まず、キャリッジ
19が初期位置に向けて移動され、ディスク15が印字
開始位置まで移動される。副走査動作がなされると、キ
ャリッジ19が印字方向への移動を開始し、レーザーダ
イオード33から画像信号に応じたレーザー光Lが発振
される。発振されたレーザー光Lは、キャリッジ19の
印字方向への移動つまりディスク15の移動と同調して
移動する。光学系34を通って整形された後のレーザー
光Lは、図4に示すように、カセット16の入射窓23
を通って当該カセット16内に入射し、インク転写部2
0の図中下面に対して垂直にあたる。照射されたレーザ
ー光Lがディスク15に分散されているカーボン微粉末
などの光熱変換物質に吸収されると、該カーボン微粉末
は熱を発生し、この熱によって熱昇華性インクに含まれ
る昇華性染料が昇華する。昇華した昇華性染料は、エア
ーギャップを通って受像体11の受像層21でトラップ
される。これにより、受像体11が染着され、1ライン
分の画像が形成される。図4の符号「22」は受像体1
1の基材を示している。
【0027】画像を形成している間、ディスク15は、
モータMの回転力が駆動伝達溝29を介して伝達され、
1ドット印字する毎に微小に回転駆動されている。これ
により、印字するドットに対しては常に十分な量の熱昇
華性インクが供給されることになり、高画質の画像を得
ることができる。
【0028】1ライン分の画像が形成されて副走査動作
が終了すると、主走査動作がなされ、ドラム13は1ラ
イン分だけ回転され、併せて、キャリッジ19が初期位
置に向けて移動されてディスク15は印字開始位置に復
帰する。
【0029】上記の副走査動作および主走査動作をライ
ン数分だけ繰り返すことにより、1画面分の印字が完了
する。
【0030】本実施例のプリンタ10では、レーザー光
Lの照射時間あるいはレーザー光Lそのもののパワーを
変化させることによって、光熱変換物質から発生する熱
量が変化するので、昇華性染料の昇華量も変化する。こ
の原理を用い、レーザー光Lの照射時間またはレーザー
パワーを制御することによって、ドット毎に濃度を制御
することが可能な階調性に優れたプリンタ方式となる。
【0031】上述の作像工程においては昇華に伴ってイ
ンク転写部20の熱昇華性インクが減少することになる
が、インクを補給する必要が生じた場合には、インク供
給手段18からディスク15にインクが供給され、ディ
スク15が繰り返し再生される。つまり、インクタンク
31内の熱昇華性インクiが、ノズル32およびインク
供給孔25を通って、ディスク15に液体として供給さ
れる。熱昇華性インクを供給する際には、ディスク15
を回転させながらインクを供給すると、供給されたイン
クが当該ディスク15に均一に補給され、また、遠心力
によってインク転写部20まで供給されることになるた
め好ましい。無論、ディスク15を停止してインクを供
給しておき、供給終了後にディスク15を回転駆動する
ようにしても、供給されたインクを遠心力によりディス
ク15に均一に補給することができる。
【0032】また、ディスク15にインクを補給する必
要性の有無については、ディスク15の表面濃度あるい
は濡れ具合などを、カセット16に設けた穴(図示せ
ず)を通してセンサにより検知し、該センサからの出力
信号に基づいて判断するようにすれば良い。無論、プリ
ンタ10を使用しているときに、インクを常時適量ずつ
補給するようにしても良い。
【0033】本実施例のように、インクを搬送する媒体
としてインク供給ディスク15を使用した熱転写プリン
タ10の特徴は、インクフィルムを使用せず、さらにイ
ンク供給手段18によってディスク15のインク転写部
20を再生するようにしたため、インクの使用に無駄が
なくなって消耗品コストの低減に寄与でき、インクを使
用していない部分が残ったインクフィルムでも破棄しな
ければならなかった従来の熱転写プリンタの欠点が改善
される点にある。また、インクフィルムに用いられてい
たPETなどの樹脂材料を使用していないため、廃棄上
の環境問題も改善される。さらに、形成した画像の逆像
が残ることもなく、秘密保持の観点からも優れたものと
なる。しかも、フィルム基材に比べると強固であるイン
ク供給ディスク15上にインク層を再生するようにした
ため、フィルム基材にインク層を再生する場合に比べる
と、インク層の再生を長期に渡って安定的に行うことが
可能であり、結果的に、高画質の画像を長期に渡って安
定的に形成することが可能となる。また、ディスク15
がカセット16内に収容されているため、コンパクトな
カセットのような形態にでき、取り扱いが容易で、使い
勝手が格段に向上する。また、ディスク15を回転自在
にしたため、レーザー光Lが照射されるインク転写部2
0へのインクの供給も容易になる。
【0034】図5は、本発明の他の実施例に係るインク
供給ディスクを収容したインク供給カセットを示す断面
図である。
【0035】前述した実施例のインク供給ディスク15
にあっては、インクを貯蔵する機能や光熱変換機能など
各機能ごとに分離された構造ではないが、図5に示すイ
ンク供給ディスク15aは、必要な機能をそれぞれ発揮
する層構造に分離された構造を有している。つまり、こ
のディスク15aは、基材40、光熱変換層41および
インク転写層42の3層構造を有している。
【0036】基材40は、非赤外吸収材料であるガラス
より形成され、このガラスの材料としては、使用する半
導体レーザーの波長において吸収の少ない石英あるいは
フッ化カルシウム等が用いられる。基材40の図中下端
面のうち外周部分はレーザー光Lが入射する入射面とな
るため、鏡面加工された上に無反射コートが施され、表
面粗さによる散乱や反射による損失が最小限に抑えられ
ている。また、上端面もレーザー光Lの散乱を防止する
必要があるため、鏡面加工が施されている。
【0037】基材40の上端面には、光熱変換層41と
インク転写層42が順次積層されている。光熱変換層4
1は、リング形状を有し、基材40の下端面に垂直に入
射したレーザー光Lを吸収して発熱するカーボンなどの
光熱変換物質をコーティングして形成されている。カー
ボンは、レーザー光Lを80%以上吸収できる厚みをも
って、基材40に焼き付けられている。カーボンを焼き
付けるのは、カーボンがインクと共に飛散してしまうと
転写画像の画質が劣化するからである。また、基材40
は、光熱変換層41で発生した熱が放熱されることを防
止する断熱層の機能をも発揮する。なお、基材40と光
熱変換層41との間に断熱層を設け、光熱変換層41で
発生した熱の放熱をさらに防止するようにしても良い。
【0038】インク転写層42は、リング形状を有し、
熱昇華性インクをある程度の量保持することができ、ま
た厚さが均一であることが高画質の画像を得るために必
要な条件である。そのため、保水性のある細かい繊維を
メッシュに形成したものが好ましい。
【0039】また、基材40の上端面には、熱昇華性イ
ンクを貯蔵するためのインク貯蔵層43が、光熱変換層
41およびインク転写層42の内周側に位置させて設け
られている。このインク貯蔵層43の素材としては、保
水性の高い材料である例えば不織布を使用するが、これ
に限定されるものではなく、保水性を有するものであれ
ば他の素材でも良く、例えば炭素繊維の布を用いること
ができる。
【0040】ディスク15aを除く他の構成要素、つま
りカセット16、シャッタ26、駆動伝達溝29は、図
2に示した実施例のものと同様である。但し、カセット
16に開口するインク供給孔25は、インク転写部20
よりもディスク15aの回転中心側に配置する必要があ
る。
【0041】この実施例におけるディスク15aでは、
当該ディスク15aの強度を高める機能を基材40に、
光熱変換機能を光熱変換層41に、昇華性染料を転写す
る機能をインク転写層42に、インクを蓄える機能をイ
ンク貯蔵層43に、それぞれ分離して持たせてあるた
め、インク供給ディスク15aの性能が向上する。
【0042】この実施例におけるディスク15aにイン
ク供給手段18から熱昇華性インクを供給する際には、
ディスク15aを回転させながらインク供給孔25から
インクを流し込み、さらにディスク15aを高速回転さ
せる。このように遠心力を利用することにより、インク
貯蔵層43からインク転写層42まで、速やかにかつ均
一にインクを供給することが可能となる。無論、ディス
ク15aを停止してインクを供給しておき、供給終了後
にディスク15aを高速回転するようにしても、供給さ
れたインクを遠心力によりインク転写層42に速やかに
かつ均一に補給することができる。また、インク貯蔵層
43に十分な量のインクが貯蔵され、インク供給手段1
8からインクを供給する必要がない場合には、待機時に
ディスク15aを高速回転させるだけで、インク貯蔵層
43に蓄えられているインクを遠心力によりインク転写
層42まで速やかにかつ均一に補給することができる。
【0043】図6および図7は、本発明のさらに他の実
施例に係るインク供給ディスクを示す上面図、およびこ
のインク供給ディスクを収容したインク供給カセットを
示す上面図である。
【0044】前述した2つ実施例におけるインク供給デ
ィスク15、15aは、いずれも1色の印字を行うため
のものであるが、図6および図7に示すインク供給ディ
スク15bは、多色印字用のものであり、これを使用す
ることにより、カラー画像を形成することが可能とな
る。
【0045】このディスク15bは、図5に示したディ
スク15aの各層のうち少なくともインク貯蔵層46お
よびインク転写層47を円周方向に等分割し、分割され
たそれぞれのインク貯蔵層46およびインク転写層47
に色の異なるインクを供給するようになっている。図6
に示すディスク15bにあっては、インク貯蔵層46お
よびインク転写層47が分離帯48を隔てて円周方向に
4分割されており、各領域を、それぞれイエロ(Y)、
マゼンタ(M)、シアン(C)および黒(Bk)のイン
ク用としてある。
【0046】一方、図7に示すように、カセット16の
上面には、イエロ用、マゼンタ用、シアン用および黒用
の4個のインク供給孔25が同心円上でインク貯蔵層4
6に臨む位置に設けられている。図示省略するが、4色
分のインク供給手段18がキャリッジ19に設けられて
いる。また、インクタンク31に接続されたノズル32
先端は各色用のインク供給孔25まで延伸しており、そ
れぞれのインク供給孔25にインクが供給されるように
なっている。
【0047】このようなディスク15bを用いてカラー
画像を形成するには、先ず、ディスク15bを回転し
て、イエロ用のインク転写層47をカセット16の入
射窓23および転写窓24に臨ませる。次いで、副走査
動作が行われ、イエロ用のインク転写層47にレーザ
ー光Lが照射され、昇華したイエロ用の昇華性染料は、
受像体11の受像層21にトラップされ、これにより受
像体11が染着されて1ライン分のイエロ画像が形成さ
れる。なお、副走査動作の際には、上述したのと同様
に、ディスク15bは1ドット印字する毎に微小に回転
駆動されるが、1ライン分のイエロ画像の印字が終了す
るまで、他の色用のインク転写層47は入射窓23およ
び転写窓24に臨まないようになっている。
【0048】1ライン分のイエロ画像の印字が終了する
と、同じライン上にマゼンタ色を重ね合わせるために、
ディスク15bをさらに回転して、マゼンタ用のインク
転写層47を入射窓23および転写窓24に臨ませ
る。次いで、副走査動作が行われ、昇華したマゼンタ用
の昇華性染料は、受像体11の受像層21にトラップさ
れ、イエロ画像のライン上にマゼンタ色が重ね合わされ
る。
【0049】同じライン上に対するシアン色および黒色
の重ね合わせも同様に行われて、1ライン分のフルカラ
ー画像の印字が完了する。
【0050】1ライン分のフルカラー画像が形成されて
副走査動作が終了すると、主走査動作がなされ、ドラム
13は1ライン分だけ回転され、併せて、キャリッジ1
9が初期位置に向けて移動されてディスク15bは印字
開始位置に復帰する。
【0051】上記の副走査動作および主走査動作をライ
ン数分だけ繰り返すことにより、1画面分のカラー印字
が完了する。
【0052】なお、ディスク15bは、その光熱変換層
41も各色用に分割して構成しても良く、また、図2に
示したような保水性が高い物質に光熱変換物質を分散さ
せて形成したシート材を分離帯48を隔てて基材40の
上面に取り付けて構成しても良い。
【0053】図8および図9は、本発明のさらに他の実
施例に係るインク供給ディスクを示す上面図、およびこ
のインク供給ディスクを収容したインク供給カセットを
示す上面図である。この実施例のインク供給ディスク1
5cは、前述したものと同様に多色印字用のものであ
り、カラー画像の形成を可能とするものである。
【0054】ディスク15cを構成するインク貯蔵転写
層50を同心円状に等分割し、分割されたそれぞれのイ
ンク貯蔵転写層50に色の異なるインクを供給するよう
になっている。図8に示すディスク15cにあっては、
インク貯蔵転写層50が分離帯51を隔てて同心円状に
4分割されており、各領域を、それぞれイエロ(Y)、
マゼンタ(M)、シアン(C)および黒(Bk)のイン
ク用としてある。インク貯蔵転写層50は、例えば保水
性が高い物質に光熱変換物質を分散させて形成されてい
る。
【0055】一方、図9に示すように、カセット16の
上面には、イエロ用、マゼンタ用、シアン用および黒用
の4個のインク供給孔25が直線上でインク貯蔵転写層
50に臨む位置に設けられている。図示省略するが、4
色分のインク供給手段18がキャリッジ19に設けられ
ている。また、インクタンク31に接続されたノズル3
2先端は各色用のインク供給孔25まで延伸しており、
それぞれのインク供給孔25にインクが供給されるよう
になっている。このインク供給カセット16はインク貯
蔵転写層50が同心円状に配置されたディスク15cを
収容するものであるため、入射窓23および転写窓24
は、上述した実施例のものに比べて大きな開口面積を有
しており、また、シャッタ26の大きさや形状は入射窓
23および転写窓24に合わせて変更されている。
【0056】このようなディスク15cを用いてカラー
画像を形成するには、キャリッジ19を調節移動して、
最外周に位置するイエロ用のインク貯蔵転写層50
を、レーザー光Lが照射される位置に移動させる。そ
の後に副走査動作が行われて1ライン分のイエロ画像が
形成される。1ライン分のイエロ画像の印字が終了する
と、同じライン上にマゼンタ色を重ね合わせるために、
まず、キャリッジ19を調節移動してマゼンタ用のイン
ク貯蔵転写層50をレーザー光Lが照射される位置に
調節移動し、その後に副走査動作が行われてイエロ画像
のライン上にマゼンタ色が重ね合わされる。
【0057】同じライン上に対するシアン色および黒色
の重ね合わせも同様に行われて、1ライン分のフルカラ
ー画像の印字が完了する。
【0058】1ライン分のフルカラー画像が形成されて
副走査動作が終了すると、主走査動作がなされ、ドラム
13は1ライン分だけ回転され、併せて、キャリッジ1
9が初期位置に向けて移動されてディスク15cは印字
開始位置に復帰する。
【0059】上記の副走査動作および主走査動作をライ
ン数分だけ繰り返すことにより、1画面分のカラー印字
が完了する。
【0060】なお、上述した実施例ではいずれもディス
ク15、15a、15b、15cを水平方向に配置した
場合を図示したが、垂直方向に配置しても何等支障なく
画像を形成することができる。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のレーザー
熱転写プリンタによれば、インクシートを使用しておら
ず、さらにインク供給手段によってインクを供給してイ
ンク保持部材を再生するようにしたため、インクの使用
に無駄がなくなり、消耗品コストの低減を図ることがで
きる。また、インクを使用していない部分が残ったイン
クフィルムでも破棄しなければならなかったという従来
の熱転写プリンタの欠点が改善され、廃棄上の環境問題
も改善される。さらに、形成した画像の逆像が残ること
もなく、秘密保持の観点からも優れたものとなる。しか
も、フィルム基材に比べると強固なインク保持部材にイ
ンクを再生するようにしたため、フィルム基材にインク
を再生する場合に比べると、インクの再生を長期に渡っ
て安定的に行うことが可能であり、結果的に、高画質の
画像を長期に渡って安定的に形成することが可能とな
る。
【0062】また、インク保持部材は駆動伝達部を介し
て駆動手段により回転駆動されるため、レーザー光が照
射される位置に常に十分なインクを供給して高画質の画
像を安定的に形成することができ、インク供給手段から
供給されたインクをインク保持部材に均一に補給するこ
とも可能となる。
【0063】さらに、インク保持部材がケース体内に回
転自在に収容されてカセットの形態をなすため、取り扱
いが容易で、レーザー光が照射される転写部分へのイン
クの供給も容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係るレーザー熱転写プリ
ンタの要部を示す概略構成図である。
【図2】 図1に示されるインク供給カセットを示す断
面図である。
【図3】 図3(A)、(B)は、インク供給カセット
の上面図および下面図である。
【図4】 本実施例の作用の説明に供する要部拡大図で
ある。
【図5】 本発明の他の実施例に係るインク供給ディス
クを収容したインク供給カセットを示す断面図である。
【図6】 本発明のさらに他の実施例に係るインク供給
ディスクを示す上面図である。
【図7】 図6に示されるインク供給ディスクを収容し
たインク供給カセットを示す上面図である。
【図8】 本発明のさらに他の実施例に係るインク供給
ディスクを示す上面図である。
【図9】 図8に示されるインク供給ディスクを収容し
たインク供給カセットを示す上面図である。
【符号の説明】
11…受像体(記録媒体)、15、15a、15b、1
5c…インク供給ディスク(インク保持部材)、16…
インク供給カセット(ケース体)、 18…インク供給
手段、23…入射窓、 24
…転写窓、25…インク供給孔、
26…シャッタ、29…駆動伝達溝(駆動伝達部)、
31…インクタンク、40…基材、
41…光熱変換層、42、47…イン
ク転写層、 43、46…インク貯蔵層、
48、51…分離帯、 50…イン
ク貯蔵転写層、L…レーザー光、
M…モータ(駆動手段)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 9121−2H B41M 5/26 Q

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】昇華性染料を含むインクに対してレーザー
    光を照射し、前記昇華性染料を記録媒体に転写するレー
    ザー熱転写プリンタであって、 保水性を有しかつレーザー光を吸収して発熱する光熱変
    換機能を有するインク保持部材と、 このインク保持部材を回転自在に収容すると共に、レー
    ザー光を入射させる入射窓と、レーザー光の照射により
    昇華した前記染料を前記記録媒体に向けて送り出す転写
    窓とが形成されたケース体と、 前記ケース体に形成されたインク供給孔を介して前記イ
    ンクを前記インク保持部材に供給するインク供給手段
    と、 前記インク保持部材に設けた駆動伝達部に接続されて当
    該インク保持部材を回転駆動する駆動手段と、を有して
    なるレーザー熱転写プリンタ。
JP21883293A 1993-09-02 1993-09-02 レーザー熱転写プリンタ Pending JPH0768806A (ja)

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