JPH0768687A - 積層不織構造体 - Google Patents

積層不織構造体

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JPH0768687A
JPH0768687A JP5243623A JP24362393A JPH0768687A JP H0768687 A JPH0768687 A JP H0768687A JP 5243623 A JP5243623 A JP 5243623A JP 24362393 A JP24362393 A JP 24362393A JP H0768687 A JPH0768687 A JP H0768687A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 熱可塑性極細繊維不織布層Aの片面に熱可塑
性長繊維不織布層Bが積層され,前記不織布層Aの他面
に天然繊維不織布層Cが積層され,かつ点状融着区域を
有する積層不織構造体であって,前記点状融着区域にお
いて前記不織布層Aの極細繊維と前記不織布層Bの長繊
維とが融解部を形成した状態で,かつ前記不織布層Aと
前記不織布層Cの少なくとも境界面に位置する天然繊維
が前記極細繊維の融解部に埋設された状態で固定される
ことにより全体として一体化されてなることを特徴とす
る積層不織構造体。 【効果】 引張り強力と剥離強力が高く,柔軟性が優
れ,良好なバクテリアバリア性と吸水性を有し,しかも
耐水圧と耐磨耗性も高く,医療・衛生材用,衣料用ある
いは生活関連材用の素材として好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,熱可塑性極細繊維不織
布層と熱可塑性長繊維不織布層と天然繊維不織布層とが
積層されてなる積層不織構造体であって,引張り強力と
剥離強力が高く,柔軟性が優れ,良好なバクテリアバリ
ア性と吸水性を有し,しかも耐水圧と耐磨耗性も高く,
医療・衛生材用,衣料用あるいは生活関連材用の素材と
して好適な積層不織構造体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から,熱可塑性繊維不織布層と天然
繊維不織布層とが積層されてなる積層不織構造体が知ら
れている。例えば,特公昭54−24506号公報に
は,熱可塑性繊維不織布からなる通気性熱溶着層と天然
繊維等からなる通気性非熱溶着層とが積層され,非熱溶
着層上に熱溶着性物質が点在的に配置され,かつ熱溶着
性物質と熱溶着層との溶融部が非熱溶着層の両面から浸
透して前記非熱溶着層を接着挟持した構造を有する積層
不織構造体が提案されている。しかしながら,この積層
不織構造体は,天然繊維が積層されているため吸水性は
優れるものの,上述したように通気性の向上を目的とす
ることからも明らかなようにバクテリアバリア性を有し
ないものである。しかも,この積層不織構造体は,これ
を製造するに際して通気性熱溶着層と通気性非熱溶着層
とを積層する工程と,非熱溶着層上に含浸用熱溶着性シ
ート層を重合し,超音波融着処理により熱溶着性物質と
熱溶着層との溶融部が非熱溶着層の両面から浸透して前
記非熱溶着層を接着挟持した構造を発現する工程と,前
記含浸用熱溶着性シートをその溶融部を残して剥離する
工程とを必要とするなど製造技術の観点からすれば煩雑
で,経済性にも劣るものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,熱可塑性極
細繊維不織布層と熱可塑性長繊維不織布層と天然繊維不
織布層とが積層されてなる積層不織構造体であって,引
張り強力と剥離強力が高く,柔軟性が優れ,吸水性を有
し,しかも上述した従来の積層不織構造体が有しない機
能である良好なバクテリアバリア性と耐水圧と耐磨耗性
をも有し,医療・衛生材用,衣料用あるいは生活関連材
用の素材として好適な積層不織構造体を提供しようとす
るものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは,前記課題
を達成すべく鋭意検討の結果,本発明に到達した。すな
わち,本発明は,以下の構成をその要旨とするものであ
る。 1)単繊維繊度が0.2デニール以下の熱可塑性極細繊
維からなる不織布層Aの片面に単繊維繊度が1.0デニ
ール以上の熱可塑性長繊維からなる不織布層Bが積層さ
れ,前記不織布層Aの他面に天然繊維同士が機械的に交
絡してなる不織布層Cが積層され,かつ前記極細繊維と
長繊維と,前記極細繊維と天然繊維とが融着されてなる
点状融着区域を有する積層不織構造体であって,前記点
状融着区域において前記不織布層Aの極細繊維と前記不
織布層Bの長繊維とが融解部を形成した状態で固定さ
れ,かつ前記不織布層Aと前記不織布層Cの少なくとも
境界面に位置する天然繊維が前記極細繊維の融解部に埋
設された状態で固定されることにより全体として一体化
されてなることを特徴とする積層不織構造体。 2)不織構造体全表面積に対する全点状融着区域の面積
の比が2〜40%及び点状融着区域密度が7〜80点/
cm2 であることを特徴とする前記積層不織構造体。 3)通気度が50cc/cm2 /秒以下であることを特
徴とする前記積層不織構造体。
【0005】次に,本発明を詳細に説明する。まず,本
発明における熱可塑性極細繊維不織布層Aに関してであ
るが,この不織布層Aは,例えばポリオレフイン系重合
体,ポリエステル系重合体あるいはポリアミド系重合体
等の繊維形成性を有する熱可塑性合成重合体からなるも
のである。ポリオレフイン系重合体としては,炭素原子
数2〜18の脂肪族α−モノオレフイン,例えばエチレ
ン,プロピレン,ブテン−1,ペンテン−1,3−メチ
ルブテン−1,ヘキセン−1,オクテン−1,ドデセン
−1,オクタデセン−1からなるホモポリオレフイン重
合体が挙げられる。この脂肪族α−モノオレフインは,
他のエチレン系不飽和モノマ,例えばブタジエン,イソ
プレン,ペンタジエン−1・3,スチレン,α−メチル
スチレンのような類似のエチレン系不飽和モノマが共重
合されたポリオレフイン系共重合体であってもよい。ま
た,ポリエチレン系重合体の場合には,エチレンに対し
てプロピレン,ブテン−1,ヘキセン−1,オクテン−
1又は類似の高級α−オレフインが10重量%以下共重
合されたものであってもよく,ポリプロピレン系重合体
の場合には,プロピレンに対してエチレン又は類似の高
級α−オレフインが10重量%以下共重合されたもので
あってもよいが,前記これらの共重合物の共重合率が前
記重量%を超えると共重合体の融点が低下し,これら共
重合体の繊維からなる不織布を用いて得た積層不織構造
体を高温条件下で使用したとき,機械的特性や寸法安定
性が低下するので好ましくない。
【0006】ポリエステル系重合体としては,テレフタ
ル酸,イソフタル酸,ナフタリン−2・6−ジカルボン
酸等の芳香族ジカルボン酸あるいはアジピン酸,セバチ
ン酸等の脂肪族ジカルボン酸又はこれらのエステル類を
酸成分とし,かつエチレングリコール,ジエチレングリ
コール,1・4−ブタジオール,ネオペンチルグリコー
ル,シクロヘキサン−1・4−ジメタノール等のジオー
ル化合物をエステル成分とするホモポリエステル重合体
あるいは共重合体が挙げられる。なお,これらのポリエ
ステル系重合体には,パラオキシ安息香酸,5−ソジウ
ムスルホイソフタール酸,ポリアルキレングリコール,
ペンタエリスススリトール,ビスフエノールA等が添加
あるいは共重合されていてもよい。
【0007】ポリアミド系重合体としては,ポリイミノ
−1−オキソテトラメチレン(ナイロン4),ポリテト
ラメチレンアジパミド(ナイロン46),ポリカプラミ
ド(ナイロン6),ポリヘキサメチレンアジパミド(ナ
イロン66),ポリウンデカナミド(ナイロン11),
ポリラウロラクタミド(ナイロン12),ポリメタキシ
レンアジパミド,ポリパラキシリレンデカナミド,ポリ
ビスシクロヘキシルメタンデカナミド又はこれらのモノ
マを構成単位とするポリアミド系共重合体が挙げられ
る。特に,ポリテトラメチレンアジパミドの場合,ポリ
テトラメチレンアジパミドにポリカプラミドやポリヘキ
サメチレンアジパミド,ポリウンデカメチレンテレフタ
ラミド等の他のポリアミド成分が30モル%以下共重合
されたポリテトラメチレンアジパミド系共重合体であっ
てもよい。前記他のポリアミド成分の共重合率が30モ
ル%を超えると共重合体の融点が低下し,これら共重合
体の繊維からなる不織布を用いて得た積層不織構造体を
高温条件下で使用したとき,機械的特性や寸法安定性が
低下するので好ましくない。なお,本発明において,前
記繊維形成性を有する熱可塑性重合体には,必要に応じ
て,例えば艶消し剤,顔料,消臭剤,光安定剤,熱安定
剤,酸化防止剤等の各種添加剤を本発明の効果を損なわ
ない範囲内で添加することができる。
【0008】本発明における熱可塑性極細繊維不織布層
Aは,前記重合体からなり,かつ単繊維繊度が0.2デ
ニール以下の繊維から構成されるメルトブローン不織布
である。この極細繊維は,前記重合体単独からなるもの
の他に,前記重合体の中から選択された2種以上の相異
なる重合体が各々溶融紡糸性を損なわない範囲内でブレ
ンドされたブレンド物からなるものであってもよく,例
えばポリエステル系重合体とポリオレフイン系重合体と
がブレンドされたものや,2種の相異なるポリアミド系
重合体がブレンドされたものが挙げられる。また,この
極細繊維の形態は,前記重合体の中から選択された2種
の相異なる重合体が芯鞘型あるいは並列型に配されたも
のであってもよい。
【0009】メルトブローン不織布は,前述した重合体
を重合体を単独で,あるいは前記重合体の中から選択さ
れた2種以上の相異なる重合体がブレンドされたブレン
ド物を,あるいは前記重合体の中から選択された2種の
相異なる重合体を芯鞘型あるいは並列型に配するように
していわゆるメルトブローン法で溶融紡出し,すなわち
紡糸口金に配設された孔径0.1〜1.0mm程度の紡
糸孔から吐出し,吐出された溶融重合体流を溶融温度よ
り20〜50℃高い温度で幅0.1〜0.5mm程度の
スリツト状ノズルから噴出される高圧気体流により牽引
・細化し,冷却した後,移動する捕集面上に捕集・堆積
させることによって,容易に単繊維繊度が0.2デニー
ル以下の繊維から構成される不織ウエブを得ることがで
きる。メルトブローン法で溶融紡出するに際し,紡糸温
度は用いる重合体の溶融特性に応じて適宜選択するが,
このとき,溶融重合体の溶融粘度を通常の溶融紡糸の場
合よりも低くしなければ紡糸孔から吐出された溶融重合
体流の細化が困難で,細繊度の繊維を得ることができな
い。このことより,紡糸温度は,通常は重合体の融点よ
り50〜100℃高い温度とするのが好ましく,紡糸温
度が重合体の融点+50℃未満であると,溶融粘度が高
過ぎて溶融重合体流の細化が困難となって細繊度の繊維
を得ることができず,一方,紡糸温度が重合体の融点+
100℃を超えると,重合体が熱分解を生じ,いずれも
好ましくない。また,吐出された溶融重合体流を牽引・
細化する高圧気体流は,その温度を重合体流の溶融温度
より20〜50℃高い温度とし,この温度が重合体流の
溶融温度より+20℃未満であると,製糸性が低下して
極細繊維の形成が困難となり,一方,この温度が重合体
流の溶融温度より+50℃を超えると,重合体の熱分解
により紡糸口金の吐出孔が経時的に汚れて操業性が低下
し,いずれも好ましくない。さらに,高圧気体流の流速
は,通常は80〜300m/秒程度とし,その噴出方向
は,紡糸線方向に対して5〜45度の角度をなす方向と
するのが好ましい。
【0010】本発明における熱可塑性極細繊維不織布層
Aは,前述したように単繊維繊度が0.2デニール以下
の繊維から構成されるものである。単繊維繊度が0.2
デニールを超えると,得られる不織布の風合いが硬くな
って柔軟性に富む積層不織構造体を得ることができず,
しかも不織布表面のポアサイズが大きくなって十分なバ
クテリアバリア性が発現せず,好ましくない。
【0011】本発明における熱可塑性極細繊維不織布層
Aは,その目付けが10〜120g/m2 のものである
のが好ましい。目付けが10g/m2 未満であると,繊
維同士の緻密な重なりの程度が低く,この不織布と熱可
塑性長繊維不織布と天然繊維不織布とを積層・一体化し
て得られる積層不織構造体の地合いが低下するため,好
ましくない。一方,目付けが120g/m2 を超える
と,バクテリアバリア性は向上するものの厚みが大きく
なり過ぎるため,得られる積層不織構造体を例えば柔軟
性が要求されるような分野に適用することが困難とな
り,しかもこの不織布に熱可塑性長繊維不織布と天然繊
維不織布を積層した後,超音波融着装置を用い融着処理
を施して一体化するに際し,加工速度を遅くしたりある
いは多大の超音波エネルギを供給するなどの必要が生
じ,好ましくない。したがって,本発明では,この極細
繊維不織布層の目付けを10〜120g/m2 ,好まし
くは20〜100g/m2 とする。
【0012】次に,本発明における熱可塑性長繊維不織
布層Bに関してであるが,この不織布層Bは,前記の重
合体からなり,かつ単繊維繊度が1.0デニール以上の
長繊維から構成されるスパンボンド不織布である。この
長繊維は,前記重合体単独からなるものの他に前記重合
体の中から選択された2種以上の相異なる重合体が各々
溶融紡糸性を損なわない範囲内でブレンドされたブレン
ド物からなるものであってもよく,例えばポリエステル
系重合体とポリオレフイン系重合体とがブレンドされた
ものや,2種の相異なるポリアミド系重合体がブレンド
されたものが挙げられる。また,この極細繊維の形態
は,前記重合体の中から選択された2種の相異なる重合
体が芯鞘型あるいは並列型に配されたものであってもよ
い。
【0013】スパンボンド不織布は,前述した重合体を
単独で,あるいは前記重合体の中から選択された2種以
上の相異なる重合体がブレンドされたブレンド物を,あ
るいは前記重合体の中から選択された2種の相異なる重
合体を芯鞘型あるいは並列型に配するようにしていわゆ
るスパンボンド法で溶融紡出し,すなわち紡糸口金から
溶融紡出・冷却し,エアーサツカ等の引き取り手段を用
い引取り速度を3000〜6000m/分として牽引・
細化した後,開繊器を用いて開繊し,移動する捕集面上
に捕集・堆積させることによって,単繊維繊度が1.0
デニール以上の繊維から構成される不織ウエブを得るこ
とができる。スパンボンド法で溶融紡出するに際して
は,その引取り速度を3000〜6000m/分とする
のがよい。引取り速度が3000m/分未満であると,
紡出繊維の分子配向度が十分に増大しないため得られる
ウエブの機械的特性や寸法安定性が向上せず,一方,引
取り速度が6000m/分を超えると,溶融紡糸時の製
糸性が低下し,いずれも好ましくない。
【0014】本発明における熱可塑性長繊維不織布層B
は,前述したように単繊維繊度が1.0デニール以上の
繊維から構成されるものである。単繊維繊度が1.0デ
ニール未満であると,得られる不織布の機械的特性が低
くなって引張り強力の優れた積層不織構造体を得ること
ができず,好ましくない。
【0015】本発明における熱可塑性長繊維不織布層B
は,その目付けが10〜150g/m2 のものであるの
が好ましい。目付けが10g/m2 未満であると,機械
的特性が低下するばかりか繊維同士の緻密な重なりの程
度が低くなり,この不織布と熱可塑性極細繊維不織布と
天然繊維不織布とを積層・一体化して得られる積層不織
構造体の地合いが低下し,一方,目付けが150g/m
2 を超えると,柔軟性が低下するばかりか,この不織布
に熱可塑性極細繊維不織布と天然繊維不織布を積層した
後,超音波融着装置を用い融着処理を施して一体化する
に際し,加工速度を遅くしたりあるいは多大の超音波エ
ネルギを供給するなどの必要が生じ,好ましくない。し
たがって,本発明では,この長繊維不織布層の目付けを
10〜150g/m2 ,好ましくは20〜100g/m
2 とする。
【0016】次に,本発明における天然繊維同士が機械
的に交絡してなる不織布層Cに関してであるが,この不
織布層Cを構成する天然繊維とは,木綿繊維や麻繊維等
のセルロース系繊維の他に,ラミー等の動物繊維,絹短
繊維,天然パルプ,レーヨンに代表される各種再生短繊
維をも包含するものである。本発明では,この不織布層
Cの出発原料として,晒し加工の施されていないコーマ
糸,晒し加工された晒し綿,あるいは織物・編物から得
られる各種の反毛を用いることもできる。出発原料とし
て反毛を用いる場合,効果的に用い得る反毛機として
は,ラツグマシン,ノツトブレーカ,ガーネツトマシ
ン,廻切機が挙げられる。用いる反毛機の種類と組み合
わせは,反毛される織物・編物等の布帛形状や構成する
糸の太さあるいは撚りの強さにもよるが,同一の反毛機
を複数台直列に連結したり,2種以上の反毛機を組み合
わせて使用したりするとより効果的である。この反毛機
による解繊率(%)は30〜95%の範囲であるのが好
ましい。この解繊率が30%未満であると,カードウエ
ブ中に未解繊繊維が存在するため不織布表面にザラツキ
が生じるのみでなく,例えば高圧液体柱状流処理により
天然繊維同士を三次元的機械的交絡を施すに際して未解
繊繊維部分を高圧液体柱状流が十分貫通せず,一方,解
繊率が95%を超えると,前記熱可塑性極細繊維不織布
層と熱可塑性長繊維不織布層と積層・一体化して得られ
る積層不織構造体において十分な表面摩擦強度が得られ
ず,いずれも好ましくない。なお,ここでいう解繊率
(%)とは,下記式(1)により求められるものであ
る。 解繊率(%)=(被反毛重量−糸状物重量)×100/被反毛重量・・(1)
【0017】本発明における天然繊維不織布層Cは,前
記天然繊維からなり,かつ繊維同士が機械的に交絡して
なるものである。すなわち,天然繊維同士が,高圧液体
柱状流処理あるいはニードルパンチング処理により機械
的に交絡したものであり,特に前者の場合,繊維同士が
三次元的に交絡して不織布の機械的性能が向上すると共
に柔軟性も向上するため,例えば前記熱可塑性極細繊維
不織布層と熱可塑性長繊維不織布層と積層・一体化して
得られる積層不織構造体を衛生材用あるいは生活関連材
用の素材として用いる上で好ましい。この不織布層は,
前記天然繊維素材の中から選択された単一素材あるいは
複数種の素材が混合されてなるものを出発原料とし,カ
ード機を用いて所定目付けのカードウエブを作成し,次
いで得られたウエブに高圧液体柱状流処理あるいはニー
ドルパンチング処理により繊維間に機械的交絡を施すこ
とにより容易に得ることができる。このカードウエブ
は,構成繊維の配列度合によって種々選択することがで
き,例えばカード機の進行方向に配列したパラレルウエ
ブ,パラレルウエブがクロスレイドされたウエブ,ラン
ダムに配列したランダムウエブあるいは両者の中程度に
配列したセミランダムウエブ等が挙げられる。また,衣
料用素材としての展開を図りたい場合には,不織布強力
の縦/横比が概ね1/1となるカードウエブを使用する
のが好ましい。
【0018】高圧液体柱状流処理の場合,例えば孔径が
0.05〜1.5mm特に0.1〜0.4mmの噴射孔
を孔間隔を0.05〜5mmで1列あるいは複数列に多
数配列した装置を用い,噴射圧力が5〜150kg/c
2 Gの高圧液体を前記噴射孔から噴射し,多孔性支持
部材上に載置したカードウエブに衝突させることにより
繊維間に三次元的交絡を付与する方法を採用する。噴射
孔の配列は,このカードウエブの進行方向と直交する方
向に列状に配列する。高圧液体としては,常温の水ある
いは温水を用いることができる。噴射孔とウエブとの間
の距離は,1〜15cmとするのがよい。この距離が1
cm未満であるとこの処理により得られる複合不織布の
地合いが乱れ,一方,この距離が15cmを超えると液
体流が積層物に衝突したときの衝撃力が低下して三次元
的な交絡が十分に施されず,いずれも好ましくない。こ
の高圧液体柱状流による処理は,少なくとも2段階に分
けて施すとよい。すなわち,第1段階の処理として圧力
が5〜40kg/cm2 Gの高圧液体流を噴出し前記ウ
エブに衝突させ,ウエブの構成繊維同士を予備的に交絡
させる。この第1段階の処理において,液体流の圧力が
5kg/cm2 G未満であるとウエブの構成繊維同士を
予備的に交絡させることができず,一方,液体流の圧力
が40kg/cm2 Gを超えるとウエブに高圧液体流を
噴出し衝突させたときウエブの構成繊維が液体流の作用
によって乱れ,ウエブに地合いの乱れや目付け斑が生じ
るため,いずれも好ましくない。引き続き,第2段階の
処理として圧力が50〜150kg/cm2 Gの高圧液
体流を噴出し前記ウエブに衝突させ,ウエブの構成繊維
同士を三次元的に交絡させて全体として緻密に一体化さ
せる。この第2段階の処理において,液体流の圧力が5
0kg/cm2 G未満であると,上述したような繊維間
の三次元的交絡を十分に形成することができず,一方,
液体流の圧力が150kg/cm2 Gを超えると,得ら
れる不織布の嵩高性と柔軟性が向上せず,いずれも好ま
しくない。なお,ウエブの目付けによっては,第2段階
の処理に引き続き第3段階の処理として,第2段階の処
理側と逆の側から第2段階の処理と同様の条件にて再度
処理を施すことにより,表裏共に緻密に繊維同士が交絡
した不織布を得ることができる。高圧液体柱状流処理を
施すに際して用いる前記ウエブを担持する多孔性支持部
材としては,例えば20〜100メツシユの金網製ある
いは合成樹脂製等のメツシユスクリーンや有孔板など,
高圧液体流がウエブを貫通し得るものであれば特に限定
されない。20メツシユ未満であると,高圧液体柱状流
がウエブに衝突した際に繊維が柱状流と共にメツシユス
クリーンを通過して繊維の脱落が発生し,一方,200
メツシユを超えると,高圧液体柱状流がウエブとメツシ
ユスクリーンとを通過するに要するエネルギー量が多大
になって生産コストが上昇し,いずれも好ましくない。
高圧液体流処理を施した後,処理後の前記ウエブから過
剰水分を除去する。この過剰水分を除去するに際して
は,公知の方法を採用することができる。例えばマング
ルロール等の絞り装置を用いて過剰水分をある程度機械
的に除去し,引き続きサクシヨンバンド方式の熱風循環
式乾燥機等の乾燥装置を用いて残余の水分を除去して不
織布を得ることができる。
【0019】本発明における天然繊維不織布層は,その
目付けが30〜200g/m2 のものであるのが好まし
い。目付けが30g/m2 未満であると,天然繊維の単
位面積当たりの存在量が小さ過ぎて本発明が目的とする
吸水性が十分に具備されず,一方,目付けが200g/
2 を超えると,前記熱可塑性極細繊維不織布と熱可塑
性長繊維不織布との積層後に超音波融着装置を用いて点
状融着区域を形成することにより一体化して得られる積
層不織構造体においてその剥離強力が十分に向上せず,
いずれも好ましくない。したがって,本発明では,この
天然繊維不織布層の目付けを30〜200g/m2
し,好ましくは50〜150g/m2 とする。
【0020】次に,本発明の積層不織構造体に関して説
明する。本発明の積層不織構造体は,前記熱可塑性極細
繊維不織布層Aの片面に前記熱可塑性長繊維不織布層B
が積層され,前記不織布層Aの他面に天然繊維不織布層
Cが積層され,かつ前記極細繊維と長繊維と,前記極細
繊維と天然繊維とが融着されてなる点状融着区域を有
し,前記点状融着区域において前記不織布層Aの極細繊
維と前記不織布層Bの長繊維とが融解部を形成した状態
で固定され,かつ前記不織布層Aと前記不織布層Cの少
なくとも境界面に位置する天然繊維が前記極細繊維の融
解部に埋設された状態で固定されることにより全体とし
て一体化されてなるものである。この点状融着区域と
は,周波数が19.15KHzの通常ホーンと呼称され
る超音波発振器と,円周上に点状又は帯状に凸状突起部
を具備するパターンロールとからなる超音波融着装置を
用いて形成され,前記凸状突起部に該当する部分に当接
する繊維同士を融着させたものである。さらに詳しく
は,この点状融着区域は,不織構造体全表面積に対して
特定の領域と特定の配置とを有し,個々の点状融着区域
は必ずしも円形の形状である必要はないが,不織構造体
全表面積に対する全点状融着区域の面積の比が2〜40
%,好ましくは4〜25%及び同区域密度が7〜80点
/cm2 ,好ましくは8〜50点/cm2 であるものが
よい。不織構造体全表面積に対する全点状融着区域の面
積の比が2%未満であると,前記熱可塑性極細繊維不織
布層と熱可塑性長繊維層と天然繊維不織布層との積層後
に超音波融着装置を用いて点状融着区域を形成すること
により一体化して得られる積層不織構造体においてその
剥離強力が十分に向上せず,一方,前記面積の比が40
%を超えると,得られる積層不織構造体の柔軟性と嵩高
性が低下し,いずれも好ましくない。また,同区域密度
が7点/cm2 未満であると,得られる積層不織構造体
の接着力すなわち剥離強力に斑が生じるのみならずバク
テリアバリア性が低下し,一方,同区域密度が80点/
cm2 を超えると,得られる積層不織構造体の柔軟性と
嵩高性が低下し,いずれも好ましくない。
【0021】本発明において用い得る超音波融着装置と
は,公知の装置すなわち周波数が19.15KHzの通
常ホーンと呼称される超音波発振器と,円周上に点状又
は帯状に凸状突起部を具備するパターンロールとからな
る装置である。前記超音波発振器の下部に前記パターン
ロールが配設され,被処理物は超音波発振器とパターン
ロールとの間に通される。このパターンロールに配設さ
れる凸状突起部は1列あるいは複数列であってもよく,
また,その配設が複数列の場合には,並列あるいは千鳥
型のいずれの配列でもよい。融着処理に際しては,ホー
ンに空気圧を印加して加圧する。ホーンとパターンロー
ル間の線圧は,通常1〜10kg/cmとし,線圧が1
kg/cm未満であると,前記熱可塑性極細繊維不織布
層と熱可塑性長繊維層と天然繊維不織布層との積層物に
対する押し圧が不足して融着が生じなく,一方,線圧が
10kg/cmを超えると,点状融着区域に対する押し
圧が高過ぎて融着区域に相当する前記熱可塑性極細繊維
不織布層と熱可塑性長繊維層とが熱分解したり,あるい
は極端な場合には穿孔が生じたりして得られる積層不織
構造体の接着力が低下し,いずれも好ましくない。本発
明の積層不織構造体は,前記熱可塑性極細繊維不織布層
と熱可塑性長繊維不織布層と天然繊維不織布層との積層
物に前述した超音波融着装置を用いて融着処理を施すこ
とにより,点状融着区域において前記不織布層Aの極細
繊維と前記不織布層Bの長繊維とが融解部を形成した状
態で固定され,かつ前記不織布層Aと前記不織布層Cの
少なくとも境界面に位置する天然繊維が前記極細繊維の
融解部に埋設された状態で固定され全体として一体化さ
れたものである。図1は,本発明の積層不織構造体にお
ける前記点状融着区域の断面を示す模式図である。図に
おいて,1は点状融着区域において融解した熱可塑性極
細繊維層,2は点状融着区域において融解した熱可塑性
長繊維,3は天然繊維で,同図から明らかなように点状
融着区域において熱可塑性極細繊維と熱可塑性長繊維と
は融解接着しており,かつ熱可塑性極細繊維不織布層と
天然繊維不織布層の少なくとも境界面に位置する天然繊
維2は,熱可塑性極細繊維が融解した融解部すなわち1
に埋設された状態で固定されており,各不織布層が点状
融着区域においてこのような接着構造を有するため,剥
離強力の高い積層不織構造体となる。
【0022】本発明の積層不織構造体は,前記重合体か
らなり,単繊維繊度が1.0デニール以上の長繊維から
構成されるスパンボンド不織布層Bが積層されているた
め,引張り強力が向上する。そして,本発明の積層不織
構造体では,この不織布層Bとして前述した重合体の内
のポリオレフイン系あるいはポリエステル系等の疎水性
熱可塑性重合体長繊維からなるものを採用すると,積層
不織構造体における熱可塑性長繊維不織布層Bの側に撥
水性を具備させることができる。
【0023】本発明の積層不織構造体は,通気度が50
cc/cm2 /秒以下のものであることが,例えば医療
・衛生材用の素材等のバクテリアバリア性が要求される
分野では好ましい。この積層不織構造体は,前述したよ
うに熱可塑性長繊維不織布層Bと天然繊維不織布層Cの
中間部に単繊維繊度が0.2デニール以下の熱可塑性極
細繊維からなる不織布層Aが積層されているため不織布
のポアサイズが小さく,したがってバクテリアバリア性
が向上するのである。
【0024】
【作用】本発明の積層不織構造体は,片面が単繊維繊度
が1.0デニール以上の熱可塑性長繊維からなる不織布
層Bから構成されるため引張り強力と耐磨耗性が高く,
他面が天然繊維同士が機械的に交絡してなる不織布層C
から構成されるため吸水性を有し,また,中間部が単繊
維繊度が0.2デニール以下の熱可塑性極細繊維からな
る不織布層Aから構成されるため通気度が50cc/c
2 /秒以下と低く,良好なバクテリアバリア性を有す
る。また,前記天然繊維同士が三次元的に交絡してなる
場合,前記極細繊維と相乗して優れた柔軟性が具備され
る。さらに,前記極細繊維と長繊維と天然繊維とが融着
されてなる点状融着区域において,前記不織布層Aの極
細繊維と前記不織布層Bの長繊維とが融解部を形成した
状態で固定され,かつ前記不織布層Aと前記不織布層C
の少なくとも境界面に位置する天然繊維が前記極細繊維
の融解部に埋設された状態で固定された接着構造を有す
るため,剥離強力の高い積層不織構造体となる。
【0025】
【実施例】次に,実施例に基づき本発明を具体的に説明
するが,本発明は,これらの実施例によって何ら限定さ
れるものではない。実施例において,各特性値の測定を
次の方法により実施した。 メルトフローレート値(g/10分):ASTM−D−
1238(L)に記載の方法に準じて測定した。 相対粘度:フエノールと四塩化エタンの等重量混合溶液
を溶媒とし,試料濃度0.5g/100cc,温度20
℃の条件で測定した。 融点(℃):パーキンエルマ社製示差走査型熱量計DS
C−2型を用い,試料重量を5mg,昇温速度を20℃
/分として測定して得た融解吸熱曲線の最大極値を与え
る温度を融点(℃)とした。 目付け(g/m2 ):標準状態の試料から縦10cm×
横10cmの試料片計10点を作成し平衡水分に到らし
めた後,各試料片の重量(g)を秤量し,得られた値の
平均値を単位面積(m2 )当たりに換算し目付け(g/
2 )とした。 引張り強力(kg/5cm幅)及び引張り伸度(%):
JIS−L−1096Aに記載の方法に準じて測定し
た。すなわち,試料長が10cm,試料幅が5cmの試
料片計10点を作成し,各試料片毎に不織布の経及び緯
方向について,定速伸長型引張り試験機(東洋ボールド
ウイン社製テンシロンUTM−4−1−100)を用い
て引張り速度10cm/分で伸長し,得られた切断時荷
重値(kg/5cm幅)の平均値を引張り強力(kg/
5cm幅),切断時伸長率(%)の平均値を引張り伸度
(%)とした。 引裂き強力(kg):JIS−K−7311に記載のエ
ルメンドルフ型に準じて,不織布の経及び緯方向につい
て測定した。 層間剥離強力(g/5cm幅):試料長が10cm,試
料幅が5cmの試料片計10点を作成し,各試料片毎に
不織布の経方向について,定速伸長型引張り試験機(東
洋ボールドウイン社製テンシロンUTM−4−1−10
0)を用いて引張速度10cm/分で天然繊維不織布層
が極細繊維不織布層から積層構造体の端部から計って5
cmの位置まで強制的に剥離させ,得られた荷重値(g
/5cm幅)の平均値を層間剥離強力(g/5cm幅)
とした。なお,層間剥離強力(g/5cm幅)は,不織
布層Aと不織布層Bと不織布層Cとの3層の場合にA〜
B間を層間剥離強力3AB,A〜C間を層間剥離強力3
ACとして,また,不織布層Aと不織布層Bとの2層の
場合にA〜B間を層間剥離強力2AB,不織布層Bと不
織布層Cとの2層の場合にB〜C間を層間剥離強力2B
Cとして,各々測定した。 剛軟度(g):試料長が10cm,試料幅が5cmの試
料片計5点を作成し,各試料片毎に横方向に曲げて円筒
状物とし,各々その端部を接合したものを剛軟度測定試
料とした。次いで,各測定試料毎にその軸方向につい
て,定速伸長型引張り試験機(東洋ボールドウイン社製
テンシロンUTM−4−1−100)を用いて圧縮速度
5cm/分で圧縮し,得られた最大荷重値(g)の平均
値を剛軟度(g)とした。 嵩高度(g/cm3 ):試料の目付けW(g/m2 )と
厚みt(mm)を測定し,下記式(2)により嵩高度
(g/cm3 )を求めた。 嵩高度(g/cm3 )=W/(t×1000)・・・・・・・・・・・(2) 通気度(cc/cm2 /秒):JIS−L−1096に
記載のフラジール法に準じて測定した。 耐水圧(mm水柱):JIS−L−1092Bに記載の
高水圧法に準じて測定した。 吸水性(mm):JIS−L−1096に記載のバイレ
ツク法に準じて測定した。
【0026】実施例1 まず,融点が155℃,メルトフローレート値が600
g/10分のポリプロピレンチツプを用い,ポリプロピ
レン極細繊維からなるメルトブローン不織布を作成し
た。すなわち,前記重合体チツプをエクストルーダ型溶
融押出し機を用いて溶融し,これを孔径0.15mmの
紡糸孔を200孔有する紡糸口金を通して紡糸温度を2
80℃かつ吐出量を30g/分として溶融吐出し,吐出
された溶融重合体流を溶融温度より30℃高い温度の高
圧空気流を速度170m/秒で紡糸線方向に対して25
度の角度をなす方向に噴出して牽引・細化し,冷却した
後,紡糸口金の下方10cmの位置に配設されたサクシ
ヨンドラム上に捕集・堆積させ,平均単繊維繊度が0.
1デニールで,目付けが20g/m2 のポリプロピレン
極細繊維メルトブローン不織布Aを得た。別途,融点が
156℃,メルトフローレート値が56g/10分のポ
リプロピレンチツプを用い,ポリプロピレン長繊維から
なるスパンボンド不織布を作成した。すなわち,前記重
合体チツプをエクストルーダ型溶融押出し機を用いて溶
融し,これを紡糸口金を通して紡糸温度を250℃とし
て溶融紡出・冷却し,エアーサツカを用い引取り速度を
4000m/分として牽引・細化した後,開繊器を用い
て開繊し,移動する捕集面上に捕集・堆積させてウエブ
とし,得られたウエブに円形換算にて直径0.6mmの
突起状彫刻模様部が圧接面積率13.2%,配設密度2
0点/cm2 で配設された熱エンボスローラと表面平滑
な金属ローラとを用い,処理温度を130℃,かつ線圧
を25kg/cmとして加工速度10m/分で部分熱圧
着処理を施し,単繊維繊度が3.0デニールで,目付け
が20g/m2 のポリプロピレン長繊維スパンボンド不
織布Bを得た。
【0027】また,平均単繊維繊度が1.5デニール
で,かつ平均繊維長が25mmの木綿晒し綿を用い,木
綿繊維同士が三次元的に交絡してなる不織布を作成し
た。すなわち,前記晒し綿を出発原料とし,ランダムカ
ード機により繊維配列がランダムで目付けが45g/m
2 のランダムカードウエブを作成し,次いで得られたウ
エブを移動速度20m/分で移動する70メツシユの金
網上に載置して高圧液体流処理を施した。高圧液体流処
理は,孔径0.1mmの噴射孔が孔間隔0.6mmで一
列に配設された高圧柱状水流処理装置を用い,ウエブの
上方50mmの位置から2段階に別けて柱状水流を作用
させた。第1段階の処理では圧力を30kg/cm2
とし,第2段階の処理では圧力を70kg/cm2 Gと
した。なお,第2段階の処理は,ウエブの表裏から各々
2回施した。次いで,得られた処理物からマングルロー
ルを用いて過剰水分を除去した後,処理物に熱風乾燥機
を用い温度100℃の条件で乾燥処理を施し,木綿繊維
同士が緻密に三次元的交絡をした目付けが45g/m2
の不織布Cを得た。次いで,前記で得られたポリプロピ
レン極細繊維メルトブローン不織布Aの両面にポリプロ
ピレン長繊維スパンボンド不織布Bと木綿繊維不織布C
とをそれぞれ積層し,周波数が19.15KHzの超音
波発振器と円周上に点状に凸状突起部が面積比(ロール
全表面積に対する全凸状突起部の面積の比)11%かつ
密度18点/cm2 で配設されたパターンロールとから
なる超音波融着装置を用い,加工速度を30m/分,線
圧を2.5kg/cmとして超音波融着処理を施して3
層構造の積層不織構造体を得た。得られた積層不織構造
体の特性を表1に示す。
【0028】実施例2 相対粘度が1.36のポリエチレンテレフタレートチツ
プを用い,紡糸温度を350℃とした以外は実施例1と
同様にして,ポリエチレンテレフタレート極細繊維から
なるメルトブローン不織布Aを得た。次いで,実施例1
と同様にして,3層構造の積層不織構造体を得た。得ら
れた積層不織構造体の特性を表1に示す。
【0029】実施例3〜6 超音波融着装置におけるパターンロールの凸状突起部面
積比を5%(実施例3),16%(実施例4),20%
(実施例5)及び33%(実施例6)とした以外は実施
例1と同様にして,3層構造の積層不織構造体を得た。
得られた積層不織構造体の特性を表2に示す。
【0030】実施例7〜9 超音波融着装置におけるパターンロールの凸状突起部配
設密度を9点/cm2(実施例7),36点/cm
2 (実施例8)及び72点/cm2 (実施例9)とした
以外は実施例1と同様にして,3層構造の積層不織構造
体を得た。得られた積層不織構造体の特性を表2に示
す。
【0031】比較例1 実施例1で作成したポリプロピレン極細繊維メルトブロ
ーン不織布Aの片面にポリプロピレン長繊維スパンボン
ド不織布Bを積層し,以降は実施例1と同様にして超音
波融着処理を施して2層構造の積層不織構造体を得た。
得られた積層不織構造体の特性を表1に示す。
【0032】比較例2 実施例1で作成したポリプロピレン長繊維スパンボンド
不織布Bの片面に木綿繊維不織布Cを積層し,以降は実
施例1と同様にして超音波融着処理を施して2層構造の
積層不織構造体を得た。得られた積層不織構造体の特性
を表1に示す。
【0033】比較例3 超音波融着処理に代わり圧接面積率が12%の熱エンボ
スローラと表面平滑な金属ローラとを用い,処理温度を
140℃,かつ線圧を100kg/cmとして加工速度
10m/分で部分熱圧着処理を施した以外は実施例1と
同様にして,3層構造の積層不織構造体を得た。得られ
た積層不織構造体の特性を表1に示す。
【0034】比較例4 実施例1で作成したポリプロピレン極細繊維メルトブロ
ーン不織布Aの両面にポリプロピレン長繊維スパンボン
ド不織布Bを積層し,以降は比較例3と同様にして部分
熱圧着処理を施して3層構造の積層不織構造体を得た。
得られた積層不織構造体の特性を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】実施例1,2,4,5,8及び9で得られ
た積層不織構造体は,表1及び2から明らかなように引
張り強力と剥離強力が高く,柔軟性が優れ,良好なバク
テリアバリア性と吸水性を有し,しかも耐水圧と耐磨耗
性も高いものであった。実施例2で得られた積層不織構
造体は,実施例1のポリプロピレン極細繊維メルトブロ
ーン不織布に代わりポリエチレンテレフタレート極細繊
維メルトブローン不織布を用いたものであり,実施例1
に比べて遜色のないものであった。実施例3で得られた
積層不織構造体は,超音波融着装置におけるパターンロ
ールの凸状突起部面積比が5%で,不織構造体全表面積
に対する全点状融着区域の面積の比が低目であるため,
剥離強力が実施例1に比べると若干低いものであり,実
施例6で得られた積層不織構造体は,同面積比が33%
で,不織構造体全表面積に対する全点状融着区域の面積
の比が高目であるため,剥離強力は優れるものの柔軟性
が実施例1に比べるとやや劣るものであった。また,実
施例7で得られた積層不織構造体は,凸状突起部配設密
度が9点/cm2 で,不織構造体における点状融着区域
の密度が低目であるため,剥離強力に斑を有するもので
あった。これに対し,比較例1と4で得られた積層不織
構造体は,天然繊維を含有していないため,表1から明
らかなように吸水性の低いものであった。比較例2で得
られた積層不織構造体は,単繊維繊度の高いポリプロピ
レン繊維スパンボンド不織布が積層されているとはいえ
極細繊維メルトブローン不織布が積層されていないた
め,通気度が高く,耐水圧が低く,バクテリアバリア性
を有しないものであった。比較例3で得られた積層不織
構造体は,熱エンボスローラを用いた部分熱圧着処理が
施されたものであるため,剥離強力が極めて低いもので
あった。
【0038】
【発明の効果】本発明の積層不織構造体は,前記特定の
熱可塑性極細繊維不織布層Aの片面に前記特定の熱可塑
性長繊維不織布層Bが積層され,前記不織布層Aの他面
に天然繊維同士が機械的に交絡してなる不織布層Cが積
層され,かつ前記極細繊維と長繊維と,前記極細繊維と
天然繊維とが融着されてなる点状融着区域を有し,前記
点状融着区域において前記不織布層Aの極細繊維と前記
不織布層Bの長繊維とが融解部を形成した状態で固定さ
れ,かつ前記不織布層Aと前記不織布層Cの少なくとも
境界面に位置する天然繊維が前記極細繊維の融解部に埋
設された状態で固定されることにより全体として一体化
されてなるものであって,引張り強力と剥離強力が高
く,柔軟性が優れ,良好なバクテリアバリア性と吸水性
を有し,しかも耐水圧と耐磨耗性も高く,医療・衛生材
用,衣料用あるいは生活関連材用の素材として好適であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層不織構造体における点状融着区域
の断面を示す模式図である。
【符号の説明】
1:融解した熱可塑性極細繊維層 2:融解した熱可塑性長繊維層 3:天然繊維
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年6月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】次に,本発明の積層不織構造体に関して説
明する。本発明の積層不織構造体は,前記熱可塑性極細
繊維不織布層Aの片面に前記熱可塑性長繊維不織布層B
が積層され,前記不織布層Aの他面に天然繊維不織布層
Cが積層され,かつ前記極細繊維と長繊維と,前記極細
繊維と天然繊維とが融着されてなる点状融着区域を有
し,前記点状融着区域において前記不織布層Aの極細繊
維と前記不織布層Bの長繊維とが融解部を形成した状態
で固定され,かつ前記不織布層Aと前記不織布層Cの少
なくとも境界面に位置する天然繊維が前記極細繊維の融
解部に埋設された状態で固定されることにより全体とし
て一体化されてなるものである。この点状融着区域と
は,周波数が約20KHz程度の通常ホーンと呼称され
る超音波発振器と,円周上に点状又は帯状に凸状突起部
を具備するパターンロールとからなる超音波融着装置を
用いて形成され,前記凸状突起部に該当する部分に当接
する繊維同士を融着させたものである。さらに詳しく
は,この点状融着区域は,不織構造体全表面積に対して
特定の領域と特定の配置とを有し,個々の点状融着区域
は必ずしも円形の形状である必要はないが,不織構造体
全表面積に対する全点状融着区域の面積の比が2〜40
%,好ましくは4〜25%及び同区域密度が7〜80点
/cm2 ,好ましくは8〜50点/cm2 であるものが
よい。不織構造体全表面積に対する全点状融着区域の面
積の比が2%未満であると,前記熱可塑性極細繊維不織
布層と熱可塑性長繊維層と天然繊維不織布層との積層後
に超音波融着装置を用いて点状融着区域を形成すること
により一体化して得られる積層不織構造体においてその
剥離強力が十分に向上せず,一方,前記面積の比が40
%を超えると,得られる積層不織構造体の柔軟性と嵩高
性が低下し,いずれも好ましくない。また,同区域密度
が7点/cm2 未満であると,得られる積層不織構造体
の接着力すなわち剥離強力に斑が生じるのみならずバク
テリアバリア性が低下し,一方,同区域密度が80点/
cm2 を超えると,得られる積層不織構造体の柔軟性と
嵩高性が低下し,いずれも好ましくない。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】本発明において用い得る超音波融着装置と
は,公知の装置すなわち周波数が約20KHz程度の通
常ホーンと呼称される超音波発振器と,円周上に点状又
は帯状に凸状突起部を具備するパターンロールとからな
る装置である。前記超音波発振器の下部に前記パターン
ロールが配設され,被処理物は超音波発振器とパターン
ロールとの間に通される。このパターンロールに配設さ
れる凸状突起部は1列あるいは複数列であってもよく,
また,その配設が複数列の場合には,並列あるいは千鳥
型のいずれの配列でもよい。融着処理に際しては,ホー
ンに空気圧を印加して加圧する。ホーンとパターンロー
ル間の線圧は,通常1〜10kg/cmとし,線圧が1
kg/cm未満であると,前記熱可塑性極細繊維不織布
層と熱可塑性長繊維層と天然繊維不織布層との積層物に
対する押し圧が不足して融着が生じなく,一方,線圧が
10kg/cmを超えると,点状融着区域に対する押し
圧が高過ぎて融着区域に相当する前記熱可塑性極細繊維
不織布層と熱可塑性長繊維層とが熱分解したり,あるい
は極端な場合には穿孔が生じたりして得られる積層不織
構造体の接着力が低下し,いずれも好ましくない。本発
明の積層不織構造体は,前記熱可塑性極細繊維不織布層
と熱可塑性長繊維不織布層と天然繊維不織布層との積層
物に前述した超音波融着装置を用いて融着処理を施すこ
とにより,点状融着区域において前記不織布層Aの極細
繊維と前記不織布層Bの長繊維とが融解部を形成した状
態で固定され,かつ前記不織布層Aと前記不織布層Cの
少なくとも境界面に位置する天然繊維が前記極細繊維の
融解部に埋設された状態で固定され全体として一体化さ
れたものである。図1は,本発明の積層不織構造体にお
ける前記点状融着区域の断面を示す模式図である。図に
おいて,1は点状融着区域において融解した熱可塑性極
細繊維層,2は点状融着区域において融解した熱可塑性
長繊維,3は天然繊維で,同図から明らかなように点状
融着区域において熱可塑性極細繊維と熱可塑性長繊維と
は融解接着しており,かつ熱可塑性極細繊維不織布層と
天然繊維不織布層の少なくとも境界面に位置する天然繊
維2は,熱可塑性極細繊維が融解した融解部すなわち1
に埋設された状態で固定されており,各不織布層が点状
融着区域においてこのような接着構造を有するため,剥
離強力の高い積層不織構造体となる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】
【実施例】次に,実施例に基づき本発明を具体的に説明
するが,本発明は,これらの実施例によって何ら限定さ
れるものではない。実施例において,各特性値の測定を
次の方法により実施した。 メルトフローレート値(g/10分):ASTM−D−
1238(L)に記載の方法に準じて測定した。 相対粘度:フエノールと四塩化エタンの等重量混合溶液
を溶媒とし,試料濃度0.5g/100cc,温度20
℃の条件で測定した。 融点(℃):パーキンエルマ社製示差走査型熱量計DS
C−2型を用い,試料重量を5mg,昇温速度を20℃
/分として測定して得た融解吸熱曲線の最大極値を与え
る温度を融点(℃)とした。 目付け(g/m2 ):標準状態の試料から縦10cm×
横10cmの試料片計10点を作成し平衡水分に到らし
めた後,各試料片の重量(g)を秤量し,得られた値の
平均値を単位面積(m2 )当たりに換算し目付け(g/
2 )とした。 引張り強力(kg/5cm幅)及び引張り伸度(%):
JIS−L−1096Aに記載の方法に準じて測定し
た。すなわち,試料長が10cm,試料幅が5cmの試
料片計10点を作成し,各試料片毎に不織布の経及び緯
方向について,定速伸長型引張り試験機(東洋ボールド
ウイン社製テンシロンUTM−4−1−100)を用い
て引張り速度10cm/分で伸長し,得られた切断時荷
重値(kg/5cm幅)の平均値を引張り強力(kg/
5cm幅),切断時伸長率(%)の平均値を引張り伸度
(%)とした。 引裂き強力(kg):JIS−K−7311に記載のエ
ルメンドルフ型に準じて,不織布の経及び緯方向につい
て測定した。 層間剥離強力(g/5cm幅):試料長が10cm,試
料幅が5cmの試料片計10点を作成し,各試料片毎に
不織布の経方向について,定速伸長型引張り試験機(東
洋ボールドウイン社製テンシロンUTM−4−1−10
0)を用いて引張速度10cm/分で天然繊維不織布層
が極細繊維不織布層から積層構造体の端部から計って5
cmの位置まで強制的に剥離させ,得られた荷重値(g
/5cm幅)の平均値を層間剥離強力(g/5cm幅)
とした。なお,層間剥離強力(g/5cm幅)は,不織
布層Aと不織布層Bと不織布層Cとの3層の場合にA〜
B間を層間剥離強力3AB,A〜C間を層間剥離強力3
ACとして,また,不織布層Aと不織布層Bとの2層の
場合にA〜B間を層間剥離強力2AB,不織布層Bと不
織布層Cとの2層の場合にB〜C間を層間剥離強力2B
Cとして,各々測定した。 剛軟度(g):試料長が10cm,試料幅が5cmの試
料片計5点を作成し,各試料片毎に横方向に曲げて円筒
状物とし,各々その端部を接合したものを剛軟度測定試
料とした。次いで,各測定試料毎にその軸方向につい
て,定速伸長型引張り試験機(東洋ボールドウイン社製
テンシロンUTM−4−1−100)を用いて圧縮速度
5cm/分で圧縮し,得られた最大荷重値(g)の平均
値を剛軟度(g)とした。 嵩高度(g/cm3 ):試料の目付けW(g/m2 )と
厚みt(mm)を測定し,下記式(2)により嵩高度
(g/cm3 )を求めた。 嵩高度(g/cm3 )=W/(t×1000)・・・・・・・・・・・(2) 通気度(cc/cm2 /秒):JIS−L−1096に
記載のフラジール法に準じて測定した。 耐水圧(mm水柱):JIS−L−1092に記載の
水圧法に準じて測定した。 吸水性(mm):JIS−L−1096に記載のバイレ
ツク法に準じて測定した。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】また,平均単繊維繊度が1.5デニール
で,かつ平均繊維長が25mmの木綿晒し綿を用い,木
綿繊維同士が三次元的に交絡してなる不織布を作成し
た。すなわち,前記晒し綿を出発原料とし,ランダムカ
ード機により繊維配列がランダムで目付けが45g/m
2 のランダムカードウエブを作成し,次いで得られたウ
エブを移動速度20m/分で移動する70メツシユの金
網上に載置して高圧液体流処理を施した。高圧液体流処
理は,孔径0.1mmの噴射孔が孔間隔0.6mmで一
列に配設された高圧柱状水流処理装置を用い,ウエブの
上方50mmの位置から2段階に別けて柱状水流を作用
させた。第1段階の処理では圧力を30kg/cm2
とし,第2段階の処理では圧力を70kg/cm2 Gと
した。なお,第2段階の処理は,ウエブの表裏から各々
2回施した。次いで,得られた処理物からマングルロー
ルを用いて過剰水分を除去した後,処理物に熱風乾燥機
を用い温度100℃の条件で乾燥処理を施し,木綿繊維
同士が緻密に三次元的交絡をした目付けが45g/m2
の不織布Cを得た。次いで,前記で得られたポリプロピ
レン極細繊維メルトブローン不織布Aの両面にポリプロ
ピレン長繊維スパンボンド不織布Bと木綿繊維不織布C
とをそれぞれ積層し,周波数が19.5KHzの超音波
発振器と円周上に点状に凸状突起部が面積比(ロール全
表面積に対する全凸状突起部の面積の比)11%かつ密
度18点/cm2 で配設されたパターンロールとからな
る超音波融着装置を用い,加工速度を30m/分,線圧
を2.5kg/cmとして超音波融着処理を施して3層
構造の積層不織構造体を得た。得られた積層不織構造体
の特性を表1に示す。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単繊維繊度が0.2デニール以下の熱可
    塑性極細繊維からなる不織布層Aの片面に単繊維繊度が
    1.0デニール以上の熱可塑性長繊維からなる不織布層
    Bが積層され,前記不織布層Aの他面に天然繊維同士が
    機械的に交絡してなる不織布層Cが積層され,かつ前記
    極細繊維と長繊維と,前記極細繊維と天然繊維とが融着
    されてなる点状融着区域を有する積層不織構造体であっ
    て,前記点状融着区域において前記不織布層Aの極細繊
    維と前記不織布層Bの長繊維とが融解部を形成した状態
    で固定され,かつ前記不織布層Aと前記不織布層Cの少
    なくとも境界面に位置する天然繊維が前記極細繊維の融
    解部に埋設された状態で固定されることにより全体とし
    て一体化されてなることを特徴とする積層不織構造体。
  2. 【請求項2】 不織構造体全表面積に対する全点状融着
    区域の面積の比が2〜40%及び点状融着区域密度が7
    〜80点/cm2 であることを特徴とする請求項1記載
    の積層不織構造体。
  3. 【請求項3】 通気度が50cc/cm2 /秒以下であ
    ることを特徴とする請求項1又は2記載の積層不織構造
    体。
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