JPH08109559A - 積層不織構造体 - Google Patents

積層不織構造体

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JPH08109559A
JPH08109559A JP6261509A JP26150994A JPH08109559A JP H08109559 A JPH08109559 A JP H08109559A JP 6261509 A JP6261509 A JP 6261509A JP 26150994 A JP26150994 A JP 26150994A JP H08109559 A JPH08109559 A JP H08109559A
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fibers
polymer
fiber
laminated
woven
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JP6261509A
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Inventor
Chikayuki Fukushima
周之 福島
Fumio Matsuoka
文夫 松岡
Hiroshi Nishimura
弘 西村
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポリオレフイン系重合体からなるフイブリル
繊維とポリエステル系重合体からなるフイブリル繊維と
を主構成要素とする三次元的網状構造繊維から構成さ
れ,かつ構成繊維間が部分的に熱接着されてなる網状構
造繊維不織布と,天然繊維同士が機械的に交絡してなる
不織布とが積層され,前記網状構造繊維と天然繊維とが
融着されてなる点状融着区域を有し,かつその点状融着
区域において両不織布層の少なくとも境界面に位置する
天然繊維が前記網状構造繊維の融解部に埋設された状態
で固定されることにより全体として一体化されてなる積
層不織構造体。 【効果】 引張り強力と層間の剥離強力が高く,柔軟性
が優れ,可染性を有し,吸水性と吸油性を併せて具備
し,またリントフリー性を備え,さらに優れたバクテリ
アバリア性を有し,医療・衛生材用,衣料用や生活関連
材用あるいは産業資材用の素材として好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,ポリオレフイン系重合
体とポリエステル系重合体とからなる網状構造繊維不織
布と天然繊維不織布とが積層されてなる積層不織構造体
であって,引張り強力と層間の剥離強力が高く,柔軟性
が優れ,可染性を有し,吸水性と吸油性を併せて具備
し,またリントフリー性を備え,さらに優れたバクテリ
アバリア性を有し,医療・衛生材用,衣料用や生活関連
材用あるいは産業資材用の素材として好適な積層不織構
造体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から,熱可塑性合成繊維不織布と天
然繊維不織布とが積層されてなる積層不織構造体が知ら
れている。例えば,特公昭54−24506号公報に
は,熱可塑性合成繊維不織布からなる通気性熱溶着層と
天然繊維等からなる通気性非熱溶着層とが積層され,非
熱溶着層上に熱溶着性物質が点在的に配置され,かつ熱
溶着性物質と熱溶着層との溶融部が非熱溶着層の両面か
ら浸透して前記非熱溶着層を接着挟持した構造を有する
積層不織構造体が提案されている。しかしながら,この
積層不織構造体は,天然繊維が積層されているため吸水
性が優れ,かつ熱溶着層が熱溶着処理により非熱溶着層
すなわち天然繊維層に浸透しているため引張り強力と剥
離強力等の機械的性能は優れるものの,柔軟性等の風合
いが低下するという問題を有している。しかも,この積
層不織構造体は,これを製造するに際して通気性熱溶着
層と通気性非熱溶着層とを積層する工程と,非熱溶着層
上に含浸用熱溶着性シート層を積層し,超音波融着処理
により熱溶着性物質と熱溶着層との溶融部を非熱溶着層
の両面から浸透させて前記非熱溶着層を接着挟持した構
造を発現させる工程と,前記含浸用熱溶着性シートをそ
の溶融部を残して剥離する工程とを必要とするなど製造
技術の観点からすれば煩雑で,経済性にも劣るものであ
った。一方,前記積層不織構造体において,その柔軟性
を向上させ,併せてフイルタ特性を具備せしめることを
目的に,熱可塑性合成繊維不織布として相異なる二種の
重合体が海島型に配置された二成分系フイラメントを溶
融紡糸し一方の重合体を溶媒で除去して得た極細繊維か
らなる不織布,あるいは溶融重合体を紡糸孔から押し出
し高温空気流により高速で牽引するいわゆるメルトブロ
ーン法により得た極細繊維不織布を採用することが考え
られる。しかしながら,前者の二成分系フイラメントを
出発原料とする不織布は,これを製造するに際して重合
体を溶解除去するための種々の複雑な工程を要し,ま
た,後者の不織布は,その構成繊維は確かに極細繊維で
はあるものの,この繊維を製造するに際して吐出直後の
溶融状態のままで重合体を牽引・細化するため延伸配向
と結晶化が十分に進行せず,したがって得られた繊維の
強度が実用上十分な水準まで向上しない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,前記問題を
解決し,ポリオレフイン系重合体とポリエステル系重合
体とからなる網状構造繊維不織布と天然繊維不織布とが
積層されてなる積層不織構造体であって,引張り強力と
層間の剥離強力が高く,柔軟性が優れ,可染性を有し,
吸水性と吸油性を併せて具備し,またリントフリー性を
備え,さらに優れたバクテリアバリア性を有し,医療・
衛生材用,衣料用や生活関連材用あるいは産業資材用の
素材として好適な積層不織構造体を提供しようとするも
のである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは,前記問題
を解決すべく鋭意検討の結果,本発明に到達した。すな
わち,本発明は,以下の構成をその要旨とするものであ
る。ポリオレフイン系重合体からなるフイブリル繊維と
ポリエステル系重合体からなるフイブリル繊維とを主構
成要素とする三次元的網状構造繊維から構成され,かつ
構成繊維間が部分的に熱接着されてなる網状構造繊維不
織布と,天然繊維同士が機械的に交絡してなる不織布と
が積層され,前記網状構造繊維と天然繊維とが融着され
てなる点状融着区域を有し,かつその点状融着区域にお
いて両不織布層の少なくとも境界面に位置する天然繊維
が前記網状構造繊維の融解部に埋設された状態で固定さ
れることにより全体として一体化されてなることを特徴
とする積層不織構造体。
【0005】次に,本発明を詳細に説明する。まず,本
発明における網状構造繊維から構成される不織布に関し
てであるが,この不織布は,いずれも繊維形成性を有す
るものの,相互に非相溶性の2種の重合体からなるフイ
ブリル繊維,すなわちポリオレフイン系重合体のフイブ
リル繊維とポリエステル系重合体のフイブリル繊維とを
主構成要素とし,かつこれらが混在してなるものであ
る。本発明における網状構造繊維の一構成要素であるポ
リオレフイン系重合体は,繊維形成性を有する低密度ポ
リエチレン,線状低密度ポリエチレン,中密度ポリエチ
レン,高密度ポリエチレンあるいはエチレンを主体とし
これに他の成分が共重合された共重合ポリエチレン,結
晶性ポリプロピレンあるいはプロピレンを主体としこれ
に他の成分が共重合された共重合ポリプロピレン等であ
る。これらの重合体は,その密度が高いほどフイブリル
繊維としたときそのモジユラスが向上し,あるいはフイ
ブリル繊維のヌメリ感や粘着性が減少して不織布とした
ときに風合いが向上するので好ましい。前記ポリエチレ
ン系重合体としては,ASTM−D−1238(E)に
記載の方法により測定されるメルトインデツクスが0.
3〜30g/10分のものを,また,前記ポリプロピレ
ン系重合体としては,ASTM−D−1238(L)に
記載の方法により測定されるメルトフローレート値が1
〜40g/10分以下のものを用いることが好ましい。
ポリエチレン系重合体のメルトインデツクスが0.3g
/10分未満,ポリプロピレン系重合体のメルトフロー
レート値が1g/10分未満であると,重合体を溶媒に
溶解して得た溶液の溶融粘度が著しく高くなって極細の
フイブリル繊維を得ることが困難となるため好ましくな
い。一方,ポリエチレン系重合体のメルトインデツクス
が30g/10分を超え,ポリプロピレン系重合体のメ
ルトフローレート値が40g/10分を超えると,重合
度が低過ぎてフラツシユ紡糸時の紡糸速度に追随でき
ず,紡出された繊維が短繊維状あるいは略粉体状の形態
を有するものとなり,仮に極細のフイブリル繊維を得る
ことができたとしてもその強度が向上せず,また,フイ
ブリル繊維においてヌメリ感や粘着性が増大して不織布
としたときに風合いが低下したり,粘着性の増大により
ハンドリング性が低下したりするため好ましくない。
【0006】本発明における網状構造繊維の他の構成要
素であるポリエステル系重合体は,ポリエチレンテレフ
タレート,ポリブチレンテレフタレート,あるいはこれ
らを主成分としフタル酸,イソフタル酸,グルタール
酸,アジピン酸,スルホイソフタル酸等の酸成分,ジエ
チレングリコール,プロピレングリコール,1,4−ブ
タンジオール,2,2−ビス(4−ヒドロキシエートキ
シフエニル)プロパン,ビスフエノールA,ポリアルキ
レングリコール等のジオール成分が15モル%までの範
囲で共重合されたポリエステル系共重合体である。この
重合体としては,繊維形成性を有しテトラクロールエタ
ンとフエノールとの等重量混合液を溶媒として重合体濃
度0.5重量%かつ温度20℃で測定したときの相対粘
度が1.3〜1.6のものから,固相重合により作成さ
れ相対粘度が1.7程度の高粘度のものまで用いること
ができる。しかしながら,重合体が相対粘度1.3未満
の低粘度のものであると,重合度が低過ぎてフラツシユ
紡糸時の紡糸速度に追随できず,紡出された繊維が短繊
維状あるいは略粉体状の形態を有するものとなるため好
ましくない。なお,本発明においては,前記いずれの重
合体にも,あるいは重合体を溶媒に溶解して作成した紡
糸液中には,通常,繊維に用いられる艶消し剤,耐光
剤,耐熱剤,顔料,開繊剤,紫外線吸収剤,畜熱剤,安
定剤等を本発明の効果を損なわない範囲内であれば添加
することができる。
【0007】本発明における前記網状構造繊維は,上述
したように,ポリオレフイン系重合体のフイブリル繊維
とポリエステル系重合体のフイブリル繊維とを主構成要
素とし,かつ両重合体の存在比(重量比)を5〜95/
95〜5として混在してなるものである。この網状構造
繊維において,ポリオレフイン系重合体とポリエステル
系重合体の全重量に対するポリオレフイン系重合体の比
率すなわち存在比率が5重量%未満であると(ポリエス
テル系重合体が95重量%を超える。),得られた網状
構造繊維の強度とモジユラスが低下し,したがって不織
布自体の強度が低下し,また軽量性も劣り,一方,存在
比率が95重量%を超えると(ポリエステル系重合体が
5重量%未満である。),得られた網状構造繊維のモジ
ユラスが低下し,したがって不織布自体が繊維の低モジ
ユラス化により腰が弱くかつ着用感が乏しいものとな
り,しかもポリオレフインリツチのためヌメリ感が発現
したり,染色性が低下したりするので,いずれも好まし
くない。したがって本発明では,前記ポリオレフイン系
重合体とポリエステル系重合体の存在比(重量比)を5
〜95/95〜5とし,好ましくは15〜85/85〜
15とする。
【0008】本発明における前記網状構造繊維は,0.
01〜10μm相当径のフイブリル繊維が連続しながら
集合し,三次元的な網状構造を呈するごとく網状にかつ
長手方向にエンドレスに広がった構造を有するものであ
る。一般に,相互に非相溶性の重合体の混合物からなる
繊維は,物理的な力により個々の成分に分離され易いこ
とが知られている。本発明における前記網状構造繊維
は,上述したように2種のフイブリル繊維が三次元的網
状構造を具備してなるものであるが,これらのフイブリ
ル繊維は相互に非相溶性のポリオレフイン系重合体とポ
リエステル系重合体との混合物がフラツシユ紡糸時に個
々の重合体成分に分離・フイブリル化して形成されたも
のであるので,極めて微細なフイブリル繊維から構成さ
れることになる。したがって,得られた網状構造繊維を
用いて不織布としたときは,緻密な構造を有するものの
柔軟性が向上し,透湿性が十分に保持されたままバクテ
リアバリア性が向上することになる。本発明における前
記網状構造繊維は,上述したとおり前記2種のフイブリ
ル繊維を主構成要素とするものであるが,この網状構造
繊維では,これら主構成要素の他に,ポリオレフイン系
重合体とポリエステル系重合体とが複合されてなるフイ
ブリル繊維や,これら2種の重合体の混合物からなるフ
イブリル繊維も一部存在する。本発明では,このフイブ
リル繊維の相当径としては,0.01〜10μmである
のが好ましく,特に緻密性や柔軟性あるいは高透湿性・
高フイルタ性を要する場合には,0.01〜0.1μm
とするのがよい。
【0009】本発明における前記網状構造繊維からなる
不織布は,その目付けが20〜200g/m2 のもので
あるのが好ましい。目付けが20g/m2 未満である
と,網状構造繊維不織布と天然繊維不織布とを積層一体
化してなる積層不織構造体の接着強力が低くなり,一
方,目付けが200g/m2 を超えると,得られる積層
不織構造体を例えば柔軟性が特に要求されるような分野
に適用することが困難となったり,あるいはこの不織布
に天然繊維不織布を積層した後,超音波融着装置を用い
融着処理を施して一体化するに際し,加工速度を遅くし
たりあるいは多大の超音波エネルギを供給する必要が生
じたりして,いずれも好ましくない。したがって,本発
明では,この網状構造繊維不織布の目付けを20〜20
0g/m2 とし,好ましくは50〜150g/m2 とす
る。
【0010】本発明における前記網状構造繊維からなる
不織布は,例えば米国特許第3227794号公報に記
載されたようないわゆるフラツシユ紡糸法により効率良
く製造することができる。すなわち,前記ポリオレフイ
ン系重合体とポリエステル系重合体とを同一浴の溶媒に
高温高圧下で溶解して得た溶液を紡糸液として用い,こ
れを自生圧以上にさらに加圧しながら圧力降下室を有す
る紡糸孔を通して大気中に紡出し,紡出直後に溶媒を瞬
間的に気化させて網状の繊維構造を形成するのである。
溶液を作成するに際し用いる溶媒としては,ベンゼン,
トルエン等の芳香族炭化水素,ブタン,ぺンタン,ヘキ
サン,ヘプタン,オクタン又はこれらの異性体や同族体
等の脂肪族炭化水素,シクロヘキサン等の脂環族炭化水
素,塩化メチレン,四塩化炭素,クロロホルム,1,1
−ジクロル−2,2ジフルオロエタン,1,2−ジクロ
ル−1,1ジフルオロエタン,塩化メチル,塩化エチ
ル,フルオロカーボン等のハロゲン化炭化水素,アルコ
ール,エステル,エーテル,ケトン,ニトリル,アミ
ド,二酸化硫黄,二硫化炭素,ニトロメタン等の不飽和
炭化水素,あるいは上述した溶媒の混合物を用いること
ができる。溶媒として塩化メチレン,1,1−ジクロル
−2,2ジフルオロエタン,1,2−ジクロル−1,1
ジフルオロエタンを用いると,従来のフロンを溶媒とし
て用いる場合にみられたような地球環境を害するという
ことがなくて好ましい。
【0011】ここで,前記ポリオレフイン系重合体とし
てポリエチレン系重合体を用いる場合には,上述したと
ころのASTM−D−1238(E)に記載の方法によ
り測定されるメルトインデツクスが0.3〜30g/1
0分のものを,また,前記ポリプロピレン系重合体を用
いる場合には,上述したところのASTM−D−123
8(L)に記載の方法により測定されるメルトフローレ
ート値が1〜40g/10分以下のものを用いることが
好ましい。さらに,前記ポリエステル系重合体として
は,テトラクロールエタンとフエノールとの等重量混合
液を溶媒として重合体濃度0.5重量%かつ温度20℃
で測定したときの相対粘度が1.3以上高重合度のもの
を用いることが好ましい。
【0012】この紡糸液を用いてフラツシユ紡糸するに
際しての紡出性と得られた網状構造繊維の特性を勘案す
ると,これらがこの紡糸液における重合体の重合度や溶
媒の温度に対する自生圧力あるいは窒素の加圧状態等に
より左右されるため,前記ポリオレフイン系重合体とポ
リエステル系重合体との濃度を一概に特定することは困
難であるが,これを敢えて特定すれば,全重合体を5〜
30重量%,溶媒を95〜70重量%とするのが好まし
い。この全重合体の濃度が5重量%未満であると,フイ
ブリル繊維が連続した構造の網状構造繊維を得ることが
困難となり,一方,重合体の濃度が30重量%を超える
と,重合体の濃度が高過ぎて溶解が不均一となるため極
細のフイブリル繊維を得ることができず,しかも紡出さ
れた繊維はそのフイブリル繊維がその側面で相互に接合
し,かつ内部に空洞を有する中空構造の繊維となって高
強度のフイブリル繊維からなる網状構造繊維を得ること
ができず,いずれも好ましくない。紡糸液を作成するに
際して,前記全重合体を溶質とし,これらを溶媒と共に
溶解装置に充填し昇温・混練しながら溶液を作成し,得
られた溶液を紡糸液として用いる。溶解装置としては,
従来から最も広範に用いられているオートクレーブや,
例えばエクストルーダとこれに連続して配設された混練
装置とからなる連続溶解装置等を用いることができる。
【0013】溶解装置内でこの紡糸液を昇温・混練を行
うに際しては,その純度が99重量%以上の酸素を含有
しない窒素あるいは二酸化炭素といった不活性気体によ
る加圧下で行うと,紡糸圧力をなお一層高めることがで
きて好ましい。窒素あるいは二酸化炭素の気体はいわゆ
る不活性気体であって,本発明で用いる紡糸液中に殆ど
溶解せず重合体に対して悪影響を及ぼさないため,紡糸
液に対して実質的な圧力を印加することができる。
【0014】また,溶解装置内でこの紡糸液を作成する
に際して,液中にノニオン系の表面活性剤を,例えばラ
ウリン酸,ステアリン酸,オレイン酸等の各モノエステ
ル,ラウリルアルコール,ステアリルアルコール,オレ
イルアルコール等のポリオキシエチレン付加物などの表
面活性剤を添加することもできる。この表面活性剤を添
加することにより,紡糸液を乳化状態に安定して保つこ
とができる。
【0015】溶解装置内で前記全重合体を溶媒に溶解す
るに際しての溶解時間は,5〜90分とするのが好まし
い。溶解するに際しての溶解時間が90分を超えると,
紡糸液中のポリエステル系重合体の熱分解が激しくなっ
てフイブリル繊維の強度が向上せず,一方,この溶解時
間が5分未満であると,全重合体の溶解が不十分となっ
て均一なフイブリル繊維からなる網状構造繊維を得るこ
とが困難となったり,あるいは紡糸時にフイルタの目詰
まりを生じたりするため,いずれも好ましくない。
【0016】紡糸液を溶解するに際しての温度すなわち
溶解温度とフラツシユ紡糸するに際しての温度すなわち
紡糸温度は,いずれも全重合体が溶媒に十分に溶解しか
つ紡糸液をフラツシユ紡糸して極細のフイブリル繊維が
集合し三次元的に網状に広がった構造を有する繊維を得
ることができるような温度であれば特に限定されるもの
ではないが,敢えて特定すれば,170〜230℃とす
るのが好ましい。この溶解温度や紡糸温度が170℃未
満であると,全重合体が溶媒に均一に溶解しないため極
細のフイブリル繊維を得ることができず,一方,この溶
解温度や紡糸温度が230℃を超えると,ポリオレフイ
ン系重合体とポリエステル系重合体の熱分解が生じて得
られたフイブリル繊維の強度が向上せず,また強度は保
持していても着色が生じたりし,いずれも好ましくな
い。
【0017】紡糸液をフラツシユ紡糸するに際しての圧
力は,全重合体の濃度と溶媒量そして窒素の注入量等に
より左右されるため一概に限定されないが,通常,40
〜120kg/cm2 とするのが好ましい。繊維の強度
は重合体の分子鎖自体が十分に延伸・配向されることに
より発現されるのであり,フラツシユ紡糸法すなわち前
記紡糸液を圧力降下室を有する紡糸孔を通して紡出し,
紡出直後に溶媒を瞬間的に気化させて網状の繊維構造を
形成する方法においては,この延伸・配向を紡出直後の
瞬間的な溶媒の気化に伴う爆発力によって行う。この爆
発力とは,溶媒が瞬間的に気化する際の気化力であり,
通常,0.1秒以下の時間で溶媒が一気に気化するとき
の力を意味する。したがって,この紡糸圧力は40kg
/cm2以上とするのが好ましく,紡糸圧力が40kg
/cm2 未満であると,紡糸液を用いてフラツシユ紡糸
するに際しての爆発力が低下しフイブリル繊維の配向が
不十分となってその強度が向上せず,また紡出状態が不
均一なものとなって高度にフイブリル化した網状構造繊
維を安定して得ることが困難となり,一方,圧力が12
0kg/cm2 を超えると,紡糸液中のポリエステル系
重合体の粘度が低下してフイブリル繊維の強度が十分に
向上せず,いずれも好ましくない。
【0018】本発明では,前記のようにして得られた網
状構造繊維からなる不織ウエブに対し,部分熱接着処理
を施して形態を保持させる。この部分熱接着処理を施す
に際しては公知の方法を採用することができる。例え
ば,得られた不織ウエブを加熱されたエンボスローラと
表面が平滑な金属ローラ等とからなる両ローラ間に通す
方法あるいは超音波融着装置を用いる方法である。この
部分熱接着処理法を採用するに際しては,網状構造繊維
不織布と天然繊維不織布との積層後に施す融着処理を効
果的ならしめるため,軽度の処理条件を採用するのが好
ましい。例えば,加熱されたエンボスローラを用いる場
合,ロールの表面温度を網状構造繊維中最も低い融点を
有する重合体の融点より5〜40℃低い温度とし,かつ
ロールの線圧を0.5〜50kg/cmとして軽度の擬
似的な部分的熱接着領域を形成するのが好ましい。この
温度と前記重合体の融点との差が40℃を超えかつ線圧
が0.5kg/cm未満であると,熱接着処理効果が乏
しく,得られた不織布の形態保持性が向上せず,したが
ってこの不織布自体の強力が向上せず,一方,この温度
と前記重合体の融点との差が5℃未満あるいは重合体の
融点を超えかつ線圧が50kg/cmを超えると,部分
熱接着処理効果が大きくなり過ぎるため,網状構造繊維
が部分的熱接着点以外の領域で融着したり,あるいは極
端なときには不織布に穿孔が生じたりするため,いずれ
も好ましくない。超音波融着装置を用いるに際しては,
公知の装置すなわち周波数が約20KHzの通常ホーン
と呼称される超音波発振器と,円周上に点状又は帯状に
凸状突起部を具備するパターンロールとからなる装置を
用い,被処理物を超音波発振器とパターンロールとの間
に通すことによって可能となる。そして,熱エンボスロ
ーラを用いる場合のエンボスパターンあるいは超音波融
着装置を用いる場合のパターンロールのパターンは,圧
接面積率が4〜50%の範囲内であれば特に限定される
ものではなく,丸型,楕円型,菱型,三角型,T字型,
井型等任意の形状でよい。なお,この熱エンボスローラ
あるいは超音波融着装置を用いる部分熱接着処理は,連
続工程あるいは別工程のいずれであってもよい。
【0019】次に,本発明における天然繊維同士が機械
的に交絡してなる不織布に関してであるが,この不織布
を構成する天然繊維とは,木綿繊維や麻繊維等のセルロ
ース系繊維の他に,ラミー等の動物繊維,絹短繊維,天
然パルプ,レーヨンに代表される各種再生短繊維をも包
含するものである。本発明では,この天然繊維からなる
不織布の出発原料として,晒し加工の施されていないコ
ーマ糸,晒し加工された晒し綿,あるいは織物・編物か
ら得られる各種反毛を用いることもできる。出発原料と
して反毛を用いる場合,効果的に用い得る反毛機として
は,ラツグマシン,ノツトブレーカ,ガーネツトマシ
ン,廻切機が挙げられる。用いる反毛機の種類と組み合
わせは,反毛される織物・編物等の布帛形状や構成する
糸の太さあるいは撚りの強さにもよるが,同一の反毛機
を複数台直列に連結したり,2種以上の反毛機を組み合
わせて使用したりするとより効果的である。この反毛機
による解繊率(%)は30〜95%の範囲であるのが好
ましい。この解繊率が30%未満であると,カードウエ
ブ中に未解繊繊維が存在するため不織布表面にザラツキ
が生じるのみでなく,例えば高圧液体柱状流処理により
天然繊維同士を三次元的機械的交絡を施すに際して未解
繊繊維部分を高圧液体柱状流が十分貫通せず,一方,解
繊率が95%を超えると,前記極細繊維不織布と積層・
一体化して得られる積層不織構造体にて十分な表面摩擦
強度が得られず,いずれも好ましくない。なお,ここで
いう解繊率(%)とは,下記式(1)により求められる
ものである。 解繊率(%)=(被反毛重量−糸状物重量)×100/被反毛重量・・(1)
【0020】本発明における天然繊維不織布は,前記天
然繊維からなり,かつ繊維同士が機械的に交絡してなる
ものである。すなわち,天然繊維同士が,高圧液体柱状
流処理あるいはニードルパンチング処理により機械的に
交絡したものであり,特に前者の場合,繊維同士が三次
元的に交絡して不織布の嵩高性が向上すると共に柔軟性
も向上するため,例えば前記網状構造繊維不織布と積層
・一体化して得られる積層不織構造体を衛生材用あるい
は生活関連材用の素材として用いる上でより好ましい。
【0021】この不織布は,前記天然繊維素材の中から
選択された単一素材あるいは複数種の素材が混合されて
なるものを出発原料とし,カード機を用いて所定目付け
のカードウエブを作成し,次いで得られたウエブに高圧
液体柱状流処理あるいはニードルパンチング処理により
繊維間に機械的交絡を施すことにより容易に得ることが
できる。このカードウエブは,構成繊維の配列度合によ
って種々選択することができ,例えばカード機の進行方
向に配列したパラレルウエブ,パラレルウエブがクロス
レイドされたウエブ,ランダムに配列したランダムウエ
ブあるいは両者の中程度に配列したセミランダムウエブ
等が挙げられる。また,衣料用素材としての展開を図り
たい場合には,不織布強力の縦/横比が概ね1/1とな
るカードウエブを使用するのが好ましい。
【0022】高圧液体柱状流処理の場合,例えば孔径が
0.05〜1.5mm特に0.1〜0.4mmの噴射孔
を孔間隔を0.05〜5mmで1列あるいは複数列に多
数配列した装置を用い,噴射圧力が5〜150kg/c
2 Gの高圧液体を前記噴射孔から噴射し,多孔性支持
部材上に載置したカードウエブに衝突させることにより
繊維間に三次元的交絡を付与する方法を採用する。噴射
孔の配列は,このカードウエブの進行方向と直交する方
向に列状に配列する。高圧液体としては,常温の水ある
いは温水を用いることができる。噴射孔とウエブとの間
の距離は,1〜15cmとするのがよい。この距離が1
cm未満であるとこの処理により得られる不織布の地合
いが乱れ,一方,この距離が15cmを超えると液体流
が積層物に衝突したときの衝撃力が低下して三次元的な
交絡が十分に施されず,いずれも好ましくない。この高
圧液体柱状流による処理は,少なくとも2段階に別けて
施すとよい。すなわち,第1段階の処理として圧力が5
〜40kg/cm2 Gの高圧液体流を噴出し前記ウエブ
に衝突させ,ウエブの構成繊維同士を予備的に交絡させ
る。この第1段階の処理において,液体流の圧力が5k
g/cm2 G未満であるとウエブの構成繊維同士を予備
的に交絡させることができず,一方,液体流の圧力が4
0kg/cm2 Gを超えるとウエブに高圧液体流を噴出
し衝突させたときウエブの構成繊維が液体流の作用によ
って乱れ,ウエブに地合いの乱れや目付け斑が生じるた
め,いずれも好ましくない。引き続き,第2段階の処理
として圧力が50〜150kg/cm2 Gの高圧液体流
を噴出し前記ウエブに衝突させ,ウエブの構成繊維同士
を三次元的に交絡させて全体として緻密に一体化させ
る。この第2段階の処理において,液体流の圧力が50
kg/cm2 G未満であると,上述したような繊維間の
三次元的交絡を十分に形成することができず,一方,液
体流の圧力が150kg/cm2 Gを超えると,得られ
る不織布の嵩高性と柔軟性が向上せず,いずれも好まし
くない。なお,ウエブの目付けによっては,第2段階の
処理に引き続き第3段階の処理として,第2段階の処理
側と逆の側から第2段階の処理と同様の条件にて再度処
理を施すことにより,表裏共に緻密に繊維同士が交絡し
た不織布を得ることができる。高圧液体柱状流処理を施
すに際して用いる前記ウエブを担持する多孔性支持部材
としては,例えば20〜100メツシユの金網製あるい
は合成樹脂製等のメツシユスクリーンや有孔板など,高
圧液体流がウエブを貫通し得るものであれば特に限定さ
れない。また,多孔性支持部材のメツシユ構成は20本
/25mm〜200本/25mmの範囲であるのが好ま
しく,20本/25mm未満であると,高圧液体柱状流
がウエブに衝突した際に繊維が柱状流と共にメツシユス
クリーンを通過して繊維の脱落が発生し,一方,200
本/25mmを超えると,高圧液体柱状流がウエブとメ
ツシユスクリーンとを通過するに要するエネルギー量が
多大になって生産コストが上昇し,いずれも好ましくな
い。高圧液体流処理を施した後,処理後の前記ウエブか
ら過剰水分を除去する。この過剰水分を除去するに際し
ては,公知の方法を採用することができる。例えばマン
グルロール等の絞り装置を用いて過剰水分をある程度機
械的に除去し,引き続きサクシヨンバンド方式の熱風循
環式乾燥機等の乾燥装置を用いて残余の水分を除去して
不織布を得ることができる。
【0023】本発明における天然繊維不織布は,その目
付けが30〜200g/m2 のものであるのが好まし
い。目付けが30g/m2 未満であると,天然繊維の単
位面積当たりの存在量が小さ過ぎて本発明が目的の一つ
とする吸水性が十分に具備されず,一方,目付けが20
0g/m2 を超えると,前記網状構造繊維不織布との積
層の後に超音波融着装置を用いて点状融着区域を形成す
ることにより一体化して得られる積層不織構造体におい
て,その剥離強力が十分に向上せず,いずれも好ましく
ない。したがって,本発明では,この天然繊維不織布の
目付けを30〜200g/m2 とし,好ましくは50〜
150g/m2 とする。
【0024】次に,本発明の積層不織構造体に関して説
明する。本発明の積層不織構造体は,前記網状構造繊維
不織布と天然繊維不織布とが積層され,前記網状構造繊
維と天然繊維とが融着されてなる点状融着区域を有し,
かつ前記点状融着区域において前記両不織布層の少なく
とも境界面に位置する天然繊維が前記網状構造繊維の融
解部に埋設された状態で固定されることにより全体とし
て一体化されてなるものである。この点状融着区域と
は,周波数が約20KHzの通常ホーンと呼称される超
音波発振器と,円周上に点状又は帯状に凸状突起部を具
備するパターンロールとからなる超音波融着装置を用い
て形成され,前記凸状突起部に該当する部分に当接する
繊維同士を融着させたものである。本発明の積層不織構
造体は,不織構造体全表面積に対して特定の領域と特定
の配置の点状融着区域を有する。個々の点状融着区域は
必ずしも円形の形状である必要はなく,円形の他に例え
ば十字形,−形,菱形,T字形,□形,△形等いずれの
形状であってもよいが,不織構造体全表面積に対する全
点状融着区域の面積の比(%)が4〜50の範囲を満足
することが好ましい。この不織構造体全表面積に対する
全点状融着区域の面積の比が4%未満であると,前記網
状構造繊維不織布と天然繊維不織布との積層後に超音波
融着装置を用いて点状融着区域を形成することにより一
体化して得られる積層不織構造体においてその剥離強力
が十分に向上せず,一方,前記面積の比が50%を超え
ると,得られる積層不織構造体の柔軟性と嵩高性が低下
し,いずれも好ましくない。したがって,本発明では,
前記面積の比(%)を4〜50,好ましくは8〜25と
するのがよい。また,前記点状融着区域は,その点状融
着区域の配設密度(点/cm2 )が7〜80であるのが
好ましい。この点状融着区域の配設密度が7点/cm2
未満であると,得られる積層不織構造体の接着力すなわ
ち剥離強力が低下するのみならず強力に斑が生じ,一
方,同区域密度が80点/cm2 を超えると,得られる
積層不織構造体の柔軟性と嵩高性が低下し,いずれも好
ましくない。したがって,本発明では,前記区域密度
(点/cm2 )を7〜80,好ましくは8〜50とする
のがよい。
【0025】本発明において用い得る超音波融着装置
は,上述したような公知の装置すなわち周波数が約20
KHzの通常ホーンと呼称される超音波発振器と,円周
上に点状又は帯状に凸状突起部を具備するパターンロー
ルとからなる装置である。前記超音波発振器の下部に前
記パターンロールが配設され,被処理物は超音波発振器
とパターンロールとの間に通される。このパターンロー
ルに配設される凸状突起部は1列あるいは複数列であっ
てもよく,また,その配設が複数列の場合には,並列あ
るいは千鳥型のいずれの配列でもよい。融着処理に際し
ては,ホーンに空気圧を印加して加圧する。ホーンとパ
ターンロール間の線圧は,通常1〜10kg/cmと
し,線圧が1kg/cm未満であると,前記網状構造繊
維不織布と天然繊維不織布との積層物に対する押し圧が
不足して融着が生じなく,一方,線圧が10kg/cm
を超えると,点状融着区域に対する押し圧が高過ぎて融
着区域に相当する前記網状構造繊維不織布が熱分解した
り,あるいは極端な場合には穿孔が生じたりして得られ
る積層不織構造体の接着力が低下し,いずれも好ましく
ない。本発明の積層不織構造体は,前記網状構造繊維不
織布と天然繊維不織布との積層物に前述した超音波融着
装置を用いて融着処理を施すことにより,点状融着区域
において,前記両不織布層の少なくとも境界面に位置す
る天然繊維が前記網状構造繊維の融解部に埋設された状
態で固定され全体として一体化されたものである。図1
は,本発明の積層不織構造体における前記点状融着区域
の断面を示す模式図である。図において,1は点状融着
区域において融解した網状構造繊維層,2は天然繊維
で,同図から明らかなように点状融着区域において両不
織布層の少なくとも境界面に位置する天然繊維2は,網
状構造繊維が融解した融解部すなわち1に埋設された状
態で固定されており,両不織布層が点状融着区域におい
てこのような接着構造を有するため,引張り強力のみな
らず層間剥離強力の高い積層不織構造体が形成される。
【0026】
【作用】本発明の積層不織構造体は,片面ではポリオレ
フイン系重合体からなるフイブリル繊維とポリエステル
系重合体からなるフイブリル繊維とを主構成要素とする
三次元的網状構造繊維からなる不織布から構成されるた
め柔軟性が優れ,微細なフイブリル繊維の存在による吸
水性と優れたバクテリアバリア性とを呈し,ポリエステ
ル系重合体の存在による吸油性と可染性を呈し,前記網
状構造繊維間が部分的に熱接着されているためリントフ
リー性を有し,他面では天然繊維同士が機械的に交絡し
てなる不織布から構成されるため吸水性と可染性を呈す
る。また,前記極細の網状構造繊維と天然繊維同士の三
次元的交絡との相乗効果により一層,吸水性が向上す
る。さらに,前記網状構造繊維と天然繊維とが融着され
てなる点状融着区域において前記両不織布層の少なくと
も境界面に位置する天然繊維が前記網状構造繊維の融解
部に埋設された状態で固定された接着構造を有するた
め,層間剥離強力の高い積層不織構造体となる。
【0027】
【実施例】次に,実施例に基づき本発明を具体的に説明
するが,本発明は,これらの実施例によって何ら限定さ
れるものではない。実施例において,各特性値の測定を
次の方法により実施した。 重合体の融点(℃):パーキンエルマ社製示差走査型熱
量計DSC−2型を用い,試料重量を5mg,昇温速度
を20℃/分として測定し,得られた融解吸熱曲線にお
いて最大極値を与える温度を融点(℃)とした。 メルトインデツクス(g/10分):ASTM−D−1
238(E) に記載の方法により測定した。 メルトフローレート値(g/10分):ASTM−D−
1238(L) に記載の方法により測定した。 相対粘度:フエノールと四塩化エタンとの等重量混合溶
液を溶媒とし,試料濃度が0.5g/100cc,温度
が20℃の条件で常法により測定した。 平均単繊維繊度(μm):試料の電子顕微鏡写真を撮影
し,得られた写真から平均単繊維径を求めた。 目付け(g/m2 ):標準状態の試料から縦10cm×
横10cmの試料片計10点を作成し平衡水分に到らし
めた後,各試料片の重量(g)を秤量し,得られた値の
平均値を単位面積(m2 )当たりに換算し目付け(g/
2 )とした。 引張り強力(kg/5cm幅)及び引張り伸度(%):
JIS−L−1096Aに記載の方法に準じて測定し
た。すなわち,試料長が10cm,試料幅が5cmの試
料片計10点を作成し,各試料片毎に不織布の経及び緯
方向について定速伸長型引張り試験機(東洋ボールドウ
イン社製テンシロンUTM−4−1−100)を用いて
引張り速度10cm/分で伸長し,得られた切断時荷重
値(kg/5cm幅)の平均値を目付け100g/m2
当りに換算して得た値を引張り強力(kg/5cm
幅),切断時伸長率(%)の平均値を引張り伸度(%)
とした。 層間剥離強力(g/5cm幅):試料長が10cm,試
料幅が5cmの試料片計10点を作成し,各試料片毎に
不織布の経方向について,定速伸長型引張り試験機(東
洋ボールドウイン社製テンシロンUTM−4−1−10
0)を用いて引張速度10cm/分で天然繊維不織布層
を網状構造繊維不織布層から積層構造体の端部から計っ
て5cmの位置まで強制的に剥離させ,得られた荷重値
(g/5cm幅)の平均値を層間剥離強力(g/5cm
幅)とした。 剛軟度(g):試料長が10cm,試料幅が5cmの試
料片計5点を作成し,各試料片毎に横方向に曲げて円筒
状物とし,各々その端部を接合したものを剛軟度測定試
料とした。次いで,各測定試料毎にその軸方向につい
て,定速伸長型引張り試験機(東洋ボールドウイン社製
テンシロンUTM−4−1−100)を用いて圧縮速度
5cm/分で圧縮し,得られた最大荷重値(g)の平均
値を剛軟度(g)とした。したがって,この剛軟度の値
が低いほど,柔軟な不織布であることを意味する。 透湿度(g/m2 /24時間):JIS−L−1099
A1に記載の方法に準じて温度40℃,湿度90%の条
件で測定した。 耐水圧(mm水柱):JIS−L−1092Bに記載の
高水圧法に準じて測定した。 吸水性(mm):JIS−L−1096に記載のバイレ
ツク法に準じて測定した。 染色性:不織布の試料片に下記の分散染色又カチオン染
色を施し,連続して下記の還元染色を施した。 分散染色:分散染料としてBlue E-FBL(住友化学社製)
1%owf,分散剤としてDisper- TL(明成化学社製)
1g/リツトル,助剤として蟻酸0.1g/リツトルを
それぞれ用い,浴比1:50,処理時間60分間の条件
でボイル染色を実施した。 カチオン染色:カチオン染料としてAstrazon Blue FFR
(バイエル社製)1%owf,均染剤としてミグレガー
ルWA−10(センカ社製)0.5g/リツトル,助剤とし
て硫酸ソーダ10%owfをそれぞれ用い,浴比1:5
0,処理時間60分間の条件でボイル染色を実施した。 還元染色:精練剤としてサンモールRL-100(日華化学社
製)1g/リツトル,ハイドロサルフアイト2g/リツ
トル,カセイソーダ1g/リツトルをそれぞれ用い,浴
比1:50,処理温度80℃,処理時間20分間の条件
で実施した。次いで,各試料片を水洗し乾燥した後,試
料片の染色性を下記の4段階で評価した。 ◎:極めて良好,○:良好,△:やや良好,×:不良
【0028】実施例1 まず,融点が132℃,密度が0.96g/cm3 でか
つメルトインデツクスが0.8g/10分の高密度ポリ
エチレン重合体1000gと,融点が256℃でかつ相
対粘度が1.4のポリエチレンテレフタレート重合体1
000gと〔高密度ポリエチレン重合体とポリエチレン
テレフタレート重合体の混合比(重量比)は50/5
0〕,塩化メチレン8000gと,表面活性剤としての
イソオクチルステアレートとイソステアリルエステルと
をオートクレーブに充填した。表面活性剤の添加量は,
前記溶液に対して各々0.2重量%とした。オートクレ
ーブを閉鎖し,引き続きオートクレーブの内圧が50k
g/cm2 Gになるまで窒素ガスを注入した後,この溶
液を適度な速度で攪拌しながら加熱した。このとき,オ
ートクレーブの内温が100℃から上昇し200℃に到
達するまでの昇温時間は30分間であった。次いで,こ
の溶液を温度200℃で10分間混練して均一な溶液を
得た。このとき,オートクレーブの内圧は106kg/
cm2 Gであった。引き続き,この内圧すなわち紡糸圧
力106kg/cm2 Gで直ちにオートクレーブのバル
ブを開放して圧力降下室を有する孔径0.75mmで孔
長/孔径の比が1の紡出孔より紡糸液を大気中に紡出
し,前記ポリエチレン重合体とポリエチレンテレフタレ
ート重合体とからなる網状構造繊維を紡出し,紡出繊維
群を回転板上に衝突させて開繊し,移動する移動する金
網製ベルト上に捕集・堆積して不織ウエブとした。な
お,このとき,圧力降下室の圧力は95kg/cm2
であった。次に,得られた不織ウエブを積層し,先端部
面積が0.6mm2 の突起状彫刻模様部が圧接面積率2
5%かつ密度60点/cm2 で配設された熱エンボスロ
ーラと表面平滑な金属ローラとを用いて,処理温度を1
25℃,かつ線圧を20kg/cmとして加工速度10
m/分で部分熱接着処理を施し,目付けが40g/m2
の不織布を得た。得られた不織布を構成する繊維の表面
を電子顕微鏡を用いて写真撮影し,その表面形態を観察
したところ,この繊維は,フイブリル径が略0.1〜
1.0μmのフイブリル繊維を主体とする多数のフイブ
リル繊維が集合し網状に広がった構造を有するものであ
った。
【0029】別途,平均単繊維繊度が1.5デニール
で,かつ平均繊維長が25mmの木綿晒し綿を用い,木
綿繊維同士が三次元的に交絡してなる不織布を作成し
た。すなわち,前記晒し綿を出発原料とし,ランダムカ
ード機により繊維配列がランダムで目付けが40g/m
2 相当のランダムカードウエブを作成し,次いで得られ
たウエブを移動速度20m/分で移動する70メツシユ
の金網上に載置して高圧液体流処理を施した。高圧液体
流処理は,孔径0.1mmの噴射孔が孔間隔0.6mm
で一列に配設された高圧柱状水流処理装置を用い,ウエ
ブの上方50mmの位置から2段階に別けて柱状水流を
作用させた。第1段階の処理では圧力を30kg/cm
2 Gとし,第2段階の処理では圧力を70kg/cm2
Gとした。なお,第2段階の処理は,ウエブの表裏から
各々2回施した。次いで,得られた処理物からマングル
ロールを用いて過剰水分を除去した後,処理物に熱風乾
燥機を用いて温度100℃の条件で乾燥処理を施し,木
綿繊維同士が緻密に三次元的交絡をした目付けが40g
/m2 の不織布を得た。次いで,前記で得られた網状構
造繊維不織布と木綿繊維不織布とを積層し,周波数が1
9.5KHzの超音波発振器と円周上に点状に凸状突起
部が面積比(ロール全表面積に対する全凸状突起部の面
積の比)10%かつ密度18点/cm2で配設されたパ
ターンロールとからなる超音波融着装置を用いて,加工
速度を30m/分,線圧を1.5kg/cmとして超音
波融着処理を施して積層不織構造体を得た。得られた積
層不織構造体の特性を表1に示す。
【0030】実施例2 高密度ポリエチレン重合体を100g,ポリエチレンテ
レフタレート重合体を1900g〔高密度ポリエチレン
重合体とポリエチレンテレフタレート重合体の混合比
(重量比)を5/95〕とした以外は実施例1と同様に
して不織ウエブを得,これに部分熱接着処理を施し,目
付けが40g/m2 の網状構造繊維不織布を得た。次い
で,前記で得られた極細繊維不織布を用い,以降は実施
例1と同様にして積層不織構造体を得た。得られた積層
不織構造体の特性を表1に示す。
【0031】実施例3 高密度ポリエチレン重合体を300g,ポリエチレンテ
レフタレート重合体を1700g〔高密度ポリエチレン
重合体とポリエチレンテレフタレート重合体の混合比
(重量比)を15/85〕とした以外は実施例1と同様
にして不織ウエブを得,以降は実施例2と同様にして積
層不織構造体を得た。得られた積層不織構造体の特性を
表1に示す。
【0032】実施例4 高密度ポリエチレン重合体を1700g,ポリエチレン
テレフタレート重合体を300g〔高密度ポリエチレン
重合体とポリエチレンテレフタレート重合体の混合比
(重量比)を85/15〕とした以外は実施例1と同様
にして不織ウエブを得,以降は実施例2と同様にして積
層不織構造体を得た。得られた積層不織構造体の特性を
表1に示す。
【0033】実施例5 高密度ポリエチレン重合体を1900g,ポリエチレン
テレフタレート重合体を100g〔高密度ポリエチレン
重合体とポリエチレンテレフタレート重合体の混合比
(重量比)を95/5〕とした以外は実施例1と同様に
して不織ウエブを得,以降は実施例2と同様にして積層
不織構造体を得た。得られた積層不織構造体の特性を表
1に示す。
【0034】実施例6 高密度ポリエチレン重合体に代わり,融点が162℃,
密度が0.91g/cm3 でかつメルトフローレート値
が4.0g/10分の結晶性ポリプロピレン重合体を用
い,ポリプロピレン重合体とポリエチレンテレフタレー
ト重合体の混合比(重量比)を50/50とした以外は
実施例1と同様にして不織ウエブを得,以降は実施例2
と同様にして積層不織構造体を得た。得られた積層不織
構造体の特性を表1に示す。
【0035】実施例7 ポリエチレンテレフタレート重合体に代わり,エチレン
テレフタレートを主体としこれにスルホイソフタル酸が
5モル%共重合され,かつ融点が247℃,相対粘度が
1.3のポリエチレンテレフタレート共重合体を用い,
高密度ポリエチレン重合体とポリエチレンテレフタレー
ト共重合体の混合比(重量比)を50/50とした以外
は実施例1と同様にして不織ウエブを得,以降は実施例
2と同様にして積層不織構造体を得た。得られた積層不
織構造体の特性を表1に示す。
【0036】実施例8 ポリエチレンテレフタレート重合体に代わり,融点が2
28℃でかつ相対粘度が1.7のポリブチレンテレフタ
レート重合体を用い,高密度ポリエチレン重合体とポリ
ブチレンテレフタレート重合体の混合比(重量比)を5
0/50とした以外は実施例1と同様にして不織ウエブ
を得,以降は実施例2と同様にして積層不織構造体を得
た。得られた積層不織構造体の特性を表1に示す。
【0037】比較例1 高密度ポリエチレン重合体のみ2000g〔高密度ポリ
エチレン重合体とポリエチレンテレフタレート重合体の
混合比(重量比)は100/0〕を用いた以外は実施例
1と同様にして不織ウエブを得,以降は実施例1と同様
にして積層不織構造体を得た。得られた積層不織構造体
の特性を表2に示す。
【0038】比較例2 ポリエチレンテレフタレート重合体のみ2000g〔高
密度ポリエチレン重合体とポリエチレンテレフタレート
重合体の混合比(重量比)は0/100〕を用いた以外
は実施例1と同様にして不織ウエブを得,以降は実施例
1と同様にして積層不織構造体を得た。得られた積層不
織構造体の特性を表2に示す。
【0039】比較例3 超音波融着装置に代わり圧接面積率が10%の熱エンボ
スロールと表面が平滑な熱金属ロールを用い,処理温度
を125℃,線圧を50kg/cm,かつ加工速度を1
0m/分として部分熱圧接処理を施した以外は実施例1
と同様にして,積層不織構造体を得た。得られた積層不
織構造体の特性を表2に示す。
【0040】比較例4 融点が161℃でフルトフローレート値が200g/1
0分の結晶性ポリプロピレン重合体を用い,メルトブロ
ーン法により不織布を製造した。すなわち,前記重合体
を溶融し,これを孔径0.15mmかつ孔数200の紡
糸口金を具備する紡糸装置から紡糸温度280℃,全吐
出量30g/分で紡出し,溶融紡出されたポリマ流を高
速空気流により牽引・細化した。この高速空気流とし
て,温度310℃,流速170m/秒の加熱空気を用い
た。牽引・細化に引き続き,ポリマ流を冷却し繊維に形
成した後,紡糸口金から10cm離れた位置に配設され
たサクシヨンドラム上に捕集・堆積して不織ウエブを
得,以降は実施例1と同様にしてこれに部分熱接着処理
を施し,目付けが40g/m2 のメルトブローン不織布
を得た。次いで,前記で得られたメルトブローン不織布
を用い,以降は実施例1と同様にして積層不織構造体を
得た。得られた積層不織構造体の特性を表2に示す。
【0041】実施例9〜14 超音波融着装置におけるパターンロール上の凸状突起部
面積比を2%(実施例9),4%(実施例10),16
%(実施例11),20%(実施例12),50%(実
施例13)及び55%(実施例14)とした以外は実施
例1と同様にして,積層不織構造体を得た。得られた積
層不織構造体の特性を表3に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】実施例1〜8及び10〜13でで得られた
積層不織構造体は,表1から明らかなように引張り強力
と層間剥離強力が高く,柔軟性が優れ,可染性を有し,
また吸水性と吸油性を併せて具備し,さらに優れたバク
テリアバリア性をも有するものであった。実施例5で得
られた積層不織構造体は,網状構造繊維においてポリエ
チレンテレフタレート重合体の含有比が低めであるた
め,やや染色性が低下した。また,実施例10で得られ
た積層不織構造体は,超音波融着装置におけるパターン
ロール上の凸状突起部面積比が4%であって不織構造体
全表面積に対する全点状融着区域の面積の比が低めであ
るため,層間剥離強力が実施例1に比べると若干低いも
のであり,実施例13で得られた積層不織構造体は,同
面積比が50%であって不織構造体全表面積に対する全
点状融着区域の面積の比が高めであるため層間剥離強力
は優れるものの,柔軟性が実施例1に比べるとやや劣る
ものであった。さらに,実施例9で得られた積層不織構
造体は,超音波融着装置におけるパターンロール上の凸
状突起部面積比が2%であって不織構造体全表面積に対
する全点状融着区域の面積の比が低過ぎるため,引張り
強力と層間剥離強力が共に低いものであった。実施例1
4で得られた積層不織構造体は,同面積比が55%であ
って不織構造体全表面積に対する全点状融着区域の面積
の比が高過ぎるため,引張り強力と層間剥離強力は高い
ものの剛軟度が高く,硬い風合いを有するものであっ
た。
【0046】これに対し,比較例1で得られた積層不織
構造体は,網状構造繊維がポリエチレン重合体のみで構
成されるため,網状構造繊維不織布側の染色性が不良な
ものであった。比較例2で得られた積層不織構造体は,
網状構造繊維がポリエチレンテレフタレート重合体のみ
で構成されるため染色性は良好ではあるものの,網状構
造繊維のフイブリル化が不十分で,しかも引張り強力が
劣るものであった。また,比較例3で得られた積層不織
構造体は,超音波融着装置に代わり熱エンボスローラを
用いた部分熱圧着処理が施されたものであるため,層間
剥離強力が極めて低いものであった。さらに,比較例4
で得られた積層不織構造体は,網状構造繊維不織布に代
わりメルトブローン繊維不織布が積層されたものであ
り,透湿性は優れるものの,引張り強力と耐水圧が低い
ものであった。
【0047】
【発明の効果】本発明の積層不織構造体は,ポリオレフ
イン系重合体からなるフイブリル繊維とポリエステル系
重合体からなるフイブリル繊維とを主構成要素とする三
次元的網状構造繊維から構成され,かつ構成繊維間が部
分的に熱接着されてなる網状構造繊維不織布と,天然繊
維同士が機械的に交絡してなる不織布とが積層され,前
記網状構造繊維と天然繊維とが融着されてなる点状融着
区域を有し,かつその点状融着区域において両不織布層
の少なくとも境界面に位置する天然繊維が前記網状構造
繊維の融解部に埋設された状態で固定されることにより
全体として一体化されてなるものであって,引張り強力
と層間剥離強力が高く,柔軟性が優れ,可染性を有し,
吸水性と吸油性を併せて具備し,またリントフリー性を
備え,さらに優れたバクテリアバリア性を有し,医療・
衛生材用,衣料用や生活関連材用あるいは産業資材用の
素材として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層不織構造体における点状融着区域
の断面を示す模式図である。
【符号の説明】
1:点状融着区域において融解した網状構造繊維層 2:天然繊維

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフイン系重合体からなるフイブ
    リル繊維とポリエステル系重合体からなるフイブリル繊
    維とを主構成要素とする三次元的網状構造繊維から構成
    され,かつ構成繊維間が部分的に熱接着されてなる網状
    構造繊維不織布と,天然繊維同士が機械的に交絡してな
    る不織布とが積層され,前記網状構造繊維と天然繊維と
    が融着されてなる点状融着区域を有し,かつその点状融
    着区域において両不織布層の少なくとも境界面に位置す
    る天然繊維が前記網状構造繊維の融解部に埋設された状
    態で固定されることにより全体として一体化されてなる
    ことを特徴とする積層不織構造体。
  2. 【請求項2】 ポリオレフイン系重合体が,ポリエチレ
    ン系重合体又はその共重合体,ポリプロピレン系重合体
    又はその共重合体のいずれか,あるいはこれら重合体の
    混合物である請求項1記載の積層不織構造体。
  3. 【請求項3】 ポリエステル系重合体が,ポリエチレン
    テレフタレート系重合体又はその共重合体,ポリブチレ
    ンテレフタレート系重合体又はその共重合体のいずれ
    か,あるいはこれら重合体の混合物である請求項1又は
    2記載の積層不織構造体。
  4. 【請求項4】 ポリオレフイン系重合体とポリエステル
    系重合体との存在比(重量比)が,5〜95/95〜5
    である請求項1,2又は3記載の積層不織構造体。
  5. 【請求項5】 網状構造繊維が,0.01〜10μm相
    当径のフイブリル繊維から構成される請求項1,2,3
    又は4記載の積層不織構造体。
  6. 【請求項6】 網状構造繊維と天然繊維とが融着されて
    なる点状融着区域において,不織構造体全表面積に対す
    る全点状融着区域の面積の比(%)が,4〜50である
    請求項1,2,3,4又は5記載の積層不織構造体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011087752A3 (en) * 2009-12-22 2011-11-17 3M Innovative Properties Company Bonded substrates and methods for bonding substrates
CN114687065A (zh) * 2020-12-30 2022-07-01 无锡市正龙无纺布有限公司 一种防火油烟机过滤材料

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WO2011087752A3 (en) * 2009-12-22 2011-11-17 3M Innovative Properties Company Bonded substrates and methods for bonding substrates
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