JPH0768576B2 - 降伏強度の優れた厚肉9%Ni鋼の製造法 - Google Patents
降伏強度の優れた厚肉9%Ni鋼の製造法Info
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- JPH0768576B2 JPH0768576B2 JP2062155A JP6215590A JPH0768576B2 JP H0768576 B2 JPH0768576 B2 JP H0768576B2 JP 2062155 A JP2062155 A JP 2062155A JP 6215590 A JP6215590 A JP 6215590A JP H0768576 B2 JPH0768576 B2 JP H0768576B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は降伏強度の優れた板厚40mm以上の9%Ni鋼の製
造法に関するものである。
造法に関するものである。
(従来の技術) エネルギー需要の増大および原子力の安全性に対する危
惧から、クリーンなエネルギー源として天然ガスの需要
が急増している。したがって、近年、LNG貯蔵用タンク
の建設が国内外で積極的に推進されており、これらのタ
ンクに使用される9%Ni鋼の需要も増加している。さら
に、貯蔵効率の増加からタンクの容量を増大させる方向
にあり、LNGタンク材としての9%Ni鋼においても、従
来製造されてきた板厚である30mmを越えて40mm以上の鋼
材を製造する必要が生じてきた。
惧から、クリーンなエネルギー源として天然ガスの需要
が急増している。したがって、近年、LNG貯蔵用タンク
の建設が国内外で積極的に推進されており、これらのタ
ンクに使用される9%Ni鋼の需要も増加している。さら
に、貯蔵効率の増加からタンクの容量を増大させる方向
にあり、LNGタンク材としての9%Ni鋼においても、従
来製造されてきた板厚である30mmを越えて40mm以上の鋼
材を製造する必要が生じてきた。
従来、タンクの安全性の面から、低温靱性の優れた9%
Ni鋼の製造法に関しては多くの発明がなされている。そ
の中でも、Ac1〜Ac3変態点間に加熱焼入れしその後焼き
戻す処理を含んだ方法は、低温靱性を極めて向上できる
ために多くの方法がある。
Ni鋼の製造法に関しては多くの発明がなされている。そ
の中でも、Ac1〜Ac3変態点間に加熱焼入れしその後焼き
戻す処理を含んだ方法は、低温靱性を極めて向上できる
ために多くの方法がある。
たとえば、特開昭47−23317号公報のように、Ac1〜Ac3
変態点間に加熱し、焼入れおよび空冷した後、Ac1変態
点以下の温度で焼き戻すことを特徴とする厚肉9%Ni鋼
の靱性向上法、あるいは特開昭58−73717号公報、特開
昭62−205227号公報等のように、Ac3変態点以上に加熱
し冷却した後、Ac1〜Ac3変態点間に加熱し冷却する熱処
理(以下、「中間焼入れ処理」という)後、Ac1変態点
以下の温度で焼き戻すことを特徴とする熱処理法があ
る。また、特開昭49−135813号公報、特開昭61−238911
号公報、特開昭60−131916号公報、特開昭56−156715号
公報等のように、熱間圧延後、空冷以上の速さで冷却
し、その後Ac1〜Ac3変態点間に加熱し冷却、次いでAc1
変態点以下の温度で焼き戻すことを特徴とする9%Ni鋼
の製造法がある。
変態点間に加熱し、焼入れおよび空冷した後、Ac1変態
点以下の温度で焼き戻すことを特徴とする厚肉9%Ni鋼
の靱性向上法、あるいは特開昭58−73717号公報、特開
昭62−205227号公報等のように、Ac3変態点以上に加熱
し冷却した後、Ac1〜Ac3変態点間に加熱し冷却する熱処
理(以下、「中間焼入れ処理」という)後、Ac1変態点
以下の温度で焼き戻すことを特徴とする熱処理法があ
る。また、特開昭49−135813号公報、特開昭61−238911
号公報、特開昭60−131916号公報、特開昭56−156715号
公報等のように、熱間圧延後、空冷以上の速さで冷却
し、その後Ac1〜Ac3変態点間に加熱し冷却、次いでAc1
変態点以下の温度で焼き戻すことを特徴とする9%Ni鋼
の製造法がある。
(発明が解決しようとする課題) 以上の中で、特開昭47−23317号公報は、球形タンクの
赤道支持帯に使用される厚肉鋼板の板厚方向の靱性向上
を目的としたものである。この発明によれば、板厚、Z
方向の靱性向上はたしかに期待できるが、厚肉になると
当然強度の低下が懸念されるため、高強度でかつ低温靱
性を要求されるLNGタンク用鋼板の製造法としては適当
でない。
赤道支持帯に使用される厚肉鋼板の板厚方向の靱性向上
を目的としたものである。この発明によれば、板厚、Z
方向の靱性向上はたしかに期待できるが、厚肉になると
当然強度の低下が懸念されるため、高強度でかつ低温靱
性を要求されるLNGタンク用鋼板の製造法としては適当
でない。
また、特開昭58−73717号公報および特開昭62−205227
号公報は9%Ni鋼の熱処理法として広く利用されてい
る。しかしながら、これらの発明は低温靱性の改善にの
み着目したものであって、構造物の性能として最も重要
である強度については何等言及されておらず、後で述べ
るように、これらの方法では板厚40mmという従来にない
厚肉でのLNGタンク用9%Ni鋼の製造は困難である。
号公報は9%Ni鋼の熱処理法として広く利用されてい
る。しかしながら、これらの発明は低温靱性の改善にの
み着目したものであって、構造物の性能として最も重要
である強度については何等言及されておらず、後で述べ
るように、これらの方法では板厚40mmという従来にない
厚肉でのLNGタンク用9%Ni鋼の製造は困難である。
また、特開昭49−135813号公報、特開昭61−238911号公
報、特開昭60−131916号公報、特開昭56−156715号公報
は優れた母材靱性あるいは優れた溶接部靱性を達成して
いる。しかしながら、これらの発明はその実施例から分
かるように、板厚が32mm以下の鋼板の低温靱性の向上を
目的とするもの、すなわち従来の既存のLNGタンク用鋼
板を念頭においてなされたものであり、板厚40mm以上の
厚肉鋼板についてこれらの方法を適用することはできな
い。
報、特開昭60−131916号公報、特開昭56−156715号公報
は優れた母材靱性あるいは優れた溶接部靱性を達成して
いる。しかしながら、これらの発明はその実施例から分
かるように、板厚が32mm以下の鋼板の低温靱性の向上を
目的とするもの、すなわち従来の既存のLNGタンク用鋼
板を念頭においてなされたものであり、板厚40mm以上の
厚肉鋼板についてこれらの方法を適用することはできな
い。
一般に、鋼材の破壊靱性は板厚が厚くなれば力学的な要
因で低下するが、同時に冶金学的な要因から強度、靱性
も低下する。
因で低下するが、同時に冶金学的な要因から強度、靱性
も低下する。
第1表に板厚が42mmの場合の強度と脆性亀裂伝播停止に
関する破壊靱性値について従来知られている9%Ni鋼の
製造法の比較を示す。
関する破壊靱性値について従来知られている9%Ni鋼の
製造法の比較を示す。
先に述べたように、9%Ni鋼の低温靱性を著しく向上さ
せる熱処理法として知られている「焼入れ−中間焼入れ
処理−焼戻し」材は、従来の一般的な製造法である「焼
入−焼戻し処理」材と比較して破壊靱性は優れているも
のの、降伏強度の低下が著しい。したがって、従来の技
術では中間焼入れ処理を利用して従来鋼板なみの強度と
低温靱性を同時に得ることはできない。
せる熱処理法として知られている「焼入れ−中間焼入れ
処理−焼戻し」材は、従来の一般的な製造法である「焼
入−焼戻し処理」材と比較して破壊靱性は優れているも
のの、降伏強度の低下が著しい。したがって、従来の技
術では中間焼入れ処理を利用して従来鋼板なみの強度と
低温靱性を同時に得ることはできない。
(課題を解決するための手段) 本発明は以上の問題点を解決するためになされたもので
あって、その要旨は、重量%でNi:7.5〜10%含有する鋼
スラブを用い、熱間圧延後、Ac3変態点以上に加熱して
冷却する第1回目の焼入れ処理とAc1〜Ac3変態点に加熱
して冷却する第2回目の焼入れ処理とAc1変態点以下に
加熱して冷却する焼戻し処理とを施す9%Ni鋼の製造法
において、熱間圧延前のスラブ加熱温度を800〜900℃と
し、次いで700〜800℃の累積圧下率が50〜80%の熱間圧
延を施し、圧延後前記第1回目の焼入れ処理をAc3〜850
℃に加熱して行うことを特徴とする板厚40mm以上の降伏
強度の優れた厚肉9%Ni鋼の製造法、および、重量%で
Ni:7.5〜10%含有する鋼スラブを用い、熱間圧延後直ち
に10℃/s以上の冷却速度で冷却し、次いでAc1〜Ac3変態
点間の温度で焼入れ処理を施し、Ac1変態点以下の温度
で焼戻し処理を行う9%Ni鋼の製造法において、前記熱
間圧延に当たり、700〜850℃の温度で50〜80%の累積圧
下を施すことを特徴とする板厚40mm以上の降伏強度の優
れた厚肉9%Ni鋼の製造法である。熱間圧延後直ちに10
℃/s以上の冷却速度で冷却する場合は、熱間圧延前のス
ラブ加熱温度を800〜1000℃とすることが好ましい。
あって、その要旨は、重量%でNi:7.5〜10%含有する鋼
スラブを用い、熱間圧延後、Ac3変態点以上に加熱して
冷却する第1回目の焼入れ処理とAc1〜Ac3変態点に加熱
して冷却する第2回目の焼入れ処理とAc1変態点以下に
加熱して冷却する焼戻し処理とを施す9%Ni鋼の製造法
において、熱間圧延前のスラブ加熱温度を800〜900℃と
し、次いで700〜800℃の累積圧下率が50〜80%の熱間圧
延を施し、圧延後前記第1回目の焼入れ処理をAc3〜850
℃に加熱して行うことを特徴とする板厚40mm以上の降伏
強度の優れた厚肉9%Ni鋼の製造法、および、重量%で
Ni:7.5〜10%含有する鋼スラブを用い、熱間圧延後直ち
に10℃/s以上の冷却速度で冷却し、次いでAc1〜Ac3変態
点間の温度で焼入れ処理を施し、Ac1変態点以下の温度
で焼戻し処理を行う9%Ni鋼の製造法において、前記熱
間圧延に当たり、700〜850℃の温度で50〜80%の累積圧
下を施すことを特徴とする板厚40mm以上の降伏強度の優
れた厚肉9%Ni鋼の製造法である。熱間圧延後直ちに10
℃/s以上の冷却速度で冷却する場合は、熱間圧延前のス
ラブ加熱温度を800〜1000℃とすることが好ましい。
(作用) 中間焼入れ材の降伏強度低下は、焼戻し過程で生成する
安定な析出オーステナイトが多量に存在することによ
る。したがって、9%Ni鋼のような析出強化元素が含ま
れていない鋼材の降伏強度を靱性を損わないで上昇させ
るためには、徹底したフェライト粒の細粒化による降伏
点上昇、あるいは転位密度の増加による強化等の手段が
必要である。本発明はその具体的な手段を提供するもの
である。
安定な析出オーステナイトが多量に存在することによ
る。したがって、9%Ni鋼のような析出強化元素が含ま
れていない鋼材の降伏強度を靱性を損わないで上昇させ
るためには、徹底したフェライト粒の細粒化による降伏
点上昇、あるいは転位密度の増加による強化等の手段が
必要である。本発明はその具体的な手段を提供するもの
である。
第1図は、板厚40mmのC:0.05%、Mn:0.57%、Ni:9.42%
を含有する9%Ni鋼スラブを横軸で表したスラブ加熱温
度で加熱後、800℃からの圧下率が50%となる圧延を施
したもの(●)および圧延後の仕上げ温度が900℃の圧
延を施したもの(○)をそれぞれ空冷し、その後800℃
の焼入れ処理、670℃の中間焼入れ処理、570℃の焼戻し
処理を行った後の板厚1/4t部の降伏強度を示した図であ
る。なお、この鋼の変態点はAc1:620℃、Ac3:720℃であ
る。
を含有する9%Ni鋼スラブを横軸で表したスラブ加熱温
度で加熱後、800℃からの圧下率が50%となる圧延を施
したもの(●)および圧延後の仕上げ温度が900℃の圧
延を施したもの(○)をそれぞれ空冷し、その後800℃
の焼入れ処理、670℃の中間焼入れ処理、570℃の焼戻し
処理を行った後の板厚1/4t部の降伏強度を示した図であ
る。なお、この鋼の変態点はAc1:620℃、Ac3:720℃であ
る。
スラブ加熱温度が1050〜1150℃の範囲では、同じスラブ
加熱温度で800℃からの累積圧下率が50%の圧延を行っ
たものは1kgf/mm2程度の強度上昇しか得られないのに比
較して、スラブ加熱温度が900℃以下の範囲では800℃以
下の累積圧下率が50%の熱間圧延を施した鋼ではその降
伏強度が2kgf/mm2以上上昇している。
加熱温度で800℃からの累積圧下率が50%の圧延を行っ
たものは1kgf/mm2程度の強度上昇しか得られないのに比
較して、スラブ加熱温度が900℃以下の範囲では800℃以
下の累積圧下率が50%の熱間圧延を施した鋼ではその降
伏強度が2kgf/mm2以上上昇している。
スラブ加熱温度を900℃以下とすることおよび800℃以下
の未再結晶温度域で50%以上の圧延をすることにより、
加熱オーステナイト粒粗大化の防止と共に圧延でのオー
ステナイトの微細化が達成され、圧延ままの状態でのミ
クロ組織は上記の処理をしていないものに比較して著し
い細粒化が進んでいる。
の未再結晶温度域で50%以上の圧延をすることにより、
加熱オーステナイト粒粗大化の防止と共に圧延でのオー
ステナイトの微細化が達成され、圧延ままの状態でのミ
クロ組織は上記の処理をしていないものに比較して著し
い細粒化が進んでいる。
このように微細化された圧延ままの組織に対し、均一な
マルテンサイト組織を得るために焼入れ処理を施す。9
%Ni鋼の場合、Ac3変態点が低く、通常800℃程度の温度
で焼入れ処理を施すが、この温度では合金元素の拡散、
オーステナイト組織の再結晶も通常の低炭素鋼と比べ遅
い。このためスラブ加熱温度の低下、圧延温度の制御に
より焼入れ処理後均一で細粒なマルテンサイト組織を得
ることができる。
マルテンサイト組織を得るために焼入れ処理を施す。9
%Ni鋼の場合、Ac3変態点が低く、通常800℃程度の温度
で焼入れ処理を施すが、この温度では合金元素の拡散、
オーステナイト組織の再結晶も通常の低炭素鋼と比べ遅
い。このためスラブ加熱温度の低下、圧延温度の制御に
より焼入れ処理後均一で細粒なマルテンサイト組織を得
ることができる。
このようにして得られた均一なマルテンサイト組織に中
間焼入れ処理および焼戻し処理を施す。中間焼入れ処理
は先に述べた多くの例と同様に、二相域加熱することに
より部分的に生成するオーステナイトへの合金元素、不
純物元素の濃化を促進させ、これを急冷することにより
高純なフェライトと成分元素濃度の高いマルテンサイト
の混合組織を生成させることを目的として行われるもの
であって、次に行われる焼戻し処理時に安定な析出オー
ステナイトを生成させ低温靱性を著しく向上させる。こ
の場合、9%Ni鋼のAc3変態点は720℃程度であるため、
中間焼入れ処理の過程においても先に述べた理由から熱
処理後の結晶粒の大きさは熱処理前のミクロ組織に依存
する。
間焼入れ処理および焼戻し処理を施す。中間焼入れ処理
は先に述べた多くの例と同様に、二相域加熱することに
より部分的に生成するオーステナイトへの合金元素、不
純物元素の濃化を促進させ、これを急冷することにより
高純なフェライトと成分元素濃度の高いマルテンサイト
の混合組織を生成させることを目的として行われるもの
であって、次に行われる焼戻し処理時に安定な析出オー
ステナイトを生成させ低温靱性を著しく向上させる。こ
の場合、9%Ni鋼のAc3変態点は720℃程度であるため、
中間焼入れ処理の過程においても先に述べた理由から熱
処理後の結晶粒の大きさは熱処理前のミクロ組織に依存
する。
以上の理由から、第1図に示したようにスラブ加熱−圧
延での効果が焼入れ処理−中間焼入れ処理−焼戻し処理
という調質処理後の材質に大きく影響する。
延での効果が焼入れ処理−中間焼入れ処理−焼戻し処理
という調質処理後の材質に大きく影響する。
一方、この圧延での効果をより高める方法として、圧延
後直接焼入れ処理を利用する方法が考えられる。
後直接焼入れ処理を利用する方法が考えられる。
第2図は、同じ化学成分を有する9%Ni鋼スラブを横軸
で表したスラブ加熱温度で加熱後、850℃から50%の累
積圧下率で板圧40mmまで圧延し、ただちに12℃/sの冷却
速度で室温まで冷却後、670℃での中間焼入れ処理、570
℃での焼戻し処理を施した鋼(○)、および圧延の仕上
げ温度を950℃とした圧延を施し、前記した条件で冷
却、熱処理を実施した同板厚の鋼(●)の板厚1/4t部で
の降伏強度を示した図である。
で表したスラブ加熱温度で加熱後、850℃から50%の累
積圧下率で板圧40mmまで圧延し、ただちに12℃/sの冷却
速度で室温まで冷却後、670℃での中間焼入れ処理、570
℃での焼戻し処理を施した鋼(○)、および圧延の仕上
げ温度を950℃とした圧延を施し、前記した条件で冷
却、熱処理を実施した同板厚の鋼(●)の板厚1/4t部で
の降伏強度を示した図である。
圧延仕上げ温度が950℃の鋼板の降伏強度が60kgf/mm2程
度なのに比較して、同じスラブ加熱温度で加熱後、850
℃以下での累積圧下率を50%に制御して製造した鋼板の
降伏強度は2kgf/mm2以上高い値を示す。さらに、同じス
ラブを1000℃以下の温度に加熱後、やはり850℃以下の
累積圧下率が50%の圧延を行った鋼板では、4kgf/mm2以
上の優れた降伏強度の上昇を示す。
度なのに比較して、同じスラブ加熱温度で加熱後、850
℃以下での累積圧下率を50%に制御して製造した鋼板の
降伏強度は2kgf/mm2以上高い値を示す。さらに、同じス
ラブを1000℃以下の温度に加熱後、やはり850℃以下の
累積圧下率が50%の圧延を行った鋼板では、4kgf/mm2以
上の優れた降伏強度の上昇を示す。
これは、熱間圧延の温度、圧下率を規制することによる
圧延中のオーステナイト結晶粒の細粒化が圧延後の冷却
で得られるマルテンサイトの細粒化に大きく影響してい
ると同時に、圧延後の冷却は850℃以下の低温圧延中に
導入された加工転位をマルテンサイト中にも導入する効
果もあるためである。
圧延中のオーステナイト結晶粒の細粒化が圧延後の冷却
で得られるマルテンサイトの細粒化に大きく影響してい
ると同時に、圧延後の冷却は850℃以下の低温圧延中に
導入された加工転位をマルテンサイト中にも導入する効
果もあるためである。
このようにして得られた高転位密度を有する微細なマル
テンサイト組織に中間焼入れ、焼戻し処理を施す。中間
焼入れ処理は先に述べたように低温靱性の向上のために
行われるが、その加熱中では高転位密度を有するマルテ
ンサイトがフェライト−オーステナイトの混合組織に変
化する。その時、部分的に変態するオーステナイトへの
合金元素の濃化する程度は、合金元素のフェライト中で
の拡散挙動により支配されるが、フェライトの前組織で
あるマルテンサイトの転位密度が高い場合には、転位密
度が低い場合と比較して転位の回復もおくれ、そのため
に残っている転位が合金元素の高速拡散路になると考え
られる。この現象により、結局オーステナイトへの合金
元素の濃縮は前組織であるマルテンサイトの転位密度に
も影響され、高い合金元素を含んだオーステナイトが生
成し、これが中間焼入れ処理後に合金元素の濃縮がより
進んだ微細なマルテンサイトに変態する。
テンサイト組織に中間焼入れ、焼戻し処理を施す。中間
焼入れ処理は先に述べたように低温靱性の向上のために
行われるが、その加熱中では高転位密度を有するマルテ
ンサイトがフェライト−オーステナイトの混合組織に変
化する。その時、部分的に変態するオーステナイトへの
合金元素の濃化する程度は、合金元素のフェライト中で
の拡散挙動により支配されるが、フェライトの前組織で
あるマルテンサイトの転位密度が高い場合には、転位密
度が低い場合と比較して転位の回復もおくれ、そのため
に残っている転位が合金元素の高速拡散路になると考え
られる。この現象により、結局オーステナイトへの合金
元素の濃縮は前組織であるマルテンサイトの転位密度に
も影響され、高い合金元素を含んだオーステナイトが生
成し、これが中間焼入れ処理後に合金元素の濃縮がより
進んだ微細なマルテンサイトに変態する。
さらに、こうして得られたフェライト−マルテンサイト
の混合組織を焼き戻すと合金元素のより濃縮したオース
テナイトが生成することになる。このように合金元素が
より濃縮したオーステナイトの強度はそうでないものに
比較して高く、フェライト−オーステナイトの混合組織
としての強度も上昇する。
の混合組織を焼き戻すと合金元素のより濃縮したオース
テナイトが生成することになる。このように合金元素が
より濃縮したオーステナイトの強度はそうでないものに
比較して高く、フェライト−オーステナイトの混合組織
としての強度も上昇する。
以上の理由から、低温圧延で加工転位を導入することに
より、焼戻し後のオーステナイトへの合金元素の濃化を
促進させることができ、その結果、中間焼入れ処理を実
施した後でもより高い強度を有する鋼板の製造が可能に
なる。
より、焼戻し後のオーステナイトへの合金元素の濃化を
促進させることができ、その結果、中間焼入れ処理を実
施した後でもより高い強度を有する鋼板の製造が可能に
なる。
このような観点から考えると、先に引用した多くの例
は、すべて低温靱性の優れた鋼板の製造法を提供するも
のの、より板厚の厚い9%Ni鋼板の製造には有効ではな
い。
は、すべて低温靱性の優れた鋼板の製造法を提供するも
のの、より板厚の厚い9%Ni鋼板の製造には有効ではな
い。
次に、本発明における成分の限定理由であるが、Niは靱
性の向上、オーステナイトの安定化に著しく効果があ
り、LNG温度での靱性を確保するためには7.5%以上の添
加が必要であるが、多量に添加してもその効果が飽和す
るため10%を上限とする。Ni以外の成分は特に限定する
必要はないが、所定の強度を確保することならびに靱性
低下を防止するため、C:0.04〜0.10%、Si:0.10〜0.50
%、Mn:0.4〜1.0%、sol.Al:0.005〜0.10%、P:0.015%
以下、S:0.010%以下とすることが好ましい。
性の向上、オーステナイトの安定化に著しく効果があ
り、LNG温度での靱性を確保するためには7.5%以上の添
加が必要であるが、多量に添加してもその効果が飽和す
るため10%を上限とする。Ni以外の成分は特に限定する
必要はないが、所定の強度を確保することならびに靱性
低下を防止するため、C:0.04〜0.10%、Si:0.10〜0.50
%、Mn:0.4〜1.0%、sol.Al:0.005〜0.10%、P:0.015%
以下、S:0.010%以下とすることが好ましい。
以上のような元素を含有している鋼を電気炉、転炉で溶
製した後、連続鋳造機あるいは造塊分塊法によりスラブ
を製造する。そしてこのスラブを熱間圧延前のスラブ加
熱温度を800〜900℃とし、次いで700〜800℃の累積圧下
率が50〜80%の熱間圧延を施し、Ac3変態点〜850℃に加
熱して水冷する焼入れ処理と、Ac1〜Ac3変態点に加熱し
て冷却する中間焼入れ処理と、Ac1変態点以下に加熱し
て冷却する焼戻し処理を施すか、あるいは熱間圧延にお
いて700〜850℃の温度で50〜80%の累積圧下を施した
後、直ちに10℃/s以上の冷却速度で室温まで冷却し、次
いでAc1〜Ac3変態点間に加熱し冷却する中間焼入れ処理
と、Ac3変態点以下の温度での焼戻し処理とを行う。
製した後、連続鋳造機あるいは造塊分塊法によりスラブ
を製造する。そしてこのスラブを熱間圧延前のスラブ加
熱温度を800〜900℃とし、次いで700〜800℃の累積圧下
率が50〜80%の熱間圧延を施し、Ac3変態点〜850℃に加
熱して水冷する焼入れ処理と、Ac1〜Ac3変態点に加熱し
て冷却する中間焼入れ処理と、Ac1変態点以下に加熱し
て冷却する焼戻し処理を施すか、あるいは熱間圧延にお
いて700〜850℃の温度で50〜80%の累積圧下を施した
後、直ちに10℃/s以上の冷却速度で室温まで冷却し、次
いでAc1〜Ac3変態点間に加熱し冷却する中間焼入れ処理
と、Ac3変態点以下の温度での焼戻し処理とを行う。
圧延に先立つスラブ加熱温度の規制は、加熱オーステナ
イト粒の細粒化を得るために設けられたものであって、
第1図に示したように900℃以下の温度で降伏点の上昇
に著しく効果があるが、800℃未満になると熱間圧延時
の変形抵抗が著しく大きくなり、鋼板の形状が悪化す
る。なお、850℃以下の累積圧下率が50%以上の圧延後
直ちに10℃/s以上の速度で冷却し、次いでAc1〜Ac3変態
点間に加熱し冷却する中間焼入れ処理とAc3変態点以下
の温度での焼戻し処理とを行う場合、第2図に示したよ
うに通常行われている1250℃以下スラブ加熱の範囲でも
高い降伏強度を示すので圧延温度の規制は必要ないが、
好ましくは800〜1000℃のスラブ加熱温度を選択すると
降伏点上昇はより顕著になる。この場合のスラブ加熱温
度の下限値は先に述べたものと同一の理由による。
イト粒の細粒化を得るために設けられたものであって、
第1図に示したように900℃以下の温度で降伏点の上昇
に著しく効果があるが、800℃未満になると熱間圧延時
の変形抵抗が著しく大きくなり、鋼板の形状が悪化す
る。なお、850℃以下の累積圧下率が50%以上の圧延後
直ちに10℃/s以上の速度で冷却し、次いでAc1〜Ac3変態
点間に加熱し冷却する中間焼入れ処理とAc3変態点以下
の温度での焼戻し処理とを行う場合、第2図に示したよ
うに通常行われている1250℃以下スラブ加熱の範囲でも
高い降伏強度を示すので圧延温度の規制は必要ないが、
好ましくは800〜1000℃のスラブ加熱温度を選択すると
降伏点上昇はより顕著になる。この場合のスラブ加熱温
度の下限値は先に述べたものと同一の理由による。
このように加熱されたスラブを熱間圧延するが、圧延後
焼入れ、中間焼入れ、焼戻しの各処理を行う場合には70
0〜800℃の累積圧下率が50〜80%の圧延を、熱間圧延後
直ちに10℃/sの冷却速度で冷却する場合には700〜850℃
の累積圧下率が50〜80%の圧延を行う。
焼入れ、中間焼入れ、焼戻しの各処理を行う場合には70
0〜800℃の累積圧下率が50〜80%の圧延を、熱間圧延後
直ちに10℃/sの冷却速度で冷却する場合には700〜850℃
の累積圧下率が50〜80%の圧延を行う。
この熱間圧延の制約は、圧延後の組織の細粒化と同時
に、加工による転位密度の増加を得るために行われる。
したがって、そのためには圧延後焼入れ処理を施す場合
は、800℃以下から50%以上の圧下率で、また圧延後10
℃/s以上の冷却速度で冷却する場合は、850℃以下の温
度から50%以上の圧下率で圧延する必要がある。
に、加工による転位密度の増加を得るために行われる。
したがって、そのためには圧延後焼入れ処理を施す場合
は、800℃以下から50%以上の圧下率で、また圧延後10
℃/s以上の冷却速度で冷却する場合は、850℃以下の温
度から50%以上の圧下率で圧延する必要がある。
しかしながら、700℃未満の温度で圧延を行うと圧延時
に鋼板に曲がりが生じ、製品の形状が悪化するため、70
0℃以上の温度で圧延を施すべきである。また、前記し
た理由で圧下率については50%以上必要であるが、80%
を越えると圧延集合組織の発達により靱性値の異方性が
生じ、LNGタンク用鋼として好ましくない。
に鋼板に曲がりが生じ、製品の形状が悪化するため、70
0℃以上の温度で圧延を施すべきである。また、前記し
た理由で圧下率については50%以上必要であるが、80%
を越えると圧延集合組織の発達により靱性値の異方性が
生じ、LNGタンク用鋼として好ましくない。
このように圧延された鋼板を冷却後、Ac3変態点〜850℃
に加熱して冷却する焼入れ処理、Ac1〜Ac3変態点に加熱
して冷却する中間焼入れ処理、Ac1変態点以下に加熱し
て冷却する焼戻し処理を施すか、あるいは熱間圧延後直
ちに10℃/s以上の冷却速度で冷却し、次いでAc1〜Ac3変
態点間の温度での中間焼入れ処理、Ac1変態点以下の温
度での焼戻し処理を行う。なお、本発明においてAc1変
態点とは、熱膨張曲線において急激に収縮を開始する点
をいう。
に加熱して冷却する焼入れ処理、Ac1〜Ac3変態点に加熱
して冷却する中間焼入れ処理、Ac1変態点以下に加熱し
て冷却する焼戻し処理を施すか、あるいは熱間圧延後直
ちに10℃/s以上の冷却速度で冷却し、次いでAc1〜Ac3変
態点間の温度での中間焼入れ処理、Ac1変態点以下の温
度での焼戻し処理を行う。なお、本発明においてAc1変
態点とは、熱膨張曲線において急激に収縮を開始する点
をいう。
焼入れ処理を施す理由は、前記したように中間焼入れ処
理を施す前組織として微細なマルテンサイトを得るため
であって、Ac3変態点以上に加熱する必要があるが、そ
の温度が高すぎると再結晶挙動により熱間圧延で達成さ
れた結晶粒の細粒化効果が消滅してしまうため、850℃
以下の温度で実施する。この微細なマルテンサイト組織
は熱間圧延後直ちに急冷しても得られる。この場合、板
厚中心部の平均冷却速度が10℃/s以上でないと好ましい
マルテンサイト組織が得られない。
理を施す前組織として微細なマルテンサイトを得るため
であって、Ac3変態点以上に加熱する必要があるが、そ
の温度が高すぎると再結晶挙動により熱間圧延で達成さ
れた結晶粒の細粒化効果が消滅してしまうため、850℃
以下の温度で実施する。この微細なマルテンサイト組織
は熱間圧延後直ちに急冷しても得られる。この場合、板
厚中心部の平均冷却速度が10℃/s以上でないと好ましい
マルテンサイト組織が得られない。
以上の圧延後の焼入れ処理あるいは圧延後直ちに10℃/s
以上の冷却速度で冷却した鋼板に、Ac1〜Ac3変態点に加
熱し焼入れする中間焼入れ処理、続いてAc1変態点以下
の温度で加熱し冷却する焼戻し処理を施す。
以上の冷却速度で冷却した鋼板に、Ac1〜Ac3変態点に加
熱し焼入れする中間焼入れ処理、続いてAc1変態点以下
の温度で加熱し冷却する焼戻し処理を施す。
中間焼入れ処理は前記したようにフェライトと微細なマ
ルテンサイトの混合組織を得るために行われるのであっ
て、したがって加熱時にフェライトと微細なオーステナ
イトの混合組織を生成させる必要がある。そのため加熱
温度はAc1〜Ac3変態点間の温度に制約されると同時に、
加熱後は水冷される必要がある。
ルテンサイトの混合組織を得るために行われるのであっ
て、したがって加熱時にフェライトと微細なオーステナ
イトの混合組織を生成させる必要がある。そのため加熱
温度はAc1〜Ac3変態点間の温度に制約されると同時に、
加熱後は水冷される必要がある。
焼戻し処理は、中間焼入れ処理で得られたマルテンサイ
ト組織の転位密度を下げると同時に加熱時に安定なオー
ステナイトを多量に析出し、低温靱性を著しく改善する
ために行われる。したがって、その温度は通常行われる
ようなAc1変態点以下の温度域である。
ト組織の転位密度を下げると同時に加熱時に安定なオー
ステナイトを多量に析出し、低温靱性を著しく改善する
ために行われる。したがって、その温度は通常行われる
ようなAc1変態点以下の温度域である。
本発明は、中間焼入れ処理による低温靱性の優れた9%
Ni鋼の強度を向上させ、従来製造できなかった板厚40mm
以上の低温靱性、強度いずれも優れた鋼板の製造を可能
にするものである。
Ni鋼の強度を向上させ、従来製造できなかった板厚40mm
以上の低温靱性、強度いずれも優れた鋼板の製造を可能
にするものである。
(実施例) 供試鋼の化学成分を第2表に示す。
ここで、A鋼はNi含有量の要件を満たすが、B鋼はNi含
有量が少ない鋼である。
有量が少ない鋼である。
また、第3表は第2表に示した化学成分を有するスラブ
を第3表中の加熱、圧延、熱処理条件で製造したときの
引張試験結果およびDT試験結果を示す。
を第3表中の加熱、圧延、熱処理条件で製造したときの
引張試験結果およびDT試験結果を示す。
本発明法により製造された鋼A1〜A5は61kgf/mm2以上の
降伏強度を示すと同時にDTエネルギーで示される高い脆
性亀裂停止性能を有する。
降伏強度を示すと同時にDTエネルギーで示される高い脆
性亀裂停止性能を有する。
これに対し、鋼A6、A7、A11は圧延後焼入れ処理、中間
焼入れ処理、焼戻し処理する場合の比較例である。
焼入れ処理、焼戻し処理する場合の比較例である。
鋼A6はスラブ加熱温度が1000℃と高く、鋼A7は圧延の噛
み込み温度が850℃と高いため、その後適切な焼入れ処
理、中間焼入れ処理、焼戻し処理を実施しても59〜60kg
f/mm2程度の低い降伏強度を示した。
み込み温度が850℃と高いため、その後適切な焼入れ処
理、中間焼入れ処理、焼戻し処理を実施しても59〜60kg
f/mm2程度の低い降伏強度を示した。
鋼A11はスラブ加熱、圧延条件は適切であるが、焼入れ
温度が860℃と高く、そのため降伏強度が実施例に比べ
て低い。
温度が860℃と高く、そのため降伏強度が実施例に比べ
て低い。
鋼A8、A9、A10は圧延後直ちに10℃/s以上で冷却する場
合の比較例である。
合の比較例である。
鋼A8は圧延の噛み込み温度が900℃と高く、鋼A9は850℃
以下の累積圧下率が30%と低い。また、鋼A10は圧延後
の冷却速度が5℃/sと遅い。したがって、鋼A8、A9の降
伏強度は60kgf/mm2以下であり、実施例と比較して低
く、鋼A10は降伏強度は62.3kgf/mm2と高いが、DTエネル
ギー値が実施例と比較して124kgf・mと低い。
以下の累積圧下率が30%と低い。また、鋼A10は圧延後
の冷却速度が5℃/sと遅い。したがって、鋼A8、A9の降
伏強度は60kgf/mm2以下であり、実施例と比較して低
く、鋼A10は降伏強度は62.3kgf/mm2と高いが、DTエネル
ギー値が実施例と比較して124kgf・mと低い。
鋼B1、B2はNi量が7.12wt%と低い。そのため加熱圧延、
熱処理条件が適切であってもDTエネルギーが実施例と比
較して著しく低い。
熱処理条件が適切であってもDTエネルギーが実施例と比
較して著しく低い。
(発明の効果) 以上のように、本発明法により、従来法では得られなか
った高い降伏強度および優れた低温靱性を有する板厚40
mm以上の9%Ni鋼の製造が可能になり、LNG用貯蔵タン
ク等の安全性向上に対して大きく寄与することは明らか
である。
った高い降伏強度および優れた低温靱性を有する板厚40
mm以上の9%Ni鋼の製造が可能になり、LNG用貯蔵タン
ク等の安全性向上に対して大きく寄与することは明らか
である。
第1図はスラブ加熱温度と0.2%PSとの関係を圧延条件
で整理して示した図、 第2図はスラブ加熱温度と0.2%PSとの関係を圧延後水
冷した材料について圧延条件で整理して示した図であ
る。
で整理して示した図、 第2図はスラブ加熱温度と0.2%PSとの関係を圧延後水
冷した材料について圧延条件で整理して示した図であ
る。
Claims (3)
- 【請求項1】重量%でNi:7.5〜10%含有する鋼スラブを
用い、熱間圧延後、Ac3変態点以上に加熱して冷却する
第1回目の焼入れ処理とAc1〜Ac3変態点に加熱して冷却
する第2回目の焼入れ処理とAc1変態点以下に加熱して
冷却する焼戻し処理とを施す9%Ni鋼の製造法におい
て、 熱間圧延前のスラブ加熱温度を800〜900℃とし、次いで
700〜800℃の累積圧下率が50〜80%の熱間圧延を施し、
圧延後前記第1回目の焼入れ処理をAc3〜850℃に加熱し
て行うことを特徴とする板厚40mm以上の降伏強度の優れ
た厚肉9%Ni鋼の製造法。 - 【請求項2】重量%でNi:7.5〜10%含有する鋼スラブを
用い、熱間圧延後直ちに10℃/s以上の冷却速度で冷却
し、次いでAc1〜Ac3変態点間の温度で焼入れ処理を施
し、Ac1変態点以下の温度で焼戻し処理を行う9%Ni鋼
の製造法において、 前記熱間圧延に当たり、700〜850℃の温度で50〜80%の
累積圧下を施すことを特徴とする板厚40mm以上の降伏強
度の優れた厚肉9%Ni鋼の製造法。 - 【請求項3】熱間圧延前のスラブ加熱温度を800〜1000
℃とすることを特徴とする請求項2記載の板厚40mm以上
の降伏強度の優れた厚肉9%Ni鋼の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2062155A JPH0768576B2 (ja) | 1990-03-13 | 1990-03-13 | 降伏強度の優れた厚肉9%Ni鋼の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2062155A JPH0768576B2 (ja) | 1990-03-13 | 1990-03-13 | 降伏強度の優れた厚肉9%Ni鋼の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03264617A JPH03264617A (ja) | 1991-11-25 |
JPH0768576B2 true JPH0768576B2 (ja) | 1995-07-26 |
Family
ID=13191939
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2062155A Expired - Fee Related JPH0768576B2 (ja) | 1990-03-13 | 1990-03-13 | 降伏強度の優れた厚肉9%Ni鋼の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0768576B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4872917B2 (ja) * | 2005-09-21 | 2012-02-08 | 住友金属工業株式会社 | 低温用鋼材およびその製造方法 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61127813A (ja) * | 1984-11-22 | 1986-06-16 | Nippon Steel Corp | 高アレスト性含Ni調質鋼の製造法 |
-
1990
- 1990-03-13 JP JP2062155A patent/JPH0768576B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4872917B2 (ja) * | 2005-09-21 | 2012-02-08 | 住友金属工業株式会社 | 低温用鋼材およびその製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03264617A (ja) | 1991-11-25 |
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