JPH0768408A - スローアウエイチップ - Google Patents

スローアウエイチップ

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JPH0768408A
JPH0768408A JP22023893A JP22023893A JPH0768408A JP H0768408 A JPH0768408 A JP H0768408A JP 22023893 A JP22023893 A JP 22023893A JP 22023893 A JP22023893 A JP 22023893A JP H0768408 A JPH0768408 A JP H0768408A
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Takuji Nomura
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 刃先を強化し、刃先が鋭磨するのを防止でき
長寿命にすることができると共に、刃先周縁の3ヶ所で
繰り返し使用することができること。 【構成】 円柱形のドリルヘッドの前端面に1枚あるい
は複数枚固定されて金属に深穴を穿つべきスローアウエ
イチップであって、3回対称性を持つ6角形状であり、
6辺のうち等しい長さの3辺について刃先線に沿って
0.2mm〜1mmの幅の傾斜面又は円弧面であるマージン
mを設けてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、金属などからなる被
削材に深い穴を穿孔するための切削刃、特にドリルヘッ
ドに交換可能にとりつけられるスローアウエイチップに
関する。
【0002】
【従来の技術】スローアウエイチップを用いた深穴切削
ドリルは、、例えば図9に示す実開昭58−16461
5号に開示される。内部に屑排出用の径路を有するドリ
ルヘッドの先端に2つのスローアウエイチップが着脱自
在に取り付けられている。ドリルヘッドの端面はこの例
では平坦になっている。端面の一部にひょうたん形の穴
がある。他の一部にも穴がある。穴の側壁にスローアウ
エイチップがとりつけられる。より正確にいうと穴の側
壁に取付座があり、取付座にスローアウエイチップがね
じどめされる。円柱状ドリル本体の外側面には軸方向に
ガイドパットがある。これは中心角が90°をなすよう
2つ設けられている。これは既に穿孔した穴の中でドリ
ルヘッドの位置を正しく保持することができる。図9に
スローアウエイチップの形状を示す。
【0003】ここで使用されているスローアウエイチッ
プは略正三角形状で、三角形の一辺の長さは例えば15
mmである。三角形といっても辺の中点で少し山形に隆起
しているので、厳密には六角形である。隆起部は左右対
称であり、6辺の長さは等しい。隆起部の角度は165
°〜170°程度である。三角形の頂点の内角は70°
〜75°の程度である。前記実開昭58−16415号
は三角形の一辺が端面に平行になるように、2枚のスロ
ーアウエイチップを取りつけている。一枚はドリルヘッ
ドの外周に、一枚は中央部にとりつけてある。
【0004】スローアウエイチップが中心軸のまわりに
回転するので、金属面を削ってゆくことができる。刃物
の中心側の傾角を内切刃角という。刃物の外側向きの傾
角を外切刃角という。正三角形状のチップを端面にとり
つけた場合、辺が、金属面に対して平行であると、内切
刃角βも、外切刃角αもθになってしまう。これでは金
属を切ることができない。前記の例では、三角形の辺を
山形にして165°〜170°の鈍角にしているので、
α+β=15°〜10°に設定できる。ここでは内切刃
角と外切刃角を等しくするのでα=β=7.5°〜5°
の程度である。
【0005】特公昭61−40486号も、図9に示す
ように三角形状で、わずかに山形になった辺をもつスロ
ーアウエイチップを提案している。このスローアウエイ
チップは厚み方向に段差を形成し、切削屑をより細く分
断することができるようにしている。α=β=7.5°
〜5°という条件はここでも成り立っている。
【0006】特開昭59−196107号も、図9に示
すように正三角形状のスローアウエイチップで厚み方向
に段差を設け、切削屑をより細く切るように工夫されて
いる。ここでも2枚のスローアウエイチップが外周と中
心に取付けられる。やはり内切刃角と外切刃角は等しく
なっておりα=β=7.5°〜5°である。
【0007】このようなスローアウエイチップの取付構
造では、α=βとなるので、外側のスローアウエイチッ
プの金属被切削面との接触が点接触になってしまう。こ
れでは金属の内周面を削る際に摩耗が著しくなる。そこ
で刃面が軸方向に平行になるようにするということが考
えられる。
【0008】実開平2−53316号はそのような要求
に応えるものである。正方形の上の一辺を非対称山形に
切っている。五角形のチップである。上辺の3つの内角
はそれぞれ110°、140°、110°である。図1
0、図11に実開平2−53316号のチップの図を示
す。山の頂辺WVVは、長さの比WV:VU=8:3と
なるように非対称に形成されている。この例ではWVに
段部を設けている。五角形チップの特徴はここにある
が、もうひとつ重要な点は側辺WXが軸と平行に取付け
られるので、WXも金属穴内部に接触しこれを研削する
ということである。WXがドリルヘッドの外周に軸平行
にとりつけられる。これは外周から突き出す部分が一点
である図9のものとは違う。金属内面と接する面積が大
きくなるのでより安定な切削をすることができる。
【0009】WVが外切刃となりVUが内切刃となる。
∠WVZ=αが外切刃角、∠UVZ′=βが内切刃角で
ある。
【0010】このチップは側辺WXが軸方向に向くよう
にとりつけられるので、WXに直角な直線ZZ′がドリ
ル端面に平行になる。WXに対して、辺WV、VUは自
由に設定することができる。だから内切刃角を自由に選
ぶことができる。
【0011】しかし、このチップは三角形のチップと異
なり、回転対称性がないので、一度しか使えない。上頂
辺WVUで金属面を切り進んでゆくが、これが摩耗する
と捨ててしまうことになる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従来のスローアウエイ
チップは切断刃面が鋭利であって、磨耗が著しいという
難点があった。より磨耗しにくい長寿命のチップが望ま
しい。また深穴を穿った時に、内側面に接する部分(図
10のWX辺のように)があることが望ましい。さらに
また回転対称であって、刃面を変えて何度も使用できる
方が良い。寿命を2倍あるいは3倍に延ばすことができ
るからである。
【0013】もうひとつの問題は内切刃角βの問題であ
る。スローアウエイチップは外側と中心に設けることが
多い。中心部に設けたものは、ドリルの回転中心上に刃
物の一部が存在する。この部分は回転しないので金属を
切らない。しかし他の部分では金属は切断されてゆくか
ら、軸心上の刃面が金属の残留凸部を押しつぶされてゆ
くことになる。これを干渉という。つまり中心軸線上に
ある刃物において、内切刃の逃げ面のうち中心軸上にお
いて金属の残留凸部を押しつぶす部分を干渉領域と呼
ぶ。
【0014】一回転によるドリルの進みをsとする。刃
物の中心と回転中心の偏心をεとする。一回転の進みs
が大きいと、押しつぶしで進んでゆく部分が増えるので
干渉領域が広くなる。偏心εが大きいと押しつぶしが少
なくなるので干渉領域が狭くなる。内切刃角をβとする
と、干渉領域が発生しないための条件は、 ε/s≧1/2π tanP (1) によって与えられる。これはβによりε/sの範囲を決
定する式である。ε/sはもちろん広い方がよいのであ
る。内切刃角βが小さければ小さいほど、干渉のないε
/sの範囲は狭くなる。内切刃角βが大きいほど干渉の
ない範囲が広くなる。そうすると内切刃角βは大きいほ
どよいのか?というとそうではない。βがあまりに大き
いと切り残しの部分が大量に発生するそこでβの値は1
5°〜30°程度とするのが望ましい。特に30°が最
適である。図9の場合内切刃角βは5°〜7.5°であ
った。図10の場合内切刃角βは20°であった。
【0015】本発明の課題は、結局次のようにまとめら
れる。 刃面自体が長寿命であること。 対称面が複数個であって、面を替えることによりく
りかえし使えること。 中心刃の内切刃角が大きいこと。15°〜30°程
度になること。 軸方向に平行な切断面が存在すること。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明のスローアウエイ
チップは請求項1によれば、3回対称性を持つ6角形状
であり、6辺のうち等しい長さの3辺について前面にそ
ってマージンを設ける。マージンは幅0.2mm〜1mm程
度の傾斜面又は円弧面である。
【0017】また請求項2の発明によれば、前記傾斜面
乃至円弧面は、軸方向線に対して1°〜6°程度傾斜し
てなるものである。
【0018】
【作用】図1は本発明のスローアウエイチップの平面図
である。チップの頂点にA、B、C、D、E、Fの符号
を与える。Oを中心として3回対称性を持つ。それゆえ
AB、CD、EFの延長線はP、Q、Rで交わり、三角
形PQRは正三角形である。
【0019】同様にBC、DE、AFの延長線も正三角
形を形成する。ここでは長辺がAB、CD、EFになっ
ている。この長さをnとする。短辺がBC、DE、FA
である。この長さをmとする。中心Oから長辺ABに下
した垂線の長さをhとする。中心Oから短辺BCに下し
た垂線をkとする。内角は2種類ある。∠BAF=Ψ、
∠CBA=Θとする。Ψは120°以上であり、Θは1
20°以下である。
【0020】3回対称性があるので、短辺BC、DE、
FAを120°回転すると相互に重なり合う。同様に長
辺AB、CD、EFを、点Oを中心にして120°回転
すると相互に重なり合う。短辺BC、DE、FAにマー
ジンmを設ける。マージンについては後に説明する。
【0021】まず内切刃角βについて述べる。このスロ
ーアウエイチップには3回対称性があるので、極めて優
れた特長がある。短辺のいずれかを軸方向に設置したと
する。たとえば短辺BCをドリルヘッドの軸方向平行に
なるようにしたとしよう。すると短辺BCに直交する面
がドリルヘッドの頂面となる。これが被切削金属の面に
平行である。この面に対して辺AFはかならず30°に
なる。つまり内切刃角β=30°となる。これは長辺、
短辺の長さm、n、内角Θ、Ψには全くよらない一般原
理である。証明も簡単にできる。
【0022】AFはBCを120°回転したものであ
る。ドリルヘッド頂面は同じ直線BCを、Oを中心とし
て90°回転したものである。したがってAFは頂面に
対して30°をなす。だから、内切刃角は必ず30°に
なる。さきほど内切刃角は従来のもので5°〜7.5
°、10°であるということを比べた。これらは狭すぎ
て干渉をおこす可能性があるということも説明した。s
/ε<2π tanβでなければならないが、内切刃角βが
小さいと、s/εの範囲が狭くなるからである。それで
15°〜30°がよいのである。本発明の場合、短辺の
ひとつを軸方向に揃えさえすれば、他の短辺の傾角を常
に30°にすることができるのである。30°は内切刃
角として最適の値である。
【0023】もちろん短辺のひとつを軸方向に揃えず、
これがxだけ傾くようにすれば、内切刃角β=30−x
にすることができる。傾き角xを0〜15°に変えるこ
とにより、β=30°〜15°にすることもできる。
【0024】さてチップが6角形であるが、3回対称性
があるので、パラメータの自由度は3つである。このう
ちひとつは寸法に関するものである。角度や寸法比に関
する自由なパラメータは2つしかない。
【0025】m、n、h、k、Θ、Ψの間の関係を整理
しておく。6角形の内角の和は720°であり、ΘとΨ
は六角チップに3つずつ含まれている内角であるので、 Θ+Ψ=240° (2) である。2つの半径OA(=OC=OD)、OB(=O
D=OF)が存在する。これは、 OA=(h2 +k2 +2hk cos Ψ)1/2 cosec Ψ (3) OB=(h2 +k2 +2hk cos Θ)1/2 cosec Θ (4) である。また長辺の長さm(AB、CD、EF)、短辺
の長さn(BC、DE、FA)は、 m=h(cot Ψ+cot Θ)+k(cosec Θ+cosec Ψ) (5) n=k(cot Ψ+cot Θ)+h(cosec Θ+cosec Ψ) (6) によって与えられる。(2)、(5)、(6)の式がな
りたつので、自由パラメータは3つであるが、寸法は拡
大しても縮少しても同じことがいえるので、この比k/
hがパラメータとして自由に与える。角度はΘとΨの和
が240°であるので自由パラメータとしてはひとつで
ある。
【0026】結局本発明のチップは辺、角度の比にかん
して2つのパラメータによって指定することができる。
図9のものは自由パラメータはひとつであり、自由度が
低い。
【0027】さてマージンであるが、これも本発明の顕
著な特徴である。短辺BC、DE、AFのすくい面側に
設ける。もちろん長辺AB、CD、EFにも設けてもよ
いが、切断刃として穴の内側面に接触するのが短辺であ
るので、短辺の方に設けるのが必須である。
【0028】図2は辺BC、DE、FAなど等価な短辺
であって、マージンmを設けた辺の拡大断面図である。
表面側(すくい面側)がLJKGである。G点が刃先線
であり、これが金属を削ってゆく。GHIが逃げ面であ
る。逃げ角δは厚み方向の線MN(JL、ITに直交す
る)に対する逃げ面HIのなす角である。δは10°〜
30°である。ここではδ=16°となっている。
【0029】従来のものは刃先線であるG点と、裏面の
稜線であるI点が直線でつながれていた。ためにG点の
みで被切削物を削ってゆく。ためにG点がすぐに鈍摩し
てしまう。ところが本発明ではマージンGH(m)があ
るので、G点〜H点までが被切削物に接触することにな
る。GHの幅は0.2〜1mmの程度で(例えば0.4m
m)ある。またGHのMNに対する傾角θは例えば4°
である。これは1°〜6°の範囲にすることができる。
【0030】マージンmは短辺に設けられて刃先を強化
することができる。マージンmの傾角θは逃げ角δと同
じ方向であるので、傾角θが逃げ角と同じになると、も
はやマージンを逃げ面HIから区別することができな
い。それでθ<δであるが、δは10°〜30°の程度
であるので、δの上限を6°とする。δの下限は、0°
であるとするとこの部分の逃げがなくなるので、1°以
上とする。すこしでもMNから離れるようにする。それ
でマージンmの傾角は1°〜6°の程度である。
【0031】マージンmの幅はOであるとすぐに逃げ面
が切刃線Gに続く従来のものと同じということになる。
マージン幅mが大きすぎると刃の逃げがなくなるので被
切削金属を切削することができなくなる。最適には0.
4mmであるが、より一般的にはm=0.1〜1mmとする
【0032】
【実施例】一例を述べる。図1のチップにおいて、厚み
を7.5mm、架空の正三角形PQRの一辺を30mmとす
る。O点より短辺BC、DE、FAへ下した垂線の足の
長さkを11mmとする。hは8.5mmである。長辺nは
16mm、短辺mには7mmである。Ψ=138°、Θ=1
02°となっている。そしてA、C、Eは尖点であって
R0.5となっている。他のB、D、FはR1.6とな
っていて丸みを帯びている。長辺AB、CD、EFの内
接円の直径(=2h)は17mmである。
【0033】同じ実施例は図2において、GH=0.4
mm、θ=4°、δ=16°である。JKは切屑をここで
折るための隆起であるが、JKの高さは0.7mmになっ
ている。図3は断面図である。図4は概略の斜視図であ
る。図1と同じ稜、点には同じ符号を付した。チップ1
の前面(より広い方の面)は切断側の面つまりすくい面
2である。ABCDEFは尖鋭な稜線である。つまり切
断線である。このうちBC、DE、FAなど短辺につい
てはマージンmが形成されている。これより(後方)
は、一定の逃げ角を採った逃げ面(BB′CC′、C
C′D′D、…、AA′B′B)3.4となっている。
逃げ面3の一部にマージンmが形成されているのであ
る。チップ1の中央にはボルト穴5が穿孔されている。
【0034】以上で、スローアウエイチップそのものに
ついては全て説明した。スローアウエイチップは、チッ
プ取り付け板にボルトで固定されて利用される。図5は
チップ取り付け板6にスローアウエイチップ1をねじ7
で固定した状態の平面図を示す。図6は同じものの正面
図である。チップ取り付け板6は細長い板状の部材であ
る。スローアウエイチップはひとつのドリルに2〜3枚
とりつけられることもあるが、いずれもチップ取り付け
板6にとりつけた状態で使われる。全てのチップの方位
角は等しい。これをもし内方刃として利用する場合、ド
リルヘッド中心線(つまり回転中心)はZZ′のように
短辺AFを通る。交点Zでは刃が金属に対して線速度が
Oになるので干渉の問題が発生する。
【0035】チップ取り付け板は、チップにほぼ等しい
形状の窪み8が形成してある。これにチップがすっぽり
と嵌込むようになっている。そしてねじ7によってチッ
プ1を固定する。窪み8に嵌まり込んでいるからチップ
1は回転できない。
【0036】このチップの短辺BCがドリル中心線Z
Z′に平行になるように固定している。このようにする
と、内切刃角βは必ず30°になる。干渉の起こりにく
い最適の角度である。外切刃角αは自由に与えうる角度
である。これは一般に5°〜15°とする。内切刃角β
は15°〜30°であっても良い。30°からずれるよ
うにするには、窪み8の形状を変えて、短辺BCがドリ
ル中心線ZZ′に平行でないようにしなければならな
い。
【0037】チップ1、チップ取り付け板6を実際にド
リルヘッド8に取り付けた状態を図7、図8に示す。こ
れは3つのスローアウエイチップを取りつける例であ
る。ドリルヘッド9は円柱状の部材で空洞部10があ
り、ここには切屑や油が通るようになっている。ドリル
ヘッド9の前端面には4分円状の開口11,12があ
る。開口12の壁面の2箇所がチップ取付座13,14
となっている。これは軸ZZ′に平行な垂直壁面であ
る。開口11の壁面の1箇所にもチップ取付座15が形
成されている。
【0038】チップ取り付け板6にチップ1を取り付け
ておき、この取り付け板6をチップ取付座13〜15に
ねじ16,17,18によって固定する。
【0039】最内奥のチップ取付座13のチップはもっ
とも線速度が遅くて、金属穴の真中付近を進んでゆく。
これをチップΓと呼ぶ。中間のチップ取付座15のチッ
プは中間の線速度を持つ。これをチップΔと呼ぶ。最外
周のチップ取付座14のチップは最高の線速度を持つ。
これをチップΛという。内チップΓ、中チップΔ、外チ
ップΛともに、当然回転速度は等しい。しかし中心軸Z
Z′からの距離が違うために線速度が違う。
【0040】ドリルヘッド9の側面には軸方向に平行な
ガイドパッド19,20がねじによって固定される。こ
れは金属に深穴を穿孔した時、穴の内側面に接触する部
材である。
【0041】内チップΓ、中チップΔ、外チップΛとも
に同一チップを同一方位になるように取付ける。したが
って三つのチップについて外切刃角αと、内切刃角βは
等しい。六角形チップであり長辺と短辺とを持つが、こ
れらはいずれも切削に寄与する。ZZ′を中心にしてド
リルヘッドを回転する時にチップΓ、Δ、Λの切刃の軌
跡が互いにオーバラップするように決める。すると余す
ことなく金属に深穴を穿ってゆくことができる。
【0042】短辺にはマージンmがあるので、刃先線と
金属穴との接触面積が増加し刃先の摩耗を防いでいる。
【0043】内チップΓ、外チップΛと、中チップΔと
は刃先の方向が反対になっているように見えるがそうで
はない。ドリルは右まわりに回転するので、内チップ
Γ、外チップΛは図8ですくい面が見える方向に固定さ
れる。中チップΔは図8ですくい面が裏側にくる。つま
り中チップΔは、ΓやΛと反対向きにとりつけられてい
る。ために刃先の方向が反対に見える。回転方向で見れ
ば同方位を向いているということが分かる。
【0044】外チップΛにおいて短辺が軸ZZ′に平行
であるので、被切削金属穴同周との接触が点接触でなく
線接触になる。この点でも図9のものよりせも優れてい
る。これはチップの一隅で点接触するだけだからであ
る。
【0045】チップは2枚であることもある。この場合
は、一方の開口に外チップ1枚をとりつけ、他方の開口
に内チップを1枚とりつける。ドリルを回転した時、外
チップの軌跡、内チップの軌跡がオーバラップすればよ
いのである。
【0046】
【発明の効果】本発明は、スローアウエイチップの回転
対称な辺にマージンを設けている。マージンは1°〜6
°の傾斜面または円弧面であり、幅は狭いものである
が、刃先を強化する上で効果がある。被切削物との接触
面積が増えるためである。このため刃先が鋭磨するのを
防止でき長寿命にすることができる。
【0047】スローアウエイチップであるので摩耗した
刃先は再研磨しない。3回対称性があり、切刃は3箇所
にあるので、ねじを緩めてチップを120°まわして再
び固定することにより再び使用できる。つまり3回分使
用できる。
【0048】短辺と長辺の組になっている。短辺が内切
刃になっても、長辺が内切刃になってもよいが、一辺を
ドリル軸と平行になるように固定すると、内切刃角が必
ず30°になり、干渉が起こりにくい角度になる。一辺
をドリル軸から傾けることになり、内切刃角βは30°
〜15°に設定することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスローアウエイチップの平面図であ
る。
【図2】本発明のスローアウエイチップの短辺の拡大断
面図である。
【図3】本発明のスローアウエイチップのボルト穴を通
る断面図である。
【図4】本発明のスローアウエイチップの斜視図であ
る。
【図5】スローアウエイチップをチップ取り付け板に取
付けた状態の平面図である。
【図6】スローアウエイチップをチップ取り付け板に取
付けた状態の正面図である。
【図7】チップをドリルヘッドに取付けたものの平面図
である。
【図8】チップをドリルヘッドに取付けたものの正面図
である。
【図9】公知例にかかる三角形スローアウエイチップの
正面図である。
【図10】公知例にかかる五角形スローアウエイチップ
の正面図である。
【図11】公知例にかかる五角形スローアウエイチップ
の斜視図である。
【符号の説明】
1 スローアウエイチップ 2 すくい面 3 逃げ面 4 逃げ面 5 ボルト穴 6 チップ取り付け板 7 ねじ 8 窪み 9 ドリルヘッド 10 空洞部 11 開口 12 開口 13 チップ取付座 14 チップ取付座 15 チップ取付座 m マージン

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円柱形のドリルヘッドの前端面に1枚あ
    るいは複数枚固定されて被削材に深穴を穿つべきスロー
    アウエイチップであって、3回対称性を持つ6角形状で
    あり、6辺のうち等しい長さの3辺について刃先線に沿
    って0.2mm〜1mmの幅の傾斜面又は円弧面であるマー
    ジンを設けたことを特徴とするスローアウエイチップ。
  2. 【請求項2】 前記傾斜面乃至円弧面は、軸方向線に対
    して1°〜6°程度傾斜して形成されてなる請求項1記
    載のスローアウエイチップ。
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Cited By (10)

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