JPH0767692A - 光学異性体用分離剤 - Google Patents

光学異性体用分離剤

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JPH0767692A
JPH0767692A JP5221000A JP22100093A JPH0767692A JP H0767692 A JPH0767692 A JP H0767692A JP 5221000 A JP5221000 A JP 5221000A JP 22100093 A JP22100093 A JP 22100093A JP H0767692 A JPH0767692 A JP H0767692A
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separating
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淳 萩中
Hiroo Wada
啓男 和田
Hironari Fujima
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来のタンパク質を固定相とした光学分割カ
ラムでは分離できなかったサルブタモール、アテノロー
ルのエナンチオマーが分離できかつ安価で有機溶媒によ
る変性に対して安定な光学異性体用分離剤を提供するこ
とである。 【構成】 ペプシン又は分子構造の一部を修飾したペプ
シンが担体に結合されている固定相からなることを特徴
とする光学異性体用分離剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光学異性体の分離剤に関
し、詳しくは担体に固定化されたペプシン又は分子構造
の一部を修飾したペプシンを使用した光学異性体用分離
剤に関する。
【0002】
【従来の技術】不斉炭素原子を含むキラルな化学物質に
ついて、その光学異性体を分離することが特に医薬品の
分野において強く要求されている。すなわち一つのラセ
ミ体を構成する複数の光学異性体の中の一つのものが特
別に顕著な医薬上の有用性、例えば顕著な薬理作用、顕
著な生体内利用性を示し、あるいは反対に顕著な毒性を
示すことが一般事実として明らかになり、従って医薬品
としてはラセミ体として投与されるよりも、分離された
光学異性体として投与される方がより合理的であり、治
療効果を高める結果となるからである。
【0003】光学異性体の分離については従来から幾多
の実験室的方法が報告されてきたが、工業的規模におい
て実施できるものは少なく、これは非常に困難な技術課
題であると考えられてきた。しかしカラムクロマトグラ
フィーの進歩により、とりわけ液体クロマトグラフィー
により光学異性体を分離する方法が一般に知られるよう
になった。これらの方法については、例えば下記文献
1)〜7)に示されている。 1) イエルゲン・ヘルマンソン:ジャーナル・オブ・
クロマトグラフィー,325(1985)379頁−3
84頁(Joergen Hermansson:Journal of Chromatograp
hy, 325(1985)379−384) 2) エス・アレンマルクら:ジャーナル・オブ・クロ
マトグラフィー,264(1983)63頁−68頁
(S.Allenmark et al:Journal of Chromatography,26
(1983)63−68) 3) エス・アレンマルクら:ジャーナル・オブ・クロ
マトグラフィー,237(1982)473頁−477
頁(S.Allenmark et al:Journal of Chromatography,
37(1982)473−477) 4) 特開昭60−41619号公報 5) 三輪敏紳ら:ケミカル・アンド・ファーマシュー
ティカル・ブリテン,35巻(1987)682頁−6
86頁(T.Miwa et al:Chemical and Pharmaceutical B
ulletin,Vol 35(1987)682−686) 6) 萩中 淳ら:クロマトグラフィア,29巻(19
90)587頁−592頁(J.Haginaka et al:Chromat
ographia, Vol 29(1990)587−592) 7) 特開昭64−3129号公報 上記文献のうち、1)はキラルなα1 −酸性糖蛋白を使
用する技術を開示している。2)および3)は牛血清ア
ルブミンをそれぞれシリカおよびアガロースに結合せし
めた固定相を使用して分離する方法を開示している。
4)はオロソムコイド、その官能類似体等を使用して分
離する方法を開示している。5)および6)はオボムコ
イドを担体に結合せしめた固定相を使用して分離する方
法を開示している。7)はアビジンを担体に結合せしめ
た固定相を使用して分離する方法を開示している。
【0004】しかしながら1)〜4)及び7)の技術に
おける使用資材は一般に高価である。またこれらの技術
における分離方法は主として多量の有機溶媒を使用する
液体クロマトグラフィーによって行われるので、使用資
材は有機溶媒による変性に対して安定でなければならな
いが、例えばアルブミン、オロソムコイドはこの条件を
十分に満足することができない。5)及び6)は比較的
安価な資材を使用し、変性に対して安定である。しかし
いずれの分離剤においてもサルブタモール及びアテノロ
ールのエナンチオマーは分離することができないか又は
非常に不十分な分離しかできなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の目
的は、サルブタモール、アテノロールのエナンチオマー
が分離でき、安価でかつ有機溶媒による変性に対して安
定な光学異性体用分離剤を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するため種々の検討を行なった。その結果、動物の
胃液に含まれるプロテアーゼの主成分であるペプシンを
使用することにより上記目的を達成することができるこ
とを見い出し、本発明を完成するに至った。すなわち、
本発明はペプシン又は分子構造の一部を修飾したペプシ
ンが担体に結合されている固定相からなることを特徴と
する光学異性体用分離剤である。
【0007】以下本発明を詳細に説明する。ペプシンは
動物の胃液に含まれるプロテアーゼの主成分で分子量3
5,500、等電点1以下の蛋白質である。サフラニン
による沈殿吸着剤による分別および等電点沈殿など多く
の方法で精製される。従って本発明に用いられるペプシ
ンとしてこのような安価に製造されたペプシンを使用す
ることが好ましいが、本発明に使用するペプシンの入手
方法は、特別に限定される必要はない。市販品として
は、シグマ製のペプシンがある。
【0008】本発明に用いられる担体は、ペプシン又は
分子の一部が修飾されたペプシンと結合し、固定相を形
成し得るものであればよい。本発明の分離剤を用いた光
学異性体の分離は、主として液体クロマトグラフィーに
よって行われるもので、担体としては例えばシリカゲ
ル、ガラス、セルロース、カーボンまたは合成ポリマー
(例えば、ポリビニルアルコール)等を挙げることがで
きる。
【0009】ペプシン又は分子の一部が修飾されたペプ
シン(以下リガンドと呼ぶ)が結合されている担体から
なる固定相は、固定相を形成するために通常行われてい
る方法に従って形成することができる。例えば、ペプシ
ンを担体に結合するには、例えばアミノプロピルシリカ
ゲルを担体とし、N,N−ジサクシニミジルカーボネー
トを架橋剤としてペプシンを結合する方法、ガラスを担
体とし、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
を架橋剤としてペプシンを結合する方法、セルロースを
担体とし、ブロムシアンで活性化してからこれにペプシ
ンを結合する方法、イオン交換合成ポリマーにペプシン
を結合する方法等が挙げられる。
【0010】また、分子の一部を修飾したペプシンが担
体に結合した固定相を得る方法には、あらかじめ分子の
一部を修飾しておいたペプシンを共有結合やイオン結合
などによって担体に結合する方法と、ペプシンを結合さ
せておいた固定相に先に述べた方法による修飾を施して
目的とする固定相を得る方法がある。例えばアミノプロ
ピルシリカゲルやアミノ基が結合した合成ポリマーを担
体とし、グルタルアルデヒドやN,N−ジサクシニミジ
ルカーボネートを架橋剤としてリガンドを結合したり、
あるいはシリカゲルやガラス若しくはカーボンを担体と
して3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを架
橋剤としてリガンドを結合したり、あるいはセルロース
を担体とし、ブロムシアンで活性化してからこれらにリ
ガンドを結合したり、陰イオン交換合成ポリマーにリガ
ンドを結合したりする方法により製造できる。
【0011】一般に蛋白質分子を修飾する方法には、化
学的方法、酵素的方法、物理的方法等が挙げられる。即
ち、蛋白質分子中のアミノ基、イミダゾール基又はカル
ボキシル基にアルデヒド類、酸無水物又はアルコール類
を反応させると、それぞれ、シッフ塩基、N−置換イミ
ダゾール基又はエステルが生成して化学的修飾がなされ
る。又、酵素の持つ多彩な作用を用いれば、官能基の修
飾、分子の酸化や還元、分子の一部を除去するなどの反
応が緩和な条件で行い得る。例えば、ペプシンの一部を
グルタル化したペプシンは次のようにして得ることがで
きる。
【0012】ペプシンおよびグルタルアルデヒドをpH6.
8のりん酸塩緩衝液に入れ、30℃で15時間攪拌後、
生成したグルタル化ペプシン(非還元型)、あるいはさ
らに水素化ほう素ナトリウムを用いてpH6.8のりん酸塩
緩衝液中で、4℃で12時間攪拌し還元後、生成したグ
ルタル化ペプシン(還元型)を得ることができる。
【0013】グルタル化ペプシンの精製方法は、特に限
定されず、一般に用いられる方法によることができる。
例えば、セファデックスG25カラムクロマトグラフィ
ーを使用して、上記反応液より未反応のグルタルアルデ
ヒドおよび水素化ホウ素ナトリウムを除去することがで
きる。また、ペプシンの一部をジオール化したペプシン
を得るには、例えば、ペプシンおよび2,3−エポキシ
プロパノールをpH8.0のりん酸塩緩衝液中に加え、室温
で24時間攪拌後、精製すればよい。
【0014】また、ペプシンの一部をアシル化したペプ
シンを得るには、例えば、ペプシンおよび対応する酸無
水物をpH8.5のほう酸塩緩衝液にいれ、25℃で30〜
60分攪拌後、精製すればよい。グルタル化したペプシ
ンをアミノプロピルシリカゲルに結合するには、具体的
には次のようにすればよい。
【0015】グルタル化したペプシンをpH6.8の炭酸水
素ナトリウム緩衝液に溶解する。別にアミノプロピルシ
リカゲルおよびN,N−ジサクシニミジルカーボネート
をpH6.8の炭酸水素ナトリウム緩衝液に溶解懸濁させ、
一晩攪拌後、分取水洗して活性化アミノプロピルシリカ
ゲル懸濁液を得る。先に用意したグルタル化ペプシンの
溶液を活性化アミノプロピルシリカゲル懸濁液に加え、
攪拌後水洗してシリカゲルにグルタル化ペプシンが架橋
剤を介して結合した光学異性体分離剤を得ることができ
る。
【0016】また、ペプシンを結合させておいた固定相
上のペプシンに化学修飾を行うには次のようにすればよ
い。例えば、親水性合成ポリマーにペンタエチルヘキサ
ミン等のポリアミンを導入した担体とN,N−ジサクシ
ニミジルカーボネートをpH6.8炭酸水素ナトリウム緩衝
液に溶解、懸濁させ一晩攪拌し、分取水洗して活性化合
成ポリマーの懸濁液を得る。別に、ペプシンをpH6.8炭
酸水素ナトリウム緩衝液に溶解した溶液を用意し、前記
懸濁液に加えることにより、ペプシンが結合したポリマ
ー充填剤を得る。この充填剤およびグルタルアルデヒド
をpH6.8のりん酸塩緩衝液に入れ、30℃で15時間攪
拌後、生成したグルタル化ペプシン(非還元型)、ある
いはさらに水素化ほう素ナトリウムを用いてpH6.8のり
ん酸塩緩衝液中で、4℃で12時間攪拌し、還元後、生
成したグルタル化ペプシン(還元型)がアミド結合およ
び架橋剤を介して合成ポリマーに結合した光学異性体分
離剤を得ることができる。
【0017】このようにペプシンを化学修飾することに
より、光学異性体分離カラムとしてのカラムライフ(サ
ンプル注入回数)を大幅に伸ばすことができる。担体1
00重量部に対するペプシン又は修飾ペプシンの結合割
合は、8〜11重量部、好ましくは9〜10重量部、一
般に約10重量部が適当である。本発明の分離剤は前記
したごとく、ペプシンを担体に結合した固定相、担体に
固定化されたペプシンの分子構造の一部を修飾した固定
相、若しくは分子構造の一部を修飾したペプシンを担体
に結合した固定相からなることを特徴とする。従って本
発明の分離剤には当該固定相が必須の構成成分として含
まれるが、同時に分離剤中の他の成分、例えばシリカゲ
ル、ガラス、セルロース、カーボンやポリマー等、ペプ
シン又は修飾ペプシンが結合していない担体が任意に選
択されて加えられることは自由であり、分離の向上のた
めに適宜行うことができる。
【0018】本発明の分離剤を用いて分離することがで
きる光学異性体とは、分子内に不斉炭素原子を有するキ
ラル化合物を言い、多くの医薬品にその例を見ることが
できる。前述のサルブタモール及びアテノロールの他、
例えばクロルフェニラミン、クロルプレナリン、ピンド
ロール、ヴェラパミル、プロプラノロール、ジメチンデ
ン、エチアジド等を挙げることができる。これらの化合
物においては互いに鏡像関係にある複数の光学異性体が
存在し、一体となってラセミ体を形成している。本発明
の分離剤はこれらラセミ体を対象として、これらを構成
する光学異性体を分離するのに特に有効である。
【0019】本発明の分離剤は主として液体クロマトグ
ラフィーにおいて使用される。従ってその使用方法は液
体クロマトグラフィーにおける通常の操作によって行え
ばよく、例えば本発明の分離剤をカラムに充填し、光学
異性体に係るセラミ体をチャージし、次にりん酸緩衝
液、エタノール水溶液、イソプロパノール等の移動相を
流通せしめ、保持時間の差によって、所望の光学異性体
を分離すればよい。
【0020】
【実施例】以下に記載する実施例によって本発明を更に
具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではない。 実施例1 アミノプロピルシリカゲル(信和化工(株)製:ULT
RON NH2、アミノプロピル基含量:8重量%)3
gおよびN,N−ジサクシニミジルカーボネート2gを
0.1M炭酸水素ナトリウム緩衝液(pH6.8)100mlに
入れ、一夜攪拌し、ガラスフィルター上にとり、水洗し
て活性化アミノプロピルシリカゲルの懸濁液を調製し
た。別にペプシン(シグマ製)2gを0.1M炭酸水素ナ
トリウム緩衝液(pH6.8)30mlに溶解した溶液を用意
し、それを前記懸濁液に加え、30℃で15時間攪拌
後、ガラスフィルター上にとり、水洗し、本発明の分離
剤を得た。得られた分離剤をスチールカラムに充填し、
光学異性体分離用カラムとした。 実施例2 グルタルアルデヒド0.1gおよびペプシン2gを0.6M
りん酸塩緩衝液(pH6.8)に入れ、30℃で15時間攪
拌し、グルタル化ペプシンを合成した。セファデックス
G25カラムクロマトグラフィーにより未反応のグルタ
ルアルデヒドを除きグルタル化ペプシン(非還元型)を
単離した。グルタル化ペプシン(非還元型)の一部を、
水素化ほう素ナトリウムを用いてpH6.8のりん酸塩緩衝
液中で、4℃で12時間攪拌し還元し、グルタル化ペプ
シン(還元型)を得た。
【0021】次に、親水性ポリマー(ポリビニルアルコ
ール共重合体)ゲルにポリアミン(ペンタエチルヘキサ
ミン)を導入したカラム充填剤〔アサヒパックNH2P
−50(昭和電工製)〕2gおよびN,N−ジサクシニ
ミジルカーボネート2gを0.1M炭酸水素ナトリウム緩
衝液(pH6.8)100mlに入れ、一夜攪拌し、ガラスフ
ィルター上にとり、水洗して活性化合成ポリマーゲルの
懸濁液を調製した。別に非還元型あるいは還元型グルタ
ル化ペプシン2gを0.1M炭酸水素ナトリウム緩衝液
(pH6.8)30mlに溶解した溶液を用意し、それを前記
懸濁液に加え、30℃で15時間攪拌後、ガラスフィル
ター上にとり、水洗し、本発明の分離剤を得た。得られ
た分離剤をスチールカラムに充填し、光学異性体分離用
カラムとした。 実施例3 アミノプロピルシリカゲル3gおよびN,N−ジサクシ
ニミジルカーボネート2gを0.1M炭酸水素ナトリウム
緩衝液(pH6.8)100mlに入れ、一夜攪拌し、ガラス
フィルター上にとり、水洗して活性化アミノプロピルシ
リカゲルの懸濁液を調製した。別にペプシン2gを0.1
M炭酸水素ナトリウム緩衝液(pH6.8)30mlに溶解し
た溶液を用意し、それを前記懸濁液に加え、ペプシン結
合シリカゲル充填剤を得た。この充填剤2gおよびグル
タルアルデヒド0.1gを0.06Mりん酸塩緩衝液(pH6.
8)30mlに入れ、30℃で15時間攪拌し本発明の分
離剤(非還元型)を得た。さらに0.2gの水素化ほう素
ナトリウムを加え4℃で12時間攪拌、還元し本発明の
分離剤(還元型)を得た。得られた分離剤をスチールカ
ラムに充填し、光学異性体分離用カラムとした。 実施例4 アミノプロピルシリカゲル3gおよびグルタルアルデヒ
ド0.1gを0.06Mりん酸塩緩衝液(pH6.8)100ml
に入れ、30℃で15時間攪拌後、ガラスフィルター上
にとり水洗した。このグルタル化シリカゲルにペプシン
2gを0.1M炭酸水素ナトリウム(pH6.8)30mlに溶
解し反応させるとともに、ペプシンのグルタル化も行わ
せしめ、本発明の分離剤を得た。得られた分離剤をスチ
ールカラムに充填し、光学異性体分離用カラムとした。 実施例5A 実施例1と同様にアミノプロピルシリカゲルを用いてペ
プシン結合シリカゲル充填剤を得た。この充填剤を五酸
化りんデシケーター中にて乾燥した後、0.06Mりん酸
塩緩衝液(pH8.0)に懸濁し、2,3−エポキシプロパ
ノール0.5mlを加えて室温にて24時間攪拌して本発明
分離剤を得た。得られた分離剤をスチールカラムに充填
し、光学異性体分離用カラムとした。 実施例5B ペプシン2gを0.06Mりん酸塩緩衝液に懸濁し、2,
3−エポキシプロパノール0.5mlを加えて室温にて24
時間攪拌してジオール化ペプシンを得た。次に、アミノ
プロピルシリカゲル3gおよびN,N−ジサクシニミジ
ルカーボネート2gを0.1M炭酸水素ナトリウム緩衝液
(pH6.8)100mlに入れ、一夜攪拌し、ガラスフィル
ター上にとり、水洗して活性化アミノプロピルシリカゲ
ルの懸濁液を調製した。別にジオール化ペプシン2gを
0.1M炭酸水素ナトリウム緩衝液(pH6.8)30mlに溶
解した溶液を用意し、それを前記懸濁液に加え、30℃
で15時間攪拌後、ガラスフィルター上にとり、水洗
し、本発明の分離剤を得た。得られた分離剤をスチール
カラムに充填し、光学異性体分離用カラムとした。 実施例6A 実施例1と同様にアミノプロピルシリカゲルを用いてペ
プシン結合シリカゲル充填剤を得た。本充填剤1.8gお
よび1mlのジオキサンに0.225mlの無水酢酸を溶解し
た溶液を0.1Mほう酸塩緩衝液(pH8.5)50mlに入
れ、25℃で30分攪拌後、ガラスフィルター上にと
り、水洗して本発明の分離剤を得た。得られた分離剤を
スチールカラムに充填し、光学異性体分離用カラムとし
た。 実施例6B ペプシン2gを1mlのジオキサン0.225mlの無水酢酸
を溶解した溶液とともに0.1Mのほう酸塩緩衝液(pH8.
5)に入れ、アセチル化ペプシンを得た。次に、アミノ
プロピルシリカゲル3gおよびN,N−ジサクシニミジ
ルカーボネート2gを0.1M炭酸水素ナトリウム緩衝液
(pH6.8)100mlに入れ、一夜攪拌し、ガラスフィル
ター上にとり、水洗して活性化アミノプロピルシリカゲ
ルの懸濁液を調製した。別にアセチル化ペプシン2gを
0.1M炭酸水素ナトリウム緩衝液(pH6.8)30mlに溶
解した溶液を用意し、それを前記懸濁液に加え、本発明
の分離剤を得た。得られた分離剤をスチールカラムに充
填し、光学異性体分離用カラムとした。
【0022】以下の実験例によって本発明の効果を示
す。 実験例1 実施例1で調製した光学異性体分離用カラムを用いて従
来のカラムでは分離できなかったサルブタモールのエナ
ンチオマーにおける分離を試みた。なお、移動相は20
mMりん酸塩緩衝液(KH2PO4/K2HPO4)(pH5.1 )/エタノ
ール=95/5(V/V)を使用し、流速を0.8 ml/min と
した。結果を図1に示す。図1より本発明分離剤によっ
て各光学異性体が分離されたことが判明した。
【0023】実験例2 実施例3で調製した(非還元型)光学異性体分離用カラ
ムを用いて従来のカラムでは分離できなかったアテノロ
ールのエナンチオマーにおける分離を試みた。なお、移
動相は、20mMりん酸塩緩衝液(KH2PO4/K2HPO4)(pH5.1)
/エタノール=95/5(V/V) を使用し、流速を0.8ml
/minとした。結果を図2に示す。図2より本発明分離剤
によって各光学異性体が分離されたことが判明した。
【0024】実験例3 実施例1及び実施例3で調整した光学異性体用カラムを
用いて実験例1と同様にサルブタモールのエナンチマー
における分離を繰り返し試みた。実施例1で調整したペ
プシンカラムで分析した場合、50回の注入でカラムの
劣化が始まり、分離が充分に行われなくなったのに対し
て、実施例2で調製したグルタル化ペプシンカラムで分
析した場合には、300回の注入でもカラムの劣化が起
こらなかった。
【0025】
【発明の効果】本発明の光学異性体用分離剤は、光学異
性体を効率よく分離することができ、また安価であり、
かつ有機溶媒による変性に対して安定である。例えば、
従来の牛血清アルブミンでは、1−プロパノールは5%
以下でしか使用できなかったが本発明の分離剤では、例
えば、グルタル化ペプシンの場合、50%メタノール、
エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ア
セトニトリル等の溶媒の使用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で調製した光学異性体分離用カラムを
用いてサルブタモールのエナンチマーにおける分離を試
みた結果を示す図面である。
【図2】実施例3で調整した(非還元型)光学異性体分
離用カラムを用いてアテノロールのエナンチオマーにお
ける分離を試みた結果を示す図面である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ペプシン又は分子構造の一部を修飾した
    ペプシンが担体に結合されている固定相からなることを
    特徴とする光学異性体用分離剤。
  2. 【請求項2】 ペプシン分子構造の一部の修飾が、グル
    タル化若しくはその還元化、ジオール化、またはアシル
    化である請求項1記載の光学異性体用分離剤。
  3. 【請求項3】 担体がシリカゲル、ガラス、セルロー
    ス、カーボンまたは合成ポリマーである請求項1または
    2記載の光学異性体用分離剤。
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Cited By (4)

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